JPH0642041Y2 - 壁際の床下地構造 - Google Patents

壁際の床下地構造

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JPH0642041Y2
JPH0642041Y2 JP1546289U JP1546289U JPH0642041Y2 JP H0642041 Y2 JPH0642041 Y2 JP H0642041Y2 JP 1546289 U JP1546289 U JP 1546289U JP 1546289 U JP1546289 U JP 1546289U JP H0642041 Y2 JPH0642041 Y2 JP H0642041Y2
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英彦 藤森
稔 山口
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Daikin Industries Ltd
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Description

【考案の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本考案は、壁際の床下地構造に関し、特に防音性に優れ
た壁際の床下地構造に関する。
(従来の技術) 防音性を有する床下地構造としては、床衝撃エネルギー
を吸収するため、床根太材や床パネル材等の床下地材と
床スラブとの間にグラスウール等よりなる緩衝材を配設
した構造が知られているが、床スラブと壁との交差部近
傍においては、床下地材の上に敷設された床仕上げ材上
に家具等の重量物を載置することが多いので、この重量
物によって緩衝材が変形し、床下地材の沈み込みが発生
することがある。
この床下地材の沈み込みを防止するため、硬質の際根太
材を床下地材と床スラブ間に配置してなる床下地構造、
或いは、壁面に取付けたL字状の際根太支持部材により
際根太材を支持し、この際根太材により床下地材を支持
してなる床下地構造が知られているが、このような床下
地構造によると、床下地材の沈み込みは防止できる反
面、その上に敷設された床仕上げ材上に衝撃が加わると
床スラブ或いは壁に振動伝播が生じて、防音性が損なわ
れるという新たな問題が発生する。
そこで、第6図に示すように、壁際においては、L字状
の際根太支持部材aの保持部bの上面に際根太材cを接
着すると共に、この際根太材c上に制振材dを接着し、
さらに、この制振材dの上に床下地材eを接着、支持す
る一方、壁際以外の箇所においては、床スラブfと床下
地材eとの間に緩衝材g及び遮音パネル材hを介在させ
てなる床下地構造が提案されている。
(考案が解決しようとする課題) ところが、前記の床下地構造によると、床下地材eの上
に敷設された床仕上げ材の中央部に衝撃が加わると、そ
の中央部が沈み込む一方で周縁部が跳ね上がろうとする
ため、第6図の二点鎖線で示すように、床下地材eも同
様の動きをする。
このため、際根太材cが上下方向に振動して壁面iへの
振動伝播が生じ、防音性が損なわれるという問題が起き
る。また、際根太支持部材aの保持部bと際根太材c
間、際根太材cと制振材d間、及び、制振材dと床下地
材e間のうち接着強度の弱い接着層内で剥離したり、制
振材dの内部において材内剥離が発生したり、或いは、
床下地材eの浮き上がりが生じたりして、防音性の低
下、床仕上げ材の不陸さらには歩行時の床鳴りの発生等
の問題も発生する。
前記に鑑みて、本考案は、防音性を向上させ、且つ、床
仕上げ材の不陸や歩行時の床鳴りの発生を防止すること
を目的とする。
(課題を解決するための手段) 前記の目的を達成するため、本考案は、際根太材を際根
太支持部材で上下方向から挟持すると共に、際根太材の
上下面と際根太支持部材との間に制振材を介在させるも
のである。
具体的に本考案の講じた解決手段は、床スラブと壁との
交差部近傍において床根太材や床パネル材等の床下地材
を支持する壁際の床下地構造を対象とし、壁面下部に、
垂直な基部と該基部の上下端から略水平方向に突出する
上下保持部とからなる断面略コの字状の際根太支持部材
が複数個水平方向に所定間隔をあけて配置され、且つ、
各々前記基部にて壁面に取付けられており、該際根太支
持部材間に跨る長さの長尺状の際根太材が、際根太支持
部材の上下保持部間に該上下保持部材の各々との間に制
振材を介在させて嵌入保持されて壁際に架設されてお
り、該際根太材の上に前記床下地材が載置される構成と
するものである。
(作用) 前記の構成により、床下地材上に敷設された床仕上げ材
の中央部に衝撃が加わり、その周縁部が跳ね上がろうと
しても、際根太材は、断面コの字状の際根太支持部材の
上下保持部間に嵌入されているため上下動しない。ま
た、際根太材が上下方向に少し振動しても、際根太材は
その上下に配置された制振材を介して支持されているた
め、その振動が減衰される。このため、際根太材の上下
方向の振動に伴う壁面への振動伝播が少ない。また、際
根太支持部材の上下保持部と制振材間或いは制振材と際
根太材間等の接着層における層内剥離、及び、制振材の
内部における材内剥離が防止される。
(実施例) 以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説明する。
第1図及び第2図は本考案に係る壁際の床下地構造を示
し、床スラブ10と壁12との交差部近傍において、複数個
の断面コの字状の際根太支持部材14,14が水平方向に所
定間隔をあけて配置されている。これらの際根太支持部
材14は、アルミニウムやスチール等の金属或いはポリ塩
化ビニル等の硬質樹脂により成形されており、壁12に沿
う垂直な基部14aと、この基部14aの上下両端から壁12の
反対側へ略水平に突出する上側保持部14b及び下側保持
部14cとからなる。際根太支持部材14の基部14aには取付
け穴14dが設けられており、この取付け穴14dにコンクリ
ート釘16が打込まれて際根太支持部材14は壁12に支持さ
れている。
尚、前記際根太支持部材14をコンクリート釘16に代えて
ボルトで取付けてもよいと共に、接着剤と併用して取付
けてもよい。この場合、壁12に水平基準線の墨打ちをし
ておくと、際根太支持部材14を水平方向に正確に取付け
られるので好ましい。
際根太支持部材14の内面には、粘弾性或いは弾性を有す
る材料、例えば、ゴム、ポリ塩化ビニル、発泡樹脂、ゴ
ム入りアスファルト、織布、不織布等の単体或いは複合
体により断面コの字状に形成された、制振材としての支
持部材用制振材18が接着剤により貼着されている。尚、
この支持部材用制振材18として、断面コの字状のものに
代えて断面矩形状の偏平なものを用い、際根太支持部材
14の上側保持部14b及び下側保持部14cの内面側に貼着し
てもよい。
各支持部材用制振材18の内方には、一辺30mm〜50mmの正
方形断面の木質材よりなり、各際根太支持部材14間に跨
る長さの長尺状の際根太材20が嵌入されており、これに
より際根太材20は支持部材用制振材18を介して際根太支
持部材14に支持された状態で壁際に架設されている。こ
の場合、際根太材20を確実に支持するために、際根太支
持部材14の上下保持部14b,14cの突出長さを際根太材20
の幅と同寸か又は大きくしておくことが好ましい。ま
た、上下の支持部材用制振材18と際根太材20との間に隙
間が生じる場合には、際根太材20と上下の支持部材用制
振材18との間に、フェルトや楔等の寸法調整材を嵌入す
ることが好ましい。
際根太材20の上面のうち、際根太支持部材14に支持され
ている箇所を除く部分には、前記際根太材用制振材18と
同質よりなる帯状の際根太材用制振材22が接着剤により
貼着されている。
また、際根太材用制振材22の上面には、床下地材として
の床根太材24が載置され、この床根太材24は木捩子26に
より際根太材20に固定し、支持されている。さらに、こ
の床根太材24の上には、木質フローリング等の床仕上げ
材28が敷設されている。
前記のように、床根太材24と際根太材20との間に際根太
材用制振材22を介在させると、床仕上げ材28に発生した
床衝撃が床根太材24を介して際根太材20に伝達されるこ
とが防止されるので好ましい。
尚、前記実施例に代えて、床下地材として合板やパーテ
ィクルボード等の床パネル材を使用する場合には、床仕
上げ材28上の衝撃が際根太支持部材14を介して直接壁12
に伝達されないように、際根太材用制振材22の厚さを、
際根太支持部材14の上側保持部14bの厚さよりも厚くし
ておき、床パネル材を際根太支持部材14に当接させない
ようにすることが好ましい。
さらに、第2図に示すように、壁際以外の箇所において
は、床スラブ10と床根太材24との間に、グラスウールマ
ット等の緩衝材30と、パーティクルボード、スレート或
いは合板等の遮音用のパネル材32とよりなる遮音下地材
34を介在させることが防音上好ましい。この場合におい
て、遮音用のパネル材32の上面が際根太支持部材14の上
側保持部14aの上面よりも若干高くなるように遮音下地
材34を敷設しておき、床根太材24の下面で遮音パネル材
32の上面を圧締すると、遮音下地材34が押え込まれるた
め、床衝撃時の際根太材20の跳ね上がりによる振動の発
生が防止されるので壁への振動伝播が少なくなり、より
好ましい。
本考案に係る壁際の床下地支持構造を以上のように構成
したので、床仕上げ材28の基部に衝撃が加わった場合、
際根太材20が際根太支持部材14に嵌入されているため、
第2図における二点鎖線に示すように、床根太材24の基
部が沈み込むにも拘らず、その端部が跳ね上がらない。
このため、際根太材20の上下方向の振動が防止され、ま
た、際根太材が少し振動しても、際根太材20は支持部材
用制振材18を介して支持されているため、その振動が減
衰されるので、床衝撃音の壁12への伝播が少なくなり、
防音性が向上する。
また、際根太材20の上下方向の振動が防止されるので、
際根太支持部材14の上下保持部14b,14cと支持部材用制
振材18間、或いは、支持部材用制振材18と際根太材20間
等の各接着層における層内剥離、及び、支持部材用制振
材18の内部における材内剥離が防止される。このため、
前記各剥離に伴う防音性の低下、床仕上げ材28の不陸及
び歩行時の床鳴り等が効果的に防止される。
第3図及び第4図は前記実施例に係る壁際の床下地構造
の第1変形例を示し、この第1変形例においては、壁12
に取付けられた際根太支持部材14と、該際根太支持部材
14と略同形状の際根太押え部材36とにより際根太材20が
挟持されている。すなわち、際根太支持部材14の上下保
持部14b,14cには、壁12側以外の三方が開口した係止用
凹部14eが設けられており、この係止用凹部14eに、際根
太押え部材36の上下保持部36a,36bの先端に突設された
係止片36cが嵌入されている。この場合、係止用凹部14e
の上下面に設けられた条溝14fと、係止片36cの上下面に
設けられた突条36dとが係合して、際根太押え部材36は
際根太材20を壁12側に押圧した状態で際根太支持部材14
に支持されるので、際根太材20の幅寸法が種々異なる場
合でも際根太材20を確実に挟持できる。
また、際根太押え部材36の内面には、前記支持部材用制
振材18と同質で且つ同形状の押え部材用制振材38が貼着
されており、この押え部材用制振材38は際根太材20から
の振動が、際根太押え部材36、ひいては際根太支持部材
14を介して壁12に伝達されるのを防止している。
第5図は前記実施例の第2変形例を示し、この第2変形
例においては、際根太支持部材14は、木ねじ40により壁
12に取付けられた断面コの字状の取付部14gと、該取付
部14gの上側保持部14h及び下側保持部14iに螺合された
高さ調整ねじ14jと、該高さ調整ねじ14jに保持され、際
根太材20を支持する断面コの字状の際根太支持部14kと
からなる。この場合、高さ調節ねじ14jの基部には上下
2枚の保持リング14mが固定されており、これら両保持
リング14mは、際根太支持部14kの壁12側に突設され、高
さ調整ねじ14jを回動自在に嵌挿してなる保持筒14nを挟
持している。
以上のようにすることにより、高さ調節ねじ14jを左右
に回転すると、この高さ調節ねじ14jは取付部14gの上下
の保持部14h,14iに螺合しているため上下動し、これに
伴い、保持リング14mに挟持された保持筒14nひいては際
根太支持部14kも上下動する。
この第2変形例は前記のように構成されているので、際
根太支持部14を壁12に取付けた後においても際根太支持
部14kを上下動可能であるため、取付け後の高さの微調
整が可能であり、また、床根太材24を取付けた後に際根
太材20を下方へ移動させることにより、この床根太材24
で遮音下地材34を床スラブ10側に圧締することができ、
床衝撃時における床仕上げ材28及び際根太材20の振動を
いっそう低減させることができる。
(考案の効果) 以上説明したように、本考案に係る壁際の床支持構造に
よると、際根太材は断面コの字状の際根太支持部材の上
下保持部間に嵌入されて殆ど上下振動しないと共に、際
根太材が仮に少し振動しても、この振動は制振材により
減衰されるため、際根太材の上下方向の振動に伴う壁面
への振動伝播が生じないので防音性が著しく向上し、ま
た、際根太材は殆ど上下動しないため、各接着層におけ
る層内剥離や支持部材用制振材の内部における材内剥離
が防止されるので、防音性の低下がなく、床仕上げ材の
不陸や歩行時の床鳴りの発生が防止される。
さらに、壁に水平の墨打ちしてから際根太支持部材を取
り付けられる点については、従来の壁際の支持構造と同
様であるから、床スラブに不陸があっても精度良く床下
地の施工ができるという長所は従来どおり維持されてい
る。
【図面の簡単な説明】
第1図及び第2図は本考案の一実施例である壁際の床下
地支持構造の一実施例を示し、第1図は斜視図、第2図
は断面図、第3図及び第4図は前記実施例の第1変形例
を示し、第3図は際根太と際根太支持部材の斜視図、第
4図は際根太支持部材の分解斜視図、第5図は前記実施
例の第2変形例における際根太支持部材の断面図、第6
図は従来の壁際の床下地支持構造の断面図である。 10……床スラブ 12……壁 14……際根太支持部材 14a……基部 14b……上側保持部 14c……下側保持部 18……支持部材用制振材(制振材) 20……際根太材 24……床根太材(床下地材)

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】床スラブと壁との交差部近傍において床根
    太材や床パネル材等の床下地材を支持する壁際の床下地
    構造であって、壁面下部に、垂直な基部と該基部の上下
    端から略水平方向に突出する上下保持部とからなる断面
    略コの字状の際根太支持部材が複数個水平方向に所定間
    隔をあけて配置され、且つ、各々前記基部にて壁面に取
    付けられており、該際根太支持部材間に跨る長さの長尺
    状の際根太材が、際根太支持部材の上下保持部間に該上
    下保持部材の各々との間に制振材を介在させて嵌入保持
    されて壁際に架設されており、該際根太材の上に前記床
    下地材が載置されることを特徴とする壁際の床下地構
    造。
JP1546289U 1989-02-13 1989-02-13 壁際の床下地構造 Expired - Lifetime JPH0642041Y2 (ja)

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JPH02107657U JPH02107657U (ja) 1990-08-27
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