JP2007210371A - エアバッグ装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】サイドエアバッグ装置20は、サイドエアバッグ22の下部22eに下膨張室36を備え、この下膨張室36にガス供給部21aから放出したガスを供給することで下膨張室36を膨張展開するものである。このサイドエアバッグ装置20は、下膨張室36の下部36cに、この下膨張室36を安定させた状態で展開可能なバランス膨張室45を備え、バランス膨張部45およびガス供給部21aを、それぞれサイドエアバッグ22の後側部22aに備えた。
【選択図】図2
Description
特許文献1のサイドエアバッグ装置100は、サイドエアバッグ101に隔壁102を設け、この隔壁102でサイドエアバッグ101を胸部保護室(上膨張室)103と腰部保護室(下膨張室)104との2室に仕切ったものである。
これにより、乗員106の胸部106aに上膨張室103を臨ませて展開するとともに、乗員106の腰部106bに下膨張室104を臨ませて膨張展開する。
そして、乗員106の胸部106aおよび腰部106bを、上膨張室103および下膨張室104でそれぞれ支える。
先端部104bにおいてガスが上向きに流れることで、先端部104bを上方に押し上げる押上力Faが作用する。
このため、膨張展開した下膨張室104を乗員106の腰部106bに好適に合わせることができる技術の実用化が望まれていた。
前記膨張室にバランス膨張室を備えたことを特徴とする。
これにより、エアバッグを展開する際に、膨張室を安定させた状態で展開することができる。したがって、膨張室を乗員に良好に合わせることが可能になり、乗員を好適に保護することができるという利点がある。
すなわち、膨張室をエアバッグの下部に設け、ガス供給部をエアバッグの側部に設けることで、膨張室の先端は、ガス供給部の反対側の側部に配置される。よって、バランス膨張部をガス供給部側に備えることで、バランス膨張部を膨張室の先端に対して対極的に設けることができる。
そこで、バランス膨張部を膨張室の下部に備えた。よって、バランス膨張部に供給するガスを、膨張室に供給する上向きのガスの流れに対して反対方向に下向きに流すことができる。
したがって、膨張室が上方に移動することを一層良好に抑えることが可能になり、膨張室を一層安定させた状態で展開することができる。
なお、本実施の形態においては、エアバッグ装置としてサイドエアバッグ装置を選択し、サイドエアバッグ装置に本発明を適用する例について説明するが、本発明を他のエアバッグ装置に適用することも可能である。
車両用シート10は、一例として、車両の側部に設けたサイドドア(車体)11の右側に所定間隔をおいて設けられ、乗員12が着座するシートクッション13と、シートクッション13の後部に設けたシートバック14と、シートバック14の上端部14aに設けたヘッドレスト15とを備える。
シートバック14の左側部14bには、サイドエアバッグ装置(エアバッグ装置)20が折り畳んだ状態で収納されている。
サイドエアバッグ装置20は、車両の側部に衝撃が作用したことを検知した際に、インフレータ21からガスを放出し、放出したガスでサイドエアバッグ22を膨張展開させて乗員を保護するものである。
インフレータ21は、シートバック14の左側部14bに沿って、シートバック14の傾斜角(トルソー角)θと略平行に上下方向に向けて配置されている。
このインフレータ21は、下端部にガス供給部21aを備える。このガス供給部21aは、サイドエアバッグ22の後側部22aに備えられる。
サイドエアバッグ22の後側部22aは、シートバック14の傾斜角θと略平行に配置されている。
サイドエアバッグ22は、後側部22aおよび前側部22bを備え、前側部22bの下部22cから後側部22aに向けて湾曲状の隔壁部28を上り勾配状に形成する。後側部22aは、インフレータ21の長手方向に対して略平行に配置されている。
隔壁部28の上端部28aを、後側部22aの略中央22dに対して所定間隔をおいて設ける。
これにより、隔壁部28の上端部28aと後側部22aの略中央22dとの間にガス導入口33を形成する。
上膨張室35および下膨張室36は、ガス導入口33を介して互いに連通されている。
具体的には、排気孔39は外側基布26に形成されている。この排気口39を介して上膨張室35を外部と連通する。上膨張室35のガスを排気口39から外部に逃がすことで、拘束力が好適に調整される。
この上膨張室35は、展開した状態において、図1に示す乗員12の胸部12aに臨む位置に配置される。
第1部位41は、インフレータ21の長手方向(すなわち、サイドエアバッグ22の後側部22a)に沿って比較的急な下り勾配で延びた部位である。
第2部位42は、第1部位41と比べて、比較的緩やかな下り勾配で延びた部位である。
隔壁部28が下向きに湾曲した状態に形成されているので、下膨張室36も下向きに湾曲するように形成されている。
下膨張室36は、ガス導入口33を介して上膨張室35に連通されている。ガス導入口33にインフレータ21のガス供給部21aが配置されている。
すなわち、下膨張室36はサイドエアバッグ22の下部22eに備えられている。
サイドエアバッグ22の後側部22aで、かつ下膨張室36の下部36cにバランス膨張室45が備えられている。バランス膨張室45は下膨張室36に連通されている。
以下、バランス膨張室45を図3に基づいて詳しく説明する。
なお、図3においては、発明の理解を容易にするために、下膨張室36を「\\\」で示し、バランス膨張室45を「///」で示す。
下膨張室36が湾曲状に形成され、下膨張室36下部36cにバランス膨張室45が備えられている。
縦線46は、サイドエアバッグ22の後側部22aに平行で、かつサイドエアバッグ22の後内側縁22fと同軸上の直線である。
なお、突出量L1は、バランス膨張室45の後部45aが、車両用シート10の後端部10a(図2参照)より後方に突出しないように設定することが好ましい。
これにより、バランス膨張室45を、サイドエアバッグ22の後側部22aで、かつ下膨張室36の下部36cに備え、下膨張室36の前端(先端)36bに対して対極的に設けることができる。
すなわち、ガス供給部21aから下膨張室36にガスを供給した際に、下膨張室36のガスは前端36bに向かって矢印Aの如く流れる。
下膨張室36のガスが矢印Aの如く流れることで、下膨張室36の前端36bに前方向に向けて上り勾配の押上力F1が作用する。
バランス膨張室45のガスが矢印Bの如く流れることで、バランス膨張室45に後方向に向けて下り勾配の押下力F2が作用する。
押下力F2とは、下膨張室36にガスが矢印Aの如く供給されることによって発生する力(押上力)F1の向きとは異なった方向の力をいう。
このように、バランス膨張室45を、サイドエアバッグ22の後側部22aで、かつ下膨張室36の下部36cに備えることで、下膨張室36を安定させた状態で展開させることが可能になる。
図4(a),(b)は本発明に係るエアバッグ装置のサイドエアバッグを展開する例を説明する図である。
(a)において、インフレータ21のガス供給部21aからガスを放出する。ガス供給部21aから放出したガスを、上膨張室35に矢印Cの如く供給するとともに、下膨張室36に矢印Dの如く供給する。
これにより、上膨張室35を乗員12の胸部12aに良好に臨ませることができる。
ここで、バランス膨張部45が、サイドエアバッグ22の後側部22aで、かつ下膨張室36の下部36cに備えられている。
これにより、下膨張室36が上方に移動することを良好に抑えることが可能になり、下膨張室36を安定させた状態で展開することができる。
このように、上膨張室35を胸部12aに良好に臨ませるとともに、下膨張室36を腰部12bに良好に臨ませることで、乗員12を好適に保護することができる。
前記実施の形態では、バランス膨張室45を、サイドエアバッグ22の後側部22aで、かつ下膨張室36の下部36cに備えた例について説明したが、サイドエアバッグ22の後側部22aに限らないで、バランス膨張室45を下膨張室36の下部36cの任意の部位に備えることで同様の効果を得ることができる。
バランス膨張室45に押下力が作用することで、下膨張室36が上方に移動することを抑える。
したがって、下膨張室36を乗員12の所定部位に良好に合わせることが可能になり、乗員12を好適に保護することができる。
さらに、サイドエアバッグ22に限らないで、その他のエアバッグの下部側、上部側や側部側などの任意の部位に備えた膨張室に本発明を適用しても同様の効果を得ることができる。
Claims (2)
- エアバッグの任意の部位に膨張室を備え、この膨張室にガス供給部から放出したガスを供給することで膨張室を膨張展開するエアバッグ装置であって、
前記膨張室にバランス膨張室を備えたことを特徴とするエアバッグ装置。 - 前記膨張室を備える任意の部位を前記エアバッグの下部とし、
このエアバッグの側部に前記ガス供給部を備え、
このエアバッグの側部で、かつ前記膨張室の下部に前記バランス膨張部を備えたことを特徴とする請求項1記載のエアバッグ装置。
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