JP2007197344A - (メタ)アクリレートの洗浄方法および製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 透明度が高く、金属イオンなどの不純物の含有量の低減した(メタ)アクリレートの提供。
【解決手段】 合成により得られた(メタ)アクリレートを低硬度水で洗浄する方法であり、低硬度水としては炭酸カルシウム換算でカルシウムイオンとマグネシウムイオンの合計含有量が60ppm以下の水が好ましく用いられる。
【選択図】 なし
【解決手段】 合成により得られた(メタ)アクリレートを低硬度水で洗浄する方法であり、低硬度水としては炭酸カルシウム換算でカルシウムイオンとマグネシウムイオンの合計含有量が60ppm以下の水が好ましく用いられる。
【選択図】 なし
Description
本発明は(メタ)アクリレートの洗浄方法および製造方法に関する。より詳細には、本発明は合成により得られた(メタ)アクリレートを硬度の低い水で洗浄することによって、透明度の高い(メタ)アクリレートを得る方法に関する。
(メタ)アクリル酸とアルコールを酸触媒の存在下にエステル化反応させて(メタ)アクリレートを製造する方法では、エステル化反応により生成した(メタ)アクリレートが蒸留によって直接精製できる低沸点(メタ)アクリレートである場合を除いて、エステル化反応により得られた生成物をアルカリ(水酸化ナトリウムや水酸化カリウムなどの水溶液など)で中和した後に、該中和物から分取した(メタ)アクリレートを水で洗浄して、(メタ)アクリレート中に残存しているアルカリ分や、未反応の(メタ)アクリル酸、酸触媒などを除去することが一般に広く行われている(例えば特許文献1および2を参照)。
また、(メタ)アクリル酸とエポキシ化合物を付加反応させて(メタ)アクリレート[いわゆるエポキシ(メタ)アクリレート]を製造する方法においても、付加反応により生成した生成物をアルカリ(炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの水溶液など)で中和した後に、該中和物から分取した(メタ)アクリレートを水で洗浄して、(メタ)アクリレート中に残存しているアルカリ分や、未反応の(メタ)アクリル酸、触媒などを除去することが一般に行われている(例えば特許文献1を参照)。
しかしながら、上記した従来の方法により得られる(メタ)アクリレートには、未だアルカリ分などの不純物が残存していて、透明度などの点で劣っていることが多い。そのような(メタ)アクリレートは、オーバーコートワニス、印刷インキ、コーティング材、レジスト材料などに用いたときに、それぞれの用途での要求物性を十分に満たさない。
特開平8−119901号公報
特開2001−48831号公報
本発明の課題は、アルカリ分などの不純物の残存量少なくて、高い透明度を有し、各種用途に有効に使用することのできる(メタ)アクリレートの調製方法を提供することである。
本発明者らは、前記した目的を達成するために鋭意検討を重ねてきた。その結果、最終的に得られる(メタ)アクリレートの透明性の低下などの物性低下が、(メタ)アクリレートを含む反応生成物の中和処理後に行われる水洗浄処理で用いる水の水質に原因していることを突き止めた。そして、そのような知見に基づいて、洗浄水としてカルシウムイオンおよびマグネシウムイオンの含有量の少ない水を用いて中和処理後の水洗浄工程を実施したところ、透明度が高く、しかもアルカリ分や金属イオンの含有量の少ない、高品質の(メタ)アクリレートが得られることを見出して本発明を完成した。
すなわち、本発明は、
(1) 合成反応で得られた(メタ)アクリレートを、低硬度水を用いて洗浄することを特徴とする(メタ)アクリレートの洗浄方法である。
そして、本発明は、
(2) 低硬度水が、炭酸カルシウム換算で、カルシウムイオンおよびマグネシウムイオンの合計含有量が60ppm以下の軟水である前記(1)の洗浄方法である。
(1) 合成反応で得られた(メタ)アクリレートを、低硬度水を用いて洗浄することを特徴とする(メタ)アクリレートの洗浄方法である。
そして、本発明は、
(2) 低硬度水が、炭酸カルシウム換算で、カルシウムイオンおよびマグネシウムイオンの合計含有量が60ppm以下の軟水である前記(1)の洗浄方法である。
さらに、本発明は、
(3) 合成反応で得られた(メタ)アクリレートが、(メタ)アクリル酸とアルコールとのエステル化反応により得られた(メタ)アクリレート、または(メタ)アクリル酸とエポキシ化合物との付加反応により得られた(メタ)アクリレートである前記(1)または(2)の洗浄方法;および、
(4) 低硬度水で洗浄する合成反応で得られた(メタ)アクリレートが、(メタ)アクリル酸とアルコールとのエステル化反応により得られた(メタ)アクリレートを含む反応生成物または(メタ)アクリル酸とエポキシ化合物との付加反応により得られた(メタ)アクリレートを含む反応生成物を、アルカリで中和処理した後に、当該中和物から回収した(メタ)アクリレートである前記(3)の洗浄方法;
である。
(3) 合成反応で得られた(メタ)アクリレートが、(メタ)アクリル酸とアルコールとのエステル化反応により得られた(メタ)アクリレート、または(メタ)アクリル酸とエポキシ化合物との付加反応により得られた(メタ)アクリレートである前記(1)または(2)の洗浄方法;および、
(4) 低硬度水で洗浄する合成反応で得られた(メタ)アクリレートが、(メタ)アクリル酸とアルコールとのエステル化反応により得られた(メタ)アクリレートを含む反応生成物または(メタ)アクリル酸とエポキシ化合物との付加反応により得られた(メタ)アクリレートを含む反応生成物を、アルカリで中和処理した後に、当該中和物から回収した(メタ)アクリレートである前記(3)の洗浄方法;
である。
そして、本発明は、
(5) 触媒の存在下に、(メタ)アクリル酸とアルコールとをエステル化反応させるか、または(メタ)アクリル酸とエポキシ化合物とを反応させて、(メタ)アクリレートを含む反応生成物を生成させ、当該反応生成物にアルカリ水溶液を加えて中和処理した後、中和処理液から(メタ)アクリレートを含む相を分取し、分取した(メタ)アクリレートを含む相を低硬度水を用いて洗浄し、低硬度水で洗浄した液から(メタ)アクリレートを回収することを特徴とする(メタ)アクリレートの製造方法;および、
(6) 低硬度水が、炭酸カルシウム換算で、カルシウムイオンおよびマグネシウムイオンの合計含有量が60ppm以下の軟水である前記(5)の製造方法;
である。
(5) 触媒の存在下に、(メタ)アクリル酸とアルコールとをエステル化反応させるか、または(メタ)アクリル酸とエポキシ化合物とを反応させて、(メタ)アクリレートを含む反応生成物を生成させ、当該反応生成物にアルカリ水溶液を加えて中和処理した後、中和処理液から(メタ)アクリレートを含む相を分取し、分取した(メタ)アクリレートを含む相を低硬度水を用いて洗浄し、低硬度水で洗浄した液から(メタ)アクリレートを回収することを特徴とする(メタ)アクリレートの製造方法;および、
(6) 低硬度水が、炭酸カルシウム換算で、カルシウムイオンおよびマグネシウムイオンの合計含有量が60ppm以下の軟水である前記(5)の製造方法;
である。
本発明による場合は、透明度が高く、しかもアルカリ分や、カルシウムイオン、マグネシウムイオンなどの金属イオンの含有量の少ない、高品質の(メタ)アクリレートを簡単に且つ確実に得ることができる。
本発明により得られる(メタ)アクリレートは前記した優れた特定を活かして、オーバープリントワニス、印刷インキ、コーティング材料、レジスト材料などの用途に有効な活性エネルギー線硬化性樹脂組成物用の原料をはじめとして、(メタ)アクリレートが用いられてきたその他の多くの用途に有効に使用することができる。
本発明により得られる(メタ)アクリレートは前記した優れた特定を活かして、オーバープリントワニス、印刷インキ、コーティング材料、レジスト材料などの用途に有効な活性エネルギー線硬化性樹脂組成物用の原料をはじめとして、(メタ)アクリレートが用いられてきたその他の多くの用途に有効に使用することができる。
以下に本発明について詳細に説明する。
本発明において、低硬度水で洗浄する対象である「合成反応で得られた(メタ)アクリレート」としては、何らかの合成反応で得られた(メタ)アクリレートであって、最終製品としての(メタ)アクリレートを得るためのいずれかの段階で水洗浄処理を施す必要があるかまたは水洗浄処理を施すことが望ましい(メタ)アクリレートであればいずれでもよい。
そのうちでも、「合成反応で得られた(メタ)アクリレート」の代表例としては、(メタ)アクリル酸とアルコールとのエステル化反応によって得られる(メタ)アクリレート、および(メタ)アクリル酸とエポキシ化合物との付加反応によって得られる(メタ)アクリレート[いわゆるエポキシ(メタ)アクリレート]を挙げることができ、以下にこれら2種類の(メタ)アクリレートの合成およびその際の本発明による水洗浄処理方法などについて説明する。
本発明において、低硬度水で洗浄する対象である「合成反応で得られた(メタ)アクリレート」としては、何らかの合成反応で得られた(メタ)アクリレートであって、最終製品としての(メタ)アクリレートを得るためのいずれかの段階で水洗浄処理を施す必要があるかまたは水洗浄処理を施すことが望ましい(メタ)アクリレートであればいずれでもよい。
そのうちでも、「合成反応で得られた(メタ)アクリレート」の代表例としては、(メタ)アクリル酸とアルコールとのエステル化反応によって得られる(メタ)アクリレート、および(メタ)アクリル酸とエポキシ化合物との付加反応によって得られる(メタ)アクリレート[いわゆるエポキシ(メタ)アクリレート]を挙げることができ、以下にこれら2種類の(メタ)アクリレートの合成およびその際の本発明による水洗浄処理方法などについて説明する。
(Ia)(メタ)アクリル酸とアルコールとのエステル化反応による(メタ)アクリレートの合成および水洗浄処理等:
(メタ)アクリレートが、(メタ)アクリル酸とアルコールとのエステル化反応により得られる(メタ)アクリレートである場合は、(メタ)アクリル酸と反応させるアルコールは、アルコール性水酸基を1個有する1価アルコール、アルコール性水酸基を2個有するアルコール、アルコール性水酸基を3個以上有する多価アルコール、それらの2種以上の混合物のいずれであってもよい。
(メタ)アクリル酸とエステル化反応させるアルコールの具体例としては、メタノール、エタノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサーノール、2−エチルヘキサノールなどの1価のアルキルアルコール;ノニルフェノールエチレンオキシド付加物などのアルキルフェノールアルキレンオキシド付加物;エチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコールなどのアルキレングリコール;ジ(エチレングリコール)、テトラ(エチレングリコール)、ジ(プロピレングリコール)、トリ(プロピレングリコール)、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(プロピレングリコール)などのポリアルキレングリコール;トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ジトリメチロールプロパン、トリ(シクロデカンジメタノール)などの3価以上のアルコール;ポリアルコールのアルキレンオキシド付加物;イソシアヌール酸アルキレンオキシド変性体のジまたはトリ(メタ)アクリレートなどを挙げることができる。
(メタ)アクリレートが、(メタ)アクリル酸とアルコールとのエステル化反応により得られる(メタ)アクリレートである場合は、(メタ)アクリル酸と反応させるアルコールは、アルコール性水酸基を1個有する1価アルコール、アルコール性水酸基を2個有するアルコール、アルコール性水酸基を3個以上有する多価アルコール、それらの2種以上の混合物のいずれであってもよい。
(メタ)アクリル酸とエステル化反応させるアルコールの具体例としては、メタノール、エタノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサーノール、2−エチルヘキサノールなどの1価のアルキルアルコール;ノニルフェノールエチレンオキシド付加物などのアルキルフェノールアルキレンオキシド付加物;エチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコールなどのアルキレングリコール;ジ(エチレングリコール)、テトラ(エチレングリコール)、ジ(プロピレングリコール)、トリ(プロピレングリコール)、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(プロピレングリコール)などのポリアルキレングリコール;トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ジトリメチロールプロパン、トリ(シクロデカンジメタノール)などの3価以上のアルコール;ポリアルコールのアルキレンオキシド付加物;イソシアヌール酸アルキレンオキシド変性体のジまたはトリ(メタ)アクリレートなどを挙げることができる。
(メタ)アクリル酸とアルコールとのエステル化反は、一般に、(メタ)アクリル酸とアルコールを、酸触媒の存在下に、加熱・攪拌して行うことが、エステル化反応を円滑に進行させる点から好ましい。
(メタ)アクリル酸とアルコールの使用割合は特に制限されず、得られる(メタ)アクリレートが目的とする水酸基価となるように、アルコール中の全水酸基1モルに対する(メタ)アクリル酸のモル比を調整すればよい。また、エステル化反応は、反応時の脱水量をモニターして、エステル化の進行具合を監視しながら行うのがよい。
(メタ)アクリル酸とアルコールの使用割合は特に制限されず、得られる(メタ)アクリレートが目的とする水酸基価となるように、アルコール中の全水酸基1モルに対する(メタ)アクリル酸のモル比を調整すればよい。また、エステル化反応は、反応時の脱水量をモニターして、エステル化の進行具合を監視しながら行うのがよい。
エステル化反応に使用する前記酸触媒としては、硫酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、次亜リン酸などを挙げることができ、これらの1種または2種以上を用いることができる。酸触媒の使用量は、一般に反応液の質量に基づいて、0.1〜10質量%、特に1〜5質量%であることが、エステル化反応の円滑な進行、経済性などの点から好ましい。
(メタ)アクリル酸とアルコールとのエステル化反応は、溶媒を使用せずに行ってもまたは溶媒を用いても行うことができるが、エステル化反応では反応の進行と共に水が生成するので、水を共沸除去できる有機溶媒を用いて有機溶媒中で行うことが反応速度を高める上で好ましい。
かかる有機溶媒としては、例えば、トルエン、ベンゼン、キシレンなどの芳香族炭化水素、n−ヘキサン、n−ヘプタンなどの脂肪族炭化水素、シクロヘキサンなどの脂環式炭化水素、メチルイソブチルケトンのようなケトン類などを挙げることができ、これらの1種または2種以上を用いることができる。そのうちでも、トルエン、シクロヘキサンが、反応温度、反応成分の溶解性および共沸効果などの点から好ましく用いられる。
有機溶媒の使用量は、(メタ)アクリル酸とアルコールの合計質量の0.1〜10質量倍、特に0.2〜5質量倍であることが、エステル化反応の円滑な進行、反応液中の水の除去性、経済性などの点から好ましい。
かかる有機溶媒としては、例えば、トルエン、ベンゼン、キシレンなどの芳香族炭化水素、n−ヘキサン、n−ヘプタンなどの脂肪族炭化水素、シクロヘキサンなどの脂環式炭化水素、メチルイソブチルケトンのようなケトン類などを挙げることができ、これらの1種または2種以上を用いることができる。そのうちでも、トルエン、シクロヘキサンが、反応温度、反応成分の溶解性および共沸効果などの点から好ましく用いられる。
有機溶媒の使用量は、(メタ)アクリル酸とアルコールの合計質量の0.1〜10質量倍、特に0.2〜5質量倍であることが、エステル化反応の円滑な進行、反応液中の水の除去性、経済性などの点から好ましい。
(メタ)アクリル酸とアルコールとのエステル化反応時の反応温度は、反応時間の短縮と重合防止の点から65〜150℃、特に75〜120℃であることが好ましい。反応温度が65℃未満であると反応速度が遅すぎたり、収率が低下することがあり、一方150℃を超えると(メタ)アクリル酸またはそのエステルの熱重合が起こることがある。
(メタ)アクリル酸とアルコールのエステル化反応は、常圧下または若干減圧した状態、一般的には、40〜80Paの圧力下で行うことが、反応の円滑な進行、製品品質などの点から好ましい。
さらに、原料である(メタ)アクリル酸および生成した(メタ)アクリレートの熱重合を防止する目的で、エステル化反応を酸素の存在下で行うことが望ましい。
また、同様の目的で、反応液に重合禁止剤を添加しておくことが好ましい。重合禁止剤としては、例えばハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエ−テル、P−メトキシフェノール、2,4−ジメチル−6−t−ブチルフェノール、3−ヒドロキシチオフェノール、α−ニトロソ−β−ナフトール、p−ベンゾキノン、2,5−ジヒドロキシ−p−キノン、銅塩などを挙げることができ、これらの1種または2種以上を用いることができる。重合禁止剤の添加量は、原料である(メタ)アクリル酸の質量に基づいて、0.001〜5.0質量%、特に0.01〜1.0質量%であることが好ましい。重合禁止剤の添加量が0.001質量%未満の場合は、重合禁止効果が不十分となることがあり、一方5.0質量%を超えても効果はそれ以上向上しないため不経済である。
また、同様の目的で、反応液に重合禁止剤を添加しておくことが好ましい。重合禁止剤としては、例えばハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエ−テル、P−メトキシフェノール、2,4−ジメチル−6−t−ブチルフェノール、3−ヒドロキシチオフェノール、α−ニトロソ−β−ナフトール、p−ベンゾキノン、2,5−ジヒドロキシ−p−キノン、銅塩などを挙げることができ、これらの1種または2種以上を用いることができる。重合禁止剤の添加量は、原料である(メタ)アクリル酸の質量に基づいて、0.001〜5.0質量%、特に0.01〜1.0質量%であることが好ましい。重合禁止剤の添加量が0.001質量%未満の場合は、重合禁止効果が不十分となることがあり、一方5.0質量%を超えても効果はそれ以上向上しないため不経済である。
(Ib)(メタ)アクリル酸とエポキシ化合物との付加反応による(メタ)アクリレートの合成および水洗浄処理等:
(メタ)アクリレートが、(メタ)アクリル酸とエポキシ化合物との付加反応により得られる(メタ)アクリレート[エポキシ(メタ)アクリレート]である場合は、(メタ)アクリル酸と反応させるエポキシ化合物は、エポキシ基を1個だけ有するエポキシ化合物、エポキシ基を2個有するエポキシ化合物、エポキシ基を3個以上有するエポキシ化合物、それらの2種以上の混合物のいずれであってもよい。
限定されるものではないが、エポキシ化合物の具体例としては、フェニルグリシジルエーテル、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、フェノールまたはクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ポリエーテルのジグリシジルエーテルなどを挙げることができ、これらの1種または2種以上を用いることができる。
(メタ)アクリレートが、(メタ)アクリル酸とエポキシ化合物との付加反応により得られる(メタ)アクリレート[エポキシ(メタ)アクリレート]である場合は、(メタ)アクリル酸と反応させるエポキシ化合物は、エポキシ基を1個だけ有するエポキシ化合物、エポキシ基を2個有するエポキシ化合物、エポキシ基を3個以上有するエポキシ化合物、それらの2種以上の混合物のいずれであってもよい。
限定されるものではないが、エポキシ化合物の具体例としては、フェニルグリシジルエーテル、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、フェノールまたはクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ポリエーテルのジグリシジルエーテルなどを挙げることができ、これらの1種または2種以上を用いることができる。
(メタ)アクリレート[エポキシ(メタ)アクリレート]を製造するための、(メタ)アクリル酸とエポキシ化合物の使用割合は、エポキシ化合物中のエポキシ基1当量(エポキシ基1個)に対して、(メタ)アクリル酸を0.8モル当量以上、特に0.9〜1.3モル当量であることが、反応の円滑な進行の点から好ましい。エポキシ化合物中のエポキシ基1当量に対して(メタ)アクリル酸の割合が0.8モル当量未満であるとエポキシ化合物が多量化反応を起こし、目的とする(メタ)アクリレートが得られないことがある。
(メタ)アクリル酸とエポキシ化合物との付加反応は、反応液の酸価をモニターして進行具合を監視しながら行うことが好ましい。
(メタ)アクリル酸とエポキシ化合物との付加反応は、反応液の酸価をモニターして進行具合を監視しながら行うことが好ましい。
(メタ)アクリル酸とエポキシ化合物の付加反応は、触媒の存在下に、加熱・攪拌して行うことが、反応の円滑な進行、製品品質などの点から好ましい。
触媒としては、テトラ−n−ブチルアンモニウムブロミド、塩化コリン、ジエチルアミン塩酸塩などの有機アミン塩化合物、トリエチルアミン、ジエチルモノエタノールアミンなどの有機アミン化合物などを挙げることができ、これらの1種または2種以上を用いることができる。
触媒の使用量は、一般に反応液の質量に基づいて、0.1〜10質量%、特に1〜5質量%であることが、エステル化反応の円滑な進行、経済性などの点から好ましい。
触媒としては、テトラ−n−ブチルアンモニウムブロミド、塩化コリン、ジエチルアミン塩酸塩などの有機アミン塩化合物、トリエチルアミン、ジエチルモノエタノールアミンなどの有機アミン化合物などを挙げることができ、これらの1種または2種以上を用いることができる。
触媒の使用量は、一般に反応液の質量に基づいて、0.1〜10質量%、特に1〜5質量%であることが、エステル化反応の円滑な進行、経済性などの点から好ましい。
(メタ)アクリル酸とエポキシ化合物との付加反応は、溶媒を使用せずに行ってもまたは溶媒を用いても行ってもよいが、有機溶媒中で行うことが、反応が均一且つ円滑に行われ、しかも反応液が低粘度となり、反応後の取り扱いが容易となることから好ましい。
その際に用いる有機溶媒としては、例えば、トルエン、ベンゼン、キシレンなどの芳香族炭化水素、n−ヘキサン、n−ヘプタンなどの脂肪族炭化水素、シクロヘキサンなどの脂環式炭化水素、メチルイソブチルケトンのようなケトン類などを挙げることができ、これらの1種または2種以上を用いることができる。そのうちでも、トルエン、シクロヘキサンが、反応温度、反応成分の良溶解性の点から好ましく用いられる。
有機溶媒の使用量は、(メタ)アクリル酸とエポキシ化合物の合計質量の0.1〜10質量倍、特に0.2〜5質量倍であることが、付加反応の円滑な進行、経済性などの点から好ましい。
その際に用いる有機溶媒としては、例えば、トルエン、ベンゼン、キシレンなどの芳香族炭化水素、n−ヘキサン、n−ヘプタンなどの脂肪族炭化水素、シクロヘキサンなどの脂環式炭化水素、メチルイソブチルケトンのようなケトン類などを挙げることができ、これらの1種または2種以上を用いることができる。そのうちでも、トルエン、シクロヘキサンが、反応温度、反応成分の良溶解性の点から好ましく用いられる。
有機溶媒の使用量は、(メタ)アクリル酸とエポキシ化合物の合計質量の0.1〜10質量倍、特に0.2〜5質量倍であることが、付加反応の円滑な進行、経済性などの点から好ましい。
(メタ)アクリル酸とエポキシ化合物との付加反応時は、反応時間の短縮と重合防止の点から50〜150℃、特に70〜120℃であることが好ましい。反応温度が50℃未満であると反応速度が遅くなったり、収率が低下することがあり、一方150℃を超えると原料である(メタ)アクリル酸または生成物である(メタ)アクリレートの熱重合が起こることがある。
(メタ)アクリル酸とエポキシ化合物との付加反応は、常圧下または若干減圧した状態、一般的には、40〜80kPaの圧力下で行うことが、反応の円滑な進行、製品品質などの点から好ましい。
さらに、原料である(メタ)アクリル酸および生成した(メタ)アクリレート[エポキシ(メタ)アクリレート]の熱重合を防止する目的で、付加反応を酸素の存在下で行うことが望ましい。
また、同様の目的で、反応液に重合禁止剤を添加しておくことが好ましい。重合禁止剤としては、(メタ)アクリル酸とアルコールとのエステル化反応におけるのと同様に、例えばハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエ−テル、P−メトキシフェノール、2,4−ジメチル−6−t−ブチルフェノール、3−ヒドロキシチオフェノール、α−ニトロソ−β−ナフトール、p−ベンゾキノン、2,5−ジヒドロキシ−p−キノン、銅塩などを挙げることができ、これらの1種または2種以上を用いることができる。重合禁止剤の添加量は、原料である(メタ)アクリル酸の質量に基づいて、0.001〜5.0質量%、特に0.01〜1.0質量%であることが好ましい。重合禁止剤の添加量が0.001質量%未満の場合は、重合禁止効果が不十分となることがあり、一方5.0質量%を超えても効果はそれ以上向上しないため不経済である。
また、同様の目的で、反応液に重合禁止剤を添加しておくことが好ましい。重合禁止剤としては、(メタ)アクリル酸とアルコールとのエステル化反応におけるのと同様に、例えばハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエ−テル、P−メトキシフェノール、2,4−ジメチル−6−t−ブチルフェノール、3−ヒドロキシチオフェノール、α−ニトロソ−β−ナフトール、p−ベンゾキノン、2,5−ジヒドロキシ−p−キノン、銅塩などを挙げることができ、これらの1種または2種以上を用いることができる。重合禁止剤の添加量は、原料である(メタ)アクリル酸の質量に基づいて、0.001〜5.0質量%、特に0.01〜1.0質量%であることが好ましい。重合禁止剤の添加量が0.001質量%未満の場合は、重合禁止効果が不十分となることがあり、一方5.0質量%を超えても効果はそれ以上向上しないため不経済である。
(II)合成された(メタ)アクリレートの後処理:
(i)アルカリによる中和処理:
上記(Ia)または(Ib)の合成工程によって、(メタ)アクリレートを含有する反応生成物が形成される。この反応生成物中には、未反応原料である(メタ)アクリル酸が含まれ、またエステル化反応による反応生成物中には更に酸触媒が含まれているので、アルカリを添加して中和する。
アルカリとしては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどのアルカリ金属塩のアルカリ水溶液を用いることが、入手容易性、経済性の点から好ましい。アルカリ水溶液としては、濃度が1〜50質量%、特に5〜25質量%のものが、酸性成分の除去効率の点から好ましく用いられる。
アルカリ水溶液としては、不純物を含まない蒸留水や精製水を用いて調製したものを用いることが好ましい。
(i)アルカリによる中和処理:
上記(Ia)または(Ib)の合成工程によって、(メタ)アクリレートを含有する反応生成物が形成される。この反応生成物中には、未反応原料である(メタ)アクリル酸が含まれ、またエステル化反応による反応生成物中には更に酸触媒が含まれているので、アルカリを添加して中和する。
アルカリとしては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどのアルカリ金属塩のアルカリ水溶液を用いることが、入手容易性、経済性の点から好ましい。アルカリ水溶液としては、濃度が1〜50質量%、特に5〜25質量%のものが、酸性成分の除去効率の点から好ましく用いられる。
アルカリ水溶液としては、不純物を含まない蒸留水や精製水を用いて調製したものを用いることが好ましい。
(ii)低硬度水による洗浄処理:
上記(i)において、アルカリ水溶液を加えて中和処理した、(メタ)アクリレートを含む反応生成物を水相(下相)と有機相(上層)に分離した後、(メタ)アクリレートを含む有機相に水を加えて洗浄処理する。
本発明では、この水洗浄処理において、洗浄水として低硬度水を使用することが必要である。硬度の高い水を用いて洗浄処理を行うと、最終的に得られる(メタ)アクリレート中にナトリウムなどのアルカリ金属分、カルシウム分および/またはマグネシウム分が多く含まれ、透明性の低下、貯蔵安定性の低下などの物性低下を生ずる。
低硬度水としては、炭酸カルシウム換算で、カルシウムイオンおよびマグネシウムイオンの合計含有量(濃度)が60ppm以下、特に0〜20ppmの水(軟水)を用いることが、純度が高くて透明性などの物性に優れる(メタ)アクリレートが円滑に得られる点から好ましい。
炭酸カルシウム換算で、カルシウムイオンおよびマグネシウムイオンの合計含有量が60ppmを超す水を用いると、最終的に得られる(メタ)アクリレートの透明性が低下する。
炭酸カルシウム換算で、カルシウムイオンおよびマグネシウムイオンの合計含有量が60ppm以下である低硬度水(軟水)としては、例えば、蒸留水、精製水、炭酸カルシウム換算で、カルシウムイオンおよびマグネシウムイオンの含有量が60ppmを超す硬水(例えば地下水)をイオン交換、蒸留、不溶解塩形成などにより精製処理して、カルシウムイオンおよびマグネシウムイオンの合計含有量を炭酸カルシウム換算で60ppm以下にした水などを挙げることできる。
上記(i)において、アルカリ水溶液を加えて中和処理した、(メタ)アクリレートを含む反応生成物を水相(下相)と有機相(上層)に分離した後、(メタ)アクリレートを含む有機相に水を加えて洗浄処理する。
本発明では、この水洗浄処理において、洗浄水として低硬度水を使用することが必要である。硬度の高い水を用いて洗浄処理を行うと、最終的に得られる(メタ)アクリレート中にナトリウムなどのアルカリ金属分、カルシウム分および/またはマグネシウム分が多く含まれ、透明性の低下、貯蔵安定性の低下などの物性低下を生ずる。
低硬度水としては、炭酸カルシウム換算で、カルシウムイオンおよびマグネシウムイオンの合計含有量(濃度)が60ppm以下、特に0〜20ppmの水(軟水)を用いることが、純度が高くて透明性などの物性に優れる(メタ)アクリレートが円滑に得られる点から好ましい。
炭酸カルシウム換算で、カルシウムイオンおよびマグネシウムイオンの合計含有量が60ppmを超す水を用いると、最終的に得られる(メタ)アクリレートの透明性が低下する。
炭酸カルシウム換算で、カルシウムイオンおよびマグネシウムイオンの合計含有量が60ppm以下である低硬度水(軟水)としては、例えば、蒸留水、精製水、炭酸カルシウム換算で、カルシウムイオンおよびマグネシウムイオンの含有量が60ppmを超す硬水(例えば地下水)をイオン交換、蒸留、不溶解塩形成などにより精製処理して、カルシウムイオンおよびマグネシウムイオンの合計含有量を炭酸カルシウム換算で60ppm以下にした水などを挙げることできる。
水の「硬度」とは、一般に水に含まれるカルシウムイオンおよびマグネシウムイオンの合計含有量を表わし、本発明明細書における水の硬度も、「炭酸カルシウム換算での、カルシウムイオンおよびマグネシウムイオンの合計含有量(濃度)」をいい、その具体的な測定法は、以下の実施例の項に記載するとおりである。
洗浄に用いる低硬度水の量(1回の水洗浄に用いる低硬度水の量)は、(メタ)アクリレートを含む液(有機相)100質量部に対して、1〜200質量部、特に2〜50質量部であることが、低硬度水の無駄を生ずることなく、(メタ)アクリレートの洗浄を円滑に行える点から好ましい。
低硬度水による洗浄は、最終的に得られる(メタ)アクリレートに要求される純度、合成反応により生成した(メタ)アクリレート中に含まれる未反応原料、触媒、重合禁止剤、アルカリ成分などの量に応じて、1回だけ行ってもよいし、または2回以上行ってもよい。
低硬度水による洗浄は、最終的に得られる(メタ)アクリレートに要求される純度、合成反応により生成した(メタ)アクリレート中に含まれる未反応原料、触媒、重合禁止剤、アルカリ成分などの量に応じて、1回だけ行ってもよいし、または2回以上行ってもよい。
本発明における低硬度水による洗浄には、予備洗浄も含まれる。したがって、場合によっては、合成により生成した(メタ)アクリレートを含む液をアルカリで中和処理する前に低硬度水で予備洗浄した後に、上記したのと同様にしてアルカリ水溶液で中和処理し、その後に再び低硬度水で洗浄してもよい。
(iii)反応液からの(メタ)アクリレートの回収:
上記した方法でアルカリによる中和処理および低硬度水による洗浄処理を行った反応液[(メタ)アクリレートを含む液]から(メタ)アクリレートを回収する。
(メタ)アクリレートの合成反応に有機溶媒を用いた場合には、(メタ)アクリレートは通常有機溶媒溶液の形になっているので、蒸留を行って有機溶媒を除くことにより、(メタ)アクリレートを得ることができる。蒸留時の圧力および温度は、使用した有機溶媒の種類などに応じて調節するのがよく、例えば、有機溶媒としてトルエンなどを用いた場合には、温度60〜90℃、圧力0.1〜150kPaの条件下に蒸留処理を行うことが好ましい。
蒸留処理によって有機溶媒を除去して得られた(メタ)アクリレートは、そのまま最終製品として、流通、販売、使用してもよいし、また必要に応じて、更に濾過などの処理を行って、純度や品質を一層向上させてもよい。
上記した方法でアルカリによる中和処理および低硬度水による洗浄処理を行った反応液[(メタ)アクリレートを含む液]から(メタ)アクリレートを回収する。
(メタ)アクリレートの合成反応に有機溶媒を用いた場合には、(メタ)アクリレートは通常有機溶媒溶液の形になっているので、蒸留を行って有機溶媒を除くことにより、(メタ)アクリレートを得ることができる。蒸留時の圧力および温度は、使用した有機溶媒の種類などに応じて調節するのがよく、例えば、有機溶媒としてトルエンなどを用いた場合には、温度60〜90℃、圧力0.1〜150kPaの条件下に蒸留処理を行うことが好ましい。
蒸留処理によって有機溶媒を除去して得られた(メタ)アクリレートは、そのまま最終製品として、流通、販売、使用してもよいし、また必要に応じて、更に濾過などの処理を行って、純度や品質を一層向上させてもよい。
以下に実施例などにより本発明について具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
以下の例において、洗浄水の硬度(炭酸カルシウム換算でのカルシウムイオンおよびマグネシウムイオンの合計含有量)およびアルカリ度、最終的に得られたアクリレートの透明度(光透過率)並びに最終的に得られたアクリレート中のナトリウムイオン、カルシウムイオンおよびマグネシウムイオンの含有量は、以下の方法で測定した。
以下の例において、洗浄水の硬度(炭酸カルシウム換算でのカルシウムイオンおよびマグネシウムイオンの合計含有量)およびアルカリ度、最終的に得られたアクリレートの透明度(光透過率)並びに最終的に得られたアクリレート中のナトリウムイオン、カルシウムイオンおよびマグネシウムイオンの含有量は、以下の方法で測定した。
(1)洗浄水の硬度:
カルシウムイオンの含有量をJIS K1010の49.2に従って測定し、マグネシウムイオンの含有量をJIS K1010の50.2に従って測定し、カルシウムイオンの含有量とマグネシウムイオンの含有量の合計含有量を炭酸カルシウムに換算して硬度を求めた。
カルシウムイオンの含有量をJIS K1010の49.2に従って測定し、マグネシウムイオンの含有量をJIS K1010の50.2に従って測定し、カルシウムイオンの含有量とマグネシウムイオンの含有量の合計含有量を炭酸カルシウムに換算して硬度を求めた。
(2)洗浄水のアルカリ度:
JIS K1010に従って測定した。ただし、酸消費量としての滴定終点はpH4.8とした。
JIS K1010に従って測定した。ただし、酸消費量としての滴定終点はpH4.8とした。
(3)アクリレートの透明度(光透過率):
以下の実施例または比較例において、濾過助剤(昭和化学工業株式会社製「ラヂオライト#200」、以下「RL200」という)を添加して加圧濾過処理を行った後に、濁度計を用いて濁度を測定したアクリレート(油状物)(最終的に得られたアクリレート)を、石英セル(藤原製作所製「TI−UV−10」、光路長10mm、光路幅10mm、外径12.5mm、外幅12.5mm、高さ45mm)に充填し、分光光度計(株式会社島津製作所製「UV−2450型分光光度計」)を使用して、波長640nmの光を用いて光の透過度を測定した。なお、この測定では、対照として蒸留水を用いて同じ測定を行い、蒸留水の光の透過率を基準(透過率=100%)にして、蒸留水の透過率に対する割合で求めた。
以下の実施例または比較例において、濾過助剤(昭和化学工業株式会社製「ラヂオライト#200」、以下「RL200」という)を添加して加圧濾過処理を行った後に、濁度計を用いて濁度を測定したアクリレート(油状物)(最終的に得られたアクリレート)を、石英セル(藤原製作所製「TI−UV−10」、光路長10mm、光路幅10mm、外径12.5mm、外幅12.5mm、高さ45mm)に充填し、分光光度計(株式会社島津製作所製「UV−2450型分光光度計」)を使用して、波長640nmの光を用いて光の透過度を測定した。なお、この測定では、対照として蒸留水を用いて同じ測定を行い、蒸留水の光の透過率を基準(透過率=100%)にして、蒸留水の透過率に対する割合で求めた。
(3)アクリレート中のナトリウムイオン、カルシウムイオンおよびマグネシウムイオンの含有量(濃度):
以下の実施例または比較例において、RL200を添加して加圧濾過処理を行った後に、濁度計を用いて濁度を測定したアクリレート(油状物)(最終的に得られたアクリレート)について、フレーム式原子吸光測定装置(株式会社島津製作所社製「AA−6300型」)を使用して、JIS K0121記載の方法に従って測定した。その際に、ナトリウムイオンは589.0nm、カルシウムイオンは422.7nm、マグネシウムイオンは285.2nmの波長の光をそれぞれ用いて測定し、各金属イオンの標準メタノール溶液を使用して予め作製しておいた検量線を用いてアクリレート中の各金属イオンの濃度を求めた。
以下の実施例または比較例において、RL200を添加して加圧濾過処理を行った後に、濁度計を用いて濁度を測定したアクリレート(油状物)(最終的に得られたアクリレート)について、フレーム式原子吸光測定装置(株式会社島津製作所社製「AA−6300型」)を使用して、JIS K0121記載の方法に従って測定した。その際に、ナトリウムイオンは589.0nm、カルシウムイオンは422.7nm、マグネシウムイオンは285.2nmの波長の光をそれぞれ用いて測定し、各金属イオンの標準メタノール溶液を使用して予め作製しておいた検量線を用いてアクリレート中の各金属イオンの濃度を求めた。
《実施例1》
(1)エステル化反応:
攪拌機、温度計およびディーンスターク装置を備えた2リットルの反応器に、ジペンタエリスリトール315g(1.24モル)、アクリル酸643g(8.9モル)、トルエン526g、塩化第二銅1.5gおよび78%硫酸15gを仕込み、圧力53kPaの圧力下に反応器を加熱して、トルエン還流条件下に脱水エステル化反応を16時間行った。エステル化反応終了時におけるアクリル酸消費量をベースとした反応率は88%であった。
(2)中和処理:
(i) 上記(1)で生成した反応液を30℃以下に冷却した後、トルエンを加え、全量2100gとした。それを中和処理用の槽に移し、蒸留水(炭酸カルシウム換算での硬度0.1ppm)350gを加えて充分攪拌した後、25℃で60分間静置し、層分離した下層(水相)を除去してトルエン溶液相(上層)を得た。
(ii) 上記(i)で得たトルエン溶液相(上層)の酸分を中和するために、蒸留水を用いて調製した20%水酸化ナトリウム水溶液345gを加えて充分攪拌した後、25℃で120分間静置し、層分離した下層(水相)を除去してトルエン溶液相(上層)を回収し、このトルエン溶液相に前記と同じ20%水酸化ナトリウム690gを更に加えて充分攪拌した後、25℃で120分間静置し、層分離した下層(水相)を除去して、トルエン溶液相(上層)を回収した。
(1)エステル化反応:
攪拌機、温度計およびディーンスターク装置を備えた2リットルの反応器に、ジペンタエリスリトール315g(1.24モル)、アクリル酸643g(8.9モル)、トルエン526g、塩化第二銅1.5gおよび78%硫酸15gを仕込み、圧力53kPaの圧力下に反応器を加熱して、トルエン還流条件下に脱水エステル化反応を16時間行った。エステル化反応終了時におけるアクリル酸消費量をベースとした反応率は88%であった。
(2)中和処理:
(i) 上記(1)で生成した反応液を30℃以下に冷却した後、トルエンを加え、全量2100gとした。それを中和処理用の槽に移し、蒸留水(炭酸カルシウム換算での硬度0.1ppm)350gを加えて充分攪拌した後、25℃で60分間静置し、層分離した下層(水相)を除去してトルエン溶液相(上層)を得た。
(ii) 上記(i)で得たトルエン溶液相(上層)の酸分を中和するために、蒸留水を用いて調製した20%水酸化ナトリウム水溶液345gを加えて充分攪拌した後、25℃で120分間静置し、層分離した下層(水相)を除去してトルエン溶液相(上層)を回収し、このトルエン溶液相に前記と同じ20%水酸化ナトリウム690gを更に加えて充分攪拌した後、25℃で120分間静置し、層分離した下層(水相)を除去して、トルエン溶液相(上層)を回収した。
(3)水洗浄処理:
上記(2)の(ii)で回収したトルエン溶液相1890gに、蒸留水(炭酸カルシウム換算での硬度0.1ppm、pH6.6)210gを加えて充分攪拌した後、25℃で60分間静置し、層分離した下層(水相)を除去して、トルエン溶液相(上層)を回収した。
(4)有機溶媒(トルエン)の除去および精製:
上記(3)で回収したトルエン溶液相に、ハイドロキノンモノメチルエーテル400ppmを添加して、空気を吹き込みながら、圧力53〜0.7kPaの減圧下に、温度70〜80℃で、トルエンの濃度が1質量%以下になるまで蒸留して脱溶媒処理を行った。これにより得られた粗アクリレート500gに対して、RL200を8.4g添加して、十分に攪拌混合した。その混合物を、定性ロ紙No.2を備えた加圧濾過装置(アドバンテック社製「KST−142」、以下単に「KST」という)にて圧力0.2mPa下に濾過してアクリレートを得た。
上記(2)の(ii)で回収したトルエン溶液相1890gに、蒸留水(炭酸カルシウム換算での硬度0.1ppm、pH6.6)210gを加えて充分攪拌した後、25℃で60分間静置し、層分離した下層(水相)を除去して、トルエン溶液相(上層)を回収した。
(4)有機溶媒(トルエン)の除去および精製:
上記(3)で回収したトルエン溶液相に、ハイドロキノンモノメチルエーテル400ppmを添加して、空気を吹き込みながら、圧力53〜0.7kPaの減圧下に、温度70〜80℃で、トルエンの濃度が1質量%以下になるまで蒸留して脱溶媒処理を行った。これにより得られた粗アクリレート500gに対して、RL200を8.4g添加して、十分に攪拌混合した。その混合物を、定性ロ紙No.2を備えた加圧濾過装置(アドバンテック社製「KST−142」、以下単に「KST」という)にて圧力0.2mPa下に濾過してアクリレートを得た。
(5)アクリレートの光透過率および金属イオン含有量の測定:
上記(4)で得たアクリレートについて、濁度計(HACH社製「2100AN型」)を使用して濁度の測定を行った。この測定では、ホルマジンを基準物質として装置校正を行い、90°側方散乱光方式を測定原理として濁度(NTU)を測定した。アクリレートの濁度が7NTU以下であれば透明と判断して、その光透過率および各金属イオン(ナトリウムイオン、カルシウムイオンおよびマグネシウム)の含有量を上記した方法で測定した。その結果を下記の表1に示す。
上記(4)で得たアクリレートについて、濁度計(HACH社製「2100AN型」)を使用して濁度の測定を行った。この測定では、ホルマジンを基準物質として装置校正を行い、90°側方散乱光方式を測定原理として濁度(NTU)を測定した。アクリレートの濁度が7NTU以下であれば透明と判断して、その光透過率および各金属イオン(ナトリウムイオン、カルシウムイオンおよびマグネシウム)の含有量を上記した方法で測定した。その結果を下記の表1に示す。
《実施例2》
(1) 炭酸カルシウム換算での硬度が113.3ppmである水(地下水)を、イオン交換樹脂(三菱化学株式会社製「ダイヤイオンSKIB」、以下「DI」という)に数回通して、当該硬度が20ppmの軟化水(pH7.4)を調製した。
(2) 実施例1の(3)の水洗浄処理の工程において、蒸留水の代わりに上記(1)で調製した軟化水を用いた以外は、実施例1の(1)〜(4)と同様の操作を行って、アクリレート(精製アクリレート)を得た。
(3) 上記(2)で得られたアクリレートについて、実施例1の(5)と同様にして濁度の測定を行ったところ、濁度が7NTU以下で透明であったので、その光透過率および各金属イオン(ナトリウムイオン、カルシウムイオンおよびマグネシウム)の含有量を上記した方法で測定した。その結果を下記の表1に示す。
(1) 炭酸カルシウム換算での硬度が113.3ppmである水(地下水)を、イオン交換樹脂(三菱化学株式会社製「ダイヤイオンSKIB」、以下「DI」という)に数回通して、当該硬度が20ppmの軟化水(pH7.4)を調製した。
(2) 実施例1の(3)の水洗浄処理の工程において、蒸留水の代わりに上記(1)で調製した軟化水を用いた以外は、実施例1の(1)〜(4)と同様の操作を行って、アクリレート(精製アクリレート)を得た。
(3) 上記(2)で得られたアクリレートについて、実施例1の(5)と同様にして濁度の測定を行ったところ、濁度が7NTU以下で透明であったので、その光透過率および各金属イオン(ナトリウムイオン、カルシウムイオンおよびマグネシウム)の含有量を上記した方法で測定した。その結果を下記の表1に示す。
《比較例1》
(1) 実施例1の(3)の水洗浄処理の工程において、蒸留水の代わりに、炭酸カルシウム換算での硬度が113.3ppmである未軟化処理工業用水(地下水)(pH7.6)を用いた以外は、実施例1の(1)〜(4)と同様の操作を行って、アクリレート(精製アクリレート)を得た。
(2) 上記(1)で得られたアクリレートについて、実施例1の(5)と同様にして濁度の測定を行ったところ、濁度が7NTU以下で透明であったので、その光透過率および各金属イオン(ナトリウムイオン、カルシウムイオンおよびマグネシウム)の含有量を上記した方法で測定した。その結果を下記の表1に示す。
(1) 実施例1の(3)の水洗浄処理の工程において、蒸留水の代わりに、炭酸カルシウム換算での硬度が113.3ppmである未軟化処理工業用水(地下水)(pH7.6)を用いた以外は、実施例1の(1)〜(4)と同様の操作を行って、アクリレート(精製アクリレート)を得た。
(2) 上記(1)で得られたアクリレートについて、実施例1の(5)と同様にして濁度の測定を行ったところ、濁度が7NTU以下で透明であったので、その光透過率および各金属イオン(ナトリウムイオン、カルシウムイオンおよびマグネシウム)の含有量を上記した方法で測定した。その結果を下記の表1に示す。
《比較例2》
(1) 実施例1において、実施例1の(1)および(2)と同様にしてエステル化反応および中和処理を行って、アクリレートを含有するトルエン相を回収した。
(2) 上記(1)で得られたアクリレートを含有するトルエン相を用いて、水洗浄処理を施すことなく、実施例1の(4)と同様の溶媒の除去および精製処理を行って、アクリレート(精製アクリレート)を得た。
(3) 上記(2)の工程で得られたアクリレートについて、実施例1の(5)と同様にして濁度の測定を行ったところ、濁度が20NTU以上で不透明であったため、光透過率の測定並びに金属イオンの含有量の測定は行わなかった。
(1) 実施例1において、実施例1の(1)および(2)と同様にしてエステル化反応および中和処理を行って、アクリレートを含有するトルエン相を回収した。
(2) 上記(1)で得られたアクリレートを含有するトルエン相を用いて、水洗浄処理を施すことなく、実施例1の(4)と同様の溶媒の除去および精製処理を行って、アクリレート(精製アクリレート)を得た。
(3) 上記(2)の工程で得られたアクリレートについて、実施例1の(5)と同様にして濁度の測定を行ったところ、濁度が20NTU以上で不透明であったため、光透過率の測定並びに金属イオンの含有量の測定は行わなかった。
上記の表1の結果にみるように、アクリル酸とアルコールとをエステル化反応させて得られたアクリレートを、低硬度水を用いて洗浄を行った実施例1および2では、最終的に得られたアクリレートの光透過率が高く透明性に優れ、しかもナトリウムイオン、カルシウムイオンおよびマグネシウムイオンの含有量も少ない。
それに対して硬水で洗浄を行った比較例1では、最終的に得られたアクリル酸エステルの光透過率が実施例1および2で得られたアクリレートに比べて低く、しかもナトリウムイオンとカルシウムイオンの含有量が多い。
また、中和処理後に水洗浄処理を行わなかった比較例2では、最終的に得られたアクリレートは濁度が高く、透明性に劣っている。
それに対して硬水で洗浄を行った比較例1では、最終的に得られたアクリル酸エステルの光透過率が実施例1および2で得られたアクリレートに比べて低く、しかもナトリウムイオンとカルシウムイオンの含有量が多い。
また、中和処理後に水洗浄処理を行わなかった比較例2では、最終的に得られたアクリレートは濁度が高く、透明性に劣っている。
《実施例3》
(1)付加反応:
攪拌機、温度計およびジムロート冷却装置を備えた2リットル反応器に、フェニルグリシジルエーテル710g(4.74モル)、アクリル酸392g(5.45モル)、トルエン480g、ハイドロキノンモノメチルエーテル1.6gおよび100%塩化コリン16gを仕込み、53.3kPaの圧力下に、反応器を加熱して95℃の温度で付加反応を13時間行った。付加反応終了時におけるアクリル酸消費量をベースとした反応率は110%であった。
(2)中和処理:
上記(1)で生成した反応液を30℃以下に冷却した後、トルエンを加え、全量2100gとした。それを中和処理用の槽に移し、蒸留水を用いて調製した20%炭酸ナトリウム水溶液247gを加えて充分攪拌した後、25℃で60分間静置し、層分離した下層(水相)を除去してトルエン溶液相(上層)を回収した。
(3)水洗浄処理:
上記(2)で回収したトルエン溶液相1890gに、蒸留水(炭酸カルシウム換算での硬度0.1ppm、pH6.6)204gを加えて充分攪拌した後、25℃で60分間静置し、層分離した下層(水相)を除去して、トルエン溶液相(上層)を回収した。
(1)付加反応:
攪拌機、温度計およびジムロート冷却装置を備えた2リットル反応器に、フェニルグリシジルエーテル710g(4.74モル)、アクリル酸392g(5.45モル)、トルエン480g、ハイドロキノンモノメチルエーテル1.6gおよび100%塩化コリン16gを仕込み、53.3kPaの圧力下に、反応器を加熱して95℃の温度で付加反応を13時間行った。付加反応終了時におけるアクリル酸消費量をベースとした反応率は110%であった。
(2)中和処理:
上記(1)で生成した反応液を30℃以下に冷却した後、トルエンを加え、全量2100gとした。それを中和処理用の槽に移し、蒸留水を用いて調製した20%炭酸ナトリウム水溶液247gを加えて充分攪拌した後、25℃で60分間静置し、層分離した下層(水相)を除去してトルエン溶液相(上層)を回収した。
(3)水洗浄処理:
上記(2)で回収したトルエン溶液相1890gに、蒸留水(炭酸カルシウム換算での硬度0.1ppm、pH6.6)204gを加えて充分攪拌した後、25℃で60分間静置し、層分離した下層(水相)を除去して、トルエン溶液相(上層)を回収した。
(4)有機溶媒(トルエン)の除去および精製:
上記(3)で回収したトルエン溶液相に、ハイドロキノンモノメチルエーテル250ppmを添加して、空気を吹き込みながら、圧力53〜0.7kPaの減圧下に、温度70〜80℃で、トルエンの濃度が1質量%以下になるまで蒸留して脱溶媒処理を行った。これにより得られた粗アクリレート500gに対して、RL200を8.4g添加して、十分に攪拌混合した。その混合物を、定性ロ紙No.2を備えた加圧濾過装置(KST)にて圧力0.2mPa下に濾過してアクリレートを得た。
(5)アクリレートの光透過率および金属イオン含有量の測定:
上記(4)で得たアクリレートについて、濁度計(HACH社製「2100AN型」)を使用して濁度の測定を行った。この測定では、ホルマジンを基準物質として装置校正を行い、90°側方散乱光方式を測定原理として濁度(NTU)を測定した。アクリレートの濁度が7NTU以下であれば透明と判断して、その光透過率および各金属イオン(ナトリウムイオン、カルシウムイオンおよびマグネシウム)の含有量を上記した方法で測定した。その結果を下記の表2に示す。
上記(3)で回収したトルエン溶液相に、ハイドロキノンモノメチルエーテル250ppmを添加して、空気を吹き込みながら、圧力53〜0.7kPaの減圧下に、温度70〜80℃で、トルエンの濃度が1質量%以下になるまで蒸留して脱溶媒処理を行った。これにより得られた粗アクリレート500gに対して、RL200を8.4g添加して、十分に攪拌混合した。その混合物を、定性ロ紙No.2を備えた加圧濾過装置(KST)にて圧力0.2mPa下に濾過してアクリレートを得た。
(5)アクリレートの光透過率および金属イオン含有量の測定:
上記(4)で得たアクリレートについて、濁度計(HACH社製「2100AN型」)を使用して濁度の測定を行った。この測定では、ホルマジンを基準物質として装置校正を行い、90°側方散乱光方式を測定原理として濁度(NTU)を測定した。アクリレートの濁度が7NTU以下であれば透明と判断して、その光透過率および各金属イオン(ナトリウムイオン、カルシウムイオンおよびマグネシウム)の含有量を上記した方法で測定した。その結果を下記の表2に示す。
《実施例4》
(1) 炭酸カルシウム換算での硬度が113.3ppmである水(地下水)を、DIに数回通して、当該硬度が20ppmの軟化水(pH7.4)を調製した。
(2) 実施例3の(3)の水洗浄処理の工程において、蒸留水の代わりに上記(1)で調製した軟化水を用いた以外は、実施例3の(1)〜(4)と同様の操作を行って、アクリレート(精製アクリレート)を得た。
(3) 上記(2)で得られたアクリレートについて、実施例3の(5)と同様にして濁度の測定を行ったところ、濁度が7NTU以下で透明であったので、その光透過率および各金属イオン(ナトリウムイオン、カルシウムイオンおよびマグネシウム)の含有量を上記した方法で測定した。その結果を下記の表2に示す。
(1) 炭酸カルシウム換算での硬度が113.3ppmである水(地下水)を、DIに数回通して、当該硬度が20ppmの軟化水(pH7.4)を調製した。
(2) 実施例3の(3)の水洗浄処理の工程において、蒸留水の代わりに上記(1)で調製した軟化水を用いた以外は、実施例3の(1)〜(4)と同様の操作を行って、アクリレート(精製アクリレート)を得た。
(3) 上記(2)で得られたアクリレートについて、実施例3の(5)と同様にして濁度の測定を行ったところ、濁度が7NTU以下で透明であったので、その光透過率および各金属イオン(ナトリウムイオン、カルシウムイオンおよびマグネシウム)の含有量を上記した方法で測定した。その結果を下記の表2に示す。
《比較例3》
(1) 実施例3の(3)の水洗浄処理の工程において、蒸留水の代わりに、炭酸カルシウム換算での硬度が113.3ppmである未軟化処理工業用水(地下水)(pH7.6)を用いた以外は、実施例3の(1)〜(4)と同様の操作を行って、アクリレート(精製アクリレート)を得た。
(2) 上記(1)で得られたアクリレートについて、実施例3の(5)と同様にして濁度の測定を行ったところ、濁度が7NTU以下で透明であったので、その光透過率および各金属イオン(ナトリウムイオン、カルシウムイオンおよびマグネシウム)の含有量を上記した方法で測定した。その結果を下記の表2に示す。
(1) 実施例3の(3)の水洗浄処理の工程において、蒸留水の代わりに、炭酸カルシウム換算での硬度が113.3ppmである未軟化処理工業用水(地下水)(pH7.6)を用いた以外は、実施例3の(1)〜(4)と同様の操作を行って、アクリレート(精製アクリレート)を得た。
(2) 上記(1)で得られたアクリレートについて、実施例3の(5)と同様にして濁度の測定を行ったところ、濁度が7NTU以下で透明であったので、その光透過率および各金属イオン(ナトリウムイオン、カルシウムイオンおよびマグネシウム)の含有量を上記した方法で測定した。その結果を下記の表2に示す。
《比較例4》
(1) 実施例3において、実施例3の(1)および(2)と同様にして付加反応および中和処理を行って、アクリレートを含有するトルエン相を回収した。
(2) 上記(1)で得られたアクリレートを含有するトルエン相を用いて、水洗浄処理を施すことなく、実施例3の(4)と同様の溶媒の除去および精製処理を行って、アクリレート(精製アクリレート)を得た。
(3) 上記(2)の工程で得られたアクリレートについて、実施例3の(5)と同様にして濁度の測定を行ったところ、濁度が20NTU以上で不透明であったため、光透過率の測定並びに金属イオンの含有量の測定は行わなかった。
(1) 実施例3において、実施例3の(1)および(2)と同様にして付加反応および中和処理を行って、アクリレートを含有するトルエン相を回収した。
(2) 上記(1)で得られたアクリレートを含有するトルエン相を用いて、水洗浄処理を施すことなく、実施例3の(4)と同様の溶媒の除去および精製処理を行って、アクリレート(精製アクリレート)を得た。
(3) 上記(2)の工程で得られたアクリレートについて、実施例3の(5)と同様にして濁度の測定を行ったところ、濁度が20NTU以上で不透明であったため、光透過率の測定並びに金属イオンの含有量の測定は行わなかった。
上記の表2の結果にみるように、アクリル酸とエポキシ化合物とを付加反応させて得られたアクリレートを、低硬度水を用いて洗浄を行った実施例1および2では、最終的に得られたアクリレートの光透過率が高く透明性に優れ、しかもナトリウムイオン、カルシウムイオンおよびマグネシウムイオンの含有量も少ない。
それに対して硬水で洗浄を行った比較例1では、最終的に得られたアクリル酸エステルの光透過率が実施例1および2で得られたアクリレートに比べて低く、しかもナトリウムイオンとカルシウムイオンの含有量が多い。
また、中和処理後に水洗浄処理を行わなかった比較例2では、最終的に得られたアクリレートは濁度が高く、透明性に劣っている。
それに対して硬水で洗浄を行った比較例1では、最終的に得られたアクリル酸エステルの光透過率が実施例1および2で得られたアクリレートに比べて低く、しかもナトリウムイオンとカルシウムイオンの含有量が多い。
また、中和処理後に水洗浄処理を行わなかった比較例2では、最終的に得られたアクリレートは濁度が高く、透明性に劣っている。
本発明の方法により、透明性に優れ、しかも金属イオンなどの含有量の少ない、高純度の(メタ)アクリレートを円滑に製造でき、それにより得られた(メタ)アクリレートは、オーバープリントワニス、印刷インキ、コーティング材料、レジスト材料などの用途に有効な活性エネルギー線硬化性樹脂組成物用の原料として、更にはその他の用途に有効に使用することができる。
Claims (6)
- 合成反応で得られた(メタ)アクリレートを、低硬度水を用いて洗浄することを特徴とする(メタ)アクリレートの洗浄方法。
- 低硬度水が、炭酸カルシウム換算で、カルシウムイオンおよびマグネシウムイオンの合計含有量が60ppm以下の軟水である請求項1に記載の洗浄方法。
- 合成反応で得られた(メタ)アクリレートが、(メタ)アクリル酸とアルコールとのエステル化反応により得られた(メタ)アクリレート、または(メタ)アクリル酸とエポキシ化合物との付加反応により得られた(メタ)アクリレートである請求項1または2に記載の洗浄方法。
- 低硬度水で洗浄する合成反応で得られた(メタ)アクリレートが、(メタ)アクリル酸とアルコールとのエステル化反応により得られた(メタ)アクリレートを含む反応生成物または(メタ)アクリル酸とエポキシ化合物との付加反応により得られた(メタ)アクリレートを含む反応生成物を、アルカリで中和処理した後に、当該中和物から回収した(メタ)アクリレートである請求項3に記載の洗浄方法。
- 触媒の存在下に、(メタ)アクリル酸とアルコールとをエステル化反応させるか、または(メタ)アクリル酸とエポキシ化合物とを反応させて、(メタ)アクリレートを含む反応生成物を生成させ、当該反応生成物にアルカリ水溶液を加えて中和処理した後、中和処理液から(メタ)アクリレートを含む相を分取し、分取した(メタ)アクリレートを含む相を低硬度水を用いて洗浄し、低硬度水で洗浄した液から(メタ)アクリレートを回収することを特徴とする(メタ)アクリレートの製造方法。
- 低硬度水が、炭酸カルシウム換算で、カルシウムイオンおよびマグネシウムイオンの合計含有量が60ppm以下の軟水である請求項5に記載の製造方法。
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