JP2005194201A - 4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートの製造法およびその製造装置 - Google Patents

4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートの製造法およびその製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートを収率よく製造しうる方法およびその製造装置を提供すること。
【解決手段】(A)1,4−ブタンジオールと(メタ)アクリル酸とを触媒の存在下で炭化水素溶媒中で反応させ、(B)水を添加して水層と炭化水素溶媒層とを分離し、(C)前記水層にトルエンを添加してトルエン層と水層とを分離し、(D)トルエン層からトルエンを留去することにより、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートを回収することを特徴とする4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートの製造法、ならびに反応槽、第一抽出塔及び第二抽出塔とを組み合わせた4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートの製造装置。
【選択図】図1

Description

本発明は、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートの製造法およびその製造装置に関する。4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートは、例えば、熱硬化性塗料、感光性樹脂組成物、接着剤、コンタクトレンズ、インキ、レジストなどの幅広い分野において原料として用いられている。
4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートは、2回の抽出工程を経て製造されている。その製造法として、1,4−ブタンジオールとアクリル酸とを反応させた後、副生したジエステルと残存している1,4−ブタンジオールを除去する際に、2回目の抽出溶媒として、極性有機溶媒を用いる方法(例えば、特許文献1参照)や、極性有機溶媒またはハロゲン化炭化水素を用いる方法(例えば、特許文献2参照)が知られている。しかしながら、これらの方法には、2回目の抽出溶媒として、極性有機溶媒を用いる場合には、1回目の抽出工程で得られた抽出液に前処理を施す必要があり、最も抽出効率がよいとされている塩化メチレンなどのハロゲン化炭化水素を用いる場合には、毒性や環境面で好ましくないという欠点がある。
他の4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートの製造法として、2回目の抽出溶媒に、ジアルキルエーテルまたは酢酸エステルを用いる方法が提案されている(例えば、特許文献3参照)。しかしながら、これらの抽出溶媒を用いた場合には、副反応が生じるため、該抽出溶媒を回収して再利用をすることが困難である。
また、1回目の抽出工程で抽出溶媒として水を用いる4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートの製造法が提案されている(例えば、特許文献4参照)。しかしながら、この製造法では、1回目の抽出工程で得られた4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートを2回目の抽出工程でいかにして精製するのかが重要であるが、2回目の抽出工程が明らかにされていない。
特開平8−53392号公報 独国特許第1518572号明細書 特開平8−188556号公報 特開平7−126214号公報
本発明は、前記従来技術に鑑みてなされたものであり、原料として1,4−ブタンジオールおよび(メタ)アクリル酸を用い、両者を反応させて得られた反応溶液から、未反応の1,4−ブタンジオールおよび副生物である1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレートを効率よく除去し、目的化合物である4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートを収率よく製造しうる方法およびその製造装置を提供することを目的とする。
本発明の要旨は、
1.(A)1,4−ブタンジオールと(メタ)アクリル酸とを触媒の存在下で炭化水素溶媒中で反応させ〔以下、工程(A)という〕、
(B)得られた反応溶液に水を添加して混合した後、生成した4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートを含有する水層と炭化水素溶媒層とを分離し〔以下、工程(B)という〕、
(C)前記水層にトルエンを添加して混合した後、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートを含有するトルエン層と水層とを分離し〔以下、工程(C)という〕、
(D)トルエン層からトルエンを留去することにより、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートを回収する〔以下、工程(D)という〕
ことを特徴とする4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートの製造法、ならびに
2.(1)1,4−ブタンジオール、(メタ)アクリル酸、触媒および炭化水素溶媒を供給するための供給口を有する反応槽と、水を添加するための供給口を有する第一抽出塔とが、反応槽で1,4−ブタンジオールと(メタ)アクリル酸とを反応させることによって得られた反応溶液を供給するための配管を介して接続され、
(2)第一抽出塔と、トルエンを添加するための供給口を有する第二抽出塔とが、第一抽出塔で得られた4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートを含有する水層を供給するための配管を介して接続され、
(3)第二抽出塔と、トルエンを留去するための第一蒸留機とが、第二抽出塔で得られたトルエン層を供給するための配管を介して接続されてなる
4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートの製造装置
に関する。
本発明の製造法および製造装置によれば、原料として1,4−ブタンジオールおよび(メタ)アクリル酸を用い、両者を反応させて得られた反応溶液から、未反応の1,4−ブタンジオールおよび副生物である1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリートを効率よく除去し、目的化合物である4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートを収率よく製造することができるという効果が奏される。
本発明の製造法においては、まず、工程(A)において、1,4−ブタンジオールと(メタ)アクリル酸とを触媒の存在下で炭化水素溶媒中で反応させる。
なお、本明細書にいう「(メタ)アクリ」とは、「アクリ」および/または「メタクリ」を意味する。
(メタ)アクリル酸の量は、1,4−ブタンジオールと(メタ)アクリル酸との反応がエステル化反応であり、化学量論的に進行することから、1,4−ブタンジオール1モルあたり、好ましくは0.5〜2モル、より好ましくは0.8〜1.2モルである。
1,4−ブタンジオールと(メタ)アクリル酸とを反応させる際には、炭化水素溶媒が用いられる。炭化水素溶媒の具体例としては、シクロヘキサン、イソヘキサン、ヘプタン、オクタン、トルエン、キシレンなどがあげられ、これらは、それぞれ単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。これらの炭化水素溶媒の中では、シクロヘキサン、イソヘキサンおよびヘプタンは、生成する水を常圧で抜き出すことができるので、好ましい。
炭化水素溶媒の量は、生成した水を効率よく留去する観点および1,4−ブタンジオールと(メタ)アクリル酸との反応を効率よく行う観点から、1,4−ブタンジオールと(メタ)アクリル酸との合計量100重量部あたり、好ましくは50〜300重量部、より好ましくは70〜150重量部である。
触媒の具体例としては、硫酸、p−トルエンスルホン酸、酸性イオン交換樹脂などがあげられ、これらは、それぞれ単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。これらの触媒の中では、硫酸およびp−トルエンスルホン酸は、入手が容易であり、また経済的であるので、好ましい。
触媒の量は、反応速度を高める観点および経済性を高めるとともにその除去を容易にする観点から、1,4−ブタンジオールと(メタ)アクリル酸との合計量100重量部あたり、好ましくは0.1〜10重量部、より好ましくは0.5〜5重量部である。
また、反応の際には、重合防止剤を用いることができる。重合防止剤としては、例えば、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、フェノチアジン、ジフェニルアミンなどがあげられ、これらは、それぞれ単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
重合防止剤の量は、重合反応の防止効果を高める観点および経済性を高めるとともにその除去を容易にする観点から、1,4−ブタンジオールと(メタ)アクリル酸との合計量100重量部あたり、好ましくは0.01〜1重量部、より好ましくは0.05〜0.5重量部である。
1,4−ブタンジオールと(メタ)アクリル酸とを反応させる際の反応温度は、反応速度を高める観点および重合反応などの副反応を抑制する観点から、好ましくは50〜140℃、より好ましくは60〜100℃である。
また、1,4−ブタンジオールと(メタ)アクリル酸とを反応させる際の雰囲気は、(メタ)アクリル酸の重合を防止するために、例えば、乾燥空気などの酸素を含有する雰囲気であることが好ましい。1,4−ブタンジオールと(メタ)アクリル酸との反応は、通常、常圧であってもよく、あるいは加圧下または減圧下であってもよい。
1,4−ブタンジオールと(メタ)アクリル酸との反応は、例えば、乾燥空気を吹き込むなどにより、(メタ)アクリル酸および生成する(メタ)アクリレートの重合を防止しながら行うことが好ましい。また、1,4−ブタンジオールと(メタ)アクリル酸との反応はエステル化反応であり、水が副生するため、この副生した水を除去しながら反応を行うことが好ましい。
反応時間は、反応条件などによって異なるので一概には決定することができないが、通常、5〜24時間程度である。なお、反応の終点は、例えば、反応系内の(メタ)アクリル酸の残存量が1重量%以下となった時点とすることができる。
かくして、1,4−ブタンジオールと(メタ)アクリル酸との反応により、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートが生成し、この4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートを含む反応溶液が得られる。なお、この反応溶液には、原料の1,4−ブタンジオールのほか、副生した1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレートが含まれている。
得られた反応溶液は、次に工程(B)に供される。工程(B)においては、得られた反応溶液に水を添加して混合した後、生成した4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートを含有する水層と炭化水素溶媒層とに分離する。
反応溶液に添加する水の量は、副生した1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレートの抽出率を高める観点および処理量の増大による経済性の低下を回避する観点から、反応溶液100重量部あたり、好ましくは0.2〜2重量部、より好ましくは0.2〜0.5重量部である。
また、反応溶液には、副生した1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレートの抽出率を高めるために、水とともに炭化水素溶媒を必要により添加することができる。炭化水素溶媒としては、使用後に回収し、容易に再利用するために、工程(A)で用いられた炭化水素と同じ種類の炭化水素溶媒が用いられる。炭化水素溶媒の量は、副生した1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレートの抽出率を高める観点およびその回収再利用の際に、精製を容易にするとともに処理量を低減させる観点から、反応溶液100重量部あたり、好ましくは10〜100重量部、より好ましくは20〜50重量部である。
なお、反応溶液には、触媒を中和するために、中和剤を用いることができる。中和剤は、通常、反応溶液に添加する水とともに用いることがきる。中和剤としては、例えば、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリが挙げられるが、本発明はかかる例示のみに限定されるものではない。中和剤の量は、その種類によって異なるので一概には決定することができないが、通常、触媒を中和するのに適した量、例えば、反応溶液100重量部あたり、好ましくは0.1〜2重量部程度、より好ましくは0.3〜1重量部程度である。
反応溶液に水を添加する際の温度は、特に限定がないが、通常、10〜40℃程度であればよい。
反応溶液に水を添加し、十分に混合した後、例えば、静置することにより、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートが水層に抽出され、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートを含有する水層と炭化水素溶媒層とに分離する。分離した水層には、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートおよび1,4−ブタンジオールが含まれている。
また、分離した炭化水素溶媒層には、副生した1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレートが含まれている。したがって、副生した1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレートを有効利用するとともに、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートの収率を向上させる観点から、この炭化水素溶媒層に含まれている1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレートを原料として用いることが好ましい。
したがって、炭化水素溶媒層を例えば蒸留機などを用いて蒸留し、得られた残渣を回収し、工程(A)における原料として用いることが好ましい。また、留出液には、炭化水素溶媒が高濃度で含まれているので、その有効利用を図るために、該留出液を、例えば、必要により水とともに反応溶液に添加される炭化水素溶媒として用いることが好ましい。
このように、本発明によれば、使用した炭化水素溶媒および副生した1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレートを有効に再利用することができ、廃棄物量の低減を図ることができるので、本発明の製造法は、環境に優しく、コンポストの要請にも応えるという優れた利点を有する。
工程(B)で分離された水層は、回収され、次に、工程(C)に供される。工程(C)では、工程(B)で得られた水層にトルエンを添加して混合した後、例えば、静置することにより、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートがトルエンに抽出され、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートを含有するトルエン層と水層とに分離させる。
水層に添加するトルエンの量は、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートの抽出率を高める観点および4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートの回収の際の量を低減させる観点から、水層100重量部あたり、好ましくは100〜300重量部、より好ましくは150〜250重量部である。
工程(B)で得られた水層にトルエンを添加する際の温度は、特に限定がないが、通常、10〜40℃程度であればよい。
水層にトルエンを添加した後には、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートを含有するトルエン層と水層とが形成されるが、それらのうち、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートを含有するトルエン層は、分液後、工程(D)に供される。他方、トルエン層と分離された水層には、1,4−ブタンジオールおよび水が含まれている。したがって、水層を濃縮し、そのときに得られる水を工程(B)における水として用いることができる。また、そのときに得られる残渣は、工程(A)における原料として用いることができる。
このように、本発明の製造法によれば、水層を廃液とせずに、水層を水と残渣に分離することにより、それぞれ再利用することができるので、本発明の製造法は、環境に非常に優しい方法である。
工程(D)では、トルエン層からトルエンを留去することにより、生成した4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートが回収される。
トルエン層からのトルエンの留去は、例えば、蒸留機などを用いることによって行うことができる。
留去されたトルエンは、工程(C)におけるトルエンとして用いることができる。このように、本発明には、使用したトルエンを回収して再利用することができるという利点もある。
かくしてトルエン層からトルエンを留去することにより、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートを回収することができる。なお、回収した4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートの純度をより高めるために、適宜、精製することができる。
次に、本発明の4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートの製造装置を図1に基づいて説明をする。図1は、本発明の製造装置の一実施態様を示す概略説明図である。
図1において、反応槽1の上部には、1,4−ブタンジオール、(メタ)アクリル酸、触媒および炭化水素溶媒、ならびに必要により重合防止剤を供給するための供給口2が配設されている。
反応槽1内では、1,4−ブタンジオールと(メタ)アクリル酸との反応が行われる。反応槽1としては、通常、1,4−ブタンジオールと(メタ)アクリル酸との反応の際に用いられているものであればよく、特に限定がない。
反応終了後、得られた反応溶液は、配管3を介して、第一抽出塔4に供給される。なお、第一抽出塔4には、水および必要により用いられる炭化水素溶媒を供給するための供給口5が配設されている。
水および必要により用いられる炭化水素溶媒は、第一抽出塔4の供給口5から供給され、第一抽出塔4内で反応溶液と混合され、生成した4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートが水層に抽出され、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートを含有する水層と炭化水素溶媒層との2層に分離する。
第一抽出塔4内で得られた4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートを含有する水層は、第一抽出塔4の下部に接続された配管7を介して第二抽出塔6に供給される。
一方、第一抽出塔4で分離した炭化水素溶媒層を回収するために、第一抽出塔4内の炭化水素溶媒層を回収するための配管8を介して、第一抽出塔4と抽出溶媒回収槽9とが接続されており、第一抽出塔4で分離した炭化水素溶媒層は、配管8を介して抽出溶媒回収槽9に供給される。
第一抽出塔4および第二抽出塔6としては、例えば、回転円盤型連続抽出塔などを用いることができる。また、抽出溶媒回収槽9としては、一般に用いられているものであればよく、特に限定がない。
抽出溶媒回収槽9は、炭化水素溶媒層を炭化水素溶媒と残渣とに分離するために第二蒸留機10とが接続され、抽出溶媒回収槽9で回収された炭化水素溶媒層は、第二蒸留機10に供給され、第二蒸留機10内では、炭化水素溶媒層が蒸留され、留出液が得られる。得られた留出液は、第二蒸留機10と第一抽出塔4とを接続する配管11を介して第一抽出塔4に供給することにより、炭化水素溶媒として再利用することができる。
第二蒸留機10内で炭化水素溶媒層から炭化水素溶媒が蒸留された後の残渣は、抽出溶媒回収槽9内に存在するが、その残渣は、工程(A)において、原料として用いることができる。したがって、抽出溶媒回収槽9の下部と反応槽1とを配管12で接続し、この配管12を介して、抽出溶媒回収槽9内の残渣を反応槽1内に原料として供給することができる。供給された残渣は、1,4−ブタンジオールおよび(メタ)アクリル酸とともに反応に供される。
第一抽出塔4内で得られた4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートを含有する水層は、第一抽出塔4の下部に接続された配管7を介して第二抽出塔6に供給される。第二抽出塔6には、第二抽出塔6内に供給された4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートを含有する水層にトルエンを供給するための供給口13が配設されている。
第二抽出塔6内では、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートを含有する水層とトルエンとが混合され、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートがトルエンに抽出され、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートが抽出されたトルエン層と水層の2層に分離する。
4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートがトルエンに抽出されたトルエン層は、トルエン層からトルエンを留去するために、第二抽出塔6と配管14を介して接続された第一蒸留機15に供給される。第一蒸留機15に供給されたトルエン層は、トルエンが留去されるので、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートを回収することができる。
留去されたトルエンは、配管16を介して回収され、トルエンを供給するための供給口13に供給することにより、再利用することができる。
一方、第二抽出塔6内で分離された水層には、トルエンが含まれているので、このトルエンを回収するために、配管17を介して、この水層を抽出溶媒回収槽18に回収することができる。抽出溶媒回収槽18に回収された水層から蒸留機19により、トルエンを蒸留させ、得られた留出液を、配管20を介して第二抽出塔6に配設された供給口13からトルエンとして供給することができる。また、抽出溶媒回収槽18で水層を濃縮するときに得られた残渣は、配管12を介して反応槽1に供給することにより、工程(A)における原料として用いることができる。
第一蒸留機15に供給されたトルエン層からトルエンが留去されて得られた4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートは、配管21を介して回収することができるが、さらに高純度を有する4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートを得るために、得られた4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートを配管21を介して第四蒸留機22に供給し、トルエンを排出口23から排出し、トルエンが留去された4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートを排出口24から回収することができる。
なお、第一蒸留機15、第二蒸留機10、第三蒸留機19および第四蒸留機22としては、例えば、分子蒸留機、薄膜蒸留機などを用いることができる。
本発明の製造法および製造装置によれば、原料として1,4−ブタンジオールおよび(メタ)アクリル酸を用い、両者を反応させて得られた反応溶液から、未反応の1,4−ブタンジオールおよび副生物である1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレートを効率よく除去し、目的化合物である4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートを収率よく製造することができる。
次に、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
実施例1
図1に示される装置と同様の装置を用いた。反応槽1の供給口2から、シクロヘキサン、アクリル酸、1,4−ブタンジオール、濃硫酸、フェノチアジンおよびヒドロキノンモノメチルエーテルを反応槽1内に供給した。反応槽1の下部から乾燥空気を吹き込み、攪拌しながら昇温し、反応槽1内の温度が79〜82℃に到達した時点で、副生した水を反応槽1から除去しながら、反応系内のアクリル酸の残存量が1重量%以下となるまで反応を行った。その結果、4−ヒドロキシブチルアクリレート38重量部、シクロヘキサン22重量部、1,4−ブタンジオール24重量部、1,4−ブタンジオールジアクリレート13重量部および原料の1,4−ブタンジオールが反応中に脱水されることによって生成したテトラヒドロフラン3重量部を含有する反応溶液が得られた。
得られた反応溶液を35℃に冷却し、これに6%炭酸ナトリウム水溶液400重量部を添加した後、得られた混合物を第一抽出塔(回転円盤型連続抽出塔)4に供給し、第一抽出塔4の供給口5から精製水400重量部を供給し、抽出を行った。
得られた水層には、目的化合物である4−ヒドロキシブチルアクリレートおよび原料である1,4−ブタンジオールが含まれていた。
他方、得られたシクロヘキサン層には、副生成物である1,4−ブタンジオールジアクリレートおよびシクロヘキサンが含まれていたので、これを抽出溶媒回収槽9に回収した。第二蒸留塔10でシクロヘキサンと残渣として1,4−ブタンジオールジアクリレートとに分離し、シクロヘキサンは第一抽出塔4に供給し、1,4−ブタンジオールジアクリレートは原料として反応槽1の供給口2に供給した。
次に、得られた水層を流量340L/hで第二抽出塔6に供給し、供給口13からトルエンを流量750L/hで供給し、4−ヒドロキシブチルアクリレートをトルエンで抽出した。
抽出されたトルエン層を第一蒸留機15に供給し、トルエンを留去して4−ヒドロキシブチルアクリレートを回収した。また、留去されたトルエンは、回収して配管16を介して供給口13に供給した。
他方、第二抽出塔6でトルエン層と分離された水層を抽出溶媒回収槽18で回収し、第三蒸留機19で水を蒸留し、供給口5に供給した。また、1,4−ブタンジオールを含む残渣は、配管12を介して原料として供給口2に供給した。
得られた4−ヒドロキシブチルアクリレートは、第一蒸留機15から配管21を介して第四蒸留機22に供給することにより、精製し、排出口24から取り出した。その結果、得られた4−ヒドロキシブチルアクリレートの収率は72%であり、その純度は98.5%であった。
なお、収率は、式:
〔収率〕
=〔4−ヒドロキシブチルアクリレートの収量(kg)/144〕
÷〔1,4−ブタンジオールの仕込み量(kg)/90〕
×100
に従って求めた。
以上の結果より、実施例1の方法によれば、4−ヒドロキシブチルアクリレートを収率よく製造することができることがわかる。
参考例
実施例1において、第一抽出塔4から回収されたシクロヘキサン層および第二抽出塔6から回収された水層を利用しなかった以外は、実施例1と同様にして、4−ヒドロキシブチルアクリレートを製造した。その結果、収率は51%であった。
実施例1と参考例との対比から、実施例1の方法によれば、回収された第一抽出塔4から回収されたシクロヘキサン層および第二抽出塔6から回収された水層が再利用されているので、収率よく4−ヒドロキシブチルアクリレートを製造することができることがわかる。
本発明の製造法および製造装置によって得られた4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートは、例えば、熱硬化性塗料、感光性樹脂組成物、接着剤、コンタクトレンズ、インキ、レジストなどの幅広い分野において原料として好適に用いることができる。
本発明の4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートの製造装置の一実施態様を示す概略説明図である。
符号の説明
1 反応槽
2 供給口
3 配管
4 第一抽出塔
5 供給口
6 第二抽出塔
7 配管
8 配管
9 抽出溶媒回収槽
10 第二蒸留機
11 配管
12 配管
13 供給口
14 配管
15 第一蒸留機
16 配管
17 配管
18 抽出溶媒回収槽
19 第三蒸留機
20 配管
21 配管
22 第四蒸留機
23 排出口
24 排出口

Claims (11)

  1. (A)1,4−ブタンジオールと(メタ)アクリル酸とを触媒の存在下で炭化水素溶媒中で反応させ、
    (B)得られた反応溶液に水を添加して混合した後、生成した4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートを含有する水層と炭化水素溶媒層とを分離し、
    (C)前記水層にトルエンを添加して混合した後、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートを含有するトルエン層と水層とを分離し、
    (D)トルエン層からトルエンを留去することにより、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートを回収する
    ことを特徴とする4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートの製造法。
  2. 工程(B)において、得られた反応溶液に水とともに工程(A)で用いられた炭化水素溶媒と同じ種類の炭化水素溶媒を添加する請求項1記載の製造法。
  3. 工程(B)で得られた炭化水素溶媒層を蒸留し、その留出液を工程(B)において、水とともに反応溶液に添加する炭化水素溶媒として用いる請求項2記載の製造法。
  4. 工程(B)で得られた炭化水素溶媒層を蒸留し、その残渣を工程(A)における原料として用いる請求項1〜3いずれか記載の製造法。
  5. 工程(C)で得られた水層を濃縮し、そのときに得られた水を工程(B)における水として用いる請求項1〜4いずれか記載の製造法。
  6. 工程(C)で得られた水層を濃縮し、そのときに得られた残渣を工程(A)における原料として用いる請求項1〜5いずれか記載の製造法。
  7. 工程(D)で留去されたトルエンを工程(C)におけるトルエンとして用いる請求項1〜6いずれか記載の製造法。
  8. (1)1,4−ブタンジオール、(メタ)アクリル酸、触媒および炭化水素溶媒を供給するための供給口を有する反応槽と、水を添加するための供給口を有する第一抽出塔とが、反応槽で1,4−ブタンジオールと(メタ)アクリル酸とを反応させることによって得られた反応溶液を供給するための配管を介して接続され、
    (2)第一抽出塔と、トルエンを添加するための供給口を有する第二抽出塔とが、第一抽出塔で得られた4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートを含有する水層を供給するための配管を介して接続され、
    (3)第二抽出塔と、トルエンを留去するための第一蒸留機とが、第二抽出塔で得られたトルエン層を供給するための配管を介して接続されてなる
    4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートの製造装置。
  9. (4)第一抽出塔と抽出溶媒回収槽とが、第一抽出塔で得られた炭化水素溶媒層を供給するための配管を介して接続され、
    (5)抽出溶媒回収槽と、炭化水素溶媒層を蒸留するための第二蒸留機とが、抽出溶媒回収槽で回収された炭化水素溶媒層を供給するための配管を介して接続され、
    (6)第二蒸留機と第一抽出塔とが、第二蒸留機で得られた留出液を供給するための配管を介して接続されてなる請求項8記載の製造装置。
  10. 第二蒸留機と反応槽とが、第二蒸留機で得られた残渣を供給するための配管を介して接続されてなる請求項9記載の製造装置。
  11. 第一蒸留機と第二抽出塔とが、第一蒸留機で留去されたトルエンを供給するための配管を介して接続されてなる請求項8〜10いずれか記載の製造装置。
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