JP2003342237A - ジメチルカーボネート及びエチレングリコールの製造方法 - Google Patents

ジメチルカーボネート及びエチレングリコールの製造方法

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JP2003342237A
JP2003342237A JP2002157087A JP2002157087A JP2003342237A JP 2003342237 A JP2003342237 A JP 2003342237A JP 2002157087 A JP2002157087 A JP 2002157087A JP 2002157087 A JP2002157087 A JP 2002157087A JP 2003342237 A JP2003342237 A JP 2003342237A
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reaction
boiling fraction
ethylene glycol
transesterification
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Takashi Kanamaru
高志 金丸
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Abstract

(57)【要約】 【課題】均一触媒の存在下にエチレンカーボネート(E
C)とメタノール(MeOH)とをエステル交換反応さ
せるジメチルカーボネート(DMC)及びエチレングリ
コール( EG)の製造方法であって、反応後にエステ
ル交換反応触媒を分離せずに未反応ECの加水分解の触
媒として利用し、更に、その後にエステル交換反応触媒
として再利用できる様に改良された上記の製造方法を提
供する。 【解決手段】150〜4000重量ppmの均一系触媒
の存在下にエステル交換反応させ、得られた反応混合物
を、MeOH及びDMCを含む低沸点留分と、EG、E
C及び均一系触媒を含む高沸点留分とに蒸留分離し、次
いで、均一触媒濃度が500〜10000重量ppmの
高沸点留分に水を添加してECをEGと二酸化炭素とに
加水分解し、そして、得られた反応混合物から二酸化炭
素を分離し、EGを蒸留精製し、触媒を含む高沸点留分
をエステル交換反応に循環する。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、ジメチルカーボネ
ート及びエチレングリコールの製造方法に関し、詳しく
は、エステル交換反応による上記の製造方法に関する。 【0002】 【従来の技術】エチレンカーボネートとメタノールとの
エステル交換反応によるジメチルカーボネート及びエチ
レングリコールの製造においては、反応が平衡反応であ
るため、反応液中に未反応原料が残存する。そこで、未
反応エチレンカーボネートを加水分解してエチレングリ
コールとし、エステル交換反応で生成するエチレングリ
コールと共に製品化する方法がとられる。 【0003】エチレンカーボネートの加水分解は無触媒
でも進行するが、生産効率を考慮すると触媒を使用して
反応速度を上げる必要がある。加水分解触媒としてはイ
オン交換樹脂を使用する方法(アメリカ特許第4,69
1,041号明細書)や活性アルミナを使う方法(特開
平9−176061号公報、アメリカ特許第5,84
7,189号明細書)が報告されている。 【0004】ところで、エチレンカーボネートはエステ
ル交換反応液から高沸点留分として分離され、加水分解
に供される。従って、エステル交換反応触媒として均一
触媒を使用している場合は、エチレンカーボネートに触
媒が同伴するため、イオン交換樹脂や活性アルミナ等の
加水分解反応触媒への被毒と触媒の再利用を考慮する
と、加水分解する前に高沸点留分からエステル交換反応
触媒を除去する必要がある。 【0005】しかしながら、エステル交換反応液からエ
ステル交換反応触媒(均一触媒)を分離せず、しかも、
これをエチレンカーボネートの加水分解触媒として利用
することが出来、更に、その後にエステル交換反応触媒
として再利用できるならば、極めて工業的に有利であ
る。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記実状に
鑑みなされたものであり、その目的は、均一触媒の存在
下にエチレンカーボネートとメタノールとをエステル交
換反応させるジメチルカーボネート及びエチレングリコ
ールの製造方法であって、反応後に未反応エチレンカー
ボネートの加水分解工程を含み、そして、反応後にエス
テル交換反応触媒を分離せずに上記の加水分解工程の触
媒として利用し、更に、その後にエステル交換反応触媒
として再利用できる様に改良された上記の製造方法を提
供することにある。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】本発明者は、鋭意検討
を重ねた結果、エステル交換反応における均一触媒は未
反応エチレンカーボネートの加水分解の触媒としても利
用し得ること、加水分解反応液から水と精製エチレング
リコールを分離した後の均一触媒含有エチレングリコー
ルはそのままエステル交換反応に循環しても何ら問題な
いとの知見を得た。 【0008】本発明は、上記の知見を基に更に検討を重
ねた結果、完成されたものであり、その要旨は、以下の
第1工程〜第5工程を順次に包含することを特徴とする
ジメチルカーボネート及びエチレングリコールの製造方
法に存する。 【0009】<第1工程>エチレンカーボネートとメタ
ノールとをエチレンカーボネートに対して150〜40
00重量ppmの均一系触媒の存在下にエステル交換反
応させ、メタノール、ジメチルカーボネート、エチレン
グリコール、エチレンカーボネート及び均一系触媒を含
む反応混合物を得る。 【0010】<第2工程>第1蒸留塔において、第1工
程で得た反応混合物を、メタノール及びジメチルカーボ
ネートを含む低沸点留分と、エチレングリコール、エチ
レンカーボネート及び均一系触媒を含む高沸点留分とに
蒸留分離する。 【0011】<第3工程>第1蒸留塔にて回収し且つ均
一触媒濃度が500〜10000重量ppmの高沸点留
分に当該高沸点留分中のエチレンカーボネートに対して
等モル以上の量の水を添加してエチレンカーボネートを
エチレングリコールと二酸化炭素とに加水分解する。 【0012】<第4工程>第3工程にて回収した反応混
合物から二酸化炭素を分離し、水、エチレングリコー
ル、ジエチレングリコール及び均一系触媒を含む混合物
を回収する。 【0013】<第5工程>第2蒸留塔において、第4工
程にて回収した混合物から、水およびエチレングリコー
ルを含み且つジエチレングリコールを含まない低沸点留
分と、エチレングリコール、ジエチレングリコール及び
均一系触媒を含む高沸点留分とを蒸留分離し、エチレン
グリコール留分を回収する。そして、分離した高沸点留
分を第1工程に循環する。 【0014】 【発明の実施の形態】以下、本発明を添付図面に基づい
て詳細に説明する。図1は、本発明の好ましい態様の一
例を示すプロセス説明図である。 【0015】本発明の製造方法は、以下に記載の第1工
程〜第5工程を順次に包含する。なお、以下の説明にお
いては次の表1に示す略号を使用することがある。 【0016】 【表1】 【0017】<第1工程>先ず、均一系触媒の存在下に
ECとMeOHとをエステル交換反応させ、MeOH、
DMC、EG、EC及び均一触媒を含む反応混合物を得
る。なお、ECとMeOHとのエステル交換反応は以下
の化学反応式(1)で示される。 【0018】 【化1】 【0019】上記のエステル交換反応は平衡反応であ
り、反応液中には必ず未反応の原料成分が存在する。す
なわち、反応液中には、目的生成物のDMC及びEGの
他に、原料のEC及びMeOHが含まれ、更に、副生し
たDME等が含まれている。 【0020】エステル交換反応の際の均一系触媒として
は、トリエチルアミン等のアミン類、ナトリウム等のア
ルカリ金属の水酸化物、クロロ酢酸ナトリウム、ナトリ
ウムメチラート等のアルカリ金属化合物、タリウム化合
物などが挙げられる。 【0021】本発明において、均一系触媒の使用割合
は、150〜4000重量ppmの範囲から選択する必
要がある。上記の濃度は、反応液全体中の濃度を意味
し、エステル交換反応および後述の加水分解反応(この
反応はエステル交換反応液から低沸点留分を除去して濃
縮された高沸点留分について行なわれることとなる)に
おける最適範囲として決定されたものである。すなわ
ち、エステル交換反応の際の均一系触媒の濃度が150
重量ppm未満の場合は、エステル交換反応における触
媒使用の効果が十分に発揮されないばかりか、後述の加
水分解反応で必要とされる触媒濃度(500重量ppm
以上)を達成することが困難となる。また、エステル交
換反応の際の均一系触媒の濃度が4000重量ppmを
超える場合は、エステル交換反応および加水分解反応に
おける触媒使用の効果が頭打ちとなって不経済となるば
かりでなく、副反応の促進により副生物が増加し、反応
収率の低下をもたらす。また、ECに対するMeOHの
使用割合(モル比)は通常2〜20であり、反応温度は
通常50〜180℃、反応時間は通常0.5〜5時間で
ある。 【0022】EC及びMeOHは、エステル交換反応器
(1)の上部から、ライン(L1)及び(L2)を通し
て供給され、エステル交換反応に必要な均一触媒(Ca
t.)は、反応開始時に前述の濃度となる様にエステル
交換反応器(1)に予め添加されるが、その後、後述の
ライン(L13)からEG溶液として循環される。そし
て、MeOH、DMC、EG、EC及び均一触媒を含む
反応混合物は、エステル交換反応器(1)の底部のライ
ン(L3)から抜出され、後述の第2工程の第1蒸留塔
(2)に供給される。エステル交換反応器(1)として
は、オートクレーブ型反応器、気泡塔式反応器、充填塔
式反応器などが好適に使用できる。 【0023】なお、図示した例の場合、エステル交換反
応は、エステル交換反応器(1)としてオートクレーブ
型反応器を使用して後述の第2工程と独立して行われて
いるが、本発明においては、蒸留塔を使用した反応蒸留
により、第1工程の反応と第2工程の蒸留分離とを同時
に行なってもよい。 【0024】<第2工程>次いで、第1蒸留塔(2)に
おいて、第1工程で得た反応混合物を、MeOH及びD
MCを含む低沸点留分と、EG、EC及び均一系触媒を
含む高沸点留分とに蒸留分離する。上記の低沸点留分
は、第1蒸留塔(2)の頂部のライン(L4)から抜出
され、凝縮器(4)によって凝縮され、その一部はライ
ン(L4a)を通して第1蒸留塔(2)に還流され、他
の一部はライン(L4b)を通して抜出される。一方、
上記の高沸点留分は、第1蒸留塔(2)の底部のライン
(L5)から抜出され、後述の第3工程の加水分解反応
器(5)に供給される。なお、第1工程で得た反応混合
物中の均一系触媒(150〜4000重量ppm)は、
上記の様な低沸点留分が分離される結果、500〜10
000重量ppmに濃縮される。 【0025】第1蒸留塔(2)の濃縮段および回収段の
段数、操作条件(温度、圧力、還流比など)は、上記の
成分分離が行なわれる様に適宜選択される。そして、上
記の操作温度は第1蒸留塔(2)の塔底部のリボイラー
(3)によって制御され、操作圧力は、塔頂に備えられ
た凝縮器(4)の気相部に連結された真空設備(図示せ
ず)によって調節される。 【0026】<第3工程>次いで、第1蒸留塔(2)に
て回収された高沸点留分に当該高沸点留分中のECに対
して等モル以上の量の水を添加してECをEGと二酸化
炭素(CO2)とに加水分解する。この際、均一系触媒
の濃度は、前述の通り、500〜10000重量ppm
である。斯かる均一系触媒濃度は、前述の第1蒸留塔
(2)における濃縮率によって調節される。また、必要
に応じて、新たに均一触媒を添加してもよい。なお、E
Cの加水分解は以下の化学反応式(2)で示される。ま
た、この加水分解工程においては、生成したEGからD
EGが副生し、更に、TEG、PEG等が生成すること
もある。 【0027】 【化2】 【0028】加水分解反応器(5)の形式は、特に限定
されないが、充填塔式反応器、撹拌槽式反応器、ケトル
型反応器などが好適に使用できる。図示した例では加水
分解反応器(5)として充填塔式反応器を使用してい
る。第1蒸留塔(2)の底部のライン(L5)から抜出
された高沸点留分は、ライン(L6)から水が添加され
た後に、加水分解反応器(5)に供給される。ECに対
する水の使用割合(モル比)は通常1〜5、好ましくは
1〜2であり、反応温度は通常100〜200℃、反応
圧力は通常100〜3000KPa、反応時間は通常
0.5〜5時間である。 【0029】<第4工程>次いで、第3工程にて回収さ
れた反応混合物から二酸化炭素(CO2)を分離し、
水、EG、DEG及び均一系触媒を含む混合物を回収す
る。二酸化炭素(CO2)の分離手段は特に制限されな
い。加水分解工程の反応混合物を常圧の脱炭酸タンク内
に供給して加水分解工程の圧力を開放するだけで二酸化
炭素(CO2)を容易に分離することが出来る。 【0030】図示した脱炭酸タンク(気液分離器)
(6)は、圧力調節器(図示せず)を備え、更に、二酸
化炭素(CO2)と共に留出する水蒸気を回収するため
に凝縮器(7)を備えている。前記の第3工程(加水分
解工程)にて回収された反応混合物はライン(L7)か
ら脱炭酸タンク(6)に導入され、二酸化炭素(C
2)は、ライン(L8)を経由し、凝縮器(7)の気
相部のラインから抜出される。なお、図示した例の場
合、第3工程の加水分解反応は加水分解反応器(5)と
して充填式反応器を使用して第4工程の脱炭酸と独立に
行われているが、本発明においては、加水分解反応器
(5)として撹拌槽式反応器またはケトル型反応器を使
用し、第3工程と第4工程とを同時に行ってもよい。 【0031】<第5工程>次いで、第2蒸留塔(8)に
おいて、第4工程にて回収された混合物から、水および
EGを含み且つDEGを含まない低沸点留分と、EG、
DEG及び均一系触媒を含む高沸点留分とを蒸留分離
し、EG留分を回収する。そして、分離した高沸点留分
を第1工程に循環する。 【0032】図示した例の場合、第4工程にて回収され
た混合物はライン(L9)から第2蒸留塔(8)の供給
段に導入される。水およびEGを含み且つDEGを含ま
ない低沸点留分は、塔頂のライン(L12)から抜出さ
れ、凝縮器(10)によって凝縮され、その一部はライ
ン(L12a)を通して第2蒸留塔(8)に還流され、
他の一部はライン(L12b)を通して抜出される。一
方、EG、DEG及び均一系触媒を含む高沸点留分(均
一系触媒のEG溶液)は、塔底のライン(L13)から
抜出され、第1工程のエステル交換反応器(1)に循環
される。そして、EG留分は、塔中間のライン(L1
4)からサイドカットとして回収される。また、高沸点
留分は第1工程に循環される。この際、副生した高分子
量のEGの蓄積を防止するため、高沸点留分の一部はパ
ージするのが好ましい。 【0033】第2蒸留塔(8)の濃縮段および回収段の
段数、操作条件(温度、圧力、還流比など)は、目的と
する成分分離が行なわれる様に適宜選択される。そし
て、上記の操作温度は第2蒸留塔(8)の塔底部のリボ
イラー(9)によって制御され、操作圧力は、塔頂に備
えられた凝縮器(10)の気相部に連結された真空設備
(図示せず)によって調節される。 【0034】前記の蒸留塔(2)及び(8)の形式は、
棚段塔または充填塔の何れの形式であってもよい。棚段
塔としては、シーブトレイ、泡鐘塔などの公知の型式を
使用することが出来る。充填塔における充填物として
は、スルザーパック、メラパック、MCパック等の規則
充填物、IMTP、ラシヒリング等の不規則充填物を使
用することが出来る。因に、各蒸留塔の理論段数は、通
常5〜30段、好ましくは7〜20段であり、還流比
は、通常0.05〜5、好ましくは0.1〜2である。
なお、凝縮器(4)、(7)及び(10)としては一般
的な多管式熱交換器を使用することが出来る。 【0035】 【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実
施例に限定されるものではない。 【0036】実施例1 図1に示すのと同様のプロセスにより、以下に記載の第
1工程〜第5工程を順次に行なった。 【0037】<第1工程>エステル交換反応器(1)の
上部から、ライン(L1)及び(L2)を通し、EC2
6.4重量部およびMeOH38.4重量部を供給し
た。なお、エステル交換反応器(1)には、触媒として
炭酸カリウム(K2CO3)0.05重量部をEG溶液
(濃度:5重量%)として仕込んでおいた。全反応液中
のK2CO3濃度は745重量ppmである。反応温度:
140℃、反応圧力:1000KPa、反応時間:4時
間の条件でエステル交換反応を行なった。その結果、E
C:14重量%、MeOH:40重量%、EG:19重
量%、DMC:27重量%の反応液が得られた。 【0038】<第2工程>第1蒸留塔(2)として、三
菱化学エンジニアリング(株)製の「MCパック250
S」を7mの高さに充填した内径0.2mの連続蒸留装
置を使用した。そして、第1蒸留塔(2)の充填部上端
から2.5mの位置に第1工程で得た反応液を供給し、
還流比0.3で蒸留分離を行ない、塔頂のライン(L
4)から MeOHとDMCを回収し、塔底のライン
(L5)からEG、EC及びK2CO3の混合液を得た。
塔頂液組成は、MeOH:60重量%、DMC:40重
量%であり、塔底液組成(触媒を除く)は、EG:57
重量%、EC43重量%であった。なお、塔底液中のD
MCは10重量ppm未満でありMeOHは検出されな
かった。また、触媒のK2CO3は全量塔底液に含まれて
いた。この場合のK2CO3の濃度は2200重量ppm
である。 【0039】<第3工程>加水分解反応器(5)とし
て、直径6mmのディクソンパッキングを充填した反応
器を使用した。第1蒸留塔(2)の底部のライン(L
5)から抜出した高沸点留分にライン(L6)からEC
に対して1.5倍(モル)量の水を添加して加水分解反
応器(5)に供給した。反応温度:180℃、反応圧
力:2500KPa、LHSV:0.3で反応を行なっ
た。加水分解後のEC濃度は10重量ppm未満に低下
した。 【0040】<第4工程>上記の反応混合物をライン
(L7)から脱炭酸タンク(6)に導入し、反応混合物
を常圧まで減圧し、二酸化炭素を分離した。反応混合物
の液温は、減圧に伴い低下したが、100℃を超えてい
るため、二酸化炭素と共に水が留去する。そこで、凝縮
器(7)により留出ベーパーを50℃に冷却して凝縮
し、得られた凝縮液を脱炭酸タンク(6)に戻しながら
操作を行った。 【0041】<第5工程>第2蒸留塔(8)として、
「MCパック250S」を9mの高さに充填した内径
0.2mの連続蒸留装置を使用した。第2蒸留塔(8)
の充填部上端から4.5mの位置に第4工程にて回収し
た混合物をライン(L9)を通して供給した。そして、
還流比1.2で蒸留分離を行ない、塔頂のライン(L1
2b)から水を含むEGを回収し、塔底のライン(L1
3)からEGを主成分とし触媒とDEG以上の高分子量
エチレングリコールを含む缶出液を抜き出し、充填部下
端より2.3mの位置のライン(L14)からEGベー
パーを回収した。塔頂液は水23重量%を含むEGであ
り、塔底液(K2CO3のEG溶液)中の触媒濃度は5重
量%であった。また、側流ベーパーは、0.2重量%の
DEGと9重量ppmのECを含有するEGであった。
上記のK2CO3のEG溶液は、エステル交換反応器
(1)に供給した触媒組成に近似した組成であり、その
まま、エステル交換反応器(1)に循環した。 【0042】比較例1 図1に示すプロセスを次の様に変更して使用した。すな
わち、第3工程の加水分解反応器(5)として、活性ア
ルミナを充填した反応器を使用した。そして、この反応
器の前に、第1蒸留塔(2)の底部のライン(L5)か
ら抜出した高沸点留分中に含まれる触媒(K2CO3)を
除去するための気液分離槽(凝縮器付タンク)を配置し
た。そして、実施例1と同一条件で第1工程〜第5工程
を順次に行なった。ただし、第3工程の加水分解におい
ては、活性アルミナを充填した反応器を使用したことに
より触媒量が高められたのでLHSVは3.7に高め
た。 【0043】上記の比較例1においては、加水分解前に
除去したK2CO3はEG溶液であるため、第1工程のエ
ステル交換反応に循環することが可能であるが、上記の
気液分離槽で触媒除去のためにエネルギーが必要とな
り、結局、工程全体の消費エネルギー量が実施例1の
1.26倍となった。 【0044】比較例2 図1に示すプロセスを次の様に変更して使用した。すな
わち、第3工程の加水分解反応器(5)の前に、第1蒸
留塔(2)の底部のライン(L5)から抜出した高沸点
留分中に含まれる触媒(K2CO3)を除去するための気
液分離槽(凝縮器付タンク)を配置した。そして、実施
例1と同一条件で第1工程〜第5工程を順次に行なっ
た。本比較例において、ECの加水分解は無触媒の条件
で行なわれる。その結果、加水分解反応液中に230重
量ppmのECが残存し、精製EGにも300重量pp
mのECが混入した。 【0045】 【発明の効果】以上説明した本発明によれば、均一触媒
の存在下にエチレンカーボネートとメタノールとをエス
テル交換反応させるジメチルカーボネート及びエチレン
グリコールの製造方法であって、反応後に未反応エチレ
ンカーボネートの加水分解工程を含み、そして、反応後
にエステル交換反応触媒を分離せずに上記の加水分解工
程の触媒として利用し、更に、その後にエステル交換反
応触媒として再利用できる様に改良された上記の製造方
法が提供され、本発明の工業的価値は顕著である。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の好ましい態様の一例を示すプロセス説
明図 【符号の説明】 1:エステル交換反応器 2:第1蒸留塔 3:リボイラー 4:凝縮器 5:加水分解反応器 6:脱炭酸タンク(気液分離器) 7:凝縮器 8:第2蒸留塔 9:リボイラー 10:凝縮器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07C 68/08 C07C 68/08 69/96 69/96 Z // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 以下の第1工程〜第5工程を順次に包含
    することを特徴とするジメチルカーボネート及びエチレ
    ングリコールの製造方法。 <第1工程>エチレンカーボネートとメタノールとを1
    50〜4000重量ppmの均一系触媒の存在下にエス
    テル交換反応させ、メタノール、ジメチルカーボネー
    ト、エチレングリコール、エチレンカーボネート及び均
    一系触媒を含む反応混合物を得る。 <第2工程>第1蒸留塔において、第1工程で得た反応
    混合物を、メタノール及びジメチルカーボネートを含む
    低沸点留分と、エチレングリコール、エチレンカーボネ
    ート及び均一系触媒を含む高沸点留分とに蒸留分離す
    る。 <第3工程>第1蒸留塔にて回収し且つ均一触媒濃度が
    500〜10000重量ppmの高沸点留分に当該高沸
    点留分中のエチレンカーボネートに対して等モル以上の
    量の水を添加してエチレンカーボネートをエチレングリ
    コールと二酸化炭素とに加水分解する。 <第4工程>第3工程にて回収した反応混合物から二酸
    化炭素を分離し、水、エチレングリコール、ジエチレン
    グリコール及び均一系触媒を含む混合物を回収する。 <第5工程>第2蒸留塔において、第4工程にて回収し
    た混合物から、水およびエチレングリコールを含み且つ
    ジエチレングリコールを含まない低沸点留分と、エチレ
    ングリコール、ジエチレングリコール及び均一系触媒を
    含む高沸点留分とを蒸留分離し、エチレングリコール留
    分を回収する。そして、分離した高沸点留分を第1工程
    に循環する。
JP2002157087A 2002-05-30 2002-05-30 ジメチルカーボネート及びエチレングリコールの製造方法 Pending JP2003342237A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN114957010A (zh) * 2022-04-20 2022-08-30 上海交通大学 一种催化剂在醇交换法合成二甲基碳酸酯和二元醇的应用

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