JPH0427972B2 - - Google Patents

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JPH0427972B2
JPH0427972B2 JP57121277A JP12127782A JPH0427972B2 JP H0427972 B2 JPH0427972 B2 JP H0427972B2 JP 57121277 A JP57121277 A JP 57121277A JP 12127782 A JP12127782 A JP 12127782A JP H0427972 B2 JPH0427972 B2 JP H0427972B2
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reaction
water
ethylene
ethylene glycol
mol
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JP57121277A
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Takashi Shimodaira
Toshuki Furuya
Masahiko Yamagishi
Atsushi Nakanishi
Hideki Mori
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Mitsubishi Petrochemical Co Ltd
Resonac Holdings Corp
Original Assignee
Showa Denko KK
Mitsubishi Petrochemical Co Ltd
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Publication date
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

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  • Catalysts (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は高純度エチレングリコールの製造法、
特にアルデヒド類を含む粗エチレンオキサイドよ
り高純度エチレングリコールを工業的有利に製造
する方法に関する。
エチレンオキサイドよりモノエチレングリコー
ル(本明細書では単に「エチレングリコール」と
いう。)を製造する方法としては、過剰の水、す
なわちエチレンオキサイド1モルに対し水を10〜
25モル用い、触媒の存在下又は不存在下、150〜
250℃の温度でエチレンオキサイドを液相で加水
分解する方法が知られている。しかし、かかる過
剰の水を使用する従来法は、エチレンオキサイド
をほぼ完全に転化させることができるが、エチレ
ングリコールのほかにジエチレングリコール、ト
リエチレングリコール等のポリエチレングリコー
ルが全エチレングリコールに対して10重量%以上
も副生するし、また得られるグリコールは約20重
量%の比較的低濃度の水溶液であるので、その水
溶液から多量の水を蒸発させてエチレングリコー
ルを分離収得するのに多量のエネルギー等を必要
とする欠点があつた。なお上記の方法においてエ
チレンオキサイドに対する水の使用比率をさらに
高めることによつて、ポリエチレングリコールの
生成割合を10重量%以下に下げ、付加価値の高い
エチレングリコールの生成割合を増加させること
が可能であるが、その場合に得られるグリコール
はさらに低濃度の水溶液となるので、この方法も
経済的に実用性がなかつた。
また、エチレンオキサイドに対する水の割合を
化学量論量近くまで下げ、しかもエチレングリコ
ール選択率を上記従来法又はそれ以上にしようと
する試みも種々提案された。そして、それらの提
案の多くは、エチレンオキサイドを二酸化炭素及
び水と反応させる方法であり、その触媒としてア
ルカリハロゲン化物又は第四級ホスホニウム塩
(特開昭49−24448号公報参照)、又は有機塩基
(特開昭51−127010号公報参照)等が用いられて
いる。しかし、アルカリハロゲン化物触媒を用い
る方法は同触媒が反応液に対する溶解度が小さい
ので、触媒の回収再使用の点において困難がある
うえ、反応装置を腐蝕する欠点がある。また、有
機塩基を用いる方法は、製品エチレングリコール
中に分離困難な不純物が混入し、製品の品質上に
問題があり、かつ工業的プロセスとしても必ずし
も満足できなかつた。
本発明者等は、上記従来法の欠点を除く方法と
して、第四級ホスホニウム塩触媒を用いる方法を
提案した(特公昭55−47617号公報参照)。この方
法は、エチレンオキサイドに対する水のモル比率
1〜2の条件下で実施すればエチレンオキサイド
転化率をほぼ100%、またエチレングリコールへ
の選択率を96〜97モル%とすることができるの
で、高純度のエチレンオキサイドを原料とする場
合には充分に満足する結果が得られる。しかし、
この方法をアルデヒド類を含む粗エチレンオキサ
イドに対して適用した場合には、高純度エチレン
グリコール、すなわちポリエステル繊維の製造に
供することのできる高純度エチレングリコール
(以下、「繊維用高純度エチレングリコール」とい
う。)を得るには精製を必要とするなど容易に得
られない欠点があつた。
すなわち、エチレングリコールの原料のエチレ
ンオキサイドは、現在、銀触媒によるエチレンの
気相接触酸化により製造されているが、そのエチ
レンオキサイドにはホルムアルデヒド及びアセト
アルデヒド等の不純物が混入している。かかる不
純なエチレンオキサイドは、その精製コスト低減
のために、通常、高純度エチレンオキサイド留分
を蒸留カツトして高純度を必要とするエチレンオ
キサイドの用途に供し、残りの500〜2000ppm程
度のアルデヒド類等の不純物を含む粗エチレンオ
キサイド留分を精製せずにエチレングリコールの
製造に使用している。そして上記第四級ホスホニ
ウム塩触媒を用いる方法は、かかる粗エチレング
リコールに適用した場合に繊維用高純度エチレン
グリコールを得るのが困難であつた。本発明は、
かかる第四級ホスホニウム塩を用いる方法を粗エ
チレンオキサイドに適用しても繊維用高純度エチ
レングリコールが容易に得られるように改良した
方法に関する。
なお、粗エチレンオキサイドを大量の水で加水
分解する上記従来法は、生成低濃度エチレングリ
コール水溶液から大量の水を蒸発除去する過程に
おいてアルデヒド類等の不純物が除去されるの
で、繊維用高純度エチレングリコールが容易に得
られる。しかしこの方法は、上記したとおりその
水分の蒸発除去のために多量のエネルギーを要す
る等の欠点があつた。
本発明の高純度エチレングリコールの製造法
は、第四級ホスホニウム塩及び水の存在下におい
てエチレンオキサイドと二酸化炭素とを、エチレ
ンオキサイド1モルに対して二酸化炭素を0.1モ
ル以上の割合で供給して反応させて炭酸エチレン
含有生成物とし、次いで得られた炭酸エチレン含
有生成物を加水分解触媒及び水の存在下において
反応系の気相蒸気を反応系外に抜出すとともに反
応系内に水を補給しながら加水分解反応させるこ
とを特徴とする方法である。
本発明の製造法によるときは、アルデヒド類等
を含む粗エチレンオキサイドを使用した場合にお
いても繊維用高純度エチレングリコールが容易に
得られる。その理由は、本発明においては、(i)炭
酸エチレン化反応を多量の二酸化炭素、すなわち
エチレンオキサイド1モルに対して二酸化炭素
0.1モル以上、好ましくは0.1〜5モル、より好ま
しくは1〜5モル、最も好ましくは1〜2モルの
割合で供給して行なわせるので、エチレングリコ
ールとの分離困難なアルデヒド縮合物の生成を有
効に抑制することができ、かつ(ii)炭酸エチレンの
加水分解反応において、反応系の気相蒸気を反応
系外に抜出し、かつ反応内に水を補給しながら反
応をさせるので、アルデヒド類等の不純物を同気
相蒸気とともに反応系外に容易に排出して除去す
ることができ、両者相まつて分離困難なアルデヒ
ド縮合物の製品エチレングリコールへの混入を最
少限にとどめることができる、ことによる。
さらに本発明の炭酸エチレン加水分解反応にお
いては、反応系の気相蒸気を反応系より抜出しな
がら反応させるから、反応系に含有されるアルデ
ヒド類をはじめとする不純物を抜出す気相蒸気と
ともに容易に反応系外に排出して除去することが
でき、その結果として加水分解反応におけるアル
デヒド縮合物の生成量をも最少限にとどめること
ができる、と推測される。なお、加水分解反応に
おいて反応系に水を供給するのは、気相蒸気の排
出に伴なわれて反応系の水が水蒸気として排出さ
れるので、加水分解反応系において不足する水を
補うためである。その水の補給は液状の水として
補給してもよいし、水蒸気として補給してもよ
い。
本発明の製造法は、通常、炭酸エチレン化工程
と炭酸エチレン加水分解工程に分割して実施され
る。
炭酸エチレン化反応において用いられる第四級
ホスホニウム塩は、その反応の触媒として作用す
るものであるが、その第四級ホスホニウム塩とし
ては、一般式 (式中、R1,R2,R3及びR4はそれぞれアルキ
ル基又はアリール基を示し、Xは塩素、臭素、ヨ
ウ素等のハロゲン原子を示す。) で表わされる化合物である。その具体例として
は、たとえばトリフエニルメチルホスホニウムヨ
ーダイド、トリフエニルプロピルホスホニウムブ
ロマイド、トリフエニルベンジルホスホニウムク
ロライド、トリブチルメチルホスホニウムヨーダ
イド及びテトラブチルホスホニウムヨーダイド等
が代表例としてあげられる。
第四級ホスホニウム塩触媒の使用量は、特に制
限がなく、一般に多いほど有効であるが、しかし
反応液に対する溶解量以上に使用しても無意味で
あるので、通常、エチレンオキサイド1モルに対
して0.0005〜反応液に対する飽和溶解量、好まし
くは0.005〜0.1モルの範囲内である。
炭酸エチレン化反応における水は助触媒として
作用するものであり、その水の存在は必須であ
る。水が全く存在しない場合には、炭酸エチレン
化反応速度が極めておそくなり、実質上反応が進
行しない。水の使用量は第四級ホスホニウム塩触
媒に対して3倍モル以上、好ましくは10倍モル以
上である。水の使用量の上限には制約がないが、
あまり多く使用しても効果に限度があるので、通
常、触媒塩に対して120倍モルまで、好ましくは
100倍モルまでである。
炭酸エチレン化反応においては、充分な量の二
酸化炭素を供給する必要があり、その供給量はエ
チレンオキサイドに対して0.1倍モル以上、好ま
しくは0.1〜5倍モル、より好ましくは1〜5倍
モル、最も好ましくは1〜2倍モルである。かか
る充分な量の、特にエチレンオキサイドに対して
1倍モル量以上の二酸化炭素を存在せしめ、かつ
充分な混合(撹拌)を行ないながら反応させる
と、反応を二酸化炭素反応律速領域で進行させる
ことができ、エチレンオキサイド中に含まれるア
ルデヒド等の不純物の縮合反応等を抑制しエチレ
ングリコールの純度を高めることができると同時
に、ジエチレングリコールへの反応を抑制し、エ
チレングリコールを高選択率で得ることができ
る。これに対し、二酸化炭素の供給量が不充分で
あつたり、或いは混合が不充分あると、二酸化炭
素供給律速領域の反応となり、反応液中に存在す
る触媒形態がアルカリ型となり、アルデヒド等の
不純物の縮合反応等を促進させ、エチレングリコ
ールの純度を低下せしめる原因となる。また炭酸
エチレンの加水分解が起り、その結果、生成する
エチレングリコールと未反応の酸化エチレンとの
反応によるジエチレングリコールの生成が多くな
る欠点を有する。
なお、二酸化炭素反応律領域の反応とは、酸化
エチレンが本発明の触媒と水と二酸化炭素の存在
下で炭酸エチレンが生成する反応と、酸化エチレ
ンが本発明の触媒の存在下で水との反応によりエ
チレングリコールを生成する競争反応において、
炭酸ガスを充分反応液中に供給することにより選
択的に専ら炭酸エチレンへの反応を起させうる反
応領域である。これに対し、二酸化炭素供給律速
領域の反応とは、酸化エチレンの炭酸エチレンへ
の転化反応とエチレングリコールへの転化反応と
が競争的に起る領域である。
炭酸エチレン化反応における反応温度は、触媒
の種類及び量、反応液組成等によつて異なり、一
律な規定ができないが、一般的にいつて30〜200
℃の範囲である。この反応における発熱量が
23Kcal/モルであることを考慮して、常に二酸
化炭素反応律速領域で反応させるには、反応温度
を50〜150℃の範囲とするのが望ましい。
炭酸エチレン化反応における反応圧力は、反応
温度、二酸化炭素量、反応液組成等によつて異な
るし、反応の進行又は経過に応じても変化させる
ことができるが、一般的にいつて1〜100Kg/cm2
G、好ましくは5〜30Kg/cm2Gの範囲である。
炭酸エチレン化反応は回分式又は連続式のいず
れの方式で実施してもよい。
本発明の炭酸エチレン加水分解反応は、炭酸エ
チレン化反応において得られた反応生成液を蒸留
して軽質分及び第四級ホスホニウム塩触媒を分離
除去した残りの炭酸エチレン含有留分に対して、
新たに加水分解触媒及び水を添加して行なわせる
ことができる。しかし、第四級ホスホニウム塩が
炭酸エチレン分解触媒としても優れた能力を示す
から、炭酸エチレン化反応で得られた反応生成液
をそのまま加水分解反応に使用してもよい。後者
の実施態様がより好ましい。
加水分解触媒としては、漏第四級ホスホニウム
塩のほかに、各種の酸類(たとえば硫酸、塩酸、
p−トルエンスルホン酸、酸性イオン交換樹脂、
シリカ、アルミナ等)、各種のアルカリ剤(たと
えばカセイソーダ、炭酸ソーダ、塩基性イオン交
換樹脂等)、及び特開昭55−69525号公報に記載さ
れた結晶性無機陰イオン交換体等を用いることが
できるので、上記前者の実施態様で実施する場合
には、これらの各種の加水分解触媒が有効に使用
できる。
また、上記後者の実施態様で実施する場合に
は、炭酸エチレン化反応で得られた反応生成液に
第四級ホスホニウム塩をさらに追加したり、或い
は同反応生成液中の第四級ホスホニウム塩の一部
を除去するなどして、第四級ホスホニウム塩含有
量を適宜に調節することができる。第四級ホスホ
ニウム塩の加水分解反応における使用量は、一般
に多いほど有効であるが、しかし反応液に対する
溶解量以上に使用しても意味がないので、炭酸エ
チレン1モルに対して、通常、0.0005モル〜反応
液に対する飽和溶解量、好まくしくは0.005〜0.1
モルの範囲である。
加水分解反応における水の量は、理論的には炭
酸エチレンに対して化学量論量で足りる。しか
し、本発明においてはアルデヒド類等の不純物を
除くために、その反応系の気相蒸気を系外に抜出
すと同時に、系内で不足する水を新たに補給しな
がら反応させるのであるから、実際には上記化学
量論量よりもやや多い量の水を反応系に存在させ
ることになる。そして、反応系中に存在させる水
の量は一般に多いほどよいが、初期に存在する炭
酸エチレン1モルに対して通常、0.05〜20モル、
好ましくは0.1〜10モルの水が常に液状の水とし
て存在するようにする。
加水分解反応系から抜出されるえ気相蒸気量
は、多いほど不純物を除くのに有効であるが、反
応系の炭酸エチレン及びエチレングリコールの合
計量1モルに対して水の量で、通常0.1〜10モル、
好ましくは0.3〜5モルである。気相蒸気の抜出
は連続的であつても、間歇的であつてもよい。ま
た反応系に供給する水は水の状態で供給してもよ
いし、水蒸気の状態で供給してもよい。また水の
供給は連続的であつても間歇的であつてもよい。
水の供給量は、反応液中に上記したとおりの水量
が常に維持されるに充分な量であり、通常は気相
蒸気として外に抜出される水量と補給する水量と
がバランスするように新たな水を水又は水蒸気と
して補給する。
加水分解反応における反応温度は、触媒の種類
及び量、反応液組成等により異なり、一律の規定
ができないが、一般的には50〜250℃、好ましく
は80〜200℃の範囲である。
加水分解反応系の圧力は、その平衡反応からし
て低い方がよいが、反応液の温度及び水分量を必
要条件に維持せしめるのに或る程度以上の圧力が
必要であり、通常、大気圧〜50Kg/cm2の圧力が用
いられる。また、その圧力は、必要に応じて反応
の進行につれて適宜に調節してもよい。
加水分解反応は反応蒸留形式で行なわれ、回分
式又は連続式のいずれで行つてもよい。
本発明の製法は下記の優れた効果を奏すること
ができる。
(i) アルデヒド類を含む粗エチレンオキサイドを
原料として不純物、特に高い紫外線吸光度を有
する不純物を含まない繊維用高純度エチレング
リコールが容易に得られる。
(ii) 粗エチレンオキサイドをそのまま原料として
使用できるから、エチレンオキサイドの精製に
要する設備及び費用を節減できる。
(iii) 既存のエチレンオキサイド及びエチレングリ
コール製造設備を一部改良するだけで、繊維用
高純度エチレングリコールを高い収率で得られ
る。
(iv) 多量の水を用いてエチレンオキサイドを加水
分解する従来法と較べてエチレングリコール水
溶液の蒸発用エネルギーを著しく減少させるこ
とができる。
(v) エチレングリコール精製のための設備及び費
用を節減できる。
次に、本発明を実施するのに用いる装置の一例
を示した添付の概略図にもとづき本発明の実施態
様例を説明する。
図中、Aは炭酸エチレン化反応装置であり、こ
れにパイプ1より二酸化炭素、パイプ2よりエチ
レンオキサイド、パイプ3より水、パイプ4より
ホスホニウム塩をそれぞれ供給する。好ましい供
給割合は、エチレンオキサイド1モルに対して二
酸化炭素0.1〜5モル、水0.05〜10モル、第四級
ホスホニウム塩0.005〜0.1モルである。反応装置
Aは温度50〜150℃、圧力5〜50Kg/cm2Gに保た
れ、上記供給物をエチレンオキサイドが完全に転
化するまで、通常0.5〜10時間反応装置内に滞留
させて反応を完結せしめる。反応装置Aには適当
な撹拌装置が設けられていて、充分な撹拌を行な
いなるべく二酸化炭素反応律速領域で反応を行な
わせる。かかる領域で反応を行なわせると、エチ
レンオキサイド転化率100%、炭酸エチレンの選
択率97〜99モル%、残りの選択率が主としてエチ
レングリコールである反応をさせることができ
る。
Bは炭酸エチレン加水分解反応装置である。反
応装置Aにおいて生成した炭酸エチレン、エチレ
ングリコール及び第四級ホスホニウム塩を含む液
状反応生成物を、そのままパイプ6を経て反応装
置Bに供給する。反応装置Bは温度80〜200℃、
圧力0〜50Kg/cm2Gに保たれ、炭酸エチレンに対
して0.1〜10倍モル量の水が常に液中に存在する
ようにパイプ5より水蒸気を供給する。同時に、
反応装置Bの気相蒸気をパイプ7より反応系外に
抜出す。その抜出される気相蒸気は水蒸気を主成
分とし、少量の二酸化炭素と原料エチレンオキサ
イド中に含有されていたアルデヒド等の不純物と
を含むから、これらの不純物は抜出される気相蒸
気に伴なわれて排出される。
抜出される気相蒸気量は、反応装置Bに供給さ
れた反応液中の炭酸エチレンとエチレングリコー
ルの合計量に対して水の量で0.3〜5倍モル量と
するのが望ましい。パイプ7から抜出された蒸気
は凝縮器Cで凝縮され水及びアルデヒド類等の不
純物がパイプ10を経て排出され、非凝縮性の二
酸化炭素はパイプ9から取出され、必要に応じて
排風機Kを経て反応装置Aに戻され、再使用され
る。この加水分解反応においては、通常1〜10時
間で反応が完結し、炭酸エチレンの転化率ほぼ
100%、エチレングリコールへの選択率98〜99.5
%、残りの選択率が主としてジエチレングリコー
ルである反応を行なわせることができる。
反応装置Bにおいて生成したエチレングリコー
ルを主成分とする反応液は、パイプ8を経て蒸留
塔Dへ送られ、軽沸留分をパイプ11から、第四
級ホスホニウム塩を主とする高沸留分をパイプ1
2からそれぞれ抜出し、沸沸留分は反応器Aに戻
され、触媒として再使用される。エチレングリコ
ール留分は塔中間より抜出され、パイプ13を経
て精留塔Eへ送られて精留される。精留塔Eから
はパイプ14で精製エチレングリコールが製品と
して取出され、ジエチレングリコールを主成分と
するポリエチレングリコール留分は、パイプ15
から取出され、必要に応じてさらに精留分離され
る。かくして得られたエチレングリコールは、紫
外線吸光度で示される不純物量が、多量の水を使
用してエチレンオキサイドを加水分解して得られ
たエチレングリコールと同程度であり、繊維用規
格に充分に合格する品質である。
次に実施例及び比較例をあげて本発明をさらに
詳述する。
実施例 1 容量2、撹拌機、冷却用内部コイル、供給口
及び蒸気抜出口を備えたステンレス製耐圧反応器
に、アセトアルデヒドを主とするアルデヒド類を
2000重量ppm含むエチレンオキサイド542g
(12.3モル)、水275g(15.3モル)及びトリブチ
ルホスホニウムメチルヨーダイド51g(0.15モ
ル)を仕込み、反応器内を窒素で置換した。次い
で、二酸化炭素を19Kg/cm2Gで導入しながら、か
つ1500回転/分で撹拌しながら95℃の温度で1.5
時間反応させた。反応終了後調べたところ、二酸
化炭素供給量は550gであり、エチレンオキサイ
ド1モルに対して1モルの割合であつた。また、
この反応が二酸化炭素反応律速領域で行なわれた
ことはCO2消費速度、炭酸エチレン生成速度及び
炭酸エチレン選択率又はエチレングリコール生成
量によつて確認された。そして、この時点におけ
る反応結果は、エチレンオキサイド転化率100%、
炭酸エチレンへの選択率98モル%、エチレングリ
コールへの選択率2モル%であつた。
上記の反応終了後、余分な二酸化炭素を放出し
て圧力を4Kg/cm2Gとし、温度を150℃に上げ、
同温度及び圧力下で1時間、さらにその後常圧に
戻して1.5時間加水分解させた。そして、その加
水分解反応期間中、反応器の気相からアルデヒド
類を含む水蒸気を連続的に、水として合計量で
200ml抜出した。同時に、反応器内に新鮮な水を
合計量で200ml、連続的にポンプで供給した。
次いで、加水分解反応生成物を蒸留分離したと
ころ、エチレングリコールへの最終選択率は99モ
ル%、エチレングリコールへの最終選択率は1モ
ル%であつた。また、蒸留精製後のエチレングリ
コールの220nm及び260nm紫外線吸光度は、それ
ぞれ0.054及び0.008であり、その品質は大量の水
で加水分解する従来法で得られたエチレングリコ
ールと同等であつた。
比較例 1 炭酸エチレン化反応を実施例1と同様にして行
なわせた。
次いで、その反応生成物を加水分解させたが、
その加水分解反応は、気相からの蒸気の抜出及び
反応系への新鮮な水の供給を全く行なわずに、そ
の代りに常圧下の還流で水を反応系に戻しなが
ら、そのほかは実施例1の加水分解に準じて行な
わせた。反応の完結に5時間を要した。その結果
は、エチレングリコール及びジエチレングリコー
ルへの最終選択率はそれぞれ99モル%及び1モル
%であつた。また得られた精製エチレングリコー
ルは、220nm及び260nm紫外線吸光度がそれぞれ
0.122及び0.015であり、繊維用規格に合格しなか
つた。
比較例 2 二酸化炭素導入圧力を15Kg/cm2G、反応温度
150℃、反応時間2時間に変え、そのほかは実施
例1と同様にして炭酸エチレン化反応を行なわせ
た。この場合の二酸化炭素供給量はエチレンオキ
サイド1モルに対して0.33モルであつた。また、
この場合の反応が二酸化炭素供給律速領域で行な
われたことは、反応液組成分析によるエチレング
リコールの生成速度によつて確認された。この反
応結果は、エチレンオキサイド転化率が100%で
あつたが、二酸化炭素の供給量の不足のため炭酸
エチレンの加水分解が促進され、炭酸エチレンへ
の選択率が15モル%、エチレングリコールへの選
択率が84モル%、ジエチレングリコールへの選択
率が1モル%であつた。
次いで、上記の炭酸エチレン化反応生成物を、
比較例1と同様にして加水分解させたところ、2
時間で反応が完結した。その結果は、エチレング
リコール及びジエチレングリコールへの最終選択
率がそれぞれ98モル%及び2モル%であつた。ま
た、エチレングリコールの220nm及び260nm紫外
線吸光度はそれぞれ0.17及び0.02であり、繊維用
品質に適さないものであつた。
実施例 2 炭酸エチレン化反応を比較例2と同様にして行
なわせた。
次いで、その反応生成物を、220mlの水を抜出
すと同時に新鮮な水220mlを供給し、かつ150℃で
2時間反応させるように変更し、そのほかは比較
例2に準じて加水分解させた。その結果は、エチ
レングリコール及びジエチレングリコールへの最
終選択率は、それぞれ98モル%及び2モル%であ
つた。また得られたエチレングリコールAの
220nm及び260nm紫外線吸光度は、それぞれ
0.073及び0.010であり、比較例2で得られたエチ
レングリコールと較べて品質が著しく向上した。
これは、加水分解反応系からの気相蒸気の抜出及
び同反応系への新鮮な水の供給がエチレングリコ
ールの品質改善に著しく有効であることを示すも
のである。
実施例 3 加水分解反応における水の抜出量及び新鮮な水
の供給量をいずれも約2倍の420mlに増加し、そ
のほかは実施例1と同様にして炭酸エチレン化反
応及び加水分解反応させた。
その結果は、エチレングリコール及びジエチレ
ングリコールへの最終選択率はそれぞれ99.5モル
%であつた。また蒸留精製後のエチレングリコー
ルは、220nm紫外線吸光度がそれぞれ0.045及び
0.007であり、実施例1のエチレングリコールに
較べてさらに品質が向上した。これは、加水分解
反応における気相蒸気の抜出量(したがつてまた
新鮮な水の供給量)が多い方が不純物除去効果が
大であることを示すものである。
実施例 4 二酸化炭素導入圧力を20Kg/cm2G、反応温度を
150℃、反応時間にそれぞれ変え、そのほかは実
施例1と同様にして炭酸エチレン化反応を行なわ
せた。二酸化炭素供給量はエチレンオキサイド1
モルに対して0.7モルであつた。この反応結果は、
エチレンオキシド転化率は100%であつたが、二
酸化炭素の供給量の不足のため炭酸エチレンの加
水分解が促進され、炭酸エチレンへの選択率44.5
モル%、エチレングリコールへの選択率55モル
%、ジエチレングリコールへの選択率0.5モル%
であつた。
次いで、上記炭酸エチレン化反応生成物を、実
施例1に準じて加水分解させた。エチレングリコ
ール及びジエチレングリコールへの最終選択率
は、それぞれ98モル%及び2モル%であつた。ま
た得られたエチレングリコールの220nm及び
260nmの紫外線吸光度は、それぞれ0.065及び
0.009であつた。
実施例 5 二酸化炭素導入圧力を50Kg/cm2G、反応温度を
95℃、反応時間を2時間にそれぞれ変え、そのほ
かは実施例1と同様にして炭酸エチレン化反応を
行なわせた。二酸化炭素供給量は、エチレンオキ
サイド1モルに対して1.5モルであつた。この反
応結果は、エチレンオキシド転化率100%、炭酸
エチレンの選択率98モル%、エチレングリコール
への選択率2モル%であつた。
次いで、この炭酸エチレン化反応生成物を実施
例1に準じて加水分解を行なわせた。エチレング
リコール及びジエチレングリコールの最終選択率
はそれぞれ99モル%及び1モル%であつた。また
得られたエチレングリコールの220nm及び260nm
の紫外線吸光度は、それぞれ0.054及び0.008であ
つた。
実施例 6 炭酸エチレン化反応を実施例1と同様にして行
なわせた。次いで、その反応生成物を蒸留して、
炭酸エチレン溶液と、触媒(トリブチルホスホニ
ウムメチルヨーダイド)溶液とに分離した。
次いで、上記炭酸エチレン溶液に、新たに触媒
として炭酸カリウムを、炭酸エチレン1モルに対
して0.002モルの割合で加え、そのほかは実施例
1と同様にして炭酸エチレンの加水分解反応を行
なつた。
その結果は、エチレングリコール及びジエチレ
ングリコールの最終選択率がそれぞれ99モル%及
び1モル%であつた。また蒸留精製後のエチレン
グリコールの220nm及び260nmの紫外線吸光度は
0.056及び0.007であつた。
【図面の簡単な説明】
添付図面は本発明の実施に使用する装置の一例
を示す概略図である。図中の各符号はそれぞれ下
記のとおりである。 A……炭酸エチレン化反応装置、B……炭酸エ
チレン加水分解反応装置、C……凝縮器、D……
蒸留塔、E……精留塔。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 第四級ホスホニウム塩及び水の存在下におい
    てエチレンオキサイドと二酸化炭素とを、エチレ
    ンオキサイド1モルに対して二酸化炭素を0.1モ
    ル以上の割合で供給して反応させて炭酸エチレン
    含有生成物とし、次いで得られた炭酸エチレン含
    有生成物を加水分解触媒及び水の存在下において
    反応系の気相蒸気を反応系外に抜出すとともに反
    応系内に水を補給しながら加水分解反応させるこ
    とを特徴とする高純度エチレングリコールの製造
    法。 2 エチレンオキサイド1モルに対して二酸化炭
    素を1〜5モルの割合で供給する特許請求の範囲
    第1項記載の製造法。
JP57121277A 1982-07-14 1982-07-14 高純度エチレングリコ−ルの製造法 Granted JPS5913741A (ja)

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