JP2007168792A - サイドエアバッグ装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】このサイドエアバッグ装置は、車両のボディサイド部に所定値以上の衝撃が加えられることに基づいてガスを発生させるインフレータ15と、同インフレータ15にて発生するガスの供給を受けて車両のボディサイド部とシート11との間に展開膨張するエアバッグ16とを備える。エアバッグ16には、展開膨張状態のときにシート11に着座する乗員Pの肩部に対応する上部区画室18と、乗員Pの腰部に対応する下部区画室19と、乗員Pの胸郭部に対応する中間区画室20とが設けられ、展開膨張状態のエアバッグ16における中間区画室20の内圧として上部区画室18及び下部区画室19の内圧よりも低い圧力が得られる。
【選択図】図1
Description
(1)請求項1に記載の発明は、車両のボディサイド部に所定値以上の衝撃が加えられることに基づいてガスを発生させるガス発生源と、同ガス発生源にて発生するガスの供給を受けて車両のボディサイド部とシートとの間に展開膨張するエアバッグとを備えるサイドエアバッグ装置において、前記エアバッグには、展開膨張状態のときにシートに着座する乗員の肩部に対応する上部区画室と、展開膨張状態のときにシートに着座する乗員の腰部に対応する下部区画室と、前記上部区画室と前記下部区画室との間に位置して展開膨張状態のときにシートに着座する乗員の胸郭部に対応する中間区画室とが設けられ、展開膨張状態の前記エアバッグにおける前記中間区画室の内圧が前記上部区画室及び前記下部区画室の内圧よりも低い圧力とされていることを要旨としている。
(4)請求項4に記載の発明は、請求項1に記載のサイドエアバッグ装置において、前記エアバッグには、同エアバッグを構成する一対の基布間に前記上部区画室と前記中間区画室と前記下部区画室とを形成する整流布が設けられることを要旨としている。
以下に、この発明の第1実施形態を、図1〜図4に基づいて説明する。
図1〜図3には、車室内に配置された左側のフロントシート11が示され、このフロントシート11は腰掛け部11aと背もたれ部11bとを備えている。ボディサイド部の一部を構成するドア12と対応するように、フロントシート11の背もたれ部11bの左側内部にはサイドエアバッグ装置13がケース14内に収容した状態で埋設配置されている。なお、図面においては、左側のフロントシート11のみが図示されているが、右側のフロントシートの右側内部にも同様なエアバッグ装置が内装されている。
さて、車両のボディサイド部に対する他の車両による側突により、ボディサイド部に所定値以上の衝撃が加わると、図示しないセンサがそれを検出し、その検出に基づいてインフレータ15からガス発生される。すると、図1に矢印で示すように、そのガスがインフレータ15のガス噴出口15aからエアバッグ16の下部区画室19に噴出供給されるとともに、ガス通路21を介して上部区画室18に導入され、その後に中間区画室20に導入される。これにより、図4に示すように、乗員Pの肩部Psに対応する上部区画室18と腰部Phに対応する下部区画室19とがほぼ同時に膨張され、その後に胸郭部Pcに対応する中間区画室20が膨張される。
(1)このサイドエアバッグ装置13のエアバッグ16には、フロントシート11に着座する乗員Pの肩部Psに対応する上部区画室18と、乗員Pの腰部Phに対応する下部区画室19とが形成されている。そして、側突によってボディに所定値以上の衝撃が加わったとき、インフレータ15から供給されるガスが上部区画室18及び下部区画室19にほぼ同時に導かれる。
次に、この発明の第2実施形態を、前記第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。
さて、この第2実施形態においては、図5及び図6に示すように、エアバッグ16の上下ほぼ中間部における基布16a,16b間に幅広のシーム17Aが基布16a,16bの縫着接合により設けられ、このシーム17Aによりエアバッグ16内に上部区画室18と下部区画室19とが区画形成されている。また、この幅広のシーム17Aによりガスの誘導手段が構成され、図5に矢印で示すように、インフレータ15のガス噴出口15aから噴出されるガスが、上部区画室18及び下部区画室19にほぼ同時に導入されるようになっている。
(4)このサイドエアバッグ装置13において、前記ガスの誘導構成は、エアバッグ16の上部区画室18と下部区画室19との中間位置で、両基布16a,16bを縫着接合する幅広のシーム17Aを設けただけである。
次に、この発明の第3実施形態を、前記第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。
さて、この第3実施形態においては、図7に示すように、エアバッグ16に2本のシーム17が上下に所定間隔をおいて基布16a,16bの縫着接合により設けられ、このシーム17によりエアバッグ16内に上部区画室18、下部区画室19及び中間区画室20が区画形成されている。また、この第3実施形態においては、シーム17が基布16a,16bの上下方向の中間部を緊張させた状態で設けられているため、エアバッグ16の展開膨張時には、中間区画室20が上下区画室18,19より薄くなる。インフレータ15の周側にはカバー24が配設され、このカバー24によりインフレータ15のガス噴出口15aから噴出供給されるガスを導入するための誘導手段としての導入室25が形成されている。
(第4実施形態)
次に、この発明の第4実施形態を、前記第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。
(5)このサイドエアバッグ装置13においては、前記ガスの誘導構成が上部区画室18及び下部区画室19に対応してインフレータ15に設けられた上下2箇所のガス噴出口15aからなっている。このため、上部区画室18及び下部区画室19の膨張展開の時間差を小さくすることができる。
次に、この発明の第5実施形態を、前記第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。
さて、この第5実施形態においては、図9に示すように、エアバッグ16が上部区画室18を有する上部エアバッグ16Aと、下部区画室19を有する下部エアバッグ16Bとに独立して構成されている。そして、上部エアバッグ16Aが乗員Pの肩部Psに、下部エアバッグ16Bが乗員Pの腰部Phにそれぞれ対応している。そして、これらのエアバッグ16A,16Bがケース14内に上下方向へ所定間隔をおいて並設されている。また、各エアバッグ16A,16Bに対応して独立構成のインフレータ15A,15Bが配設され、これらのインフレータ15A,15Bからエアバッグ16A,16Bに各別にガスが導入されるようになっている。すなわち、この第5の実施形態では、独立したインフレータ15A,15Bによりガスの誘導手段が構成され、このインフレータ15A,15Bからのガスの供給により、両エアバッグ16A,16Bが同時に膨張されるようになっている。
(6)このサイドエアバッグ装置13においては、前記エアバッグ16が上部区画室18を有する上部エアバッグ16Aと、下部区画室19を有する下部エアバッグ16Bとに独立して構成されている。また、前記ガスの誘導構成が上下両エアバッグ16A,16Bに各別にガスを導入する独立構成のインフレータ15A,15Bからなっている。このため、エアバッグ16A,16Bとして、シーム等を設けないものを使用できて、構成及び製作が簡単になる。また、上部区画室18を有する上部エアバッグ16Aと、下部区画室19を有する下部エアバッグ16Bとを時間差なく同時に展開膨張させることができる。しかも、上下両エアバッグ16A,16B間において、乗員Pの胸郭部Pcと対応する位置に広い空間を形成することができ、胸郭部Pcの保護に有効である。
次に、この発明の第6の実施形態を前記第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。
この第6実施形態においては、図10に示すように、シーム17にて区画形成された中間区画室20の開口20aがインフレータ15の反対側である車両前方に向かうように形成され、この開口20aの上下の周縁に流入ガイド部20bが形成されている。さらに、中間区画室20の部分の一方の基布16aまたは16bには、外部に向かって開口するベント孔22が形成されている。
(7)このサイドエアバッグ装置においては、インフレータ15からのガスが上下の区画室18,19をまわってから中間区画室20内に流入する。このため、上下の区画室が18,19がほぼ同時に展開膨張した後に、若干遅れて中間区画室20が膨張展開するとともに、上下の区画室18,19の内圧を中間区画室20の内圧よりも高圧にすることができる。従って、胸郭部Pcの保護を有効に行うことができる。
次に、この発明の第7実施形態を、前記第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。
さて、この第7実施形態においては、図11及び図12に示すように、誘導手段を構成するシーム17が側面形ほぼV字状に形成され、このシーム17により、エアバッグ16内に上部区画室18、下部区画室19及び中間区画室20が区画形成されている。上部区画室18及び下部区画室19と対応するエアバッグ16の基布16a,16bの内面には、内圧調整手段を構成する漏洩抑制手段としての補強布28A,28Bが重合状態で縫着配置されている。
(10)このサイドエアバッグ装置13においては、エアバッグ16の上部区画室18及び下部区画室19と対応する部分に補強布28A,28Bを配置するという簡単な構造で、上部区画室18及び下部区画室19からのガスの漏洩を抑制することができる。そして、このガスの漏洩抑制により、乗員Pの胸郭部Pcと対応する中間区画室20の内圧を上部区画室18及び下部区画室19の内圧よりも低くすることができて、胸郭部Pcの保護効果を高めることができる。
次に、この発明の第8実施形態を、前記第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。
さて、この第8実施形態においては、図15に示すように、上部区画室18及び下部区画室19と対応するエアバッグ16の基布16a,16bの周縁が内側に反転した状態で縫着され、この反転縫着構造33により、内圧調整手段としての漏洩抑制手段が構成されている。
次に、この発明の第9実施形態を、前記第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。
さて、この第9実施形態においては、図16に示すように、上部区画室18及び下部区画室19と対応するエアバッグ16の基布16a,16bの表面及び裏面の少なくとも一方に、シリコンゴム等のコーティングが施されている。このシリコンゴム等のコーティングによりガスの漏洩が抑制される。従って、このコーティング層34により、内圧調整手段としての漏洩抑制手段が構成されている。
次に、この発明の第10実施形態を、前記第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。
次に、この発明の第11実施形態を、前記第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。
(変更例)
なお、この実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・前記各実施形態において、エアバッグ16を、織布の他に例えば不織布、合成樹脂シート等の他の材料を用いて形成すること。
・前記第1〜第5実施形態において、中間区画室20と対応する部分に第6実施形態を同様なベント孔を設けること
・図13及び図14に示すインフレータ15の抜け止め構成に代えて、図21(a)(b)に示すように、筒状ケース29の端部に1つの抜け止め片29aを突設し、同図に鎖線で示すように、この抜け止め片29aを内側に折り曲げて抜け止めするように構成すること。
Claims (10)
- 車両のボディサイド部に所定値以上の衝撃が加えられることに基づいてガスを発生させるガス発生源と、同ガス発生源にて発生するガスの供給を受けて車両のボディサイド部とシートとの間に展開膨張するエアバッグとを備えるサイドエアバッグ装置において、
前記エアバッグには、展開膨張状態のときにシートに着座する乗員の肩部に対応する上部区画室と、展開膨張状態のときにシートに着座する乗員の腰部に対応する下部区画室と、前記上部区画室と前記下部区画室との間に位置して展開膨張状態のときにシートに着座する乗員の胸郭部に対応する中間区画室とが設けられ、
展開膨張状態の前記エアバッグにおける前記中間区画室の内圧が前記上部区画室及び前記下部区画室の内圧よりも低い圧力とされている
ことを特徴とするサイドエアバッグ装置。 - 請求項1に記載のサイドエアバッグ装置において、
前記ガス発生源にて発生するガスが導入される導入室と、この導入室のガスを前記上部区画室と前記中間区画室と前記下部区画室とのそれぞれに導く誘導孔とが設けられるとともに、前記上部区画室及び前記下部区画室に対応する誘導孔の開口面積が前記中間区画室に対応する誘導孔の開口面積よりも大きく設定される
ことを特徴とするサイドエアバッグ装置。 - 請求項1に記載のサイドエアバッグ装置において、
前記中間区画室には、前記エアバッグの外部へ向けて開口するベント孔が設けられ、
前記ベント孔に基づいて形成されるガスの流れを通じて、展開膨張状態の前記エアバッグにおける前記中間区画室の内圧として前記上部区画室及び前記下部区画室の内圧よりも低い圧力が得られる
ことを特徴とするサイドエアバッグ装置。 - 請求項1に記載のサイドエアバッグ装置において、
前記エアバッグには、同エアバッグを構成する一対の基布間に前記上部区画室と前記中間区画室と前記下部区画室とを形成する整流布が設けられる
ことを特徴とするサイドエアバッグ装置。 - 請求項4に記載のサイドエアバッグ装置において、
前記エアバッグには、同エアバッグを構成する一対の基布を接合して前記整流布とともに前記上部区画室と前記中間区画室と前記下部区画室とを形成するシームが設けられる
ことを特徴とするサイドエアバッグ装置。 - 請求項5に記載のサイドエアバッグ装置において、
前記シームと前記基布との間に前記上部区画室が形成され、前記シームと前記整流布との間に前記中間区画室が形成され、前記整流布と前記基布との間に前記下部区画室が形成される
ことを特徴とするサイドエアバッグ装置。 - 請求項1に記載のサイドエアバッグ装置において、
前記エアバッグの展開膨張に際して、前記ガス発生源にて発生するガスが前記上部区画室及び前記下部区画室を流通した後に前記中間区画室に流れ込む
ことを特徴とするサイドエアバッグ装置。 - 請求項7に記載のサイドエアバッグ装置において、
前記エアバッグには、同エアバッグを構成する一対の基布を接合して前記上部区画室と前記中間区画室と前記下部区画室とを形成するシームが設けられ、
前記シームに基づいて形成されるガスの流れを通じて、前記ガス発生源にて発生するガスが前記上部区画室及び前記下部区画室を流通した後に前記中間区画室に流れ込む
ことを特徴とするサイドエアバッグ装置。 - 請求項7または8に記載のサイドエアバッグ装置において、
前記エアバッグの展開膨張に際して、前記ガス発生源にて発生するガスが前記下部区画室を流通した後に前記上部区画室に流れ込む
ことを特徴とするサイドエアバッグ装置。 - 請求項9に記載のサイドエアバッグ装置において、
前記ガス発生源には、前記下部区画室に対応する部位にガスの噴出口が設けられ、
前記噴出口に基づいて形成されるガスの流れを通じて、前記ガス発生源にて発生するガスが前記下部区画室を流通した後に前記上部区画室に流れ込む
ことを特徴とするサイドエアバッグ装置。
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