JP2007162027A - 不飽和基含有多分岐化合物、それを含有する硬化性組成物及びその硬化物 - Google Patents

不飽和基含有多分岐化合物、それを含有する硬化性組成物及びその硬化物 Download PDF

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Abstract

【課題】活性エネルギー線の照射により速やかに硬化し、あるいはさらに加熱によって硬化し、その硬化物は基材との密着性や耐熱性、可撓性、機械的特性に優れ、種々の分野において光硬化性成分及び/又は熱硬化性成分として有利に用いることができる不飽和基含有多分岐化合物、それを含有する硬化性組成物及びその硬化物を提供する。
【解決手段】不飽和基含有多分岐化合物は、(a)分子中に2つ以上のエポキシ基を有する化合物と、(b)分子中に2つ以上(但し、上記(a)成分が2つのエポキシ基を有する化合物の場合、3つ以上)の水酸基を有するフェノール化合物と、(c)少なくとも1つ以上の不飽和二重結合基を有する化合物とを反応させることにより得られ、あるいはさらに(d)多塩基酸無水物を反応させて得られる。硬化性組成物は、前記不飽和基含有多分岐化合物及び重合開始剤を必須成分とし、必要に応じてさらに熱硬化性成分を含有する。
【選択図】なし

Description

本発明は、種々の分野において光硬化性成分及び/又は熱硬化性成分として有利に用いることができる不飽和基含有多分岐化合物に関する。さらに本発明は、該不飽和基含有多分岐化合物を含有し、紫外線又は電子線などの活性エネルギー線の照射により速やかに硬化し、あるいはさらに加熱によって硬化し、かつ、基材との密着性、機械的特性、耐熱性、可撓性、耐薬品性、電気絶縁性等に優れた硬化物を与える硬化性組成物及びそれから得られる硬化物に関し、該組成物は接着剤、コーティング剤、プリント配線板の製造時に使用されるソルダーレジスト、エッチングレジスト、ビルドアップ基板用層間絶縁材、メッキレジスト、ドライフィルムなど広範囲に利用可能である。
活性エネルギー線の照射による樹脂の硬化は、その硬化速度が速いこと、無溶剤であることなどから、金属塗装、木材コーティング、印刷インキ、電子材料などに広く利用されている。これらの分野において用いられる光硬化性組成物は、一般的に、不飽和二重結合を有するプレポリマー、重合性モノマー、及び光重合開始剤を必須成分としている。光硬化性成分として主に用いられる上記プレポリマーとしては、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート、及びエポキシアクリレートが挙げられる。これらプレポリマーは、重合性の不飽和基を有しているので、活性エネルギー線の照射によりラジカルを発生する化合物(光重合開始剤)と混合することで架橋可能である。
しかしながら、これらラジカル重合性プレポリマーは、一般に分子量が小さく、活性エネルギー線の照射により瞬間的に硬化するため、塗膜中に残留応力が生じ、基材への密着性、機械的特性が低下する問題点があった。かかる問題点を解決するために、ラジカル重合性プレポリマーの高分子量化も検討されてはいるが、塗工可能な粘度に調整するためには多量の反応性希釈剤が必要であり、そのため、このような活性エネルギー線硬化性組成物は強靱性、機械的特性、耐薬品性などに乏しく、その用途は限定されているのが現状であった。
かかる問題点を解決するために、例えば、特開平11−193321号(特許文献1)には、分子中にアミノ基を含有する多分岐化合物が提案されている。この多分岐化合物は、高分子量でありながら溶液粘度が低いため、硬化性組成物を調製する際の低分子量成分の添加量が少なくてすむ利点があるが、分子中に電気特性を悪化させるアミノ基を含むこと、及び側鎖に化学修飾可能な置換基を持たないため、その用途は限定されている。
上記のような状況のため、現在のところ、プリント配線板のレジスト材料等としてはエポキシアクリレート系感光性樹脂をベースポリマーとする活性エネルギー線硬化性樹脂組成物が主として用いられている。このようなエポキシアクリレート系感光性樹脂をベースポリマーとする活性エネルギー線硬化性樹脂組成物では、架橋密度を上げることによって高い硬度及び優れた耐熱性、電気絶縁性等の特性は得られるものの、反面、可撓性や強靭性等が低いという難点があった。一方、可撓性や強靭性を改善するためには、一般に結晶性のモノマーの使用を避け、ベースポリマーを線状化することが考えられるが、この場合には、逆に機械的特性や耐熱性等が低いという難点がある。
また、塗膜の物性は、組成物中のメイン樹脂の一次分子量に依存する。分子量を大きくすると、線状高分子の分子鎖の絡み合いが増大し、溶解性の低下及び現像性低下が生じてしまうという難点がある。
一方、塗膜の耐熱性を向上させるためには前記のように結晶性の大きなモノマー成分を導入することが考えられるが、この場合には、成膜性が低下するという難点がある。また、架橋密度が大きくなると、反面、脆くなり易く、また硬化収縮が大きく、寸法変化が大きくなるという難点がある。
このように、従来、強度、伸び、靭性等の機械的特性と、耐熱性、可撓性、耐薬品性等の特性が高いレベルでバランスのとれた硬化物が得られる硬化性組成物は未だ見出されていないのが現状である。
特開平11−193321号公報(特許請求の範囲)
本発明は、前記した従来技術の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、紫外線や電子線などの活性エネルギー線の照射により速やかに硬化し、あるいはさらに加熱によって硬化し、その硬化物は基材との密着性や耐熱性、可撓性、機械的特性に優れ、種々の分野において光硬化性成分及び/又は熱硬化性成分として有利に用いることができる不飽和基含有多分岐化合物、あるいはさらにアルカリ可溶性の不飽和基含有多分岐化合物を提供することにある。
さらに本発明の目的は、紫外線又は電子線などの活性エネルギー線の照射により速やかに硬化し、あるいはさらに加熱によって硬化し、基材に対する密着性に優れると共に、機械的特性や耐熱性、熱安定性、可撓性、耐薬品性、電気絶縁性等の諸特性に優れた硬化物が得られる硬化性組成物及びその硬化物を提供することにある。
前記目的を達成するために、本発明の第一の側面によれば、不飽和基含有多分岐化合物が提供され、その第一の形態は、末端部に感光性の不飽和二重結合を2個以上有する多分岐構造を持つことを特徴とする不飽和基含有多分岐化合物であり、また、第二の形態は、末端部に感光性の不飽和二重結合を2個以上有し、かつカルボキシル基を1個以上有する多分岐構造を持つことを特徴とする不飽和基含有多分岐化合物である。
上記第一の形態の不飽和基含有多分岐化合物は、(a)分子中に2つ以上のエポキシ基を有する化合物と、(b)分子中に2つ以上(但し、上記(a)成分が2つのエポキシ基を有する化合物の場合、3つ以上)の水酸基を有するフェノール化合物と、(c)少なくとも1つ以上の不飽和二重結合基を有する化合物とを、それぞれの官能基のモル比で0.1≦[(b)成分のフェノール基のモル数]/[(a)成分のエポキシ基のモル数]≦1及び0.1≦[(c)成分の官能基のモル数]/[(a)成分のエポキシ基のモル数]≦10の割合(反応混合物中の仕込み割合)で反応させることにより得られる不飽和基含有多分岐化合物(A−1)である。
さらに、前記第二の形態の不飽和基含有多分岐化合物は、(a)分子中に2つ以上のエポキシ基を有する化合物と、(b)分子中に2つ以上(但し、上記(a)成分が2つのエポキシ基を有する化合物の場合、3つ以上)の水酸基を有するフェノール化合物と、(c)少なくとも1つ以上の不飽和二重結合基を有する化合物とを、それぞれの官能基のモル比で0.1≦[(b)成分のフェノール基のモル数]/[(a)成分のエポキシ基のモル数]≦1及び0.1≦[(c)成分の官能基のモル数]/[(a)成分のエポキシ基のモル数]≦10の割合(反応混合物中の仕込み割合)で反応させることにより得られる不飽和基含有多分岐化合物の水酸基に、さらに(d)多塩基酸無水物を、上記不飽和基含有多分岐化合物中の水酸基1モルに対して0.1〜1.0モルの割合で反応させて得られる不飽和基含有多分岐化合物(A−2)である。
また、本発明の第二の側面によれば、前記不飽和基含有多分岐化合物を含有する硬化性組成物も提供され、その基本的な第一の態様は、(A)前記不飽和基含有多分岐化合物((A−1)、(A−2)のいずれか1種類又は2種類以上の混合物)、及び(B)重合開始剤を必須成分として含有することを特徴としている。
また、本発明の硬化性組成物の第二の態様は、上記(A)成分及び(B)成分に加えて、さらに(C)熱硬化性成分を含有することを特徴としている。
本発明の硬化性組成物は、液状のまま用いてもよいし、ドライフィルムの形態として用いてもよい。
さらに本発明の第三の側面によれば、前記硬化性組成物を活性エネルギー線照射及び/又は加熱により硬化させて得られる硬化物も提供され、種々の分野に適用することができるが、特にプリント配線板のソルダーレジスト層や層間絶縁層の形成に有利に適用することができる。
前記不飽和基含有多分岐化合物(A−1)は、エポキシ基の開環付加反応によって生成する水酸基と、末端に重合性の不飽和結合を併せ持つ特定の構造を有し、しかも1分子当たりの重合性基の含有量が多いため、短時間の活性エネルギー線の照射により速やかに硬化すると共に、加熱による硬化も可能であり、かつ、水酸基の水素結合性によって、得られた硬化物は各種基材に対して優れた密着性を示し、さらに、エーテル結合及び/又はエステル結合を有する多分岐構造のため、硬化収縮が少なく、強度、伸び、靭性等の機械的特性に優れた硬化物を与える。また、多分岐構造のため、種々の溶媒に対する高い溶解性を示し、また溶液粘度を低下できるという特徴を有する。
また、前記不飽和基含有多分岐化合物(A−2)は、末端に多量の重合性基を有するため光硬化性に優れた樹脂であると共に、前記不飽和基含有多分岐化合物(A−1)の側鎖の水酸基にさらに多塩基酸無水物を反応させて導入されたカルボキシル基を有するため、アルカリ水溶液に対して優れた溶解性を示し、アルカリ現像型の感光性樹脂として有用である。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意検討した結果、
(a)分子中に2つ以上のエポキシ基を有する化合物(以下、多官能エポキシ化合物という)と、
(b)分子中に2つ以上(但し、上記(a)成分が2つのエポキシ基を有する化合物の場合、3つ以上)の水酸基を有するフェノール化合物(以下、ポリフェノール類という)と、
(c)少なくとも1つ以上の不飽和二重結合基を有する化合物
との反応により得られる不飽和基含有多分岐化合物(A−1)は、エポキシ基の開環反応によって生成する二級水酸基と、末端に不飽和二重結合を併せ持つ特定の構造を有し、しかも1分子当たりの重合性基の含有量が多いため、短時間の活性エネルギー線の照射により速やかに硬化すると共に、不飽和二重結合の存在により熱ラジカルによる加熱硬化が可能であり、また、上記側鎖の二級水酸基が存在するため水酸基と反応し得る硬化剤(例えば、イソシアネート類)の添加により加熱硬化も可能であること、かつ、二級水酸基の水素結合性によって、得られる硬化物は各種基材に対して優れた密着性を示すこと、さらに、エーテル結合及び/又はエステル結合を有する多分岐構造のため、これを硬化性成分として含有する組成物は、硬化収縮が少なく、強度、靭性等の機械的特性や耐熱性に優れた硬化物を与えることを見出した。また、多分岐構造のため、同じ分子量の線状ポリマーと比較すると、分子同士の絡み合いがなくなるため、種々の溶媒に対する高い溶解性を示し、また溶液粘度を低下できるという特徴を有する。その結果、溶剤量を低減することが可能となり、さらに合成時のモノマー選択に自由度があり、結晶性が高いモノマーでも骨格内に取りこむことによって溶解性が向上し、成膜性も良好になる。
さらに本発明者らの研究によれば、前記した不飽和基含有多分岐化合物(A−1)の二級水酸基に、さらに(d)多塩基酸無水物を反応させて得られる、カルボキシル基を有する不飽和基含有多分岐化合物(A−2)は、末端に多量の重合性基を有するため光硬化性に優れた樹脂であると共に、側鎖に導入されたカルボキシル基の存在によりアルカリ水溶液に対して優れた溶解性を示すため、アルカリ現像型の感光性樹脂となる。
従って、本発明の不飽和基含有多分岐化合物((A−1)、(A−2))は、前記したような優れた特性を有するため、種々の分野において光硬化性成分及び/又は熱硬化性成分として有利に用いることができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
まず、本発明の不飽和基含有多分岐化合物(A−1)は、反応促進剤の存在下、多官能エポキシ基化合物(a)と、ポリフェノール類(b)と、フェノール性水酸基及び/又はエポキシ基と反応しうる少なくとも1つ以上の不飽和二重結合基を有する化合物(c)との重付加反応及び/又は重縮合反応により製造することができる。
例えば、多官能エポキシ化合物(a)とポリフェノール類(b)のいずれか一方を二官能、他方を三官能の化合物とした場合、例えばポリフェノール類として三官能フェノール化合物を用いてXで表わし、多官能エポキシ化合物として二官能エポキシ化合物を用いてYで表わし、不飽和二重結合を有する化合物をZで表わすと、例えば下記一般式(2)で示されるような多分岐構造のポリマーが得られる。
二官能化合物と三官能化合物を逆にした場合、即ち1分子中に3つのエポキシ基を有する三官能エポキシ化合物と1分子中に2つの水酸基を有する二官能フェノール化合物との重付加反応の場合も同様な多分岐構造となる。不飽和二重結合を有する化合物は反応停止剤として作用し、またフェノール性水酸基と反応する場合、末端部にはフェノール性水酸基に不飽和二重結合基が付加又は縮合して導入された不飽和基が存在する。同様に、多官能エポキシ化合物(a)とポリフェノール類(b)の双方共に三官能以上の化合物とした場合にも、さらに分岐の状態は複雑になるが、多分岐構造となる。
前記の構造を、化学式を用いてより具体的に説明すると、例えば、多官能エポキシ化合物(a)として後述するような二官能エポキシ化合物を用い、ポリフェノール類(b)として後述するような三官能フェノール化合物を用いた場合、例えば下記一般式(10)で示されるような骨格構造単位を有する不飽和基含有多分岐化合物(A−1)が得られる。また、例えば多官能エポキシ化合物(a)として三官能エポキシ化合物を用い、ポリフェノール類(b)として二官能フェノール化合物を用いた場合、例えば下記一般式(11)で示されるような骨格構造単位を有する不飽和基含有多分岐化合物(A−1)が得られる。
また、少なくとも1つ以上の不飽和二重結合基を有する化合物(c)としては、前記不飽和モノカルボン酸(c−1)や(メタ)アクリロイルハライド又は不飽和二重結合基含有環状エーテル類など水酸基と反応しうる化合物(c−2)が挙げられ、例えば、以下のように用いられる。

(式中、Rは多官能エポキシ残基、Rはポリフェノール残基を表わす。nは1以上の整数であり、その上限は所望の分子量に応じて適宜制御できる。)
また、前記一般式(10)及び(11)において、末端基は下記一般式(12)〜(16)で示されるような基となる。

(式中、Rは多官能エポキシ残基、Rはポリフェノール残基を表わし、R、R、及びRは、それぞれ水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、アリール基、アラルキル基、シアノ基、フッ素原子、又はフリル基を表わす。)
すなわち、末端部のエポキシ基に不飽和モノカルボン酸(c−1)が付加して不飽和基が導入された部分の末端、及び/又はフェノール性水酸基に例えば、(メタ)アクリロイルハライド又は不飽和二重結合基含有環状エーテル類など水酸基と反応しうる化合物(c−2)が縮合又は付加して不飽和基が導入された部分の末端は一般式(12)で示される末端基となる。また、末端部のエポキシ基に不飽和モノカルボン酸が付加しなかった部分の末端は一般式(13)で示される末端基となる。フェノール性水酸基に例えば、(メタ)アクリロイルハライド又は不飽和二重結合基含有環状エーテル類など水酸基と反応しうる化合物(c−2)が縮合又は付加しなかった末端は一般式(14)、(15)又は(16)で示される末端基となる。但し、一般式(14)、(15)は三官能フェノール化合物を用いた場合、一般式(16)は二官能フェノール化合物を用いた場合である。なお、一般式(10)、(11)及び(13)は、グリシジルエーテル化合物を例示したが、グリシシルエステル化合物や、グリシジルアミン化合物を用いることもできる。
前記反応は、多官能エポキシ化合物(a)と、ポリフェノール類(b)と、不飽和モノカルボン酸(c−1)、又は(メタ)アクリロイルハライド又は不飽和二重結合基含有環状エーテル類など水酸基と反応しうる化合物(c−2)とを一括して混合し、反応させる方法(ワンポット方法)と、多官能エポキシ化合物(a)とポリフェノール類(b)の重付加反応終了後に、不飽和モノカルボン酸(c−1)及び/又は、(メタ)アクリロイルハライド又は不飽和二重結合基含有環状エーテル類など水酸基と反応しうる化合物(c−2)を添加して反応させる方法(逐次方法)のいずれも可能である。しかしながら、分岐度や分子量、さらには合成の再現性を考慮すると、エポキシ基とフェノール、カルボン酸とのそれぞれの反応性の違いから、多官能エポキシ化合物(a)とポリフェノール類(b)の重付加反応終了後に、不飽和モノカルボン酸(c)及び/又は、(メタ)アクリロイルハライド又は不飽和二重結合基含有環状エーテル類など水酸基と反応しうる化合物(c−2)を添加して反応させる逐次方法が好ましい。
前記反応において、多官能エポキシ化合物(a)とポリフェノール類(b)との割合(反応混合物中の仕込み割合)は、それぞれの官能基のモル比で0.1≦[ポリフェノール類のフェノール基のモル数]/[多官能エポキシ化合物のエポキシ基のモル数]≦1の範囲が好ましく、より好ましくは0.2≦[ポリフェノール類のフェノール基のモル数]/[多官能エポキシ化合物のエポキシ基のモル数]≦0.8の範囲である。上記当量比が0.1未満であると、生成する多分岐化合物中へのポリフェノール類骨格の導入量が少なくなり、所望の分子量の樹脂が得られず、充分な塗膜物性が得られないので好ましくない。一方、上記当量比が1を超えても、生成する多分岐化合物中への多官能エポキシ化合物骨格の導入量が少なくなり、所望の分子量の樹脂が得られず、充分な塗膜物性が得られないので好ましくない。反応時間や反応温度等の反応条件を変えることにより、また、前記した当量比の範囲内においてポリフェノール類(b)の使用量を制御することにより、生成する多分岐化合物の分子量及び分岐状態をある程度制御することが可能となる。
さらに、多官能エポキシ化合物(a)に対する不飽和モノカルボン酸(c−1)の割合(反応混合物中の仕込み割合)は、それぞれの官能基のモル比で0.1≦[不飽和モノカルボン酸のカルボキシル基のモル数]/[多官能エポキシ化合物のエポキシ基のモル数]≦10の範囲が好ましく、より好ましくは0.2≦([不飽和モノカルボン酸のカルボキシル基のモル数]/[多官能エポキシ化合物のエポキシ基のモル数]≦5の範囲である。また、多官能エポキシ化合物(a)に対する(メタ)アクリロイルハライド又は不飽和二重結合基含有環状エーテル類など水酸基と反応しうる化合物(c−2)の割合(反応混合物中の仕込み割合)は、それぞれの官能基のモル比で0.1≦[(メタ)アクリロイルハライド又は不飽和二重結合基含有環状エーテル類など水酸基と反応しうる化合物の官能基のモル数]/[多官能エポキシ化合物のエポキシ基のモル数]≦10の範囲が好ましく、より好ましくは0.2≦[(メタ)アクリロイルハライド又は不飽和二重結合基含有環状エーテル類など水酸基と反応しうる化合物の官能基のモル数]/[多官能エポキシ化合物のエポキシ基のモル数]≦5の範囲である。ここで多官能エポキシ化合物(a)とポリフェノール類(b)の重付加反応終了後の末端基がエポキシ基である場合、反応停止剤として不飽和モノカルボン酸(c−1)のみを適用すればよく、末端基がフェノールである場合は、(メタ)アクリロイルハライド又は不飽和二重結合基含有環状エーテル類など水酸基と反応しうる化合物(c−2)を停止剤として適用すればよい。さらに末端基にエポキシ基とフェノール性水酸基が混在する場合、不飽和モノカルボン酸(c−1)と(メタ)アクリロイルハライド又は不飽和二重結合基含有環状エーテル類など水酸基と反応しうる化合物(c−2)を停止剤として共に適用することが好ましい。この際の仕込み順は、初めに残存するエポキシ基を消費させるために不飽和モノカルボン酸(c−1)、その後フェノール性水酸基を(メタ)アクリロイルハライド又は不飽和二重結合基含有環状エーテル類など水酸基と反応しうる化合物(c−2)で縮合又は付加させるのが好ましい。このようにして、分子量の大きさに応じて液状から固形状までの不飽和基含多分岐化合物(A−1)を合成することができる。
本発明に用いられる多官能エポキシ化合物(a)のうち、分子中に2つのエポキシ基を有する化合物の代表例としては、以下のものが挙げられる。
例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールS、ビスフェノールF、テトラブロモビスフェノールA、ビフェノール、ビキシレノール、ナフタレンジオールなどの二官能フェノール化合物、又はアジピン酸、フタル酸、ヘキサヒドロフタル酸などのジカルボン酸にエピクロルヒドリン及び/又はメチルエピクロルヒドリンを反応させて得られるジグリシジルエーテル類、ジグリシジルエステル類などが挙げられる。また、ビニルシクロヘキセンなどの環状オレフィン化合物を過酢酸などで酸化して得られる脂環式エポキシ化合物も挙げられる。市販品としては、ジャパンエポキシレジン社製のエピコート828、エピコート834、エピコート1001、エピコート1004やダウ・ケミカル社製のDER−330、DER−337や東都化成社製のYD−115、YD−128、YD−7011R、YD−7017などのビスフェノールA型エポキシ樹脂;ナガセケムテックス社製のデナコールEX−251、デナコールEX−251AなどのビスフェノールS型エポキシ樹脂;東都化成社製のYDF−170などのビスフェノールF型エポキシ樹脂;東都化成社製のYDB−360、YDB−400、YDB−405などのテトラブロムビスフェノールA型エポキシ樹脂;ナガセケムテックス社製のデナコールEX−201などのレソルシノールジグリシジルエーテル類;ジャパンエポキシレジン社製のYX−4000などのビフェノールジグリシジルエーテル類;大日本インキ化学工業社製のエピクロンHP−4032、HP−4032Dなどのナフタレン型エポキシ樹脂;ナガセケムテックス社製のデナコールEX−721などのフタル酸ジグリシジルエステル類等が挙げられる。又、例えばダイセル化学社製のセロキサイド2021シリーズ、セロキサイド2080シリーズ、セロキサイド3000などの脂環式エポキシ樹脂;丸善石油化学社製のHBPA−DGEやジャパンエポキシレジン社製のYL−6663などの水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂;ナガセケムテックス社製のデナコールEX−212、デナコールEX−701などの脂肪族型エポキシ樹脂;その他アミノ基含有エポキシ樹脂;共重合型エポキシ樹脂;カルド型エポキシ樹脂など公知慣用のエポキシ樹脂を、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
1分子中に3つのエポキシ基を有する化合物の代表例としては、以下のものが挙げられる。例えば、ナガセケムテックス社製;デナコールEX−301、ダイセル化学社製;エポリードGT400など1分子中に3つのエポキシ基を有する化合物であれば特に限定は無く、公知慣用のエポキシ樹脂を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。さらに分岐の状態が複雑になるが4官能以上のエポキシ化合物、例えば、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂なども単独で又は2種以上を組み合わせて使用することもできる。
本発明に用いられるポリフェノール類(b)のうち、1分子中に2つの水酸基を有する化合物の代表例としては、例えば、カテコール、1,1'−ビスフェニルー4,4’−ジオール、メチレンビスフェノール、4,4’−エチリデンビスフェノール、2,2’−メチリデンビス(4−メチルフェノール)、4,4’−メチリデンビス(2,6−ジメチルフェノール)4,4’−(1−メチルーエチリデン)ビス(2−メチルフェノール)4,4’−シクロヘキシリデンビスフェノール、4,4’−(1,3ジメチルブチリデン)ビスフェノール、4,4’−(1−メチルエチリデン)ビス(2,6−ジメチルフェノール)、4,4’−(1−フェニルエチリデン)ビスフェノール、5,5’−(1−メチルエチリデン)ビス(1,1’−ビフェニルー2−オール)、4,4’−オキシビスフェノール、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタノン、2,2’−メチレンビスフェノール、3,5,3’,5’−テトラメチルビフェニルー4,4’−ジオール、4,4’−イソプロピリデンジフェノール、4,4’−メチレンビス(2,6−ジブロモフェノール)など公知慣用の2官能フェノール化合物を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
1分子中に3つの水酸基を有する化合物の代表例としては、例えば、ピロガロール、4,4’,4”−メチリデントリスフェノール、4,4’−(1−(4−(1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル)フェニル)エチリデン)ビスフェノール、(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)(4’−ヒドロキシフェニル)メタノン、2,6−ビス(2−ヒドロキシー5−メチルフェニルメチル)−4−メチルフェノールなど公知慣用の3官能フェノールを単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。さらに分岐の状態が複雑になるが4官能以上のポリフェノール類も単独で又は2種以上を組み合わせて使用することもできる。
前記反応に使用する少なくとも1つ以上の不飽和二重結合基を有する化合物(c)としては、カルボキシル基又はフェノール性水酸基と反応しうる反応性基を有し、不飽和二重結合基を有する化合物であれば特に限定はなく、例えば不飽和モノカルボン酸(c−1)や、アクリル酸クロリド、メタリル酸クロリドなどの不飽和酸ハライド類や、グリシジルメタクリレートなど不飽和基含有環状エーテル類(c−2)など公知慣用の化合物などが挙げられる。
不飽和モノカルボン酸(c−1)としては、分子中に重合性の不飽和結合とカルボキシル基を併せ持つ化合物であれば公知のものが使用可能である。具体的な例としては、アクリル酸、メタクリル酸、ケイ皮酸、クロトン酸、ソルビン酸、α−シアノケイ皮酸、β−スチリルアクリル酸等が挙げられる。また、二塩基酸無水物と水酸基を有する(メタ)アクリレート類とのハーフエステルを用いてもよい。具体的には、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、マレイン酸、コハク酸等の酸無水物と、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート等の水酸基含有(メタ)アクリレート類とのハーフエステルなどが挙げられる。さらに、これらの化合物に、ε−カプロラクトンなどのラクトンモノマーを付加した化合物なども挙げられる。これらの不飽和モノカルボン酸は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。なお、本明細書中において、(メタ)アクリレートとはアクリレートとメタクリレートを総称する用語であり、他の類似の表現についても同様である。
但し、末端がカルボキシル基の場合、アクリル酸クロリド、メタリル酸クロリドなどの不飽和酸ハライド類は、保存安定性が悪いため好ましくない。
前記不飽和基含有多分岐化合物(A−1)の合成に使用する反応促進剤としては、三級アミン、三級アミン塩、四級オニウム塩、三級ホスフィン、クラウンエーテル錯体、又はホスホニウムイリドの中から任意に選択することが可能であり、これらを単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
三級アミンとしては、トリエチルアミン、トリブチルアミン、DBU(1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデカ−7−エン)、DBN(1,5−ジアザビシクロ[4,3,0]ノナ−5−エン)、DABCO(1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン)、ピリジン、N,N−ジメチル−4−アミノピリジンなどが挙げられる。
三級アミン塩としては、例えば、サンアプロ(株)製のU−CATシリーズなどが挙げられる。
四級オニウム塩としては、アンモニウム塩、ホスホニウム塩、アルソニウム塩、スチボニウム塩、オキソニウム塩、スルホニウム塩、セレノニウム塩、スタンノニウム塩、ヨードニウム塩等が挙げられる。特に好ましいものは、アンモニウム塩及びホスホニウム塩である。アンモニウム塩の具体例としては、テトラ−n−ブチルアンモニウムクロライド(TBAC)、テトラ−n−ブチルアンモニウムブロミド(TBAB)、テトラ−n−ブチルアンモニウムアイオダイド(TBAI)等のテトラ−n−ブチルアンモニウムハライドや、テトラ−n−ブチルアンモニウムアセテート(TBAAc)などが挙げられる。ホスホニウム塩の具体例としては、テトラ−n−ブチルホスホニウムクロライド(TBPC)、テトラ−n−ブチルホスホニウムブロミド(TBPB)、テトラ−n−ブチルホスホニウムアイオダイド(TBBI)等のテトラ−n−ブチルホスホニウムハライド、テトラフェニルホスホニウムクロライド(TPPC)、テトラフェニルホスホニウムブロミド(TPPB)、テトラフェニルホスホニウムアイオダイド(TPPI)等のテトラフェニルホスホニウムハライドや、エチルトリフェニルホスホニウムブロミド(ETPPB)、エチルトリフェニルホスホニウムアセテート(ETPPAc)などが挙げられる。
三級ホスフィンとしては、炭素数1〜12のアルキル基、又はアリール基を有する、三価の有機リン化合物であればよい。具体例としては、トリエチルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリフェニルホスフィンなどが挙げられる。
さらに、三級アミン又は三級ホスフィンと、カルボン酸あるいは酸性の強いフェノールとの付加反応により形成される四級オニウム塩も反応促進剤として使用可能である。これらは、反応系に添加する前に四級塩を形成するか、もしくはそれぞれを別に添加して反応系中で四級塩形成を行なわせるいずれの方法でもよい。具体的には、トリブチルアミンと酢酸より得られるトリブチルアミン酢酸塩、トリフェニルホスフィンと酢酸より形成されるトリフェニルホスフィン酢酸塩などが挙げられる。
また、クラウンエーテル錯体の具体例としては、12−クラウン−4、15−クラウン−5、18−クラウン−6、ジベンゾ18−クラウン−6、21−クラウン−7、24−クラウン−8等のクラウンエーテル類と、塩化リチウム、臭化リチウム、ヨウ化リチウム、塩化ナトリウム、臭化ナトリウム、ヨウ化ナトリウム、塩化カリウム、臭化カリウム、ヨウ化カリウムなどのアルカリ金属塩との錯体が挙げられる。
ホスホニウムイリドとしては、ホスホニウム塩と塩基との反応により得られる化合物であれば公知のものが使用可能であるが、取扱いの容易さから安定性の高いものの方が好ましい。具体的な例としては、(ホルミルメチレン)トリフェニルホスフィン、(アセチルメチレン)トリフェニルホスフィン、(ピバロイルメチレン)トリフェニルホスフィン、(ベンゾイルメチレン)トリフェニルホスフィン、(p−メトキシベンゾイルメチレン)トリフェニルホスフィン、(p−メチルベンゾイルメチレン)トリフェニルホスフィン、(p−ニトロベンゾイルメチレン)トリフェニルホスフィン、(ナフトイル)トリフェニルホスフィン、(メトキシカルボニル)トリフェニルホスフィン、(ジアセチルメチレン)トリフェニルホスフィン、(アセチルシアノ)トリフェニルホスフィン、(ジシアノメチレン)トリフェニルホスフィンなどが挙げられる。
これら反応促進剤の使用量は、多官能エポキシ化合物(a)のエポキシ基1モルに対して約0.1〜25モル%の割合であることが望ましく、さらに好ましくは0.5〜20モル%の割合であり、より好ましくは1〜15モル%の割合である。反応促進剤の使用量がエポキシ基1モルに対して0.1モル%よりも少ない割合の場合、実用的な速度で反応が進行し難く、一方、25モル%を超えて多量に存在しても顕著な反応促進効果は見られないため、経済性の点で好ましくない。
前記不飽和基含有多分岐化合物(A−1)合成の反応温度としては、約50〜200℃の範囲が望ましく、さらに好ましくは70〜130℃である。反応温度が50℃よりも低い場合には、反応が進行し難くなるので好ましくない。一方、200℃を超えた場合には、生成物の二重結合が反応して熱重合を生じ易くなり、また低沸点の不飽和モノカルボン酸が蒸発するので好ましくない。反応時間は、原料の反応性、反応温度に応じて適時選択すればよいが、約5〜72時間が好適である。
前記反応は無溶剤下でも進行するが、反応時の攪拌効率を改善するために(D)希釈剤の存在下で行なうことも可能である。用いる希釈剤(D)としては反応温度を維持できるものであれば特に限定されないが、好ましくは原料を溶解するものが良い。また、合成時の希釈剤(D)として(D−1)有機溶剤を用いた場合は、減圧蒸留などの公知の方法にて溶媒を除去してもよい。さらには、製造時に後述する(D−2)反応性希釈剤の存在下で行なうことも可能である。
有機溶剤(D−1)は、反応に悪影響を与えず、反応温度を維持できるものであれば公知のものが使用できる。具体的には、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテルなどのアルコール類;エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどのグリコールエステル類;ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類;メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ヘキサメチルリン酸トリアミドなどのアミド類;トルエン、キシレンなどの炭化水素類が挙げられる。但し、次に説明する不飽和基含有多分岐化合物(A−2)の合成における多塩基酸無水物付加時の合成溶剤としては、前記アルコール類を用いることは出来ない。
次に、カルボキシル基を有する不飽和基含有多分岐化合物(A−2)の合成について説明する。
本発明では、前記のようにして生成した末端にエチレン性不飽和基、側鎖に二級水酸基を有する不飽和基含有多分岐化合物(A−1)中の水酸基1モルに対して、多塩基酸無水物(d)を0.1〜1.0モル反応させることにより、カルボキシル基を有する不飽和基含有多分岐化合物(A−2)が製造される。前記不飽和基含有多分岐化合物(A−1)中には、多官能エポキシ化合物(a)のエポキシ基とポリフェノール(b)のフェノール性水酸基との付加反応により生じた二級の水酸基が存在しており、この水酸基と多塩基酸無水物(d)との付加反応によってカルボキシル基が導入されるため、得られる不飽和基含有多分岐化合物(A−2)はアルカリ可溶性となる。
多塩基酸無水物(d)の具体例としては、無水フタル酸、無水コハク酸、オクテニル無水フタル酸、ペンタドデセニル無水コハク酸、無水マレイン酸、無水テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、3,6−エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、テトラブロモ無水フタル酸、無水トリメリット酸などの二塩基又は三塩基酸無水物、あるいはビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物などの四塩基酸二無水物などが挙げられる。これらは単独で又は2種以上の混合物として用いることができる。
これらの多塩基酸無水物(d)と、前記不飽和基含有多分岐化合物(A−1)との反応は、前記の配合割合で約50〜150℃、好ましくは80〜130℃の温度範囲で行なうことが可能である。多塩基酸無水物(d)の使用量は、前記不飽和基含有多分岐化合物(A−1)中の水酸基1モルに対して、0.1〜1.0モルが好適である。0.1モルより少ないと導入されるカルボキシル基の量が少なくなり、アルカリ可溶性が著しく低くなるので好ましくない。一方、1.0モルを越えて多量に配合すると、未反応の多塩基酸無水物(d)が樹脂中に残存し、耐久性、電気特性などの特性を低下させるため好ましくない。
前記多塩基酸無水物(d)との反応における反応促進剤としては、前述の三級アミン、三級アミン塩、四級オニウム塩、三級ホスフィン、ホスホニウムイリド、クラウンエーテル錯体、及び三級アミンあるいは三級ホスフィンとカルボン酸又は酸性の強いフェノールとの付加体が使用可能である。その使用量は多塩基酸無水物1モルに対して0.1〜25モル%の範囲であり、さらに好ましくは0.5〜20モル%であり、より好ましくは1〜15モル%である。但し、前記不飽和基含有多分岐化合物(A−1)の製造時に用いた触媒が系内に残存する場合、新たに触媒を添加しなくても反応を促進することが可能である。
前記反応は、有機溶剤(D−1)の存在下、又は無溶剤下でも進行するが、反応時撹拌効率を改善するために前記希釈剤(D)の存在下で行なうことも可能である。
また、前記反応においては、不飽和二重結合の重合によるゲル化を防止する目的で、空気を吹き込んだり、重合禁止剤を加えてもよい。重合禁止剤の例としては、ハイドロキノン、トルキノン、メトキシフェノール、フェノチアジン、トリフェニルアンチモン、塩化銅などが挙げられる。
本発明の不飽和基含有多分岐化合物は、さらに必要に応じて、例えば、以下のような変性を加えることができる。
(1)多官能エポキシ化合物(a)とポリフェノール類(b)の反応により得られた第2級水酸基の一部又は全部に、エピクロルヒドリンなどのエピハロヒドリンを反応させ多官能エポキシ化した後、不飽和モノカルボン酸(c−1)を反応させる。
(2)多官能エポキシ化合物(a)とポリフェノール類(b)の反応により得られた第2級水酸基の一部又は全部に、例えば、イソホロンジイソシアネートとペンタエリスリトールトリアクリレートの等モル反応物などのようなイソシアネート基含有(メタ)アクリレート化合物を反応させた後、不飽和モノカルボン酸(c−1)を反応させる。
(3)多官能エポキシ化合物(a)とポリフェノール類(b)の反応により得られた第2級水酸基の一部又は全部に、例えば、ベンジルクロライドなどのようなハロゲン化アルキル化合物を反応させた後、不飽和モノカルボン酸(c−1)を反応させる。
前記のようにして得られた本発明の不飽和基含有多分岐化合物((A−1)、(A−2)のいずれか1種類又は2種類以上の混合物)に、重合開始剤(B)として光ラジカル重合開始剤及び/又は熱ラジカル重合開始剤を混合することにより、光硬化性及び/又は熱硬化性の組成物が得られ、紫外線又は電子線などの活性エネルギー線の照射により速やかに硬化し、あるいはさらに加熱によって硬化し、基材との密着性、機械的特性、耐薬品性等に優れた硬化物を形成することができる。
また、前記不飽和基含有多分岐化合物((A−1)、(A−2)のいずれか1種類又は2種類以上の混合物)及び重合開始剤(B)と共に、熱硬化性成分(C)、例えば1分子中に少なくとも2つ以上のエポキシ基及び/又はオキセタニル基を有する化合物を混合することにより、光硬化性・熱硬化性組成物が得られる。この光硬化性・熱硬化性組成物は、その塗膜を露光・現像することで画像形成が可能であり、さらに現像後加熱することで、硬化収縮を生じることなく、基材との密着性、機械的特性、耐熱性、電気絶縁性、耐薬品性、耐クラック性等の諸特性に優れた硬化皮膜を形成することができる。
さらに前記のような硬化性組成物もしくは光硬化性・熱硬化性組成物に、希釈剤(D)として後述するような反応性モノマーを添加することにより、光硬化性を向上させることができる。なお、本発明の硬化性組成物もしくは光硬化性・熱硬化性組成物に含まれる不飽和基含有多分岐化合物((A−1)、(A−2)のいずれか1種類又は2種類以上の混合物)の使用量には、特に制限が無い。
前記重合開始剤(B)として用いられる光ラジカル重合開始剤としては、活性エネルギー線の照射によりラジカルを発生する公知の化合物が使用可能であり、その具体例としては、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル等のベンゾインとそのアルキルエーテル類;アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、4−(1−t−ブチルジオキシ−1−メチルエチル)アセトフェノン等のアセトフェノン類;2−メチルアントラキノン、2−アミルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン等のアントラキノン類;2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン等のチオキサントン類;アセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタール等のケタール類;ベンゾフェノン、4−(1−t−ブチルジオキシ−1−メチルエチル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラキス(t−ブチルジオキシカルボニル)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン類;2−メチルチオ−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタン−1−オン等のアミノアセトフェノン類;2,4,6−トリメチルベンゾイルホスフィンオキシド等のアルキルホスフィン類;9−フェニルアクリジン等のアクリジン類などが挙げられる。
これらの光ラジカル重合開始剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの光ラジカル重合開始剤の配合量は、前記不飽和基含有多分岐化合物((A−1)、(A−2)のいずれか1種類又は2種類以上の混合物)100質量部当り0.1〜30質量部の割合が好ましい。光ラジカル重合開始剤の配合量が上記範囲よりも少ない場合、活性エネルギー線の照射を行なっても硬化しないか、もしくは照射時間を増やす必要があり、適切な塗膜物性が得られ難くなる。一方、上記範囲よりも多量に光ラジカル重合開始剤を添加しても、硬化性に変化は無く、経済的に好ましくない。
本発明の硬化性組成物もしくは光硬化性・熱硬化性組成物においては、活性エネルギー線による硬化を促進させるために、硬化促進剤及び/又は増感剤を上記のような光ラジカル重合開始剤と併用してもよい。使用し得る硬化促進剤としては、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、2−ジメチルアミノエタノール、N,N−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、N,N−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、ペンチル−4−ジメチルアミノベンゾエート等の三級アミン類;β−チオジグリコール等のチオエーテル類などが挙げられる。増感剤としては、(ケト)クマリン、チオキサンテン等の増感色素類;及びシアニン、ローダミン、サフラニン、マラカイトグリーン、メチレンブルー等の色素のアルキルホウ酸塩などが挙げられる。これらの硬化促進剤及び/又は増感剤は、それぞれ単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。その使用量は、前記不飽和基含有多分岐化合物((A−1)、(A−2)のいずれか1種類又は2種類以上の混合物)100質量部当り0.1〜30質量部の割合が好ましい。
前記重合開始剤(B)として用いられる熱ラジカル重合開始剤としては、ベンゾイルパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド等の有機過酸化物;2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2,4−ジバレロニトリル、1,1’−アゾビス(1−アセトキシ−1−フェニルエタン)、1’−アゾビス−1−シクロヘキサンカルボニトリル、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレイト、4,4’−アゾビス−4−シアノバリックアシツド、2−メチル−2,2’−アゾビスプロパンニトリル等のアゾ系開始剤などが挙げられ、より好ましいものとしてはノンシアン、ノンハロゲンタイプの1,1’−アゾビス(1−アセトキシ−1−フェニルエタン)が挙げられる。熱ラジカル重合開始剤は、前記不飽和基含有多分岐化合物((A−1)、(A−2)のいずれか1種類又は2種類以上の混合物)100質量部当り0.1〜10質量部、好ましくは0.5〜5質量部の割合で用いられる。
また、熱ラジカル重合開始剤として有機過酸化物のうち硬化速度の小さいものを用いる場合には、トリブチルアミン、トリエチルアミン、ジメチル−p−トルイジン、ジメチルアニリン、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン等の三級アミン、あるいはナフテン酸コバルト、オクトエ酸コバルト、ナフテン酸マンガン等の金属石鹸を促進剤として用いることができる。
本発明の光硬化性・熱硬化性組成物中に添加される熱硬化性成分(C)としては、1分子中に少なくとも2つ以上のエポキシ基及び/又はオキセタニル基を有する多官能エポキシ化合物(C−1)及び/又は多官能オキセタン化合物(C−2)を好適に用いることができる。
多官能エポキシ化合物(C−1)としては、例えば、ノボラック型エポキシ樹脂(例えば、フェノール、クレゾール、ハロゲン化フェノール、アルキルフェノールなどのフェノール類とホルムアルデヒドを酸触媒下で反応させて得られるノボラック類に、エピクロルヒドリン及び/又はメチルエピクロルヒドリンを反応させて得られるものであり、市販品としては日本化薬社製のEOCN−103、EOCN−104S、EOCN−1020、EOCN−1027、EPPN−201、BREN−S;ダウ・ケミカル社製のDEN−431、DEN−438;大日本インキ化学工業社製のN−730、N−770、N−865、N−665、N−673、N−695、VH−4150など)、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(例えば、ビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールAなどのビスフェノールA類にエピクロルヒドリン及び/又はメチルエピクロルヒドリンを反応させて得られるものであり、市販品としては、ジャパンエポキシレジン社製のエピコート1004、エピコート1002;ダウ・ケミカル社製のDER−330、DER−337など)、トリスフェノールメタン型エポキシ樹脂(例えば、トリスフェノールメタン、トリスクレゾールメタンなどとエピクロルヒドリン及び/又はメチルエピクロルヒドリンを反応させて得られるものであり、市販品としては、日本化薬社製のEPPN−501、EPPN−502など)、トリス(2,3−エポキシプロピル)イソシアヌレート、ビフェノールジグリシジルエーテル、その他脂環式エポキシ樹脂、アミノ基含有エポキシ樹脂、共重合型エポキシ樹脂、カルド型エポキシ樹脂、カリックスアレーン型エポキシ樹脂など公知慣用のエポキシ樹脂を、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明の光硬化性・熱硬化性組成物において熱硬化性成分として用いられる多官能オキセタン化合物(C−2)としては、分子中に2つのオキセタン環を有するビスオキセタン類や、分子中に3つ以上のオキセタン環を有すトリスオキセタン類などが挙げられ、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
前記の多官能エポキシ化合物(C−1)及び/又は多官能オキセタン化合物(C−2)の配合量は、前記不飽和基含有多分岐化合物((A−1)、(A−2)のいずれか1種類又は2種類以上の混合物)100質量部に対して5〜100質量部の割合が適当であり、好ましくは15〜60質量部である。
さらに、熱硬化反応を促進するために、三級アミン類、四級オニウム塩類、三級ホスフィン類、クラウンエーテル錯体などや、イミダゾール誘導体、ジシアンジアミドなどの公知の硬化促進剤を少量併用することができる。硬化促進剤は、これらの中から任意に選択することが可能であり、これらを単独で又は2種以上混合して用いてもよい。その他、ホスホニウムイリドなど、公知の硬化促進剤を使用できる。
イミダゾール誘導体としては、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、4−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾールなどが挙げられる。市販されているものとしては、例えば四国化成工業社製の2MZ−A、2MZ−OK、2PHZ、2P4BHZ、2P4MHZなどが挙げられる。経時安定性向上を図るものとしては、旭チバ社製のノバキュアHX−3721、HX−3748、HX−3741、HX−3088、HX−3722、HX−3742、HX−3921HP、HX−3941HP、HX−3613なども挙げられる。
硬化促進剤の使用量は、前記多官能エポキシ化合物(C−1)及び/又は多官能オキセタン化合物(C−2)のエポキシ基及び/又はオキセタニル基1モルに対して0.1〜25モル%の範囲であり、好ましくは0.5〜20モル%であり、より好ましくは1〜15モル%である。硬化促進剤の使用量が、エポキシ基及び/又はオキセタニル基1モルに対して0.1モルよりも少ないと実用的な速度で硬化反応が進行し難く、一方、25モル%よりも多量に存在しても顕著な反応促進硬化は見られないので、経済性の点で好ましくない。
本発明の硬化性組成物もしくは光硬化性・熱硬化性組成物には、希釈剤(D)を合成時あるいは合成後に加えることができる。希釈剤(D)としては、前記した有機溶剤(D−1)の他、硬化反応に関与することができる重合性基を有する化合物を好適に用いることができ、単官能(メタ)アクリレート類及び/又は多官能(メタ)アクリレート類などの公知の反応性希釈剤(D−2)が使用可能である。具体的な例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボロニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、及び二塩基酸無水物と1分子中に少なくとも1個以上の不飽和基を有するアルコールとの反応物などを挙げることができる。これら反応性希釈剤(D−2)は、単独で又は2種以上の混合物で用いられ、その使用量には制限が無いが、硬化塗膜特性等の面から、前記不飽和基含有多分岐化合物((A−1)、(A−2)のいずれか1種類又は2種類以上の混合物)の合計量100質量部に対して、70質量部以下であり、より好ましくは5〜40質量部である。
本発明の硬化性組成物もしくは光硬化性・熱硬化性組成物には、さらに必要に応じて硫酸バリウム、シリカ、タルク、クレー、炭酸カルシウムなどの公知慣用の充填剤、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、カーボンブラックなどの公知慣用の着色顔料、消泡剤、密着付与剤、レベリング剤などの各種添加剤を加えてもよい。
このようにして得られた硬化性組成物もしくは光硬化性・熱硬化性組成物は、希釈剤の添加により粘度を調整した後、スクリーン印刷法、カーテンコーティング法、ロールコーティング法、ディップコーティング法、及びスピンコーティング法などの塗布方法により塗布し、例えば約60〜120℃の温度で仮乾燥することで組成物中に含まれる有機溶剤を除去し、塗膜を形成する。ドライフィルムの形態にある場合には、そのままラミネートすればよい。その後、活性エネルギー線を照射することにより、速やかに硬化する。
また、光硬化性成分としてカルボキシル基を有する不飽和基含有多分岐化合物を含有する組成物の場合、所定の露光パターンを形成したフォトマスクを通して選択的に活性エネルギー線により、又は直接描画法により露光し、未露光部をアルカリ水溶液により現像してレジストパターンを形成できる。
さらに、熱硬化性成分を含有する光硬化性・熱硬化性組成物の場合、上記露光・現像後に約140〜200℃の温度で加熱して熱硬化させることにより、密着性、機械的強度、はんだ耐熱性、耐薬品性、電気絶縁性、耐電蝕性などの諸特性に優れた硬化皮膜が形成できる。またさらには、熱硬化前又は後にポストUV硬化を行なうことにより、諸特性をさらに向上させることができる。
上記現像に用いるアルカリ水溶液としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、珪酸ナトリウム、アンモニア、有機アミン、テトラメチルアンモニウムハイドロオキシドなどの水溶液が使用できる。現像液中のアルカリの濃度は概ね0.1〜5wt%であればよい。現像方式はディップ現像、パドル現像、スプレー現像などの公知の方法を用いることができる。
前記硬化性組成物もしくは光硬化性・熱硬化性組成物を硬化させるための照射光源としては、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、キセノンランプ、メタルハライドランプなどが適当である。また、レーザー光線なども露光用活性光源として利用できる。その他、電子線、α線、β線、γ線、X線中性子線なども利用可能である。
以下に実施例を示して本発明についてより具体的に説明するが、本発明が下記実施例に限定されるものでないことはもとよりである。なお、以下において「部」及び「%」とあるのは、特に断わりのない限り、全て質量基準である。
実施例1
撹拌機、還流冷却管及び温度計を備えた200mlの4つ口フラスコに、ナフタレン型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業社製、商品名エピクロンHP−4032D)13.6部、1,3,5−トリスフェノール2.1部、テトラ−n−ブチルホスホニウムブロミド3.39部、及びN−メチルピロリドン50mlを仕込み、100℃にて24時間反応を行なった。その後、メタクリル酸3.80部、メトキノン0.05部を加え80℃で6時間、さらにグリシジルメタクリレート22.0部を加え100℃12時間反応を行った。反応液を室温まで冷却後、大量の水に注ぎ、沈澱した固体を回収した。さらに、この固体をテトラヒドロフランに溶解し、大量のヘキサンに注ぐことで精製を行なった。得られた沈澱をろ別し、減圧乾燥することで、不飽和基含有多分岐化合物(A−1−1)を11.9部得た。
得られた不飽和基含有多分岐化合物(A−1−1)の構造は、H−NMR及びIRスペクトルにて確認した。図1に得られた不飽和基含有多分岐化合物のIRスペクトルを示す。付加反応が進行したことを示すエーテル結合に起因するνC−O−Cの吸収が1718cm−1、1237cm−1に見られ、さらにエポキシ環の開環付加反応により生じた水酸基の吸収及び不飽和二重結合に由来する吸収が検出されたことから、目的の構造であることが判明した。GPC(ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー)による測定結果から、数平均分子量は3500であった。また不飽和基含有多分岐化合物(A−1−1)の二重結合当量は717.7g/当量、水酸基当量は294.2g/当量、酸価は5.8mgKOH/gであった。
実施例2
撹拌機、還流冷却管及び温度計を備えた200mlの4つ口フラスコに、前記実施例3の不飽和基含有多分岐化合物(A−1−1)を9.76部、無水テトラヒドロフタル酸4.56部、トリフェニルホスフィン0.1部、メトキノン0.05部、カルビトールアセテート9.54部を仕込み、80℃で12時間反応を行った。得られた樹脂溶液(A−2−1)についてIRスペクトルにて構造確認を行なった。図2に得られたカルボキシル基含有の不飽和基含有多分岐化合物のIRスペクトルを示す。無水テトラヒドロフタル酸のνC=Oに起因する1778cm−1の吸収が完全に消失し、さらに3000cm−1付近のカルボキシル基に起因する幅広の吸収が見られたことから、側鎖にカルボキシル基が導入されたことが確認された。さらに、酸価測定を行なった結果、カルボキシル基導入前の不飽和基含有多分岐化合物の酸価が5.8mgKOH/gであったのに対し、導入後は80mgKOH/gに増加した。
また、上記のようにして得られたカルボキシル基導入後の不飽和基含有多分岐化合物(A−2−1)について、種々のアルカリ水溶液に対する溶解特性を検討した。その結果を表1に示す。
表1から明らかなように、上記のようにして得られたカルボキシル基導入後の不飽和基含有多分岐化合物は、1.0wt%の炭酸ナトリウム水溶液をはじめとする種々のアルカリ水溶液に対して室温において可溶であった。これは、カルボキシル基導入後の不飽和基含有多分岐化合物の酸価がともに約80mgKOH/gに増加したためと考えられる。
応用実施例1、2及び比較例1
実施例1、2で得られた不飽和基含有多分岐化合物((A−1−1)及び(A−2−1))と、比較サンプルとして下記ノボラック型エポキシアクリレート系樹脂をそれぞれ表2に示す配合割合で各成分を配合し、3本ロールミルを用いて混練し、活性エネルギー線硬化性組成物を調製し、硬化塗膜の特性を評価した。その結果を表3に示す。
<ノボラック型エポキシアクリレート系樹脂>
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エピクロンN−695、大日本インキ化学工業(株)製、エポキシ当量220)330部を、ガス導入管、撹拌装置、冷却管及び温度計を備えたフラスコに入れ、カルビトールアセテート400部を加え、加熱溶解し、ハイドロキノン0.46部と、トリフェニルホスフィン1.38部を加えた。この混合物を95〜105℃に加熱し、アクリル酸108部を徐々に滴下し、16時間反応させた。この反応生成物を、80〜90℃まで冷却し、無水テトラヒドロフタル酸163部を加え、8時間反応させた。反応は、電位差滴定による反応液の酸価、全酸価測定を行ない、得られる付加率にて追跡し、反応率95%以上を終点とする。このようにして得られたノボラック型エポキシアクリレート系樹脂は、不揮発分58%、固形物の酸価102mgKOH/gであった。
表3に示す結果から明らかなように、本発明の実施例1、2により製造された不飽和基含有多分岐化合物(A−1−1)及び(A−2−1)を用いた応用実施例1、2の活性エネルギー線硬化性組成物は、一般的なエポキシアクリレート系樹脂を用いた場合である比較例1と比較して強靭性、可撓性等に優れた硬化物を与えることがわかる。
なお、表3中の特性評価の方法は以下の通りである。
引張弾性率、引張強度(引張破壊強さ)、伸び率(引張破壊伸び):
JIS K 7127に準拠して求めた。
はんだ耐熱性:
前記応用実施例2及び比較例1の各活性エネルギー線硬化性組成物を、回路形成されたプリント配線板にスクリーン印刷で約20μmの膜厚でそれぞれ全面塗布し、次いで80℃で30分加熱乾燥させた。その後、これらの基板にネガフィルムを介して500mJ/cmの露光量にて露光を行ない、次いで、アルカリ水溶液で1分間現像を行なった後、さらに150℃×60分の熱硬化を施して評価基板を作製した。前記応用実施例1については、活性エネルギー線硬化性組成物を、回路形成されたプリント配線板にスクリーン印刷で約20μmの膜厚でパターン印刷し、500mJ/cmの露光量にて露光硬化を行なって評価基板を作製した。
このようにして得られた各評価基板について、ロジン系フラックスを塗布して予め260℃に設定したはんだ槽に30秒間浸漬する操作を3回行ない、目視による塗膜の膨れ・剥がれ・変色について評価した。
○:全く変化が認められないもの
△:僅かに変化したもの
×:塗膜の膨れ、剥がれがあったもの
密着性試験:
前記はんだ耐熱性試験を実施した評価基板を用い、JIS D0202の試験方法に従って碁盤目状のクロスカットを入れ、次いで粘着テープによるピーリングテストを行ない、塗膜の剥離状態を目視観察し、評価した。
○:全く剥がれのないもの
△:クロスカット部が少し剥がれたもの
×:剥がれたもの
180°折り曲げ強靱性:
応用実施例1、2及び比較例1の各活性エネルギー線硬化性組成物を、バーコーターを用いてアルミ箔に70μmの膜厚で塗布し、高圧水銀灯にて120秒間光照射を行ない、硬化塗膜を作成した。この塗膜を180°に折り曲げた際のクラックの有無を目視にて観察した。
○:クラックが認められないもの
×:クラックが認められるもの
以上説明したように、本発明の不飽和基含有多分岐化合物(A−1)は、短時間の活性エネルギー線の照射により速やかに硬化すると共に、加熱による硬化も可能であり、かつ、得られた硬化物は各種基材に対して優れた密着性を示し、硬化収縮が少なく、強度、伸び、靭性等の機械的特性に優れた硬化物を与える。また、多分岐構造のため、種々の溶媒に対する高い溶解性を示し、また溶液粘度を低下できるという特徴を有する。また、本発明のカルボキシル基を有する不飽和基含有多分岐化合物(A−2)は、前記のように末端に多量の重合性基を有するため光硬化性に優れた樹脂であると共に、前記不飽和基含有多分岐化合物(A−1)の側鎖の水酸基にさらに多塩基酸無水物を反応させて導入されたカルボキシル基を有するため、アルカリ水溶液に対して優れた溶解性を示し、アルカリ現像型の感光性樹脂として有用である。
従って、本発明の不飽和基含有多分岐化合物((A−1)、(A−2))は、前記したような優れた特性を有するため、種々の分野において光硬化性成分及び/又は熱硬化性成分として有利に用いることができる。
さらに前記不飽和基含有多分岐化合物((A−1)、(A−2)のいずれか1種類又は2種類以上の混合物)を重合開始剤と共に含有する本発明の硬化性組成物、あるいはさらに熱硬化性成分を含有する熱硬化性・光硬化性組成物は、紫外線又は電子線などの活性エネルギー線の照射により速やかに硬化し、あるいはさらに加熱によって硬化し、基材に対する密着性に優れると共に、強度、靭性等の機械的特性や、耐熱性、熱安定性、可撓性、耐薬品性、電気絶縁性等の諸特性に優れた硬化物が得られるため、接着剤、コーティング剤、プリント配線板の製造時に使用されるソルダーレジスト、エッチングレジスト、ビルドアップ基板用層間絶縁材、メッキレジスト、ドライフィルムなど広範囲に利用が期待できる。
実施例1で製造された不飽和基含有多分岐化合物のIRスペクトルを示すグラフである。 実施例2で製造されたカルボキシル基を有する不飽和基含有多分岐化合物のIRスペクトルを示すグラフである。

Claims (9)

  1. (a)分子中に2つ以上のエポキシ基を有する化合物と、(b)分子中に2つ以上(但し、上記(a)成分が2つのエポキシ基を有する化合物の場合、3つ以上)の水酸基を有するフェノール化合物と、(c)少なくとも1つ以上の不飽和二重結合基を有する化合物とを、それぞれの官能基のモル比で0.1≦[(b)成分のフェノール基のモル数]/[(a)成分のエポキシ基のモル数]≦1及び0.1≦[(c)成分の官能基のモル数]/[(a)成分のエポキシ基のモル数]≦10の割合(反応混合物中の仕込み割合)で反応させることにより得られた化合物であり、末端部に感光性の不飽和二重結合を2個以上有する多分岐構造を持つことを特徴とする不飽和基含有多分岐化合物。
  2. 前記少なくとも1つ以上の不飽和二重結合基を有する化合物(c)が、不飽和モノカルボン酸である請求項1に記載の不飽和基含有多分岐化合物。
  3. (a)分子中に2つ以上のエポキシ基を有する化合物と、(b)分子中に2つ以上(但し、上記(a)成分が2つのエポキシ基を有する化合物の場合、3つ以上)の水酸基を有するフェノール化合物と、(c)少なくとも1つ以上の不飽和二重結合基を有する化合物とを、それぞれの官能基のモル比で0.1≦[(b)成分のフェノール基のモル数]/[(a)成分のエポキシ基のモル数]≦1及び0.1≦[(c)成分の官能基のモル数]/[(a)成分のエポキシ基のモル数]≦10の割合(反応混合物中の仕込み割合)で反応させることにより得られる不飽和基含有多分岐化合物の水酸基に、さらに(d)多塩基酸無水物を、上記不飽和基含有多分岐化合物中の水酸基1モルに対して0.1〜1.0モルの割合で反応させて得られた化合物であり、末端部に感光性の不飽和二重結合を2個以上有し、かつカルボキシル基を1個以上有する多分岐構造を持つことを特徴とする不飽和基含有多分岐化合物。
  4. 前記少なくとも1つ以上の不飽和二重結合基を有する化合物(c)が、不飽和モノカルボン酸である請求項3に記載の不飽和基含有多分岐化合物。
  5. (A)前記請求項1乃至4のいずれか一項に記載の不飽和基含有多分岐化合物、及び(B)重合開始剤を必須成分として含有することを特徴とする硬化性組成物。
  6. (A)前記請求項1乃至4のいずれか一項に記載の二種類以上の不飽和基含有多分岐化合物、及び(B)重合開始剤を必須成分として含有することを特徴とする硬化性組成物。
  7. さらに(C)熱硬化性成分を含有することを特徴とする請求項5又は6に記載の硬化性組成物。
  8. 前記請求項5乃至7のいずれか一項に記載の硬化性組成物を活性エネルギー線照射及び/又は加熱により硬化させて得られる硬化物。
  9. 所定の回路パターンの導体層を有する回路基板上に永久保護膜としてのソルダーレジスト皮膜が形成されたプリント配線板において、上記ソルダーレジスト皮膜が請求項5乃至7のいずれか一項に記載の硬化性組成物の硬化塗膜からなることを特徴とするプリント配線板。
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