JP2007156461A - 光トランシーバ - Google Patents
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Abstract
【課題】バタフライ型パッケージを有するサブアセンブリを搭載する光トランシーバにおいて、当該サブアセンブリの放熱と光軸調芯とを両立させる構造を提供する。
【解決手段】光トランシーバ1送信サブアセンブリ30、受信サブアセンブリ40の何れか一方はバタフライ型のパッケージを有し、レセプタクル20と一体に組み立てられ、フレーム10に対して固定される。レセプタクルとフレームの間にはエラストマー等の弾性部材が介在されることで、バタフライパッケージを備えるサブアセンブリを用いた場合であっても、光軸調芯とサブアセンブリの放熱のためのフレームへの固定を両立させることができる。
【選択図】図3
【解決手段】光トランシーバ1送信サブアセンブリ30、受信サブアセンブリ40の何れか一方はバタフライ型のパッケージを有し、レセプタクル20と一体に組み立てられ、フレーム10に対して固定される。レセプタクルとフレームの間にはエラストマー等の弾性部材が介在されることで、バタフライパッケージを備えるサブアセンブリを用いた場合であっても、光軸調芯とサブアセンブリの放熱のためのフレームへの固定を両立させることができる。
【選択図】図3
Description
本発明は、光トランシーバの新規な構造に関し、なかんずく、バタフライ型パッケージ形状を有する光サブアセンブリを内蔵する光トランシーバの新規な構造に関する。
光トランシーバは、送信光サブアセンブリ(Transmitter Optical Sub-Assembly: TOSA)と受信光サブアセンブリ(Receiver Optical Sub-Assembly: ROSA)、及びこれらのサブアセンブリと電気的に結合し電気信号を処理する電子回路を搭載する回路基板、この回路基板を搭載するフレーム等で構成されている。ここで電子回路としては、送信サブアセンブリ内に搭載されている半導体レーザ(Laser Diode:LD)を駆動するための駆動回路、あるいは、受信サブアセンブリ内に搭載されているフォトダイオードにより光信号から変換された電気信号を増幅、再生する受信回路、これら駆動回路、受信回路を制御する制御回路などがある。
近年、この種の光トランシーバの外形寸法や電気仕様は業界で共通化され、製造者が異なっている場合であっても、製品の置き換えが可能なシステムが構築されている。その種の業界標準の一つとしてXFP規格がある(10 Gbps small form factor pluggable module multi-source agreement, April 2, 2003)。図1はこのXFP型トランシーバがホスト基板上に搭載されて用いられる時の様子を示している。ホスト基板101上には金属製のケージ111が搭載されていて、このケージの開口112はベゼル102から露出し、この開口112を通してトランシーバ120をケージ111に対して挿抜する。トランシーバ120の後端には電気プラグ121を備えており、このプラグ121とホスト基板上のコネクタ103がケージ111内で係合することで、トランシーバ120とホスト101との間で通信(信号の送受、トランシーバへの電源の供給)が確立する。ケージ111の上面には、モジュールを放熱するためのヒートシンク113がクリップ114を用いて取り付けられる場合がある。
特開2005−227783では、トランシーバ筐体と光レセプタクルを分離し、スリーブを光レセプタクルに対してその位置を決定した後、サブアセンブリのパッケージ底面をトランシーバ筐体に対して密着させる構造を採用する。特開2006−259720でもレセプタクルとトランシーバ筐体とを分離構造とし、まず、スリーブをレセプタクルに対して固定した後、レセプタクルとサブアセンブリとを、トランシーバの長軸を中心に回転させることでサブアセンブリの底面をトランシーバ筐体内面に密着させる構造を採用する。
特開2005−227783
特開2006−259720
さて、この様に用いられる光トランシーバの内部構成については、上記業界標準仕様の範囲内で種々提案されている。これまで、光トランシーバ内部に搭載されるサブアセンブリについては、所謂、同軸形状のパッケージを有する小型のサブアセンブリを搭載する例がほとんどであった。通信速度が数GHzにとどまっており、電子回路を構成する電子部品の発熱がそれほど大きいものではなく、放熱シートを筐体に密着させて電子部品が生成した熱を筺体に放熱することで、電子部品、あるいは半導体光デバイスの温度特性を維持できたからである。
しかしながら、近年その通信速度は10GHzに及ぶに至り、電子部品をその種の高い通信速度に対応させるために、電子部品に消費させる電力が大きいものとなってきた。また、この種のプラガブルトランシーバ(ホストのケージに対しホストを通電したまま挿抜可能な形態のトランシーバをプラガブルトランシーバと総称している)を、波長分割多重(WDM)通信に応用することが提案されている。WDM通信では光トランシーバが発する信号光の波長が厳密に規定されている。発光波長の制御性、及び安定性を確保するために、送信サブアセンブリ内にLDの温度制御を行う部品、例えば電子冷却器、を内蔵する必要が生じている。従来の同軸型パッケージを有する送信サブアセンブリでは、この様な多くの部品を搭載することがパッケージサイズの上から困難であり、所謂、箱型形状を有するバタフライパッケージを用いざるを得ない場面が生じている。受信サブアセンブリについても発熱の面では同様であり、通信速度が高くなるにつれその消費電力が増加し、搭載された電子部品に対する冷却能力に優れたパッケージ形状が要求され、バタフライパッケージを用いる場面が生まれている。
バタフライパッケージを用いる際には大きな問題が生ずる。それは、上記の様にバタフライパッケージを用いる目的は、発熱の大きな部品を搭載せんがためというのがその第一の理由であり、放熱効果を確保するためには、パッケージの外壁に伝達された熱を、その外壁をトランシーバ筐体に密着させて外壁と筐体との間の熱伝達率を高めなければならないことである。
図2はバタフライ型パッケージを有するサブアセンブリの外観を示している。矩形の本体部210の側面212から複数のリードピン211が突き出している。リードピン211が延び出している面とは反対の側面213から筒状の光学部品220が延び出し、その先端にスリーブ221が設けられている。このスリーブ221に、光ファイバの先端に付属するフェルール(不図示)が挿入され、フェルールの中心に保持されている光ファイバと、スリーブ221の内孔222の中心に対して光学的に調芯されている、本体部に搭載された光素子とが光結合する。図2に示すサブアセンブリにおいては、その底面213をトランシーバ筐体に密着させなければ、本体部210に搭載されている発熱部品に対す放熱を確保することができない。
一方、スリーブ221と光ファイバとが光結合するためには、スリーブ221が光トランシーバの筐体の一部である光レセプタクルに対して、その幾何学的位置、及び寸法が規定されていなければならない。フェルールは光プラグの一部品として存在し、この光プラグが光トランシーバ側の光レセプタクルに挿入されることで、フェルールとスリーブとが嵌合し、フェルール中心の光ファイバと本体部210に搭載されている光素子との間の光結合が実現される。図1において、光トランシーバ120の先端側に描かれている二つの開口がそれぞれ送信側、受信側の光レセプタクルに相当する。
この様に、バタフライパッケージを有する光サブアセンブリについては、放熱のためにその本体部の一面(底面)がトランシーバ筐体に密着すると同時に、光結合のためにスリーブもトランシーバ筐体に対してその位置が規定されなければならない。しかしながら、この種の機械部品においては常に部品の寸法について公差が伴うものである。従来の同軸型パッケージを有するサブアセンブリにおいては、放熱効果は弾力性のある樹脂材で形成された放熱シートを、その部品搭載部とトランシーバ筺体との間に介在させていた。放熱シートの有する弾力性により部品公差を吸収することができたので、筺体に対する物理的位置精度は、専ら光結合のみを考慮するだけで十分であった。しかしながら、バタフライパッケージを有するサブアセンブリでは、同軸パッケージのサブアセンブリの場合よりも放熱効果を高めなければならず、パッケージ底面を筺体に密着させる必要があり、放熱シートによる部品公差の吸収を図ることができない。パッケージの本体底面とスリーブの二箇所において筺体との間の位置関係を規定する結果、スリーブとバタフライパッケージ本体部との接続部(スリーブの根元部)に機械的歪みが集中するという問題が生じていた。
本発明は、レセプタクルとトランシーバ筐体とを分離し、レセプタクルとサブアセンブリとを組み立てた後にこの組立体をトランシーバ筐体に組み付ける簡便な構成を開示するものである。
上記課題を克服するために本発明に係る光トランシーバは、光コネクタと係合するレセプタクル部材と、半導体光素子を搭載しこのレセプタクル部材に装着されることにより、光コネクタが保持する光ファイバと半導体光素子とが光結合するサブアセンブリと、レセプタクル部材とサブアセンブリを搭載するフレームとで構成されている。そして、サブアセンブリは半導体光素子を搭載する箱型の本体部と、該本体部の一側面から伸び出すスリーブ部とを有する、いわゆる、バタフライ型のパッケージ形状を有するものであり、レセプタクル部材は、光コネクタと係合する第一の部位と、サブアセンブリのスリーブ部を受納する開孔を備えこの第一の部位に連続する第二の部位を有しており、このレセプタクル部材がフレームに第二の部位において樹脂を介在させて固定されている、ことを特徴としている。レセプタクル部材とフレームとを介在する樹脂にはエラストマーを用いることができる。さらに、本発明に係る光トランシーバにおいては、フレームがレセプタクル部材を挟む様に設けられ、内面に溝を備える一対の側壁を有し、一方、レセプタクル部材の側面にはこの溝と係合し、かつ溝内でスライドする突起が形成されていることも特徴とする。
本発明に係る光トランシーバでは半導体光素子と光コネクタ内の光ファイバとの光結合は、フレームを介さずにレセプタクル部材のみを介して行われ、一方、光素子を搭載するサブアセンブリとフレームとの間の接触は、レセプタクル部材とサブアセンブリの組立体を一体としてフレームに対してその位置が決定され、かつ、レセプタクル部材とフレームとの間にはエラストマーといった樹脂を介在させるので、良好な光結合なための位置決めと、良好な放熱特性を確保するための位置決めを独立して行うことができる。すなわち、サブアセンブリの本体部とスリーブ部との間に機械的歪みを伴うことがなくなる。
図3は、本発明に係る光トランシーバの分解組立図である。光トランシーバ1は、筐体(フレーム)10、回路基板50、送信サブアセンブリ(Transmitter Optical Sub-Assembly:TOSA)30、受信サブアセンブリ(Receiver Optical Sub-Assembly: ROSA)40、レセプタクル部材20、およびカバー60を主要な構成部品として含む。図3では、受信サブアセンブリ40についても箱型のパッケージとして描かれているが、以下の説明する様に、本発明の効果は、送信サブアセンブリ30、受信サブアセンブリ40のパッケージ形状に依存しない。
フレーム10はアルミダイキャスト製であり、前方側から順に光レセプタクル20、送信サブアセンブリ30/受信サブアセンブリ40、回路基板50を搭載し、さらにカバー60を一体に組み付ける。ここで、“前方”は光トランシーバ1において光レセプタクル20を備えている側を指し、“後方”とはプラグコネクタ50bが形成されている側を便宜上指すものとする。前方側においてフレーム10は光レセプタクル20の側部を覆い、トランシーバ1の前端にまで伸び、フレーム10の端面11fをレセプタクル20のフランジ20cの当接させている。フレーム10の後方側には、回路基板50を搭載するための鞍部13aが形成されている。
光レセプタクル20はメッキを施した樹脂製部品である。その前方側にはそれぞれ送信/受信に対応する二つの開口21a、21bを有する光レセプタクルが形成されている。図3では明示されていないが、レセプタクル部材20の後端壁には以下で説明する光サブアセンブリ30、40のスリーブが挿入される開口が形成されており、当該開口にスリーブを挿入することで、光レセプタクルに対するスリーブの位置が規定される。従って、この光レセプタクルに挿入される光コネクタに保持されている光ファイバと、サブアセンブリ30、40内に搭載されている光素子との間で光結合が実現される。
サブアセンブリ30、40はいずれもバタフライパッケージを有し、箱型の金属製本体部30a、40aと、この本体部の一側壁から延び出す円筒状のスリーブ部材30b、40bとで構成される。スリーブ材30b、40bは、少なくとも本体部と接触する箇所については金属製であることが要請される。しかしながら、その先端部は金属製、樹脂製、いずれも適用可能である。本体部30a、40aの後壁からは、信号用のリード30c、40cが延び出している。図3では明示されていないが、送信サブアセンブリ30については、その一側壁から複数の電極が突き出しており、この電極に対してフレキシブル基板により回路基板と電気的な接続が果たされる。フレキシブル基板上の配線は、送信サブアセンブリ30内に搭載された熱伝変換素子への電源線、感温素子からの信号出力等、専ら低周波、あるはDC信号の入出力に提供される。
回路基板上には電子回路が搭載されている。送信サブアセンブリ30に対する電子回路としては、サブアセンブリ30内に搭載された半導体レーザ(LD)を駆動するLDドライバ、熱電変換素子を所定の温度に制御するための温度コントローラ、LDの光出力の平均値を所定値に維持する自動出力制御(Auto-Power Controller:APC)回路等がある。一方、受信サブアセンブリ40のための回路としては、受信サブアセンブリ40からの信号を増幅する主増幅器、増幅された信号からクロック信号を抽出するクロック再生回路、再生クロックに基づき増幅信号からデータ信号抽出するデータ抽出回路、等がある。また、受信サブアセンブリ40内に受光素子としてアバランシェダイオード(Avalanche Photodiode:APD)が搭載される場合には、APDバイアス制御回路も搭載される。回路基板の後端にはケージ内のコネクタと係合するプラグコネクタが形成されている。プラグコネクタの基板上の電極パターンを所定の形状とすることにより、ホスト装置の電源を切らずにこのトランシーバをケージに挿抜することができる、いわゆるホットプラグ機能が実現される。
カバー60は板金材であり、フレーム10との間に、サブアセンブリ30、40、回路基板50を挟み込んでこれらをシールする。カバー60の側壁の一部が切り込まれており、当該切り込み箇所から、図3では示されていないが、このトランシーバ1をケージに係合するためのラッチレバーが露出する。
以下、上記各部品の詳細を説明する。
レセプタクル部材
図4(a)、図4(b)はレセプタクル部材20を、それぞれ前方上部、後方上部から俯瞰した様子を示す。レセプタクル部材20は整形樹脂の全面を導電メッキしたものであり、前方側から順に光レセプタクル(21a、21b)を形成する第1部位、光レセプタクルの後方壁を形成し、サブアセンブリ30、40のスリーブ30b、40bが貫通する開孔22a、22bが形成された第2部位を有する。
図4(a)、図4(b)はレセプタクル部材20を、それぞれ前方上部、後方上部から俯瞰した様子を示す。レセプタクル部材20は整形樹脂の全面を導電メッキしたものであり、前方側から順に光レセプタクル(21a、21b)を形成する第1部位、光レセプタクルの後方壁を形成し、サブアセンブリ30、40のスリーブ30b、40bが貫通する開孔22a、22bが形成された第2部位を有する。
第1の部位20aは中央隔壁20dにより区画され、それぞれ送信用21a、受信用21bの光レセプタクルを形成する。光レセプタクル(21a、21b)の内部空間の物理的寸法は、この光レセプタクルの挿入される光コネクタの規格により厳密に決められている。第1部位20aの前方端両外壁にはフランジ20cが形成されている。このフランジ20cはトランシーバの前方端を規定する。フランジ20cから奥まった両外壁には、後述するフレーム10とこのレセプタクル部材20と係合するための突起20eを有する。レセプタクル部材20をフレーム10の前方側側壁の間に挟みこみ、フレーム側壁の内面11fに形成されている溝11aにこの突起20eを嵌合させると、フレーム10の先端面がフランジ20cの背面に当接して、レセプタクル部材20の前後方向の位置が決定される。また、突起20eが溝11a内でスライド可能であり、これにより、レセプタクル部材20とサブアセンブリ30、40の組立体をフレーム10に対して、レセプタクル部材20とサブアセンブリ30、40との間の調芯状態を維持したまま、サブアセンブリ30、40をフレーム10に固定することができる。
第2の部位20bにはスリーブが挿入される二つの開孔(22a、22b)が形成されている。この開孔の径をスリーブの外径よりも僅かに小さく設定しておくことで、スリーブは光レセプタクル21a、21bの内部空間に対して、その位置を一義的に、がたつきなく決定することができる。すなわち、スリーブが光レセプタクル21a、21b内で首振りを起こすことはない。この第2の部位の後端上部には深さ0.3mm、奥行き1.5mmの段差22eが形成されており、図4(a)、図4(b)では明示されていないが、当該段差部22eに沿って高さ0.5mm程度の範囲で帯び状にエラストマー(樹脂)を塗布しておく。このレセプタクル部材20とサブアセンブリ30、40をフレーム10にセットして、サブアセンブリ30、40の底面をそれぞれフレーム10上の所定箇所に密着させる場合に、ここで塗布したエラストマーが一つの弾性体として作用し、従来のトランシーバで問題となっていた、スリーブと本体部との間の機械的歪みを低減することができる。また、この段差部22eは、レセプタクル部材20をフレームの前方側側壁11fで囲まれた空間にセットした際に、当接面11bの前縁に突き当たる。既に説明した突起20eと側壁11f内面の溝11aとの係合関係と合わせて、レセプタクル部材20とフレーム10との相対的位置を決定する。また、エラストマーを導電性とすることにより、トランシーバ内部と外部との間のEMIシールド特性の向上を図ることができる。
また、第2の部位20bにおいて段差22eとは反対の面(下面)22fは平坦に形成されており、当該箇所にカバー60が接触できる。カバー60に形成された突き当て片60fが、この平坦部20fと接触することで、カバー60とレセプタクル部材20との間の電気的導通が確保される。
フレーム
図5はフレーム10を前方側から俯瞰した斜視図である。フレーム10は前方側から第1〜4の部位に機能上分割される。第1の部位10aはレセプタクル部材20を収容する。第2の部位10bはサブアセンブリ30、40を、第3の部位10cは回路基板を、第4の部位10dはコネクタプラグを、それぞれ収容する。
図5はフレーム10を前方側から俯瞰した斜視図である。フレーム10は前方側から第1〜4の部位に機能上分割される。第1の部位10aはレセプタクル部材20を収容する。第2の部位10bはサブアセンブリ30、40を、第3の部位10cは回路基板を、第4の部位10dはコネクタプラグを、それぞれ収容する。
第1部位10aは二つの側壁11fで囲まれたレセプタクル部材収容空間11を有する。既に説明した様に、側壁11fの内面にはそれぞれ溝11aが形成されており、この溝11aにレセプタクル部材20の外壁に形成された突起21eが嵌りこむ。収容空間11の奥端には平坦な当接面11bが形成されている。レセプタクル部材20とこのフレーム10を組み立てる際に、レセプタクル部材20の段差部22eに盛られたエラストマーがこの当接面に押し付けられ、潰れることで、エラストマーの弾性体の機能を発揮利用することができる。外壁11fの外面には、ケージとトランシーバ1との間の係合状態を解除するためのベール(不図示)を回転させるための機構である、孔11eと溝11dが形成されている。
第1の部位10aと第2の部位10bとの境界には、サブアセンブリ30、40のスリーブ部を保持するための鞍部12c(送信サブアセンブリ用の鞍部については壁11fに隠れて見えない)が、エラストマーが当接する面11bに連続して形成されている。さらに、サブアセンブリ30、40の本体部を収納するための座繰り12d、12eが、それぞれこの鞍部に連続して形成されている。本発明においては、レセプタクル部材20がエラストマーという弾性体を備えているので、サブアセンブリ30、40の本体部をこの座繰り箇所(12d、12e)に押し付けても、スリーブ部の付根に応力が集中するのを回避することができる。第2の部位10bの外壁11fに形成されている構造12a、12bは、第1の部位10aの外壁11fに取り付けられるベールに連動して動作するラッチ解除片が収納される溝である。
第3の部位10cには回路基板が搭載される。第3の部位10cは主面13a、当該主面13aに対して座繰り加工された窪み13b、及び、主面13aの両辺に形成された突起13cを有する。回路基板50には、両辺に切り込みを備えており、その切り込みを突起13cに係合させつつ、回路基板50の主面を、側壁上の段差13eに載せることで、回路基板50はフレーム10に対して固定される。一方、回路基板50の前端を第2の部位10bの両側壁の後端に突き当てることで、回路基板の前後方向の位置を規定することができる。窪み13bは回路基板50上に搭載されたICを収納する。側壁部段差13eの高さと窪み13bの深さ、及び当該窪み13bに収納されるICの厚さを補償する様な厚さの放熱シートを、この窪み13b内に埋め込んでおくことで、ICからフレーム10への放熱経路を確保することができる。
第3の部位10cと第4の部位10dの境界部には、第4の部位10dの両外壁に連続して柱14cが形成されている。カバー60の後端面に形成されたフィンガ60iをこのポスト14cに突き当て、さらに、フィンガ60iの先端部で段差13eに搭載されている回路基板50を押し付けて固定する。さらに、第4の部位10dは、両側壁14bに囲まれた平坦部14aを有しており、この平坦部に平行となる様に、回路基板50の後端に形成されたプラグコネクタ50bが収納される。
カバー
図6はカバー60の斜視図である。カバー60は一枚のステンレス板を切断、折り曲げ加工により形成したものである。図6で右方がトランシーバ1の前方側に相当する。カバー60の側壁部は切れ込み60dを挟んで二つの部分に分けられる。先方側の側壁60jには開口60cが形成されており、この開口60cはフレーム10の第1の部位外面に形成された突起11cにはめ込まれる。一方、後方側の側壁60lも二つの開口60a、60bを有しており、それぞれフレーム10に形成された突起13f、12fにはめ込まれる。同時に、フィンガ60h、及びカバー後端に形成されたフィンガ60iが回路基板50をフレーム10に対して押し付ける。すなわち、回路基板50は、フレーム10の側壁の段差13eにその主面が搭載されると同時に、カバー60によりその側壁段差13eに押し付けられ固定される。
図6はカバー60の斜視図である。カバー60は一枚のステンレス板を切断、折り曲げ加工により形成したものである。図6で右方がトランシーバ1の前方側に相当する。カバー60の側壁部は切れ込み60dを挟んで二つの部分に分けられる。先方側の側壁60jには開口60cが形成されており、この開口60cはフレーム10の第1の部位外面に形成された突起11cにはめ込まれる。一方、後方側の側壁60lも二つの開口60a、60bを有しており、それぞれフレーム10に形成された突起13f、12fにはめ込まれる。同時に、フィンガ60h、及びカバー後端に形成されたフィンガ60iが回路基板50をフレーム10に対して押し付ける。すなわち、回路基板50は、フレーム10の側壁の段差13eにその主面が搭載されると同時に、カバー60によりその側壁段差13eに押し付けられ固定される。
カバー60の後方端に形成された折り曲げ片60eは、このトランシーバを正規な方向とは天地を逆にしてケージに挿入した際に、この折り曲げ片60eがコネクタの前端に接触して、電気プラグがコネクタに挿入されるのを防ぐ。一方、前方側には溝60gが形成されており、この溝60gによりカバー60の機械的強度が増強される。また、カバー60中央の開孔60kは、トランシーバを組み立て後にその内部を観察するために設けられている。さらに、前方側には複数のフィンガ60fを有している。カバー60にU字状のスリットを形成し、スリットに囲まれた部分をトランシーバ内側に向けて撓ませて形成されている。このフィンガ60fが、カバー60とフレーム10とを組み立てた際に、レセプタクル部材20の面22fに複数個所で接触することで、レセプタクル部材20とカバー60との導通を確実に確保することができる。
エラストマー
図7は、送信サブアセンブリ30を搭載したレセプタクル部材20とフレーム10との組み立ての様子を示す、一部破断図である。レセプタクル部材20の第2の部位の開口22aには、送信サブアセンブリ30のスリーブ部30bが貫通している。送信サブアセンブリ30の本体部30aは、フレーム10の座繰り部12eにその底面を密着させて収納されている。一方、レセプタクル部材20の段差22eと、フレーム10の平坦部11bとの間で、エラストマー25が押し潰されている。図7の構造によれば、スリーブ30bはレセプタクル部材20に対して、光レセプタクル21aの規格を満足する様にその位置が厳密に決定され、同時に、送信サブアセンブリ30の本体部30aはフレーム10の座繰り部12eに密着して固定されている。レセプタクル部材20とフレーム10とが別体構造であり、レセプタクル部材20がフレーム10に対していわば、フローティング状態で組み立てられているので、TOSA30の本体部30aとスリーブ部30bとの間に誘起される可能性のある機械的歪みを回避することができる。このフローティングの状態は両部材間に挿入されたエラストマーにより実現されている。
図7は、送信サブアセンブリ30を搭載したレセプタクル部材20とフレーム10との組み立ての様子を示す、一部破断図である。レセプタクル部材20の第2の部位の開口22aには、送信サブアセンブリ30のスリーブ部30bが貫通している。送信サブアセンブリ30の本体部30aは、フレーム10の座繰り部12eにその底面を密着させて収納されている。一方、レセプタクル部材20の段差22eと、フレーム10の平坦部11bとの間で、エラストマー25が押し潰されている。図7の構造によれば、スリーブ30bはレセプタクル部材20に対して、光レセプタクル21aの規格を満足する様にその位置が厳密に決定され、同時に、送信サブアセンブリ30の本体部30aはフレーム10の座繰り部12eに密着して固定されている。レセプタクル部材20とフレーム10とが別体構造であり、レセプタクル部材20がフレーム10に対していわば、フローティング状態で組み立てられているので、TOSA30の本体部30aとスリーブ部30bとの間に誘起される可能性のある機械的歪みを回避することができる。このフローティングの状態は両部材間に挿入されたエラストマーにより実現されている。
以上の例においては、フローティング状態を実現するためにエラストマー部材を用いているが、本発明においては弾性力を発揮できる材料であれば、本発明の効果を奏し得る。例えば、エラストマー25に代えて、板バネといった弾性部材をフレーム10とレセプタクル部材20との間に挿入することでも、本発明の効果は実現できる。さらに、レセプタクル部材20に、レセプタクル部材と同一の材料の板バネ構造を整形しておくことでも、本願の効果を実現できる。
図8は本発明に係る光トランシーバ1の組み立て完了図である。トランシーバの上面全体はフレーム10の底面が露出している。そのため、図1に示す様に放熱フィン付のケージにこのトランシーバを挿入した際に、サブアセンブリ30、40、あるいは回路基板上のICにより生成された熱は、例えばサブアセンブリ30、40については、サブアセンブリが直接にフレーム10中のそれぞれの収納部にその底面を密着して搭載されているので、効率的な放熱経路がフレーム10に対して確保されており、さらに、このフレーム10の底面がケージの放熱フィンに接触することで、サブアセンブリ30、40が発した熱は容易にトランシーバ外に放熱することができる。また、フレームが金属ダイキャストにより形成されているので、トランシーバのケージへの挿抜時に、ケージ放熱フィンとの間の接触によりスムーズな挿抜が実現できない場合でも、トランシーバ本体、特に回路基板あるいはサブアセンブリに対して機械的歪みを及ぼすことが避けられる。また、本発明に係る各部材の構造においては、全ての組み立てが、いわゆる嵌め込み(Fitting)により行うことができるので、組み立て工程が簡略化され製造コストを低減することも可能である。
1…光トランシーバ
10…フレーム
20…レセプタクル部材
30…送信サブアセンブリ
40…受信サブアセンブリ
50…回路基板
60…カバー
25…弾性部材(エラストマー)
10…フレーム
20…レセプタクル部材
30…送信サブアセンブリ
40…受信サブアセンブリ
50…回路基板
60…カバー
25…弾性部材(エラストマー)
Claims (3)
- 光コネクタと係合するレセプタクル部材と、
半導体光素子を搭載し該レセプタクル部材に装着されることにより、該光コネクタが保持する光ファイバと該半導体光素子とが光結合するサブアセンブリと、
該レセプタクル部材と該サブアセンブリを搭載するフレームと、
を含む光トランシーバにおいて、
該サブアセンブリは該半導体光素子を搭載する箱型の本体部と、該本体部の一側面から伸び出すスリーブ部とを有し、
該レセプタクル部材は、該光コネクタと係合する第一の部位と、該スリーブ部を受納する開口を備え該第一の部位に連続する第二の部位を有し、
該レセプタクル部材は、該第二の部位と樹脂を介在させて該フレームに固定されている、
ことを特徴とする光トランシーバ。 - 該フレームは、該レセプタクル部材を挟む様に設けられ、内面に溝を備える側壁を有し、
該レセプタクル部材の側面には該溝と係合し、該溝内で自在にスライドする突起を有する
請求項1に記載の光トランシーバ。 - 該樹脂は導電性エラストマーである請求項1、2に記載の光トランシーバ。
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