JP2007149510A - セルスタック及び燃料電池 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】軸長方向に燃料ガス通路31aが形成された棒状の支持基板31の一方側主面に、固体電解質層33及び酸素極層34を有するとともに、支持基板31の他方側主面に、インターコネクタ35を有する燃料電池セル30を複数立設して配列し、該複数の燃料電池セル30を電気的に直列に接続してなるセルスタックであって、燃料電池セル30の配列方向側方から見たとき、隣設する燃料電池セル30の側面同士の一部が重畳するように複数の燃料電池セル30を千鳥状に配列させ、重畳した部分における燃料電池セル30の側面同士を接合してなる。
【選択図】図3
Description
燃料極: O2− (固体電解質)+ H2 → H2O+2e− …(2)
かかる発電によって生成した電流は、支持基板31に取り付けられているインターコネクタ35を介して集電される。
上記のような構造を有する燃料電池セル30において、支持基板31は、燃料ガスを燃料極まで透過させるためにガス透過性であること、及びインターコネクタ35を介しての集電を行うために導電性であること、同時焼成時の熱膨張差による固体電解質層などのクラックや剥離がないことが要求されるが、このような要求を満たすと同時に、還元・酸化サイクルにおける支持基板31の体積膨張に起因した固体電解質層などのクラックを抑制する目的で、触媒活性金属及びその酸化物のいずれかと、触媒金属及びその酸化物との反応物を生成しない無機骨材、例えば、金属酸化物である固体電解質又は少なくとも一種の希土類元素を含有する希土類元素酸化物とを含有せしめて構成する。
本発明において、燃料極層32は、前述した式(2)の電極反応を生じせしめるものであり、それ自体公知の多孔質の導電性サーメットから形成される。例えば、希土類元素が固溶しているZrO2と、Ni及び/またはNiOとから形成される。この希土類元素が固溶しているZrO2(安定化ジルコニア)としては、以下に述べる固体電解質層33の形成に使用されているものと同様のものを用いるのがよい。
この燃料極層32上に設けられている固体電解質層33は、一般に3〜15モル%の希土類元素が固溶したZrO2(通常、安定化ジルコニア)と呼ばれる緻密質なセラミックスから形成されている。希土類元素としては、Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luを例示することができるが、安価であるという点からY、Ybが望ましい。
酸素極層34は、所謂ABO3型のペロブスカイト型酸化物からなる導電性セラミックスから形成される。かかるペロブスカイト型酸化物としては、遷移金属ペロブスカイト型酸化物、特にAサイトにLaを有するLaMnO3系酸化物、LaFeO3系酸化物、LaCoO3系酸化物の少なくとも1種が好適であり、600〜1000℃程度の作動温度での電気伝導性が高いという点からLaFeO3系酸化物が特に好適である。尚、上記ペロブスカイト型酸化物においては、AサイトにLaと共にSrなどが存在していてもよいし、さらにBサイトには、FeとともにCoやMnが存在していてもよい。
上記の酸素極層34に対面する位置において、支持基板31上に設けられているインターコネクタ35は、導電性セラミックスからなるが、燃料ガス(水素)及び酸素含有ガスと接触するため、耐還元性、耐酸化性を有していることが必要である。このため、かかる導電性セラミックスとしては、一般に、ランタンクロマイト系のペロブスカイト型酸化物(LaCrO3系酸化物)が使用される。また、支持基板31の内部を通る燃料ガス及び支持基板31の外部を通る酸素含有ガスのリークを防止するため、かかる導電性セラミックスは緻密質でなければならず、例えば93%以上、特に95%以上の相対密度を有していることが好適である。
以上のような構造を有する燃料電池セルは、以下のようにして製造される。先ず、Ni等の鉄族金属或いはその酸化物粉末と、例えばY2O3粉末と、有機バインダーと、溶媒とを混合して坏土を調製し、この坏土を用いての押出成形により、支持基板成形体を作製し、これを乾燥する。
セルスタックは、図3、4に示すように、上述した燃料電池セル30を左右に交互(千鳥状)に複数配列し、それらの燃料電池セルの側部同士を接合して形成されている。即ち、複数の燃料電池セルの配列方向から見たとき、隣設する燃料電池セルの側面同士の一部が重畳するように(重なるように)千鳥状に配列されており、重畳した部分における燃料電池セルの側面同士が接合されて、セルスタックが形成されている。
31a・・・燃料ガス通路(ガス流路)
32・・・燃料極層
33・・・固体電解質
34・・・酸素極層
35・・・インターコネクタ
38a、38b・・・第1高導電率層
39a、39b・・・第2高導電率層
Claims (5)
- 軸長方向にガス流路が形成された棒状の支持体の一方の側面に、固体電解質層及び電極層を有するとともに、前記支持体の前記一方の側面と対向する他方の側面に、インターコネクタを有する燃料電池セルを複数立設して配列し、該複数の燃料電池セルを電気的に直列に接続してなるセルスタックであって、前記燃料電池セルの配列方向から見たとき、隣設する前記燃料電池セルの側面同士の一部が重なるように前記複数の燃料電池セルを左右に交互に配列させ、前記重なった部分における前記燃料電池セルの側面同士を接合してなることを特徴とするセルスタック。
- 隣設する前記燃料電池セルの前記重なった部分における側面同士を導電性材料により接合することにより、電気的に接続するとともに機械的に接合したことを特徴とする請求項1記載のセルスタック。
- 前記電極層及び前記インターコネクタの少なくとも一方に、該電極層及びインターコネクタよりも高導電率の高導電率層を、前記燃料電池セルの幅方向に設けたことを特徴とする請求項1又は2記載のセルスタック。
- 隣設する前記燃料電池セルの重なった部分における前記電極層及び前記インターコネクタに沿って、かつ前記燃料電池セルの長さ方向に、前記電極層及び前記インターコネクタよりも高導電率の高導電率層がそれぞれ設けられており、該高導電率層により隣設する前記燃料電池セルの側面同士を接合していることを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれかに記載のセルスタック。
- 収納容器内に請求項1乃至4のうちいずれかに記載のセルスタックを収納してなることを特徴とする燃料電池。
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