JP2007149021A - 係止部材の支点での線条材の角度の変化を定義する方法、装置、及び、プログラム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】線条材としてのワイヤーハーネス10を、複数の係止部材としての各クランプ11・12にて係止点B1・B2で係止する場合における、前記両クランプ11・12間でのワイヤーハーネス10の可動範囲を検討するに際し、前記ワイヤーハーネス10が、前記各クランプ11・12の支点A1・A2を回転中心として回転したときの、前記支点A1・A2におけるワイヤーハーネス10の角度θの変化を定義する。
【選択図】図1
Description
このワイヤーハーネスは、所定の箇所で係止部材(クランプ)により係止されているが、係止箇所間でワイヤーハーネスに引っ張り方向の力がかからないように長さにある程度の余裕を持って取付けられている。
一方、特に自動車では、ワイヤーハーネスが配置される箇所には多くのエンジン関連部品や電装部品等が設置されているので、ワイヤーハーネスがこれらの部品と干渉しないようにレイアウトや引き回しを行うことが重要である。
しかし、このような設計を行っていたのでは、効率が悪い場合が多く、設計変更や異なる機種への適応力に欠ける。
そこで、ワイヤーハーネスのレイアウトや引き回しの設計の効率化等を図るべく、ワイヤーハーネスの可動範囲をシミュレートする技術が考案されている(例えば、特許文献1参照。)。
特許文献1の技術は、2点の係止点で係止された線条材の可動範囲を算出し、算出した可動範囲における最大振幅量を実測最大振幅量と比較し、その比較結果に基づいて補正を行うものである。これによって、線条材の物理的性質やサイズ等を考慮することができ、実験の量を比較的少なくすることが可能となっている。
また、このことから、変化後の座標53Bのデータを用いることによれば、より高精度な可動範囲のシミュレーションが可能となるといえる。また、図4に示すごとく、前記変化後の座標53Bのデータは、座標53Aのデータと、線条材52がクランプ51の支点51Aを回転中心として回転したときの、前記支点51Aにおける線条材52の角度変化θを用いることにより定義することが可能となる。
線条材を、複数の係止部材にて係止点で係止する場合における、前記両係止部材間での前記線条材の可動範囲を検討するに際し、前記線条材が、前記各係止部材の支点を回転中心として回転したときの、前記支点における線条材の角度の変化を定義する方法であって、
前記両係止部材の係止点を結ぶ線上の中点に、前記線条材の最小曲げ半径を半径とする円を定義するステップと、
前記円を、前記線条材の長さを維持しつつ、前記係止点を結ぶ線と直交する方向に移動させた際における、前記円の移動量が最大となる最大移動位置を定義するステップと、
前記円が前記最大移動位置に配置された際において、前記係止点が、前記各係止部材の支点を回転中心点として回転したときの角度を定義するステップと、
を有する、係止部材の支点での線条材の角度の変化を定義する方法、とするものである。
線条材を、複数の係止部材にて係止点で係止する場合における、前記両係止部材間での前記線条材の可動範囲を検討するに際し、前記線条材が、前記各係止部材の支点を回転中心として回転したときの、前記支点における線条材の角度の変化を定義する装置であって、
前記両係止部材の係止点間に配置される前記線条材の長さを定義する手段と、
前記各係止部材の各支点と前記各係止点との間の距離を定義する手段と、
前記最小曲げ半径を線条材の種別に応じて定義する手段と、
前記各係止部材の各支点間の距離を定義する手段と、
前記両係止部材の係止点を結ぶ線上の中点に、前記線条材の最小曲げ半径を半径とする円を定義する手段と、
前記円を、前記線条材の長さを維持しつつ、前記係止点を結ぶ線と直交する方向に移動させた際における、前記円の移動量が最大となる最大移動位置を定義する手段と、
前記円が前記最大移動位置に配置された際において、前記係止点が、前記各係止部材の支点を回転中心点として回転したときの角度を定義する手段と、
を有する、係止部材の支点での線条材の角度の変化を定義する装置、とするものである。
線条材を、複数の係止部材にて係止点で係止する場合における、前記両係止部材間での前記線条材の可動範囲を検討するに際し、前記線条材が、前記各係止部材の支点を回転中心として回転したときの、前記支点における線条材の角度の変化を定義するために、コンピュータを、
前記両係止部材の係止点間に配置される前記線条材の長さを定義する手段、
前記各係止部材の各支点と前記各係止点との間の距離を定義する手段、
前記最小曲げ半径を線条材の種別に応じて定義する手段、
前記各係止部材の各支点間の距離を定義する手段、
前記両係止部材の係止点を結ぶ線上の中点に、前記線条材の最小曲げ半径を半径とする円を定義する手段、
前記円を、前記線条材の長さを維持しつつ、前記係止点を結ぶ線と直交する方向に移動させた際における、前記円の移動量が最大となる最大移動位置を定義する手段、
前記円が前記最大移動位置に配置された際において、前記係止点が、前記各係止部材の支点を回転中心点として回転したときの角度を定義する手段、
として機能させるための、係止部材の支点での線条材の角度の変化を定義するためのプログラム、とするものである。
線条材の可動範囲を検討する際において、前記角度を定義して、前記係止点の移動後の係止点を求め、該係止点の座標位置を用いて前記線条材の可動範囲を検討することによれば、前記係止点の元の座標位置の変化を考慮した、より高精度なシミュレーションが実施できるようになる。
線条材の可動範囲を検討する際において、前記角度を定義して、前記係止点の移動後の係止点を求め、該係止点の座標位置を用いて前記線条材の可動範囲を検討することによれば、前記係止点の元の座標位置の変化を考慮した、より高精度なシミュレーションが実施できるようになる。
プログラムを、既存の可動範囲のシミュレーションのソフトウェアに、プラグインというかたちで実装させることで、既存のソフトウェアにおいて、より高精度なシミュレーションができるようになる。
コンピュータにより、前記両クランプ11・12の係止点B1・B2を結ぶ線上の中点Dに、前記ワイヤーハーネス10の最小曲げ半径Rを半径とする円20を定義するステップと、
コンピュータにより、前記円20を、前記ワイヤーハーネス10の長さHを維持しつつ、前記両クランプ11・12の係止点B1・B2を結ぶ線Gと直交する方向に移動させた際における、前記円20の移動量が最大となる最大移動位置Mを定義するステップと、
コンピュータにより、前記円20が前記最大移動位置Mに配置された際において、前記両クランプ11・12の係止点B1・B2が、前記各クランプ11・12の支点A1・A2を回転中心点として回転したときの角度θを定義するステップと、
を有する、前記各クランプ11・12の支点A1・A2でのワイヤーハーネス10の角度θの変化を定義する方法、とするものである。
図1に示すごとく、本実施例では、ワイヤーハーネス10が二つのクランプ11・12にて支持されており、両クランプ11・12間におけるワイヤーハーネス10の可動範囲を検討する場合において適用されるものである。
また、前記設置脚11dは、長板状の支持台11cより突設されている。
また、前記支持台11cの両端部には、係止部11a・11bが設けられており、両係止部11a・11bによってワイヤーハーネス10が支持台11cに対して括りつけられる構成となっている。
また、図2に示すごとく、前記支点A1から、前記係止点B1までの距離は、距離aとして定義される。
尚、前記支点A1と、係止点B1の座標位置が一致する場合には、前記距離aはゼロとされる。
そして、この係止点B1・B2の座標位置が、ワイヤーハーネス10が移動することにより、移動後の係止点C1・C2の座標位置へと変更されることとなる。
この係止点B1・B2の係止点C1・C2への移動は、前記各クランプ11・12が前記支点A1・A2を中心として回転することで実現されるものとしている。
そして、この係止点B1・B2の座標位置の変化は、角度θにて表現されるものとしている。
また、前記ワイヤーハーネス10の前記支点A1・A2を結ぶ経路における距離は、長さHとして定義される。ワイヤーハーネス10は、この長さHを保つ範囲、つまりは、伸びが生じない範囲にて可動することとなっている。
また、前記中点Dに、前記ワイヤーハーネス10の最小曲げ半径Rを半径とする円20が定義される。
尚、この最小曲げ半径Rは、ワイヤーハーネス10の種別に対応して定義されるものであり、予めデータベースとして保持され自動的に抽出されたり、オペレータの入力作業により定義されたりする。
この円20の移動の範囲は、前記ワイヤーハーネス10の長さHが維持される範囲、即ち、ワイヤーハーネス10の移動後の経路長が、前記長さHと一致する範囲とされる。
そして、前記円20の移動量が最大となるときの、前記円20の位置が、最大移動位置Mとして定義される。
即ち、図1における中点Dの左側の部位において、前記支点A1から係止点C1の間の距離を、距離aと定義する。
また、前記係止点C1から前記円20の接点F1までの距離を、距離Lと定義する。
また、前記各支点A1・A2間の距離を、距離Wと定義する。
また、前記係止点C2から前記円20の接点F2までの距離も、同様に、距離Lと定義される。
また、前記円20に接する区間F1〜F2の距離を、前記角度θ、及び、最小曲げ半径Rを用いて、距離2θRとして定義する。
また、前記交点Eと前記中点Dの距離を、前記角度θ、及び、最小曲げ半径Rを用いて、距離Rsinθとして定義する。
上段の式(1)は、ワイヤーハーネス10の長さHに着目した式である。
下段の式(2)は、左側に形成される三角形(A1、E、F1)につき、底辺の長さに着目した式である。
この連立方程式において、
「長さ:H」
「距離:a」
「最小曲げ半径:R」
「距離:W」
は、その都度、設定される値である。例えば、オペレータによるコンピュータ操作によって、適宜入力・設定される値である。
また、
「距離:L」
「角度:θ」
の二つが未知数である。
そして、以上の各値を入力して連立式を解くことで、前記角度θを得ることができる。
より具体的には、前記係止点B1・B2の座標位置から、半径の長さを前記距離aとする円弧上において、角度θ移動させた位置を、前記係止点C1・C2の座標位置として定義することができる。
また、この角度θの結果は、ワイヤーハーネス10の可動範囲のシミュレーションにつき、種々のシミュレーションに適用可能であり、特に、そのシミュレーションの種別に限定されるものでもない。
即ち、線条材としてのワイヤーハーネス10を、複数の係止部材としての各クランプ11・12にて係止点B1・B2で係止する場合における、前記両クランプ11・12間でのワイヤーハーネス10の可動範囲を検討するに際し、前記ワイヤーハーネス10が、前記各クランプ11・12の支点A1・A2を回転中心として回転したときの、前記支点A1・A2におけるワイヤーハーネス10の角度θの変化を定義する装置であって、
前記両クランプ11・12の係止点B1・B2間に配置される前記ワイヤーハーネス10の長さHを定義する手段と、
前記各クランプ11・12の各支点A1・A2と前記各係止点B1・B2との間の距離aを定義する手段と、
前記最小曲げ半径Rをワイヤーハーネス10の種別に応じて定義する手段と、
前記各クランプ11・12の各支点A1・A2間の距離Wを定義する手段と、
前記両クランプ11・12の係止点B1・B2を結ぶ線上の中点Dに、前記ワイヤーハーネス10の最小曲げ半径Rを半径とする円20を定義する手段と、
前記円20を、前記ワイヤーハーネス10の長さHを維持しつつ、前記係止点B1・B2を結ぶ線Gと直交する方向に移動させた際における、前記円20の移動量が最大となる最大移動位置Mを定義する手段と、
前記円20が前記最大移動位置Mに配置された際において、前記係止点B1・B2が、前記各クランプ11・12の支点A1・A2を回転中心点として回転したときの角度θを定義する手段と、
を有する、前記各クランプ11・12の支点A1・A2でのワイヤーハーネス10の角度θの変化を定義する装置、とするものである。
即ち、線条材としてのワイヤーハーネス10を、複数の係止部材としての各クランプ11・12にて係止点B1・B2で係止する場合における、前記両クランプ11・12間でのワイヤーハーネス10の可動範囲を検討するに際し、前記ワイヤーハーネス10が、前記各クランプ11・12の支点A1・A2を回転中心として回転したときの、前記支点A1・A2におけるワイヤーハーネス10の角度θの変化を定義するために、コンピュータを、
前記両クランプ11・12の係止点B1・B2間に配置される前記ワイヤーハーネス10の長さHを定義する手段、
前記各クランプ11・12の各支点A1・A2と前記各係止点B1・B2との間の距離aを定義する手段、
前記最小曲げ半径Rをワイヤーハーネス10の種別に応じて定義する手段、
前記各クランプ11・12の各支点A1・A2間の距離Wを定義する手段、
前記両クランプ11・12の係止点B1・B2を結ぶ線上の中点Dに、前記ワイヤーハーネス10の最小曲げ半径Rを半径とする円20を定義する手段、
前記円20を、前記ワイヤーハーネス10の長さHを維持しつつ、前記係止点B1・B2を結ぶ線Gと直交する方向に移動させた際における、前記円20の移動量が最大となる最大移動位置Mを定義する手段、
前記円20が前記最大移動位置Mに配置された際において、前記係止点B1・B2が、前記各クランプ11・12の支点A1・A2を回転中心点として回転したときの角度θを定義する手段、
として機能させるための、前記各クランプ11・12の支点A1・A2でのワイヤーハーネス10の角度θの変化を定義するためのプログラム、とするものである。
11 クランプ
12 クランプ
A1 支点
A2 支点
B1 係止点
B2 係止点
θ 角度
Claims (3)
- 線条材を、複数の係止部材にて係止点で係止する場合における、前記両係止部材間での前記線条材の可動範囲を検討するに際し、前記線条材が、前記各係止部材の支点を回転中心として回転したときの、前記支点における線条材の角度の変化を定義する方法であって、
前記両係止部材の係止点を結ぶ線上の中点に、前記線条材の最小曲げ半径を半径とする円を定義するステップと、
前記円を、前記線条材の長さを維持しつつ、前記係止点を結ぶ線と直交する方向に移動させた際における、前記円の移動量が最大となる最大移動位置を定義するステップと、
前記円が前記最大移動位置に配置された際において、前記係止点が、前記各係止部材の支点を回転中心点として回転したときの角度を定義するステップと、
を有する、係止部材の支点での線条材の角度の変化を定義する方法。 - 線条材を、複数の係止部材にて係止点で係止する場合における、前記両係止部材間での前記線条材の可動範囲を検討するに際し、前記線条材が、前記各係止部材の支点を回転中心として回転したときの、前記支点における線条材の角度の変化を定義する装置であって、
前記両係止部材の係止点間に配置される前記線条材の長さを定義する手段と、
前記各係止部材の各支点と前記各係止点との間の距離を定義する手段と、
前記最小曲げ半径を線条材の種別に応じて定義する手段と、
前記各係止部材の各支点間の距離を定義する手段と、
前記両係止部材の係止点を結ぶ線上の中点に、前記線条材の最小曲げ半径を半径とする円を定義する手段と、
前記円を、前記線条材の長さを維持しつつ、前記係止点を結ぶ線と直交する方向に移動させた際における、前記円の移動量が最大となる最大移動位置を定義する手段と、
前記円が前記最大移動位置に配置された際において、前記係止点が、前記各係止部材の支点を回転中心点として回転したときの角度を定義する手段と、
を有する、係止部材の支点での線条材の角度の変化を定義する装置。 - 線条材を、複数の係止部材にて係止点で係止する場合における、前記両係止部材間での前記線条材の可動範囲を検討するに際し、前記線条材が、前記各係止部材の支点を回転中心として回転したときの、前記支点における線条材の角度の変化を定義するために、コンピュータを、
前記両係止部材の係止点間に配置される前記線条材の長さを定義する手段、
前記各係止部材の各支点と前記各係止点との間の距離を定義する手段、
前記最小曲げ半径を線条材の種別に応じて定義する手段、
前記各係止部材の各支点間の距離を定義する手段、
前記両係止部材の係止点を結ぶ線上の中点に、前記線条材の最小曲げ半径を半径とする円を定義する手段、
前記円を、前記線条材の長さを維持しつつ、前記係止点を結ぶ線と直交する方向に移動させた際における、前記円の移動量が最大となる最大移動位置を定義する手段、
前記円が前記最大移動位置に配置された際において、前記係止点が、前記各係止部材の支点を回転中心点として回転したときの角度を定義する手段、
として機能させるための、係止部材の支点での線条材の角度の変化を定義するためのプログラム。
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