以下、本発明の実施形態に係る設計支援装置1を、図面を参照して説明する。
設計支援装置1は、自装置が有する3次元CAD(Computer-Aided Design)機能により表示される仮想の3次元空間(以後、「3次元仮想空間」と称する)にケーブルを配線する設計の支援を行う装置である。設計支援装置1は、図1に示すように、演算部10と、記憶部20と、入力部30と、表示部40と、インターフェイス50と、バスラインBLと、を備えている。
演算部10は、配線の設計の際、3次元仮想空間を表す設計用画面を表示すると共に、過去に実際に配線されたケーブル(実配線されたケーブル)の特徴を表す特徴量を表示する。また、演算部10は、設計された配線が、実際の3次元空間、即ち、3次元実空間に、実際に適用できるか否かを、特徴量を利用して検証を行う。演算部10は、図示しないCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read only Memory)およびRAM(Random Access Memory)を備えている。
CPUは、ROMに格納されたプログラム(例えば、後述する図6から図8に示したフローチャートの処理)を実行する。
また、演算部10は、CPUがROMに格納されたプログラムを実行することにより、配線設計支援部11と、配線検証部12と、検証結果表示部13と、設計情報選択部14と、特徴量取得部15と、識別情報受付部16と、特徴量表示制御部17と、の機能を実現する。
配線設計支援部11は、3次元CAD機能を実現する。配線設計支援部11は、3次元仮想空間を表示部40に表示し、3次元仮想空間内で、ケーブルが配置される配置面にケーブルを配線する設計を支援する。具体的には、配線設計支援部11は、3次元仮想空間内に配線されたケーブルの外周上の座標、配線設計されたケーブルの固定位置の座標、およびケーブルが配線設計された3次元仮想空間の壁面上の座標を、入力部30を介して取得する。なお、これら3つの座標を、以後、「設計座標群」と称する。
また、配線設計支援部11は、配線設計の開始時に、設計に使用するケーブルを特定するケーブル名、3次元仮想空間の形状(例えば、直線のみ或いは曲げあり等)、および3次元仮想空間の断面形状(例えば、円形或いは矩形等)からなる情報、即ち、配線設計データにおけるケーブル情報を、入力部30を介して取得する。受け付けた配線設計データにおけるケーブル情報は、配線設計データ(設計座標群)と対応付けられて、設計情報記憶部22に記憶される。
配線検証部12は、配線設計支援部11で受け付けられた配線設計データが、実際の3次元空間内、即ち、3次元実空間内に、実際に適用できるか否かを、過去に実際に配線されたケーブル(実配線されたケーブル)の特徴を表す特徴量を利用して検証を行う。
具体的には、配線検証部12は、配線設計データ(設計座標群)から、配線設計における余裕度(仮想の余裕度)、隔離距離(仮想の隔離距離)、曲げ半径(仮想の曲げ半径)および固定間隔(仮想の固定間隔)の4つを求め、それらが、特徴量(具体的には、余裕度条件、隔離距離条件、曲げ半径条件および固定間隔条件の4つ)を満たしているか否かの検証を行う。以後、これら4つの特徴量を、配線条件と称する。
余裕度とは、設計におけるケーブルの全長と、3次元仮想空間内に最短の長さとなるようケーブルを仮に配線した場合におけるケーブルの全長との比であり、余裕度条件とは、過去の実配線におけるケーブルの全長と、実配線された3次元実空間内に最短の長さとなるようケーブルを仮に配線した場合におけるケーブルの全長との比である。
隔離距離とは、設計におけるケーブルと、3次元仮想空間を構成する壁面との複数の箇所における距離であり、隔離距離条件とは、過去の実配線におけるケーブルと、実配線された3次元実空間を構成する壁面との複数の箇所における距離のうち、最も短い距離である。
曲げ半径とは、設計でケーブルに曲げが発生している箇所におけるケーブルの曲げ半径であり、曲げ半径条件とは、過去の実配線におけるケーブルの曲げ半径のうち、最も短い半径である。
固定間隔とは、設計においてケーブルが3次元仮想空間を構成する壁面に固定された間隔であり、固定間隔条件とは、過去の実配線においてケーブルが3次元実空間を構成する壁面に固定された間隔のうち、最も長い間隔である。
検証結果表示部13は、配線検証部12により検証された結果を表示部40に表示する。
設計情報選択部14は、配線検証部12で検証を行う対象となる設計座標群を特定する情報である設計番号(図4参照)の、入力部30を介した設計者からの入力を受け付ける。
特徴量取得部15は、外部の測定装置を用いて測定された、3次元実空間におけるケーブルの配置面を特定する座標群および配置面に配線されたケーブルの位置を特定する座標群を、外部の測定装置からインターフェイス50を介して取得する。具体的には、特徴量取得部15は、3次元実空間に実配線されたケーブルの外周上の複数の箇所における座標、実配線されたケーブルが固定された座標、およびケーブルが実配線された3次元実空間の壁面上の複数の箇所における座標を取得する。なお、これら3つの座標を、測定座標群と称する。
また、特徴量取得部15は、測定座標群のうち、実配線されたケーブルの外周上の座標とケーブルが実配線された3次元実空間の壁面上の座標とから、実配線におけるケーブルの配線経路、余裕度条件、隔離条件、曲げ半径条件を求める。加えて、特徴量取得部15は、測定座標群のうち、実配線されたケーブルが固定された座標を用いて、固定間隔条件を求める。このようにして、特徴量取得部15は、配線条件(特徴量)を求める。
ここで、特徴量取得部15が、測定座標群を用いて、ケーブルの配線経路および配線条件(余裕度条件、隔離距離条件、曲げ半径条件および固定間隔条件)を求める方法について、図2を参照して説明する。
実配線されたケーブルCおよびケーブルCが実配線された3次元実空間における配置面の模式図を、図2(a)に示し、ケーブルが実配線された配置面に最短の長さとなるようケーブルCを仮に配線した場合におけるケーブルの模式図を、図2(b)に示す。なお、図2においては、外部の測定装置から取得した座標群、即ち、測定座標群を黒丸で示している。
この測定座標群は、3次元実空間にケーブルを実配線後、3次元実空間の壁面SおよびケーブルCを、エックス線CT(Computerized Tomography)スキャン装置で3次元形状として測定した結果から抽出した座標を用いればよい。その他にも、3次元実空間の壁面SおよびケーブルCに細いチューブを沿わせ、そのチューブに温水または冷水を注水し、それを赤外線カメラで測定した結果から抽出した座標を用いてもよい。なお、本実施形態では、外部の測定装置から取得する測定座標群には、壁面Sの座標群、ケーブルCの外周上の座標群、ケーブルCの中点の座標群、ケーブルの固定位置の座標群といった各座標の属性を対応付けている。よって、特徴量取得部15は、取得された測定座標群を用いて、ケーブルの配線経路および配線条件を精度良く求めることができる。
ケーブルの配置経路を求める場合、特徴量取得部15は、ケーブルCが実配線された3次元実空間の壁面Sの座標から、壁面Sの形状(配置面)を求める。また、特徴量取得部15は、ケーブルCの外周上の座標から、ケーブルCの形状を求める。特徴量取得部15は、求めた壁面Sの形状およびケーブルCの形状を合成することで(重ね合わせることで)、ケーブルCの配置経路(図3参照)を求める。このケーブルの配線経路は、配線設計時に、表示部40に表示させることができるので、設計者は、表示された配線経路を参考にして、配線設計を行うことができる。
また、余裕度条件を求める場合、特徴量取得部15は、まず、図2(b)に示すように、実配線された配置面に最短の長さとなるようケーブルCを仮に配線した場合におけるケーブルCの全長L’を求める。具体的には、特徴量取得部15は、壁面Sの座標群から壁面Sの長さが最短となる座標群を検索し、その座標群を繋ぎ合せたときの全長を求め、これをケーブルCの最短の全長L’とする。次に、特徴量取得部15は、図2(a)に示すように、ケーブルCの中点の座標群から、ケーブルCの実配線における全長Lを求める。そして、特徴量取得部15は、過去の実配線におけるケーブルCの全長Lと、実配線された配置面に最短の長さとなるようケーブルCを仮に配線した場合におけるケーブルCの全長L’との比である全長L/全長L’を求めることで、余裕度を求める。この実配線から求めた余裕度が、ケーブルCに局部的な圧力をかけることのない実配線の際の限界の余裕度、即ち、余裕度条件となる。配線検証部12は、この余裕度条件に基づき、配線設計における余裕度を検証する。
また、実配線における隔離距離を求める場合、特徴量取得部15は、図2(a)に示すように、ケーブルCの中点の座標毎に、中点の座標の最も近くに位置する壁面Sの座標を検索する。次に、特徴量取得部15は、検索した壁面Sの座標群と、ケーブルCの中点の座標群とを用いて、図2(a)に示すように、ケーブルCの中点の座標毎に、隔離距離dを求める。そして、特徴量取得部15は、求めた隔離距離dのうち、最短の隔離距離dを求める。この実配線から求めた最短の隔離距離dが、壁面Sからの熱や凹み等の影響をケーブルCが受けない実配線の際の限界の隔離距離d、即ち、隔離距離条件となる。配線検証部12は、この隔離距離条件に基づき、配線設計における隔離距離を検証する。
また、実配線における曲げ半径を求める場合、特徴量取得部15は、ケーブルCの中点の座標群から、ケーブルCの一方の端部に位置する座標A(図2(a)参照)を始点として、連続する3つの座標を選ぶ。そして、特徴量取得部15は、選んだ3つの座標を直線で繋いだ場合、直線同士が形成する角度が180度未満である所定の角度(例えば、135度)以下となるか否かを判定する。形成される角度が所定の角度以下である場合、特徴量取得部15は、選んだ3つの座標を用いて、ケーブルCの曲げ半径Rを求める。具体的には、特徴量取得部15は、図2(a)の拡大図に示すように、選んだ3つの座標を直線で繋ぎ、各辺の垂直2等分線が、選んだ3つの座標を含む平面上で交わる点、即ち、選んだ3つの座標に接する外接円の中心を求める。次に、特徴量取得部15は、求めた外接円の中心と、選んだ3つの座標のうちの例えば、2番目にある座標との距離を求めることで、曲げ半径Rを求める。特徴量取得部15は、この処理を、ケーブルCの他方の端部に位置する中点の座標(座標B)が、3つの座標の3番目として選択されるまで、繰り返し実行して、ケーブルCの中点の座標(ケーブルCの両端部の中点の座標を除く)における曲げ半径Rを求める。そして、特徴量取得部15は、求めた曲げ半径Rのうちの最短の曲げ半径Rを求める。この実配線から求めた最短の曲げ半径Rが、ケーブルCの芯に過度な圧力がかからない実配線の際の限界の曲げ半径R、即ち、曲げ半径条件となる。配線検証部12は、この曲げ半径条件に基づき、配線設計における曲げ半径を検証する。
また、固定間隔を求める場合、特徴量取得部15は、図2(a)に示すように、ケーブルの固定位置の座標群から、隣接する固定具T同士の距離である固定間隔fを、固定具Tの間隔毎に求める。そして、特徴量取得部15は、求めた固定間隔fのうちの最長の固定間隔fを求める。この実配線から求めた最長の固定間隔fが、ケーブルCに緩みを発生させない実配線の際の限界の固定間隔f、即ち、固定間隔条件となる。配線検証部12は、この固定間隔条件に基づき、配線設計における固定間隔を検証する。
図1の識別情報受付部16は、特徴量取得部15により求められたケーブルの配線経路および配線条件(余裕度条件、隔離距離条件、曲げ半径条件および固定間隔条件)と対応付けて配線情報記憶部21に記憶される実配線におけるケーブル情報(実配線されたケーブルを識別する識別情報、具体的には、ケーブル名、3次元実空間の形状および3次元実空間の断面形状)の入力を、入力部30を介して設計者から受け付ける。識別情報受付部16は、実配線におけるケーブル情報の入力を受け付けると、それらを、特徴量取得部15により求められたケーブルの配線経路および配線条件と対応付けて、配線情報記憶部21に配線情報として記憶させる。
特徴量表示制御部17は、ケーブルの配線経路および配線条件を配線情報記憶部21から読み出して、配線設計支援部11によって表示された設計用画面(ケーブルを配線する設計を支援する画面)と共に表示部40に表示する。また。特徴量表示制御部17は、配線検証部12による検証の際に使用する配線条件を配線情報記憶部21から読み出す。
具体的には、特徴量表示制御部17は、配線設計支援部11による配線設計の際には、配線設計支援部11により設計開始時に受け付けられた配線設計におけるケーブル情報(ケーブル名、3次元仮想空間の形状および3次元仮想空間の断面形状)を用いて、ケーブルの配線経路および配線条件を、配線情報記憶部21から読み出す。そして、読み出したケーブルの配線経路および配線条件を、配線設計支援部11によって表示された設計用画面と共に表示部40に表示する。
また、特徴量表示制御部17は、配線検証部12による検証の際には、設計情報選択部14により受け付けられた設計番号に対応付けて設計情報記憶部22に記憶されている配線設計におけるケーブル情報(ケーブル名、3次元仮想空間の形状および3次元仮想空間の断面形状)を用いて、配線条件を配線情報記憶部21から読み出す。
記憶部20は、例えば、ハードディスク装置であり、インターフェイス50を介して受信した情報を記憶する。記憶部20は、配線情報記憶部21および設計情報記憶部22を備えている。
配線情報記憶部21は、特徴量取得部15により求められた実配線におけるケーブルの配線経路および配線条件(余裕度条件、隔離距離条件、曲げ半径条件および固定間隔条件)を、識別情報受付部16が受け付けた実配線におけるケーブル情報(ケーブル名、3次元実空間の形状および3次元実空間の断面形状)に対応付けた配線情報を記憶する。この対応付けは、識別情報受付部16が行う。
配線情報記憶部21に記憶される配線情報は、図3に示すように、実配線されたケーブル名、3次元実空間の形状、3次元実空間の断面形状、ケーブルの配線経路、余裕度条件、隔離距離条件、曲げ半径条件および固定間隔条件の8つの情報から構成される。
設計情報記憶部22は、配線設計支援部11が取得した設計座標群を、具体的には、3次元仮想空間内に配線設計されたケーブルの外周上の座標、配線設計されたケーブルの固定位置の座標、およびケーブルが配線設計された3次元仮想空間の壁面上の座標を、設計開始時に配線設計支援部11が受け付けたケーブル情報(ケーブル名、3次元仮想空間の形状および3次元仮想空間の断面形状)に対応付けた設計情報を記憶する。この対応付けは、配線設計支援部11が行う。
設計情報記憶部22に記憶される設計情報は、図4に示すように、設計番号、ケーブル名、3次元仮想空間の形状、3次元仮想空間の断面形状および設計座標群の5つの情報から構成される。なお、設計番号は、設計情報を設計情報記憶部22に記憶する際、演算部10により自動的に割り振られる。
ここで、設計座標群を用いて、配線検証部12が、配線設計における余裕度、隔離距離、曲げ半径および固定間隔を求める方法について説明する。
配線設計における余裕度を求める場合、配線検証部12は、図2(a)に示す配線設計が行われているとすると、設計座標群に含まれる3次元仮想空間における配置面の座標群(壁面Sの座標群)から、壁面Sの長さが最短となる座標群を検索し、図2(b)に示すように、ケーブルCの全長が最短となるように配置面にケーブルCを配線した場合のケーブルCの全長L’を求める。これは、配線検証部12が、壁面Sの座標群から壁面Sの長さが最短となる座標群を検索し、その座標群を繋ぎ合せたときの全長を求め、これをケーブルCの最短の全長L’とすることで求めることができる。次に、配線検証部12は、ケーブルCの中点の座標群から、ケーブルCの配線設計における全長Lを求める。そして、配線検証部12は、全長L/全長L’を算出して、配線設計における余裕度を求める。
また、配線設計における隔離距離を求める場合、配線検証部12は、図2(a)に示す配線設計が行われているとすると、設計座標群に含まれるケーブルCの中点の座標群に対して最も近くに位置する壁面Sの座標群を、ケーブルCの中点の座標毎に検索し、その検索した壁面Sの座標とケーブルCの中点の座標とを用いて、配線設計における隔離距離dを、ケーブルCの中点の座標毎に求める。
また、配線設計における曲げ半径を求める場合、配線検証部12は、図2(a)に示す配線設計が行われているとすると、設計座標群に含まれるケーブルCの中点の座標群から、ケーブルCの一方の端部に位置する中点の座標(座標A)を始点として、連続する3つの座標を選ぶ。そして、配線検証部12は、選んだ3つの座標を直線で繋ぐと、2つの直線が形成する角度が180度未満の所定の角度(例えば、135度)以下となるか否かを判定する。形成される角度が所定の角度以下である場合、配線検証部12は、図2(a)の拡大図で示すように、連続する3点を直線で繋ぎ、各辺の垂直2等分線が、連続する3点で形成される平面上で交わる点、即ち、外接円の中心を求める。次に、配線検証部12は、求めた外接円の中心と、連続する3つの座標のうちの例えば、2番目にある座標との距離を求めることで、曲げ半径Rを求める。配線検証部12は、これを、ケーブルCの他方の端部に位置する中点の座標(図2(a)の座標B)が3つの座標の3番目として選択されるまで、繰り返し実行して、ケーブルCの両端部の中点の座標を除いた各中点の座標ごとに、配線設計における曲げ半径Rを求める。
更に、配線設計における固定間隔を求める場合、配線検証部12は、図2(a)に示す配線設計が行われているとすると、設計座標群に含まれるケーブルの固定位置の座標群から、隣接する固定具T同士の距離である固定間隔fを、固定具Tの間隔毎に求める。このようにして、配線検証部12は、配線設計における固定間隔fを求める。
上述の方法で、配線検証部12は、配線設計における余裕度、隔離距離、曲げ半径および固定間隔を求める。
入力部30は、設計者からの各種情報の入力や各種指示の入力を受け付ける。入力部30は、例えば、キーボードである。
表示部40は、各種情報の表示を行う。表示部40は、例えば、液晶ディスプレイである。
インターフェイス50は、外部の測定装置から送信される測定座標群を受信する。
バスラインBLは、演算部10と、記憶部20と、入力部30と、表示部40と、インターフェイス50と、を相互に接続する。
設計支援装置1の動作は、図5に示す通りとなる。
まず、配線設計支援部11は、3次元仮想空間を表示部40に表示し、3次元仮想空間内で、配置面にケーブルを配線する設計を支援する。具体的には、配線設計支援部11は、3次元仮想空間内に配線されたケーブルの外周上の座標、配線設計されたケーブルの固定位置の座標、およびケーブルが配線設計された3次元仮想空間の壁面上の座標(設計座標群)を、入力部30を介して取得する。
このとき、配線設計支援部11は、配線設計におけるケーブル情報(ケーブル名、3次元仮想空間の形状および3次元仮想空間の断面形状)の受け付けも行う。配線設計支援部11で配線設計におけるケーブル情報が受け付けられると、このケーブル情報を使用して、特徴量表示制御部17は、実配線におけるケーブルの配線経路および配線条件を、配線情報記憶部21に記憶された配線情報から読み出し、表示部40に表示する。
設計者からの配線設計完了が入力部30を介して配線設計支援部11で受け付けられると、配線設計支援部11は、設計座標群と、設計開始時に配線設計支援部11が受け付けた配線設計におけるケーブル情報とを対応付け、設計情報として設計情報記憶部22に記憶する。
その後、配線設計の検証が入力部30を介して指示されると、配線検証部12は、配線設計支援部11で受け付けられたケーブル配線設計が、実配線として適用できるか否かを、配線条件を利用して検証を行う。
検証の際には、まず、設計情報選択部14は、配線検証部12で検証を行う対象となるケーブル配線設計(設計座標群)を特定する情報である設計番号(図4参照)の、入力部30を介した設計者からの入力を受け付ける。
すると、配線検証部12は、設計情報選択部14で受け付けられた設計番号に対応付けて記憶されている設計座標群を設計情報記憶部22から取得し、取得した設計座標群から、配線設計における余裕度、隔離距離、曲げ半径および固定間隔を求める。
その後、配線検証部12は、求めた余裕度、隔離距離、曲げ半径および固定間隔が、配線条件を満たしているか否かを検証する。ここで使用される配線条件は、設計情報選択部14により受け付けられた設計番号に対応付けて設計情報記憶部22に記憶されているケーブル情報を用いて、特徴量表示制御部17が、配線情報記憶部21の配線情報から読み出した配線条件である。
配線検証部12による検証が終了すると、検証結果表示部13は、検証結果を表示部40に表示する。
ここで、配線情報記憶部21に記憶される配線情報は、特徴量取得部15が求めた情報(配線条件およびケーブルの配線経路)と、識別情報受付部16によって受け付けられた実配線におけるケーブル情報とを、識別情報受付部16が対応付けることで生成される。
また、特徴量取得部15は、配線情報記憶部21に記憶されるケーブルの配線経路および配線条件を、外部の測定装置からインターフェイス50を介して受信した測定座標系を用いて求める。
次に、配線情報記憶部21に記憶される配線情報を生成する配線情報処理を、図6を参照して説明する。配線情報処理は、設計者からの配線情報の生成指示が入力部30を介して受け付けられた場合に、演算部10により実行される。
配線情報処理では、まず、演算部10(特徴量取得部15)は、インターフェイス50を介して、外部の測定装置から測定座標群を取得する(ステップS1)。
次に、演算部10(特徴量取得部15)は、取得した測定座標系を用いて、ケーブルの配線経路を求める(ステップS2)。具体的には、特徴量取得部15は、次のようにして、ケーブルの配線経路を求める。即ち、演算部10(特徴量取得部15)は、取得した測定座標系に含まれる3次元実空間の壁面Sの座標から、壁面Sの形状を求める。また、演算部10(特徴量取得部15)は、ケーブルの外周上の座標から、ケーブルの形状を求める。演算部10(特徴量取得部15)は、求めたケーブルの形状と、求めた壁面Sの形状を合成することで(重ね合わせることで)、ケーブルの配置経路(図3参照)を求める。
その後、演算部10(特徴量取得部15)は、取得した測定座標系を用いて、余裕度条件を求める(ステップS3)。具体的には、例えば図2(a)に示す実配線が行われている場合、演算部10(特徴量取得部15)は、取得した測定座標系に含まれる壁面Sの座標群から壁面Sの長さが最短となる座標群を検索し、図2(b)に示すように、ケーブルCの全長が最短となるように3次元空間にケーブルCを配線した場合のケーブルCの全長L’を求める。これは、演算部10(特徴量取得部15)が、壁面Sの座標群から壁面Sの長さが最短となる座標群を検索し、その座標群を繋ぎ合せたときの全長を求め、これをケーブルCの最短の全長L’とすることで求めることができる。次に、演算部10(特徴量取得部15)は、ケーブルCの中点の座標群から、ケーブルCの実配線における全長Lを求める。そして、演算部10(特徴量取得部15)は、全長L/全長L’を算出して、実配線における余裕度を求める。演算部10(特徴量取得部15)は、これを、余裕度条件とする。
次に、演算部10(特徴量取得部15)は、取得した測定座標系を用いて、隔離距離条件を求める(ステップS4)。具体的には、例えば図2(a)に示す実配線が行われている場合、演算部10(特徴量取得部15)は、ケーブルCの中点の座標毎に、中点の座標の最も近くに位置する壁面Sの座標を検索する。次に、演算部10(特徴量取得部15)は、求めた壁面Sの座標群と、ケーブルCの中点の座標群とを用いて、ケーブルCの中点の座標毎に、実配線における隔離距離dを求める。そして、演算部10(特徴量取得部15)は、求めた実配線における隔離距離dのうち、最短の隔離距離dを求める。演算部10(特徴量取得部15)は、求めた最短の隔離距離dを、隔離距離条件とする。
そして、演算部10(特徴量取得部15)は、取得した測定座標系を用いて、曲げ半径条件を求める(ステップS5)。具体的には、例えば図2(a)に示す実配線が行われている場合、演算部10(特徴量取得部15)は、まず、ケーブルCの中点の座標群から、ケーブルCの一方の端部に位置する座標Aを始点として、連続する3つの座標を選ぶ。そして、演算部10(特徴量取得部15)は、選んだ3つの座標を直線で繋いだ場合、直線同士が形成する角度が180度未満である所定の角度(例えば、135度)以下となるか否かを判定する。形成される角度が所定の角度以下である場合、演算部10(特徴量取得部15)は、選んだ3つの座標を直線で繋ぎ、各辺の垂直2等分線が、選んだ3つの座標を含む平面上で交わる点、即ち、選んだ3つの座標に接する外接円の中心を求める。次に、演算部10(特徴量取得部15)は、求めた外接円の中心と、選んだ3つの座標のうちの例えば、2番目にある座標との距離を求めることで、実配線における曲げ半径Rを求める。特徴量取得部15は、この処理を、ケーブルCの他方の端部に位置する中点の座標(座標B)が、3つの座標の3番目として選択されるまで、繰り返し実行して、ケーブルCの中点の座標(ケーブルCの両端部の中点の座標を除く)における曲げ半径Rを求める。演算部10(特徴量取得部15)は、求めた実配線における曲げ半径Rのうち最短の曲げ半径Rを、曲げ半径条件とする。
次に、演算部10(特徴量取得部15)は、取得した測定座標系を用いて、固定間隔条件を求める(ステップS6)。具体的には、例えば図2(a)に示す実配線が行われている場合、演算部10(特徴量取得部15)は、測定座標系に含まれるケーブルの固定位置の座標群から、隣接する固定具T同士の距離である固定間隔fを、固定具Tの間隔毎に求める。演算部10(特徴量取得部15)は、求めた実配線における固定間隔fのうち最長の固定間隔fを、固定間隔条件とする。
次に、演算部10(識別情報受付部16)は、特徴量取得部15により求められたケーブルの配線経路および配線条件(余裕度条件、隔離距離条件、曲げ半径条件および固定間隔条件)と対応付けられる実配線におけるケーブル情報(ケーブル名、3次元実空間の形状および3次元実空間の断面形状)の入力画面を表示部40に表示する(ステップS7)。3次元実空間の形状は、例えば、直線のみ或いは曲げありや、Uの字状あり等と入力され、3次元実空間の断面形状は、例えば、円形や矩形等と入力される。
そして、演算部10(識別情報受付部16)は、実配線におけるケーブル情報が入力部30を介して設計者により入力されたか否かを判定する(ステップS8)。
演算部10(識別情報受付部16)は、入力されたと判定すると(ステップS8:Yes)、ステップS9へ移行する一方、入力されていないと判定すると(ステップS8:No)、ステップS7へ戻る。
ステップS9では、演算部10(識別情報受付部16)は、入力された実配線におけるケーブル情報(ケーブル名、3次元実空間の形状および3次元実空間の断面形状)と、ステップS2〜ステップS6で特徴量取得部15により求められたケーブルの配線経路および配線条件(余裕度条件、隔離距離条件、曲げ半径条件および固定間隔条件)とを対応付けて、配線情報として、配線情報記憶部21に記憶する(ステップS9)。
その後、演算部10は、この配線情報処理を終了する。
次に、配線設計を行う配線設計処理を、図7を参照して説明する。配線設計処理は、配線設計開始の指示が入力部30を介して受け付けられた場合に、演算部10により実行される。
配線設計処理では、まず、演算部10(配線設計支援部11)は、配線設計におけるケーブル情報、即ち、配線設計に使用するケーブル名、3次元仮想空間の形状および3次元仮想空間の断面形状の入力を要求する画面を表示部40に表示して、設計者からの入力を受け付ける(ステップS21)。
次に、演算部10(配線設計支援部11)は、配線設計におけるケーブル情報の入力の受付が完了したか否かを判定する(ステップS22)。
演算部10(配線設計支援部11)は、入力の受付が完了していないと判定すると(ステップS22:No)、ステップS21へ戻る。
一方、演算部10(配線設計支援部11)は、入力の受付が完了したと判定すると(ステップS22:Yes)、ステップS23へ移行する。
ステップS23では、演算部10(特徴量表示制御部17)は、ステップS21で入力された配線設計におけるケーブル情報(ケーブル名、3次元仮想空間の形状および3次元仮想空間の断面形状)を用い、入力されたケーブル情報に合致するケーブルの配線経路および配線条件を、配線情報記憶部21から読み出す(ステップS23)。
具体的には、演算部10(特徴量表示制御部17)は、配線情報記憶部21に記憶された配線情報から、ステップS21で入力されたケーブル名、3次元仮想空間の形状および3次元仮想空間の断面形状と合致するケーブル名、3次元実空間の形状および3次元実空間の断面形状を検索する。演算部10(特徴量表示制御部17)は、合致するケーブル名、3次元実空間の形状および3次元実空間の断面形状、即ち、実配線におけるケーブル情報が検索できた場合(実配線におけるケーブル情報が配線情報記憶部21に記憶されている場合)、その実配線におけるケーブル情報に対応付けて記憶されているケーブルの配線経路および配線条件を、配線情報記憶部21から読み出す。
次に、演算部10(特徴量表示制御部17)は、ステップS23で読み出したケーブルの配線経路および配線条件を、演算部10(配線設計支援部11)が表示する設計用画面と共に、表示部40に表示する(ステップS24)。また、演算部10(配線設計支援部11)は、設計用画面の表示により、配線設計の支援を行う(ステップS24)。
その後、演算部10(配線設計支援部11)は、設計者からの配線設計完了の指示が、入力部30で受け付けられたか否かを判定する(ステップS25)。
演算部10(配線設計支援部11)は、配線設計完了の指示が受け付けられていないと判定すると(ステップS25:No)、ステップS24へ戻る。
一方、演算部10(配線設計支援部11)は、配線設計完了の指示が受け付けられたと判定すると(ステップS25:Yes)、その時点における設計座標群を、即ち、3次元仮想空間内に配線設計されたケーブルの外周上の座標、配線設計されたケーブルの固定位置の座標、およびケーブルが配線設計された3次元仮想空間の壁面上の座標を、ステップS21で受け付けられたケーブル名、3次元仮想空間の形状および3次元仮想空間の断面形状(配線設計におけるケーブル情報)と対応付けて、設計情報として、設計情報記憶部22に記憶する(ステップS26)。
その後、演算部10(配線設計支援部11)は、この配線設計処理を終了する。
次に、配線設計が配線条件を満たしているかの検証を行う配線検証処理を、図8を参照して説明する。配線検証処理は、設計者からの配線検証の指示が入力部30を介して受け付けられた場合に、演算部10により実行される。
配線検証処理では、まず、演算部10(設計情報選択部14)は、検証に使用する設計番号(図4参照)の選択を要求する画面を表示部40に表示して、設計者による選択を受け付ける(ステップS41)。
次に、演算部10(設計情報選択部14)は、選択受付が完了したか否かを判定する(ステップS42)。
演算部10(設計情報選択部14)は、選択受付が完了していないと判定すると(ステップS42:No)、ステップS41へ戻る。
一方、演算部10(設計情報選択部14)は、選択受付が完了したと判定すると(ステップS42:Yes)、ステップS43へ移行する。
ステップS43では、演算部10(配線検証部12)は、選択された設計番号に対応付けて設計情報記憶部22に記憶されているケーブル配線設計(設計座標群)を取得して、配線設計における余裕度、隔離距離、曲げ半径および固定間隔を求める(ステップS43)。
具体的には、例えば図2(a)に示す配線設計が行われている場合、演算部10(配線検証部12)は、配線設計における余裕度を前述の方法で求める。即ち、演算部10(配線検証部12)は、設計座標群に含まれる3次元仮想空間の座標群(壁面Sの座標群)から壁面Sの長さが最短となる座標群を検索し、その座標群を繋ぎ合せたときの全長を求め、これをケーブルCの最短の全長L’とする。次に、演算部10(配線検証部12)は、ケーブルCの中点の座標群から、ケーブルCの実配線における全長Lを求める。そして、演算部10(配線検証部12)は、全長L/全長L’を算出して、配線設計における余裕度を求める。
また、例えば図2(a)に示す配線設計が行われている場合、演算部10(配線検証部12)は、配線設計における隔離間隔を前述の方法で求める。即ち、演算部10(配線検証部12)は、設計座標群に含まれるケーブルCの中点の座標群に対して最も近くに位置する壁面Sの座標群を、ケーブルCの中点の座標毎に検索し、その検索した壁面Sの座標とケーブルCの中点の座標とを用いて、配線設計における隔離距離dを、ケーブルCの中点の座標毎に求める。
また、例えば図2(a)に示す配線設計が行われている場合、演算部10(配線検証部12)は、配線設計における曲げ半径を前述の方法で求める。即ち、演算部10(配線検証部12)は、計座標群に含まれるケーブルCの中点の座標群から、ケーブルCの一方の端部に位置する中点の座標(座標A)を始点として、連続する3つの座標を選ぶ。そして、演算部10(配線検証部12)は、選んだ3つの座標を直線で繋ぐと、2つの直線が形成する角度が180度未満の所定の角度(例えば、135度)以下となるか否かを判定する。形成される角度が所定の角度以下である場合、演算部10(配線検証部12)は、図2(a)の拡大図で示すように、連続する3点を直線で繋ぎ、各辺の垂直2等分線が、連続する3点で形成される平面上で交わる点、即ち、外接円の中心を求める。次に、演算部10(配線検証部12)は、求めた外接円の中心と、連続する3つの座標のうちの例えば、2番目にある座標との距離を求めることで、配線設計における曲げ半径Rを求める。演算部10(配線検証部12)は、これを、ケーブルCの他方の端部に位置する中点の座標(図2(a)の座標B)が3つの座標の3番目として選択されるまで、繰り返し実行して、ケーブルCの両端部の中点の座標を除いた各中点の座標における曲げ半径Rを求める。
更に、例えば図2(a)に示す配線設計が行われている場合、演算部10(配線検証部12)は、配線設計における固定間隔を前述の方法で求める。即ち、演算部10(配線検証部12)は、設計座標群に含まれるケーブルの固定位置の座標群から、隣接する固定具T同士の距離である固定間隔fを、固定具Tの間隔毎に求め、これを、配線設計における固定間隔とする。
このようにして、演算部10(配線検証部12)は、ステップS43で、設計情報記憶部22に記憶された設計座標群を用いて、配線設計における余裕度、隔離距離(ケーブルの中点の座標毎)、曲げ半径(ケーブルの両端部の中点の座標を除いた中点の座標毎)、および固定間隔(固定具の間隔毎)を求める。
ステップS43の実行後、演算部10(特徴量表示制御部17)は、ステップS44で次の処理を実行する。即ち、演算部10(特徴量表示制御部17)は、ステップS41で選択された設計番号に対応付けて記憶されている配線設計におけるケーブル情報(ケーブル名、3次元仮想空間の形状および3次元仮想空間の断面形状)を設計情報記憶部22から取得する。その後、演算部10(特徴量表示制御部17)は、取得した配線設計におけるケーブル情報と合致する実配線におけるケーブル情報を配線情報記憶部21から検索する。そして、合致するケーブル情報が配線情報記憶部21から検索できた場合、演算部10(特徴量表示制御部17)は、検索された実配線におけるケーブル情報に対応付けて記憶されている配線条件(余裕度条件、隔離距離条件、曲げ半径条件および固定間隔条件)を、配線情報記憶部21から読み出す(ステップS44)。
ステップS44では、例えば、ステップS41で設計1(図4参照)が選択された場合、演算部10(特徴量表示制御部17)は、配線設計におけるケーブル情報として、設計情報記憶部22から、ケーブル名:ケーブルA、3次元仮想空間の形状:直線のみ、3次仮想実空間の断面形状:円形の3つの情報を取得し(図4参照)、これと合致する実配線におけるケーブル情報を配線情報記憶部21から検索して、配線条件を読み出す。その結果、演算部10(特徴量表示制御部17)は、配線条件として、余裕度条件:1.1、隔離距離条件:10mm、曲げ半径条件:なし、固定間隔条件:50mmを読み出す(図3参照)。
また、ステップS44で、例えば、ステップS41で設計2(図4参照)が選択された場合、演算部10(特徴量表示制御部17)は、配線設計におけるケーブル情報として、設計情報記憶部22から、ケーブル名:ケーブルA、3次元仮想空間の形状:曲げあり、3次元仮想空間の断面形状:円形の3つの情報を取得し(図4参照)、これと合致する実配線におけるケーブル情報を配線情報記憶部21から検索して、配線条件を読み出す。その結果、演算部10(特徴量表示制御部17)は、配線条件として、余裕度条件:1.5、隔離距離条件:13mm、曲げ半径条件:35mm、固定間隔条件:35mmを読み出す(図3参照)。
加えて、ステップS44で、例えば、ステップS41で設計3(図4参照)が選択された場合、演算部10(特徴量表示制御部17)は、配線設計におけるケーブル情報として、設計情報記憶部22から、ケーブル名:ケーブルC、3次元仮想空間の形状:曲げあり、3次元仮想空間の断面形状:矩形の3つの情報を取得し(図4参照)、これと合致する実配線におけるケーブル情報を配線情報記憶部21から検索して、配線条件を読み出す。その結果、演算部10(特徴量表示制御部17)は、合致する配線条件が配線情報記憶部21に記憶されていないことから、検索ができない(図3参照)。このため、演算部10(特徴量表示制御部17)は、ステップS44で、配線条件の読み出しを行わない。
ステップS44の実行後、演算部10(配線検証部12)は、演算部10(特徴量表示制御部17)による配線条件の読み出しが行われたか否かを判定する(ステップS45)。
演算部10(配線検証部12)は、配線条件の読み出しが行われていないと判定すると(ステップS45:No)、検証を行うための配線条件が配線情報記憶部21に記憶されていないことを示すメッセージや、配線設計が検証できないことを示すメッセージを表示部40に表示して(ステップS54)、この配線検証処理を終了する。
一方、演算部10(配線検証部12)は、配線条件の読み出しが行われたと判定すると(ステップS45:Yes)、ステップS43で求めた配線設計における余裕度が、ステップS44で読み出された余裕度条件以上であるか否かを判定する(ステップS46)。
演算部10(配線検証部12)は、求めた配線設計における余裕度が、余裕度条件以上であると判定すると(ステップS46:Yes)、ケーブルに局部的な圧力をかけることのない余裕度を有する配線設計であることから、ステップS48へ移行する。
一方、演算部10(配線検証部12)は、求めた配線設計における余裕度が、余裕度条件未満であると判定すると(ステップS46:No)、ケーブルに局部的な圧力をかける可能性を有する配線設計であることから、ステップS47へ移行する。
ステップS47では、演算部10(検証結果表示部13)は、余裕度が不足していることを示すメッセージを表示部40に表示して(ステップS47)、ステップS48へ移行する。
ステップS48では、演算部10(配線検証部12)は、ステップS43で求めた配線設計における隔離距離が、ステップS44で読み出された隔離距離条件以上であるか否かを、ケーブルの中点の座標毎に判定する(ステップS48)。
演算部10(配線検証部12)は、ケーブルの中点の座標の全てにおいて、求めた配線設計における隔離距離が、隔離距離条件以上であると判定すると(ステップS48:Yes)、壁面Sからの熱や凹み等の影響をケーブルが受けない隔離距離を有する配線設計であることから、ステップS50へ移行する。
一方、演算部10(配線検証部12)は、求めた配線設計における隔離距離のうち、隔離距離条件未満となる隔離距離が一つでもあれば(ステップS48:No)、壁面Sからの熱や凹み等の影響をケーブルが受ける可能性を有する配線設計であることから、ステップS49へ移行する。
ステップS49では、演算部10(検証結果表示部13)は、隔離距離条件未満となった箇所(ケーブルの中点の座標)を、隔離距離が不足していることを示すメッセージと共に、表示部40に表示して(ステップS49)、ステップS50へ移行する。
ステップS50では、演算部10(配線検証部12)は、ステップS43で求めた配線設計における曲げ半径が、ステップS44で読み出された曲げ半径条件以上であるか否かを、ケーブルの中点の座標(ケーブルの両端部の中点の座標を除く)毎に判定する(ステップS50)。
演算部10(配線検証部12)は、ケーブルの中点の各座標(ケーブルの両端部の中点の座標を除く)の全てで、求めた配線設計における曲げ半径が、曲げ半径条件以上であると判定すると(ステップS50:Yes)、ケーブルの芯に過度な圧力がかからない曲げ半径を有する配線設計であることから、ステップS52へ移行する。
一方、演算部10(配線検証部12)は、求めた配線設計における曲げ半径のうち、曲げ半径条件未満となる曲げ半径が一つでもあれば(ステップS50:No)、ケーブルの芯に過度な圧力がかかる可能性を有する配線設計であることから、ステップS51へ移行する。
ステップS51では、演算部10(検証結果表示部13)は、曲げ半径条件未満となった箇所(ケーブルの中点の座標)を、曲げ半径が不足していることを示すメッセージと共に、表示部40に表示して(ステップS51)、ステップS52へ移行する。
なお、ステップS50では、曲げ半径条件が読み出されなかった場合(例えば、ステップS41で設計1(図4参照)が選択されて、ステップS44で、配線条件として、余裕度条件:1.1、隔離距離条件:10mm、曲げ半径条件:なし、固定間隔条件:50mmが読み出された場合(図3参照))、演算部10(配線検証部12)は、ステップS50の判定をスキップして、ステップS52へ移行する。
ステップS52では、演算部10(配線検証部12)は、ステップS43で求めた配線設計における固定間隔が、ステップS44で読み出された固定間隔条件以下であるか否かを、固定具の間隔毎に判定する(ステップS52)。
演算部10(配線検証部12)は、全ての間隔で、求めた配線設計における固定間隔が、固定間隔条件以下であると判定すると(ステップS52:Yes)、ケーブルに緩みを発生させない固定間隔を有する配線設計であることから、ステップS55へ移行する。
一方、演算部10(配線検証部12)は、求めた配線設計における固定間隔のうち、固定間隔条件を超える固定間隔が一つでもあれば(ステップS52:No)、ケーブルに緩みを発生させる可能性を有する配線設計であることから、ステップS53へ移行する。
ステップS53では、演算部10(検証結果表示部13)は、固定間隔条件を超える固定間隔を形成する箇所(固定具の座標)を、固定間隔が開きすぎるメッセージと共に、表示部40に表示して(ステップS53)、ステップS55へ移行する。
ステップS55では、演算部10(CPU)は、配線検証処理を終了する指示が入力部30で受け付けられたか否かを判定する(ステップS55)。
演算部10(CPU)は、配線検証処理を終了する指示が入力部30で受け付けられていないと判定すると(ステップS55:No)、表示部40で行われているメッセージの表示を維持して、ステップS55の判定を繰り返す。
一方、演算部10(CPU)は、配線検証処理を終了する指示が入力部30で受け付けられたと判定すると(ステップS55:Yes)、表示部40で表示されたメッセージを消去して、この配線検証処理を終了する。
上述した通り、本発明の実施形態に係る設計支援装置1によれば、配線設計を行う場合、配線設計おけるケーブル情報(ケーブル名、3次元仮想空間の形状および3次元仮想空間の断面形状)に合致する実配線におけるケーブルの配線経路および配線条件を、配線情報記憶部21から読み出す。そして、設計支援装置1は、読み出したケーブルの配線経路および配線条件を、設計用画面と共に表示部40に表示する。よって、配線設計時に、実配線におけるケーブルの配線経路および配線条件(配線されたケーブルの特徴を表す特徴量)を参照可能としている。従って、設計支援装置1によれば、配線されたケーブルの特徴を配線設計に反映させることが可能となる。
また、設計支援装置1によれば、配線設計における余裕度、隔離距離、曲げ半径および固定間隔が、それぞれ、実配線で採用された配線条件(配線されたケーブルの特徴を表す特徴量)を満たしているかを検証する。そして、設計支援装置1は、配線条件を満たさないものがあれば、それを報知する。よって、設計支援装置1によれば、配線されたケーブルの特徴を配線設計に反映させることが可能となる。
また、設計支援装置1によれば、上述した検証に用いる配線条件(特徴量)を、外部の測定装置を用いて測定された測定座標群(3次元実空間に実配線されたケーブルの外周上の複数の箇所における座標、実配線されたケーブルが固定された座標、およびケーブルが実配線された3次元実空間の壁面上の複数の箇所における座標)から求めている。よって、配線条件を実配線に即したものとすることができる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、この発明は上記の実施形態に限定されず、種々の変形および応用が可能である。
例えば、上述した実施形態では、配線設計支援部11が取得する情報を、3次元仮想空間内に配線設計されたケーブルの外周上の座標、配線設計されたケーブルの固定位置の座標、およびケーブルが配線設計された3次元仮想空間の壁面上の座標としたが、これに限られるものではない。即ち、配線設計支援部11が取得する情報は、座標でなくとも、3次元仮想空間内に配線設計されたケーブルの外周を決定する情報、配線設計されたケーブルの固定位置を決定する情報、ケーブルが配線設計された3次元仮想空間を決定する情報といった、例えば、相対的な位置関係を表す情報等でもよい。
また、上述した実施形態では、設計支援装置1は、外部の測定装置から取得した測定座標群を記憶せず、特徴量取得部15により求められた実配線におけるケーブルの配線経路および配線条件を記憶したが、これに限られるものではない。即ち、外部の測定装置から取得した測定座標群も、記憶部20に記憶する構成としてもよい。
また、上述した実施形態では、設計支援装置1(特徴量取得部15)は、余裕度条件を求めるのに使用するケーブルの最短の全長L’を、壁面Sの長さが最短となる座標群を検索し、その座標群を繋ぎ合せたときの全長として求めたが、これに限られるものではない。即ち、ケーブルの最短の全長L’を、例えば、壁面Sの座標群から壁面Sの長さが最長となる座標群(図2(b)のL’の左側および下側にある壁面Sの座標群)を検索し、その座標群を繋ぎ合せたときの全長としてもよい。この場合、最短の場合と比べて全長L’が長くなるので、余裕度条件が低くなる。よって、余裕度をあまり必要としない実配線に対応する配線設計を行う場合に有効である。
また、上述した実施形態では、設計支援装置1(特徴量表示制御部17)は、ケーブルの配線経路および配線条件を、配線設計支援部11によって表示された設計用画面と共に表示部40に表示したが、この表示は次のものでもよい。即ち、表示部40が単数である場合は、その表示部40に表示されるウィンドウに設計用画面を表示し、その設計用画面内に、ケーブルの配線経路および配線条件を表示してもよく、また、設計用画面のウィンドウとは別のウィンドウにケーブルの配線経路および配線条件を表示してもよい。また、表示部40が複数ある場合には、一方の表示部40に設計用画面を表示し、他方の表示部40にケーブルの配線経路および配線条件を表示してもよい。
なお、上記実施形態において、設計支援装置1を制御するプログラムは、フレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disc Read−Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disc)、MO(Magneto−Optical Disc)等のコンピュータが読み取り可能な記録媒体に格納して配布し、そのプログラムを、コンピュータ等にインストールすることにより、図6〜図8に示す処理を実行する設計支援装置を構成することとしてもよい。
また、上述のプログラムをインターネット等の通信ネットワーク上の所定のサーバ装置が有するディスク装置等に格納しておき、例えば、搬送波に重畳させて、ダウンロード等するようにしてもよい。
また、上述の図6〜図8に示す処理を、各OS(Operating System)が分担して実現する場合、又は、OSとアプリケーションとの協働により実現する場合等には、OS以外の部分のみを媒体に格納して配布してもよく、また、ダウンロード等してもよい。