JP4696878B2 - 係止部材の支点での線条材の角度の変化を定義する方法、装置、及び、プログラム - Google Patents

係止部材の支点での線条材の角度の変化を定義する方法、装置、及び、プログラム Download PDF

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Description

本発明は、2点の係止点で係止される線条材の可動範囲を算出するための技術に関する。
自動車や家電製品等では、電力供給や信号伝達のために多数のケーブルが使用されるが、これらのケーブルを全て独立して配置するとその作業が煩雑になったり、ケーブルの引き回しが複雑になったりするため、複数本のケーブルを一つの束にまとめて表皮材で覆い、ワイヤーハーネスとすることが一般的に行われている。
このワイヤーハーネスは、所定の箇所で係止部材(クランプ)により係止されているが、係止箇所間でワイヤーハーネスに引っ張り方向の力がかからないように長さにある程度の余裕を持って取付けられている。
一方、特に自動車では、ワイヤーハーネスが配置される箇所には多くのエンジン関連部品や電装部品等が設置されているので、ワイヤーハーネスがこれらの部品と干渉しないようにレイアウトや引き回しを行うことが重要である。
従って、ワイヤーハーネスのレイアウトや引き回しの設計については、熟練した設計者が経験に基づき試作を行い、その評価を経て行うことが一般的であった。
しかし、このような設計を行っていたのでは、効率が悪い場合が多く、設計変更や異なる機種への適応力に欠ける。
そこで、ワイヤーハーネスのレイアウトや引き回しの設計の効率化等を図るべく、ワイヤーハーネスの可動範囲をシミュレートする技術が考案されている(例えば、特許文献1参照。)。
特許文献1の技術は、2点の係止点で係止された線条材の可動範囲を算出し、算出した可動範囲における最大振幅量を実測最大振幅量と比較し、その比較結果に基づいて補正を行うものである。これによって、線条材の物理的性質やサイズ等を考慮することができ、実験の量を比較的少なくすることが可能となっている。
また、特許文献1にも開示されるごとく、この種のシミュレーションにおいては、線条材の最小曲げ半径、最大振幅量について、実測値に基づくテーブルを予め作成しておき、このテーブルに記憶されたデータに基づいて、可動範囲をシミュレートすることとしている。
特開2003−330982号公報
しかし、図4に示すごとくのクランプ51において線条材52が係止される構成においては、クランプ51がねじり変形等することによって回転する場合がある。このような回転が生じた場合、係止点53の座標53Aが、座標53Bへと変化することになる。
従来のシミュレーションにおいては、この係止点53の座標変化は考慮されず、係止点53の座標53Aは常に一定のものとされ、この座標53Aのデータを用いてシミュレーションが実施されていた。このことは、シミュレーションによる線条材の可動範囲と、実測の可動範囲との間の差異の発生原因の一つとなっていたものと考えられる。
また、このことから、変化後の座標53Bのデータを用いることによれば、より高精度な可動範囲のシミュレーションが可能となるといえる。また、図4に示すごとく、前記変化後の座標53Bのデータは、座標53Aのデータと、線条材52がクランプ51の支点51Aを回転中心として回転したときの、前記支点51Aにおける線条材52の角度変化θを用いることにより定義することが可能となる。
そこで、本発明では、線条材の可動範囲のシミュレーションにおいて、前記係止点の座標変化を考慮することを可能とすべく、前記線条材が、前記各クランプの支点を回転中心として回転したときの、前記支点における線条材の角度の変化を定義するための新規な方法、装置、及び、プログラムを提案するものである。
本発明の解決しようとする課題は以上のごとくであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
即ち、請求項1に記載のごとく、
中央部に配置される支点を中心に回転し、両端部に設けられる係止部において線条材を係止するものである複数の係止部材により、線条材を係止する場合における、前記両係止部材間での前記線条材の可動範囲を検討するに際し、前記線条材が、前記各係止部材の支点を回転中心として回転したときの、前記支点における線条材の角度の変化を定義する方法であって、
コンピュータにより、前記各係止部材における前記支点と他の係止部材に近い側の係止部との間の距離a、前記一の係止部材の支点と他の係止部材の支点との間の距離W、前記線条材の前記一の係止部材の支点と他の係止部材の支点とを結ぶ経路における長さH、および前記線条材の最小曲げ半径Rを定義するステップと、
コンピュータにより、前記両係止部材の支点を結ぶ線上の中点に、前記線条材の最小曲げ半径を半径とする円を定義するステップと、
コンピュータにより、前記円を、前記線条材の長さを維持しつつ、前記支点を結ぶ線と直交する方向に移動させた際における、前記円の移動量が最大となる最大移動位置を定義するステップと、
コンピュータにより、前記距離a、距離W、長さH、及び最小曲げ半径Rを用いて、前記円が前記最大移動位置に配置された際において、前記係止点が、前記各係止部材の支点を回転中心点として回転したときの、前記両係止部材の支点を結ぶ直線と、前記係止点と前記支点とを結ぶ直線とがなす角度θ算出するステップと、
を有する、係止部材の支点での線条材の角度の変化を定義する方法、とするものである。
また、請求項2に記載のごとく、
中央部に配置される支点を中心に回転し、両端部に設けられる係止部において線条材を係止するものである複数の係止部材により、線条材を係止する場合における、前記両係止部材間での前記線条材の可動範囲を検討するに際し、前記線条材が、前記各係止部材の支点を回転中心として回転したときの、前記支点における線条材の角度の変化を定義する装置であって、
前記両係止部材の前記支点を結ぶ経路における前記線条材の長さを定義する手段と、
前記各係止部材における前記支点と他の係止部材に近い側の係止部との間の距離aを定義する手段と、
前記線条材の最小曲げ半径を線条材の種別に応じて定義する手段と、
前記各係止部材の各支点間の距離を定義する手段と、
前記両係止部材の支点を結ぶ線上の中点に、前記線条材の最小曲げ半径を半径とする円を定義する手段と、
前記円を、前記線条材の長さを維持しつつ、前記支点を結ぶ線と直交する方向に移動させた際における、前記円の移動量が最大となる最大移動位置を定義する手段と、
前記距離a、距離W、長さH、及び最小曲げ半径Rを用いて、前記円が前記最大移動位置に配置された際において、前記係止点が、前記各係止部材の支点を回転中心点として回転したときの、前記両係止部材の支点を結ぶ直線と、前記係止点と前記支点とを結ぶ直線とがなす角度θ算出する手段と、
を有する、係止部材の支点での線条材の角度の変化を定義する装置、とするものである。
また、請求項3に記載のごとく、
中央部に配置される支点を中心に回転し、両端部に設けられる係止部において線条材を係止するものである複数の係止部材により、線条材を係止する場合における、前記両係止部材間での前記線条材の可動範囲を検討するに際し、前記線条材が、前記各係止部材の支点を回転中心として回転したときの、前記支点における線条材の角度の変化を定義するために、コンピュータを、
前記両係止部材の前記支点を結ぶ経路における前記線条材の長さを定義する手段、
前記各係止部材における前記支点と他の係止部材に近い側の係止部との間の距離aを定義する手段、
前記線条材の最小曲げ半径を線条材の種別に応じて定義する手段、
前記各係止部材の各支点間の距離を定義する手段、
前記両係止部材の支点を結ぶ線上の中点に、前記線条材の最小曲げ半径を半径とする円を定義する手段、
前記円を、前記線条材の長さを維持しつつ、前記支点を結ぶ線と直交する方向に移動させた際における、前記円の移動量が最大となる最大移動位置を定義する手段、
前記距離a、距離W、長さH、及び最小曲げ半径Rを用いて、前記円が前記最大移動位置に配置された際において、前記係止点が、前記各係止部材の支点を回転中心点として回転したときの、前記両係止部材の支点を結ぶ直線と、前記係止点と前記支点とを結ぶ直線とがなす角度θ算出する手段、
として機能させるための、係止部材の支点での線条材の角度の変化を定義するためのプログラム、とするものである。
以上の請求項1に記載の発明では、
線条材の可動範囲を検討する際において、前記角度を定義して、前記係止点の移動後の係止点を求め、該係止点の座標位置を用いて前記線条材の可動範囲を検討することによれば、前記係止点の元の座標位置の変化を考慮した、より高精度なシミュレーションが実施できるようになる。
また、請求項2に記載の発明では、
線条材の可動範囲を検討する際において、前記角度を定義して、前記係止点の移動後の係止点を求め、該係止点の座標位置を用いて前記線条材の可動範囲を検討することによれば、前記係止点の元の座標位置の変化を考慮した、より高精度なシミュレーションが実施できるようになる。
また、請求項3に記載の発明では、
プログラムを、既存の可動範囲のシミュレーションのソフトウェアに、プラグインというかたちで実装させることで、既存のソフトウェアにおいて、より高精度なシミュレーションができるようになる。
図1に示すごとく、本実施例では、コンピュータにより、線条材としてのワイヤーハーネス10を、複数の係止部材としての各クランプ11・12にて係止点B1・B2で係止する場合における、前記両クランプ11・12間でのワイヤーハーネス10の可動範囲を検討するに際し、前記ワイヤーハーネス10が、前記各クランプ11・12の支点A1・A2を回転中心として回転したときの、前記支点A1・A2におけるワイヤーハーネス10の角度θの変化を定義する方法であって、
コンピュータにより、前記両クランプ11・12の係止点B1・B2を結ぶ線上の中点Dに、前記ワイヤーハーネス10の最小曲げ半径Rを半径とする円20を定義するステップと、
コンピュータにより、前記円20を、前記ワイヤーハーネス10の長さHを維持しつつ、前記両クランプ11・12の係止点B1・B2を結ぶ線Gと直交する方向に移動させた際における、前記円20の移動量が最大となる最大移動位置Mを定義するステップと、
コンピュータにより、前記円20が前記最大移動位置Mに配置された際において、前記両クランプ11・12の係止点B1・B2が、前記各クランプ11・12の支点A1・A2を回転中心点として回転したときの角度θを定義するステップと、
を有する、前記各クランプ11・12の支点A1・A2でのワイヤーハーネス10の角度θの変化を定義する方法、とするものである。
そして、以上のように、ワイヤーハーネス10の可動範囲を検討する際において、前記角度θを定義して、前記係止点B1・B2の移動後の係止点C1・C2を求め、該係止点C1・C2の座標位置を用いて前記ワイヤーハーネス10の可動範囲を検討することによれば、前記係止点B1・B2の元の座標位置の変化を考慮した、より高精度なシミュレーションが実施できるようになる。
以下、上記の定義の手法の例について説明する。
図1に示すごとく、本実施例では、ワイヤーハーネス10が二つのクランプ11・12にて支持されており、両クランプ11・12間におけるワイヤーハーネス10の可動範囲を検討する場合において適用されるものである。
また、図1及び図2に示すごとく、前記クランプ11(クランプ12も同じ)は、いわゆる丸穴クランプに構成され、設置脚11dが取付台15に対して取付けられるようになっている。また、この設置脚11dの座標位置は、クランプ11・12の支点A1・A2の座標として定義され、各クランプ11・12は、前記支点A1・A2を中心に回転するものとされている。
また、前記設置脚11dは、長板状の支持台11cより突設されている。
また、前記支持台11cの両端部には、係止部11a・11bが設けられており、両係止部11a・11bによってワイヤーハーネス10が支持台11cに対して括りつけられる構成となっている。
また、図1及び図2に示すごとく、前記支持台11cの一側端部、即ち、クランプ11においては、もう一方のクランプ12に近い側の端部に、係止点B1が定義される。クランプ12においても同様に、もう一方のクランプ11に近い側の端部に、係止点B2が定義されることとなっている(図1参照)。
また、図2に示すごとく、前記支点A1から、前記係止点B1までの距離は、距離aとして定義される。
尚、前記支点A1と、係止点B1の座標位置が一致する場合には、前記距離aはゼロとされる。
また、図1において示される前記係止点B1・B2は、前記クランプ11・12が規定通りにセットされた状態での座標位置を示している。即ち、前記両係止点B1・B2の距離が最も近くなる場合における、前記各係止点B1・B2の座標位置を示している。
そして、この係止点B1・B2の座標位置が、ワイヤーハーネス10が移動することにより、移動後の係止点C1・C2の座標位置へと変更されることとなる。
この係止点B1・B2の係止点C1・C2への移動は、前記各クランプ11・12が前記支点A1・A2を中心として回転することで実現されるものとしている。
そして、この係止点B1・B2の座標位置の変化は、角度θにて表現されるものとしている。
また、図1に示すごとく、前記支点A1・A2の間の距離は、距離Wとして定義される。
また、前記ワイヤーハーネス10の前記支点A1・A2を結ぶ経路における距離は、長さHとして定義される。ワイヤーハーネス10は、この長さHを保つ範囲、つまりは、伸びが生じない範囲にて可動することとなっている。
また、図1に示すごとく、前記支点A1・A2(係止点B1・B2)を結ぶ線上の中点Dが定義される。
また、前記中点Dに、前記ワイヤーハーネス10の最小曲げ半径Rを半径とする円20が定義される。
尚、この最小曲げ半径Rは、ワイヤーハーネス10の種別に対応して定義されるものであり、予めデータベースとして保持され自動的に抽出されたり、オペレータの入力作業により定義されたりする。
また、図1に示すごとく、前記中点Dに定義した円20を、前記支点A1・A2(係止点B1・B2)を結ぶ線Gと直交する方向(図において上方)に移動させる(ソフトウェア上で計算処理により円20の配置を変更させるということである)。
この円20の移動の範囲は、前記ワイヤーハーネス10の長さHが維持される範囲、即ち、ワイヤーハーネス10の移動後の経路長が、前記長さHと一致する範囲とされる。
そして、前記円20の移動量が最大となるときの、前記円20の位置が、最大移動位置Mとして定義される。
また、図1に示すごとく、前記円20を最大移動位置Mに配置したときの、移動前の前記係止点B1・B2、前記各クランプ11・12の各支点A1・A2、及び、前記移動後の係止点C1・C2、のなす角度が、角度θとして定義される。
また、図1に示すごとく、前記円20を最大移動位置Mに配置したときの、前記ワイヤーハーネス10の経路の長さ(距離)を、各区間について定義する。
即ち、図1における中点Dの左側の部位において、前記支点A1から係止点C1の間の距離を、距離aと定義する。
また、前記係止点C1から前記円20の接点F1までの距離を、距離Lと定義する。
また、前記各支点A1・A2間の距離を、距離Wと定義する。
また、図1における中点Dの右側の部位において、前記支点A2から係止点C2の間の距離も、同様に、距離aと定義される。
また、前記係止点C2から前記円20の接点F2までの距離も、同様に、距離Lと定義される。
また、前記円20に接する区間F1〜F2の距離を、前記角度θ、及び、最小曲げ半径Rを用いて、距離2θRとして定義する。
また、図1に示すごとく、前記接点F1から前記支点A1・A2を結ぶ線Gに垂線を引き、その交点を交点Eとして定義する。
また、前記交点Eと前記中点Dの距離を、前記角度θ、及び、最小曲げ半径Rを用いて、距離Rsinθとして定義する。
そして、以上の定義により、図3に示すごとくの連立方程式が成立される。
上段の式(1)は、ワイヤーハーネス10の長さHに着目した式である。
下段の式(2)は、左側に形成される三角形(A1、E、F1)につき、底辺の長さに着目した式である。
この連立方程式において、
「長さ:H」
「距離:a」
「最小曲げ半径:R」
「距離:W」
は、その都度、設定される値である。例えば、オペレータによるコンピュータ操作によって、適宜入力・設定される値である。
また、
「距離:L」
「角度:θ」
の二つが未知数である。
そして、以上の各値を入力して連立式を解くことで、前記角度θを得ることができる。
以上のようにして角度θを定義し、この角度θを利用することで、前記係止点B1・B2が角度θ移動された後の係止点C1・C2の位置を得ることができる。
より具体的には、前記係止点B1・B2の座標位置から、半径の長さを前記距離aとする円弧上において、角度θ移動させた位置を、前記係止点C1・C2の座標位置として定義することができる。
そして、このように移動後の係止点C1・C2の座標位置を定義することが可能となれば、この移動後の係止点C1・C2の座標位置を用いて前記ワイヤーハーネス10の可動範囲を検討することが可能となり、前記係止点B1・B2の元の座標位置の変化を考慮した、より高精度なシミュレーションを実施することが可能となる。
また、このように係止点C1・C2を求める一連の流れにおいては、実際に、ワイヤーハーネス10の長さH、クランプ11・12の支点A1・A2間の距離Wが反映されることになるため、より高精度なシミュレーションが可能となり、実測の可動範囲との間の差異を少なくすることができる。
尚、以上のようにして求めた角度θの利用の形態については、特に、前記移動後の係止点C1・C2の座標位置の定義のために用いることに限られるものではなく、ワイヤーハーネス10の可動範囲の計算において、幅広く利用可能である。
また、この角度θの結果は、ワイヤーハーネス10の可動範囲のシミュレーションにつき、種々のシミュレーションに適用可能であり、特に、そのシミュレーションの種別に限定されるものでもない。
また、以上の角度θの定義に関する一連のステップは、周知のハードウェアにソフトウェアを組み込んでなる一般的なコンピュータ、キーボード、及び、モニター(入出力機器)により実施可能であり、その具体的な構成については、説明を省略する。
以上の角度θを定義する概念を装置として表現することができる。
即ち、線条材としてのワイヤーハーネス10を、複数の係止部材としての各クランプ11・12にて係止点B1・B2で係止する場合における、前記両クランプ11・12間でのワイヤーハーネス10の可動範囲を検討するに際し、前記ワイヤーハーネス10が、前記各クランプ11・12の支点A1・A2を回転中心として回転したときの、前記支点A1・A2におけるワイヤーハーネス10の角度θの変化を定義する装置であって、
前記両クランプ11・12の係止点B1・B2間に配置される前記ワイヤーハーネス10の長さHを定義する手段と、
前記各クランプ11・12の各支点A1・A2と前記各係止点B1・B2との間の距離aを定義する手段と、
前記最小曲げ半径Rをワイヤーハーネス10の種別に応じて定義する手段と、
前記各クランプ11・12の各支点A1・A2間の距離Wを定義する手段と、
前記両クランプ11・12の係止点B1・B2を結ぶ線上の中点Dに、前記ワイヤーハーネス10の最小曲げ半径Rを半径とする円20を定義する手段と、
前記円20を、前記ワイヤーハーネス10の長さHを維持しつつ、前記係止点B1・B2を結ぶ線Gと直交する方向に移動させた際における、前記円20の移動量が最大となる最大移動位置Mを定義する手段と、
前記円20が前記最大移動位置Mに配置された際において、前記係止点B1・B2が、前記各クランプ11・12の支点A1・A2を回転中心点として回転したときの角度θを定義する手段と、
を有する、前記各クランプ11・12の支点A1・A2でのワイヤーハーネス10の角度θの変化を定義する装置、とするものである。
この装置は、周知のハードウェアにソフトウェアを組み込んでなる一般的なコンピュータ、キーボード、及び、モニター(入出力機器)により具現可能であり、その具体的な構成については、説明を省略する。
以上の角度θを定義する概念をプログラムとして表現することができる。
即ち、線条材としてのワイヤーハーネス10を、複数の係止部材としての各クランプ11・12にて係止点B1・B2で係止する場合における、前記両クランプ11・12間でのワイヤーハーネス10の可動範囲を検討するに際し、前記ワイヤーハーネス10が、前記各クランプ11・12の支点A1・A2を回転中心として回転したときの、前記支点A1・A2におけるワイヤーハーネス10の角度θの変化を定義するために、コンピュータを、
前記両クランプ11・12の係止点B1・B2間に配置される前記ワイヤーハーネス10の長さHを定義する手段、
前記各クランプ11・12の各支点A1・A2と前記各係止点B1・B2との間の距離aを定義する手段、
前記最小曲げ半径Rをワイヤーハーネス10の種別に応じて定義する手段、
前記各クランプ11・12の各支点A1・A2間の距離Wを定義する手段、
前記両クランプ11・12の係止点B1・B2を結ぶ線上の中点Dに、前記ワイヤーハーネス10の最小曲げ半径Rを半径とする円20を定義する手段、
前記円20を、前記ワイヤーハーネス10の長さHを維持しつつ、前記係止点B1・B2を結ぶ線Gと直交する方向に移動させた際における、前記円20の移動量が最大となる最大移動位置Mを定義する手段、
前記円20が前記最大移動位置Mに配置された際において、前記係止点B1・B2が、前記各クランプ11・12の支点A1・A2を回転中心点として回転したときの角度θを定義する手段、
として機能させるための、前記各クランプ11・12の支点A1・A2でのワイヤーハーネス10の角度θの変化を定義するためのプログラム、とするものである。
このプログラムを、既存の可動範囲のシミュレーションのソフトウェアに、プラグインというかたちで実装させることで、既存のソフトウェアにおいて、より高精度なシミュレーションができるようになる。
ワイヤーハーネスの支点における角度変化θを定義するために利用される値について示す図。 係止部材としてのクランプの一例について示す図。 角度θを定義するための連立方程式について示す図。 ワイヤーハーネスの移動に伴う係止点の移動について説明する図。
10 ワイヤーハーネス
11 クランプ
12 クランプ
A1 支点
A2 支点
B1 係止点
B2 係止点
θ 角度

Claims (3)

  1. 中央部に配置される支点を中心に回転し、両端部に設けられる係止部において線条材を係止するものである複数の係止部材により、線条材を係止する場合における、前記両係止部材間での前記線条材の可動範囲を検討するに際し、前記線条材が、前記各係止部材の支点を回転中心として回転したときの、前記支点における線条材の角度の変化を定義する方法であって、
    コンピュータにより、前記各係止部材における前記支点と他の係止部材に近い側の係止部との間の距離a、前記一の係止部材の支点と他の係止部材の支点との間の距離W、前記線条材の前記一の係止部材の支点と他の係止部材の支点とを結ぶ経路における長さH、および前記線条材の最小曲げ半径Rを定義するステップと、
    コンピュータにより、前記両係止部材の支点を結ぶ線上の中点に、前記線条材の最小曲げ半径を半径とする円を定義するステップと、
    コンピュータにより、前記円を、前記線条材の長さを維持しつつ、前記支点を結ぶ線と直交する方向に移動させた際における、前記円の移動量が最大となる最大移動位置を定義するステップと、
    コンピュータにより、前記距離a、距離W、長さH、及び最小曲げ半径Rを用いて、前記円が前記最大移動位置に配置された際において、前記係止点が、前記各係止部材の支点を回転中心点として回転したときの、前記両係止部材の支点を結ぶ直線と、前記係止点と前記支点とを結ぶ直線とがなす角度θ算出するステップと、
    を有する、係止部材の支点での線条材の角度の変化を定義する方法。
  2. 中央部に配置される支点を中心に回転し、両端部に設けられる係止部において線条材を係止するものである複数の係止部材により、線条材を係止する場合における、前記両係止部材間での前記線条材の可動範囲を検討するに際し、前記線条材が、前記各係止部材の支点を回転中心として回転したときの、前記支点における線条材の角度の変化を定義する装置であって、
    前記両係止部材の前記支点を結ぶ経路における前記線条材の長さを定義する手段と、
    前記各係止部材における前記支点と他の係止部材に近い側の係止部との間の距離aを定義する手段と、
    前記線条材の最小曲げ半径を線条材の種別に応じて定義する手段と、
    前記各係止部材の各支点間の距離を定義する手段と、
    前記両係止部材の支点を結ぶ線上の中点に、前記線条材の最小曲げ半径を半径とする円を定義する手段と、
    前記円を、前記線条材の長さを維持しつつ、前記支点を結ぶ線と直交する方向に移動させた際における、前記円の移動量が最大となる最大移動位置を定義する手段と、
    前記距離a、距離W、長さH、及び最小曲げ半径Rを用いて、前記円が前記最大移動位置に配置された際において、前記係止点が、前記各係止部材の支点を回転中心点として回転したときの、前記両係止部材の支点を結ぶ直線と、前記係止点と前記支点とを結ぶ直線とがなす角度θ算出する手段と、
    を有する、係止部材の支点での線条材の角度の変化を定義する装置。
  3. 中央部に配置される支点を中心に回転し、両端部に設けられる係止部において線条材を係止するものである複数の係止部材により、線条材を係止する場合における、前記両係止部材間での前記線条材の可動範囲を検討するに際し、前記線条材が、前記各係止部材の支点を回転中心として回転したときの、前記支点における線条材の角度の変化を定義するために、コンピュータを、
    前記両係止部材の前記支点を結ぶ経路における前記線条材の長さを定義する手段、
    前記各係止部材における前記支点と他の係止部材に近い側の係止部との間の距離aを定義する手段、
    前記線条材の最小曲げ半径を線条材の種別に応じて定義する手段、
    前記各係止部材の各支点間の距離を定義する手段、
    前記両係止部材の支点を結ぶ線上の中点に、前記線条材の最小曲げ半径を半径とする円を定義する手段、
    前記円を、前記線条材の長さを維持しつつ、前記支点を結ぶ線と直交する方向に移動させた際における、前記円の移動量が最大となる最大移動位置を定義する手段、
    前記距離a、距離W、長さH、及び最小曲げ半径Rを用いて、前記円が前記最大移動位置に配置された際において、前記係止点が、前記各係止部材の支点を回転中心点として回転したときの、前記両係止部材の支点を結ぶ直線と、前記係止点と前記支点とを結ぶ直線とがなす角度θ算出する手段、
    として機能させるための、係止部材の支点での線条材の角度の変化を定義するためのプログラム。
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