JP4452091B2 - 線条構造物の配線設計支援方法、その装置及びそのプログラム - Google Patents

線条構造物の配線設計支援方法、その装置及びそのプログラム Download PDF

Info

Publication number
JP4452091B2
JP4452091B2 JP2004047618A JP2004047618A JP4452091B2 JP 4452091 B2 JP4452091 B2 JP 4452091B2 JP 2004047618 A JP2004047618 A JP 2004047618A JP 2004047618 A JP2004047618 A JP 2004047618A JP 4452091 B2 JP4452091 B2 JP 4452091B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
predicted shape
finite element
element model
support member
moment
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004047618A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005242426A (ja
Inventor
武司 長谷川
正義 澤井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yazaki Corp
Original Assignee
Yazaki Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yazaki Corp filed Critical Yazaki Corp
Priority to JP2004047618A priority Critical patent/JP4452091B2/ja
Publication of JP2005242426A publication Critical patent/JP2005242426A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4452091B2 publication Critical patent/JP4452091B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Details Of Indoor Wiring (AREA)

Description

本発明は、ワイヤーハーネス等の線条構造物の配線設計を支援する方法、その装置及びそのプログラムに関する。
車両等においては、複数の電装品が搭載されており、これらは、複数の電線や通信線等の線条材がインシュロック等の結束部材やテープ等の外装部材によって束ねられた上記線条構造物としての、いわゆる、ワイヤーハーネスで接続されている。図1に示すように、ワイヤーハーネス1は、各端部に電装品等と接続されるコネクタ2a、2b、2c、2dが取り付けられている。また、その中間部には各種クリップ3a、3b、3c、3dが取り付けられ、更に、分岐点4を有している。なお、各端部から分岐点4までを構成するワイヤーハーネス1の各枝線は、基本的に、それぞれ構成線条材の数や種類が異なるので、各枝線の太さ、長さ、弾性、密度等も様々である。
従来、このようなワイヤーハーネスを車両等に配線するための設計は、CAD(Computer Aided Design)やCAE(Computer Aided Engineering)とよばれる汎用解析ソフトを用いて計算するか、或いは、設計者の経験や勘によって行われることが多かった。ところが、ワイヤーハーネス等の線条構造物は、多種多様であり、単に、上記汎用解析ソフトを用いたり、設計者の経験等に頼るだけでは、それらの各部における曲げやねじりに対する剛性まで正確に予想して設計することは非常に困難なことであった。
そこで、本出願人は、下記特許文献1等にて、有限要素法を利用することにより、ワイヤーハーネス等の線条構造物の物理的特性、すなわち、材質や各部における曲げやねじりに対する剛性等も考慮して線条構造物の予測形状を計算することを可能にし、これにより最適な配線設計を支援する方法を提案した。
ここで、本明細書中で引用する文献を以下に示す。
特願2003−308509 B.ナス著「マトリックス有限要素法」ブレイン図書出版株式会社出版、1978年8月10日、p.7−15 安田仁彦著「モード解析と動的設計」株式会社コロナ社発行、1993年11月10日、p.54−56
ところで、図3に示すように、例えば、完全拘束型支持部材のひとつである長穴クランプ3には、現実的には、そのクランプ軸AX(請求項の支持軸に対応)まわりに、ガタ角度θが発生する。ガタ角度θとは、支持部材側の取付爪3hと、これとほぼ同等の形状であるボディ等の保持部材側の取付穴(不図示)との関係により発生する遊び角に相当する角度である。例えば、長穴クランプは実際的には、図中、上方向に3で示すような基準取付状態から3′で示すような最大ガタ状態まで、ガタ角度θぶんだけガタつき、図中、下方向にも同様にガタ角度θぶんだけガタつきが発生する。なお、図3は、ボディに取り付けられた長穴クランプ3を上からみた図である。
上記特許文献1の方法は、線条構造物の物理的特性、すなわち、材質や各部における曲げやねじりに対する剛性等も考慮して線条構造物の予測形状を正確に計算できるという点で非常に秀れたものであるが、このようなガタ角度θまでも想定して形状予測するものではなく、更なる改善の余地があることがわかった。
よって本発明は、上述した現状に鑑み、上記ガタ角度θまでも想定して予測形状を計算することにより、より実用性の高い線条構造物の配線設計支援方法、その装置及びそのプログラムを提供することを課題としている。
上記課題を解決するためになされた請求項1記載の線条構造物の配線設計支援方法は、有限要素モデル作成手段と、予測形状計算手段と、結果出力手段と、を備えたコンピュータを用いて、有限要素法を利用して線条構造物の予測形状を計算して最適な配線設計を支援する方法であって、前記有限要素モデル作成手段によって、対象となる前記線条構造物を直線性が保たれた複数の梁要素が結合された弾性体として、この線条構造物の有限要素モデルを作成する有限要素モデル作成工程と、前記予測形状計算手段によって、前記有限要素モデルに与えられた前記線条構造物の物理特性及び拘束条件に応じた、このモデルの物理的に釣り合った状態である予測形状を計算する予測形状計算工程と、前記結果出力手段によって、前記予測形状計算工程における計算結果を出力する結果出力工程と、を含み、前記完全拘束型支持部材が取り付けられる前記有限要素モデル上の所定節点には、この完全拘束型支持部材の支持軸まわりの遊び角に相当するガタ角度ぶんだけ回転自由度が与えられ、且つ、前記予測形状計算工程では、前記拘束条件に前記回転自由度を加えて、前記拘束条件に前記回転自由度を加えることなく計算された前記予測形状であるガタなし予測形状の前記所定節点においてモーメントのかかる向きに前記ガタ角度ぶんだけ前記完全拘束型支持部材を強制的に回転させて、この強制的に回転させた方向と同方向にモーメントが発生しているときには、このときの予測形状を前記最終予測形状とし、前記強制的に回転させた方向と逆方向にモーメントが発生しているときには、前記完全拘束型支持部材を、前記ガタ角度より小さい角度ずつ徐々に前記逆方向に戻しながら回転させていくことにより釣り合った状態を求め、前記最終予測形状を計算する、ことを特徴とする。
また、上記課題を解決するためになされた請求項2記載の線条構造物の配線設計支援方法は、有限要素モデル作成手段と、予測形状計算手段と、結果出力手段と、を備えたコンピュータを用いて、有限要素法を利用して線条構造物の予測形状を計算して最適な配線設計を支援する方法であって、前記有限要素モデル作成手段によって、対象となる前記線条構造物を直線性が保たれた複数の梁要素が結合された弾性体として、この線条構造物の有限要素モデルを作成する有限要素モデル作成工程と、前記予測形状計算手段によって、前記有限要素モデルに与えられた前記線条構造物の物理特性及び拘束条件に応じた、このモデルの物理的に釣り合った状態である予測形状を計算する予測形状計算工程と、前記結果出力手段によって、前記予測形状計算工程における計算結果を出力する結果出力工程と、を含み、前記完全拘束型支持部材が取り付けられる前記有限要素モデル上の所定節点には、この完全拘束型支持部材の支持軸まわりの遊び角に相当するガタ角度ぶんだけ回転自由度が与えられ、且つ、前記予測形状計算工程では、前記拘束条件に前記回転自由度を加えることなく計算された前記予測形状であるガタなし予測形状の前記所定節点においてモーメントのかかる向きを計算し、前記拘束条件に前記回転自由度を加えて、前記完全拘束型支持部材を、前記モーメントのかかる向きに、前記ガタ角度より小さい角度ずつ徐々に回転させていくことにより釣り合った状態を求め、前記最終予測形状を計算する、ことを特徴とする。
また、上記課題を解決するためになされた請求項3記載の線条構造物の配線設計支援装置は、有限要素法を利用して線条構造物の予測形状を計算して最適な配線設計を支援する装置であって、対象となる前記線条構造物を直線性が保たれた複数の梁要素が結合された弾性体として、この線条構造物の有限要素モデルを作成する有限要素モデル作成手段と、前記有限要素モデルに与えられた前記線条構造物の物理特性及び拘束条件に応じた、このモデルの物理的に釣り合った状態である予測形状を計算する予測形状計算手段と、前記予測形状計算手段における計算結果を出力する結果出力手段とを含み、前記完全拘束型支持部材が取り付けられる前記有限要素モデル上の所定節点には、この完全拘束型支持部材の支持軸まわりの遊び角に相当するガタ角度ぶんだけ回転自由度が与えられ、且つ、前記予測形状計算手段では、前記拘束条件に前記回転自由度を加えて、前記拘束条件に前記回転自由度を加えることなく計算された前記予測形状であるガタなし予測形状の前記所定節点においてモーメントのかかる向きに前記ガタ角度ぶんだけ前記完全拘束型支持部材を強制的に回転させて、この強制的に回転させた方向と同方向にモーメントが発生しているときには、このときの予測形状を前記最終予測形状とし、前記強制的に回転させた方向と逆方向にモーメントが発生しているときには、前記完全拘束型支持部材を、前記ガタ角度より小さい角度ずつ徐々に前記逆方向に戻しながら回転させていくことにより釣り合った状態を求め、前記最終予測形状を計算する、ことを特徴とする。
また、上記課題を解決するためになされた請求項4記載の線条構造物の配線設計支援装置は、有限要素法を利用して線条構造物の予測形状を計算して最適な配線設計を支援する装置であって、対象となる前記線条構造物を直線性が保たれた複数の梁要素が結合された弾性体として、この線条構造物の有限要素モデルを作成する有限要素モデル作成手段と、前記有限要素モデルに与えられた前記線条構造物の物理特性及び拘束条件に応じた、このモデルの物理的に釣り合った状態である予測形状を計算する予測形状計算手段と、前記予測形状計算手段における計算結果を出力する結果出力手段と、を含み、前記完全拘束型支持部材が取り付けられる前記有限要素モデル上の所定節点には、この完全拘束型支持部材の支持軸まわりの遊び角に相当するガタ角度ぶんだけ回転自由度が与えられ、且つ、前記予測形状計算手段では、前記拘束条件に前記回転自由度を加えることなく計算された前記予測形状であるガタなし予測形状の前記所定節点においてモーメントのかかる向きを計算し、前記拘束条件に前記回転自由度を加えて、前記完全拘束型支持部材を、前記モーメントのかかる向きに、前記ガタ角度より小さい角度ずつ徐々に回転させていくことにより釣り合った状態を求め、前記最終予測形状を計算する、ことを特徴とする。
また、上記課題を解決するためになされた請求項5記載の線条構造物の配線設計支援プログラムは、コンピュータを、有限要素法を利用して線条構造物の予測形状を計算して最適な配線設計を支援する装置として機能させるプログラムであって、前記コンピュータを、対象となる前記線条構造物を直線性が保たれた複数の梁要素が結合された弾性体として、この線条構造物の有限要素モデルを作成する有限要素モデル作成手段、前記有限要素モデルに与えられた前記線条構造物の物理特性及び拘束条件に応じた、このモデルの物理的に釣り合った状態である予測形状を計算する予測形状計算手段、及び、前記予測形状計算手段における計算結果を出力する結果出力手段、として機能させ、前記完全拘束型支持部材が取り付けられる前記有限要素モデル上の所定節点には、この完全拘束型支持部材の支持軸まわりの遊び角に相当するガタ角度ぶんだけ回転自由度が与えられ、且つ、前記予測形状計算手段を、前記拘束条件に前記回転自由度を加えて、前記拘束条件に前記回転自由度を加えることなく計算された前記予測形状であるガタなし予測形状の前記所定節点においてモーメントのかかる向きに前記ガタ角度ぶんだけ前記完全拘束型支持部材を強制的に回転させて、この強制的に回転させた方向と同方向にモーメントが発生しているときには、このときの予測形状を前記最終予測形状とし、前記強制的に回転させた方向と逆方向にモーメントが発生しているときには、前記完全拘束型支持部材を、前記ガタ角度より小さい角度ずつ徐々に前記逆方向に戻しながら回転させていくことにより釣り合った状態を求め、前記最終予測形状を計算するように機能させる、ことを特徴とする。
また、上記課題を解決するためになされた請求項6記載の線条構造物の配線設計支援プログラムは、コンピュータを、有限要素法を利用して線条構造物の予測形状を計算して最適な配線設計を支援する装置として機能させるプログラムであって、前記コンピュータを、対象となる前記線条構造物を直線性が保たれた複数の梁要素が結合された弾性体として、この線条構造物の有限要素モデルを作成する有限要素モデル作成手段、前記有限要素モデルに与えられた前記線条構造物の物理特性及び拘束条件に応じた、このモデルの物理的に釣り合った状態である予測形状を計算する予測形状計算手段、及び、前記予測形状計算手段における計算結果を出力する結果出力手段、として機能させ、前記完全拘束型支持部材が取り付けられる前記有限要素モデル上の所定節点には、この完全拘束型支持部材の支持軸まわりの遊び角に相当するガタ角度ぶんだけ回転自由度が与えられ、且つ、前記予測形状計算手段を、前記拘束条件に前記回転自由度を加えることなく計算された前記予測形状であるガタなし予測形状の前記所定節点においてモーメントのかかる向きを計算し、前記拘束条件に前記回転自由度を加えて、前記完全拘束型支持部材を、前記モーメントのかかる向きに、前記ガタ角度より小さい角度ずつ徐々に回転させていくことにより釣り合った状態を求め、前記最終予測形状を計算するように機能させる、ことを特徴とする。
請求項1、請求項3及び請求項5記載の発明によれば、対象となる線条構造物を直線性が保たれた複数の梁要素が結合された弾性体として、この線条構造物の 有限要素モデルが作成され、この有限要素モデルに与えられた物理特性及び拘束条件に応じた予測形状が計算され、その計算結果が出力される。特に、完全拘束型支持部材が取り付けられるモデル上の所定節点には、この完全拘束型支持部材の支持軸まわりの遊び角に相当するガタ角度ぶんだけ回転自由度が与えられ、拘束条件に回転自由度を加えて最終予測形状が計算される。
また、ガタなし予測形状の所定節点においてモーメントのかかる向きにガタ角度ぶんだけ強制的に回転させ、この強制的に回転させた方向と同方向にモーメントが発生しているときには、このときの予測形状を最終予測形状とする。また、強制的に回転させた方向と逆方向にモーメントが発生しているときには、所定節点を、ガタ角度より小さい角度ずつ徐々に逆方向に戻しながら回転させていくことにより釣り合った状態を求め、最終予測形状を計算するようにしている。このように、完全拘束型支持部材を強制的に回転させた方向と同方向にモーメントが発生しているときには、このときの予測形状を最終予測形状とするので、支持部材の取付節点において、ガタ角度以上に相当する大きなモーメントが発生するときには、最終予測形状を短時間で求めることができる。
請求項2、請求項4及び請求項6記載の発明によれば、対象となる線条構造物を直線性が保たれた複数の梁要素が結合された弾性体として、この線条構造物の 有限要素モデルが作成され、この有限要素モデルに与えられた物理特性及び拘束条件に応じた予測形状が計算され、その計算結果が出力される。特に、完全拘束型支持部材が取り付けられるモデル上の所定節点には、この完全拘束型支持部材の支持軸まわりの遊び角に相当するガタ角度ぶんだけ回転自由度が与えられ、拘束条件に回転自由度を加えて最終予測形状が計算される。
また、ガタなし予測形状の所定節点においてモーメントのかかる向きを計算し、完全拘束型支持部材をモーメントのかかる向きにガタ角度より小さい角度ずつ徐々に回転させていくことにより釣り合った状態を求め、最終予測形状を計算するようにしている。このように、完全拘束型支持部材をモーメントのかかる向きにガタ角度より小さい角度ずつ徐々に回転させていくようにしているので、支持部材の取付節点において、ガタ角度範囲内の比較的小さなモーメントが発生するときには、最終予測形状を短時間で求めることができる。
請求項1、請求項3及び請求項5記載の発明によれば、対象となる線条構造物を直線性が保たれた複数の梁要素が結合された弾性体として、この線条構造物の有限要素モデルが作成され、この有限要素モデルに与えられた物理特性及び拘束条件に応じた予測形状が計算され、その計算結果が出力される。特に、完全拘束型支持部材が取り付けられるモデル上の所定節点には、この完全拘束型支持部材の支持軸まわりの遊び角に相当するガタ角度ぶんだけ回転自由度が与えられ、拘束条件に回転自由度を加えて最終予測形状が計算される。このように、支持部材のガタ角度までも想定して、有限要素法を用いて予測形状を計算することにより、より現実に即した線条構造物の配線設計が可能になる。
また、ガタなし予測形状の所定節点においてモーメントのかかる向きにガタ角度ぶんだけ強制的に回転させ、この強制的に回転させた方向と同方向にモーメントが発生しているときには、このときの予測形状を最終予測形状とする。また、強制的に回転させた方向と逆方向にモーメントが発生しているときには、所定節点を、ガタ角度より小さい角度ずつ徐々に逆方向に戻しながら回転させていくことにより釣り合った状態を求め、最終予測形状を計算するようにしている。このように、完全拘束型支持部材を強制的に回転させた方向と同方向にモーメントが発生しているときには、このときの予測形状を最終予測形状とするので、支持部材の取付節点において、ガタ角度以上に相当する大きなモーメントが発生するときには、最終予測形状を短時間で求めることができるという効果が付加される。
請求項2、請求項4及び請求項6記載の発明によれば、対象となる線条構造物を直線性が保たれた複数の梁要素が結合された弾性体として、この線条構造物の有限要素モデルが作成され、この有限要素モデルに与えられた物理特性及び拘束条件に応じた予測形状が計算され、その計算結果が出力される。特に、完全拘束型支持部材が取り付けられるモデル上の所定節点には、この完全拘束型支持部材の支持軸まわりの遊び角に相当するガタ角度ぶんだけ回転自由度が与えられ、拘束条件に回転自由度を加えて最終予測形状が計算される。このように、支持部材のガタ角度までも想定して、有限要素法を用いて予測形状を計算することにより、より現実に即した線条構造物の配線設計が可能になる。
また、ガタなし予測形状の所定節点においてモーメントのかかる向きを計算し、完全拘束型支持部材をモーメントのかかる向きにガタ角度より小さい角度ずつ徐々に回転させていくことにより釣り合った状態を求め、最終予測形状を計算するようにしている。このように、完全拘束型支持部材をモーメントのかかる向きにガタ角度より小さい角度ずつ徐々に回転させていくようにしているので、支持部材の取付節点において、ガタ角度範囲内の比較的小さなモーメントが発生するときには、最終予測形状を短時間で求めることができるという効果が付加される。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。まず、図1及び図2を用いて、対象となる線条構造物としてのワイヤーハーネスの例及び代表的な支持部材について説明する。図1は、対象となるワイヤーハーネスの例を概略的に示す図である。図2は、ワイヤーハーネスに取り付けられる代表的な支持部材と拘束自由度との関係を示す図である。
ワイヤーハーネス1は、例えば、上述のように両端部に図示しない電装品と接続されるコネクタ2a、2b、2c、2dが取り付けられ、その中間部には各種クリップ3a、3b、3c、3dが取り付けられ、更に、分岐点4を有している。ワイヤーハーネス1の各枝線は、基本的に、それぞれ構成線条材の数や種類が異なるので、各枝線の太さ、長さ、弾性、密度等も異なる。
上記各コネクタ2a、2b、2c、2dは、電装品側の相手方コネクタの固定位置及びその装着方向に応じて所定の位置に着脱可能に固定され、ワイヤーハーネスの端部を完全拘束する。また、上記各クリップ3a、3b、3c、3dは、ワイヤーハーネスの所定部位を、車両のボディやステー等の所定位置に完全拘束又は回転拘束される。
ここで、クリップについて説明を加える。クリップには、基本的に、長穴クリップ及び丸穴クリップがある。丸穴クリップは、回転クリップともよばれ、ワイヤーハーネスを保持する台座部とステー等に設けられた丸穴形状の取付穴に挿入される支持脚とから構成される。丸穴クリップは、Z軸(取付部位に鉛直方向)廻りに回転可能である。
一方、長穴クリップは、固定クリップともよばれ、ワイヤーハーネスを保持する台座部とステー等に設けられた長穴形状の取付穴に挿入される支持脚とから構成される。この支持脚の断面形状は、取付穴と略同様の長穴形状をしている。長穴クリップは、Z軸廻りに回転不可能である。
更に、長穴クリップ及び丸穴クリップには、X軸(ワイヤーハーネスの長手方向)廻りに回転可能な、コルゲート長穴クリップ及びコルゲート丸穴クリップがある。このような各クリップの各軸方向及び各軸廻りの拘束自由度は図2に示す通りである。
図2において、X軸、Y軸及びZ軸は、ワイヤーハーネス上の各節点(又はノードともよぶ)における右手ローカル座標系での直行する3軸に対応する。例えば、Z軸をクリップ軸と一致するようにしているが、これらの決定方法は、使用する関数によって適宜変更可能である。なお、図中、参考のために、分岐点の拘束自由度についても示している。また、ここでは図示しないが、上記拘束点以外に任意に設定されたワイヤーハーネス上の節点は、基本的に、完全自由である。このような拘束自由度が、後述するように、予測経路の計算のために、各節点にそれぞれ、設定される。
次に、図4〜図6を参照しながら、本発明において前提となる仮定条件、利用される理論及び基本式の概略について説明する。図4(A)は、ワイヤーハーネスの外観を示す図であり、図4(B)は、図4(A)のワイヤーハーネスを離散化した様子を示す図であり、図4(C)は、図4(A)のワイヤーハーネスを梁要素と節点とで表した図である。図5は、梁要素と節点とで表したワイヤーハーネスにおける自由度を説明するための図である。図6(A)は、ワイヤーハーネスを3つの梁要素で表した図であり、図6(B)は、図6(A)の3つの梁要素を結合した状態を示す図である。
まず、本発明では、ワイヤーハーネスの設計に有限要素法を利用するに際し、以下のような仮定をする。
(1).ワイヤーハーネスを弾性体と仮定する。
(2).ワイヤーハーネスを梁要素が結合されたものと仮定する。
(3).各梁要素に直線性が保たれるものと仮定する。
なお、梁要素と仮定することは、ワイヤーハーネスを一様断面、すなわち、均質な断面であると仮定することも意味する。また、断面を円形と仮定しているが必ずしもその必要はない。但し、以降の説明では、ワイヤーハーネスを円形断面と想定して説明していく。
このような仮定をすることにより、従来なされていなかった、ワイヤーハーネスへの有限要素法の適用が可能になる。
まず、ワイヤーハーネスを離散化する。すなわち、図4(A)に示すように、複数の電線11がテープ12等の外装部材によって束ねられたワイヤーハーネス1は連続体とみなすことができる。次に、図4(B)に示すように、このようなワイヤーハーネス1を、いくつかの梁要素C1、C2、C3、…に分割(離散化)する。すなわち、ワイヤーハーネスは1本のロープのようなものなので、有限個の梁要素をつなげたものとみなすことができる。
したがって、図4(C)に示すように、ワイヤーハーネスは、複数の梁要素C1、C2、C3、…を複数のノードN1、N2、N3、…で結合したものとして表すことができる。梁要素に必要な特性値は以下の通りである。
長さl(図4(B)参照)
断面積A(図4(B)参照)
断面2次モーメントI
断面2次極モーメントJ(ねじり抵抗係数ともよばれている)
縦弾性係数E
横弾性係数G
なお、上記特性値に直接表れされていないが、それらを求めるために密度ρやポアソン比μ等も用いられる。
なお、本明細書中、長さl、断面積A等のような、線条構造物等の外形を直接的に決定する物理特性に関するパラメータを外形パラメータとよび、それ以外の断面2次モーメントI、断面2次極モーメントJ、縦弾性係数E及び横弾性係数G、密度ρ、ポアソン比μ等のような物理特性に関するパラメータを非外形パラメータとよぶものとする。
そして、図5に示すように、各梁要素C(C1、C2、C3、…)はそれぞれ、2つの節点α及び節点βを有する。3次元空間においては、節点αは、3つの並進成分と3つの回転成分を持つため、合計6つの自由度を持つ。また、節点βも同様である。したがって、梁要素Cは12自由度を持つことになる。
なお、図中、
xi:i番要素のxi軸方向の節点力
yi:i番要素のyi軸方向の節点力
zi:i番要素のzi軸方向の節点力
xi:i番要素のxi軸周りの端モーメント(右ネジ方向を正とする)
yi:i番要素のyi軸周りの端モーメント(右ネジ方向を正とする)
zi:i番要素のzi軸周りの端モーメント(右ネジ方向を正とする)
xi:i番要素のxi軸方向の変位
yi:i番要素のyi軸方向の変位
zi:i番要素のzi軸方向の変位
θxi:i番要素のxi軸周りの角変位(右ネジ方向を正とする)
θyi:i番要素のyi軸周りの角変位(右ネジ方向を正とする)
θzi:i番要素のzi軸周りの角変位(右ネジ方向を正とする)
αは左側の節点、βは右側の節点
を示す。
ところで、ワイヤーハーネス等のような大変形をともなう構造力学では一般に有限要素法の平衡方程式は次式の形となる。
([K]+[KG]){x}={F}…(1)
ここで、[K]:全体剛性マトリックス、[KG]:全体幾何剛性マトリックス、{x}:
変位ベクトル、{F}:荷重ベクトル(力ベクトルともよぶ)
但し、式(1)は代数的には非線形連立方程式となっているため、実際の数値解析においてはそのままで解くことはできない。そのため、荷重値を細分化して逐次加算していく増分方法を採ることになる(強制変位の場合も同様)。よって、式(1)の平衡方程式も下記の増分形式で表現することになる。
([K]+[KG]){Δx}={ΔF}−{R}…(1)′
ここで、{ΔF}:荷重増分の値、{Δx}:増分ステップにおける増分変位、{R}:荷重ベクトルの補正ベクトル
そして、各増分区間では平衡方程式は線形方程式とみなして計算し、その際、生じる不平衡力(式(1)′中のベクトル{R})を次ステップに進む前に反復法により許容範囲まで減少させることになる。これら一連のアルゴリズムとしては、例えば、ニュートン・ラプソン法や弧長法といった公知の方法を利用する。
なお、形状予測のように強制変位を指定する場合には、平衡方程式左辺のうち、第2項の全体幾何剛性マトリックス[KG]を省く場合が良性となることも多く、本ケースでも省
いている。
また、左辺第1項の全体剛性マトリックス[K]は各増分ステップで時々刻々と座標値を変更させながら書き替えられる各要素の剛性マトリックスを全体座標系に変換して集計されたものである。この基本となる要素剛性マトリックスの具体的な表現内容が下記の式(2)である。
Figure 0004452091
ここで、適合条件と釣り合い条件について説明する。ここでは、簡単のために、図6(A)に示すように、ワイヤーハーネスを3つの梁要素C1、C2、C3で表すものとする。この場合、梁要素C1の節点1β及び梁要素C2の節点2αの変位は等しくなり、これら両節点に加わる力も釣り合うことになる。同様に、梁要素C2の節点2β及び梁要素C3の節点3αの変位も等しくなり、これら両節点に加わる力も釣り合うことになる。したがって、これら変位の連続性と力の釣り合いの条件を満たすことで、梁要素C1及びC2、梁要素C2及びC3を、図6(B)に示すように、結合することができる。
なお、図中、
xi:i番要素のxi軸方向の節点力
yi:i番要素のyi軸方向の節点力
zi:i番要素のzi軸方向の節点力
xi:i番要素のxi軸周りの端モーメント
yi:i番要素のyi軸周りの端モーメント
zi:i番要素のzi軸周りの端モーメント
xi:i番要素のxi軸方向の変位
yi:i番要素のyi軸方向の変位
zi:i番要素のzi軸方向の変位
θxi:i番要素のxi軸周りの角変位
θyi:i番要素のyi軸周りの角変位
θzi:i番要素のzi軸周りの角変位
を示し、
i=1α、1β、2α、2β、3α、3βである。
そして、図6(B)に示した梁要素C1、C2、C3における上記変位の連続性と力の釣り合いを上記式(2)と同様の形式で示すと、以下の式(3)のようになる。
Figure 0004452091
ここで、式(3)中の12行12列のマトリクスM1、M2及びM3は、上記式(2)で示したものと同様である。但し、マトリクスM1、M2及びM3が重なっている部分M12及びM23は、各マトリクスの各構成要素が足し合わされたものとなる。
なお、4つ以上の梁要素についても、同様に扱うことができる。このようにして、任意の数の梁要素に分割されるワイヤーハーネスの数式モデルを作成することができる。
ちなみに、上記式(3)を簡単に表すと、
[K]{x}={F}…(4)
となる。
したがって、上記(3)や式(4)に基づき、変位ベクトル{x}の各要素を求めることにより、経路、すなわち、ワイヤーハーネスの予測形状を計算することができる。また、各節点における力ベクトル{F}を求めることにより、すなわち、歪み、応力、反力、モーメント等を計算することができる。なお、上記のような一般的なマトリックス有限要素法は、例えば、上記非特許文献1中でも紹介されている。
次に、本発明における形状予測に必要なポアソン比、縦弾性係数及び横弾性係数の求め方の一例について以下に示す。図7(A)は、断面2次モーメント及び縦弾性係数を測定する様子を示す図であり、図7(B)は、断面2次極モーメント及び横弾性係数を測定する様子を示す図である。
まず、長さl、断面積A及び密度ρは、対象となるワイヤーハーネスを作成し、ノギス、メジャー、重量計等を用いて計測した後、簡単な算出により求めることができる。
また、縦弾性係数Eは、図7(A)に示す測定方法を行う場合、次式(5)で表すことができる。
E=FL3/3XI…(5)
また、断面2次モーメントIは、上記のようにワイヤーハーネスを円形断面と仮定したので、次式(6)で表すことができる。
I=πD4/64…(6)
したがって、
E=64FL3/3XπD4…(7)
となる。
この測定では、
E=(F/X)×(64L3/3πD4
として、Fとxとの関係を測定することにより、縦弾性係数Eを求めることができる。
一方、横弾性係数Gは、図7(B)に示す測定方法を行う場合、次式(8)で表すことができる。
G=(TL/θJ)×2…(8)
断面2次極モーメントJは、ワイヤーハーネスが円形断面と仮定したので、次式(9)で表すことができる。
J=πD4/32…(9)
また、ねじる力は、
T=FS…(10)
となる。
よって、
G=(32FSL/θπD4)×2=(F/θ)(32SL/πD4)×2…(11)
したがって、Fとθの関係を測定することにより、横弾性係数Gを求めることができる。
なお、横弾性係数Gと縦弾性係数Eとは、次式(12)のような関係がある。
G=E/2(1+μ)…(12)
ここで、μ:ポアソン比
を示す。
なお、上記測定方法は一例であり、上記測定例以外の方法によって、横弾性係数G及び縦弾性係数E各値を取得するようにしてもよい。
次に、上記理論、基本式及び測定値を利用して後述する処理手順にしたがってワイヤーハーネスの予測形状を計算及び出力して設計支援する、本発明に係るハードウエア構成について説明する。図8は、本発明の全実施形態に係るハードウエア構成を示すブロック構成図である。
図8に示すように、本発明では、マイクロコンピュータ21、入力装置22、表示装置23、印字装置24、記憶装置25、通信インターフェース26及びリードライト装置27を含んで構成される、例えば、パーソナルコンピュータが用いられる。いうまでもなく、パーソナルコンピュータ以外のディスクトップコンピュータやスーパーコンピュータを用いてもよい。マイクロコンピュータ21は、CPU21a(中央演算装置)、ブートプログラム等を記憶するROM21b、各種処理結果を一時的に記憶するRAM21cを含む。入力装置22は上記各値等を入力するキーボード、マウス等であり、表示装置23は処理結果を表示するLCDやCRT等であり、印字装置24は処理結果を印字するプリンタである。
また、記憶装置25は、インストールされた本発明に係る配線設計支援プログラム29a、このプログラム29aによる処理結果等を記憶するハードディスクドライブであり、通信インターフェース26は外部装置との間で、例えば、インターネットやLAN回線等を用いてデータ通信を行うためのモデムボード等である。リードライト装置27は、CDやDVD等の記録媒体29に格納される本発明に係る配線設計支援プログラム29aを読み込んだり、この配線設計支援プログラム29aによる計算結果を記録媒体29に書き込む装置である。これらの各構成要素は、内部バス28を介して接続されている。
マイクロコンピュータ21は、リードライト装置27にて読み込まれた配線設計支援プログラム29aを記憶装置25にインストールする。また、電源が投入されると、マイクロコンピュータ21は、ROM21bに記憶されるブートプログラムにしたがって起動され、インストールされている配線設計支援プログラム29aを立ちあげる。そして、マイクロコンピュータ21は、配線設計支援プログラム29aにしたがって、ガタ角度を考慮した形状予測に係る処理をしたり、処理結果を表示装置23や印字装置24から出力させたり、処理結果を記憶装置25や記録媒体29に保存させたりする。配線設計支援プログラム29aは、上記基本構成を有する他のパーソナルコンピュータ等にもインストール可能であり、インストール後は、そのコンピュータを配線設計支援装置として機能させる。なお、配線設計支援プログラム29aは、記録媒体29のみならず、インターネットやLAN等の通信回線を経由して提供されたものであってもよい。
続いて、図9及び図10を用いて、本発明の第1実施形態に係る処理手順について説明する。図9は、本発明の第1実施形態に係る処理手順を示すフローチャートである。図10(A)〜図10(E)はそれぞれ、図9の各処理過程においてワイヤーハーネスが変形する状態を示す図である。
まず、図9に示すステップS101においては、上述した手法を用いて、図10(A)に示すように、設計対象となるワイヤーハーネスに対応する有限要素モデル及びその初期形状10が作成される。次に、ステップS102においては、この有限要素モデルに対して、拘束条件、外形パラメータ、非外形パラメータ等が設定される。次に、ステップS103において、このような設定値に応じた、有限要素モデルの物理的に釣り合った状態である予測形状、すなわち、図10(B)に示すようなガタなし予測形状10−1が計算される。そして、ステップS104において、ガタなし予測形状10−1における、目的クランプ軸まわりのモーメントが計算される。ここで、目的クランプ軸n4は、完全拘束型支持部材のひとつである長穴クランプ30−1(長穴クリップとよんでもよい)が取り付けられる節点n4を起点とするクランプ軸(例えばローカルZ軸)とする。ここで、クランプ軸は、紙面と垂直方向であり、図中、点で表されるため、見かけ上節点n4に一致する。したがって、以降の説明では、目的クランプ軸n4とよぶこともある。なお、目的クランプ軸は、請求項中の支持軸に対応する。なお、ステップS101は、請求項中の有限要素モデル作成工程及び有限要素モデル作成手段に対応する。
補足すると、ステップS102で設定される拘束条件としては、各節点n0〜n8に対して、図2で示したような拘束種類(完全拘束、回転拘束、完全自由等)や座標等が設定される。各節点n0〜n8としては、コネクタやクリップ等の支持部材が取り付けられる部位等が割り当てられる。なお、拘束種類の設定には、図2で示したように、コネクタ、固定クリップ等の支持部材名を利用してもよい。ここで設定される各値は、上記式(3)中の変位ベクトル{x}中の各要素に係わる。
具体的には、節点n0、n4及びn8の拘束条件は完全拘束とし、これ以外の節点n1〜n3、n5〜n7の拘束条件は完全自由であるとして設定される。特に、節点n4は、完全拘束型支持部材のひとつである長穴クランプ30−1が取り付けられるため、完全拘束となるが、後述するように、詳しくは、ガタ角度θも考慮された完全拘束となる。
また、ステップS102で設定される外形パラメータとしては上記長さl及び断面積Aが設定され、非外形パラメータとしては、断面2次モーメントI、断面2次極モーメントJ、ポアソン比μ、密度ρ、縦弾性係数E及び横弾性係数Gが設定される。これらは、上記のようにして予め計測或いは求められている値が利用される。ここで設定される値は、上記式(3)中の剛性マトリクス[K]中の各要素に係わる。外形パラメータ及び非外形パラメータは、請求項中の物理特性に対応する。なお、図示しないが、この計算に係る各種制御値等も設定される。
また、ステップS103のガタなし予測形状10−1の計算及びガタなし予測形状10−1における目的クランプ軸n4まわりのモーメントの計算は、この有限要素モデルにステップS102で設定された拘束条件及び各パラメータを既知数として設定したときの解として求めることができる。
なお、ここでは、対象となるワイヤーハーネスが真っ直ぐに伸ばされた状態に対応するように初期形状10が設定されているが、初期形状としては別の形状になるように拘束条件を設定してもよい。
例えば、ワイヤーハーネスメーカからカーメーカへワイヤーハーネスを納入する際には、コンテナに梱包して納入されるが、コンテナから取り出したワイヤーハーネスを車両に配策する場合、コンテナの中でどのように折り曲げられていたかにより初期形状が変わってくる。このような折り曲げられた初期形状を出発点として予測形状に反映させることにより、より現実に即した形状のガタなし予測形状10−1を計算することが可能になる。
なお、初期形状を計算するためには、必ずしも有限要素法を利用する必要はなく、例えば、ワイヤーハーネスの材料特性に依存する最小曲げ半径やワイヤーハーネスを組み付ける際に作業者が通常の力で曲げることができる曲げ半径等を用いてもよい。いずれにしても、対象となるワイヤーハーネスの組み付け前の形状が反映された初期形状を出力することが好ましい。上記形状計算処理はマイクロコンピュータ21にて行われ、各値の設定には入力装置22が用いられ、予測形状の出力には表示装置23及び/又は印字装置24が用いられる。なお、以降の処理においても、形状計算処理はマイクロコンピュータ21にて行われ、各値の設定には入力装置22が用いられ、計算結果の出力には表示装置23が用いられる。
このような設定及び計算が完了すると、ステップS105に進んで、目的クランプ軸n4まわりのモーメントの大きさがゼロであるか否かが判定される。ステップS105において、モーメントの大きさがゼロであると判定されると(ステップS105のY)、ガタ角度の有無に拘わらず既に物理的に釣り合った状態にあるので、この形状10−1を最終予測形状として出力すべくステップS112に進む。一方、ステップS105において、モーメントの大きさがゼロでない判定されると(ステップS105のN)、ステップS106に進んで、目的クランプ軸n4において、図10(B)に示すクランプ30−1を、モーメントがかかる向きm+に所定のガタ角度θだけ強制変位させた、図10(C)に示すクランプ30−2のような状態にする。なお、図10(C)はガタ角度θ(=5°)だけ変位させた形状10−2の一部を示す。
このガタ角度θは、長穴クランプにおいて平均的な値を採用し、例えば、基準状態(図3の参照番号3で示すような)から±5°とする。勿論、実際に使用するクランプの特性に基づいて、他の角度を設定することも可能である。
次に、ステップS107において、図10(C)に示すように、上記ガタ角度θ(=5°)だけ変位させたさせたときの予測形状10−2が有限要素法を利用して計算される。この計算において、目的クランプ軸に対応する節点n4以外の設定値は、上記ステップS102で設定された値が適用される。次に、ステップS108において、上記ステップS104と同様に、目的クランプ軸n4まわりのモーメントが求められた後、ステップS109に進んで、ステップS106で強制変位させた角と逆向きにモーメントが発生しているか否かが判定される。
ステップS109において、ステップS106で強制変位させた角と逆向きにモーメントが発生していると判定されたときには(ステップS109のY)、過度に変位されたことを意味するので、ステップS110に進んで、クランプを逆向きに例えばθ/5(=1°)に戻すように強制変位させる。これにより、図10(C)で示すクランプ30−2の状態は、m−で示す方向にθ/5(=1°)だけ戻されて、図10(D)のクランプ30−3で示す状態に、強制変位される。そして、ステップS111に進んで、θ/5(=1°)に戻したときの予測形状が有限要素法を利用して計算される。この計算においても、目的クランプ軸に対応する節点n4以外の設定値は、上記ステップS102で設定された値が適用される。なお、戻す角度は、θ/5に限定されず、θ/10等の他の値でもよい。
この後は、上記ステップS108に戻って、再度、新たに計算された予測形状の目的クランプ軸n4周りのモーメントが求められて、ステップS109でNとなるまで、同様の処理が繰り返される。なお、ステップS109において、ステップS106で強制変位させた角と同向きにモーメントが発生していると判定されたときには(ステップS109のN)、物理的に釣り合った状態であるとみなして、現予測形状を最終予測形状として出力すべくステップS112に進む。なお、上記ステップS103〜ステップS111は、請求項中の予測形状計算工程及び予測形状計算手段に対応する。
なお、ステップS110、ステップS111に進むことなく、ステップS109からステップS112に進んだときには、ステップS106で強制変位させた角と同向きに回転すべき大きなモーメントが発生しているものの、ガタ角度θの最大値(=5°)に規制されて、クランプ30−2はこれ以上同方向m+に回転できないので、この形状10−2が物理的に釣り合った最終予測形状となる。
そして、ステップS112において、このように計算された結果が、図10(E)に示すような最終予測形状10−4として表示装置23に出力される。計算結果は、表示装置23のみならず、印字装置24にも出力したり、記録媒体29に記録されるようにすることが好ましい。また、上記ステップS103、ステップS107、ステップS111で予測形状が計算される度に、それらの計算結果を逐次表示装置23に出力するようにすることが好ましい。なお、上記ステップS112は、請求項中の結果出力工程及び結果出力手段に対応する。
このように、本発明の第1実施形態によれば、長穴クランプ等のような完全拘束型支持部材のガタ角度までも想定して、有限要素法を用いて予測形状を計算することにより、より現実に即した線条構造物の配線設計が可能になる。特に、第1実施形態によれば、ステップS106によって、ガタなし予測形状の目的クランプ軸n4においてモーメントのかかる向きにガタ角度θぶんだけ一気に回転させて、この回転させた方向と同方向にモーメントが発生しているときには、このときの予測形状を最終予測形状とするので、目的クランプ軸n4において、ガタ角度以上に相当する大きなモーメントが発生するときには、最終予測形状を短時間で求めることができる。
更に続いて、図11及び図12を用いて、本発明の第2実施形態に係る処理手順について説明する。図11は、本発明の第2実施形態に係る処理手順を示すフローチャートである。図12(A)〜図12(E)はそれぞれ、図11の各処理過程においてワイヤーハーネスが変形する状態を示す図である。
図11のステップS201、ステップS202、ステップS203、ステップS204及びステップS205における処理はそれぞれ、図9のステップS101、ステップS102、ステップS103、ステップS104及びステップS105における処理と同様であるので、重複説明は省略する。そして、これら処理を経て、図12(A)に示す初期形状10が変形されて、図12(B)に示すガタなし予測形状10−1が計算されているものとする。
ステップS205において、モーメントの大きさがゼロであると判定されると(ステップS205のY)、ガタ角度の有無に拘わらず既に物理的に釣り合った状態にあるので、図12(B)に示す形状10−1を最終予測形状として出力すべくステップS211に進む。一方、ステップS205において、モーメントの大きさがゼロでない判定されると(ステップS205のN)、ステップS206に進んで、目的クランプ軸n4において、図12(B)に示すクランプ30−1を、モーメントがかかる向きm+に所定のガタ角度θ/5(=1°)だけ強制変位させた、図12(C)に示すクランプ30−2′のような状態にする。なお、図12(C)はガタ角度θ/5(=1°)だけ変位させた形状10−2′の一部を示す。変位角度は、θ/5に限定されず、θ/10等の他の値でもよい。
次に、ステップS207において、図12(C)に示すように、上記ガタ角度θ/5(=1°)だけ変位させたさせたときの予測形状10−2′が有限要素法を利用して計算される。この計算において、目的クランプ軸に対応する節点n4以外の設定値は、上記ステップS202で設定された値が適用される。次に、ステップS208において、目的クランプ軸n4まわりのモーメントが求められた後、ステップS209に進んで、ステップS206で強制変位させた角と同向きにモーメントが発生しているか否かが判定される。
ステップS209において、ステップS206で強制変位させた角と同向きm+にモーメントが発生していると判定されたときには(ステップS209のY)、まだ同向きに変位可能であることを意味するので、ステップS206に戻って、クランプを同向きにθ/5(=1°)だけ強制変位させ、ステップS207に進んで、このときの予測形状が有限要素法を利用して計算される。これにより、例えば、図12(C)で示すクランプ30−2′の状態は、m+で示す方向に更にθ/5(=1°)強制変位されて、図12(D)のクランプ30−3′で示す状態になる。
この後、ステップS208において、再度、新たに計算された予測形状の目的クランプ軸n4周りのモーメントが求められて、ステップS209でN、或いは、ステップS210のYとなるまで、同様の処理が繰り返される。なお、ステップS209において、ステップS206で強制変位させた角と同向きにモーメントが発生していると判定されたとき(ステップS209のN)、或いは、ステップS210において、ステップS206で強制変位させた角の累積値が、ガタ角度θに到達したと判定されたときには(ステップS210のY)、物理的に釣り合った状態であるとみなして、現予測形状を最終予測形状として出力すべくステップS211に進む。なお、強制変位させた角の累積値がガタ角度θに到達したと判定されたときには(ステップS210のY)、方向m+に回転すべき大きなモーメントが発生しているもの、ガタ角度θの最大値(=5°)に規制されて、クランプはこれ以上方向m+に回転できなので、このときの形状が物理的に釣り合った最終予測形状となる。なお、上記ステップS203〜ステップS209は、請求項中の予測形状計算工程及び予測形状計算手段に対応する。
そして、ステップS211において、このように計算された結果が、図12(E)に示すような最終予測形状10−4として表示装置23に出力される。計算結果は、表示装置23のみならず、印字装置24にも出力したり、記録媒体29に記録されるようにすることが好ましい。また、上記ステップS203、ステップS207で予測形状が計算される度に、それらの計算結果を逐次表示装置23に出力するようにすることが好ましい。なお、上記ステップS211は、請求項中の結果出力工程及び結果出力手段に対応する。
このように、本発明の第2実施形態によれば、長穴クランプ等のような完全拘束型支持部材のガタ角度までも想定して、有限要素法を用いて予測形状を計算することにより、より現実に即した線条構造物の配線設計が可能になる。特に、第2実施形態によれば、目的クランプをモーメントのかかる向きにガタ角度より小さい角度ずつ徐々に回転させていくようにしているので、目的クランプ軸n4において、ガタ角度範囲内の比較的小さなモーメントが発生するときには、最終予測形状を短時間で求めることができる。
なお、上記実施形態では強制変位による形状予測の計算例を示したが、所定節点に力を加えながら変形させていくときの形状予測にも適用可能である。また、目的クランプ軸はワイヤーハーネス上にひとつだけ例示したが、複数の場合も同様に計算可能である。また、完全拘束型支持部材は長穴クランプに限定されるものではない。
また、線条構造物として車両内に配線されるワイヤーハーネスを例示して説明したが、本発明は、このようなワイヤーハーネスのみならず、ワイヤーハーネスよりもシンプルな構造の車両外に配線されるホースやチューブ、或いは、一般電線や1本の電線等にも同様に適用可能であることはいうまでもない。すなわち、本発明の線条構造物とは、これらホース、チューブ、一般電線、1本の電線等も含むものである。また、本発明は、枝線を有するワイヤーハーネス等にも適用可能である。また、本発明は、円形断面のみならず、矩形断面、円環断面、楕円断面、H字断面等の線条構造物に対しても、同様に適用可能である。すなわち、本発明が適用される線条構造物は、円形断面に限定されない。
対象となるワイヤーハーネスの例を概略的に示す図である。 ワイヤーハーネスに取り付けられる代表的な支持部材と拘束自由度との関係を示す図である。 ガタ角度を説明するための図である。 図4(A)は、ワイヤーハーネスの外観を示す図であり、図4(B)は、図4(A)のワイヤーハーネスを離散化した様子を示す図であり、図4(C)は、図4(A)のワイヤーハーネスを梁要素と節点とで表した図である。 梁要素と節点とで表したワイヤーハーネスにおける自由度を説明するための図である。 図6(A)は、ワイヤーハーネスを3つの梁要素で表した図であり、図6(B)は、図6(A)の3つの梁要素を結合した状態を示す図である。 図7(A)は、断面2次モーメント及び縦弾性係数を測定する様子を示す図であり、図7(B)は、断面2次極モーメント及び横弾性係数を測定する様子を示す図である。 全実施形態に係るハードウエア構成の一例を示すブロック構成図である。 本発明の第1実施形態に係る処理手順を示すフローチャートである。 図10(A)〜図10(E)はそれぞれ、図9の各処理過程においてワイヤーハーネスが変形する状態を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る処理手順を示すフローチャートである。 図12(A)〜図12(E)はそれぞれ、図11の各処理過程においてワイヤーハーネスが変形する状態を示す図である。
符号の説明
1 ワイヤーハーネス(線条構造物)
2a、2b、2c、2d コネクタ
3a、3b、3c、3d クリップ
4 分岐点
21 マイクロコンピュータ
22 入力装置
23 表示装置
24 印字装置
25 記憶装置
26 通信インターフェース
27 リードライト装置
28 内部バス
C1〜C7 梁要素
N1〜N8 節点(ノード)

Claims (6)

  1. 有限要素モデル作成手段と、予測形状計算手段と、結果出力手段と、を備えたコンピュータを用いて、有限要素法を利用して線条構造物の予測形状を計算して最適な配線設計を支援する方法であって、
    前記有限要素モデル作成手段によって、対象となる前記線条構造物を直線性が保たれた複数の梁要素が結合された弾性体として、この線条構造物の有限要素モデルを作成する有限要素モデル作成工程と、
    前記予測形状計算手段によって、前記有限要素モデルに与えられた前記線条構造物の物理特性及び拘束条件に応じた、このモデルの物理的に釣り合った状態である予測形状を計算する予測形状計算工程と、
    前記結果出力手段によって、前記予測形状計算工程における計算結果を出力する結果出力工程と、
    を含み、
    前記完全拘束型支持部材が取り付けられる前記有限要素モデル上の所定節点には、この完全拘束型支持部材の支持軸まわりの遊び角に相当するガタ角度ぶんだけ回転自由度が与えられ、且つ、
    前記予測形状計算工程では、
    前記拘束条件に前記回転自由度を加えて、前記拘束条件に前記回転自由度を加えることなく計算された前記予測形状であるガタなし予測形状の前記所定節点においてモーメントのかかる向きに前記ガタ角度ぶんだけ前記完全拘束型支持部材を強制的に回転させて、
    この強制的に回転させた方向と同方向にモーメントが発生しているときには、このときの予測形状を前記最終予測形状とし、
    前記強制的に回転させた方向と逆方向にモーメントが発生しているときには、前記完全拘束型支持部材を、前記ガタ角度より小さい角度ずつ徐々に前記逆方向に戻しながら回転させていくことにより釣り合った状態を求め、前記最終予測形状を計算する
    ことを特徴とする線条構造物の配線設計支援方法。
  2. 有限要素モデル作成手段と、予測形状計算手段と、結果出力手段と、を備えたコンピュータを用いて、有限要素法を利用して線条構造物の予測形状を計算して最適な配線設計を支援する方法であって、
    前記有限要素モデル作成手段によって、対象となる前記線条構造物を直線性が保たれた複数の梁要素が結合された弾性体として、この線条構造物の有限要素モデルを作成する有限要素モデル作成工程と、
    前記予測形状計算手段によって、前記有限要素モデルに与えられた前記線条構造物の物理特性及び拘束条件に応じた、このモデルの物理的に釣り合った状態である予測形状を計算する予測形状計算工程と、
    前記結果出力手段によって、前記予測形状計算工程における計算結果を出力する結果出力工程と、
    を含み、
    前記完全拘束型支持部材が取り付けられる前記有限要素モデル上の所定節点には、この完全拘束型支持部材の支持軸まわりの遊び角に相当するガタ角度ぶんだけ回転自由度が与えられ、且つ、
    前記予測形状計算工程では、
    前記拘束条件に前記回転自由度を加えることなく計算された前記予測形状であるガタなし予測形状の前記所定節点においてモーメントのかかる向きを計算し、
    前記拘束条件に前記回転自由度を加えて、前記完全拘束型支持部材を、前記モーメントのかかる向きに、前記ガタ角度より小さい角度ずつ徐々に回転させていくことにより釣り合った状態を求め、前記最終予測形状を計算する
    ことを特徴とする線条構造物の配線設計支援方法。
  3. 有限要素法を利用して線条構造物の予測形状を計算して最適な配線設計を支援する装置であって、
    対象となる前記線条構造物を直線性が保たれた複数の梁要素が結合された弾性体として、この線条構造物の有限要素モデルを作成する有限要素モデル作成手段と、
    前記有限要素モデルに与えられた前記線条構造物の物理特性及び拘束条件に応じた、このモデルの物理的に釣り合った状態である予測形状を計算する予測形状計算手段と、
    前記予測形状計算手段における計算結果を出力する結果出力手段と
    を含み、
    前記完全拘束型支持部材が取り付けられる前記有限要素モデル上の所定節点には、この完全拘束型支持部材の支持軸まわりの遊び角に相当するガタ角度ぶんだけ回転自由度が与えられ、且つ、
    前記予測形状計算手段では、
    前記拘束条件に前記回転自由度を加えて、前記拘束条件に前記回転自由度を加えることなく計算された前記予測形状であるガタなし予測形状の前記所定節点においてモーメントのかかる向きに前記ガタ角度ぶんだけ前記完全拘束型支持部材を強制的に回転させて、
    この強制的に回転させた方向と同方向にモーメントが発生しているときには、このときの予測形状を前記最終予測形状とし、
    前記強制的に回転させた方向と逆方向にモーメントが発生しているときには、前記完全拘束型支持部材を、前記ガタ角度より小さい角度ずつ徐々に前記逆方向に戻しながら回転させていくことにより釣り合った状態を求め、前記最終予測形状を計算する
    ことを特徴とする線条構造物の配線設計支援装置
  4. 有限要素法を利用して線条構造物の予測形状を計算して最適な配線設計を支援する装置であって、
    対象となる前記線条構造物を直線性が保たれた複数の梁要素が結合された弾性体として、この線条構造物の有限要素モデルを作成する有限要素モデル作成手段と、
    前記有限要素モデルに与えられた前記線条構造物の物理特性及び拘束条件に応じた、このモデルの物理的に釣り合った状態である予測形状を計算する予測形状計算手段と、
    前記予測形状計算手段における計算結果を出力する結果出力手段と、
    を含み、
    前記完全拘束型支持部材が取り付けられる前記有限要素モデル上の所定節点には、この完全拘束型支持部材の支持軸まわりの遊び角に相当するガタ角度ぶんだけ回転自由度が与えられ、且つ、
    前記予測形状計算手段では、
    前記拘束条件に前記回転自由度を加えることなく計算された前記予測形状であるガタなし予測形状の前記所定節点においてモーメントのかかる向きを計算し、
    前記拘束条件に前記回転自由度を加えて、前記完全拘束型支持部材を、前記モーメントのかかる向きに、前記ガタ角度より小さい角度ずつ徐々に回転させていくことにより釣り合った状態を求め、前記最終予測形状を計算する
    ことを特徴とする線条構造物の配線設計支援装置。
  5. コンピュータを、有限要素法を利用して線条構造物の予測形状を計算して最適な配線設計を支援する装置として機能させるプログラムであって、
    前記コンピュータを、
    対象となる前記線条構造物を直線性が保たれた複数の梁要素が結合された弾性体として、この線条構造物の有限要素モデルを作成する有限要素モデル作成手段、
    前記有限要素モデルに与えられた前記線条構造物の物理特性及び拘束条件に応じた、このモデルの物理的に釣り合った状態である予測形状を計算する予測形状計算手段、及び、
    前記予測形状計算手段における計算結果を出力する結果出力手段、として機能させ、
    前記完全拘束型支持部材が取り付けられる前記有限要素モデル上の所定節点には、この完全拘束型支持部材の支持軸まわりの遊び角に相当するガタ角度ぶんだけ回転自由度が与えられ、且つ、
    前記予測形状計算手段を、
    前記拘束条件に前記回転自由度を加えて、前記拘束条件に前記回転自由度を加えることなく計算された前記予測形状であるガタなし予測形状の前記所定節点においてモーメントのかかる向きに前記ガタ角度ぶんだけ前記完全拘束型支持部材を強制的に回転させて、
    この強制的に回転させた方向と同方向にモーメントが発生しているときには、このときの予測形状を前記最終予測形状とし、
    前記強制的に回転させた方向と逆方向にモーメントが発生しているときには、前記完全拘束型支持部材を、前記ガタ角度より小さい角度ずつ徐々に前記逆方向に戻しながら回転させていくことにより釣り合った状態を求め、前記最終予測形状を計算するように機能させる
    ことを特徴とする線条構造物の配線設計支援プログラム
  6. コンピュータを、有限要素法を利用して線条構造物の予測形状を計算して最適な配線設計を支援する装置として機能させるプログラムであって、
    前記コンピュータを、
    対象となる前記線条構造物を直線性が保たれた複数の梁要素が結合された弾性体として、この線条構造物の有限要素モデルを作成する有限要素モデル作成手段、
    前記有限要素モデルに与えられた前記線条構造物の物理特性及び拘束条件に応じた、このモデルの物理的に釣り合った状態である予測形状を計算する予測形状計算手段、及び、
    前記予測形状計算手段における計算結果を出力する結果出力手段、として機能させ、
    前記完全拘束型支持部材が取り付けられる前記有限要素モデル上の所定節点には、この完全拘束型支持部材の支持軸まわりの遊び角に相当するガタ角度ぶんだけ回転自由度が与えられ、且つ、
    前記予測形状計算手段を、
    前記拘束条件に前記回転自由度を加えることなく計算された前記予測形状であるガタなし予測形状の前記所定節点においてモーメントのかかる向きを計算し、
    前記拘束条件に前記回転自由度を加えて、前記完全拘束型支持部材を、前記モーメントのかかる向きに、前記ガタ角度より小さい角度ずつ徐々に回転させていくことにより釣り合った状態を求め、前記最終予測形状を計算するように機能させる
    ことを特徴とする線条構造物の配線設計支援プログラム。
JP2004047618A 2004-02-24 2004-02-24 線条構造物の配線設計支援方法、その装置及びそのプログラム Expired - Fee Related JP4452091B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004047618A JP4452091B2 (ja) 2004-02-24 2004-02-24 線条構造物の配線設計支援方法、その装置及びそのプログラム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004047618A JP4452091B2 (ja) 2004-02-24 2004-02-24 線条構造物の配線設計支援方法、その装置及びそのプログラム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005242426A JP2005242426A (ja) 2005-09-08
JP4452091B2 true JP4452091B2 (ja) 2010-04-21

Family

ID=35024140

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004047618A Expired - Fee Related JP4452091B2 (ja) 2004-02-24 2004-02-24 線条構造物の配線設計支援方法、その装置及びそのプログラム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4452091B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4696878B2 (ja) * 2005-11-30 2011-06-08 トヨタ自動車株式会社 係止部材の支点での線条材の角度の変化を定義する方法、装置、及び、プログラム
JP5059655B2 (ja) * 2008-02-27 2012-10-24 矢崎総業株式会社 配索経路算出装置、配索経路算出方法、及び、配索経路算出プログラム
JP4824065B2 (ja) * 2008-10-02 2011-11-24 関東自動車工業株式会社 支持点回転角度を考慮可能なワイヤーハーネスの変形解析システム
JP5341703B2 (ja) * 2009-10-14 2013-11-13 矢崎総業株式会社 クランプ製作方向設計支援装置、クランプ製作方向設計支援方法、及び、クランプ製作方向設計支援プログラム

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005242426A (ja) 2005-09-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7418677B2 (en) Method of calculating predictive shape of wire structure, calculation apparatus, and computer-readable recording medium
JP4542791B2 (ja) ワイヤー様構造物におけるねじれ角計算方法、その装置及びそのプログラム
US7587689B2 (en) Method of supporting wiring design, supporting apparatus using the method, and computer-readable recording medium
US7343574B2 (en) Method of supporting wiring design, supporting apparatus using the method, and computer-readable recording medium
US7260811B2 (en) Method of calculating predictive shape of wiring structure, calculating apparatus, and computer-readable recording medium
JP2006294037A (ja) フレキシブルスレンダボディシステム用の非線形ソルバ
JP4600912B2 (ja) ワイヤー様構造物の配線設計支援方法、その装置及びそのプログラム
JP4452091B2 (ja) 線条構造物の配線設計支援方法、その装置及びそのプログラム
JP4516303B2 (ja) 線条構造物の配線設計支援方法、その装置及びそのプログラム
JP4194965B2 (ja) 線条構造物の配線設計支援方法、その装置及びそのプログラム
JP4235064B2 (ja) ワイヤー様構造物の配線設計支援方法、その装置及びそのプログラム
JP4600913B2 (ja) ワイヤー様構造物の配線設計支援方法、その装置及びそのプログラム
JP4365719B2 (ja) 線材の予測形状計算方法、その装置及びそのプログラム
JP3968288B2 (ja) ワイヤー様構造物の可動範囲予測方法及びその装置
JP4600911B2 (ja) ワイヤー様構造物の配線設計支援方法、その装置及びそのプログラム
JP4344204B2 (ja) ワイヤー様構造物の形状予測方法、その装置及びそのプログラム
JP4448368B2 (ja) 線材の予測形状計算方法、その装置及びそのプログラム
JP2007102676A (ja) ワイヤー様構造物の形状計算方法、そのねじれ計算方法、その形状計算装置、その形状計算システム及びその形状計算プログラム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060525

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20091023

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20091110

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091222

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100119

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100129

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4452091

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130205

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140205

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees