JP4641033B2 - ワイヤハーネスの可動範囲解析装置 - Google Patents

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本発明は、拘束具で互いに間隔を置いて拘束されて配索されるワイヤハーネスについて、有限要素法により解析された節点群で構成されるライン状の解析モデルに対応する基準配索経路から強制的に移動させ得る可動範囲を有限要素法により解析するワイヤハーネスの可動範囲解析装置に関するものである。
特許文献1には、複数本の線条材から構成されるワイヤを円形断面で線形性が保たれた複数の梁要素が結合された弾性体とみなし、コンピュータによる有限要素法を利用した計算により、所定箇所に配索されるワイヤの可動範囲を予測する方法であって、安定しているワイヤにおける拘束部位以外の複数の梁要素のそれぞれの結合点である節点に対して、所定の方向に所定の力を加えたときのワイヤの可動範囲を、ワイヤの形状特性、材料特性及び拘束条件を満たすように有限要素法を利用して算出するワイヤ様構造物の可動範囲予測方法が開示されている。
即ち、両端をクランプされたワイヤハーネスにつき、その拘束位置及び方向を拘束条件として、フックの法則に応じて、節点もしくは梁要素に3軸方向に並進及び3軸方向回りの6個の自由度、つまり各梁要素の両節点につき12個の自由度を持つとして、ワイヤハーネスの長さ及び断面積の形状特性並びに梁要素の断面積、断面二次モーメント、密度、縦弾性係数及び横弾性係数の材料特性に対応する12行12列の剛性ベクトルと、並進及び回転の12行の変位ベクトルとの積が、12行の力ベクトルに相当する関係が成立することを前提にする。そして、3個以上の節点が連続するワイヤハーネスにつき、各節点間の変位の連続性と力が釣合うことを前提に、下記の式(1)のフックの法則に対応する配索経路関数によりワイヤハーネスの配索経路が解析される。
[K]{x}={F}・・・(1)
ここで、K:前述の形状特性及び材料特性を基に算出もしくは実測され、かつ前述のばね定数に相当する剛性ベクトル、x:変位ベクトル、F:力ベクトル。
これにより、ワイヤハーネスの両端の拘束位置及び拘束する方向を規定する拘束条件を前提に、ワイヤハーネスの長さ・円形断面形状の形状特性及び材料特性に応じて、弾性体としての梁要素が介在する各節点の互いの三次元方向の力を均衡させた状態に基準の配索経路が解析されると共に、節点に力を加えた場合の配索経路、即ち重力、エンジン駆動、走行時の振動等に起因する基準配索経路からの変位が解析され、また変位に対する力も解析可能となる。
特許文献2には、画面上にワイヤハーネス等の柔軟物の三次元形状を模したグラフィック表示を行う画像表示手段と、柔軟物の画面上で指示された特定部位及び移動させられた移動位置を三次元仮想空間の三次元座標値として認識する座標値認識手段と、柔軟物の解析モデルに対して認識された特定部位を含めて拘束部位間を分割する複数個の節点を設定する節点設定手段と、柔軟物の材料特性データ、形状データ及び拘束条件を入力条件として、認識された移動位置及び設定された節点の三次元座標値データに応答して、有限要素法により特定部位の移動に伴って初期状態の解析モデルが変形するのを解析して変形解析モデルを作成する変形解析手段とを備えて、変形した柔軟物の三次元形状を模したグラフィック表示を行う柔軟物の変形解析装置が開示されている。これにより、ワイヤハーネスの一端に取付けられたコネクタを外す際に、その移動経路及び周辺の干渉物に対する位置関係を確認できる。
特開2004−119613号公報 特開2005−149055号公報
前述の特許文献1によれば配索されたワイヤハーネスについて、特定の部位に振動等の特定の外力が加わる場合の変形状態を解析できるが、両側のクランプ位置間のワイヤハーネスに作業時に強制的に移動させられる場合等も想定して、ワイヤハーネスの全域について配索状態からの可動範囲を解析するような方法は開示されていない。
本発明は、このような点に鑑みて、三次元空間における両側のクランプ位置間のワイヤハーネスのライン長で規定される幾何学的な最大可変範囲を限界として、ワイヤハーネスの解析された基準配索経路からの最大可動範囲をワイヤハーネスの拘束条件、形状特性及び材料特性を基に高精度に解析し得るワイヤハーネスの可動範囲解析装置を提供することを目的とする。
本発明は、この目的を達成するために、請求項1により、拘束具で互いに間隔を置いて拘束されて配索されるワイヤハーネスについて、節点群のそれぞれの間に弾性体としての梁要素が介在すると見なしたライン状で、かつ両側の拘束点間の解析モデルに対して、有限要素法によりワイヤハーネスの形状特性、材料特性及び拘束条件に対応して解析された基準配索経路からワイヤハーネスを強制的に移動させ得る可動範囲を解析するワイヤハーネスの可動範囲解析装置であって、拘束点間の直線状の基準ラインを底辺とし、基準ラインを含む平面状の解析面上において解析モデルのわん曲分を含むライン長を2辺の長さとして基準ラインに対して垂線を形成し得る三角形の頂点を形成するように、解析モデルの全域にわたり分散設定された任意の複数個の節点を頂点にそれぞれ幾何学的に位置設定する頂点設定手段と、所属の頂点に節点が移動可能か否かを解析するための節点のそれぞれの解析経路として基準ラインに対して垂線を頂点からそれぞれ設定する解析経路設定手段と、各解析経路上での所属の節点の設定位置においてワイヤハーネスの形状特性、材料特性及び拘束条件に対応するワイヤハーネスの変形が許容されるか得か否かにより、頂点を可動範囲の限界として基準ラインに対して直交方向の強制的な最大可動位置を解析する最大可動位置確定手段と、基準ラインを中心に所定の回転角ごとに回転させた複数面の解析面について、この各解析面上における解析された最大可動位置を順に結ぶと共に、回転角を異にする共通の頂点同士の最大可動位置を順に結んだ三次元空間における可動範囲データを作成する可動範囲データ作成手段と、この可動範囲データに応答して可動範囲のメッシュ状画像をディスプレイ部の画面の三次元仮想空間に表示させる表示制御手段とを備えたことを特徴とする。
これにより、解析すべき節点について、幾何学的な頂点に向かう解析経路が設定されることにより、基準配索経路から頂点を基準ラインに対して直交方向へ強制的に移動させ得る限界位置として、各解析経路上に所属の節点を設定して、その設定位置で有限要素法による解析により、ワイヤハーネスの形状特性、拘束条件及び材料特性を基に解析領域の配索形状からの変形が許容されるか否かが解析され、その許容される限界位置が最大可動位置となる。即ち、図5において、梁要素Ea〜Ecには、同図Bに示すように、節点a,a´;b,b´;c,c´が存在し、梁要素Eaの節点aを同図AでΔVaだけ変位させると、その節点a´の変位量ΔVbが前述の式(1)により解析されて、隣の節点bの変位入力となり、以下節点b´、c、c´の変位が求められて点線で示す配索形状が解析される。その際、節点a´の変位に対して、隣合う節点bの変位が、梁要素Ea、Eb間の例えばテーピング方法の相違に起因する剛性ベクトルxの相違により変位が等しくなり得ないと式(1)に基づく演算が収束しないことにより最大可動位置とはなり得ない。また、梁要素Ebが、梁要素Ecに至る曲線状の配索形状の小さな曲率による緊張状態にあって、節点a´の変位に対応して節点bが相応に変位する際に力ベクトルFが過大になって互いに均衡し得ない場合も収束しないことになる。
本発明によれば、両側のクランプ位置間のワイヤハーネス長に応じて形成される三角形の頂点を最大可動範囲の限界として、基準配索経路からの強制的に移動させられる可能性の三次元空間での最大可動範囲が、全域について簡単、かつ高精度に解析され、したがってその全域についての周辺物との振動或は人為的な外力による干渉・断線・異音発生の可能性がワイヤハーネスの実装前の段階で確実に確認可能となる。
図1乃至図4を基に本発明の実施の形態によるワイヤハーネスの可動範囲解析装置を説明する。この可動範囲解析装置は、例えば自動車のインストルメントパネルもしくはその周辺のボデーに間欠的に順に拘束されて配索されるワイヤハーネスについて、その解析された配索経路からの最大可動範囲を解析するのにパソコン1を用いるもので、さらにディスプレイ部2と、入力部としてのキーボード3及びマウス4並びにCD等の記録媒体がセットされる入出力用のディスクドライブ6等の入出力部5とが付属すると共に、CPU、メモリ等を内蔵してプログラムにより作動することにより次の各部を構成している。
即ち、ワイヤハーネスの材料特性及び形状特性並びに拘束部位の三次元座標値及び拘束方向等の拘束条件等の解析条件を格納する解析条件格納手段11と、その解析条件を基に拘束具で互いに間隔を置いて拘束されワイヤハーネスの安定した基準配索経路を有限要素法により中心ラインのライン状の解析モデルについて解析する配索経路解析手段10と、入力する画像表示データに応答してディスプレイ部2の画面2aの三次元仮想空間に三次元形状を模したグラフィック表示を行わせる表示制御手段12と、ワイヤハーネスの可動範囲を解析する可動範囲解析部20とを構成する。
この可動範囲解析部は、両側の拘束点間の直線状の基準ラインを底辺とし、基準ラインを含む平面状の解析面上において解析モデルのライン長を2辺の長さとして前記基準ラインに対して垂線を形成し得る三角形の頂点を形成するように、任意の複数個の節点を頂点にそれぞれ幾何学的に位置設定する頂点設定手段21と、その幾何学的な各頂点に所属の節点が基準配索経路から移動可能か否かを解析するための節点の解析経路として、基準ラインに対する垂線を各頂点からそれぞれ設定する解析経路設定手段22と、各解析経路上での所属の節点の設定位置においてワイヤハーネスの形状特性、材料特性及び拘束条件を基にワイヤハーネスの変形が許容され得るか否かにより、頂点を可動範囲の限界として基準ラインに対する直交方向の強制的な最大可動位置を解析する最大可動位置確定手段23と、基準ラインを中心に所定の回転角ごとに回転させた複数面の解析面について、各解析面上における複数個の節点の解析された最大可動位置を順に結ぶと共に、回転角を異にする共通の頂点同士の最大可動位置を順に結ぶ三次元空間における可動範囲データを作成する可動範囲データ作成手段24とで構成される。
配索経路解析手段10は、例えば図3及び図2Aに示すように、互いに異なる方向に拘束具CL1及びCL2により完全拘束することにより配索されるべきワイヤハーネス9に対して、円形断面の線形性が保たれた複数の梁要素が節点で結合された弾性体と見なすことにより、ワイヤハーネス9の長さ・円形断面の形状特性、その中心ラインに沿った例えば5mm間隔の節点群b1〜b10の三次元座標値、梁要素の断面積、断面二次モーメント、密度、縦弾性係数、横弾性係数等の材料特性及び拘束位置・方向を解析条件として、前述の式(1)による配索経路関数を基に、各節点について前述の中心ラインを中心にした互いに力が均衡した捩れ回転量及び並進に起因する三次元位置を解析することにより、拘束点a1、a2間の安定した基準配索経路を規定するライン状の解析モデルM1を作成する。このように、ワイヤハーネス9の全域について三次元空間での配索経路を解析する。
可動範囲解析部20の頂点設定手段21は、図2A、Bに示すように、両側の拘束点a1、a2間の解析モデルM1の全域にわたり分散設定されている各節点b1〜b10について、ライン状の解析モデルM1のライン長L1が例えば基準ラインB1の距離100mmに対して、わん曲分だけ長くなった約110mmとして基準ラインB1に対して直交方向への最大振幅の移動位置である頂点位置をそれぞれ演算する。つまり、底辺の長さと、頂点の両側の2辺の長さの和とが既知であると、三角形、即ち頂点位置が規定され得ることを前提に、各節点b1〜b10について、両側の拘束点a1、a2間の直線状の基準ラインB1を底辺とし、ライン長L1及びそのライン上の任意の節点両側の線分長に応じて規定される三角形の頂点位置を設定する。
解析経路設定手段22は、図2Cに示すように、それぞれの頂点位置からの基準ラインB1に対する垂線の足である交点h1〜h10を解析し、それぞれの垂線を設定する。可動位置確定手段23は、各基準面について、節点b1〜b10について、所属の垂直状の解析経路において基準の配索経路(図2A)から幾何学的な頂点に向けて微小間隔で逐次移動させる際の収束する最大位置Mh1〜Mh10を、配索経路解析手段10を構成する前述の式(1)の解析ソフトを利用して解析する。
つまり、各節点b1〜b10の所属の解析経路を微小量づつ逐次移動させる過程で、図5を基に前述したように、節点b1に所属の共通位置の両側の節点同士、節点b2の両側の節点同士、・・・・・・節点b10の両側の節点同士の変位が等しく、かつ力が釣り合う範囲で最大位置を解析する。因みに、移動量に相当する変位ベクトル{x}に対して剛性ベクトル[K]の両側での相違により隣同士の節点の変位が等しくなり得なかったり、或は周辺の配索形状の変化により力ベクトル{F}が均衡し得ないと、式(1)の関係が不成立、つまり収束しないことになる。
節点b1については、幾何学的な最大位置に移動させる過程でワイヤハーネス9の変形曲率が小さくなり、収束可能な範囲な最大位置Mh1が、×印で示す頂点v1よりも下方位置に確定される。節点b2〜b8については、最大位置Mh2〜Mh8が×印で示す所属の頂点と一致する。節点b9については、拘束点a2での拘束方向に起因して基準ラインB1に対して逆回転位相の解析面上の配索位置から所属の解析面側へ大きく変形させられ、頂点v9には到達し得ず、基準ラインB1を僅かに越えた最大位置Mh9に確定される。節点b10については、さらに至近位置の拘束点a2の拘束により変形が制限されて逆回転位相の解析面上に最大位置Mh10に確定される。
尚、可動位置確定手段23における節点b1〜b10の所属の解析経路への設定は、頂点に向けて逐次移動させるのと逆方向に、頂点位置で収束するか否かを確認して、収束しない場合に解析経路上を頂点から基準ラインB1に向けて移動さることも考えられる。
可動範囲データ作成手段24は、同図Dに示すように、同図A〜Cに示す解析面の最大可動位置Mh1〜Mh10を点表示して順に結ぶと共に、所定の角度、例えば30°回転させた解析面の順に結ばれた最大可動位置Mh1〜Mh10と共通の頂点同士の最大可動位置の点を順に結び、同様に所定の角度づつ360°の範囲にわたり回転させた共通の頂点同士の最大可動位置の点を順に結び、さらに最後のMh111〜Mh1011と最初の最大可動位置Mh1〜Mh10の点を結ぶ可動範囲データを作成する(図は省略して示す)。
表示制御手段12は、この可動範囲データに応答してディスプレイ部2の画面2a上の三次元仮想空間に、最大可動範囲を指示する三次元形状のメッシュ状画像をグラフィック表示する。その表示は、可動範囲データを配索形状の解析用のCADの三次元座標系に対して基準ラインB1を画面2a上の三次元仮想空間で正面視した状態を含めて、周知の方法により、外部からの操作指令に応じて任意の方向から見た画像表示データに変換してグラフィック表示を行う。尚、可動範囲データ作成手段の変形例として最大可動位置を表示する点同士を結ばない場合には、表示制御手段12は、最大可動範囲をメッシュ状画像でなく、点群もしくはプロット状画像としてグラフィック表示する。
このように構成されたワイヤハーネスの可動範囲解析装置の動作を図4のフローチャートを参照して説明する。この装置は、入出力部5により、関連の解析ソフトをロードさせると共に、解析条件等の入力操作を行うことにより、ワイヤハーネス9に対して予め登録された解析条件格納手段11の解析所条件に応じて配索経路解析手段10により基準の安定した配索経路が解析され、表示制御手段12は、ワイヤハーネス9の円形断面に対応した円筒状に肉付けされた配索形状が三次元形状を模して画面2aに表示させる。
全体的に表示されている配索経路に対して、入力操作により、例えば図3に示す拘束具CL1、CL2間の解析された配索経路について、その可動範囲の解析を指令すると、可動範囲解析部20において、先ずそれぞれの節点b1〜b10について三角形を形成する頂点が各基準面について解析される(図2B参照、S1)。
次いで、垂線状の解析経路が設定(S2)されると共に、その解析経路上で基準の配索経路から所属の節点b1〜b10の移動が許容される最大可動位置Mh111〜Mh1011を有限要素法により解析する(図2C参照、S3)。同図で、×印は頂点、○印は最大可動位置を示す。つまり、節点b1〜b10を所属の解析経路に沿って頂点に向けて移動させ、解析モデルM1の解が得られるか否か、即ち前述の式(1)による配索経路関数が収束する限界位置を最大可動位置Mh111〜Mh1011として確定する。
このような最大可動位置Mh1〜Mh10を各基準面ごとに結ぶと共に、共通の頂点の最大位置Mh1〜Mh10同志も順に結んで作成された最外可動範囲データに応答して、任意の基準面を正面視した状態で、基準の配索経路からの最大可動範囲を確認させるメッシュ状の三次元画像が画面2aに表示される(図2D参照、S4)。確認のために必要な回転位置を入力装置4で指定して、その領域の正面視の画像を表示させることもできる。
図6は、垂直状の解析経路の最大可動位置間の補間データを作成する別の実施の形態を示す。図2による前述の解析に際して、節点b1の交点h1から斜め方向の移動は幾何学的に図で見て右側はクランプ位置CL1を支点とする円弧R1、左側はCL2を支点とする円弧で最大可動位置を制限される。これらの範囲内で解析経路の傾斜角を段階的にずらしてその都度収束する実際の最大可動位置を解析して補間することができる。同図では、円弧R1側で、傾斜角θだけ回転させた傾斜状の解析経路に沿って解析した補間用の最大可動位置Mh1aを代表的に示す。この方法により、特に解析すべき節点間で最大位置が大きく変化する領域でも、その間の最大可動位置が高精度に解析可能となる。
図7は、さらに別の実施の形態による解析方法を説明する。前述の図2Cの解析の場合、いずれも所属の解析経路上に最大可動位置が確定されるが、基準の配索経路からの変形の余地の少ない節点につき、所属の解析経路に載らない場合或は既に移動を拘束されて解析経路上を移動し得ない場合、その配索経路上の節点の三次元位置自体が最大可動位置になる。例えば図7のアーチ状の配索経路のワイヤハーネス9aの中間位置の節点b25は、上方へ撓み得ないことにより、頂点v25には達し得ず、基準の配索経路の節点b25の三次元位置が最大可動位置Mh25になる。
この場合、節点b25は左右には僅かに撓み得るために、拘束点a3、a4を中心とする円弧R3、R4を限界として解析経路の交点h25を中心に回転させた斜め方向の解析経路に沿って例えば最大位置Mh25a、Mh25bが解析される。同様に、節点b25の両側の他の節点群について垂直状及び斜めの解析経路に沿って最大可動範囲ラインLm25を作成する。さらに、所定の角度づつ回転させて最大可動範囲ラインを作成する。この場合、クランプ具CL3、CL4の拘束方向に起因して、基準ラインB1aを中心とするワイヤハーネス9aの撓み回転は制限されることにより、360°中の所定の回転範囲でのみ収束し、したがってその範囲の可動範囲データが作成される。
前述の実施の形態では、節点ごとにその垂直状の解析経路を設定したが、さらに節点間の間隔が狭い場合等は複数個の節点ごとに解析すべき節点を設定することもできる。また、前述の実施の形態では節点を基に解析経路を設定したが、解析経路群を基準ラインに沿って予め設定すると共に、そのうちの頂点になる節点位置近辺の解析経路を基準ラインに沿って微調整し、最終的に垂直状の解析経路を設定することも考えられる。
尚、前述の実施の形態では、最大可動位置の解析に際して、各解析経路上で所属の節点をいずれかの方向に逐次移動させることを前提にしたが、このような微小間隔ごとの移動でなく、処理時間の短縮等の目的で適宜広い間隔を設定して節点を解析経路上に間欠的に設定することも可能である。その場合、解析された各最大可動位置を拘束点として両側のワイヤハーネス部分の配索経路も解析しておき、その他の節点のいずれかの回転角の解析面におけるこのような間欠処理によるラフな解析結果の最大可動位置と比較して、これを上廻る場合にはその配索経路の節点位置と置換することも考えられる。
さらに、両側のクランプ間の配索経路について説明したが、図8に示すようにT形等の分岐部を有するワイヤハーネスについても解析可能である。例えば拘束点a1、a2間のワイヤハーネス部分W1、W2から拘束点a3のワイヤハーネス部分W3が分岐する場合、W3による引張り拘束が加わることを前提にW1、W2の最大可動範囲を解析し、次いでW1による引張り拘束が加わることを前提にW2、W3の最大可動範囲を解析する。
以上、本発明は、有限要素法により解析された基準配索経路からワイヤハーネスを強制的に移動させ得る可動範囲を解析するものであるが、実験的に求めた数値解析アルゴリズムのソフトによりワイヤハーネスの基準配索経路を解析する場合でも、同様に幾何学エリアを最外位置として内側に向かって物性等を考慮して同様に可動範囲を解析することも可能である。
本発明の実施の形態によるワイヤハーネスの可動範囲解析装置の構成を説明する図である。 同装置の動作を説明する図である。 同装置の解析対象になるWHを示す正面図である。 同装置の動作を説明するフローチャートである。 同装置の動作原理を説明する図である。 別の実施の形態による可動範囲解析方法を説明する図である。 さらに別の実施の形態による可動範囲解析方法の説明図である。 別の実施の形態による分岐したワイヤハーネスについての解析方法を説明する図である。
1 パソコン
2 ディスプレイ部
5 入出力部
9、9a ワイヤハーネス
a1、a2、a3、a4 拘束点
B1、B1a 基準ライン
b1〜b10、b25 節点
CL1、CL2、CL3、CL4 拘束具
h1〜h10、h25 交点
L1 ライン長
M1 解析モデル
Mh1〜Mh10、Mh1a、Mh1b、Mh25a、Mh25b 最大可動位置
v25 頂点

Claims (1)

  1. 拘束具で互いに間隔を置いて拘束されて配索されるワイヤハーネスについて、節点群のそれぞれの間に弾性体としての梁要素が介在すると見なしたライン状で、かつ両側の拘束点間の解析モデルに対して、有限要素法によりワイヤハーネスの形状特性、材料特性及び拘束条件に対応して解析された基準配索経路からワイヤハーネスを強制的に移動させ得る可動範囲を解析するワイヤハーネスの可動範囲解析装置であって、
    前記拘束点間の直線状の基準ラインを底辺とし、前記基準ラインを含む平面状の解析面上において前記解析モデルのわん曲分を含むライン長を2辺の長さとして前記基準ラインに対して垂線を形成し得る三角形の頂点を形成するように、前記解析モデルの全域にわたり分散設定された任意の複数個の前記節点を前記頂点にそれぞれ幾何学的に位置設定する頂点設定手段と、所属の前記頂点に前記節点が移動可能か否かを解析するための前記節点のそれぞれの解析経路として前記基準ラインに対して前記垂線を前記頂点からそれぞれ設定する解析経路設定手段と、前記各解析経路上での所属の前記節点の設定位置において前記ワイヤハーネスの前記形状特性、前記材料特性及び前記拘束条件に対応する前記ワイヤハーネスの変形が許容されるか得か否かにより、前記頂点を可動範囲の限界として前記基準ラインに対して直交方向の強制的な最大可動位置を解析する最大可動位置確定手段と、前記基準ラインを中心に所定の回転角ごとに回転させた複数面の前記解析面について、この各解析面上における解析された前記最大可動位置を順に結ぶと共に、前記回転角を異にする共通の前記頂点同士の前記最大可動位置を順に結んだ三次元空間における可動範囲データを作成する可動範囲データ作成手段と、この可動範囲データに応答して可動範囲のメッシュ状画像をディスプレイ部の画面の三次元仮想空間に表示させる表示制御手段とを備えたことを特徴とするワイヤハーネスの可動範囲解析装置。
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