JP2004119613A - ワイヤー様構造物の可動範囲予測方法及びその装置 - Google Patents

ワイヤー様構造物の可動範囲予測方法及びその装置 Download PDF

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Abstract

【課題】従来、予測困難であった取付部位や電装部品に対するワイヤー様構造物の干渉等を予測可能にする方法及び装置を提供する。
【解決手段】複数本の線条材から構成されるワイヤー様構造物を円形断面で線形性が保たれた複数の梁要素が結合された弾性体とみなす。そして、コンピュータによる有限要素法を利用した計算により、所定箇所に配策されるワイヤー様構造物の可動範囲を予測する。すなわち、安定状態にあるワイヤー様構造物の複数の節点z1〜z8のうちの少なくともいずれかひとつに対して、所定の方向に所定の力を加えたときの、このワイヤー様構造物の可動範囲を、ワイヤー様構造物の形状特性、材料特性及び拘束条件を満たすように有限要素法を利用して算出して、この算出結果を出力する。
【選択図】   図9

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ワイヤー様構造物の可動範囲予測方法及びその装置に関し、特に、有限要素法を利用した可動範囲予測方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
通常、車両等においては、複数の電装品が搭載されており、これらは、上記線条材として、複数の電線や通信線がインシュロック等の結束部材やテープ等の保護部材によって束ねられた、いわゆる、ワイヤーハーネスで接続されている。ワイヤーハーネス1は、図1に示すように、各端部に電装品等と接続されるコネクタ2a、2b、2c、2dが取り付けられている。また、その中間部には各種クリップ3a、3b、3c、3dが取り付けられ、更に、分岐点4を有している。なお、各端部から分岐点4までを構成するワイヤーハーネス1の各枝線は、基本的に、それぞれ構成線条材の数や種類が異なるので、各枝線の太さ、長さ、弾性、剛性等も様々である。
【0003】
このようなワイヤーハーネス1は、通常、これが配策又は取付られる車両のドアやボディ等の形状、電気部品等の存在、及びワイヤーハーネス組立用治具板上への配置等が考慮されたうえで経路設計される。
【0004】
ここで、本明細書中で引用する文献を以下に示す。
【0005】
【非特許文献1】
B.ナス著「マトリックス有限要素法」ブレイン図書出版株式会社出
版、1978年8月10日、p.7−15
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、このように経路設計されて所定部位に取り付けられたワイヤーハーネスは、取付後に思わぬ問題が発生する場合がある。すなわち、ワイヤーハーネスは、周知のように特有の線長、線径、重量、弾性、剛性等を有しており、一種の弾性体に類似した材料特性を有するものである。
【0007】
したがって、組付け後において、重力、エンジン駆動、走行時の振動等に因り、実際には、取付状態からある範囲内でバラツキ又は変位が発生することになる。このようなバラツキにより、設計時には予想されなかった部位や電装部品にワイヤーハーネスが干渉し、損傷等の問題が発生することも考えられ、より精度の高い経路設計が求められている。
【0008】
よって本発明は、上述した現状に鑑み、ワイヤーハーネス等のワイヤー様構造物を円形断面で線形性が保たれた複数の梁要素が結合された弾性体とみなすことにより、ワイヤー様構造物の経路設計に有限要素法を適用することを可能にし、従来、予測困難であった取付部位や電装部品に対するワイヤー様構造物の干渉等を予測可能にして、より的確な経路予測に役立つ方法及び装置を提供することを課題としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するためになされた請求項1記載の可動範囲予測方法は、複数本の線条材から構成されるワイヤー様構造物を円形断面で線形性が保たれた複数の梁要素が結合された弾性体とみなし、コンピュータによる有限要素法を利用した計算により、所定箇所に配策される前記ワイヤー様構造物の可動範囲を予測する方法であって、力を加えない状態で安定している前記ワイヤー様構造物における、拘束部位以外の、前記複数の梁要素それぞれの結合点である複数の節点のうちの少なくともいずれかひとつに対して、所定の方向に所定の力を加えたときの前記ワイヤー様構造物の可動範囲を、前記ワイヤー様構造物の形状特性、材料特性及び拘束条件を満たすように前記有限要素法を利用して算出して、この算出結果を出力する、ことを特徴とする。
【0010】
また、上記課題を解決するためになされた請求項2記載の可動範囲予測方法は、請求項1記載の可動範囲予測方法において、前記拘束点間に含まれる複数の節点に対してそれぞれ、所定の方向に所定の力を加えたときの前記可動範囲を算出する、ことを特徴とする。
【0011】
また、上記課題を解決するためになされた請求項3記載の可動範囲予測方法は、請求項2記載の可動範囲予測方法において、前記複数の節点に対してそれぞれ、各節点を含む平面上における、略180度、異なる方向に所定の力を加えたときの前記可動範囲を算出し、この算出結果を可視表示する、ことを特徴とする。
【0012】
また、上記課題を解決するためになされた請求項4記載の可動範囲予測方法は、請求項3記載の可動範囲予測方法において、前記複数の節点に対してそれぞれ、前記ワイヤー様構造物を軸とする円を均等角度づつ分割するような方向に所定の力を加えたときの前記可動範囲を算出し、この算出結果を立体的に可視表示する、ことを特徴とする。
【0013】
また、上記課題を解決するためになされた請求項5記載の可動範囲予測方法は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の可動範囲予測方法において、前記可動範囲を節点群として算出して、この節点群を繋いで出力する、ことを特徴とする。
【0014】
また、上記課題を解決するためになされた請求項6記載の可動範囲予測方法は、請求項1〜5のいずれか一項に記載の可動範囲予測方法において、前記ワイヤー様構造物は、車両に配線されるワイヤーハーネスであり、前記拘束条件は、前記複数の節点の座標及び各節点における拘束自由度とし、前記形状特性は、前記複数の梁要素それぞれの断面積及び長さとし、そして、前記材料特性は、前記複数の梁要素それぞれの断面2次モーメント、断面2次極モーメント、密度、縦弾性係数及び横弾性係数とする、ことを特徴とする。
【0015】
また、上記課題を解決するためになされた請求項7記載のワイヤー様構造物の可動範囲予測装置は、複数本の線条材から構成されるワイヤー様構造物を円形断面で線形性が保たれた複数の梁要素が結合された弾性体とみなし、有限要素法を利用して、所定箇所に配策される前記ワイヤー様構造物の可動範囲を予測する装置であって、前記ワイヤー様構造物の形状特性、材料特性及び拘束条件を設定する第1設定手段と、前記ワイヤー様構造物に力を加えない状態で安定している基本予測形状を算出する第1算出手段と、力を加える点として、前記複数の梁要素それぞれの結合点である複数の節点のうちの少なくともいずれかひとつを設定すると共に、この点に加える力の大きさ及び向きを設定する第2設定手段と、前記力を加える点、前記加える力の大きさ及び向き、並びに、前記形状特性、材料特性及び拘束条件、を満たすように前記有限要素法を利用して前記ワイヤー様構造物の可動範囲を算出する第2算出手段と、前記算出手段による算出結果を出力する出力手段と、を含むことを特徴とする。
【0016】
また、上記課題を解決するためになされた請求項8記載のワイヤー様構造物の可動範囲予測装置は、請求項7記載の可動範囲予測装置において、前記可動範囲の表示形態を設定する前記第3設定手段、を更に含み、前記出力手段は、前記第3設定手段による前記表示形態にしたがって、前記第2算出手段による算出結果を出力する、ことを特徴とする。
【0017】
請求項1、7及び8記載の発明によれば、複数本の線条材から構成されるワイヤー様構造物を円形断面で線形性が保たれた複数の梁要素が結合された弾性体とみなす。そして、コンピュータによる有限要素法を利用した計算により、所定箇所に配策されるワイヤー様構造物の可動範囲を予測する。詳しくは、力を加えない状態で安定しているワイヤー様構造物における、複数の節点のうちの少なくともいずれかひとつに対して、所定の方向に所定の力を加えたときの、このワイヤー様構造物の可動範囲を、ワイヤー様構造物の形状特性、材料特性及び拘束条件を満たすように有限要素法を利用して算出して、この算出結果を出力する。或いは、所定の出力形態でこの算出結果を出力する。よって、力を加えない状態で安定している状態からは予想できなかった取付部位や電装部品に対するワイヤー様構造物の干渉等も予測可能になる。
【0018】
また、請求項2記載の発明によれば、拘束点間に含まれる複数の節点に対してそれぞれ、所定の方向に所定の力を加えたときの、ワイヤー様構造物の可動範囲を算出するようにしているので、的確な経路予測が可能になる。
【0019】
また、請求項3記載の発明によれば、複数の節点に対してそれぞれ、各節点を含む平面上における、略180度、異なる方向に所定の力を加えたときの可動範囲を算出し、この算出結果を可視表示するようにしているので、簡易な算出及び表示形態でありながら、的確にワイヤー様構造物の可動範囲を把握可能になる。
【0020】
また、請求項4記載の発明によれば、複数の節点に対してそれぞれ、ワイヤー様構造物を軸とする円を均等角度づつ分割するような方向に所定の力を加えたときの可動範囲を算出し、この算出結果を立体的に可視表示するようにしているので、直感的且つ正確にワイヤー様構造物の可動範囲を把握可能になる。
【0021】
また、請求項5記載の発明によれば、可動範囲を節点群として算出して、この節点群を繋いで出力するようにしているので、正確且つ容易にワイヤー様構造物の可動範囲を把握可能になる。
【0022】
また、請求項6記載の発明によれば、拘束条件は、複数の節点の座標及び各節点における拘束自由度とし、形状特性は、複数の梁要素それぞれの断面積及び長さとし、そして、材料特性は、複数の梁要素それぞれの断面2次モーメント、断面2次極モーメント、密度、縦弾性係数及び横弾性係数とし、これらの値はすべて、車両に配線されるワイヤーハーネスから予め取得できるものであるので、実際の組み付け作業を想定した現実的な的確な経路予測が可能になる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
まず、図1及び図2を用いて、設計対象となるワイヤー様構造物としてのワイヤーハーネスの全体形状及び代表的な支持部材について説明する。図1は、本発明の実施形態にて設計対象となるワイヤーハーネスの全体形状を概略的に示す図である。図2は、ワイヤーハーネスを支持する代表的な支持部材と拘束自由度との関係を示す図である。後述するが、本実施形態は、ここに示すようなワイヤーハーネスに対して予測形状をシミュレーション出力することにより、設計を支援するものである。
【0024】
本実施形態にて設計対象となるワイヤーハーネス1は、上述のように両端部に図示しない電装品と接続されるコネクタ2a、2b、2c、2dが取り付けられ、その中間部には各種クリップ3a、3b、3c、3dが取り付けられ、更に、分岐点4を有している。ワイヤーハーネス1の各枝線は、基本的に、それぞれ構成線条材の数や種類が異なるので、各枝線の太さ、長さ、弾性、剛性等も異なる。
【0025】
上記各コネクタ2a、2b、2c、2dは、電装品側の相手方コネクタの固定位置及びその装着方向に応じて所定の位置に着脱可能に固定され、ワイヤーハーネスの端部を完全拘束する。また、上記各クリップ3a、3b、3c、3dは、ワイヤーハーネスの所定部位を、電装品の筐体やステー等の所定位置に完全拘束又は回転拘束される。
【0026】
ここで、クリップについて説明を加える。クリップには、基本的に、長穴クリップ及び丸穴クリップがある。丸穴クリップは、回転クリップともよばれ、ワイヤーハーネスを保持する台座部とステー等に設けられた丸穴形状の取付穴に挿入される支持脚とから構成される。丸穴クリップは、Z軸(取付部位に鉛直方向)廻りに回転可能である。
【0027】
一方、長穴クリップは、固定クリップともよばれ、ワイヤーハーネスを保持する台座部とステー等に設けられた長穴形状の取付穴に挿入される支持脚とから構成される。この支持脚の断面形状は、取付穴と略同様の長穴形状をしている。長穴クリップは、Z軸廻りに回転不可能である。
【0028】
更に、長穴クリップ及び丸穴クリップには、X軸(ワイヤーハーネスの長手方向)廻りに回転可能な、コルゲート長穴クリップ及びコルゲート丸穴クリップがある。このような各クリップの各軸方向及び各軸廻りの拘束自由度は図2に示す通りである。
【0029】
図2において、X軸、Y軸及びZ軸は、ワイヤーハーネス上の各節点(又はノードともよぶ)における右手ローカル座標系での直行する3軸に相当する。例えば、Z軸をクリップ軸と一致するようにしているが、これらの決定方法は、使用する関数によって適宜変更可能である。なお、図中、参考のために、分岐点の拘束自由度についても示している。また、ここでは図示しないが、上記拘束点以外に任意に設定されたワイヤーハーネス上の節点は、基本的に、完全自由である。このような拘束自由度が、後述するように、予測経路及び可動範囲算出に先立ち、各節点にそれぞれ、設定される。
【0030】
次に、図3〜図6を参照しながら、本実施形態において前提となる仮定条件、利用される理論及び基本式の概略について説明する。図3(A)は、ワイヤーハーネスの外観を示す図であり、図3(B)は、図3(A)のワイヤーハーネスを離散化した様子を示す図であり、図3(C)は、図3(A)のワイヤーハーネスを梁要素と節点とで表した図である。図4は、梁要素と節点とで表したワイヤーハーネスにおける自由度を説明するための図である。図5(A)は、ワイヤーハーネスを3つの梁要素で表した図であり、図5(B)は、図5(A)の3つの梁要素を結合した状態を示す図である。そして、図6(A)は、断面2次モーメント及び縦弾性係数を測定する様子を示す図であり、図6(B)は、断面2次モーメント及び縦弾性係数を測定する様子を示す図である。
【0031】
まず、本実施形態では、ワイヤーハーネスの設計に有限要素法を利用するに際し、以下のような仮定をする。
▲1▼.ワイヤーハーネスを弾性体と仮定する。
▲2▼.ワイヤーハーネスを梁要素が結合されたものと仮定する。
▲3▼.各梁要素に線形性が保たれるものと仮定する。
▲4▼.ワイヤーハーネスの断面を円形であると仮定する。
本実施形態において、このような仮定をすることにより、従来なされていなかった、ワイヤーハーネスへの有限要素法の適用が可能になる。
【0032】
本実施形態においては、まず、ワイヤーハーネスを離散化する。すなわち、図3(A)に示すように、複数の電線11がテープ12等の保護部材によって束ねられたワイヤーハーネス1は連続体とみなすことができる。次に、図3(B)に示すように、このようなワイヤーハーネス1を、いくつかの梁要素C1、C2、C3、…に分割(離散化)する。すなわち、ワイヤーハーネスは1本のロープのようなものなので、有限個の梁要素をつなげたものとみなすことができる。
【0033】
したがって、図3(C)に示すように、ワイヤーハーネスは、複数の梁要素C1、C2、C3、…を複数のノードN1、N2、N3、…で結合したものとして表すことができる。梁要素に必要な特性値は以下の通りである。
長さl(図3(B)参照)
断面積A(図3(B)参照)
断面2次モーメントI
断面2次極モーメントJ
密度ρ
縦弾性係数E
横弾性係数G
なお、後述するが、本明細書中、長さl及び断面積Aを形状特性とし、断面2次モーメントI、断面2次極モーメントJ、密度ρ、縦弾性係数E及び横弾性係数Gを材料特性としている。
【0034】
そして、図4に示すように、各梁要素C(C1、C2、C3、…)はそれぞれ、2つの節点α及び節点βを有する。3次元空間においては、節点αは、3つの並進成分と3つの回転成分を持つため、合計6つの自由度を持つ。また、節点βも同様である。したがって、梁要素Cは12自由度を持つことになる。
【0035】
なお、図中、
xi:i番要素のxi軸方向の力
yi:i番要素のyi軸方向の力
zi:i番要素のzi軸方向の力
xi:i番要素のxi軸周りのモーメント
yi:i番要素のyi軸周りのモーメント
zi:i番要素のzi軸周りのモーメント
xi:i番要素のxi軸方向の変位
yi:i番要素のyi軸方向の変位
zi:i番要素のzi軸方向の変位
θxi:i番要素のxi軸方向の角変位
θyi:i番要素のyi軸方向の角変位
θzi:i番要素のzi軸方向の角変位
αは左側の節点、βは右側の節点
を示す。
【0036】
ところで、振動してない静的な力による構造物の変位は、弾性範囲内では、以下の式(1)に示すフックの法則が成り立つことが知られている。
Kx=F…(1)
ここで、K:ばね定数、x:変位、F:力
を示す。
【0037】
また、図4で示した梁要素Cにも同様にフックの法則が成り立つことが知られている。但し、梁要素Cは、上記のように12自由度をもつため、以下の式(2)で示すように、12行12列のマトリクスと12行のベクトルとで、力と変位との関係を表現することができる。
【0038】
【数1】
Figure 2004119613
【0039】
ここで、適合条件と釣り合い条件について説明する。ここでは、簡単のために、図5(A)に示すように、ワイヤーハーネスを3つの梁要素C1、C2、C3で表すものとする。この場合、梁要素C1の節点1β及び梁要素C2の節点2αの変位は等しくなり、これら両節点に加わる力も釣り合うことになる。同様に、梁要素C2の節点2β及び梁要素C3の節点3αの変位も等しくなり、これら両節点に加わる力も釣り合うことになる。したがって、これら変位の連続性と力の釣り合いの条件を満たすことで、梁要素C1及びC2、梁要素C2及びC3を、図5(B)に示すように、結合することができる。
【0040】
なお、図中、
xi:i番要素のxi軸方向の力
yi:i番要素のyi軸方向の力
zi:i番要素のzi軸方向の力
xi:i番要素のxi軸周りのモーメント
yi:i番要素のyi軸周りのモーメント
zi:i番要素のzi軸周りのモーメント
xi:i番要素のxi軸方向の変位
yi:i番要素のyi軸方向の変位
zi:i番要素のzi軸方向の変位
θxi:i番要素のxi軸方向の角変位
θyi:i番要素のyi軸方向の角変位
θzi:i番要素のzi軸方向の角変位
を示し、
i=1α、1β、2α、2β、3α、3βである。
【0041】
そして、図5(B)に示した梁要素C1、C2、C3における上記変位の連続性と力の釣り合いを上記式(2)と同様の形式で示すと、以下の式(3)のようになる。
【0042】
【数2】
Figure 2004119613
【0043】
ここで、式(3)中の12行12列のマトリクスM1、M2及びM3は、上記式(2)で示したものと同様である。但し、マトリクスM1、M2及びM3が重なっている部分M12及びM23は、各マトリクスの各構成要素が足し合わされたものとなる。
【0044】
なお、4つ以上の梁要素についても、同様に扱うことができる。このようにして、任意の数の梁要素に分割されるワイヤーハーネスの数式モデルを作成することができる。
【0045】
ちなみに、上記式(3)を簡単に表すと、
[K]{x}={F}…(4)
となる。
したがって、例えば、各節点にクリップが取り付けられるものとして、クリップに加わる力を予め決定しておけば、上記式(4)に基づき、変位ベクトル{x}を求めることにより、経路、すなわち、ワイヤーハーネスの形状を算出することができる。逆に、経路を決定しておけば、各節点における力ベクトル{F}を算出できる。このような基本的な考え方に基づき、本実施形態では、ワイヤーハーネスの予測経路及び可動範囲を算出する。上記変位ベクトル{x}及び力ベクトル{F}中の未知数は、公知のNewton−Raphson法や弧長法等を用いてその解を求めることができる。
【0046】
なお、上記のような一般的なマトリックス有限要素法は、例えば、上記非特許文献1中でも示されている。
【0047】
ここで、本実施形態において、上記梁要素に必要な各特性値の求め方の一例について以下に示す。まず、長さl、断面積A及び密度ρは、対象となるワイヤーハーネスを作成し、ノギス、メジャー、重量計等を用いて計測した後、簡単な算出により求めることができる。
【0048】
また、縦弾性係数Eは、図6(A)に示す測定方法を行う場合、次式(5)で表すことができる。
E=FL/3XI…(5)
また、断面2次モーメントIは、上記のようにワイヤーハーネスを円形断面と仮定したので、次式(6)で表すことができる。
I=πD/64…(6)
したがって、
E=64FL/3XπD…(7)
となる。
この測定では、
E=(F/X)×(64L/3πD
として、Fとxとの関係を測定すればよい。
【0049】
一方、横弾性係数Gは、図6(B)に示す測定方法を行う場合、次式(8)で表すことができる。
G=(TL/θJ)×2…(8)
断面2次極モーメントJは、ワイヤーハーネスが円形断面と仮定したので、次式(9)で表すことができる。
J=πD/32…(9)
また、ねじる力は、
T=FS…(10)
となる。
よって、
G=(32FSL/θπD×2=(F/θ)(32SL/πD)×2…(11)
したがって、Fとθの関係を測定すればよい。
【0050】
上記測定方法は一例であり、上記測定例以外の方法によって各値を取得してもよい。また、予め代表的なワイヤーハーネスを測定しておきデータベース化しておき、これを適宜利用するようにしてもよい。
【0051】
次に、上記理論及び基本式を利用して後述する処理手順にしたがってワイヤーハーネスの形状を算出及び出力する、本実施形態に係るハードウエア構成について説明する。図7は、本実施形態に係るハードウエア構成を示すブロック構成図である。
【0052】
図7に示すように、本実施形態では、マイクロコンピュータ21、入力装置22、表示装置23、印字装置24、記憶装置25及び通信インターフェース26で基本構成される、例えば、パーソナルコンピュータが用いられる。マイクロコンピュータ21は、CPU21a(中央演算装置)、ブートプログラム等を記憶するROM21b、各種処理結果を一時的に記憶するRAM21cを含む。入力装置22は上記各値等を入力するキーボード、マウス等であり、表示装置23は処理結果を表示するCRT等であり、印字装置24は処理結果を印字するプリンタである。また、記憶装置25は処理結果を記憶するハードディスクドライブやコンパクトディスク等の可搬型記録媒体であり、通信インターフェース26は外部装置と、例えば、LAN回線を用いてデータ通信を行うためのモデムボード等である。これらの各構成要素は、内部バス27を介して接続されている。CPU21aは、ROM21bに記憶されるブートプログラムにしたがって起動され、入力装置22にて入力及び設定されたワイヤーハーネスの配線に関する各値及び記憶装置25に記憶される本実施形態に係る処理手順を示すアプリケーションプログラムにしたがって、本実施形態に係る処理等を行い、表示装置23や印字装置24から出力させたり、その結果を記憶装置25に記憶させたりする。CPU21aが行う本実施形態に係る処理手順は、図8を用いて後述する。
【0053】
更に、図8及び図9を用いて、本実施形態に係る処理手順について説明する。図8は、図7に示したハードウエア構成を用いて行われる本実施形態に係る処理手順を示すフローチャートである。図9(A)〜図9(F)はそれぞれ、図8に示す各処理の過程における出力結果を例示する図である。
【0054】
まず、図8に示すステップS1においては、図9(A)に示すようなワイヤーハーネスをまっすぐのばした状態の初期形状1aに対して、図9(B)に示すように、ワイヤーハーネスの各節点において拘束条件、形状特性、材料特性等が設定される。すなわち、図9(A)に示す初期形状1aに対して、図9(B)に示すような各節点a1〜a8を割り当てると共に、これら各節点a1〜a8における各拘束条件、各形状特性、各材料特性等が設定される。
【0055】
拘束条件としては、各節点a1〜a8に対する図2で示したような拘束種類(完全拘束、回転拘束、完全自由等)やローカル座標等が設定される。各節点a1〜a8としては、コネクタやクランプ等の支持部材が取り付けられる部位等が割り当てられる。なお、拘束種類の設定には、図2で示したように、コネクタ、固定クリップ等の支持部材名を利用してもよい。ここで設定される各値は、上記式(3)中の変位ベクトル{x}中の各要素に係わる。なお、ここでは、未だ、力は加えられていないので、上記式(3)中の力ベクトル{F}は零に設定される。
【0056】
また、形状特性としては、上記長さl及び断面積Aが設定され、材料特性としては、断面2次モーメントI、断面2次極モーメントJ、密度ρ、縦弾性係数E及び横弾性係数Gが設定される。これらは、上記のようにして予め計測或いは算出されている値が利用される。ここで設定される値は、上記式(3)中の剛性マトリクス[K]中の各要素に係わる。
【0057】
なお、上記各値の設定に際しては、上記入力装置22が用いられる。また、以降の処理においても、各値の設定には入力装置22が用いられ、各形状計算及び可動範囲計算処理はマイコン21にて行われ、算出結果の出力には表示装置23が用いられる。また、このステップS1では、算出処理に係る各種制御値等も設定される。ステップS1及び関連するハードウエアは、請求項の第1設定手段に相当する。
【0058】
このような、形状算出に必要な各値の設定が完了し、算出開始のための所定トリガがあると、ステップS2において、有限要素法を利用して上記設定された拘束条件等を満たす釣り合いがとれた予測形状が算出される。すなわち、ステップS2においては、上記ステップS1で設定された形状算出に必要な各値を有限要素法、特に、上記式(3)に適用して、図9(C)に示すような、力学的に釣り合いがとれた安定状態である基本予測形状1zが算出される。なお、図9(C)に示す基本予測形状1zの各節点z1、z2、z3、z4、z5、z6、z7、及びz8の位置はそれぞれ、図9(A)に示した初期形状1aにおける各節点a1、a2、a3、a4、a5、a6、a7、及びa8の位置が、有限要素法を利用した処理により移動されたものである。ステップS2及び関連するハードウエアは、請求項の第1算出手段に相当する。なお、節点z1〜z8は、拘束点に一致素流場合もあり得る。
【0059】
そして、ステップS3において、算出した基本予測形状1zが表示装置23上に表示される。なお、概略的に基本予測形状を算出及び表示するだけであれば、例えば、節点a1及びa8の座標、節点a1及びa8間の距離、最小曲げ半径のみによっても可能であるし、他の方法でも可能である。
【0060】
次に、ステップS4においては、力を加えるべき節点、力の大きさ及び向きが設定される。すなわち、上記基本予測形状1z上の各節点z1、z2、z3、z4、z5、z6、z7及びz8に対してそれぞれ、加えるべき力の大きさ及び向きを設定する。力を加えるべき節点は、各節点z1、z2、z3、z4、z5、z6、z7、及びz8のうちのいずれかひとつあってもよいし、任意の複数節点であってもよい。但し、少なくともひとつの節点は、拘束点(完全又は回転でもよい)とする。また、各節点に加えるべき力の大きさも全て同等であってもよいし、差を持たせるように重み付けをしてもよい。なお、上例では、節点z1及びz2を完全拘束としているが、これに替えて他の節点としてもよく、或いは、完全拘束する節点は1カ所だけとすることも可能である。ステップS4及び関連するハードウエアは、請求項の第2設定手段に相当する。
【0061】
また、力を加える方向は、図9(D)に示すように、1方向のみであってもよいし、図9(E)に示すように、任意の節点を含む平面上における、略180度、異なる方向であってもよい。或いは、図9(F)に示すように、ワイヤーハーネス(基本予測形状)1zを軸とする円5を均等角度θづつ分割するような方向に所定の力f1〜f4等を加えるように設定してもよい。
【0062】
次に、ステップS5においては、算出した予測形状の表示形態が設定される。すなわち、可動範囲は、例えば、算出した節点群の座標(不図示)、或いは、図9(F)に示すように、算出した各節点群を繋いで曲線状に表示することが可能であるが、これらのいずれかの表示形態がここで設定される。ステップS5及び関連するハードウエアは請求項の第3設定手段に相当する。
【0063】
次に、ステップS6においては、有限要素法を利用して可動範囲が算出される。この際、上記式(3)中の力ベクトル{F}中の該当する要素に対して、上記ステップS4における設定値に基づき、力の大きさ及び向きが設定される。また、上記式(3)中の変位ベクトル{x}及び剛性マトリクス[K]それぞれの各要素に係わる拘束条件及び形状特性は、上記ステップS1における設定値が利用される。ステップS6及び関連するハードウエアは請求項の第2算出手段に相当する。
【0064】
次に、ステップS7においては、ステップS4において任意の節点に設定された力の大きさ及び向き、並びにステップS5において設定された表示形態に基づいて、ステップS6で算出された可動範囲が表示される。すなわち、所定のワイヤーハーネスの可動範囲が、節点群の座標、或いは、各節点群を繋いだ曲線によって表示される。例えば、力を加える方向を1方向のみに設定した場合には、図9(D)に示すような予測形状1z1が表示される。この場合には、この予測形状1z1と基本予測形状1zとに囲まれた範囲を、このワイヤーハーネスの可動範囲と見なすことができる。
【0065】
また、例えば、力を加える方向を所定の節点を含む平面上における、略180度、異なる方向に設定した場合には、図9(E)に示すような予測形状1z1及び予測形状1z2が表示される。この場合には、この予測形状1z1と予測形状1z1とに囲まれた範囲を、このワイヤーハーネスの可動範囲と見なすことができる。
【0066】
更に、例えば、力を加える方向を、ワイヤーハーネス(基本予測形状)1zを軸とする円5を均等角度θづつ分割するような方向に設定した場合には、図9(F)に示すような予測形状1z1〜1z4等が表示される。この場合には、この予測形状1z1〜1z4等に囲まれた、立体的に表示された範囲を、このワイヤーハーネスの可動範囲と見なすことができる。なお、ステップS7及び関連するハードウエアは請求項の出力手段に相当する。
【0067】
このように、力を加えるべき節点、力の大きさ及び方向、並びに、その表示形態を適宜設定し、これらに応じてワイヤーハーネスの可動範囲を可視表示するようにしているので、目的に応じた的確なワイヤーハーネスの経路設定が可能になる。
【0068】
なお、図9(F)において点線で示す干渉物6も立体的に表示させるようにしてもよい。また、図示しないが図9(D)及び図9(E)に干渉物6を表示させるようにしてもよい。
【0069】
そして、入力装置22等の所定操作により、ステップS8において設定変更指令がありと判定されると(ステップS8のY)、ステップS9に進んで現在表示中の可動範囲が消去され、ステップS1に戻り上述した処理が繰り返される。これにより、種々の条件での可動範囲の検討が可能になる。また、ステップS8において設定変更指令がありとは判定されない場合には(ステップS8のN)上記一連の処理を終了する。
【0070】
このように、本実施形態によれば、ワイヤーハーネス等のワイヤー様構造物を円形断面で線形性が保たれた複数の梁要素が結合された弾性体とみなすことにより、ワイヤー様構造物の経路設計に有限要素法を適用することを可能にし、従来、予測困難であった取付部位や電装部品に対するワイヤー様構造物の干渉等を正確に予測可能にする。したがって、本実施形態によれば、より的確な経路予測が可能になる。
【0071】
なお、本発明の方法及び装置は、車両内に配線されるワイヤーハーネスに限定されず、屋内に配線されるワイヤー様構造物にも、同様に適用可能である。
【0072】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1、7及び8記載の発明によれば、有限要素法を利用して、力を加えない状態で安定している状態からは予想できなかった取付部位や電装部品に対するワイヤー様構造物の干渉等も予測可能になり、より的確な経路予測が可能になる。
【0073】
請求項2記載の発明によれば、拘束点間に含まれる複数の節点に対してそれぞれ、所定の方向に所定の力を加えたときの、ワイヤー様構造物の可動範囲を算出するようにしているので、更に的確な経路予測が可能になる。
【0074】
請求項3記載の発明によれば、複数の節点に対してそれぞれ、各節点を含む平面上における、略180度、異なる方向に所定の力を加えたときの可動範囲を算出し、この算出結果を可視表示するようにしているので、簡易な算出及び表示形態でありながら、的確にワイヤー様構造物の可動範囲を把握可能になる。
【0075】
請求項4記載の発明によれば、複数の節点に対してそれぞれ、ワイヤー様構造物を軸とする円を均等角度づつ分割するような方向に所定の力を加えたときの可動範囲を算出し、この算出結果を立体的に可視表示するようにしているので、直感的且つ正確にワイヤー様構造物の可動範囲を把握可能になる。
【0076】
請求項5記載の発明によれば、可動範囲を節点群として算出して、この節点群を繋いで出力するようにしているので、より正確且つ容易にワイヤー様構造物の可動範囲を把握可能になる。
【0077】
請求項6記載の発明によれば、拘束条件は、複数の節点の座標及び各節点における拘束自由度とし、形状特性は、複数の梁要素それぞれの断面積及び長さとし、そして、材料特性は、複数の梁要素それぞれの断面2次モーメント、断面2次極モーメント、密度、縦弾性係数及び横弾性係数とし、これらの値はすべて、車両に配線されるワイヤーハーネスから予め取得できるものである。したがって、実際の組み付け作業を想定した現実的な的確な経路予測が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態にて設計対象となるワイヤーハーネスの全体形状を概略的に示す図である。
【図2】ワイヤーハーネスを支持する代表的な支持部材と拘束自由度との関係を示す図である。
【図3】図3(A)は、ワイヤーハーネスの外観を示す図であり、図3(B)は、図3(A)のワイヤーハーネスを離散化した様子を示す図であり、図3(C)は、図3(A)のワイヤーハーネスを梁要素と節点とで表した図である。
【図4】梁要素と節点とで表したワイヤーハーネスにおける自由度を説明するための図である。
【図5】図5(A)は、ワイヤーハーネスを3つの梁要素で表した図であり、図5(B)は、図5(A)の3つの梁要素を結合した状態を示す図である。
【図6】図6(A)は、断面2次モーメント及び縦弾性係数を測定する様子を示す図であり、図6(B)は、断面2次モーメント及び縦弾性係数を測定する様子を示す図である。
【図7】本実施形態に係るハードウエア構成の一例を示すブロック構成図である。
【図8】本実施形態に係る処理手順を示すフローチャートである。
【図9】図9(A)〜図9(F)はそれぞれ、図8に示す各処理の過程における出力結果を例示する図である。
【符号の説明】
1 ワイヤーハーネス(ワイヤー様構造物)
2a、2b、2c、2d コネクタ
3a、3b、3c、3d クリップ
4 分岐点
21 マイクロコンピュータ
22 入力装置
23 表示装置
24 印字装置
25 記憶装置
26 通信インターフェース
27 内部バス
C1〜C7 梁要素
N1〜N8 節点(ノード)

Claims (8)

  1. 複数本の線条材から構成されるワイヤー様構造物を円形断面で線形性が保たれた複数の梁要素が結合された弾性体とみなし、コンピュータによる有限要素法を利用した計算により、所定箇所に配策される前記ワイヤー様構造物の可動範囲を予測する方法であって、
    力を加えない状態で安定している前記ワイヤー様構造物における、拘束部位以外の、前記複数の梁要素それぞれの結合点である複数の節点のうちの少なくともいずれかひとつに対して、所定の方向に所定の力を加えたときの前記ワイヤー様構造物の可動範囲を、前記ワイヤー様構造物の形状特性、材料特性及び拘束条件を満たすように前記有限要素法を利用して算出して、この算出結果を出力する、
    ことを特徴とするワイヤー様構造物の可動範囲予測方法。
  2. 請求項1記載の可動範囲予測方法において、
    前記拘束点間に含まれる複数の節点に対してそれぞれ、所定の方向に所定の力を加えたときの前記可動範囲を算出する、
    ことを特徴とするワイヤー様構造物の可動範囲予測方法。
  3. 請求項2記載の可動範囲予測方法において、
    前記複数の節点に対してそれぞれ、各節点を含む平面上における、略180度、異なる方向に所定の力を加えたときの前記可動範囲を算出し、この算出結果を可視表示する、
    ことを特徴とするワイヤー様構造物の可動範囲予測方法。
  4. 請求項3記載の可動範囲予測方法において、
    前記複数の節点に対してそれぞれ、前記ワイヤー様構造物を軸とする円を均等角度づつ分割するような方向に所定の力を加えたときの前記可動範囲を算出し、この算出結果を立体的に可視表示する、
    ことを特徴とするワイヤー様構造物の可動範囲予測方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の可動範囲予測方法において、
    前記可動範囲を節点群として算出して、この節点群を繋いで出力する、
    ことを特徴とするワイヤー様構造物の可動範囲予測方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の可動範囲予測方法において、
    前記ワイヤー様構造物は、車両に配線されるワイヤーハーネスであり、
    前記拘束条件は、前記複数の節点の座標及び各節点における拘束自由度とし、前記形状特性は、前記複数の梁要素それぞれの断面積及び長さとし、そして、前記材料特性は、前記複数の梁要素それぞれの断面2次モーメント、断面2次極モーメント、密度、縦弾性係数及び横弾性係数とする、
    ことを特徴とするワイヤー様構造物の可動範囲予測方法。
  7. 複数本の線条材から構成されるワイヤー様構造物を円形断面で線形性が保たれた複数の梁要素が結合された弾性体とみなし、有限要素法を利用して、所定箇所に配策される前記ワイヤー様構造物の可動範囲を予測する装置であって、
    前記ワイヤー様構造物の形状特性、材料特性及び拘束条件を設定する第1設定手段と、
    前記ワイヤー様構造物に力を加えない状態で安定している基本予測形状を算出する第1算出手段と、
    力を加える点として、前記複数の梁要素それぞれの結合点である複数の節点のうちの少なくともいずれかひとつを設定すると共に、この点に加える力の大きさ及び向きを設定する第2設定手段と、
    前記力を加える点、前記加える力の大きさ及び向き、並びに、前記形状特性、材料特性及び拘束条件、を満たすように前記有限要素法を利用して前記ワイヤー様構造物の可動範囲を算出する第2算出手段と、
    前記算出手段による算出結果を出力する出力手段と、
    を含むことを特徴とするワイヤー様構造物の可動範囲予測装置。
  8. 請求項7記載の可動範囲予測装置において、
    前記可動範囲の表示形態を設定する前記第3設定手段、を更に含み、
    前記出力手段は、前記第3設定手段による前記表示形態にしたがって、前記第2算出手段による算出結果を出力する、
    ことを特徴とするワイヤー様構造物の可動範囲予測装置。
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