JP2004357355A - クランプの拘束自由度設定方法 - Google Patents

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Masayoshi Sawai
正義 澤井
Akiko Nakano
亜希子 中野
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Abstract

【課題】より詳細にクランプの拘束自由度を設定することを可能にして、より正確なワイヤーハーネスの経路設計等に役立つ、クランプの拘束自由度設定方法を提供する。
【解決手段】クランプの回転軸に直交し、ワイヤーハーネスの接線方向に延びる所定長の第1クランプ軸CA1、及びクランプの回転軸に一致して延びる所定長の第2クランプ軸CA2を想定し、第1クランプ軸、第2クランプ軸との交点である第0クランプ点CP0、第1クランプ軸の端点である第1クランプ点CP1、及び第2クランプ軸の端点である第2クランプ点CP2においてそれぞれ、3次元空間を表す3軸の、各軸方向の変位及び各軸周りの回転に関する自由度をそれぞれ設定することにより、クランプが取り付けられた位置の拘束自由度を設定するようにしている。
【選択図】 図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の線条材が束ねられてなるワイヤーハーネスの経路予測等の計算に用いられ、ワイヤーハーネスの所定部位に取り付けられたクランプの拘束自由度を設定する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、車両等においては多種多様の電装品が搭載されるようになっており、それらは、複数の電線や通信線がインシュロック等の結束部材やテープ等の保護部材によって束ねられた、いわゆる、ワイヤーハーネスで接続されている。図7は、本発明に係るワイヤーハーネスの全体形状を概略的に示す図である。
【0003】
図7に示すように、ワイヤーハーネス1は、各端部に電装品等と接続されるコネクタ2a、2b、2c、2dが取り付けられている。また、その中間部には各種クランプ3a、3b、3c、3dが取り付けられ、更に、分岐点4を有している。
【0004】
上記各コネクタ2a、2b、2c、2dは、電装品側の相手方コネクタの固定位置及びその装着方向に応じて所定の位置に着脱可能に固定され、ワイヤーハーネスの端部を完全拘束する。また、上記各クランプ3a、3b、3c、3dは、ワイヤーハーネスの所定部位を、電装品の筐体やステー等の所定位置に完全拘束又は回転拘束する。
【0005】
ところで、近年、ワイヤーハーネスの経路予測等のために、コンピュータを利用した設計支援システムが利用されることが多くなった。この際、この経路予測等の計算のために、対象となるワイヤーハーネスに割り当てられた代表的な部位やコネクタやクランプ等に対して、それぞれ所定の拘束条件のひとつとして拘束自由度が設定される。以下に、従来、行われていたコネクタやクランプ等に対する拘束自由度の設定方法について説明する。
【0006】
図8は、従来、行われていたコネクタやクランプ等に対する拘束自由度の設定方法を示す図である。図8において、X軸、Y軸及びZ軸は、ワイヤーハーネス上の各節点(又はノードともよぶ)における右手ローカル座標系での直行する3軸に対応する。例えば、Z軸をクランプ軸と一致するようにしているが、これらの決定方法は、使用する関数によって適宜変更可能である。なお、図中、参考のために、分岐点の拘束自由度についても示している。
【0007】
ここで、クランプについて説明を加える。クランプには、基本的に、長穴クランプ及び丸穴クランプがある。丸穴クランプは、回転クランプともよばれ、ワイヤーハーネスを保持する台座部とステー等に設けられた丸穴形状の取付穴に挿入される支持脚とから構成される。丸穴クランプは、Z軸(取付部位に鉛直方向)廻りに回転可能である。
【0008】
一方、長穴クランプは、固定クランプともよばれ、ワイヤーハーネスを保持する台座部とステー等に設けられた長穴形状の取付穴に挿入される支持脚とから構成される。この支持脚の断面形状は、取付穴と略同様の長穴形状をしている。長穴クランプは、Z軸廻りに回転不可能である。更に、長穴クランプ及び丸穴クランプには、X軸(ワイヤーハーネスの長手方向)廻りに回転可能な、コルゲート長穴クランプ及びコルゲート丸穴クランプがある。
【0009】
経路予測等の計算の際には、他の拘束条件例えばワイヤーハーネスの形状特性や材料特性等と共に、各クランプの拘束自由度が節点毎にそれぞれ設定される。なお、クランプ等の支持部材の拘束自由度の設定方法は下記特許文献1においても示されている。
【0010】
【特許文献1】
特開2001−251741号公報(図4)
【非特許文献1】
B.ナス著「マトリックス有限要素法」ブレイン図書出版株式会社出版、1978年8月10日、p.7−15
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、実際的には、ワイヤーハーネスのみならず、クランプ自体でもねじれや変形が発生する可能性がある。これは、クランプの種類等によってそれぞれ異なるものである。しかしながら、上述の従来の設定方法において、クランプは、単に、複数の節点のうちのひとつに6つの拘束自由度と共に割り当てられるのみであった。すなわち、従来の方法では、クランプの種類毎に微妙に異なる拘束自由度の差異まで表現しきれない場合があった。より正確に経路予測等の計算を行うためには、さらに詳細かつ正確にクランプの拘束自由度を設定することが好ましい。
【0012】
よって本発明は、上述した現状に鑑み、より詳細にクランプの拘束自由度を設定することを可能にし、より正確なワイヤーハーネスの経路設計等に役立つ、クランプの拘束自由度設定方法を提供することを課題としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するためになされた請求項1記載のクランプの拘束自由度設定方法は、複数の線条材が束ねられてなるワイヤーハーネスの経路予測等の計算に用いられ、前記ワイヤーハーネスの所定部位に取り付けられたクランプの拘束自由度を設定する方法であって、前記クランプの回転軸に直交し、前記ワイヤーハーネスの接線方向に延びる所定長の第1クランプ軸CA1、及び前記クランプの回転軸に一致して延びる所定長の第2クランプ軸CA2を想定し、前記第1クランプ軸、前記第2クランプ軸との交点である第0クランプ点CP0、前記第1クランプ軸の端点である第1クランプ点CP1、及び前記第2クランプ軸の端点である第2クランプ点CP2においてそれぞれ、3次元空間を表す3軸の、各軸方向の変位及び各軸周りの回転に関する自由度をそれぞれ設定することにより、前記拘束自由度を設定する、ことを特徴とする。
【0014】
請求項1記載の発明によれば、クランプの回転軸に直交し、ワイヤーハーネスの接線方向に延びる所定長の第1クランプ軸CA1、及びクランプの回転軸に一致して延びる所定長の第2クランプ軸CA2を想定し、第1クランプ軸、第2クランプ軸との交点である第0クランプ点CP0、第1クランプ軸の端点である第1クランプ点CP1、及び第2クランプ軸の端点である第2クランプ点CP2においてそれぞれ、3次元空間を表す3軸の、各軸方向の変位及び各軸周りの回転に関する自由度をそれぞれ設定することにより、クランプが取り付けられた位置の拘束自由度を設定するようにしている。より詳細に各クランプの拘束自由度を設定することが可能になる。
【0015】
上記課題を解決するためになされた請求項2記載のクランプの拘束自由度設定方法は、請求項1記載のクランプの拘束自由度設定方法において、前記第0クランプ点、前記第1クランプ点及び前記第2クランプ点においてそれぞれ、クランプ回転軸に平行な方向を前記3軸のうちの1軸と定め、前記第0クランプ点での前記ワイヤーハーネスの接線と平行な方向を前記3軸のうちの他の1軸と定め、これら1軸及び他の1軸に共に直交する方向を前記3軸のうちの更に他の1軸と定める、ことを特徴とする。
【0016】
請求項2記載の発明によれば、第0クランプ点、第1クランプ点及び第2クランプ点においてそれぞれ、クランプ回転軸に平行な方向を3軸のうちの1軸と定め、第0クランプ点でのワイヤーハーネスの接線と平行な方向を3軸のうちの他の1軸と定め、これら1軸及び他の1軸に共に直交する方向を3軸のうちの更に他の1軸と定めているので、ワイヤーハーネスとクランプとの位置関係が把握しやすくなり、設定作業や分析作業が容易になる。
【0017】
上記課題を解決するためになされた請求項3記載のクランプの拘束自由度設定方法は、請求項1記載のクランプの拘束自由度設定方法において、前記ワイヤーハーネスを円形断面で線形性が保たれた複数の梁要素が結合された弾性体とみなし、有限要素法を利用して前記ワイヤーハーネスの経路予測を行う際の、前記クランプの拘束自由度を設定する方法であって、前記第1クランプ軸は、前記ワイヤーハーネスに割り当てられた複数の梁要素にうちの、前記第1クランプ軸に接する梁要素と一致させる、ことを特徴とする。
【0018】
請求項3記載の発明によれば、第1クランプ軸は、ワイヤーハーネスに割り当てられた複数の梁要素にうちの、第1クランプ軸に接する梁要素と一致させるようにしている。したがって、有限要素法を利用してワイヤーハーネスの経路予測を行う際に計算量が削減される。
【0019】
上記課題を解決するためになされた請求項4記載のクランプの拘束自由度設定方法は、請求項3記載のクランプの拘束自由度設定方法において、2軸合わせの完全拘束タイプのクランプに対して、前記変位に関する自由度は、前記第0クランプ点、前記第1クランプ点及び前記第2クランプ点のいずれにおいても、所定位置に拘束されるものとして設定し、前記回転に関する自由度は、前記第0クランプ点、前記第1クランプ点及び前記第2クランプ点のいずれにおいても、自由であるものとして設定する、ことを特徴とする。
【0020】
請求項4記載の発明によれば、コネクタや簡易型長穴クランプとよぶクランプ類が取り付けられたワイヤーハーネスの経路予測に特に有効となる。
【0021】
上記課題を解決するためになされた請求項5記載のクランプの拘束自由度設定方法は、請求項3記載のクランプの拘束自由度設定方法において、1軸合わせの完全拘束タイプのクランプに対して、前記変位に関する自由度は、前記第0クランプ点及び前記第1クランプ点においては所定位置に拘束され、前記第2クランプ点においては自由であるものとして設定し、前記回転に関する自由度は、前記第0クランプ点、前記第1クランプ点及び前記第2クランプ点のいずれにおいても、自由であるものとして設定する、ことを特徴とする。
【0022】
請求項5記載の発明によれば、簡易コネクタとよぶクランプ類が取り付けられたワイヤーハーネスの経路予測に特に有効となる。
【0023】
上記課題を解決するためになされた請求項6記載のクランプの拘束自由度設定方法は、請求項3記載のクランプの拘束自由度設定方法において、全回転自由で軸合わせなしタイプのクランプに対して、前記変位に関する自由度は、前記第0クランプ点においては所定位置に拘束され、前記第1クランプ点及び前記第2クランプ点おいては自由であるものとして設定し、前記回転に関する自由度は、前記第0クランプ点、前記第1クランプ点及び前記第2クランプ点のいずれにおいても、自由であるものとして設定する、ことを特徴とする。
【0024】
請求項6記載の発明によれば、簡易型丸穴クランプとよぶクランプ類が取り付けられたワイヤーハーネスの経路予測に特に有効となる。
【0025】
上記課題を解決するためになされた請求項7記載のクランプの拘束自由度設定方法は、請求項3記載のクランプの拘束自由度設定方法において、1軸合わせの丸穴クランプ及び丸穴コルゲートクランプに対して、前記変位に関する自由度は、前記第0クランプ点及び前記第2クランプ点においては所定位置に拘束され、前記第1クランプ点においては自由であるものとして設定し、前記回転に関する自由度は、前記第0クランプ点、前記第1クランプ点及び前記第2クランプ点のいずれにおいても、自由であるものとして設定する、ことを特徴とする。
【0026】
請求項7記載の発明によれば、丸穴クランプや丸穴コルゲートクランプが取り付けられたワイヤーハーネスの経路予測に特に有効となる。
【0027】
上記課題を解決するためになされた請求項8記載のクランプの拘束自由度設定方法は、請求項3記載のクランプの拘束自由度設定方法において、1軸合わせの長穴クランプ及び長穴コルゲートクランプに対して、前記変位に関する自由度は、前記第0クランプ点及び前記第2クランプ点においては所定位置に拘束され、前記第1クランプ点においては自由であるものとして設定し、前記回転に関する自由度は、前記第0クランプ点及び前記第1クランプ点においては自由であり、前記第2クランプ点においては前記他の1軸周りの回転が所定角度に拘束されるものとして設定する、ことを特徴とする。
【0028】
請求項8記載の発明によれば、長穴クランプや長穴コルゲートクランプが取り付けられたワイヤーハーネスの経路予測に特に有効となる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
まず、上記図7を用いて説明したようなワイヤーハーネスの経路設計等のために、本発明では有限要素法が用いられる。このため、ワイヤーハーネス及びクランプに対して、有限要素モデルが作成される。そこで、まず、図1及び図2を参照しながら、有限要素法を用いるために前提となる仮定条件、利用される理論及び基本式の概略について説明する。なお、本明細書中、コネクタもクランプの一種であるとみなしている。
【0030】
図1(A)は、ワイヤーハーネスの外観を示す図であり、図1(B)は、図1(A)のワイヤーハーネスを離散化した様子を示す図であり、図1(C)は、図1(A)のワイヤーハーネスを梁要素と節点とで表した図である。図2は、梁要素と節点とで表したワイヤーハーネスにおける自由度を説明するための図である。
【0031】
まず、本発明では、この有限要素法を用いるに際し、以下のような仮定をする。
▲1▼.ワイヤーハーネスを弾性体と仮定する。
▲2▼.ワイヤーハーネスを梁要素が結合されたものと仮定する。
▲3▼.各梁要素に線形性が保たれるものと仮定する。
▲4▼.ワイヤーハーネスの断面を円形であると仮定する。
【0032】
次に、ワイヤーハーネスを離散化する。すなわち、図1(A)に示すように、複数の電線11がテープ12等の保護部材によって束ねられたワイヤーハーネス1は連続体とみなすことができる。次に、図1(B)に示すように、このようなワイヤーハーネス1を、いくつかの梁要素C1、C2、C3、…に分割(離散化)する。すなわち、ワイヤーハーネスは1本のロープのようなものなので、有限個の梁要素をつなげたものとみなすことができる。
【0033】
したがって、図1(C)に示すように、ワイヤーハーネスは、複数の梁要素C1、C2、C3、…を複数のノードN0、N1、N2、N3、…で結合したものとして表すことができる。梁要素に必要な特性値は以下の通りである。
長さl(図1(B)参照)
断面積A(図1(B)参照)
断面2次モーメントI
断面2次極モーメントJ
密度ρ
縦弾性係数E
横弾性係数G
【0034】
そして、図2に示すように、各梁要素C(C1、C2、C3、…)はそれぞれ、2つの節点α及び節点βを有する。3次元空間においては、節点αは、3つの並進成分と3つの回転成分を持ため、合計6つの自由度を持つ。また、節点βも同様である。したがって、梁要素Cは12自由度を持つことになる。
【0035】
なお、図中、
xi:i番要素のxi軸方向の力
yi:i番要素のyi軸方向の力
zi:i番要素のzi軸方向の力
xi:i番要素のxi軸周りのモーメント
yi:i番要素のyi軸周りのモーメント
zi:i番要素のzi軸周りのモーメント
xi:i番要素のxi軸方向の変位
yi:i番要素のyi軸方向の変位
zi:i番要素のzi軸方向の変位
θxi:i番要素のxi軸方向の角変位
θyi:i番要素のyi軸方向の角変位
θzi:i番要素のzi軸方向の角変位
αは左側の節点、βは右側の節点
を示す。
【0036】
ところで、振動してない静的な力による構造物の変位は、弾性範囲内では、以下の式(1)に示すフックの法則が成り立つことが知られている。
Kx=F…(1)
ここで、K:ばね定数、x:変位、F:力
を示す。
【0037】
また、図2で示した梁要素Cにも同様にフックの法則が成り立つことが知られている。但し、梁要素Cは、上記のように12自由度をもつため、以下の式(2)で示すように、12行12列のマトリクスと12行のベクトルとで、力と変位との関係を表現することができる。
【0038】
【数1】
Figure 2004357355
【0039】
なお、式(2)において、12行12列のマトリクスを、4つの6行6列のマトリクスに分割し、それぞれをK(1,1)、K(1,2)、K(2,1)及びK(2,2)とする。そして、以降の説明では、簡単のために、これら6行6列のマトリクスを利用して説明する。
【0040】
ここで、適合条件と釣り合い条件について図3を用いて説明する。図3(A)は、3つの梁要素からなるワイヤーハーネスの一部位を示す図であり、図3(B)は、ワイヤーハーネスを3つの梁要素で表した図であり、図3(C)は、図3(B)の3つの梁要素を結合した状態を示す図である。
【0041】
ここでは、まず簡単のために、図3(A)で示すように、ワイヤーハーネスにおいて枝線やクランプの存在しない3つの梁要素C1、C2、C3からなる部位につて考える。すなわち、この部位は、図3(B)に示すように、3つの梁要素C1、C2、C3で表わされるものとして設定する。この場合、梁要素C1の節点1β及び梁要素C2の節点2αの変位は等しくなり、これら両節点に加わる力も釣り合うことになる。同様に、梁要素C2の節点2β及び梁要素C3の節点3αの変位も等しくなり、これら両節点に加わる力も釣り合うことになる。したがって、これら変位の連続性と力の釣り合いの条件を満たすことで、梁要素C1及びC2、梁要素C2及びC3を、図3(C)に示すように、結合することができる。
【0042】
なお、図中、
xi:i番要素のxi軸方向の力
yi:i番要素のyi軸方向の力
zi:i番要素のzi軸方向の力
xi:i番要素のxi軸周りのモーメント
yi:i番要素のyi軸周りのモーメント
zi:i番要素のzi軸周りのモーメント
xi:i番要素のxi軸方向の変位
yi:i番要素のyi軸方向の変位
zi:i番要素のzi軸方向の変位
θxi:i番要素のxi軸方向の角変位
θyi:i番要素のyi軸方向の角変位
θzi:i番要素のzi軸方向の角変位
を示し、
i=1α、1β、2α、2β、3α、3βである。
【0043】
例えば、上記梁要素C1は、上記式(2)と同様の形式で示すと、以下の式(3)のように表される。
【0044】
【数2】
Figure 2004357355
【0045】
梁要素C2、C3も式(3)と同様に表し、これら梁要素C1、C2、C3を図3(C)に示すように結合し、梁要素C1、C2、C3における上記変位の連続性と力の釣り合いを上記式(3)と同様の形式で示すと、以下の式(4)のようになる。
【0046】
【数3】
Figure 2004357355
【0047】
ここで、式(3)中の6行6列のマトリクスK(1,1)、K(1,2)、K(2,1)及びK(2,2)は上記式(3)で示した通り梁要素C1に対応するものであり、同様に、K(1,1)、K(1,2)、K(2,1)及びK(2,2)は梁要素C2に対応し、K(1,1)、K(1,2)、K(2,1)及びK(2,2)は梁要素C3に対応するものである。但し、但し、M12で示すK(2,2)とK(1,1)とが重なっている部分、並びに、M23で示すK(2,2)とK(1,1)とが重なっている部分は、それらの各構成要素が足し合わされたものとなる。
【0048】
なお、4つ以上の梁要素についても、同様に扱うことができる。このようにして、任意の数の梁要素に分割されるワイヤーハーネスの有限要素モデルを作成することができる。
【0049】
ちなみに、上記式(4)を簡単に表すと、
[K]{x}={F}
となる。
なお、[K]を剛性マトリクス、{x}を変位ベクトル、{F}を力ベクトルとよぶ。
【0050】
このような考え方を、クランプが取り付けられたワイヤーハーネスにも応用した例を以下に、図4〜図6を用いて説明する。図4は、本発明で想定される第1〜2クランプ軸及び第0〜2クランプ点を示す図である。図5は、本発明のクランプの拘束自由度設定方法に係る図である。図6(A)は、3つの梁要素とクランプに対応する梁要素とからなるワイヤーハーネスの一部位を示す図であり、図6(B)は、図6(A)を4つの梁要素で表した後にそれらを結合した状態を示す図である。
【0051】
図4に示すように、本発明では、ワイヤーハーネス1に取り付けられる所定のクランプの回転軸に直交し、ワイヤーハーネス1の接線方向に延びる所定長の第1クランプ軸CA1を設定する。また、このクランプの回転軸に一致して延びる所定長の第2クランプ軸CA2を想定する。また、第1クランプ軸CA1と第2クランプ軸CA2との交点を第0クランプ点CP0とし、第1クランプ軸CA1の端点を第1クランプ点CP1とし、第2クランプ軸CA2の端点を第2クランプ点CP2とする。第1クランプ軸CA1及び第2クランプ軸CA2の長さは、計算を簡単にするため、例えば、上記ワイヤーハーネスの各梁要素の長さと同等とする。
【0052】
このような想定の下に、図5に示すように、各種クランプに対して、XYZ軸方向の変位及びXYZ軸周りの回転に関する自由度を予め割り当てる。なお、XYZ軸は、右手ローカル座標系での直行する3軸に対応する。例えば、Z軸をクランプ軸と一致するようにし、X軸をワイヤーハーネスの接線方向とし、これらに共に直交する軸をY軸とているが、これらの決定方法は、使用する関数によって適宜変更可能である。なお、Z軸は、X軸、及びY軸はそれぞれ、請求項中の1軸、他の1軸及び更に他の1軸に対応する。また、本明細書中、下記に例示するコネクタもクランプ類に含まれるものとして扱う。
【0053】
図5に示すように、例えば、2軸合わせの完全拘束タイプのクランプに対しては、変位に関する自由度は、第0クランプ点CP0、第1クランプ点CP1及び第2クランプ点CP2のいずれも、XYZ軸座標で示される所定位置に拘束されるものとして設定される。この位置は、例えば、クランプの取り付け位置に対応する。以下のクランプの説明でも同様である。また、XYZ軸周りの回転に関する自由度は、第0クランプ点CP0、第1クランプ点CP1及び第2クランプ点CP2のいずれも自由であるものとして設定される。
【0054】
なお、このように拘束自由度を設定すると、このクランプに対応する第1クランプ軸CA1及び第2クランプ軸CA2は共に、剛体棒であり、第0クランプ点CP0に剛結合しているようにみなすことができる。このようにみなすことにより、この種のクランプの物理的イメージを直感的に把握することが可能になる。このようなタイプのクランプをここでは簡易型長穴クランプとよぶ。また、周知のコネクタもこのタイプのクランプにあてはまる。
【0055】
また、例えば、1軸合わせの完全拘束タイプのクランプに対しては、変位に関する自由度は、第0クランプ点CP0及び第1クランプ点CP1はXYZ軸座標で示される所定位置に拘束されるものとして設定されるが、第2クランプ点CP2の変位は自由であるものとして設定される。また、XYZ軸周りの回転に関する自由度は、2軸合わせの完全拘束タイプのクランプと同様、第0クランプ点CP0、第1クランプ点CP1及び第2クランプ点CP2のいずれも、自由であるものとして設定される。
【0056】
なお、このように拘束自由度を設定すると、このクランプに対応する第1クランプ軸CA1及び第2クランプ軸CA2は共に、剛体棒であり、第0クランプ点CP0に剛結合しているようにみなすことができる。このようなタイプのクランプをここでは簡易コネクタとよぶ。
【0057】
また、例えば、全回転自由で軸合わせなしタイプのクランプに対しては、変位に関する自由度は、第0クランプ点CP0はXYZ軸座標で示される所定位置に拘束されるものとして設定されるが、第1クランプ点CP1及び第2クランプ点CP2の変位は自由であるものとして設定される。また、XYZ軸周りの回転に関する自由度は、2軸合わせの完全拘束タイプのクランプと同様、第0クランプ点CP0、第1クランプ点CP1及び第2クランプ点CP2のいずれも、自由であるものとして設定される。
【0058】
なお、このように拘束自由度を設定すると、このクランプに対応する第1クランプ軸CA1及び第2クランプ軸CA2は共に、剛体棒であり、第0クランプ点CP0に剛結合しているようにみなすことができる。このようなタイプのクランプをここでは簡易型丸穴クランプとよぶ。
【0059】
また、例えば、1軸合わせの丸穴クランプ及び丸穴コルゲートクランプに対しては、変位に関する自由度は、第0クランプ点CP0及び第2クランプ点CP2はXYZ軸座標で示される所定位置に拘束されるものとして設定されるが、第1クランプ点CP1の変位は自由であるものとして設定される。また、XYZ軸周りの回転に関する自由度は、第0クランプ点CP0、第1クランプ点CP1及び第2クランプ点CP2のいずれも、自由であるものとして設定される。
【0060】
なお、このように拘束自由度を設定すると、これらのクランプに対応する第1クランプ軸CA1は剛体棒のようにみなすことができ、第0クランプ点CP0に剛結合しているようにみなすことができる。また、丸穴クランプの場合、第2クランプ軸CA2は剛体棒のようにみなすことができ、第0クランプ点CP0に剛結合しているようにみなすことができるが、丸穴コルゲートクランプの場合、第2クランプ軸CA2は剛体棒のようにみなすことができ、第0クランプ点CP0のX軸周りにリンク結合しているようにみなすことができる。
【0061】
そして、例えば、1軸合わせの長穴クランプ及び長穴コルゲートクランプに対しては、変位に関する自由度は、第2クランプ点CP2におけるXYZ軸周りの回転に関する自由度を除いて、上記1軸合わせの丸穴クランプ及び丸穴コルゲートクランプと同等となる。すなわち、1軸合わせの長穴クランプ及び長穴コルゲートクランプの回転に関する自由度は、第0クランプ点CP0及び第1クランプ点CP1においては自由であるが、第2クランプ点CP2においてはX軸周りの回転が所定角度に拘束されるものとして設定される。
【0062】
なお、このように拘束自由度を設定すると、これらのクランプに対応する第1クランプ軸CA1は剛体棒のようにみなすことができ、第0クランプ点CP0に剛結合しているようにみなすことができる。また、長穴クランプの場合、第2クランプ軸CA2は回転ばねであり、第0クランプ点CP0に剛結合しているようにみなすことができるが、長穴コルゲートクランプの場合、第2クランプ軸CA2は回転ばねであり、更に第0クランプ点CP0のX軸周りにリンク結合しているようにみなすことができる。
【0063】
このようにクランプのタイプ毎に拘束自由度を設定することにより、より詳細に各クランプ間の差異を表現することが可能になり、この結果、より正確なワイヤーハーネスの経路設計等が可能になる。
【0064】
次に、このような拘束自由度の設定方法を用いて、例えば、ワイヤーハーネスの経路予測する方法について、以下に説明する。
【0065】
簡単のために、ここでも、図6(A)で示すように、対象となるワイヤーハーネスにおいて3つの梁要素C1、C2、C3で表される部位について考える。そして、節点N1に所定のクランプが取り付けられているものとして設定する。上記図4及び図5を用いて説明した設定方法を用いると、節点N1に取り付けられるたクランプは、上記第1クランプ軸CA1及び第2クランプ軸CA2にそれぞれ対応する梁要素C2及びC4′が設定される。但し、第1クランプ軸CA1は、この第1クランプ軸CA1に接する梁要素C2と一致させている。これにより、計算量の削減の効果がある。
【0066】
そして、ここでも、各節点における変位の連続性と力の釣り合いの条件を満たすことで、梁要素C1〜C3、C4′を、図6(B)に示すように、結合することができる。図6(B)における、3つの梁要素C1、C2、C3で表わされる部位は、図3(C)で示した通りであるのでその繰り返し説明は省略する。これに加えて、節点N1から第2クランプ軸CA2に対応する梁要素C4′が分岐することになる。
【0067】
なお、図中、
xi:i番要素のxi軸方向の力
yi:i番要素のyi軸方向の力
zi:i番要素のzi軸方向の力
xi:i番要素のxi軸周りのモーメント
yi:i番要素のyi軸周りのモーメント
zi:i番要素のzi軸周りのモーメント
xi:i番要素のxi軸方向の変位
yi:i番要素のyi軸方向の変位
zi:i番要素のzi軸方向の変位
θxi:i番要素のxi軸方向の角変位
θyi:i番要素のyi軸方向の角変位
θzi:i番要素のzi軸方向の角変位
を示し、
i=1α、1β、2α、2β、3α、3β、4α、4βである。
【0068】
梁要素C4′は、以下の式(5)のように表わされる。
【0069】
【数4】
Figure 2004357355
【0070】
ここで、6行6列のマトリクスK(1,1)、K(1,2)、K(2,1)及びK(2,2)は上記K(1,1)、K(1,2)、K(2,1)及びK(2,2)と同様である。
【0071】
そして、梁要素C1〜C3、C4′を図3(C)に示すように連結し、梁要素C1、C2、C3、C4′における上記変位の連続性と力の釣り合いを上記式(4)と同様の形式で示すと、以下の式(6)のようになる。
【0072】
【数5】
Figure 2004357355
【0073】
ここで、式(6)中の6行6列のマトリクスK(1,1)、K(1,2)、K(2,1)及びK(2,2)は梁要素C1に対応し、K(1,1)、K(1,2)、K(2,1)及びK(2,2)は梁要素C2に対応し、K(1,1)、K(1,2)、K(2,1)及びK(2,2)は梁要素C3に対応し、K(1,1)、K(1,2)、K(2,1)及びK(2,2)は梁要素C4′に対応するものである。但し、但し、M124で示すK(2,2)とK(1,1)とK(1,1)とが重なっている部分、M23で示すK(2,2)とK(1,1)とが重なっている部分は、それらの各構成要素が足し合わされたものとなる。
【0074】
このようにして、ワイヤーハーネスに取り付けられたクランプを有するワイヤーハーネスに対して、有限要素モデルを作成することができる。なお、4つ以上の梁要素や複数のクランプが取り付けられたワイヤーハーネスについても、同様に扱うことができる。なお、上記のような一般的なマトリックス有限要素法は、例えば、上記非特許文献1中でも紹介されている。
【0075】
したがって、例えば、ワイヤーハーネスの形状特性及び材料特性として、予め取得可能な長さl、断面積A、断面2次モーメントI、断面2次極モーメントJ、縦弾性係数E及び横弾性係数Gを上記(4)や式(6)のように表される有限要素モデルのマトリクスKからなる剛性マトリクス[K]に代入し、拘束条件として、強制変位点等の座標情報を同有限要素モデルの変位ベクトル{x}の一部に代入し、未知数である変位ベクトル{x}をコンピュータを利用して求めることにより、ワイヤーハーネスの経路予測等の計算をすることができる。この解を求める際には、周知の弧長法や陽解法が利用可能である。
【0076】
このように、本発明の実施形態によれば、上記第1〜第2クランプ軸及び第0〜第2クランプ点とを想定してクランプを含むワイヤーハーネス有限要素モデルを作り、各クランプ点におけるXYZ軸方向の変位及びXYZ軸周りの回転に関する自由度をそれぞれ設定するようにしている。したがって、より詳細に各クランプの拘束自由度を設定することが可能になり、この結果、より正確なワイヤーハーネスの経路設計等が可能になる。
【0077】
なお、本発明の方法は、車両内に配線されるワイヤーハーネスに限定されず、屋内に配線されるワイヤー様構造物にも、同様に適用可能である。また、空間を表す3軸、各クランプ軸及びは各クランプ点は、便宜上命名したものであり、他の呼び方をしてもよい。
【0078】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1発明によれば、クランプの回転軸に直交し、ワイヤーハーネスの接線方向に延びる所定長の第1クランプ軸CA1、及びクランプの回転軸に一致して延びる所定長の第2クランプ軸CA2を想定し、第1クランプ軸、第2クランプ軸との交点である第0クランプ点CP0、第1クランプ軸の端点である第1クランプ点CP1、及び第2クランプ軸の端点である第2クランプ点CP2においてそれぞれ、3次元空間を表す3軸の、各軸方向の変位及び各軸周りの回転に関する自由度をそれぞれ設定することにより、クランプが取り付けられた位置の拘束自由度を設定するようにしている。より詳細に各クランプの拘束自由度を設定することが可能になる。したがって、より正確なワイヤーハーネスの経路設計等が可能になる。
【0079】
請求項2記載の発明によれば、第0クランプ点、第1クランプ点及び第2クランプ点においてそれぞれ、クランプ回転軸に平行な方向を3軸のうちの1軸と定め、第0クランプ点でのワイヤーハーネスの接線と平行な方向を3軸のうちの他の1軸と定め、これら1軸及び他の1軸に共に直交する方向を3軸のうちの更に他の1軸と定めているので、ワイヤーハーネスとクランプとの位置関係が把握しやすくなり、設定作業や分析作業が容易になる。
【0080】
請求項3記載の発明によれば、第1クランプ軸は、ワイヤーハーネスに割り当てられた複数の梁要素にうちの、第1クランプ軸に接する梁要素と一致させるようにしている。したがって、有限要素法を利用してワイヤーハーネスの経路予測を行う際に計算量の削減の効果がある。
【0081】
請求項4記載の発明によれば、コネクタや簡易型長穴クランプとよぶクランプ類が取り付けられたワイヤーハーネスの経路予測に特に有効となる。
【0082】
請求項5記載の発明によれば、簡易コネクタとよぶクランプ類が取り付けられたワイヤーハーネスの経路予測に特に有効となる。
【0083】
請求項6記載の発明によれば、簡易型丸穴クランプとよぶクランプ類が取り付けられたワイヤーハーネスの経路予測に特に有効となる。
【0084】
請求項7記載の発明によれば、丸穴クランプや丸穴コルゲートクランプが取り付けられたワイヤーハーネスの経路予測に特に有効となる。
【0085】
請求項8記載の発明によれば、長穴クランプや長穴コルゲートクランプが取り付けられたワイヤーハーネスの経路予測に特に有効となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(A)は、ワイヤーハーネスの外観を示す図であり、図1(B)は、図1(A)のワイヤーハーネスを離散化した様子を示す図であり、図1(C)は、図1(A)のワイヤーハーネスを梁要素と節点とで表した図である。
【図2】梁要素と節点とで表したワイヤーハーネスにおける自由度を説明するための図である。
【図3】図3(A)は、3つの梁要素からなるワイヤーハーネスの一部位を示す図であり、図3(B)は、ワイヤーハーネスを3つの梁要素で表した図であり、図3(C)は、図3(B)の3つの梁要素を結合した状態を示す図である。
【図4】本発明で想定される第1〜2クランプ軸及び第0〜2クランプ点を示す図である。
【図5】本発明のクランプの拘束自由度設定方法に係る図である。
【図6】図6(A)は、3つの梁要素とクランプに対応する梁要素とからなるワイヤーハーネスの一部位を示す図であり、図6(B)は、図6(A)を4つの梁要素で表した後にそれらを結合した状態を示す図である。
【図7】本発明に係るワイヤーハーネスの全体形状を概略的に示す図である。
【図8】従来、行われていたコネクタやクランプ等に対する拘束自由度の設定方法を示す図である。
【符号の説明】
1 ワイヤーハーネス
C1〜C7 梁要素
N0〜N7 節点
CP0 第0クランプ点
CP1 第1クランプ点
CP2 第2クランプ点
CA1 第1クランプ軸
CA2 第2クランプ軸

Claims (8)

  1. 複数の線条材が束ねられてなるワイヤーハーネスの経路予測等の計算に用いられ、前記ワイヤーハーネスの所定部位に取り付けられたクランプの拘束自由度を設定する方法であって、
    前記クランプの回転軸に直交し、前記ワイヤーハーネスの接線方向に延びる所定長の第1クランプ軸、及び前記クランプの回転軸に一致して延びる所定長の第2クランプ軸を想定し、
    前記第1クランプ軸、前記第2クランプ軸との交点である第0クランプ点、前記第1クランプ軸の端点である第1クランプ点、及び前記第2クランプ軸の端点である第2クランプ点においてそれぞれ、3次元空間を表す3軸の、各軸方向の変位及び各軸周りの回転に関する自由度をそれぞれ設定することにより、前記拘束自由度を設定する、
    ことを特徴とするクランプの拘束自由度設定方法。
  2. 請求項1記載のクランプの拘束自由度設定方法において、
    前記第0クランプ点、前記第1クランプ点及び前記第2クランプ点においてそれぞれ、クランプ回転軸に平行な方向を前記3軸のうちの1軸と定め、前記第0クランプ点での前記ワイヤーハーネスの接線と平行な方向を前記3軸のうちの他の1軸と定め、これら1軸及び他の1軸に共に直交する方向を前記3軸のうちの更に他の1軸と定める、
    ことを特徴とするクランプの拘束自由度設定方法。
  3. 請求項2記載のクランプの拘束自由度設定方法において、
    前記ワイヤーハーネスを円形断面で線形性が保たれた複数の梁要素が結合された弾性体とみなし、有限要素法を利用して前記ワイヤーハーネスの経路予測を行う際の、前記クランプの拘束自由度を設定する方法であって、
    前記第1クランプ軸は、前記ワイヤーハーネスに割り当てられた複数の梁要素にうちの、前記第1クランプ軸に接する梁要素と一致させる、
    ことを特徴とするクランプの拘束自由度設定方法。
  4. 請求項3記載のクランプの拘束自由度設定方法において、
    2軸合わせの完全拘束タイプのクランプに対して、
    前記変位に関する自由度は、前記第0クランプ点、前記第1クランプ点及び前記第2クランプ点のいずれにおいても、所定位置に拘束されるものとして設定し、
    前記回転に関する自由度は、前記第0クランプ点、前記第1クランプ点及び前記第2クランプ点のいずれにおいても、自由であるものとして設定する、
    ことを特徴とするクランプの拘束自由度設定方法。
  5. 請求項3記載のクランプの拘束自由度設定方法において、
    1軸合わせの完全拘束タイプのクランプに対して、
    前記変位に関する自由度は、前記第0クランプ点及び前記第1クランプ点においては所定位置に拘束され、前記第2クランプ点においては自由であるものとして設定し、
    前記回転に関する自由度は、前記第0クランプ点、前記第1クランプ点及び前記第2クランプ点のいずれにおいても、自由であるものとして設定する、
    ことを特徴とするクランプの拘束自由度設定方法。
  6. 請求項3記載のクランプの拘束自由度設定方法において、
    全回転自由で軸合わせなしタイプのクランプに対して、
    前記変位に関する自由度は、前記第0クランプ点においては所定位置に拘束され、前記第1クランプ点及び前記第2クランプ点おいては自由であるものとして設定し、
    前記回転に関する自由度は、前記第0クランプ点、前記第1クランプ点及び前記第2クランプ点のいずれにおいても、自由であるものとして設定する、
    ことを特徴とするクランプの拘束自由度設定方法。
  7. 請求項3記載のクランプの拘束自由度設定方法において、
    1軸合わせの丸穴クランプ及び丸穴コルゲートクランプに対して、
    前記変位に関する自由度は、前記第0クランプ点及び前記第2クランプ点においては所定位置に拘束され、前記第1クランプ点においては自由であるものとして設定し、
    前記回転に関する自由度は、前記第0クランプ点、前記第1クランプ点及び前記第2クランプ点のいずれにおいても、自由であるものとして設定する、
    ことを特徴とするクランプの拘束自由度設定方法。
  8. 請求項3記載のクランプの拘束自由度設定方法において、
    1軸合わせの長穴クランプ及び長穴コルゲートクランプに対して、
    前記変位に関する自由度は、前記第0クランプ点及び前記第2クランプ点においては所定位置に拘束され、前記第1クランプ点においては自由であるものとして設定し、
    前記回転に関する自由度は、前記第0クランプ点及び前記第1クランプ点においては自由であり、前記第2クランプ点においては前記他の1軸周りの回転が所定角度に拘束されるものとして設定する、
    ことを特徴とするクランプの拘束自由度設定方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010086462A (ja) * 2008-10-02 2010-04-15 Kanto Auto Works Ltd 支持点回転角度を考慮可能なワイヤーハーネスの変形解析システム
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