JP5395499B2 - 配線処理方法、配線処理プログラム、および、配線処理装置 - Google Patents
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モデル配線板上で作成した配線モデルは、平面の板上に模擬配線を行ったものであり、各端子同士間の距離に対して製作対象の配電盤と同様であるため、配線余長が発生しない。モデル配線板上の配線モデルは電線加工システムに設置される電線測長切断機にて指定の長さで正確に製作加工することが可能である。
さらに、モデル配線板という平面板上で作成された配線モデルは、2次元方向への配線ルートについては余長および不足線長などの問題は無いが、奥行き方向(3次元方向)への配線ルートについては扱えないため、適用される配電盤が少なくなってしまう。
また、配電盤上の電子部品の配置情報と、配線モデル板上の電線の配置情報とを整合させるための手作業が、別途必要である。例えば、一度、配線モデル無しにて配電盤を製作したうえで、完成した配電盤より各配線の配線ルートの測定と配線長の測長を行い、その情報を基に配線ルートを平面板にスケッチし、平面配線モデル板の作成を行う必要がある。この手作業が発生するため、配線作業員の生産性が低下してしまう。
前記配線処理装置が、配線データ格納部と、ワイヤハーネス計算部とを有するとともに、入力装置と、表示装置とにそれぞれ接続され、
前記配線データ格納部には、前記配電盤内の電子部品の始点端子から終点端子までの経路を順に接続した経路リストと、その経路リストに沿って配線される電線の電気特性情報と、を対応づける配線ルートが格納され、
前記ワイヤハーネス計算部が、前記配線データ格納部から複数の経路を経路群として選択し、それらの経路群の位置が互いに同じで、かつ、経路が属する配線ルートの電気特性情報が互いに同じであるときに、それらの経路群を結束リストとし、その結束リストに属する経路が含まれる配線ルートの電線群を、1つに束ねることで、前記ワイヤハーネスのデータを作成し、
前記表示装置が、前記ワイヤハーネス計算部が作成した前記ワイヤハーネスのデータを表示するときに、前記結束リストに属する経路ごとに、その経路に含まれる結束可能な複数本の電線を対応付けて表示することを特徴とする。
その他の手段は、後記する。
配線処理装置1は、CPU91およびメモリ92を有し、入力装置93および表示装置94とそれぞれ接続されるコンピュータとして構成される。
CPU91は、メモリ92に格納されている各処理部を構成するためのプログラムを読み込んで実行する
メモリ92には、各処理部を構成するためのプログラムと、各処理部が処理する各データとが格納される。各処理部は、部品配置編集部11と、配線ルート編集部13と、配線ルート計算部15と、ワイヤハーネス計算部17とを含めて構成される。各データは、部品配置格納部12と、配線条件格納部14と、配線データ格納部16とを含めて構成される。
入力装置93は、キーボードやマウスなどで構成され、各編集部に対する編集操作を入力するために用いられる。
表示装置94は、ディスプレイなどで構成され、各処理部(ワイヤハーネス計算部17など)の処理結果を表示する。
配線ルート編集部13は、部品配置格納部12に格納されている各電子部品の配置情報をもとに、その各電子部品の端子間を接続する配線ルートをユーザに編集させ、その結果を配線データ格納部16(詳細は、図2(b)および表2参照)に格納する。配線ルート編集部13は、例えば、部品配置編集部11と同じ3次元CAD上のプラグインにより実現される。
各電子部品には、その電子部品の名称(「A」など)が記述されている。そして、以下に示すように、電子部品には、その電子部品に配線するときの電線の接続箇所として、端子が付いている。
電子部品「F」には、端子「f」が付いている。
電子部品「G」には、端子「g」が付いている。
電子部品「I」には、端子「i」が付いている。
電子部品「J」には、端子「j1」および端子「j2」が付いている。
電子部品「O」には、端子「o」が付いている。
配線ルート「1」は、電子部品「O」から電子部品「I」への配線を実施するために、発点端子「o」から着点端子「i」までの経路として構成される。
配線ルート「2」は、電子部品「F」から電子部品「J」への配線を実施するために、発点端子「f」から着点端子「j1」までの経路として構成される。
配線ルート「3」は、電子部品「F」から電子部品「J」への配線を実施するために、発点端子「g」から着点端子「j2」までの経路として構成される。
図4は、図3に示す平面図に対して、図2(b)に示すワイヤーハーネスを追加した旨を示す平面図である。図4での経路R1〜R3は、後記する表2の配線データ格納部16での説明に使用する。
線型計画法の制約条件は、優先度が「○必須」である配線条件の具体例を示す等式または不等式である。
線型計画法の目的関数は、優先度が「△目標」である配線条件の具体例を示す線型関数である。
配線ルートIDは、配線ルートを特定するためのIDである。
線径は、配線される電線の径を示す。
起点端子は、配線される電線の片方の端点を示す。
終点端子は、配線される電線のもう片方の端点を示す。
配線ルートは、経路を順に接続した経路リストとして構成される。経路とは、配線ルートの一部を構成する細切れの通り道である。
配線ルート長は、配線される電線の長さを示す。配線ルート長は、例えば、配線ルート編集部13の3次元CADが実行する線分長の計算処理を、経路分だけ加算することにより、求めることができる。
回路区分は、配線される電線の電気特性を示す。
例えば、配線ルートID「1」の結束リストの1つめは、「R1(2)」と記載されている。この記載は、配線ルートID「1」の配線ルートを構成する経路「R1」は、配線ルートID「2」の経路「R1」と結束可能であることを示す。
同様にして、配線ルートID「1」の結束リストの2つめは、「R2(2,3)」と記載されている。この記載は、配線ルートID「1」の配線ルートを構成する経路「R2」は、配線ルートID「2」および配線ルートID「3」それぞれの経路「R2」と結束可能である(換言すると、3本の電線を1つの束にできる)ことを示す。
S102において、配線処理装置1は、入力装置93を介して、配線ルートを計算するか否か(編集するか)を選択させる。S102でYesならS103に進み、NoならS104に進む。
S103において、配線ルート計算部15は、部品配置格納部12および配線条件格納部14を参照して、配線ルートを計算し、その結果を配線データ格納部16に格納する。
S104において、配線ルート編集部13は、配線ルートを入力装置93を介してユーザに編集させ、その結果を配線データ格納部16に格納する。なお、S104の編集作業は、S101の編集作業と同じ画面上で並行作業させてもよい。
S112において、ワイヤハーネス計算部17は、配線データ格納部16を参照して、第1経路とは別の配線ルートから第2経路を順に選択するループを開始する。
S113において、ワイヤハーネス計算部17は、第1経路と第2経路との空間上の位置が互いに一致するか否か(経路が一致するか否か)を判定する。S113でYesならS114に進み、NoならS116に進む。
S114において、ワイヤハーネス計算部17は、配線データ格納部16を参照して、第1経路が属する配線ルートに使用される電線の回路区分と、第2経路が属する配線ルートに使用される電線の回路区分とが、互いに一致するか否かを判定する。S114でYesならS115に進み、NoならS116に進む。
S116において、ワイヤハーネス計算部17は、第2経路のループを終了する。
S117において、ワイヤハーネス計算部17は、第1経路のループを終了する。
(1)電線加工システムの電線測長切断機を用いて、配線データ格納部16の配線ルート長に従った長さで、各配線ルートの電線の製作加工を行う。
(2)配線データ格納部16の配線ルートに従い、盤外にて各電線の形状を構成する。例えば、配線する各電線が形状記憶電線であるときには、配線する電線を手作業で折り曲げることで、各電線の形状を固定する。この固定化作業は、配電盤の外部の広い空間で実施できるので、電線の高さおよび角度をフレキシブルに変更できるなど、配線作業者の負担を軽減する作業姿勢をとることができる。
(3)部品配置格納部12の各電子部品の配置データと、配線データ格納部16の配線ルートと、(2)で作成した電線群の各配線ルートと、の妥当性をチェックする。例えば、電子部品間の配線を実施するための発点端子および着点端子の組み合わせは、妥当か否かなどをチェックする。
(4)表示装置94に表示された、配線データ格納部16の結束リストが示すワイヤハーネスの形状データを参照して、ワイヤハーネスを作成する。例えば、配線作業者は、配線ルートの曲がり角ごとなどの要所ごとに、接着剤や結束バンドを用いて複数の電線を1つに束ねてもよい。または、配線作業者は、複数の電線をダクトなどの治具内部に固定させて一体化することにより、複数の電線を1つに束ねてもよい。作成されたワイヤハーネスは、平面形状だけでなく、立体形状として構成することができる。
(5)製作完了したワイヤハーネスを配電盤の内部へ収納して取り付けた後、ワイヤハーネスを構成する各電線の端点を配電盤の各電子部品へと接続する。
11 部品配置編集部
12 部品配置格納部
13 配線ルート編集部
14 配線条件格納部
15 配線ルート計算部
16 配線データ格納部
17 ワイヤハーネス計算部
91 CPU
92 メモリ
93 入力装置
94 表示装置
Claims (5)
- 配電盤内の電子部品間を接続する電線を束ねるワイヤハーネスのデータを作成する配線処理装置による配線処理方法であって、
前記配線処理装置は、配線データ格納部と、ワイヤハーネス計算部とを有するとともに、入力装置と、表示装置とにそれぞれ接続され、
前記配線データ格納部には、前記配電盤内の電子部品の始点端子から終点端子までの経路を順に接続した経路リストと、その経路リストに沿って配線される電線の電気特性情報と、を対応づける配線ルートが格納され、
前記ワイヤハーネス計算部は、前記配線データ格納部から複数の経路を経路群として選択し、それらの経路群の位置が互いに同じで、かつ、経路が属する配線ルートの電気特性情報が互いに同じであるときに、それらの経路群を結束リストとし、その結束リストに属する経路が含まれる配線ルートの電線群を、1つに束ねることで、前記ワイヤハーネスのデータを作成し、
前記表示装置は、前記ワイヤハーネス計算部が作成した前記ワイヤハーネスのデータを表示するときに、前記結束リストに属する経路ごとに、その経路に含まれる結束可能な複数本の電線を対応付けて表示することを特徴とする
配線処理方法。 - 前記配線処理装置は、さらに、配線ルート計算部を有し、
前記配線ルート計算部は、束ねる配線ルートの経路の長さを示す目標関数を最大化する線型計画法を計算することで、前記配線ルートの経路リストを決定して、配線ルートとして前記配線データ格納部に格納することを特徴とする
請求項1に記載の配線処理方法。 - 請求項1または請求項2に記載の配線処理方法を、前記配線処理装置に実行させるための配線処理プログラム。
- 配電盤内の電子部品間を接続する電線を束ねるワイヤハーネスのデータを作成する配線処理装置であって、
前記配線処理装置は、配線データ格納部と、ワイヤハーネス計算部とを有するとともに、入力装置と、表示装置とにそれぞれ接続され、
前記配線データ格納部には、前記配電盤内の電子部品の始点端子から終点端子までの経路を順に接続した経路リストと、その経路リストに沿って配線される電線の電気特性情報と、を対応づける配線ルートが格納され、
前記ワイヤハーネス計算部は、前記配線データ格納部から複数の経路を経路群として選択し、それらの経路群の位置が互いに同じで、かつ、経路が属する配線ルートの電気特性情報が互いに同じであるときに、それらの経路群を結束リストとし、その結束リストに属する経路が含まれる配線ルートの電線群を、1つに束ねることで、前記ワイヤハーネスのデータを作成し、
前記表示装置は、前記ワイヤハーネス計算部が作成した前記ワイヤハーネスのデータを表示するときに、前記結束リストに属する経路ごとに、その経路に含まれる結束可能な複数本の電線を対応付けて表示することを特徴とする
配線処理装置。 - 前記配線処理装置は、さらに、配線ルート計算部を有し、
前記配線ルート計算部は、束ねる配線ルートの経路の長さを示す目標関数を最大化する線型計画法を計算することで、前記配線ルートの経路リストを決定して、配線ルートとして前記配線データ格納部に格納することを特徴とする
請求項4に記載の配線処理装置。
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