JP4050493B2 - ワイヤーハーネス設計装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ワイヤーハーネス設計装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ワイヤーハーネスの試作段階では、生産技術エンジニアが中心となり、量産に向けての各種工程設計を実施する。そして試作段階においては、現物の試作を行い、特に人手によるハーネスの組立性向上に重点を置き作業検証を行う。これは量産段階で高い生産性が得られるように、試作段階で試行し、難作業の箇所や作業性の悪い箇所を摘出し、早期に改善案を考察するためである。このような改善案はハーネス設計の改善と連動する場合が多いため、早期に設計への改善フィードバックを行う目的で作成される。
【0003】
試作作業を行う前準備として、図23に示す段階にて、生産技術エンジニアはステップS01でハーネスの設計を行った後、ステップS02で原寸図を設計し、この原寸図を見ながら、ステップS03で立ち上げスケジュールや企画台数等の生産計画情報と、工場設備における既存設備種類、生産方式基準及び生産性能力等の生産工場情報を作成・検討する。その後、ステップS04で第1回目のサブアッシー(Sub−Assy)の分割設計を行い、ステップS05で具体的な量産組立ラインの設計を行う。
【0004】
ここで、図24に示すように、ステップS04で分割設計されるサブアッシー1(図25中のサブ1、サブ2…サブn)とは、ワイヤーハーネス2(図25中のハーネス完成品)の小規模の構成部分として途中段階で製造される中間品である。ワイヤーハーネス2は通常、エンジンやドア等の自動車の各部位単位で設計され量産される。この部位単位のワイヤーハーネス2の完成品の規模は、電線(例えば100〜500本)及びプロテクター、カバー及びテープ等の外装部品(例えば数十〜数百点)といった複数種類の構成部品3の集合体となっており、これらが切断・圧着(符号4)されて結合される。そして、これらの複数種類の構成部品3を効率良く組み立てるために、事前に専用機または自働機5を用いてまたは人手による組立6により複数の小規模のサブハーネスを作成しておき、これをハーネス組立作業台上に順次配索して合体していく方法を採る。この複数の小規模のサブハーネスがサブアッシー1と称される。尚、図24及び図25中においてサブアッシー1に含まれない電線7及び部品8は、サブアッシー1とは異なって単独で接続されてワイヤーハーネス(ハーネス完成品)2を構成する単独部品9である。
【0005】
ステップS04のサブアッシーの分割設計の手順の概略を図26に示す。ステップS11において、コンピュータのソフトウェアプログラムとしての製造設計システム(IHS)からハーネス設計情報を得た後、ステップS12で、ハーネス設計情報に基づいて図27に示したようにワイヤーハーネスを構成する電線・コネクタのマトリクス表に変換して出力する。この出力されたマトリクス表を見ながら、例えば図28中に符号1aで図示したサブ1や図29中に符号1bで図示したサブ2の様な形態(集合体)をグルーピングして抽出する作業(ステップS13)を繰り返す。このとき、注意事項として、人間がハンドリングし易い大きさであるか否か、端子先入れ率が最大となるか否か、布線時の流れ性が良いかどうか、等を考慮しながら何度かこの分割作業を繰り返し最適化していき、これらが終了した時点でサブアッシーの分割が完了する(ステップS14)。
【0006】
ただし、かかる作業は、机上でのマトリクス表(ステップS12参照)を用いたサブアッシー分割設計(ステップS04)であるので、その結果の検証を現物を用いて行う必要がある。
【0007】
ステップS04のサブアッシー分割設計が完了(図26中のステップS14)した段階で、図24のように実際に構成部品3を準備し、現物のサブアッシー1を作成する。さらに原寸図設計(図23中のステップS02参照)の内容に準じた現物のハーネス組立用のハーネス組立作業台を製作し、組立作業検討を行うことになる。尚、このハーネス組立作業台は、一般に上面側に原寸図を貼り付けた状態でその原寸図上に保持用のU治具を設置してワイヤーハーネスを配策することから、通常は「図板」と呼ばれる。
【0008】
このとき、各サブアッシー1の使用順序及びハーネス組立作業台上における組立手順は、予めIE(インダストリアル・エンジニアリング)的な理論に基づき決定しておき、その手順に従い、担当の生産技術エンジニア等が自ら組立作業を行い、次の表1のように布線作業性や作業手順についての検討項目に重点を置き作業性の検証と改善を行う。
【0009】
【表1】
Figure 0004050493
【0010】
ここで、布線作業性についての確認ポイントとしては、作業者がサブアッシー1をハンドリングする際に無駄な作業が発生していないか否か、ハーネス組立作業台上の左から右方向といった一方向にスムースに布線することが可能かどうか、重複した布線作業が多くないかどうか等が検討される。また、作業手順については、手順間に無駄な作業が発生しないかどうか等が検討される。これらに対しては、それぞれ表1の「改善手段」の欄に示した改善策が検討される。
【0011】
このようにして、現物の試作を繰り返すことにより、試作段階で高作業性に向けた改善が進み、工程設計の完成度を上げることができる。また、そのときに提案される改善案はサブアッシーの分割形態に関連するもの以外に、設計変更を伴うものもあり、即時に設計変更案をまとめ、設計部門にフィードバックを行い改善を進める。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
上記したようなプロセスを確実に実施し、現物の生産環境を整えた後に、現物の製品組立作業を行い、試作段階における生産性及び品質に関する阻害要因を摘出し、その後に、顧客または社内の設計部門に改善要望を出し、次期試作に反映させるという方法を採っているため、1回の試作を完了・評価するまでに多大な工数及び長い期間(約1ヶ月)を必要とする。
【0013】
しかしながら、顧客からの開発期間短縮の要請が益々高まる中、複数のサブアッシーの現物試作をそれぞれ実施して詳細評価を行うようにしていたため、そのための作業に要する時間及び工数を確保すること困難となりつつあり、試作プロセスの納期遅れや検証精度の低下を招くおそれがあり、次期試作プロセスへの問題点が残存したり、または量産段階での生産性や品質の低下につながるおそれがあった。
【0014】
そこで、この発明の課題は、早期に試作設計レベルの完成度を向上させ、現物試作作業の回数及び工数を削減して作業を軽減し得るワイヤーハーネス設計装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決すべく、請求項1に記載の発明は、完成品としてのワイヤーハーネスを構成する複数の電線を含む部品について、前記各部品の三次元形状の情報と、前記部品同士がいずれのノードで互いに接続されているかを示す部品情報と、前記各ノードの三次元座標を含むノード情報と、前記ワイヤーハーネスを構成する複数のサブアッシーについての前記部品の情報を含むサブアッシー情報とを含む原寸図設計データを保有する記憶装置と、表示ディスプレイと、仮想三次元空間においてハーネス組立作業台の画像を前記表示ディスプレイに表示するとともに、前記記憶装置内の前記原寸図設計データを読み出し、当該原寸図設計データの前記各部品の三次元形状の情報、前記部品情報及び前記ノード情報に基づき仮想三次元空間における当該サブアッシーの三次元形状を前記ハーネス組立作業台の画像上に配策した状態で前記表示ディスプレイに合成表示する制御部とを備え、前記制御部が、前記各サブアッシー中で束ねられている複数の前記電線を個別に表示するとともに前記サブアッシー情報に基づいて同一のサブアッシー内の全ての前記部品を同一の表示色で表示する個別表示モードと、前記サブアッシー情報に基づいて前記各サブアッシー中で束ねられている複数の電線を電線の集合体として一括表示する一括表示モードとを選択的に切り換えて前記表示ディスプレイに表示するものである。
【0017】
請求項に記載の発明は、請求項1に記載のワイヤーハーネス設計装置であって、前記各サブアッシーの変更に係る入力操作を受け付ける手段をさらに備え、前記制御部が、前記サブアッシーの三次元形状を前記表示ディスプレイに表示している状態で、前記入力操作を受け付ける手段での入力操作を通じて前記サブアッシーの変更に係る入力操作を受け付けた場合に、前記入力操作に係る変更に基づいて前記サブアッシーの三次元形状を変更して前記表示ディスプレイに表示するとともに、前記サブアッシーの変更の結果の情報を、原寸図設計データにデータ変換して出力するものである。
【0020】
請求項に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載のワイヤーハーネス設計装置であって、前記記憶装置が、複数の前記サブアッシーを前記ハーネス組立作業台上で組み立てる手順を定義した図板上組立手順情報をさらに保有し、前記制御部が、前記記憶装置内の前記図板上組立手順情報を読み出し、仮想的な三次元形状に配置された前記ハーネス組立作業台の画像に対して、動画像により、前記図板上組立手順情報で定義された手順通りに複数の前記サブアッシーの組立動作を仮想三次元空間において再生表示するものである。
【0021】
請求項に記載の発明は、請求項1ないし請求項のいずれかに記載のワイヤーハーネス設計装置であって、前記記憶装置が、前記各サブアッシーを構成する前記各部品を組み立てる手順を定義したサブアッシー組立手順情報をさらに保有し、前記制御部が、前記記憶装置内の前記サブアッシー組立手順情報を読み出し、動画像により、前記サブアッシー組立手順情報で定義された手順通りに前記各部品の組立動作を仮想三次元空間において再生表示するものである。
【0022】
【発明の実施の形態】
図1はこの発明の一の実施の形態に係るワイヤーハーネスの設計方法を示す図である。図1の如く、ワイヤーハーネスを構成するサブアッシーの分割設計からこれらのサブアッシーのハーネス組立作業台上での配置について、三次元バーチャルシミュレーション技術を利用し、正確な三次元構造のワイヤーハーネス及びハーネス組立作業台を仮想空間内に作成し、シミュレーションのみでワイヤーハーネスの仮想的な試作を行って、生産性及び品質に関する阻害要因を摘出し、かつその改善方法を検討するようになっている。
【0023】
これらは、ROM、RAM及びCPU(制御部)を備えたコンピュータシステム(ワイヤーハーネス設計装置:図示省略)において、表示ディスプレイ(図示省略)に三次元画像を表示しながら実行される。尚、コンピュータシステムの動作は、一般に、所定のプログラムで規定された手順に従って実行される。以下にその方法を詳述する。
【0024】
先ずは、図23中のステップS01及びS02に示した従来と同等の手順で原寸図設計(ワイヤーハーネス製造用図面の設計)を行う。この結果、コンピュータのソフトウェアプログラムとしての製造設計システム(IHS:ステップS21)からハーネス設計情報(原寸図設計情報:ステップS22)を得る。
【0025】
このハーネス設計情報は2次元図面を作成するに必要なように2次元平面上に展開した図面情報であり、このハーネス設計情報に基づいて、コンピュータシステム内で処理可能な電子データとしての三次元形状データを作成することになる。
【0026】
即ち、ステップS23において、電線、コネクタ及び外装部品等の各部品の三次元形状や部品の情報等の諸々の項目について、原寸図の設計を念頭においてデータ抽出またはコンピュータシステムに対する入力作業を行い、コンピュータシステムのハードディスク等の記憶装置を用いてデータベース化する。
【0027】
この際、ステップS22で得られた原寸図設計情報に加えて、完成品としてのワイヤーハーネスを構成する複数のサブアッシーを分割設計し、このときの分割設計案としてのサブアッシーの構成情報(サブアッシー情報)を含めるようにしてデータベース化する(原寸図設計データ作成工程)。
【0028】
このときに抽出または入力作業を行うべきデータ(原寸図設計データ)としては、配置されるべき中心点や端点等の各ノードの番号(ノードNO)及び三次元座標(ノード座標)等を含むノード情報と、互いに繋がっているノード同士を特定するスパン情報と、各種の部品同士がいずれのノードで互いに接続されているか(即ち、各ノードNo、端末部品名称または部品コード、部品種別、部品仕様、及び取り付け方向等)を示す部品情報と、複数のサブアッシー同士を互いに識別するための識別番号(サブアッシーNO)やそのサブアッシーを構成する構成部品(回路部品等)等の情報を含むサブアッシー情報と、電線の種別、サイズ、色、加工線長、直径、電線の両端に付く端子の名称、部品コード等、電線の両端端子が挿入されるコネクタのノードNo、コネクタの名称、部品コード、及びコネクタにおける挿入キャビティ番号(挿入キャビティNO)等の情報を含む回路情報と、回路構成情報及び回路加工情報等のその他の情報とがある。
【0029】
ここで、サブアッシー情報のデータ構成を図2に示す。サブアッシー情報は、図2のように検索木(ツリー)に整理される。
【0030】
図2において、サブアッシーNO.1の回路a11,a12,a13…として示したものは、電線1本ずつのインデックス情報であり、各電線が原寸図上で通過する座標を検知するための複数の通過ノードNO(ノード番号)と電線の直径等の諸情報を定義するための回路情報とを含んでいる。
【0031】
また、部品のコネクタb11,b12,b13…は、コネクタのインデックス情報であり、具体的には、部品情報とリンクしたコネクタの仕様情報や各コネクタが位置するノードの位置等の部品情報を含んでいる。
【0032】
さらに、部品としてのクランプ等の外装部品c11,c12,c13…は、各種外装部品のインデックス情報であり、回路情報とリンクされており、どの回路がどの外装部品と合体するかの関係情報を含んでおり、また各外装部品が位置するノードの位置(ノード情報)を含んでいる。
【0033】
これらの原寸図設計情報は、コンピュータシステムのハードディスク等の記憶装置において、データベース(図3及び図4中の符号DB3)として保存される。
【0034】
尚、コネクタb11,b12,b13…やクランプ等の外装部品c11,c12,c13…、さらに組み立て用治具その他の部品の三次元形状情報は、予めデータベース(図3及び図4中の符号DB2)として保存されており、この三次元形状情報DB2内の各データを上記したインデックス情報で参照して呼び出すことが可能となっている。
【0035】
また、これらの原寸図設計データとは別に、ステップS24において、ワイヤーハーネスの組み立て手順の情報(組立手順情報)をも入力し、これをコンピュータシステムのハードディスク等の記憶装置においてデータベース化しておく。この組立手順情報は、サブアッシー組立手順情報と図板上組立手順情報とがある。
【0036】
サブアッシー組立手順情報は、組立順番を意味する順序インデックス(シリアルNO)と、対象コネクタ等の部品名称または部品コードと、対象電線の回路NOと、この対象電線のどちら側の端であるかを意味する端部記号(一方の端子を「A」、他方の端子を「B」で示す)と、先に取り付ける外装部品(先通し部品)の有無を示すフラグと、先通し部品の仕様(ビニール部品等の部品名称及び加工仕様等)と、その他の作業コード及び作業仕様とを含む。
【0037】
このサブアッシー組立手順情報のデータをデータベースDB1Aとして保存する。このサブアッシー組立手順情報DB1Aは、図3に示すような三次元形状情報のデータベースDB2や、原寸図設計情報のデータベースDB3に対して、サブアッシーNOをリンクキーとしてリンクされることになる。
【0038】
また、図板上組立手順情報は、ハーネス組立作業台上での組立順番を意味する順序インデックス(シリアルNO)と、ハーネス組立作業台に投入するサブアッシーを特定するためのサブアッシーNOと、布線、端子挿入、結束、外装部品付け、分岐処理等を識別するための作業コードと、サブアッシーとしてではなく個別に電線が投入される場合の対象電線の回路NOと、この対象電線のどちら側の端であるかを意味する端部記号(一方の端子を「A」、他方の端子を「B」で示す)と、その他の作業仕様とを含む。
【0039】
この図板上組立手順情報もデータをデータベースDB1Bとして保存する。この図板上組立手順情報DB1Bも、図4に示すような三次元形状情報のデータベースDB2や、原寸図設計情報のデータベースDB3に部品情報等をリンクキーとしてリンクされることになる。
【0040】
ここで、サブアッシーの具体例を図5に、そのサブアッシーの作成手順を表2に示す。
【0041】
【表2】
Figure 0004050493
【0042】
図5では、コネクタC1のキャビティ▲1▼,▲2▼,▲3▼とコネクタC3のキャビティ▲3▼,▲2▼,▲1▼とがそれぞれ回路(電線)a11,a12,a13で接続されており、またコネクタC2のキャビティ▲1▼,▲2▼とコネクタC3のキャビティ▲6▼,▲7▼とがそれぞれ回路(電線)a15,a16で接続されている。さらに、コネクタC1のキャビティ▲6▼に接続された回路a14がフリー端子T1に接続され、コネクタC2のキャビティ▲4▼に接続された回路a17がフリー端子T2に接続されている。このフリー端子T1,T2は、サブアッシーの段階でコネクタのキャビティに挿入されていないフリーの回路の端子を言い、後からハーネス組立作業台上でコネクタに挿入する作業が必要となるものである。
【0043】
この図5に示すサブアッシーを手作業で組み立てる場合、図6に示した電線収納用トレイ11に電線を収納し、電線の手前側の端部に、部品収納用ケース12内の部品を接続する。このときの接続作業は作業台13上で行う。
【0044】
具体的に、例えばコネクタC3に各回路a11,a12,a13,a15,a16を組み付ける手順としては、表2の如く、まずコネクタC3を部品収納用ケース12から取り出して左手に持つ。そして、電線収納用ケース11内に配置された回路a15のB端子側を右手で引き抜き、コネクタC3のキャビティ▲6▼に挿入する(図5及び図7参照)。同様にして、回路a16のB端子側を右手で引き抜いてコネクタC3のキャビティ▲7▼に挿入し(図5及び図8参照)、回路a13のA端子側を右手で引き抜いてコネクタC3のキャビティ▲1▼に挿入し、回路a12のA端子側を右手で引き抜いてコネクタC3のキャビティ▲2▼に挿入し、回路a11のA端子側を右手で引き抜いてコネクタC3のキャビティ▲3▼に挿入する(図5及び図9参照)。
【0045】
これらの手作業の手順を想定し、サブアッシー組立手順情報が作成される。このときのサブアッシー組立手順情報(図3)は、次の表3のようになる。
【0046】
【表3】
Figure 0004050493
【0047】
表3において、シリアルNOが001の行に、コネクタC3を左手(「2」)で持つという意味の「C3,2」という情報を部品コードの列に格納する。次に、シリアルNOが002の行に、回路a15を右手(「1」)で持つという意味の「a15,1」という情報を回路NOの列に格納する。以後のシリアルNOにおいて同様に、「a16,1」「a13,1」「a12,1」「a11,1」と格納する。併せて、端子記号(AまたはB)をも格納する。このサブアッシー組立手順情報は、図3の符号DB1Aのようにデータベース化される。
【0048】
次に、サブアッシーのハーネス組立作業台上での布線状態を図10に、そのときの布線手順を表4にそれぞれ示す。
【0049】
【表4】
Figure 0004050493
【0050】
ハーネス組立作業台16は、図11のようにX軸とY軸で規定される水平平面に対して角度θだけ傾斜して配置された状態で作業が行われる。ハーネス組立作業台16上には電線保持及びコネクタC1〜C5を保持するためのU治具Jig1〜Jig6が取り付けられている。
【0051】
表4のように、まず図5に示したサブアッシーのコネクタC1を、図12のようにハーネス組立作業台16上の電線保持用のU治具Jig1に掛ける。同様にして、サブアッシーのコネクタC2をU治具Jig2に掛ける。
【0052】
次に、コネクタC3につながる電線及びフリー端子の電線を所定の経路に布線し、当該コネクタC3をU治具Jig3に掛ける。
【0053】
続いて、図13に示すように、フリー端子T1,T2の電線をコネクタC4の直近まで布線する。
【0054】
次に、コネクタC5を所定のU治具Jig5に掛ける。
【0055】
そして、コネクタC4につながる電線を所定の経路に布線し、当該コネクタC4を所定のU治具Jig4に掛ける。
【0056】
しかる後、図14のように、コネクタC2から出力されているフリー端子T2を、コネクタC4の所定のキャビティに挿入するとともに、コネクタC1から出力されているフリー端子T1を、コネクタC4の所定の他のキャビティに挿入すし、図15の状態になる。
【0057】
これらの手作業の手順を想定し、図板上組立手順情報が作成される。このときの図板上組立手順情報(図4)は、次の表5のようになる。
【0058】
【表5】
Figure 0004050493
【0059】
表5において、シリアルNOが001〜003の行に、サブアッシーNOが001のコネクタC1〜C3についてそれぞれ布線を行い、シリアルNOが004,005の行に、サブアッシーNOが002のコネクタC5,C4についてそれぞれ布線し、シリアルNOが006,007の行に、サブアッシーNOが001のコネクタC4について所定の回路のA端子を挿入する旨が定義されている。この図板上組立手順情報は図4の符号DB1Bのようにデータベース化される。
【0060】
このようにして、図1に示した組立手順情報の抽出工程(ステップS24)が終了した後、ステップS25で、所定のネットワークを通じて、上記の原寸図設計データ及び組立手順情報を、例えばFTP等の方法を通じて他のコンピュータシステムの三次元シミュレーションシステムで受信し、その後、仮想的な三次元空間におけるサブアッシーの三次元形状データ及びハーネス組立作業台(組立図板及びU治具を含む)上のワイヤーハーネスの三次元形状データをそのコンピュータシステムにおいて順次作成し、表示ディスプレイに表示する(ステップS26)。
【0061】
このときの動作について、まず始めにサブアッシーの三次元形状データについて説明する。
【0062】
まず、図3及び表3に示したサブアッシー組立手順情報DB1AのシリアルNO(001)より部品コード(C3,2)を取得する。
【0063】
次に、図3に示した各部品の三次元形状情報DB2にてコネクタC3の三次元形状情報を検索し、この三次元形状をコンピュータシステムの表示ディスプレイ(図示省略)の画面に表示する。表示ディスプレイの画面中におけるコネクタC3の表示位置は、マウス等のポインティングデバイス(図示省略)を用いて任意に設定し、コネクタC3のキャビティが形成されている回路挿入面が正面側に向くように表示する。
【0064】
続いて、サブアッシー組立手順情報DB1A(図3及び表3参照)のシリアルNO(002)より回路NO(a15,1)及び端子記号(B)を取得する。そして、図3中の原寸図設計情報DB3の中の回路情報にて、回路a15の属性情報を検索・取得する。これにより、電線、端子、挿入されるコネクタ及びそのキャビティ番号のデータを取得できる。
【0065】
このように種々の情報が得られた後、回路a15の三次元形状データを仮想空間上に作成し、表示ディスプレイに表示する(図7参照)。
【0066】
この際、電線の直径・色・長さの情報を用いて、実寸のパイプ形状の三次元的な電線を作成・表示する。
【0067】
尚、回路a15(他の回路も同様)のA端子及びB端子の両方の端子コードの情報に基づいて、端子の三次元形状は、実形状データの登録または簡易形状データ(直方体等)を予め登録しておき、その形状データを電線データの両端に接続する(図7参照)。
【0068】
そして、回路a15の挿入対象であるB端側の端子を、コネクタC3の形状データの側近に位置させる。この状態を図7のように表示ディスプレイの画面に表示する。
【0069】
次に、回路a15のB端子側の端子先端中心部を基準端として、ここから挿入先コネクタC3のキャビティの中心点へと向かう動作軌跡を設定する(図16参照)。この動作軌跡もマウス等のポインティングデバイスで任意に設定する。即ち、人手作業による一般的な作業軌跡を測定し、これをポインティングデバイスを用いて入力することにより、実作業に近い状態を動画像で再現することが可能となる。また作業軌跡をトレースする速度も実測値に基づいた動作速度を設定するが、任意に変更できる機能も有する。
【0070】
ここで、サブアッシー組立手順情報DB1のシリアルNOが003より以降では、それぞれ各手順情報を取得し、上述した方法を繰り返すことにより、図5に示したサブアッシーの仮想的な組み立て作業(バーチャル組立作業)をコンピュータシステムの計算により進める(図8参照)。
【0071】
尚、後から挿入する回路になるほど、先に挿入した回路をより分けながら挿入することが多くなる。この表現方法としては、図17のように、後から挿入する回路18の端子挿入の作業軌跡が、先に挿入した回路19に対して干渉しない動作軌跡を選定・設定することにより行う。この図17で示す事例は、多極コネクタへの回路挿入シミュレーションであって、後から挿入する回路18の挿入先キャビティの位置がコネクタの中央部にあり、かつ先にコネクタの周辺部のキャビティに回路19が挿入されているため、必然的に先に挿入された回路19をより分ける付帯作業を伴うことになる。このことから、このような動画像を表示ディスプレイの画面に再現したときには、作業性が悪化することをビジュアルに表示することができる。同様にして、回路a11〜a15のコネクタC1,C2の対応キャビティーの挿入をバーチャル表示する。
【0072】
そして全ての手順を完了すると、該当するサブアッシー(NO1)のバーチャル組立が完了し、図9のように表示ディスプレイの画面に表示される。
【0073】
以上の方法により、現物を用いることなく、サブアッシー作成作業を三次元バーチャルデータにて表現することにより、生産技術エンジニアが決定したサブアッシー作成手順が最適か否かを複数の関係者がバーチャル表示画面を見ながら客観的に検証・改善することができ、早期に最適な作成手順を決定することができる。
【0074】
また、動作軌跡や動作速度に実測値を用いることにより、作業工数を実作業レベルで把握でき、作業能率向上に向けた作業改善検討にも活用することができる。
【0075】
尚、実際の手作業によるサブアッシー作成作業では、作業をより効率的に行うために、図6に示した作業台13を設けて、かつ構成部品である電線やコネクタを収納するケース11,12を設置し、それらのレイアウトも含めて作業性の検討を行う。つまり収納ケース11,12からの電線の引き抜き作業やコネクタの取り出し作業がより短時間でできるように、収納ケース11,12の配置検討を行う。このシミュレーションも、作業台13と収納ケース11,12等を三次元形状データで作成し、かつ上記したサブアッシー作成手順のシミュレーションデータと連動させる事により、より実作業に近いシミュレーションを実施することができる。
【0076】
次に、コンピュータシステムの記憶装置内にデータベース化された三次元形状情報DB2と原寸図設計情報DB3(図4参照)並びに図板上組立手順情報DB1Bを用いて、ハーネス組立作業台16上にサブアッシーや単独の部品等をコンピュータシステム内で仮想的に配置、組立てする方法について説明する。
【0077】
ハーネス組立作業台16は、図11の如く、効率的な実作業に即した経験則により、X軸とY軸により規定される水平平面に対して傾斜角度θを設定して水平面に対して斜めに描画し、表示ディスプレイに表示しておく。
【0078】
図4及び表5に示した図板上組立手順情報DB1BのシリアルNO(001)より、サブアッシーNO(001),作業の種類(布線),部品コード(C1)を取得する。尚、このサブアッシーNO(001)は、図5に示したサブアッシーを意味するものとする。
【0079】
原寸図設計DB3のサブアッシー情報よりサブアッシーNO(001)の構成情報を取得する。
【0080】
次に、コネクタC1のノード情報を取得し、サブアッシーNO(001)のコネクタC1を所定のノード座標に位置させて三次元形状を描画する。また、そのコネクタC1に接続するサブアッシーNO(001)の構成を図12のように描画する。このとき、コネクタC1以外の構成情報は実際には重力により下方に垂れ下がる形状となるため、その影響度を考慮して描画する。
【0081】
続いて、図板上組立手順情報DB1B(表5)のシリアルNO(002)よりサブアッシーNO(001),作業の種類(布線)及び部品コード(C2)を取得する。そして、コネクタC2を所定のノード座標に位置決め、また、サブアッシーNO(001)の構成情報の中でコネクタC1及びC2から出力される全回路a11〜a17(図5参照)を検索し、各回路a11〜a17毎の布線経路を原寸図設計情報DB3のスパン情報より求めるとともに、回路a11〜a17毎の通過ノード座標を取得する。
【0082】
位置決めを終えた両コネクタC1,C2の間を接続する回路がある場合には、その対象回路を布線経路を正確にトレースする形状で描画し、他の回路は任意の表現とする。
【0083】
次に、表5中のシリアルNO(003)よりサブアッシーNO(001)、作業の種類(布線)及び部品コード(C3)を取得する。そして、コネクタC3を所定のノード座標に位置決めした後、コネクタC1とコネクタC3、コネクタC2とコネクタC3同士のそれぞれの接続回路を求め、その布線経路を求めて表示ディスプレイに描画する。また、フリー端子T1,T2の回路については、原寸図設計情報DB3の回路情報より、最終的に端子挿入されるコネクタC4(図14及び図15参照)とそのノード座標及びそのコネクタC4までの布線経路を求めて、図13のように表示ディスプレイに描画する。
【0084】
次に、図板上組立手順情報DB1B(表5)のシリアルNO(004)よりサブアッシーNO(002)、作業の種類(布線)及び部品コード(C5)を取得する。また、図板上組立手順情報DB1B(表5)のシリアルNO(005)より▲2▼(002),▲3▼(布線),▲4▼(C4)を取得して、他のサブアッシーNO(002)についても、上記と同様の手順により描画する。このときの状態は、図14のように表示ディスプレイに表示される。
【0085】
しかる後、図板上組立手順情報DB1B(表5)のシリアルNO(006)よりサブアッシーNO(001)、作業の種類(端子挿入)、部品コード(C4)、回路NO(a17)及び端子記号(A)を取得し、同様にして、図板上組立手順情報DB1B(表5)のシリアルNO(007)よりサブアッシーNO(001)、作業の種類(端子挿入)、部品コード(C4),回路NO(a14)及び端子記号(A)を取得する。
【0086】
そして、原寸図設計情報DB1Bの回路NOより、各回路のA端側の挿入キャビティNo.を検索して、コネクタC4への端子挿入手順を動画表示し、最終的に図15の表示となる。
【0087】
このような手順で、ハーネス組立作業台16上にサブアッシーや単独の部品等が配置された状態を三次元動画で描画するが、その動作軌跡並びに動作速度については、類似のワイヤーハーネスのハーネス組立作業台上での組立作業を観測・データ収集し、実作業の作業速度及び現物に近い製品形状の挙動特性を、三次元形状データとして作成し、シミュレーションを実施する。
【0088】
ここで、シミュレーションの具体的な例を説明する。
【0089】
完成品としてのワイヤーハーネスを複数のサブアッシーに分割した設計情報に基づいて、それらの全ての三次元のバーチャルデータを作成し、原寸図設計情報より作成したハーネス組立作業台並びに治具も含めて、全ての三次元バーチャルデータを表示する(図18及び図19)。
【0090】
尚、このときの表示は、図18に示すように、電線1本ずつを表現し、例えば、サブアッシー単位で構成部品としての各電線やコネクタ等の表示色を同一に設定する(個別表示モード)。あるいは、図19に示すように、電線1本ずつの表現でなく、電線の集合体として一括表示する(一括表示モード)。望ましくは、図18のような電線1本ずつの表現にするか、図19のように電線の集合体として一括表示するかは、所定の選択メニューで容易に選択できるようになっている。
【0091】
このとき、完成品Cmpとしてのワイヤーハーネスに対して、サブアッシーSub1,Sub2,Sub3…の順序で組み立てる手順の工程設計となっている場合には、図18及び図19のように、その順序で、各サブアッシーSub1,Sub2,Sub3のバーチャルデータを仮想三次元空間の縦軸(Z軸)の座標値のみ任意に変更し、立体的に表示する。また各サブアッシーSub1,Sub2,Sub3の表示順序は、マウス等のポインティングデバイス(図示省略)でドラッグすることにより自由に変更できるようにする。さらには、三次元的なあらゆる角度から各サブアッシーSub1,Sub2,Sub3の形状及びそれを構成する部品の詳細形状まで、寸法、色、形状等についてリアルかつビジュアルに見ることができるようにしている。
【0092】
この結果、以下の項目をビジュアルな検討方法で確認することができる。
【0093】
(1)各サブアッシーSub1,Sub2,Sub3の大きさ
通常1人の作業者が効率的にハンドリングできる大きさには制限がある。例えば、コネクタ数は5個未満、電線本数は20本未満等が望ましいとされている。過剰な大きさのサブアッシーSub1,Sub2,Sub3は、生産効率の低下を招くが、上述のように、全てのサブアッシーSub1,Sub2,Sub3の形態を細部にわたりビジュアルに見ることができるため、不適切なサブアッシーSub1,Sub2,Sub3を即時に検知できる。
【0094】
(2)各サブアッシーSub1,Sub2,Sub3の流れ性
この流れ性は、ハーネス組立作業台16への各サブアッシーSub1,Sub2,Sub3の布線作業のし易さを判断する指標である。布線作業がし易いサブアッシー形態であるほど、生産効率(能率)を向上させることができる。
【0095】
通常は左から右へ直線的に布線される形状が望ましく、逆方向へ戻る経路を持っていたり、また分岐数が極端に多い,分岐方向が多方向に分散している等の形態は望ましく無い。これらを各サブアッシーSub1,Sub2,Sub3毎のビジュアルな形状を見て、即時に判断が可能となる。
【0096】
また、複数分割された各サブアッシーSub1,Sub2,Sub3の形状を重ね合わせると必ず重複する経路が存在するが、重複する経路が多い程、作業者の作業も重複し、生産効率が低下するため、この重複する経路長の総和が最小となるように、分割形態を検討していく検討方法が有効であるが、この実施の形態では自由に各サブアッシーSub1,Sub2,Sub3の形状データを移動・重ね合わせることが可能であるので、この検討作業を効率的に行うことができる。
【0097】
(3)先入れ率
理論的にはサブアッシーSub1,Sub2,Sub3を小さく分割していく程、フリー端子(図5中の符号T1,T2)が増加する。このフリー端子は、後からハーネス組立作業台16上でコネクタに挿入する作業が必要となる(図14中の符号T1,T2参照)。つまりサブアッシーSub1,Sub2,Sub3をハーネス組立作業台16に布線する段階では、このフリー端子が多いと、他の回路、端子またはU治具(図14中の符号Jig1〜Jig6参照)などに引っ掛かったり、縺れたりするため、作業者はその修正作業を余儀なくされ、作業性が極めて悪化することに繋がる。また品質管理上も端子を変形させる要因となるので良くない。
【0098】
このフリー端子の数をサブアッシーSub1,Sub2,Sub3毎にビジュアルな状態で即時に確認できるため、フリー端子の多いサブアッシーやコネクタを摘出し集中的に改善検討を行うことができる。
【0099】
(4)作業手順
図18及び図19のように、各サブアッシーSub1,Sub2,Sub3を、工程設計で決定された組立手順の順番で、完成品Cmpの三次元形状の配置位置より離れた位置に重ね合わせていく。作業者の無駄作業を最小にするためには、ハーネス組立作業台16に対して、各サブアッシーSub1,Sub2,Sub3は、例えば左から右へ(また上から下へ)の一定の方向へ、順番に布線される手順が最適となる。
【0100】
例えば、図20に示したサブアッシーSub1があるとする。このサブアッシーSub1は、コネクタC3〜C5を保有しており、また他のコネクタC2に接続されるべきフリー端子T1aが存在している。
【0101】
このようなフリー端子T1aの組付作業は、通常はコネクタC5に回路a11aの一端を接続した後、この回路a11aの他端にフリー端子T1aを形成する。しかしながら、左から右への作業方向に対して、コネクタC5からフリー端子T1aに出力された回路の作業方向が逆行している(右から左の方向になっている)。
【0102】
この場合、図21のように、回路a11aをコネクタC2側のサブアッシーSub2に移動させ、サブアッシーSub1,Sub2の内部構成を変更するだけで、上述したように左から右への作業方向をサブアッシーSub2側で実現できる。あるいは、サブアッシーSub1内のコネクタC5をもサブアッシーSub2に移動させることも可能である。このようなサブアッシーの構成の再検討を容易に行うことができる。
【0103】
このように、サブアッシーの構成部品情報を所望の内容に変更することにより、即時に三次元バーチャル情報に変換され、変更結果を画面表示できるので、順序の不適切なサブを即座に摘出でき、改善検討を行うことができる。
【0104】
(5)サブ分割変更結果情報の原寸図設計情報へのフィードバック
製造設計システム(IHS)は、作成(入力)された原寸図設計情報の、一元管理及び履歴管理を行い、さらには他の各種製造管理システムと情報リンクし、その情報管理を行う機能を有している。したがって、サブアッシーの分割変更を行った際には、その結果情報をIHSに逆送信し、原寸図設計情報が有する履歴コード情報を更新した新情報ファイルを作成し、保管する必要がある。
【0105】
この場合、図1に示したフローチャートの手順に対して、図22のように、ステップS26からステップS22に逆方向に戻るフローを念頭に置いて処理を進める。具体的に、ステップS27でサブアッシーの分割変更結果情報を得(即ち、キーボードやマウス等を使用して操作者が入力操作を行い)、この変更結果情報を、ステップS28で原寸図設計情報の受信フォーマットにデータ変換する。しかる後、ネットワークを通じてデータ転送等を行い、IHSの原寸図設計情報へフィードバックを行う。
【0106】
以上のようにすれば、操作者が画面を見ながら、原寸図設計情報を容易に変更したり、あるいは、長さが足りない回路について自動的に長さを延長するなどの調整変更をコンピュータシステムが自動的に実行することにより、設計の試行錯誤(トライアル)を仮想的に行うことができるので、サブアッシーの分割組立手順や、図板上での組立手順について、現物の試作を製作しなくても、早期に試作設計レベルの完成度を向上させることができる。したがって、現物試作作業の回数及び工数を削減して作業を軽減することが可能となる。
【0107】
尚、上記実施の形態では、図18及び図19のように、各サブアッシーSub1,Sub2,Sub3のバーチャルデータを仮想三次元空間の縦軸(Z軸)の座標値のみ任意に移動しながら表示するようにしていたが、例えば組立作業台16の法線方向に任意に移動しながら表示するようにしてもよい。
【0108】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、完成品としてのワイヤーハーネスを構成する複数の電線を含む部品を複数のサブアッシーに分割し、当該各サブアッシーの構成要素及び当該各サブアッシーの三次元形状を定義するサブアッシー情報を含めて原寸図設計データとして記憶装置内に保有させておき、当該原寸図設計データに基づいて、制御部が、複数のサブアッシーの三次元形状を、ハーネス組立作業台上に配策した状態で所定の表示ディスプレイに合成表示するので、サブアッシーの現物試作を行ってワイヤーハーネスの設計検討を行う必要がなくなる。したがって、新規のワイヤーハーネスの開発に必要な期間を大幅に短縮することができ、従来よりも早期に設計案の完成度を向上させることができる
また、個別表示モードと一括表示モードとを所定の選択メニューで選択可能としているので、サブアッシーの容易な識別を可能とする2つのモードを視認者の好みに合わせて自由に変更することができる。
【0109】
請求項2に記載の発明によれば、操作者による入力操作での変更に基づいてサブアッシーの三次元形状を変更して表示ディスプレイに表示するとともに、サブアッシーの変更の結果の情報を、原寸図設計データにデータ変換して出力するので、操作者が画面を見ながら、原寸図設計データを容易に変更でき、また、長さが足りない回路について自動的に長さを延長するなどの調整変更をコンピュータシステムが自動的に実行することにより、設計の試行錯誤(トライアル)を仮想的に行うことができる。したがって、サブアッシーの分割組立手順や、ハーネス組立作業台上での組立について、現物の試作を製作しなくても、早期に試作設計レベルの完成度を向上させることができ、現物試作作業の回数及び工数を削減して作業を軽減することが可能となる。
【0113】
請求項3に記載の発明によれば、記憶装置が保有している図板上組立手順情報に基づいて、仮想的な三次元形状に配置されたハーネス組立作業台の画像に対して、動画像により、図板上組立手順情報で定義された手順通りに複数のサブアッシーの組立作業台上での組立動作を再生表示するので、組立作業台上での作業過程を実作業レベルで把握でき、作業能率向上に向けた作業改善検討にも活用することができる。したがって、ワイヤーハーネスの組立手順についての設計案が最適か否かを複数の関係者が客観的に検証・改善することができ、早期に最適な作成手順を決定することができる。
【0114】
請求項4に記載の発明によれば、記憶装置が保有しているサブアッシー組立手順情報に基づいて、動画像により、サブアッシー組立手順情報で定義された手順通りに各電線及びその他の部品の組立動作を再生表示するので、サブアッシーを作成する際の作業過程を実作業レベルで把握でき、作業能率向上に向けた作業改善検討にも活用することができる。したがって、サブアッシー組立手順についての設計案が最適か否かを複数の関係者が客観的に検証・改善することができ、早期に最適な作成手順を決定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一の実施の形態に係るワイヤーハーネスの設計方法の概要を示すフローチャート図である。
【図2】サブアッシー情報を示す検索木を示す図である。
【図3】サブアッシー組立手順情報と他のデータベースとの関係を示す図である。
【図4】図板上組立手順情報と他のデータベースとの関係を示す図である。
【図5】サブアッシーの一例を示す図である。
【図6】サブアッシーの組立作業現場の様子を示す斜視図である。
【図7】サブアッシーの組立動作を示す斜視図である。
【図8】サブアッシーの組立動作を示す斜視図である。
【図9】サブアッシーの組立動作を示す斜視図である。
【図10】組立作業台上にサブアッシーを配策してワイヤーハーネスを作成した状態を示す図である。
【図11】組立作業台を示す斜視図である。
【図12】組立作業台上にサブアッシーを配策している動作を示す斜視図である。
【図13】組立作業台上にサブアッシーを配策している動作を示す斜視図である。
【図14】組立作業台上にサブアッシーを配策している動作を示す斜視図である。
【図15】組立作業台上にサブアッシーを配策してワイヤーハーネスを作成した状態を示す図である。
【図16】サブアッシーの組立動作を示す斜視図である。
【図17】サブアッシーの組立動作を示す斜視図である。
【図18】サブアッシーの組立手順を表示ディスプレイに表示している状態を示す図である。
【図19】サブアッシーの組立手順を表示ディスプレイに表示している状態を示す図である。
【図20】サブアッシーの一例を示す図である。
【図21】サブアッシーの一例を示す図である。
【図22】この発明の一の実施の形態に係るワイヤーハーネスの設計方法を示すフローチャートである。
【図23】一般的なワイヤーハーネスの設計方法を示す図である。
【図24】一般的なワイヤーハーネスの製造方法を示す図である。
【図25】複数のサブアッシーでワイヤーハーネスを構成していることを示す図である。
【図26】一般的なサブアッシーの設計方法を示すフローチャートである。
【図27】サブアッシーの電線及びコネクタの接続関係を示すマトリクス表を示す図である。
【図28】サブアッシーの一例を示す模式図である。
【図29】サブアッシーの一例を示す模式図である。
【符号の説明】
16 ハーネス組立作業台
Comp ワイヤーハーネス
Sub1〜Sub3 サブアッシー

Claims (4)

  1. 完成品としてのワイヤーハーネスを構成する複数の電線を含む部品について、前記各部品の三次元形状の情報と、前記部品同士がいずれのノードで互いに接続されているかを示す部品情報と、前記各ノードの三次元座標を含むノード情報と、前記ワイヤーハーネスを構成する複数のサブアッシーについての前記部品の情報を含むサブアッシー情報とを含む原寸図設計データを保有する記憶装置と、
    表示ディスプレイと、
    仮想三次元空間においてハーネス組立作業台の画像を前記表示ディスプレイに表示するとともに、前記記憶装置内の前記原寸図設計データを読み出し、当該原寸図設計データの前記各部品の三次元形状の情報、前記部品情報及び前記ノード情報に基づき仮想三次元空間における当該サブアッシーの三次元形状を前記ハーネス組立作業台の画像上に配策した状態で前記表示ディスプレイに合成表示する制御部と
    を備え、
    前記制御部が、前記各サブアッシー中で束ねられている複数の前記電線を個別に表示するとともに前記サブアッシー情報に基づいて同一のサブアッシー内の全ての前記部品を同一の表示色で表示する個別表示モードと、前記サブアッシー情報に基づいて前記各サブアッシー中で束ねられている複数の電線を電線の集合体として一括表示する一括表示モードとを選択的に切り換えて前記表示ディスプレイに表示することを特徴とするワイヤーハーネス設計装置。
  2. 請求項1に記載のワイヤーハーネス設計装置であって、
    前記各サブアッシーの変更に係る入力操作を受け付ける手段をさらに備え、
    前記制御部が、前記サブアッシーの三次元形状を前記表示ディスプレイに表示している状態で、前記入力操作を受け付ける手段での入力操作を通じて前記サブアッシーの変更に係る入力操作を受け付けた場合に、前記入力操作に係る変更に基づいて前記サブアッシーの三次元形状を変更して前記表示ディスプレイに表示するとともに、前記サブアッシーの変更の結果の情報を、原寸図設計データにデータ変換して出力することを特徴とするワイヤーハーネス設計装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載のワイヤーハーネス設計装置であって、
    前記記憶装置が、複数の前記サブアッシーを前記ハーネス組立作業台上で組み立てる手順を定義した図板上組立手順情報をさらに保有し、
    前記制御部が、前記記憶装置内の前記図板上組立手順情報を読み出し、仮想的な三次元形状に配置された前記ハーネス組立作業台の画像に対して、動画像により、前記図板上組立手順情報で定義された手順通りに複数の前記サブアッシーの組立動作を仮想三次元空間において再生表示することを特徴とするワイヤーハーネス設計装置。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のワイヤーハーネス設計装置であって、
    前記記憶装置が、前記各サブアッシーを構成する前記各部品を組み立てる手順を定義したサブアッシー組立手順情報をさらに保有し、
    前記制御部が、前記記憶装置内の前記サブアッシー組立手順情報を読み出し、動画像により、前記サブアッシー組立手順情報で定義された手順通りに前記各部品の組立動作を仮想三次元空間において再生表示することを特徴とするワイヤーハーネス設計装置。
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