[実施の形態]
以下、本発明の実施の形態を添付図面にしたがって説明する。
(生産システム100の概要)
図1は、本実施の形態に係るワイヤハーネスの設計装置1を含む生産システム100の概略構成図である。この生産システム100は、車両でも鉄道用のワイヤハーネスを設計、製造、及び配線支援するためのシステムである。なお、この生産システム100は、鉄道用に限らず、自動車や航空機等の他の車両用、移動体用であってもよいし、住宅や工場等の建物内に配線されるワイヤハーネスを設計、製造、及び配線支援するためのシステム、つまり、建物用であってもよい。
生産システム100は、主に、車両設計装置101と、配線支援装置102と、ワイヤハーネスの設計装置1と、ワイヤハーネスの製造装置103と、データサーバ装置104とからなり、これら車両設計装置101、配線支援装置102、ワイヤハーネスの設計装置1、ワイヤハーネスの製造装置103、及びデータサーバ装置104は、それぞれがインターネット等のネットワーク105を介して通信可能に構成されている。
また、車両設計装置101及び配線支援装置102は、車両メーカー内に備えられている一方、ワイヤハーネスの設計装置1及びワイヤハーネスの製造装置103は、ワイヤハーネスのメーカー(ハーネスメーカー)内に備えられている。
なお、本実施の形態では、車両メーカー及びハーネスメーカーが1つの場合を示しているが、車両メーカー及びハーネスメーカーがそれぞれ複数であってもよい。また、複数の車両メーカー又は複数のハーネスメーカーがデータサーバ装置104に接続される場合には、それぞれの車両メーカー、ハーネスメーカーごとにアクセス可能な領域が決められているとよい。例えば、車両メーカー、ハーネスメーカーのそれぞれに付与されている認証情報に基づいて、データサーバ装置104のアクセス可能な領域が決められていてもよい。さらに、データサーバ装置104が複数備えられていてもよい。
(車両設計装置101の概要)
車両設計装置101は、鉄道車両(より詳しくは、車両本体)の設計を行うための装置であり、例えば、3次元CADにより3次元の車両設計データ110を作成し、記憶可能なコンピュータから構成される。
また、車両設計装置101は、車両設計装置101で作成した車両設計データ110を、ネットワーク105を介してデータサーバ装置104に送信する。データサーバ装置104は、受信した3次元設計データ111を記憶する。
なお、本実施の形態では、車両設計装置101によって作成する車両設計データ110として、3次元CADによる3次元データとしたが、これに限らず、2次元CADによる2次元データでもよい。
(ワイヤハーネスの設計装置1の概要)
本実施の形態に係るワイヤハーネスの設計装置1は、ワイヤハーネスの設計を行うための装置であり、まず、前述した車両設計装置101によって作成された車両設計データ110に基づいて、車両本体内に配線される複数種類又は/及び複数本の電線(信号線又は/及び電源線)の配線レイアウトを設計し、車両設計データ110に電線の配線レイアウトを加えた3次元設計データ(3D設計データ)111を作成する。次に、該設計された車両本体内の配線レイアウト(3次元設計データ111)を基に、ワイヤハーネスの設計を行う。
また、ワイヤハーネスの設計装置1は、車両本体内の配線レイアウトにおいて、各電線の電線情報(例えば、各電線の接続先(接続先の機器でも可)を特定する接続先情報、各電線の型番を特定する型番情報、各電線の用途(信号用や電源用)を特定する用途情報、電線の長さを特定する長さ情報を含む)も作成することができる。
また、詳細は後述するが、ワイヤハーネスの設計装置1には、設計対象のワイヤハーネスの構造データ等が入力される。ワイヤハーネスの設計装置1は、入力されたワイヤハーネスの構造データ等と、過去の製造実績のデータベースを含む実績データベース(実績DB)112とを基に、ワイヤハーネスの2次元図面(2D図面)113を作成する(あるいは2次元図面113の作成を支援する)。なお、ワイヤハーネスの設計装置1の詳細については後述する。
ワイヤハーネスの設計装置1は、車両設計データ110及び実績データベース112を、ネットワーク105を介してデータサーバ装置104から取得する。また、ワイヤハーネスの設計装置1は、作成した3次元設計データ111及び2次元図面113をデータサーバ装置104に送信する。データサーバ装置104は、受信した3次元設計データ111及び2次元図面113を記憶する。記憶した2次元図面113は、既存のサブハーネスの構造を示す2次元図面113として扱われ、その後のワイヤハーネスの設計に利用されることになる。
なお、本実施の形態では、ワイヤハーネスの設計装置1によって、車両本体内の配線レイアウトの設計が行われたが、これに限らず、車両本体内の配線レイアウトの設計を車両設計装置101にて行うようにしてもよい。この場合、車両設計装置101によって作成する車両設計データ110に各電線の配線レイアウトが含まれるようにしてもよい。
また、車両設計装置101において、本実施の形態のように3次元の車両設計データ110を作成するのではなく、2次元CADによる2次元の車両設計データ110を作成した場合には、該2次元の車両設計データ110に基づいて、車両本体内に配線される複数種類又は/及び複数本の電線(信号線又は/及び電源線)の配線レイアウトを設計してもよい。
(ワイヤハーネスの製造装置103の概要)
ワイヤハーネスの製造装置103は、ワイヤハーネスの設計装置1で作成した2次元図面113を用い、2次元図面113上に電線を順次布線してワイヤハーネスを製造する装置である。ワイヤハーネスの製造装置103は、2次元図面113を、ネットワーク105を介してデータサーバ装置104から取得する。
図2に示すように、ワイヤハーネスの製造装置103は、電線供給装置121と、電線供給装置121から供給された電線11を切断する電線切断機122と、電線11の布線作業を行うための作業台123と、を備えている。電線供給装置121は、電線11が巻き付けられたリール121aと、リール121aから供給された電線11を保持してレール121b上を走行し電線11を搬送する(引き出す)搬送ロボット121cと、を有している。電線切断機122は、内蔵された切断刃(不図示)を用い、搬送ロボット121cにより引き出された電線11を切断する。
作業台123は、例えば、2次元図面113を実寸大で表示する液晶ディスプレイ等の表示器124を複数並べて構成される。ここでは、ワイヤハーネスの設計装置1で作成した2次元図面113を表示器124に表示する場合を示しているが、表示器124に表示するための専用の図面、すなわち布線図を別途作成し表示器124に表示するようにしてもよい。
作業台123上で、電線11を順次布線し、各電線11に識別用のラベル等を設けたり、各電線11の導通チェックを行ったり、保護材を設けたり、検査を行ったりすることで、ワイヤハーネスが製造される。なお、これに限らず、例えば、2次元図面113を実寸大で印刷し、印刷した2次元図面113上に電線11を順次布線してワイヤハーネスを製造してもよい。
また、ワイヤハーネスの製造装置103は、各ワイヤハーネスの製造時間を取得可能に構成されている。各ワイヤハーネスの製造時間は、例えば、ワイヤハーネス製造時の製造時間データ114より取得することが可能である。例えば、最初に布線する電線11の送り出し時の時刻から、ワイヤハーネス製造の最終工程(例えばワイヤハーネスの検査工程)の終了時刻までの時間を、ワイヤハーネスの製造時間とすることができる。
図3(a)に示すように、本実施の形態では、ワイヤハーネスの製造装置103は、表示器124に、電線11の布線順にしたがって電線11の識別コードを示すバーコード125を順次表示させるように構成されている。バーコード125は、布線する電線11の端部近傍に表示され、2次元図面113上に重なるように表示される。また、図3(b)に示すように、ワイヤハーネスの製造装置103は、図示しないプリンタにより、布線する電線11の識別コードを示す二次元コード126aを印刷したマークテープ126を作成する。作業者は、電線11を2次元図面113上に布線した後、マークテープ126を当該電線11の端部に取り付け、二次元コード126aとバーコード125を図示しないコードリーダにより読み込む。ワイヤハーネスの製造装置103は、二次元コード126aとバーコード125のコード情報とが一致していると判定されたときに、バーコード146が読まれた時刻を記憶する。この作業を繰り返すことで、ワイヤハーネスが製造されると共に、製造時間に係る製造時間データ114が取得されることになる。
ワイヤハーネスの製造装置103は、ワイヤハーネスの製造装置103で取得した製造時間データ114を、ワイヤハーネスの製造装置103内に記憶すると共に、ネットワーク105を介してデータサーバ装置104に送信する。データサーバ装置104は、受信した製造時間データ114を記憶する。また、データサーバ装置104は、受信した製造時間データ114を実績データベース112に追加(統合)する。
(配線支援装置102の概要)
配線支援装置102は、ワイヤハーネスを鉄道車両に配線する際に、当該配線作業を支援するための装置である。配線支援装置102は、例えば、配線作業を行う作業者が携帯可能なタブレット等の携帯端末を有する。
配線支援装置102は、例えば、ネットワーク105を介してデータサーバ装置104から3次元設計データ111を受信し、配線順にワイヤハーネスの配線経路や各電線11の接続先等を表示する。
配線支援装置102は、各ワイヤハーネスの配線にかかった時間(配線時間)を取得可能に構成されている。各ワイヤハーネスの配線時間は、例えば、配線時間データ115より取得することが可能である。例えば、電線11の接続毎に、確認ボタンを押す、あるいは電線11に付されたコードを読み込むなどの確認動作を行うように配線支援装置102を構成しておき、確認動作の時間を記憶した配線時間データ115より配線時間を取得することも可能である。
図4に示すように、本実施の形態では、配線支援装置102は、表示器131aを有する作業用端末131と、作業用端末131と別体に設けられた管理用端末132と、を備えている。作業用端末131の表示器131aには、予め設定された配線作業の順序に従って、各電線11の配線経路が表示される。また、表示器131aには、配線作業を行う電線11の二次元コード134が表示される。作業者は、配線作業時に、コードリーダ133を用いて、表示器131aに表示された二次元コード134と、電線11に取り付けられたマークテープ126の二次元コード126aとを読み込み、配線する電線11の照合を行う。読み込まれた二次元コード134及び二次元コード126aのコード情報は管理用端末132に送信され、管理用端末にて、コード134及び二次元コード126aが読み込まれた時刻が記憶される。この作業を繰り返すことで、ワイヤハーネスの配線作業が行われると共に、配線時間に係る配線時間データ115が作成されることになる。
配線支援装置102は、配線支援装置102で取得した配線時間データ115を、配線支援装置102内に記憶すると共に、ネットワーク105を介してデータサーバ装置104に送信する。データサーバ装置104は、受信した配線時間データ115を記憶する。また、データサーバ装置104は、受信した配線時間データ115を実績データベース112に追加(統合)する。
なお、図1のシステム構成はあくまで一例であり、例えば、ワイヤハーネスの設計装置1やワイヤハーネスの製造装置103が車両メーカーに属していてもよい。また、車両設計装置101が車両メーカーの外部の設計会社に属していてもよく、配線支援装置102が車両メーカーの外部で配線作業を受託する施工会社に属していてもよい。
(ワイヤハーネスの設計装置1の詳細)
次に、本実施の形態に係るワイヤハーネスの設計装置1の詳細について説明する。ワイヤハーネスの設計装置1は、入力部2と、分割パターン作成部3と、提示部4と、2次元図面作成部5と、機械学習部6と、部品表作成部9と、を備えている。これら入力部2、分割パターン作成部3、提示部4、2次元図面作成部5、機械学習部6、及び部品表作成部9は、演算素子、メモリ、記憶装置、インターフェイス、ソフトウェア等を適宜組み合わせて実現されている。本実施の形態では、ワイヤハーネスの設計装置1は、パーソナルコンピュータにより構成されており、液晶ディスプレイ等の表示器7を備えている。
まず、ワイヤハーネスの設計装置1は、ネットワーク105を介してデータサーバ装置104より車両設計データ110を取得する。ワイヤハーネスの設計装置1は、取得した車両設計データ110に基づいて、車両本体内に配線される複数種類又は/及び複数本の電線(信号線又は/及び電源線)の配線レイアウトを設計(あるいは設計を支援)する。ワイヤハーネスの設計装置1では、例えば3次元CADにより、車両設計データ110と電線の配線レイアウトとを含む3次元設計データ(3D設計データ)111を作成する。
ワイヤハーネスの設計装置1は、ワイヤハーネスの設計装置1で作成した3次元設計データ111を、ワイヤハーネスの設計装置1の記憶部8に記憶すると共に、ネットワーク105を介してデータサーバ装置104に送信する。データサーバ装置104は、受信した3次元設計データ111を記憶する。
また、ワイヤハーネスの設計装置1は、ネットワーク105を介してデータサーバ装置104より実績データベース112を取得する。図5は、実績データベース112の一例を示す図である。図5に示すように、実績データベース112は、過去に製造した既存のワイヤハーネスの構造データ等の製造実績や配線実績を記録したデータベースである。
実績データベース112には、少なくとも、構造データ(全長、電線本数、分岐数)、及び製造時間又は配線時間のいずれかが含まれる。より詳細には、実績データベース112は、製造番号、仕様データ(車両メーカー、製造拠点、構造データ(種別、全長、電線本数、重量、分岐数、特別仕様(保護材の有無、シールドの有無等)等))、製造年月、製造時間、製造コスト、配線時間、設計図面数等の情報を含んでいる。また、図示していないが、実績データベース112は、配線コスト、部品コスト等を含んでいる。このうち、種別は、電源用、信号用、アース用等の用途を示す。製造時間は、ワイヤハーネスの製造装置103で取得した製造時間データ114を基にしている。また、配線時間は、配線支援装置102で取得した配線時間データ115を基にしている。製造コストは、製造時間に基づいて算出されるものであり、配線コストは、配線時間に基づいて算出されるものである。
ここで、設計図面数について説明しておく。配線経路が共通する複数の電線の全てを1つに全ての電線を単純に束ねた場合、分岐数が多くなることがあり、ワイヤハーネスの構造が複雑になることがあった。このワイヤハーネスの構造の複雑さは、ワイヤハーネスの製造時間を長くし、製造コストのアップに繋がるおそれがある。また、束ねる電線が多すぎると、ワイヤハーネスが重くなり配線に時間がかかってしまうおそれもある。そこで、図6に示すように、電線数や分岐数の多いワイヤハーネス10を複数のワイヤハーネス10に分割する。以下、分割前のワイヤハーネス10をメインハーネス10aと呼称し、分割後の各ワイヤハーネス10をサブハーネス10bと呼称する。設計図面数とは、サブハーネス10bの2次元図面113の数を表しており、つまりはメインハーネス10aを構成するサブハーネス10bの数を表している。
なお、上述の図5では、一例として、メインハーネス10aの各種情報を示している。メインハーネス10aにおける製造時間は、メインハーネス10aに対応する各サブハーネス10bの製造時間を合計した総製造時間を表している。同様に、メインハーネス10aにおける配線時間は、メインハーネス10aに対応する各サブハーネス10bの配線時間を合計した総配線時間を表している。
さらに、図示していないが、本実施の形態では、実績データベース112は、メインハーネス10aだけでなく、各サブハーネス10bの構造データ(種別、全長、電線本数、重量、分岐数、特別仕様(保護材の有無、シールドの有無等)等))や、製造時間、配線時間等の各種情報を含んでいる。
入力部2には、電線11の配線レイアウト(予め作成した3次元設計データ111)を基に、設計対象のワイヤハーネス10(メインハーネス10a)の構造データ等を含む仕様データが入力される。図7(a)に示すように、入力部2は、入力項目を提示する入力画面71を表示器7に表示するように構成されてもよい。この場合、設計者は、3次元設計データ111を基にキーボードやマウスにより手入力でワイヤハーネス10(メインハーネス10a)の構造データ等を入力することになる。なお、表示器7がタッチパネルを備えており、表示器7のタッチパネルにより入力するように入力部2を構成してもよい。入力画面71で入力された各項目は、記憶部8に記憶される。図7(a)では、一例として、車両メーカー、種別、全長、重さ、分岐数を入力する場合を示しているが、入力項目は適宜設定可能である。
なお、本実施の形態では、入力画面71で手入力によりワイヤハーネス10の構造データ等を入力したが、これに限らず、入力部2に3次元設計データ111(又は別途作成した電線情報)を直接入力し、入力された3次元設計データ111(又は電線情報)から設計対象のワイヤハーネス10(メインハーネス10a)の構造データ等を抽出するようにしてもよい。なお、入力部2に入力する設計データは2次元でもよい。これにより、ワイヤハーネス10(メインハーネス10a)の構造データ等を手入力する手間が省けるため、設計作業を効率的に行うことが可能になる。
分割パターン作成部3は、入力部2で入力された構造データを基に、設計対象のワイヤハーネス10(メインハーネス10a)をサブハーネス10bへと分割する分割パターンを複数作成する。図7(b)に示すように、本実施の形態では、分割パターン作成部3は、分割パターンを作成する際の条件である分割パターン作成条件を設定する条件設定画面72を表示器7に表示し、条件設定画面72で設定された条件を満たすように分割パターンを複数作成する。図7(b)では、一例として、サブハーネス10bにおける分岐数、重量、電線本数、及びワイヤハーネス10を何本のサブハーネス10bに分割するかを表す分割数(すなわちサブハーネス10bの本数)を分割パターン作成条件として設定する場合を示しているが、分割パターン作成条件は適宜設定可能である。また、上述の各条件は、範囲を設定するものであってもよいし、上限値のみ、あるいは下限値のみを設定するものであってもよい。例えば、分割数の上限値を設定することで、サブハーネス10bの構造が複雑隣りすぎることを抑制できる。また、重量の上限値を設定することで、サブハーネス10bの配線作業が行いにくくなることを抑制できる。
図8に示すように、分割パターン作成部3は、入力部2で入力された構造データを基に、設定した分割パターン作成条件に合致するように、複数の分割パターン116を作成する。複数の分割パターン116は、つまり、メインハーネス10aを構成する電線をどのように分割してサブハーネス10bを作成するかを示すものであり、各サブハーネス10bを構成する電線を特定可能な情報(識別コードや電線の接続先等)、及び、各サブハーネス10bの構造データ(分岐数、重量、電線本数等)を含むデータベースである。なお、本実施の形態では、後述する2次元図面作成部5にて、各分割パターン116に対応する2次元図面(2D図面)113を作成するが、これに限らず、分割パターン作成部3にて、各分割パターン116に対応する2次元図面113を作成するように構成することも可能である。
分割パターン作成部3は、例えば、メインハーネス10aを構成可能なサブハーネス10bの全ての組み合わせのうち、設定した分割パターン作成条件を満たすものを分割パターン116として記憶部8に記憶する。なお、分割パターン作成部3における具体的な分割パターン116の作成方法はこれに限定されず、例えば、実績データベース112を参照して、既存のワイヤハーネス10のサブハーネス10bへの分割パターンに基づいて、分割パターン116の作成を行うようにしてもよい。また、接続先が同じ、あるいは接続先の機器同士が近い電線については、複数の電線をグループ化して1つの電線として扱う(すなわち、接続先が同じ、あるいは接続先の機器同士が近い電線は1つのサブハーネス10bにまとめる)ように分割パターン作成部3を構成してもよい。さらにまた、ここでは、条件設定画面72にて分割パターン作成条件を設定可能に分割パターン作成部3を構成したが、予め設定された分割パターン作成条件を用いて、入力部2で入力された構造データ等を基に分割パターンを作成するように分割パターン作成部3を構成してもよい。分割パターン作成部3が作成した分割パターン116は、記憶部8に記憶される。
機械学習部6は、製造時間推定部61と、配線時間推定部62と、を含んでいる。図9(a)に示すように、製造時間推定部61は、実績データベース112を基に機械学習を行い、分割パターン作成部3が作成した複数の分割パターン116それぞれについて、当該分割パターン116に含まれる各サブハーネス10bの製造時間を推定する。そして、製造時間推定部61は、推定した各サブハーネス10bの製造時間を足し合わせることによって、各分割パターン116でのワイヤハーネス10の総製造時間を推定する。
製造時間推定部61は、実績データベース112に含まれる既存のワイヤハーネス10(各サブハーネス10b)の構造データ(種別、全長、電線本数、重量、分岐数、特別仕様(保護材の有無、シールドの有無等)等)を状態変数とし、同じく実績データベース112に含まれる既存のワイヤハーネス10(各サブハーネス10b)の製造時間をラベルデータとして、状態変数とラベルデータとを用いて、ワイヤハーネス10(サブハーネス10b)の構造データと、当該ワイヤハーネス10(サブハーネス10b)の製造時間とを関連付けて学習する。状態変数には、構造データのうち、少なくとも、全長、電線本数、分岐数が含まれる。製造時間推定部61は、ワイヤハーネス10(サブハーネス10b)の構造データに対する製造時間の相関性を、機械学習により自ら学習するための学習アルゴリズム等のソフトウェアを含む。学習アルゴリズムは特に限定されず、公知の学習アルゴリズムを用いることができ、例えば、3層以上の層をなすニューラルネットワークを用いた、いわゆるディープランニング等を用いることができる。製造時間推定部61が学習するものは、ワイヤハーネス10(サブハーネス10b)の構造データと、当該ワイヤハーネス10(サブハーネス10b)の製造時間との相関性を表すモデル構造に相当する。
製造時間推定部61は、実績データベース112を基に、状態変数(構造データ)とラベルデータ(製造時間)とを含むデータ集合に基づく学習を反復実行し、両者の相関性を自動的に解釈する。なお、学習の開始時には相関性は未知の状態であるが、学習を進めるに従って状態変数(構造データ)に対するラベルデータ(製造時間)の相関性を徐々に解釈し、その結果として得られた学習済みモデルを用いることで、状態変数(構造データ)に対するラベルデータ(製造時間)の相関性を解釈可能になる。
そして、製造時間推定部61は、学習の結果である学習済みモデルに基づいて、各分割パターン116に含まれるそれぞれのサブハーネス10bの構造データに対する、当該サブハーネス10bの製造時間を推定する。また、製造時間推定部61は、推定した各サブハーネス10bの製造時間を足し合わせることで、分割パターン116毎に、メインハーネス10aの総製造時間を推定する。推定した分割パターン116毎の総製造時間は、記憶部8に記憶される。
図9(b)に示すように、配線時間推定部62は、実績データベース112を基に機械学習を行い、分割パターン作成部3が作成した複数の分割パターン116それぞれについて、当該分割パターン116に含まれる各サブハーネス10bの配線時間を推定する。そして、配線時間推定部62は、推定した各サブハーネス10bの配線時間を足し合わせることによって、各分割パターン116でのワイヤハーネス10の総配線時間を推定する。
配線時間推定部62は、実績データベース112に含まれる既存のワイヤハーネス10(各サブハーネス10b)の構造データ(種別、全長、電線本数、重量、分岐数、特別仕様(保護材の有無、シールドの有無等)等)を状態変数とし、同じく実績データベース112に含まれる既存のワイヤハーネス10(各サブハーネス10b)の配線時間をラベルデータとして、状態変数とラベルデータとを用いて、ワイヤハーネス10(サブハーネス10b)の構造データと、当該ワイヤハーネス10(サブハーネス10b)の配線時間とを関連付けて学習する。状態変数には、構造データのうち、少なくとも、全長、電線本数、分岐数が含まれる。配線時間推定部62は、ワイヤハーネス10(サブハーネス10b)の構造データに対する配線時間の相関性を、機械学習により自ら学習するための学習アルゴリズム等のソフトウェアを含む。学習アルゴリズムは特に限定されず、公知の学習アルゴリズムを用いることができ、例えば、3層以上の層をなすニューラルネットワークを用いた、いわゆるディープランニング等を用いることができる。配線時間推定部62が学習するものは、ワイヤハーネス10(サブハーネス10b)の構造データと、当該ワイヤハーネス10(サブハーネス10b)の配線時間との相関性を表すモデル構造に相当する。
配線時間推定部62は、実績データベース112を基に、状態変数(構造データ)とラベルデータ(配線時間)とを含むデータ集合に基づく学習を反復実行し、両者の相関性を自動的に解釈する。なお、学習の開始時には相関性は未知の状態であるが、学習を進めるに従って状態変数(構造データ)に対するラベルデータ(配線時間)の相関性を徐々に解釈し、その結果として得られた学習済みモデルを用いることで、状態変数(構造データ)に対するラベルデータ(配線時間)の相関性を解釈可能になる。
そして、配線時間推定部62は、学習の結果である学習済みモデルに基づいて、各分割パターン116に含まれるそれぞれのサブハーネス10bの構造データに対する、当該サブハーネス10bの配線時間を推定する。また、配線時間推定部62は、推定した各サブハーネス10bの配線時間を足し合わせることで、分割パターン116毎に、メインハーネス10aの総配線時間を推定する。推定した分割パターン116毎の総配線時間は、記憶部8に記憶される。
図示していないが、ワイヤハーネスの設計装置1は、各分割パターン116の製造コストを推定する製造コスト推定部、及び各分割パターン116の配線コストを推定する配線コスト推定部を含んでいてもよい。製造コスト推定部は、例えば、製造時間推定部61が推定した製造時間と、製造拠点や作業人数等から求められる単位時間当たりの製造コストとを基に、各分割パターン116の製造コストを推定する。また、配線コスト推定部は、例えば、配線時間推定部62が推定した配線時間と、製造拠点や作業人数等から求められる単位時間当たりの配線コストとを基に、各分割パターン116の配線コストを推定する。
提示部4は、分割パターン作成部3で作成した分割パターン116を、製造時間推定部61で推定した総製造時間順に提示可能に構成されている。例えば、図10に示すように、提示部4は、分割パターン作成部3が作成し記憶部8に記憶された分割パターン116を、製造時間順に(製造時間が短いものが先にくるように、製造時間に対して昇順に)ソートして、ランキング形式の提示画面73を表示器7に表示するようにしてもよい。これにより、総製造時間が短い分割パターン116を容易にピックアップすることが可能になる。例えば、提示部4は、各分割パターン116の製造時間(総製造時間)、配線時間(総配線時間)、分割数(サブハーネス10bの本数)、サブハーネス10bの最大重量等の項目を、総製造時間順に提示画面73として提示する。なお、提示画面で提示する項目は適宜設定可能である。
また、提示部4は、提示画面73に表示した任意の分割パターン116を選択することで、選択した分割パターン116の詳細情報(例えば、各サブハーネス10bで組み合わせる電線の詳細等)を閲覧可能に構成されることが望ましい。例えば、提示画面73上で任意の分割パターン116をマウスでクリックする(あるいはタッチパネルでタッチする)ことで、当該分割パターン116の詳細情報が表示器7に表示される。設計者は、表示された詳細情報を参考にしつつ、採用する分割パターン116を選択することになる。
さらに、本実施の形態では、提示部4は、分割パターン作成部3で作成した分割パターン116を、配線時間推定部62で推定した総配線時間順、及び総製造時間と総配線時間の合計時間順にも提示可能に構成されている。これにより、総配線時間が短い分割パターン116や、総製造時間と総配線時間の合計時間が短い分割パターン116を容易にピックアップすることが可能になり、製造コストと配線コストのバランスの良い分割パターン116をピックアップすることが可能になる。より汎用性を高めるため、提示画面73にて、総製造時間順にソートとするか、総配線時間順にソートするか、あるいは総製造時間と総配線時間の合計時間順にソートするか、といったソート条件を選択可能にすることがより好ましいといえる。本実施の形態では、提示画面73(図10)の右上のプルダウンメニューより、マウス又はタッチパネルによりソート条件を選択できるようになっている。なお、ソート条件は、製造コスト、配線コスト、製造コストと配線コストの合計コストであってもよい。また、予めソート条件が決まっており、ソート条件を選択できなくてもよい。
2次元図面作成部5は、提示画面73で選択された分割パターン116を基に、設計対象のワイヤハーネス10のサブハーネス10bの2次元図面113を作成する。2次元図面113の作成には、各電線11の詳細な長さや接続先、分岐位置等の情報が必要になる。これらの情報は、予め分割パターン116に含めるようにしてもよいし、入力部2より入力するか、あるいは3次元設計データ111からインポートしてもよい。2次元図面作成部5は、これらの情報と、選択された分割パターン116に含まれる各サブハーネス10bの構造データとを基に、設計対象のワイヤハーネス10のサブハーネス10bの2次元図面113を作成する。作成した2次元図面113は、記憶部8に記憶されると共に、データサーバ装置104に送信される。データサーバ装置104は、受信した2次元図面113を記憶する。2次元図面113を作成する具体的な方法については、上述の特許文献1等に記載の公知の方法を用いればよく、ここでは詳細な説明を省略する。
なお、2次元図面作成部5は、完全に自動で2次元図面113を作成するように構成されている必要はなく、例えば、分岐位置や電線の長さ等を手動で調整できるように構成されていてもよい。つまり、2次元図面作成部5は、設計者によるサブハーネス10bの設計を支援するように構成されていればよい。
また、本実施の形態では、ワイヤハーネスの設計装置1は、部品表作成部9を備えている。部品表作成部9は、2次元図面作成部5が作成した2次元図面113と3次元設計データ111に含まれる電線情報とを基に、ワイヤハーネス10の製造に必要な部品をリストアップし、部品表(BOM)を作成する。作成した部品表は、記憶部8に記憶される。この部品表は、ワイヤハーネス製造の際の発注処理に利用される。作成した部品表をデータサーバ装置104に送信し、データサーバ装置104に記憶させるようにしてもよい。なお、本実施の形態では、ワイヤハーネスの設計装置1に部品表作成部9を設けたが、これに限らず、部品表作成部9は、ワイヤハーネスの製造装置103に備えられてもよいし、データサーバ装置104に備えられてもよい。
(ワイヤハーネスの設計から配線までのフロー)
図11(a)は、ワイヤハーネスの設計から配線までのフローを示すフロー図である。図11(a)に示すように、まず、ステップS1にて、車両設計工程を行う。車両設計工程では、車両設計装置101により、鉄道車両の設計を行い、車両設計データ110を作成する。作成した車両設計データ110は、ネットワーク105を介してデータサーバ装置104に送信され記憶される。
その後、ステップS2にて、電線の配線レイアウト設計工程を行う。電線の配線レイアウト設計工程では、ワイヤハーネスの設計装置1が、ネットワーク105を介してデータサーバ装置104から車両設計データ110を取得し、取得した車両設計データ110を基に、電線11の配線レイアウトの設計を行い、3次元設計データ111を作成する。作成した3次元設計データ111は、記憶部8に記憶されると共に、ネットワーク105を介してデータサーバ装置104に送信され記憶される。
その後、ステップS3にて、ワイヤハーネスの設計工程を行う。図11(b)に示すように、ワイヤハーネスの設計工程では、まずステップS31にて入力処理を行う。入力処理では、ステップS2で作成した3次元設計データ111を基に、入力部2に設計対象のワイヤハーネス10の構造データ等を入力する。入力された構造データ等は記憶部8に記憶される。
その後、ステップS32にて分割パターン作成処理を行う。分割パターン作成処理では、分割パターン作成部3が、表示器7に条件設定画面72を表示し、当該条件設定画面72で設定された分割パターン作成条件と、ステップS21で入力され記憶部8に記憶された構造データとを基に、複数の分割パターン116を作成する。
その後、ステップS33にて、製造時間推定処理を行う。製造時間推定処理では、製造時間推定部61が、予め行った学習の結果である学習済みモデルに基づいて、ステップS32で作成した各分割パターン116を構成するサブハーネス10bについて、構造データに対する製造時間の推定を行い、それらを足し合わせることによって、各分割パターン116の総製造時間を推定する。
その後、ステップS34にて、配線時間推定処理を行う。配線時間推定処理では、配線時間推定部62が、予め行った学習の結果である学習済みモデルに基づいて、ステップS32で作成した各分割パターン116を構成するサブハーネス10bについて、構造データに対する配線時間の推定を行い、それらを足し合わせることによって、各分割パターン116の総配線時間を推定する。
その後、ステップS35にて提示処理を行う。提示処理では、提示部4が、ステップS32で作成した分割パターンを、総製造時間順、総配線時間順、あるいは総製造時間と総配線時間の合計時間順にソートして表示器7に表示する。この際、本実施の形態では、各分割パターン116の詳細情報(各サブハーネス10bを構成する電線や構造データ等)を提示可能とする。設計者は、提示される詳細情報を参照しつつ、適宜な分割パターン116を選択する。
その後、ステップS36にて2次元図面作成処理を行う。2次元図面作成処理では、ステップS31で入力された設計対象のワイヤハーネスの構造データと、ステップS35で選択された分割パターン116におけるサブハーネス10bの構造データとを基に、設計対象のワイヤハーネス10のサブハーネス10bの2次元図面113を作成する。作成した2次元図面113は、記憶部8に記憶されると共に、データサーバ装置104に送信される。
その後、ステップS37にて部品表作成処理を行う。部品表作成処理では、部品表作成部9が、ステップS36で作成した2次元図面113を基に、部品表を作成する。作成した部品表は記憶部8に記憶される。
その後、リターンし、図11(a)のステップS4の部品発注工程を行う。部品発注工程では、ワイヤハーネスの製造装置103が、ステップS37で作成した部品表を基に、発注を行う。なお、部品表は、ワイヤハーネスの製造装置103がワイヤハーネスの設計装置1から直接取得してもよいし、データサーバ装置104を介して取得するようにしてもよい。また、部品発注工程は、ワイヤハーネスの設計装置1により行われてもよい。
その後、ステップS5にて、ワイヤハーネスの製造工程を行う。ワイヤハーネスの製造工程では、ワイヤハーネスの製造装置103により、作業台123の表示器124に実寸大の2次元図面113を表示し、2次元図面113上で電線11を順次布線して各サブハーネス10bを製造する。製造した各サブハーネス10bは、車両メーカーへと輸送される。また、ワイヤハーネスの製造装置103は、各サブハーネス10bの製造にかかった時間を製造時間データ114として取得し、データサーバ装置104に送信する。
その後、ステップS6にて、ワイヤハーネスの配線工程を行う。ワイヤハーネスの配線工程では、配線支援装置102を用いて、作業者が各サブハーネス10bを鉄道車両に配線する。配線支援装置102は、各サブハーネス10bの配線にかかった時間を配線時間データ115として取得し、データサーバ装置104に送信する。
(実施の形態の作用及び効果)
以上説明したように、本実施の形態に係るワイヤハーネスの設計装置1では、入力部2で入力された構造データを基に、設計対象のワイヤハーネス10をサブハーネス10bへと分割する分割パターン116を複数作成する分割パターン作成部3と、実績データベース112を基に機械学習を行い、分割パターン作成部3が作成した複数の分割パターン116それぞれについて、当該分割パターン116に含まれる各サブハーネス10bの製造時間を推定し、各分割パターン116でのワイヤハーネス10の総製造時間を推定する製造時間推定部61を含む機械学習部6と、分割パターン作成部3で作成した分割パターン116を、製造時間推定部61で推定した総製造時間順に提示可能に構成された提示部4と、を備えている。
このように構成することで、総製造時間が短くなるサブハーネス10bの構造(電線の組み合わせ)を容易に知ることができ、製造コストの低減、及び設計作業の簡略化が可能になる。すなわち、本実施の形態によれば、製造コストを抑えたワイヤハーネス10を効率よく設計可能なワイヤハーネスの設計装置1を実現できる。
また、従来のようにサブハーネス10bの分割設計を設計者が経験的に行う場合、設計者による設計品質のばらつきが生じ、無駄な製造コストがかかってしまうおそれが生じるが、本実施の形態によれば、設計品質を一定に保ち、製造コストを安定して低減することが可能になる。
(実施の形態のまとめ)
次に、以上説明した実施の形態から把握される技術思想について、実施の形態における符号等を援用して記載する。ただし、以下の記載における各符号等は、特許請求の範囲における構成要素を実施の形態に具体的に示した部材等に限定するものではない。
[1]電線の配線レイアウトを基に、複数の電線を束ねたワイヤハーネス(10)の設計を行うワイヤハーネスの設計装置(1)であって、既存のワイヤハーネス(10)をサブハーネス(10b)へ分割した際の各サブハーネス(10b)の構造データ及び製造時間を含む実績データベース(112)と、前記配線レイアウトを基に、設計対象のワイヤハーネス(10)の構造データを含む仕様データが入力される入力部(2)と、前記入力部(2)で入力された構造データを基に、前記設計対象のワイヤハーネス(10)を前記サブハーネス(10b)へと分割する分割パターン(116)を複数作成する分割パターン作成部(3)と、前記実績データベース(112)を基に機械学習を行い、前記分割パターン作成部(3)が作成した複数の分割パターン(116)それぞれについて、当該分割パターン(116)に含まれる各サブハーネス(10b)の製造時間を推定し、各分割パターン(116)でのワイヤハーネス(10)の総製造時間を推定する製造時間推定部(61)を含む機械学習部(6)と、前記分割パターン作成部(3)で作成した分割パターン(116)を、前記製造時間推定部(61)で推定した総製造時間順に提示可能に構成された提示部(4)と、を備えた、ワイヤハーネスの設計装置(1)。
[2]前記実績データベース(112)は、既存のワイヤハーネス(10)をサブハーネス(10b)へ分割した際の各サブハーネス(10b)の配線時間を含み、前記機械学習部(6)は、前記実績データベース(112)を基に機械学習を行い、前記分割パターン作成部(3)が作成した複数の分割パターン(116)それぞれについて、当該分割パターン(116)に含まれる各サブハーネス(10b)の配線時間を推定し、各分割パターン(116)でのワイヤハーネス(10)の総配線時間を推定する配線時間推定部(62)を含み、前記提示部(4)は、前記分割パターン作成部(3)で作成した分割パターン(116)を、前記配線時間推定部(62)で推定した総配線時間順に提示可能に構成される、[1]に記載のワイヤハーネスの設計装置(1)。
[3]前記提示部(4)は、前記分割パターン作成部(3)で作成した分割パターン(116)を、前記製造時間推定部(61)で推定した総製造時間と前記配線時間推定部(62)で推定した総配線時間との合計時間順に提示可能に構成される、[2]に記載のワイヤハーネスの設計装置(1)。
[4]前記分割パターン作成部(3)は、分割パターン作成条件を設定可能に構成されており、設定された分割パターン作成条件を満たすように複数の分割パターン(116)を作成する、[1]乃至[3]の何れか1項に記載のワイヤハーネスの設計装置(1)。
[5]電線の配線レイアウトを基に、複数の電線を束ねたワイヤハーネス(10)の設計を行うワイヤハーネスの設計方法であって、前記配線レイアウトを基に、設計対象のワイヤハーネス(10)の構造データを含む仕様データを入力部(2)に入力し、前記入力部(2)で入力された構造データを基に、分割パターン作成部(3)にて、前記設計対象のワイヤハーネス(10)をサブハーネス(10b)へと分割する分割パターン(116)を複数作成し、既存のワイヤハーネス(10)をサブハーネス(10b)へ分割した際の各サブハーネス(10b)の構造データ及び製造時間を含む実績データベース(112)を基に機械学習を行い、前記分割パターン作成部(3)が作成した複数の分割パターン(116)それぞれについて、当該分割パターン(116)に含まれる各サブハーネス(10b)の製造時間を推定し、各分割パターン(116)でのワイヤハーネス(10)の総製造時間を推定し、前記分割パターン作成部(3)で作成した分割パターン(116)を、推定した総製造時間順に提示可能とする、ワイヤハーネスの設計方法。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上記に記載した実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施の形態の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない点に留意すべきである。また、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変形して実施することが可能である。