JP2007143694A - ミシン及び縫製条件設定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】中押さえの下位置高さの設定を忘れて縫製が開始されることを防止する。
【解決手段】ミシン100は、針板上面で保持された被縫製物が縫い針とともに上昇しないように被縫製物を針板に押さえつける中押さえ29と、中押さえ29の下位置高さを調節する下位置高さ調節機構H1と、ユーザの入力により縫製パターンを設定する縫製パターン設定手段200と、ユーザの入力により下位置高さ調節機構H1を駆動させて中押さえ29の下位置高さを設定する下位置高さ設定手段200と、を備え、縫製パターン設定手段200及び下位置高さ設定手段200により設定された縫製パターン及び中押さえ29の下位置高さに基づいて縫製を行うミシン100において、縫製パターン設定手段200による縫製パターンの設定時に、下位置高さ設定手段200による中押さえ29の下位置高さを設定させる下位置高さ設定要求手段200を備える。
【選択図】図10

Description

本発明は、ミシン及び縫製条件設定方法に関する。
被縫製物である布が縫い針との摩擦により縫い針と共に上昇してばたつくのを防止するため、縫い針の上昇時に布の針貫通部周辺を下方に押さえつける中押さえ装置が設けられているミシンがある。
中押さえ装置は、縫い針が布から上昇する際に中押さえにより布を下方に押さえ付け、縫い針が布から完全に上昇した後は中押さえが縫い針と共に上昇するようになっている。
このような中押さえ装置には、様々な布の厚さに対応できるように、中押さえの上下動経路における下死点での針板上面からの高さ(下位置高さ)を調節可能としたものがある(例えば、特許文献1参照。)。
通常、中押さえの下位置高さは、0mm(中押さえの下端と針板上面が接している状態)、あるいは、わずかな隙間が形成される程度に設定されている。ユーザは、縫製を開始する前に、縫製条件、例えば、模様の選択等に関する縫製パターンや中押さえの下位置高さを設定し、縫製される布に適した縫製条件で縫製を行っている。
特開平7−178272号公報
しかし、従来のミシンにおいては、中押さえの下位置高さの設定は、縫製パターンの設定とは別個に設定するように構成されていたため、ユーザは縫製パターンの設定が終了すると、縫製条件の設定が全て終了したものと勘違いし、すぐに縫製を開始してしまうことがある。
このような場合、中押さえの下位置高さが0mmのまま縫製を行うと、布を過剰に押しつけることにより布に傷がつく、縫い目が引きあがらない、中押さえに大きな荷重がかかり変形、折損するという問題があった。また、中押さえと針板との間にわずかな隙間がある場合であっても、縫製される布に適した隙間でなければ布が浮いて目飛びが発生するという問題があった。
そこで、本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、中押さえの下位置高さの設定が忘れられたまま縫製が開始されることを防止することができるミシン及び縫製条件設定方法を提供することを目的とする。
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、縫い針の近傍で上下動を行うことにより、針板上面で保持された被縫製物が前記縫い針とともに上昇しないように前記被縫製物を前記針板に押さえつける中押さえと、前記中押さえの上下動経路における下死点での前記針板上面からの中押さえの高さを調節する下位置高さ調節機構と、入力操作により縫製パターンを設定する縫製パターン設定手段と、入力操作により前記下位置高さ調節機構を駆動させて前記中押さえの下位置高さを設定する下位置高さ設定手段と、を備え、前記縫製パターン設定手段及び前記下位置高さ設定手段により設定された縫製パターン及び前記中押さえの下位置高さに基づいて縫製を行うミシンにおいて、前記縫製パターン設定手段による縫製パターンの設定時に、前記下位置高さ設定手段による前記中押さえの下位置高さの設定操作を要求する下位置高さ設定要求手段を備えることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、縫製パターン設定手段による縫製パターンの設定時に、下位置高さ設定要求手段は、下位置高さ設定手段による中押さえの下位置高さを設定させる。
これにより、ユーザは、縫製パターンの設定とともに中押さえの下位置高さを調節することができるので、従来のように、縫製パターンの設定だけ終了した後に中押さえの下位置高さの設定が忘れられたまま縫製が開始されることを防止することができる。
よって、縫製条件が適切に設定された後に縫製を開始することができ、中押さえの損傷を防止し、縫製品質を向上させることができる。
請求項2に記載の発明は、縫い針の近傍で上下動を行うことにより、針板上面で保持された被縫製物が前記縫い針とともに上昇しないように前記被縫製物を前記針板に押さえつける中押さえと、前記中押さえの上下動経路における下死点での前記針板上面からの高さを調節する下位置高さ調節機構と、最初に電源を投入したときに初期設定を行う初期設定手段と、入力により縫製パターンを設定する縫製パターン設定手段と、入力により前記下位置高さ調節機構を駆動させて前記中押さえの下位置高さを設定する下位置高さ設定手段と、を備え、前記縫製パターン設定手段及び前記下位置高さ設定手段により設定された縫製パターン及び前記中押さえの下位置高さに基づいて縫製を行うミシンにおいて、前記初期設定手段による初期設定時に、前記下位置高さ設定手段による前記中押さえの下位置高さの設定操作を要求する下位置高さ設定要求手段を備えることを特徴とする。
請求項2に記載の発明によれば、最初の電源を投入したときに行う初期設定手段による初期設定時に、下位置高さ設定要求手段は、下位置高さ設定手段による中押さえの下位置高さを設定させる。
これにより、ユーザは、ミシンを縫製に使用する前の初期設定の段階で中押さえの下位置高さを調節することができるので、従来のように、縫製パターンの設定だけ終了した後に中押さえの下位置高さの設定が忘れられたまま縫製が開始されることを防止することができる。
よって、縫製条件が適切に設定された後に縫製を開始することができ、中押さえの損傷を防止し、縫製品質を向上させることができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のミシンにおいて、前記下位置高さ設定要求手段による下位置高さの設定要求に応じて、前記下位置高さ設定手段により設定された前記中押さえの下位置高さを基準値として設定する基準値設定手段を備えることを特徴とする。
請求項3に記載の発明によれば、基準値設定手段は、最初の電源の投入時に設定された中押さえの下位置高さを基準値として設定する。
これにより、頻繁に用いる縫製条件に合わせて中押さえの下位置高さを設定することにより、縫製開始のたびに中押さえの下位置高さを設定する必要がなくなり、縫製にかかる手間を省くことができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載のミシンを用いた縫製条件設定方法において、前記下位置高さ設定要求手段による下位置高さの設定要求により、前記下位置高さ設定手段による前記中押さえの下位置高さを設定する下位置高さ設定工程と、前記下位置高さ設定工程における前記中押さえの下位置高さの設定後に、前記縫製パターン設定手段による縫製パターンの設定を行う縫製パターン設定工程と、を備えることを特徴とする。
請求項4に記載の発明によれば、下位置高さ設定工程において中押さえの下位置高さを設定した後に、縫製パターン設定工程において縫製パターンを設定することにより、ユーザが忘れがちな中押さえの下位置高さを確実にユーザに設定させることができる。
よって、縫製条件が適切に設定された後に縫製を開始することができ、中押さえの損傷を防止し、縫製品質を向上させることができる。
請求項5に記載の発明は、請求項2に記載のミシンを用いた縫製条件設定方法において、前記ミシンに最初に電源を投入する電源投入工程と、前記電源投入工程により前記ミシンに最初に電源が投入された後、前記初期設定手段による初期設定を行う初期設定工程と、前記初期設定工程時に、前記下位置高さ設定要求手段による下位置高さの設定要求により、前記下位置高さ設定手段による前記中押さえの下位置高さを設定する下位置高さ設定工程と、前記初期設定工程における初期設定後に、前記縫製パターン設定手段による縫製パターンの設定を行う縫製パターン設定工程と、を備えることを特徴とする。
請求項5に記載の発明によれば、電源投入工程による最初の電源投入後、初期設定工程における最初の初期設定時に、下位置高さ設定工程により中押さえの下位置高さを設定することができるので、ユーザが忘れがちな中押さえの下位置高さを確実にユーザに設定させることができる。
よって、縫製条件が適切に設定された後に縫製を開始することができ、中押さえの損傷を防止し、縫製品質を向上させることができる。
請求項1に記載の発明によれば、ユーザは、縫製パターンの設定とともに中押さえの下位置高さを調節することができるので、従来のように、縫製パターンの設定だけ終了した後に中押さえの下位置高さの設定が忘れられたまま縫製が開始されることを防止することができる。
よって、縫製条件が適切に設定された後に縫製を開始することができ、中押さえの損傷を防止し、縫製品質を向上させることができる。
請求項2に記載の発明によれば、ユーザは、ミシンを縫製に使用する前のセットアップの段階で中押さえの下位置高さを調節することができるので、従来のように、縫製パターンの設定だけ終了した後に中押さえの下位置高さの設定が忘れられたまま縫製が開始されることを防止することができる。
よって、縫製条件が適切に設定された後に縫製を開始することができ、中押さえの損傷を防止し、縫製品質を向上させることができる。
請求項3に記載の発明によれば、頻繁に用いる縫製条件に合わせて中押さえの下位置高さを設定することにより、縫製開始のたびに中押さえの下位置高さを設定する必要がなくなり、縫製にかかる手間を省くことができる。
請求項4に記載の発明によれば、ユーザが忘れがちな中押さえの下位置高さを確実にユーザに設定させることができる。
よって、縫製条件が適切に設定された後に縫製を開始することができ、中押さえの損傷を防止し、縫製品質を向上させることができる。
請求項5に記載の発明によれば、ユーザが忘れがちな中押さえの下位置高さを確実にユーザに設定させることができる。
よって、縫製条件が適切に設定された後に縫製を開始することができ、中押さえの損傷を防止し、縫製品質を向上させることができる。
以下、図面を参照して、ミシン及び縫製条件設定方法の最良の形態について詳細に説明する。実施形態では、ミシンとして電子サイクルミシンを例に説明する。
〔実施形態1〕
<ミシンの構成>
電子サイクルミシンは、縫製を行う被縫製物である布を保持する保持枠を有し、その保持枠が縫い針に対し相対的に移動することにより、保持枠に保持される布に所定の縫製データ(縫製パターン)に基づく縫い目を形成するミシンである。
ここで、後述する縫い針108が上下動を行う方向をZ軸方向(上下方向)とし、これと直交する一の方向をX軸方向(左右方向)とし、Z軸方向とX軸方向の両方に直交する方向をY軸方向(前後方向)と定義する。
電子サイクルミシン100(以下、ミシン100という。)は、図1に示すように、ミシンテーブルTの上面に備えられるミシン本体101と、ミシンテーブルTの下部に備えられ、ミシン本体101を操作するためのペダルR等を備えている。
(ミシンフレーム及び主軸)
図1、図2に示すように、ミシン本体101は、外形が側面視にて略コ字状を呈するミシンフレーム102を備えている。このミシンフレーム102は、ミシン本体101の上部をなし前後方向に延びるミシンアーム部102aと、ミシン本体101の下部をなし、前後方向に延びるミシンベッド部102bと、ミシンアーム部102aとミシンベッド部102bとを連結する縦胴部102cとを有している。
このミシン本体101は、ミシンフレーム102内に動力伝達機構が配され、回動自在で前後方向に延びる主軸2(図4参照)及び図示しない下軸を有している。主軸2はミシンアーム部102aの内部に配され、下軸(図示省略)はミシンベッド部102bの内部に配されている。
主軸2は、主軸モータ(図示省略)に接続され、この主軸モータにより回動力が付与される。また、下軸(図示省略)は、縦軸(図示省略)を介して主軸2と連結されており、主軸2が回動すると、主軸2の動力が縦軸を介して下軸側へ伝達し、下軸が回動するようになっている。
主軸2の前端には、主軸2の回動によりZ軸方向に上下動する針棒108aが接続されており、その針棒108aの下端には、縫い針108が備えられている。
(中押さえ装置)
ミシンアーム102aには、縫い針108の上下動による布の浮き上がりを防止するために、針棒108aの上下動と連動して上下動し、縫い針108の周囲の布を下方に押圧する中押さえ29を有する中押さえ装置1(図3参照)が設けられている。なお、中押さえ装置1はミシンアーム部102aの内部に配設されており、縫い針108は、中押さえ29の先端側に形成されている貫通孔に挿通されて備えられている。
また、図1、図2に示すように、ミシンベッド部102b上には、針板110が配設されており、この針板110の上方に保持枠111及び縫い針108が配置されるようになっている。
保持枠111は、ミシンアーム部102aの前端部に配される取付部材113に取り付けられており、その取付部材113にはミシンベッド102b内に配置されたX軸モータ(図示省略)及びY軸モータ(図示省略)に連結されている。
保持枠111は、被縫製物である布を保持し、X軸モータ及びY軸モータの駆動に伴い、保持した布を保持枠111ごと前後左右方向に移動するようになっている。保持枠111の移動と、縫い針108や釜(図示省略)の動作が連動することにより、布に所定の縫製パターンデータの縫い目データに基づく縫い目が形成される。
また、保持枠111は、布押さえ(図示省略)と下板(図示省略)とを備えており、取付部材113はミシンアーム102a内に配置された布押さえモータ(図示省略)の駆動により上下駆動が可能であり、布押さえ下降時に下板との間で布を挟持し保持するようになっている。
ペダルRは、ミシン100を駆動させ、針棒108a(縫い針108)を上下動させたり、保持枠111を動作させたりするための操作ペダルとして作動する。すなわちペダルRには、ペダルRが踏み込まれたその踏み込み操作位置を検出するためのセンサが組み込まれており、センサからの出力信号がペダルRの操作信号として後述する制御装置200に出力され、制御装置200はその操作位置、操作信号に応じて、ミシン100を駆動し、動作させるように構成されている。
中押さえ装置1は、図3〜図5に示すように、先端に縫い針108が設けられた針棒108aを上下方向に駆動させる主軸2に設けられている。主軸2には偏心カム3が固定され、この偏心カム3には接続リンク4が連結されている。接続リンク4には揺動軸抱き5が連結され、揺動軸抱き5には揺動軸6の一端部が連結されている。
図3〜図5に示すように、揺動軸6の他端部には中押さえの上下方向D1の移動量を調節する中押さえ調節腕7の基端部が固定されている。中押さえ調節腕7には溝カム7aが形成されている。この溝カム7aは弧状の長孔になっており、この溝カム7aの所望の位置と第1リンク8の一端部とが調節ナット9と段ねじ10により回動自在に固定される。この固定位置は揺動軸6の軸芯線と交差する位置からこの交差位置より中押さえ調節腕7の一端側の所定位置の範囲までの間に形成され、この範囲内で所望に調節することができる。
第1リンク8の他端部は、第2リンク11の長手方向の中央部近傍にて、段ねじ12で回動自在に連結されている。また、調節ナット9が係合する溝カム7aは、中押さえ29が上下往復運動の下死点にあるときに、段ねじ12の軸芯を中心とした円弧の一部となる。第2リンク11の背面側には位置決めリンク13が連結されている。
位置決めリンク13は、その中央部近傍で段ねじ14によりミシンフレーム102に回動自在に取り付けられ、段ねじ14の位置は、中押さえ29が下死点にあるときの段ねじ12の位置と一致する。
位置決めリンク13の一端部には、ばね掛13aが形成され、また、ミシンフレーム102には、ばね掛15aが固定され、この両ばね掛間にはコイルばね16が架け渡されて、ばね掛13aが取り付けられた位置決めリンク13の一端部を下方に引き下げるように付勢する。すなわち、コイルばね16は、第2リンク11における第3リンク20との接続部位が上方に移動した際に、接続部位を下方に向けて付勢する。位置決めリンク13の他端部にはストッパ17が連結されており、第2リンク11の一端部及び位置決めリンク13の他端部と一つの段ねじ18で連結されている。また、ストッパ17は、段ねじ14で位置決めリンク13とともにミシンフレーム102に回動自在に取り付けられている。ストッパ17の一端部17aの上方には、ストッパ17の上方への回動を規制するように規制部材19が設けられている。なお、この規制部材19は、ミシンフレーム102の一部で代用してもよい。そして、第1リンク8、第2リンク11、位置決めリンク13により、中押さえ揺動機構M1が構成される。
第2リンク11の他端部には、第3リンク20の一端部が段ねじ21により回動自在に連結されている。第3リンク20の他端部には、第4リンク22の一端部が段ねじ23により第3リンク20の長手方向に対して直列となるように回動自在に連結されている。この第3リンク20と第4リンク22とで中押さえリンク部材24が構成される。
第4リンク22の他端部には、リンク中継板25が段ねじ26により連結されている。リンク中継板25には中押さえ棒抱き27が固定されており、中押さえ棒抱き27には上下方向に延びる中押さえ棒28が保持されている。中押さえ棒28の下端部には、縫製時に布地を針板に押さえつける中押さえ29が取り付けられている。中押さえ棒28の上端部にはコイルばね30が設けられており、ボルト31及びナット32により中押さえ棒抱き27に取り付けられている。
段ねじ23は、角駒33及び案内部材34とともに第3リンク20と第4リンク22とを連結している。すなわち、第4リンク22の正面側には案内部材34が設けられ、この案内部材34の正面側には角駒33が設けられており、第3リンク20、第4リンク22、角駒33、案内部材34を一つの段ねじ23で連結している。
角駒33は、段ねじ23と、第3リンク20と第4リンク22の連結部P3との隙間をうめるスペーサの役割を果たしており、各リンクのがたつきを防ぎ、各部材を円滑に駆動させる。
案内部材34は、略三角形状の板材であり、上端部34tが段ねじ35によりミシンフレーム102に回動自在に取り付けられている。案内部材34の下端部近傍には、上下方向に長尺な長孔34aが形成されている。この長孔34aは、段ねじ23のねじ部の径より若干大きな幅に形成され、この長孔34aに段ねじ23が挿通されている。すなわち、案内部材34は、第3リンク20と第4リンク22の連結部P3を中押さえ29の上下方向D1に移動可能とし、かつ、第3リンク20と第4リンク22の直列方向D2を横切る方向D3への移動を規制する。
また、案内部材34には、案内部材34を第3リンク20と第4リンク22の直列方向を横切る方向へ移動させる移動リンク36の一端部が段ねじ37により長孔34aの上部近傍で回動自在に連結されている。移動リンク36の他端部には偏心カム38が連結されており、この偏心カム38には可変軸39の一端部が連結されている。可変軸39の他端部には、ベアリング40、かさ歯車41を介して中押さえモータ42が連結されている。すなわち、中押さえモータ42の駆動が、可変軸39、偏心カム38、移動リンク36の順に伝達されて、移動リンク36が案内部材34を移動させる。
そして、この中押さえモータ42と案内部材34とこれらの間で動力を伝達する各構成が、中押さえモータ42を駆動源として中押さえ29の針板上面からの高さ(いわゆる下位置高さ)を調節する下位置高さ調節機構H1として機能する。
かさ歯車41には、かさ歯車43が噛み合わされており、中押さえモータ42の駆動を可変軸39の軸方向に直交する方向D5に出力することができるようになっている。かさ歯車43の後端にはベアリング44、中押さえ昇降カム45等が同軸上に連結されている。
中押さえ昇降カム45は、図6〜図8に示すように、回動中心を通る中心線を境に一方は、回動中心から外周面までの距離がほぼ同一の円弧状に形成され(以下、維持部45aという。)、他方は、回動中心から外周面までの距離が、維持部45aにおける回動中心から外周面までの距離よりも大きく、かつ、滑らかに変化する形状(以下、変化部45bという。)とされている。
中押さえ昇降カム45は、中押さえ29を縫製終了後の退避高さ位置P5に上昇させる中押さえ上げ部材46を昇降させるものであり、中押さえ上げ部材46の一端部に設けられた円筒状のコロ47の外周面に中押さえ昇降カム45の外周面が当接するようになっている。すなわち、中押さえ昇降カム45の維持部45aがコロ47に当接している際には、中押さえ上げ部材46は上昇しないが(図6参照)、中押さえ昇降カム45の変化部45bがコロ47に当接している際には、中押さえ上げ部材46が上昇するようになっている(図7及び図8参照)。すなわち、中押さえ昇降カム45、中押さえ上げ部材46、コロ47により、中押さえ退避機構M2が構成されている。
中押さえ上げ部材46は、その中腹部でピン48によりミシンフレーム102に回動自在に取り付けられている。中押さえ上げ部材46は、その他端部が中押さえ棒抱き27の下方に位置するように設けられており、中押さえ昇降カム45の変化部45bがコロ47に当接して中押さえ上げ部材46の他端部が上昇することにより、中押さえ棒抱き27を上昇させ、中押さえ29を退避高さ位置P5に上昇させることができる(図8参照)。また、ミシンフレーム15には、中押さえ上げ部材46よりも上方に位置するようにばね掛49が設けられており、このばね掛49にコイルばね50の一端部が架けられ、他端部が中押さえ上げ部材46の一端部近傍に架けられている。これにより、中押さえ上げ部材46の一端部を常に上方に付勢するようになっている。
(中押さえ装置の動作)
次に、上述の構成を有する中押さえ装置1の動作について、図3から図8に基づき説明する。
主軸モータを駆動させて、主軸2や偏心カム3を回動させると、接続リンク4の先端は主軸2の軸線に略直交する方向(第3リンク20と第4リンク22の直列方向D2に対して横切る方向D3)に揺動し、接続リンク4に連結された揺動軸抱き5も同方向に揺動する。揺動軸抱き5が揺動することにより、揺動軸6も揺動するため、第1リンク8の一端部が揺動支点となって第1リンク8の他端部が揺動軸6の軸線に略直交する方向(第3リンク20と第4リンク22の直列方向D2に対して横切る方向D3)に揺動する。第1リンク8の他端部の揺動に伴い、第2リンク11の他端部は第3リンク20と第4リンク22の直列方向D2に揺動し、第2リンク11の他端部に連結された第3リンク20及び第4リンク22は、その直列方向(上下方向)D2に揺動する。第3リンク20及び第4リンク22の揺動に伴い、第4リンク22に連結された中押さえ棒28は上下方向D1に沿って下方に移動するため、中押さえ29も上下方向に移動する。
次に、上述の構成を有する中押さえ装置1による中押さえ29の下位置高さP4の調節動作について、図3から図9に基づき説明する。
制御装置200により、中押さえモータ42は、制御装置200内のROM203に記憶された縫製パターンデータや中押さえ29の下位置高さデータに基づいて駆動を始める。
中押さえモータ42の駆動は、かさ歯車41、ベアリング40を介して可動軸39に伝達され、可動軸39は回動を始める。可動軸39の回動により、偏心カム38も回動し、移動リンク36は、可動軸39の軸線に略直交する方向(第3リンク20と第4リンク22の直列方向D2に対して横切る方向D3)に揺動する。移動リンク36の揺動により、案内部材34は第3リンク20と第4リンク22の直列方向D2に対して横切る方向D3に揺動する。
このとき、図9に示すように、案内部材34の長孔34aで連結された第3リンク20と第4リンク22の連結部P3の段ねじ23は、そのねじ部分が長孔34aによって、第3リンク20と第4リンク22の直列方向D2に対して横切る方向D3への移動が規制されているため、揺動により伝達される力を逃がす場所が無くなり、段ねじ23は長孔34aに沿って上方に移動し、段ねじ23の案内部材34に追随した移動に伴って、直列に並んで連結されていた第3リンク20と第4リンク22同士がなす角度θが変化し、中押さえリンク部材24は、略く字状になる。中押さえリンク部材24が略く字状になると、中押さえリンク部材24の両端部間の距離L、言い換えると、第3リンク20の一端部と第4リンク22の他端部との間の距離Lが短くなり、中押さえ29は上下方向D1に沿って上方に移動する。これにより、中押さえ29の針板からの下位置高さP4を調節することができる。
(制御装置)
次に、制御装置200について説明する。
図10に示すように、制御装置200は、縫製パターン及び中押さえ29の下位置高さの設定等に関する処理プログラムに従って各処理を実行するCPU201と、処理プログラムを展開してCPU201の作業エリアとなるRAM202と、各処理を実行するための処理プログラムや処理データ等が記憶されるROM203と、を備えている。
ROM203には、ユーザによる後述する操作パネル300の操作入力により縫製パターンを設定する機能を実現させる縫製パターン設定プログラム203aが記憶されている。すなわち、CPU201が縫製パターン設定プログラム203aを実行することにより、制御装置200は、縫製パターン設定手段として機能する。
ROM203には、ユーザによる操作パネル300の操作入力により、下位置高さ調節機構H1を駆動させて中押さえ29の下位置高さを設定する機能を実現させる下位置高さ設定プログラム203bが記憶されている。すなわち、CPU201が下位置高さ設定プログラム203bを実行することにより、制御装置200は、下位置高さ設定手段として機能する。
ROM203には、操作パネル300による縫製パターンの設定時に、中押さえ29の下位置高さを設定させる機能を実現する下位置高さ設定要求プログラム203cが記憶されている。すなわち、CPU201が下位置高さ設定要求プログラム203cを実行することにより、制御装置200は、下位置高さ設定要求手段として機能する。
また、ROM203には、中押さえ29の下位置高さに関する下位置高さデータ203d、縫製パターンに関する縫製パターンデータ203eが記憶されている。
具体的には、ユーザが操作パネル300上で縫製パターンを設定する旨を入力すると、CPU201は、下位置高さ設定要求プログラム203cを実行し、縫製パターン設定プログラム203aを実行よりも先に下位置高さ設定プログラム203bを実行させて中押さえ29の下位置高さを先に入力させるように操作パネル300上に入力画面を表示させる。そして、CPU201が、中押さえ29の下位置高さが入力されたと判断すると、CPU201は、縫製パターン設定プログラム203aを実行し、縫製パターンを入力させるように操作パネル300上に入力画面を表示させる。そして、CPU201が、縫製パターンが入力されたと判断すると、入力された中押さえ29の下位置高さデータ203dと縫製パターンデータ203eとに基づいて縫製を行う。すなわち、制御装置200は、中押さえ29の下位置高さの調節を縫製パターン設定時に縫製パターンと併せて行うように構成されている。
<縫製条件の設定方法>
次に、ミシン100における縫製条件の設定方法について説明する。
図11に示すように、CPU201は、操作パネル300のタッチパネルから縫製パターンを設定する旨の入力がなされたか否かを判断する(ステップS1)。ここで、CPU201が縫製パターンを設定する旨の入力がなされたと判断すると(ステップS1:YES)、CPU201は、ROM203に記憶された縫製パターン設定プログラム203aを実行することにより、操作パネル300に縫製パターンの設定メニューを表示させるが、その前に優先して下位置高さ設定要求プログラム203cを実行し、同時に下位置高さ設定プログラム203bを実行する。このようにして、CPU201は、縫製パターン設定メニューを表示させる前に、中押さえ29の下位置高さの調節メニューを操作パネル300に表示させる(ステップS2)。一方、CPU201が縫製パターンを設定する旨の入力がなされていないと判断すると(ステップS1:NO)、CPU201は、ステップS1の処理を繰り返す。
ステップS2において、CPU201が中押さえ29の下位置高さの調節メニューを操作パネル300に表示させた後、CPU201は、中押さえ29の下位置高さを変更する旨が入力されたか否かを判断する(ステップS3)。ここで、CPU201が、中押さえ29の下位置高さを変更する旨が入力されたと判断すると(ステップS3:YES)、CPU201は、ROM203に記憶された中押さえ29の下位置高さデータ203dを入力された下位置高さデータに更新する(ステップS4:下位置高さ設定工程)。一方、CPU201が、中押さえ29の下位置高さを変更しない旨が入力されたと判断すると(ステップS3:NO)、CPU201は、縫製パターン設定プログラム203aに基づき、操作パネル300に縫製パターン設定メニューを表示させ、操作パネル300のタッチパネルからユーザにより縫製パターン(パターン形状、張力値、糸切りの有無、被縫製物の段部における中押さえ29の下位置高さの変更等の項目)が設定されると、ROM203に記憶された縫製パターンデータ203eを入力された縫製パターンデータに更新し(ステップS5:縫製パターン設定工程)、これをもって本処理を終了させる。
<作用効果>
実施形態1におけるミシン100及びミシン100を用いた縫製条件設定方法によれば、制御装置200は、縫製パターンの設定時に中押さえ29の下位置高さを設定させる。
これにより、ユーザは、縫製パターンの設定とともに中押さえ29の下位置高さを調節することができるので、従来のように、縫製パターンの設定だけ終了した後に中押さえ29の下位置高さの設定が忘れられたまま縫製が開始されることを防止することができる。
よって、縫製条件が適切に設定された後に縫製を開始することができ、中押さえ29の損傷を防止し、縫製品質を向上させることができる。
〔実施形態2〕
次に、実施形態2について説明する。なお、実施形態2が実施形態1と異なる点は、中押さえの下位置高さの設定方法であるため、中押さえ、中押さえの下位置高さ調節機構等の構成については同一符号を付して説明を省略し、制御装置及び下位置高さの設定方法について説明する。
(制御装置)
図12に示すように、ミシン400の制御装置500は、縫製パターン及び中押さえ29の下位置高さの設定等に関する処理プログラムに従って各処理を実行するCPU501と、処理プログラムを展開してCPU501の作業エリアとなるRAM502と、各処理を実行するための処理プログラムや処理データ等が記憶されるROM503と、を備えている。
ROM503には、ユーザによるミシン400の購入後、組み立てが終わって最初に電源を投入したときに初期設定を行う機能を実現させる初期設定プログラム503aが記憶されている。すなわち、CPU501が初期設定プログラム503aを実行することにより、制御装置500は、初期設定手段として機能する。
ROM503には、操作パネル300による初期設定時に、中押さえ29の下位置高さを設定させる機能を実現する下位置高さ設定要求プログラム503bが記憶されている。すなわち、CPU501が下位置高さ設定要求プログラム503bを実行することにより、制御装置500は、下位置高さ設定要求手段として機能する。
ROM503には、ユーザによる操作パネル300の操作入力により、下位置高さ調節機構H1を駆動させて中押さえ29の下位置高さを調節する機能を実現させる下位置高さ設定プログラム503cが記憶されている。すなわち、CPU501が下位置高さ設定プログラム503cを実行することにより、制御装置400は、下位置高さ設定手段として機能する。
ROM503には、ユーザによる操作パネル300の操作入力により縫製パターンを設定する機能を実現させる縫製パターン設定プログラム503dが記憶されている。すなわち、CPU501が縫製パターン設定プログラム503dを実行することにより、制御装置400は、縫製パターン設定手段として機能する。
ROM503には、下位置高さ設定要求プログラム503bによる下位置高さの設定要求に応じて、下位置高さ設定プログラム503cにより設定された中押さえ29の下位置高さを基準値として設定する機能を実現させる基準値設定プログラム503eが記憶されている。すなわち、CPU501が基準値設定プログラム503eを実行することにより、制御装置500は、基準値設定手段として機能する。
また、ROM503には、中押さえ29の下位置高さに関する下位置高さデータ503f、縫製パターンに関する縫製パターンデータ503gが記憶されている。
具体的には、ミシン400を購入したユーザがミシン400を設置して、最初に電源を投入すると、CPU501は、初期設定プログラム503aを実行し、操作パネル300上でユーザに初期設定を行わせる。この初期設定の入力が終了すると、CPU501は、初期設定を終了させる前に下位置高さ設定要求プログラム503bを実行し、初期設定時に併せて、中押さえ29の下位置高さを先に入力させるように操作パネル300上に入力画面を表示させる。そして、CPU501が、中押さえ29の下位置高さが入力されたと判断すると、CPU501は、基準値設定プログラム503eを実行して、入力された下位置高さを基準値として更新し、初期設定を終了させる。その後、ユーザにより操作パネル300から縫製パターンを設定する旨が入力されると、縫製パターンを入力させるように操作パネル300上に入力画面を表示させる。そして、CPU501が、縫製パターンが入力されたと判断すると、入力された中押さえ29の下位置高さデータと縫製パターンデータとに基づいて縫製を行う。すなわち、制御装置500は、中押さえ29の下位置高さの調節を、ミシン400を購入したときの初期設定時に初期設定項目の設定と併せて行うように構成されている。
なお、上記初期設定は、ミシン400の購入時ではなく、一日の最初の電源投入時に行うようにしてもよい。
<縫製条件の設定方法>
次に、ミシン400における縫製条件の設定方法について説明する。
図13に示すように、ユーザが購入したミシンを組み立てる等のセットアップを行い、電源をONにすると(ステップS11:電源投入工程)、CPU501は、電源のONが初回のONであるか否かを判断する(ステップS12)。ここで、CPU501が、電源のONが最初のONであると判断すると(ステップS12:YES)、CPU501は、初期設定プログラム503aを実行することにより、CPU501は、操作パネル300に初期設定の入力メニューを表示させ、ユーザにより初期設定(ミシン機種の設定、使用言語の設定)の入力が行われる(ステップS13:初期設定工程)。一方、CPU501が、電源のONが最初のONではないと判断すると(ステップS12:NO)、CPU501は、後述するステップS17の処理を行う。
ステップS13において、CPU501がユーザによる初期設定の入力が終了したと判断すると、CPU501は、初期設定の処理を終了させる前に、下位置高さ設定要求プログラム503bを実行することにより、下位置高さ設定プログラム503cを実行してユーザに中押さえ29の下位置高さを入力させるように操作パネル300に下位置高さ設定メニューを表示させ、ユーザにより下位置高さの入力がなされる(ステップS14)。
次いで、CPU501は、基準値設定プログラム503eを実行することにより、下位置高さデータ503fを入力された下位置高さに更新し、ROM503に記憶させる(ステップS15:下位置高さ設定工程)。
次いで、CPU501は、初期設定及び下位置高さの設定は終了したか否かを判断する(ステップS16)。ここで、CPU501が、初期設定及び下位置高さの設定は終了したと判断すると(ステップS16:YES)、CPU501は、操作パネル300のタッチパネルから縫製パターンを設定する旨の入力がなされたか否かを判断する(ステップS17)。一方、CPU501が、初期設定及び下位置高さの設定は終了していないと判断すると(ステップS16:NO)、CPU501は、ステップS13の処理に戻る。
ステップS17において、CPU501が縫製パターンを設定する旨の入力がなされたと判断すると(ステップS17:YES)、CPU501は、ROM503に記憶された下位置高さ設定プログラム503cを実行することにより、操作パネル300に下位置高さ調節メニューを表示させる(ステップS18)。
一方、CPU501が縫製パターンを設定する旨の入力がなされていないと判断すると(ステップS17:NO)、CPU501は、ステップS17の処理を繰り返す。
ステップS18において、CPU501が中押さえ29の下位置高さの調節メニューを操作パネル300に表示させた後、CPU501は、中押さえ29の下位置高さを変更する旨が入力されたか否かを判断する(ステップS19)。ここで、CPU501が、中押さえ29の下位置高さを変更する旨が入力されたと判断すると(ステップS19:YES)、CPU501は、ROM503に記憶された中押さえ29の下位置高さデータ503fを入力された下位置高さデータに更新する(ステップS20)。一方、CPU501が、中押さえ29の下位置高さを変更しない旨が入力されたと判断すると(ステップS19:NO)、CPU501は、縫製パターン設定プログラム503dに基づき、操作パネル300に縫製パターン設定メニューを表示させ、操作パネル300のタッチパネルからユーザにより縫製パターンが設定されると、ROM503に記憶された縫製パターンデータ503gを入力された縫製パターンデータに更新し(ステップS21:縫製パターン設定工程)、これをもって本処理を終了させる。なお、ステップS19及びステップS20において、中押さえ29の下位置高さの調節が必要となるのは、ステップS14において設定した下位置高さの設定値(いわゆるデフォルト値)と異なる場合にのみ設定を行い、デフォルト値と同じ下位置高さであれば、再度設定する必要はない。
<作用効果>
実施形態2におけるミシン400及びミシン400を用いた縫製条件設定方法によれば、ユーザによる購入後、最初の電源を投入したときに行う初期設定時に、制御装置500は、中押さえ29の下位置高さを設定させる。
これにより、ユーザは、ミシン400を縫製に使用する前の初期設定の段階で中押さえ29の下位置高さを調節することができるので、従来のように、縫製パターンの設定だけ終了した後に中押さえ29の下位置高さの設定が忘れられたまま縫製が開始されることを防止することができる。
よって、縫製条件が適切に設定された後に縫製を開始することができ、中押さえの損傷を防止し、縫製品質を向上させることができる。
また、基準値設定プログラム503eが記憶されているので、CPU501がこのプログラムを実行することにより、ユーザによるミシン400の購入後、最初の電源の投入時に設定された中押さえ29の下位置高さを基準値として設定する。すなわち、ここで設定された値がデフォルト値として記憶され、以後の縫製には中押さえ29の下位置高さの調節をしなければ、このデフォルト値で行われることとなる。
これにより、ユーザはミシン400を購入した際に、頻繁に用いる縫製条件に合わせて中押さえ29の下位置高さを設定することにより、縫製開始のたびに中押さえ29の下位置高さを設定する必要がなくなり、縫製にかかる手間を省くことができる。
<その他>
なお、本発明の範囲は上記実施形態に限られるものではない。例えば、ROMに記憶された各プログラムを、一つのプログラムとしてもよいし、より細分化してもよい。また、上記実施形態においては、プログラムのようなソフトウェアで処理するものに限らず、ハードウェアで処理するようにしてもよい。
その他、発明の範囲内において、自由に設計変更が可能である。
ミシンを示す斜視図。 ミシンの保持枠や中押さえの近傍を示す拡大斜視図。 中押さえ装置の中押さえ高さ調節前の側面図。 中押さえ装置の分解斜視図。 中押さえ装置の他の分解斜視図。 中押さえの退避機構(退避前)を説明する側面図。 中押さえの退避機構(退避中)を説明する側面図。 中押さえの退避機構(退避後)を説明する側面図。 中押さえ装置の中押さえ高さ調節後の側面図。 実施形態1におけるミシンの構成を示すブロック図。 実施形態1における縫製条件設定の流れを示すフローチャート。 実施形態2におけるミシンの構成を示すブロック図。 実施形態2における縫製条件設定の流れを示すフローチャート。
符号の説明
29 中押さえ
H1 下位置高さ調節機構
100 ミシン
108 縫い針
110 針板
200 制御装置(縫製パターン設定手段、下位置高さ設定手段、下位置高さ設定要求手段)
400 ミシン
500 制御装置(初期設定手段、縫製パターン設定手段、下位置高さ設定手段、下位置高さ設定要求手段、基準値設定手段)

Claims (5)

  1. 縫い針の近傍で上下動を行うことにより、針板上面で保持された被縫製物が前記縫い針とともに上昇しないように前記被縫製物を前記針板に押さえつける中押さえと、
    前記中押さえの上下動経路における下死点での前記針板上面からの中押さえの高さを調節する下位置高さ調節機構と、
    入力操作により縫製パターンを設定する縫製パターン設定手段と、
    入力操作により前記下位置高さ調節機構を駆動させて前記中押さえの下位置高さを設定する下位置高さ設定手段と、
    を備え、前記縫製パターン設定手段及び前記下位置高さ設定手段により設定された縫製パターン及び前記中押さえの下位置高さに基づいて縫製を行うミシンにおいて、
    前記縫製パターン設定手段による縫製パターンの設定時に、前記下位置高さ設定手段による前記中押さえの下位置高さの設定操作を要求する下位置高さ設定要求手段を備えることを特徴とするミシン。
  2. 縫い針の近傍で上下動を行うことにより、針板上面で保持された被縫製物が前記縫い針とともに上昇しないように前記被縫製物を前記針板に押さえつける中押さえと、
    前記中押さえの上下動経路における下死点での前記針板上面からの高さを調節する下位置高さ調節機構と、
    最初に電源を投入したときに初期設定を行う初期設定手段と、
    入力により縫製パターンを設定する縫製パターン設定手段と、
    入力により前記下位置高さ調節機構を駆動させて前記中押さえの下位置高さを設定する下位置高さ設定手段と、
    を備え、前記縫製パターン設定手段及び前記下位置高さ設定手段により設定された縫製パターン及び前記中押さえの下位置高さに基づいて縫製を行うミシンにおいて、
    前記初期設定手段による初期設定時に、前記下位置高さ設定手段による前記中押さえの下位置高さの設定操作を要求する下位置高さ設定要求手段を備えることを特徴とするミシン。
  3. 前記下位置高さ設定要求手段による下位置高さの設定要求に応じて、前記下位置高さ設定手段により設定された前記中押さえの下位置高さを基準値として設定する基準値設定手段を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載のミシン。
  4. 請求項1に記載のミシンを用いた縫製条件設定方法において、
    前記下位置高さ設定要求手段による下位置高さの設定要求により、前記下位置高さ設定手段による前記中押さえの下位置高さを設定する下位置高さ設定工程と、
    前記下位置高さ設定工程における前記中押さえの下位置高さの設定後に、前記縫製パターン設定手段による縫製パターンの設定を行う縫製パターン設定工程と、
    を備えることを特徴とする縫製条件設定方法。
  5. 請求項2に記載のミシンを用いた縫製条件設定方法において、
    前記ミシンに最初に電源を投入する電源投入工程と、
    前記電源投入工程により前記ミシンに最初に電源が投入された後、前記初期設定手段による初期設定を行う初期設定工程と、
    前記初期設定工程時に、前記下位置高さ設定要求手段による下位置高さの設定要求により、前記下位置高さ設定手段による前記中押さえの下位置高さを設定する下位置高さ設定工程と、
    前記初期設定工程における初期設定後に、前記縫製パターン設定手段による縫製パターンの設定を行う縫製パターン設定工程と、
    を備えることを特徴とする縫製条件設定方法。
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