JP2006158651A - ミシン - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ミシン(M)は、中押え(29)と、中押え(29)を縫い針(1)の上下動方向に沿って上下動させる主軸(2)と、主軸駆動装置と、中押え(29)が下死点に到達したときの針板からの高さを調節する調節軸(39)と、調節軸駆動装置(42)と、主軸(2)の初期位置からの回転角度が第1の角度(A°)となった場合に、中押え(29)が下死点に到達したときの針板からの高さが上昇するように調節軸駆動装置(42)を駆動させ、主軸(2)の初期位置からの回転角度が第2の角度(B°)となった場合に、中押え(29)が下死点に到達したときの針板からの高さが下降するように調節軸駆動装置(42)を駆動させる駆動制御手段(300)と、を備えている。
【選択図】図1
Description
このような中押え装置として、カムやつまみを回動させて中押えを上下動させる揺動体を構成するリンクの傾きを調節し、中押え下位置を調節可能としたものが開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
また、他の中押え装置として、パルスモータにより中押えを上下動させる揺動体の揺動支点を変位させて、針板からの中押え高さを調節可能としたものが開示されている(例えば、特許文献2参照。)。
また、特許文献2に記載の中押え装置においては、中押え高さをパルスモータで調節できるため、縫製中であっても中押え高さの調節が可能であり、特許文献1の欠点を補うことができる。
<ミシンの構成>
ミシンMには、中押え装置100が設けられており、この中押え装置100は、図1〜図3に示すように、先端に縫い針1が設けられた針棒1bを上下方向に駆動させる主軸としての上軸2に設けられている。この上軸2は主軸駆動装置としての上軸モータ(図示略)により駆動し、複数のリンクを介して中押え29に連結され、軸回りに回転することにより中押え29を縫い針1の上下動方向に沿って上下動させるものである。上軸2には偏心カム3が固定され、この偏心カム3には接続リンク4が連結されている。接続リンク4には揺動軸抱き5が連結され、揺動軸抱き5には揺動軸6の一端部が連結されている。
揺動軸6の他端部には中押え29の上下方向D1の移動量を調節する中押え調節腕7の基端部が固定されている。中押え調節腕7には溝カム7aが形成されている。この溝カム7aは弧状の長孔になっており、この溝カム7aの所望の位置と第1リンク8の一端部とが調節ナット9と段ねじ10により回動自在に固定される。この固定位置は揺動軸6の軸芯線と交差する位置からこの交差位置より中押え調節腕7の一端側の所定位置の範囲までの間に形成され、この範囲内で所望に調節することができる。
位置決めリンク13は、その中央部近傍で段ねじ14によりミシンフレーム15に回動自在に取り付けられ、段ねじ14の位置は、中押え29が下死点にあるときの段ねじ12の位置と一致する。
第4リンク22の他端部には、リンク中継板25が段ねじ26により連結されている。リンク中継板25には中押え棒抱き27が固定されており、中押え棒抱き27には上下方向に延びる中押え棒28が保持されている。中押え棒28の下端部には、縫い針1を縫製物から抜く際に縫製物を針板に向けて押さえ付ける中押え29が取り付けられている。中押え棒28の上端部にはコイルばね30が設けられており、ボルト31及びナット32により中押え棒抱き27に取り付けられている。
角駒33は、段ねじ23と、第3リンク20と第4リンク22の連結部P3との隙間をうめるスペーサの役割を果たしており、各リンクのがたつきを防ぎ、各部材を円滑に駆動させる。
中押え昇降カム45は、図4〜図6に示すように、回動中心を通る中心線を境に一方は、回動中心から外周面までの距離がほぼ同一の円弧状に形成され(以下、維持部45aという。)、他方は、回動中心から外周面までの距離が、維持部45aにおける回動中心から外周面までの距離よりも大きく、かつ、滑らかに変化する形状(以下、変化部45bという。)とされている。
次に、上述の構成を有する中押え装置1の動作について説明する。
上軸モータを駆動させて偏心カム3を回動させると、接続リンク4の先端は上軸2の軸線に略直交する方向(第3リンク20と第4リンク22の直列方向D2に対して横切る方向D3)に揺動し、接続リンク4に連結された揺動軸抱き5も同方向に揺動する。揺動軸抱き5が揺動することにより、揺動軸6も揺動するため、第1リンク8の一端部が揺動支点となって第1リンク8の他端部が揺動軸6の軸線に略直交する方向(第3リンク20と第4リンク22の直列方向D2に対して横切る方向D3)に揺動する。第1リンク8の他端部の揺動に伴い、第2リンク11の他端部は第3リンク20と第4リンク22の直列方向D2に揺動し、第2リンク11の他端部に連結された第3リンク20及び第4リンク22は、その直列方向(上下方向)D2に揺動する。第3リンク20及び第4リンク22の揺動に伴い、第4リンク22に連結された中押え棒28は上下方向D1に沿って下方に移動するため、中押え29も上下方向に移動する。
図7に示すように、中押え装置100は、制御装置300によって縫製動作が制御される。制御装置300は、各種処理を行うCPU301と、プログラムやデータが記憶されたメモリ302と、を備えている。
メモリ302には、CPU301が処理を行う作業エリア303と、処理に用いるデータを記録するデータエリア304と、中押え装置100に各動作をさせるためのプログラムが記憶されたプログラムエリア305と、が形成されている。
データエリア304には、縫製物への縫製パターンに基づいた調節モータ42の縫製データ304aが記憶されている。この縫製データ304aには、針落ち位置の座標、針板からの中押え高さ、針棒1bの昇降のタイミング等が記憶されている。
プログラムエリア305には、データエリア304に記憶された縫製データ304aに基づいて調節モータ42の駆動を制御するとともに、上軸2が初期位置からの回転角度が第1の角度となった場合に、中押え29の中押え高さが上昇するように調節モータ42を駆動させ、上軸2が初期位置からの回転角度が第2の角度となった場合に、中押え29の中押え高さが下降するように調節モータ42を駆動させる駆動制御プログラム305aが記憶されている。
また、制御装置300には、作業者がミシンの操作を行うための各種情報を入力する操作パネル400が電気的に接続されている。具体的には、操作パネル400は、第1の角度を変更する場合に作業者の入力により第1の角度を新たに設定する第1の角度設定手段として機能する。また、操作パネル400は、第2の角度を変更する場合に作業者の入力により第2の角度を新たに設定する第2の角度設定手段として機能する。
次に、中押え装置100を備えたミシンMによる縫製の流れについて説明する。
図8に示すように、作業者がミシンの電源をONにすると(ステップS1)、制御装置300は、上軸モータに設けられたセンサ(図示略)により縫い針1の位置を検出し、上軸モータを駆動させて針棒1bを上位置まで移動させる(ステップS2)。次いで、制御装置300は、上軸モータを駆動させて中押え29を縫製前の待機位置まで上昇させる(ステップS3)。次いで、制御装置300は、縫製中に縫製物を押さえ付ける外押え(図示略)を位置座標の原点を検出して原点に復帰させ(ステップS4)、縫い始めの座標位置まで移動させる(ステップS5)。外押えが縫い始めの座標位置まで移動すると、制御装置300は、外押えを縫製前の待機位置まで上昇させる(ステップS6)。これにより、縫製物を針板上に載置して縫製可能にセットすることができる。
ステップS11において、中押え29を針棒1bと連動する位置まで下降させた後、制御装置300は、上軸モータを駆動させて上軸2を回転させ、針棒1bを上下動させるとともに、データエリア304に記憶された縫製データ304aに基づいて、外押えを駆動させて所望の縫い形状の縫製を行う(ステップS12)。なお、縫製データ304aの途中に中押え高さを変更するデータがあれば、そのデータに基づき、中押え高さを変更する。
次いで、制御装置300は、縫製データ304aを終了まで読み取ったか否かを判断し(ステップS15)、縫製データ304aを終了まで読み取っていれば縫製を終了し、まだ縫製の途中であれば、ステップS5に戻り、外押えを縫い始め位置まで移動させる。
次に、図8に示すステップS12における縫製中の中押え高さの調節動作について説明する。
制御装置300は、針棒1bが上位置に移動したときに一針毎の縫製データ、具体的には移動量データ、中押え高さデータ等が更新される。図9に示すように、上軸モータにより上軸2を駆動させると(ステップS31)、制御装置300は針棒1bの位置が上位置であるか否かを判断する(ステップS32)。ここで、制御装置300が、針棒1bが上位置にあると判断すると(ステップS32:YES)、移動量データ、中押え高さデータ等を更新し(ステップS33)、更新したデータに中押え29を上昇させるデータがあるか否かを判断する(ステップS34)。一方、制御装置300が、針棒1bが上位置にないと判断すると(ステップS32:NO)、制御装置300は、更新したデータに中押え29を上昇させるデータがあるか否かを判断する(ステップS34)。
実施形態におけるミシンMによれば、CPU301が駆動制御プログラム305aを実行することにより、調節モータ42は、上軸2が第1の角度まで回転した場合に、中押え29の中押え高さが上昇するように駆動し、上軸2が第2の角度まで回転した場合に、中押え29の中押え高さが下降するように駆動するので、中押え29の上昇開始時と下降開始時をそれぞれ個別に設定することができる。これにより、中押え29の上昇と下降のピッチを自由に設定することができるので、縫製物に合わせてきめ細かな調節を行うことができ、きめ細かな縫製をすることができる。また、図11に示すように、一針毎に中押え29の上昇(A°)と下降(B°)を行うことができるので、中押え29のストロークを広げることができ(h2からH2)、スポンジ等のように弾力性のある縫製物の縫製にも対応できる。
2 上軸(主軸)
29 中押え
39 調節軸
42 調節モータ(調節軸駆動装置)
100 中押え装置
300 制御装置(駆動制御手段)
400 操作パネル(第1の角度設定手段、第2の角度設定手段)
A° 第1の角度
B° 第2の角度
M ミシン
Claims (4)
- 縫い針を縫製物から抜く際に縫製物を針板に向けて押さえ付ける中押えと、
軸回りに回転することにより、前記中押えを前記縫い針の上下動方向に沿って上下動させる主軸と、
この主軸を駆動させる主軸駆動装置と、
軸回りに回転することにより、前記中押えが下死点に到達したときの針板からの高さを調節する調節軸と、
この調節軸を駆動させる調節軸駆動装置と、
前記主軸の初期位置からの回転角度が第1の角度となった場合に、前記中押えが下死点に到達したときの針板からの高さが上昇するように前記調節軸駆動装置を駆動させ、前記主軸の初期位置からの回転角度が第2の角度となった場合に、前記中押えが下死点に到達したときの針板からの高さが下降するように前記調節軸駆動装置を駆動させる駆動制御手段と、
を備えることを特徴とするミシン。 - 前記第1の角度を、前記縫い針の上昇過程における前記主軸の回転角度の範囲内で設定し、
前記第2の角度を、前記縫い針の下降過程における前記主軸の回転角度の範囲内で設定したことを特徴とする請求項1に記載のミシン。 - 前記第1の角度を、前記縫い針の先端が縫製物の上面よりも上方に位置する場合における前記主軸の回転角度の範囲内で設定したことを特徴とする請求項2に記載のミシン。
- 前記第1の角度を設定する第1の角度設定手段と、
前記第2の角度を設定する第2の角度設定手段と、
を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のミシン。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2004354339A JP2006158651A (ja) | 2004-12-07 | 2004-12-07 | ミシン |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2004354339A JP2006158651A (ja) | 2004-12-07 | 2004-12-07 | ミシン |
Publications (1)
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Family
ID=36661276
Family Applications (1)
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JP2004354339A Pending JP2006158651A (ja) | 2004-12-07 | 2004-12-07 | ミシン |
Country Status (1)
Country | Link |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008043360A (ja) * | 2006-08-10 | 2008-02-28 | Brother Ind Ltd | ミシン及びミシンプログラム |
CN111793909A (zh) * | 2019-04-05 | 2020-10-20 | 蛇目缝衣机工业株式会社 | 布压脚上下驱动装置及具备该装置的缝纫机 |
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2004
- 2004-12-07 JP JP2004354339A patent/JP2006158651A/ja active Pending
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Legal Events
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