JP2007143320A - インバータのデッドタイム補償装置 - Google Patents

インバータのデッドタイム補償装置 Download PDF

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Abstract

【課題】デッドタイム補償が正確に動作できるようにした。
【解決手段】電流指令Id*,Iq*は、多重巻線を有するPMモータの電流指令発生部21に入力され、この電流指令発生部21は、各インバータINVa,INVbへの電流指令Id_a*,Iq_a*とId_b*,Iq_b*を発生する。発生された電流指令Id_a*〜Iq_b*は、偏差部22〜25を介して電流制御部12da〜12qbに入力される。電流制御部12da〜12qbは、出力にdq軸の電圧指令が送出され、この電圧指令が座標変換部13a,13bに入力される。座標変換部13a,13bは入力された電圧指令を、3相PMモータ30のUVW相に相当する交流電圧成分に座標変換して出力する。出力された電圧成分は、デットタイム補償値加算部19a,19bでデッドタイムの誤差成分を加算して、その加算値がPWM変調部14a,14bに入力されてPWM変調される。
【選択図】図1

Description

この発明は、3相回転機をインバータにより可変速駆動する際のインバータのデッドタイム補償装置に関するものである。
一般にインバータは、1相当たり、2個のスイッチング素子が直列接続されて直流電源に接続された構成になっている。従って、2個のスイッチング素子が同時に「ON」すると直流電源を短絡させ、過大な短絡電流が発生する。これを防止するためにスイッチング切り換え時に両スイッチング素子とも「OFF」する短絡防止期間(デッドタイム期間)を設けている。
このデッドタイム期間の出力電圧は、電流の極性により変化するため、電圧指令どおりの電圧を出力できなくなり、電圧外乱を起こしてしまう惧れがある。デッドタイムによって発生する電圧外乱を、電流制御系を用いて抑制しようとするが、実際には応答遅れがあるため、出力電流の零クロス付近で歪みが発生する。この対策には、種々の方法があるが、相電流を利用した方式として、図8、図9に示すような方法が適用されている。
図8は、出力電流検出を利用したデッドタイム補償方法であり、図9は、電流指令を利用したデッドタイム補償方法であり、両方法は、電流の種類が異なるだけで原理的には同一の方法であるので、以下図8について述べる。
図8は、多重巻線ではない3相永久磁石を界磁源とする同期電動機(PMモータ)駆動システムに、電流検出によるデッドタイム補償を適用した例である。図8において、実際に使用する場合には速度や位置制御部と組み合わせるが、ここでは、電流制御以降のみのインバータについて述べ、それ以外は図示省略してある。
図8において、Id*,Iq*は電流指令であり、この電流指令Id*,Iq*は、3相PMモータ11の駆動時、界磁極を基準とするd軸とそれに直交するq軸の2軸成分で与えられる。12d,12qは電流制御部で、この電流制御部12d,12qは、通常PI制御などが適用され、その出力にdq軸の電圧指令を送出する。
電流制御部12d,12qから送出されたdq軸の電圧指令は、dq軸を3相PMモータのUVW相に相当する交流電圧成分に座標変換する回転座標変換/2相3相座標変換部(以下座標変換部と称す)13に供給される。
座標変換部13で座標変換された電圧指令は、後述するデッドタイム補償値加算部19を介してPWM変調部14に入力されて電圧指令がPWM変調される。このとき、このPWM変調部14でデッドタイムが生成されるとともに、このPWM変調された指令により図示しない主回路のスイッチング素子が制御されて、3相PMモータ11が駆動される。
15は3相PMモータ11の3相出力電流を検出する出力電流検出センサ、16は3相PMモータ11のd軸位相を検出するための位置検出センサである。出力電流検出センサ15により検出された電流検出値は、前記座標変換部13とは逆の機能を有する逆座標変換部(回転座標変換/3相2相座標変換部)17に入力されて、その電流検出値の結果により、dq軸の2相検出電流成分に逆変換して電流指令Id*,Iq*との偏差が取られる。
また、出力電流検出センサ15により検出された検出電流値は、デッドタイム補償量演算部18にも入力され、この補償量演算部18で検出電流値からデッドタイムによる電圧誤差成分が推定される。デッドタイム補償量演算部18で演算されたデッドタイムの誤差成分は、デッドタイム補償値加算部19に与えられて、座標変換部13で座標変換された電圧指令と加算されてPWM変調部14に入力される。なお、位置検出センサ16の出力位相は座標変換部13と逆座標変換部17に供給される。
図9は、出力電流検出に代えて電流指令を使用した多重巻線ではない3相PMモータ駆動システムにデッドタイム補償を適用した例である。図9において、20は、図8で述べた座標変換部13と同一機能を有する回転座標変換/2相3相座標変換部で、電流指令Id*,Iq*を3相に変換してデッドタイム補償量演算部19に与えるようにした部分が図8と異なるが、それ以外は同一内容である。
上述したPMモータのうち、特に大容量PMモータの設計は極数が多くなる傾向があり、しかも並列回路数も多くなる。このため、大容量PMモータを一台の低圧インバータで駆動するには、低圧インバータには容量限界があるために、駆動することができない惧れがある。この問題を解決するために、PMモータを多重巻線に構成して複数のインバータドライブ装置で駆動するようになってきている。
図10は、多重巻線の3相PMモータ(3相回転機)駆動システムにデッドタイム補償を適用した例で、20a,20bは3相PMモータ20の多重巻線で、これら巻線20a,20bには図8に示したインバータINVa,INVb(図示破線で囲んだ部分)がそれぞれ接続されて3相PMモータ20は駆動される。なお、位置検出センサ16は共通に使用される。
上記のように構成された多重巻線の3相PMモータ駆動システムにおいては、通常、同一電流指令Id*,Iq*を各インバータINVa,INVbに与えて駆動している。そして、このシステムにデッドタイム補償を適用する場合には、各インバータINVa,INVbに個別にデッドタイム補償量演算部18a,18bとデッドタイム補償値加算部19a,19bを設けて行っている。
なお、図10の多重巻線の3相PMモータ駆動システムにおいては、同一の電流指令の例を示したが、実際には多重巻線間の相電流にアンバランスがあっても合成電流が指令値と一致していればトルクや速度制御上は問題がない。実際には、電流のアンバランスがあると、電流が増加した方の損失が増加し温度上昇する問題や、モータの空隙部の磁束分布にアンバランスが発生するため、ギャップ部の吸引力の脈動により磁気騒音が増加する問題もある。しかし、無負荷付近で電流指令が小さい場合には、多少のアンバランスがあっても問題がない。
特許第3229898号 特許第3496943号 特許第3580048号
前述した図8〜図10のシステムでは、電流指令が零に近い場合には、次のような問題が発生する。デッドタイムによる誤差電圧は、電流の極性により変化する。そのため、電流が零付近で正負の極性が頻繁に切り換わる場合には、デッドタイム補償もこれに応じて正確に応答する必要がある。
しかし、出力電流検出センサにオフセット誤差などが生じると、正確な極性が検出できず、正確な電圧補償ができなくなる。従って、上述のようなシステムでは、電流振幅がある程度大きく、電流の極性が1周期に1回ずつ正負にかつ短時間に切り換わる場合には有効であるが、電流が零付近を持続する場合には、正確なデッドタイム補償ができなくなる問題がある。
この発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、インバータへの電流指令にアンバランスを発生させ、インバータへの電流指令が同時に零にならないようにして、相電流が零になり難く、また零を通過する期間を短くすることによって、デッドタイム補償が正確に動作するようにしたインバータのデッドタイム補償装置を提供することを課題とする。
この発明は、上記の課題を達成するために、第1発明は、3相回転機の駆動時にd軸とそれに直交するq軸の2軸成分の電流指令が与えられ、この指令と3相回転機の検出電流成分との偏差を制御し、出力にdq軸の電圧指令を送出する電流制御部と、この電流制御部から送出される電圧指令を3相回転機のUVW相に相当する交流電圧成分に座標変換する回転座標変換/2相3相変換部と、この変換部から送出される電圧指令をPWM変調して前記回転機を駆動させる出力を得るPWM変調部と、前記回転機のd軸位相を検出する位置検出センサと、前記回転機の出力電流を検出する出力電流検出センサと、この出力電流検出センサからの検出値と位置検出センサからの検出値を受け、出力にdq軸の2相検出電流成分を得る3相2相変換/回転座標変換部と、前記出力電流検出センサからの検出値を受け、この検出値からデッドタイムによる電圧誤差成分を推定するデッドタイム補償量演算部と、この演算部からのデッドタイムの電圧誤差成分を前記回転座標変換/2相3相変換部から出力される電圧成分に加算してPWM変調部に与えるデッドタイム補償値加算部とを備えたインバータにおけるデッドタイム補償装置において、前記3相回転機を多重巻線の3相回転機に構成し、この多重巻線の3相回転機を複数のインバータで駆動するときに、複数のインバータへ供給する入力電流指令を、複数の出力電流指令に分配してから供給する電流指令分配発生手段を設け、その電流指令分配発生手段で複数の出力電流指令にアンバランスを発生させて、電流が零クロスする場合に電流変化を急変させて電流が零付近になる領域の変化を大きくなるようにしたことを特徴とするものである。
第2発明は、電流指令分配発生手段が、前記アンバランスをd軸とq軸個別に出力電流指令に設定したことを特徴とするものである。
第3発明は、前記電流指令分配発生手段が、d軸とq軸の電流指令の関係を極座標変換して電流指令の振幅成分と位相成分に変換し、電流指令の振幅成分のみにアンバランスを発生させてから元のdq軸成分に逆座標変換する出力電流指令を送出することを特徴とするものである。
第4発明は、前記電流指令分配発生手段が、直流電流指令を回転座標系に変換し得られた電流に、入力電流指令を加算して出力電流指令を発生するとともに、入力電流指令を減算して出力電流指令を発生し、発生した出力電流指令を別々のインバータに供給したことを特徴とするものである
第5発明は、3相回転機を多重巻線の3相回転機に構成するとともに、多重巻線の中性点を接続し、この多重巻線の中性点が接続された3相回転機を複数のインバータで駆動するときに、複数のインバータへ供給する電流指令を、2相/3相変換と回転座標変換を適用して3相電流指令に変換し、各相に電流アンバランスを発生させて6相の電流指令を生成し、この6相の電流指令のうち、5相分で電流制御を構成して電圧指令を得、残りの1相分は上記5相の電圧指令を合成して生成し、これら電圧指令によりそれぞれPWM変調して中性点が接続された多重巻線の3相回転機を駆動させることを特徴とするものである。
以上述べたように、この発明によれば、多重巻線を有するPMモータ(3相回転機)を複数のインバータで駆動する際に、電流指令または電流検出よりデッドタイムによる誤差成分を推定して電圧補正を加え、電流指令が零付近になるとインバータの電流指令にアンバランスを発生させて、複数のインバータの電流指令が同時に零にならないようにして、相電流が零になり難くし、また零を通過する期間を短くして、デッドタイム補償が正確に動作できるようにした。これにより、電流零クロス付近の歪みを減少させ、また電圧指令と実出力電圧が一致するようになって電圧精度が改善できるようになる。
また、この発明によれば、電流指令が小さくなった場合、インバータ間の電流に直流のアンバランスを発生させて、相電流が零にならないようにし、これによりデッドタイム補償は一定の電流極性を補償するだけでよく、電流極性の切替がないため正確なデッドタイム補償が実行でき、合成電流の電流波形ひずみが発生しない。また、電圧指令と実出力電圧が一致するようになり、電圧精度も改善することができる。
以下この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1はこの発明の実施の形態を示す多重巻線の3相PMモータ駆動システムの構成説明図で、図10と同一部分には同一符号を付して説明する。
なお、図1は、上述した従来のPMモータ駆動システムにおいて、デッドタイム補償が正確に動作できないのは、電流が零付近であり、この付近においてデッドタイム補償が正確にできるように電流のアンバランスを発生させて、電流振幅を大きくするようにしたものである。
[第1実施の形態]
図1において、電流指令Id*,Iq*は、多重巻線を有するPMモータ(3相回転機)の電流指令発生部21(詳細な構成は後述する)に入力され、この電流指令発生部21は、各インバータINVa,INVbへの電流指令Id_a*,Iq_a*とId_b*,Iq_b*を後述のように発生する。発生された電流指令Id_a*,Iq_a*とId_b*,Iq_b*は、偏差部22〜25を介して電流制御部12da,12qaと12db,12qbに入力される。
なお、インバータINVa,INVbは同一構成であるので、以下インバータINVaのみについて以下述べる。
電流制御部12da,12qaは、PI制御等が適用され、出力にdq軸の電圧指令が送出され、この電圧指令が座標変換部13aに入力される。座標変換部13aは入力された電圧指令を、3相PMモータ30のUVW相に相当する交流電圧成分に座標変換して出力する。出力された電圧成分は、デットタイム補償値加算部19aでデッドタイムの誤差成分を加算して、その加算値がPWM変調部14aに入力され、ここでPWM変調される。このPWM変調で図示しないスイッチング素子が制御される。
15aは、3相PMモータ30の3相出力電流を検出する出力電流検出センサ、16は、3相PMモータ30のd軸位相を検出するための位置検出センサである。出力電流検出センサ15aにより検出された電流検出値は、前記座標変換部13aとは逆の機能を有する逆座標変換部17aに入力されて、その電流検出値の結果により、dq軸の2相検出電流成分に逆変換して偏差部22,23に与えられ、ここで、電流指令Id_a*,Iq_a*との偏差が取られる。
また、出力電流検出センサ15aにより検出された検出電流値は、デッドタイム補償量演算部18aにも入力され、この補償量演算部18aで検出電流値からデッドタイムによる電圧誤差成分が推定される。デッドタイム補償量演算部18aで演算されたデッドタイムの誤差成分は、デッドタイム補償値加算部19aに与えられ、座標変換部13aで座標変換された電圧指令と加算されてPWM変調部14aに入力される。なお、位置検出センサ16の出力位相は座標変換部13aと逆座標変換部17aに供給される。
上記のように構成された多重巻線の3相PMモータ駆動システムの各相の合成電流を零に制御したときに、PMモータに複数の巻線が存在するため、各巻線の電流にアンバランスを発生させれば、合成電流は零のまま、各インバータの電流は零でないように対策することができる。
そこで、この第1実施の形態では、多重巻線の3相PMモータの無負荷時における各巻線の電流制御方式を、図2に示すような電流パターンを使用する電流指令の分配特性を用いるようにしたものである。
図2において、横軸が入力電流指令I*,縦軸が多重巻線のそれぞれのインバータへの電流指令Ia*,Ib*である。この電流指令には、次のような特徴がある。
(1)入力電流指令が零近傍の「電流指令区間A」の範囲は、2つの出力電流指令でアンバランスを発生させる。このアンバランスは、2成分の合成は入力電流指令と同一であるが、同時には零にならないようにする。
(2)どちらか一方が電流を零クロスする場合には、電流変化を急変させて、電流が零付近になる領域の変化を大きくする(図2中の丸印で示す部分)。
(3)「電流指令区間A」以外については、入力電流指令と出力電流指令は同一とする。
上記図2に示すような特性を用いることにより、電流零の影響を極力少なくすることができ、また電流零の条件となった場合でも、多重巻線の3相PMモータを駆動するインバータの相電流が同時に電流零にならないようにすることができ、電流検出誤差による影響を半減させることができるようになる。
図3は、図2に示した分配特性を、d軸とq軸の2つの電流指令に個別に設定した時の多重巻線のPMモータ駆動における電流指令発生部21の詳細な構成説明図で、図3において、21daは、図2に示す電流パターンの上側部分を発生する第1電流指令発生部であり、21dbは、図2に示す電流パターンの下側部分を発生する第2電流指令発生部である。
また、21qaは、図2に示す電流パターンの上側部分を発生する第3電流指令発生部であり、21qbは、図2に示す電流パターンの下側部分を発生する第4電流指令発生部である。
第1電流指令発生部21daで発生された電流指令Id_a*は、偏差部22を介して電流制御部12daに与えられ、第2電流指令発生部21dbで発生された電流指令Id_b*は、偏差部24を介して電流制御部12dbに与えられる。
同様に、第3電流指令発生部21qaからの電流指令Iq_a*は、偏差部23を介して電流制御部12qaに、第4電流指令発生部21qbからの電流指令Iq_b*は、偏差部25を介して電流制御部12dbにそれぞれ与えられる。
[第2実施の形態]
図4は第2実施の形態を示す構成説明図で、この第2実施の形態は、電流指令発生部21が、d軸とq軸の電流指令Id*,Iq*を極座標変換部41で極座標変換して、電流指令の振幅成分と位相成分を得てから、振幅成分のみを図3に示す第1電流指令発生部21daと第2電流指令発生部21dbに供給した後、その結果と位相成分を逆極座標変換部42,43に供給して、もとのdq軸成分に変換するように構成したものである。
電流指令または電流検出によりデッドタイムによる誤差成分を推定し電圧補正を加える機能を有する多重巻線の3相PMモータを複数のインバータで駆動するシステムにおいて、電流指令が零付近になるとインバータの電流指令にアンバランスを発生させて、複数のインバータの電流指令が同時に零にならないようにする機能を設ける。
上記のような機能を設けることにより、相電流が零になりなくくすることができ、また零を通過する期間を短くすることもできるようになり、デッドタイム補償が正確に動作させることができるようになり、しかも、電流零クロス付近の歪みを減少させることができ、また、電圧指令と実出力電圧が一致するようになり、電圧精度も改善することができるようになる。
[第3実施の形態]
上述した第1、第2実施の形態として示した電流指令発生部は、交流周波数がある程度高い場合に有効であるが、出力周波数が低く零周波数などの場合には、電流振幅が零でなくても、3相のうち特定の位相が零を継続することがある。このような場合の対応として、各相に交流振幅以上の直流成分(直流オフセット成分)を発生させるようにしたのが、図5に示す第3実施の形態の電流指令発生部である。
図5に示す電流指令発生部は、U相に直流電流ΔIoffsetを、V,W相にΔIoffset/2のオフセットを重畳する例である。この例としては、図8〜図10に示した従来例の電流指令が回転座標であるため、上記直流電流ΔIoffset,ΔIoffset/2のオフセットを3/2相回転座標変換部51に直流電流指令として入力し、この直流電流指令を2相の回転座標系に変換したのち、電流指令Id*,Iq*と加算部52,53で加算して、その加算出力を電流指令Id_a*,Iq_a*としてインバータINVaに供給するとともに、電流指令Id*,Iq*と偏差部(減算部)54,55で偏差(減算)をとって、その偏差(減算)出力を、電流指令Id_b*,Iq_b*としてインバータINVbに供給するようにしたものである。
上記のように電流指令発生部を構成すると、U相電流は図6に示すように、2台のインバータの電流に逆極性の直流オフセットが発生するため、電流の零クロスが発生しなくなる。これにより、デッドタイム補償は常に一定極性の電流で補償を行えばよくなり、安定なデッドタイム補償が実現できる。
上記第3実施の形態のように構成した多重巻線の3相PMモータを複数のインバータで駆動システムにおいて、電流指令が小さくなった場合には、インバータ間の電流に直流のアンバランスを発生させることにより、相電流が零にならないようにすることにより、デッドタイム補償は一定の電流極性を補償するだけでよく、電流極性の切り換えがないため、正確なデッドタイム補償が実行でき、合成電流の電流波形ひずみが発生しない。また、上記第1、第2実施の形態と同様に、電圧指令と実出力電圧が一致するようになり、電圧精度も改善することができるようになる。
[第4実施の形態]
上述した第1〜第3実施の形態は、多重巻線のPMモータの中性点が接続されていない場合でも有効であるが、その巻線の中性点が接続されていると各3相合成電流は零になるため、U相電流にアンバランスを発生させたいときには、V,W相にもアンバランスが発生する。
このため、多重巻線のPMモータの3相の各相を独立にアンバランスさせることができなくなり、2軸成分の電流指令部分にアンバランスを発生させることになる。
従って、多重巻線の中性点が接続されている場合には、PMモータの各相の電流アンバランスは個別に設定できるようになる。この場合には、図1に示すように2軸(dq軸)成分でなく、3相成分に独立にアンバランスを発生させることができるようになる。これが、以下に示す第4実施の形態の内容である。
図7は第4実施の形態を示す構成説明図で、図7において、電流指令Id*,Iq*を回転座標変換/2相3相変換部71に供給して、ここで、2相/3相変換と回転座標変換を行って、3相電流指令に変換したのち、各相に電流アンバランス機能を追加する電流指令発生部72〜77を設ける。これにより、6相の電流指令が生成できる。
この実施の形態のように、PMモータの多重巻線の中性点を接続した場合には、インバータ間に横流成分が発生するようになるため、6個の相電流指令が存在することになる。6相の合成電流は零であるため、最終的には5個の独立な成分が存在することになる。そのため、電流制御部78〜82は5相分のみ構成し、残りの1相分は電流制御部78〜82の5相の電圧指令を電流合成部83で合成して他の5相の電圧指令を生成している。
上記のように構成することにより、U,V,W相の各相ごとに個別に電流をアンバランスにすることができるようになる。
なお、この第4実施の形態においても、上記第1、第2実施の形態と同様な作用効果が得られる。
この発明の実施の形態を示す多重巻線の3相PMモータ駆動システムの構成説明図。 電流指令の分配特性図。 第1実施の形態を示す電流指令発生部の構成説明図。 第2実施の形態を示す電流指令発生部の構成説明図。 第3実施の形態を示す電流指令発生部の構成説明図。 相電流の例を示す説明図。 第4実施の形態を示す構成説明図。 出力電流検出に基づいたデッドタイム補償方法による3相PMモータ駆動システムの構成説明図。 電流指令に基づいたデッドタイム補償方法による3相PMモータ駆動システムの構成説明図。 出力電流検出に基づいたデッドタイム補償方法による多重巻線の3相PMモータ駆動システムの構成説明図。
符号の説明
12da〜12db…電流制御部
13a,13b…回転座標変換/2相3相変換部
14a,14b…PWM変調部
15a,15b…出力電流検出センサ
16…位置検出センサ
17a,17b…3/2相回転座標変換部
18a,18b…デッドタイム補償量演算部
19a,19b…デッドタイム補償値加算部
21…多重巻線PMモータの電流指令発生部
21da,21db,21qa,21qb…第1〜第4電流指令発生部
20、30…多重巻線の3相PMモータ
INVa,INVb…インバータ

Claims (5)

  1. 3相回転機の駆動時にd軸とそれに直交するq軸の2軸成分の電流指令が与えられ、この指令と3相回転機の検出電流成分との偏差を制御し、出力にdq軸の電圧指令を送出し、この電圧指令を3相回転機のUVW相に相当する交流電圧成分に変換し、PWM変調して前記回転機を駆動させるインバータを備え、前記インバータにデッドタイム補償量演算部とデッドタイム補償値加算部とを設けたインバータにおけるデッドタイム補償装置において、
    前記3相回転機を多重巻線の3相回転機に構成し、この多重巻線の3相回転機を複数のインバータで駆動するときに、複数のインバータへ供給する入力電流指令を、複数の出力電流指令に分配してから供給する電流指令分配発生手段を設け、その電流指令分配発生手段で複数の出力電流指令にアンバランスを発生させて、電流が零クロスする場合に電流変化を急変させて電流が零付近になる領域の変化を大きくなるようにしたことを特徴とするインバータのデッドタイム補償装置。
  2. 請求項1記載のインバータのデッドタイム補償装置において、
    前記電流指令分配発生手段は、前記アンバランスをd軸とq軸個別に出力電流指令に設定したことを特徴とするインバータのデッドタイム補償装置。
  3. 請求項1記載のインバータのデッドタイム補償装置において、
    前記電流指令分配発生手段は、d軸とq軸の電流指令の関係を極座標変換して電流指令の振幅成分と位相成分に変換し、電流指令の振幅成分のみにアンバランスを発生させてから元のdq軸成分に逆座標変換する出力電流指令を送出することを特徴とするインバータのデッドタイム補償装置。
  4. 請求項1記載のインバータのデッドタイム補償装置において、
    前記電流指令分配発生手段は、直流電流指令を回転座標系に変換し得られた電流に、入力電流指令を加算して出力電流指令を発生するとともに、入力電流指令を減算して出力電流指令を発生し、発生した出力電流指令を別々のインバータに供給したことを特徴とするインバータのデッドタイム補償装置。
  5. 3相回転機の駆動時にd軸とそれに直交するq軸の2軸成分の電流指令が与えられ、この指令と3相回転機の検出電流成分との偏差を制御し、出力にdq軸の電圧指令を送出し、この電圧指令を3相回転機のUVW相に相当する交流電圧成分に変換し、PWM変調して前記回転機を駆動させるインバータを備え、前記インバータにデッドタイム補償量演算部とデッドタイム補償値加算部とを設けたインバータにおけるデッドタイム補償装置において、
    前記3相回転機を多重巻線の3相回転機に構成するとともに、多重巻線の中性点を接続し、この多重巻線の中性点が接続された3相回転機を複数のインバータで駆動するときに、複数のインバータへ供給する電流指令を、2相/3相変換と回転座標変換を適用して3相電流指令に変換し、各相に電流アンバランスを発生させて6相の電流指令を生成し、この6相の電流指令のうち、5相分で電流制御を構成して電圧指令を得、残りの1相分は上記5相の電圧指令を合成して生成し、これら電圧指令によりそれぞれPWM変調して中性点が接続された多重巻線の3相回転機を駆動させることを特徴とするインバータのデッドタイム補償装置。

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