JP2019088050A - モータ制御装置及びモータ制御方法 - Google Patents

モータ制御装置及びモータ制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】制御モードの切り替え時でも指令値によるトルク制御を可能とし、切り替え時のトルク変動を抑制するとともに応答性に優れたモータ制御装置及びモータ制御方法を提供する。【解決手段】このモータ制御装置100及びモータ制御方法は、正弦波制御モードから矩形波制御モードへの切り替え時に、正弦波制御モード時の最後の電圧位相θvを初期電圧位相θv1として電圧位相設定部502に出力するとともに、電圧位相θvによるトルク制御を行いながら移行電圧指令値|Va’|を正弦波制御モード時の最後の電圧指令値|Va|から矩形波形成電圧値|Va1|まで連続的に増加させる。これにより、生成される駆動信号Su、Sv、Swは切り替え時の連続性が維持され、トルク変動の少ないスムーズな制御モードの切り替えを行うことができる。【選択図】図1

Description

本発明は、PMモータの制御において、特に正弦波制御と矩形波制御の切り替え時のトルク変動を抑制したモータ制御装置及びモータ制御方法に関するものである。
多くの家電や機械設備の動力源として電動モータが使用されている。このうち、回転子側に永久磁石を設け、固定子側に電機子巻線を設け、この電機子巻線の磁界を制御することで回転子を回転させるPM(Permanent Magnet)モータ(永久磁石モータ)は、界磁損失が存在しないため低損失、高効率であり、近年の省エネルギー化の流れから大型の機械機器にも多く採用されている。そして、このPMモータの制御方法としては、先ず、外部(システムの上位の制御部等)から指示されるトルク指令値と、PMモータの現在のトルクTとに基づいて三相電圧指令値Vu、Vv、Vwを生成するとともに、この三相電圧指令値Vu、Vv、Vwを三角波比較して駆動信号Su、Sv、Swを生成する。そして、この駆動信号Su、Sv、Swによってインバータをスイッチング動作させることで流下する3相交流の駆動電流Iu、Iv、Iwによって行う事が一般的である。また、この駆動信号Su、Sv、Swの生成は、PMモータの運転状況に応じて正弦波制御と矩形波制御とを切り替えて行うものが多い。この制御方法では、一般的に中・低速回転の動作領域ではモータ効率の高い正弦波パターンを用いた正弦波制御(PWM制御)によって動作制御を行い、高速回転・高トルクの動作領域では出力電圧が高く高出力が可能な矩形波パターンを用いた矩形波制御にて動作制御を行う。
ここで、正弦波パターンとは、振幅のピークが三角波の頂点を越えない大きさの三相電圧指令値Vu、Vv、Vwの三角波比較により生成される駆動信号Su、Sv、Swのパターンである。また、矩形波パターンとは、三相電圧指令値Vu、Vv、Vwのそれぞれが電気角1周期のうちに三角波と2回交差して、Hi期間とLow期間とが電気角1周期のうちに1回ずつ生成される駆動信号Su、Sv、Swのパターンである。さらに、駆動信号Su、Sv、Swのパターンには過変調パターンがあり、この過変調パターンは正弦波パターンを形成する振幅よりも大きく、矩形波パターンを形成する振幅よりも小さい三相電圧指令値Vu、Vv、Vwにより生成される駆動信号Su、Sv、Swのパターンである。
しかしながら、正弦波制御と矩形波制御とでは同一の電圧位相であっても正弦波制御よりも矩形波制御の方が出力するトルクが大きく、単純な切り替え動作では切り替え時にトルク変動が生じ好ましいものではない。この問題点に関し下記[特許文献1]では、切り替え時の正弦波の位相と振幅とを切替初期値に設定し、また切り替え時と同等のトルクを出力する矩形波の位相を切替目標値に設定するとともに無限大の振幅を切替目標値に設定し、制御モードの切り替え時には切替初期値から切替目標値へ向けて電圧波形の位相及び振幅を同時且つ連続的に変更させる。そして、電圧波形が切替目標値となったところで矩形波制御に切り替えることで、切り替え時のトルク変動を抑制している。
特開平11−285288号公報
しかしながら、[特許文献1]に記載の発明では、切替初期値から切替目標値への移行期間中は指令値によるトルク制御ができないため、移行期間中にトルク変動が生じる虞がある。また、移行期間中にトルク指令値が変化した場合、このトルク指令値の変化に対応できず切り替え直後にトルク変動が生じる虞がある。また、移行期間中にインバータの電源電圧やPMモータの回転速度に変化があった場合でも、これらの変化に対応できず移行期間中にトルク変動が生じる虞がある。さらに、移行期間中は再切り替えが出来ないため応答性が悪いという問題点がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、制御モードの切り替え時でも指令値によるトルク制御を可能とし、切り替え時のトルク変動を抑制するとともに応答性に優れたモータ制御装置及びモータ制御方法の提供を目的とする。
(1)PMモータ10に3相交流の駆動電流Iu、Iv、Iwを流下させるインバータ20と、前記駆動電流Iu、Iv、(Iw)の値を取得する駆動電流検出部12u、12vと、前記PMモータ10の電気角θを取得する角度検出部14と、前記電気角θに基づいて前記駆動電流検出部12u、12vが取得した前記駆動電流Iu、Iv、(Iw)をd軸フィードバック電流値Id、q軸フィードバック電流値Iqに変換する3相/dq変換部22と、外部からのトルク指令値Tに基づいてd軸電流指令値Id、q軸電流指令値Iqを設定し正弦波制御モードにおけるd軸電圧指令値Vd、q軸電圧指令値Vqを生成する正弦波制御部40と、外部からのトルク指令値Tに基づいて電圧位相θvと電圧指令値|Va|とを設定し矩形波制御モードにおけるd軸電圧指令値Vd、q軸電圧指令値Vqを生成する矩形波制御部50と、前記d軸電圧指令値Vd、q軸電圧指令値Vqの生成を前記正弦波制御部40と前記矩形波制御部50とで切り替える切替部24と、前記d軸電圧指令値Vd、q軸電圧指令値Vqを三相電圧指令値Vu、Vv、Vwに変換するdq/3相変換部32と、前記三相電圧指令値Vu、Vv、Vwと所定の周期の三角波とを比較して前記インバータ20をスイッチングする駆動信号Su、Sv、Swを生成する駆動信号生成部36と、を有するモータ制御装置において、
前記切替部24による制御モードの切り替え時に動作するモード移行部80をさらに有し、
前記モード移行部80は、
正弦波制御モード時のd軸電圧指令値Vd’’、q軸電圧指令値Vq’’を極座標変換して得られる電圧位相θvと電圧指令値|Va|とを初期電圧位相θv1と移行電圧指令値|Va’|の初期値として取得し、正弦波制御モードから矩形波制御モードへの切り替え時に前記矩形波制御部50に出力するとともに、前記駆動信号Su、Sv、Swが矩形波パターンとなる矩形波形成電圧値|Va1|を取得して、前記移行電圧指令値|Va’|を前記初期値から矩形波形成電圧値|Va1|へと連続的に増大させて前記矩形波制御部50に出力し、前記移行電圧指令値|Va’|に基づいてd軸電圧指令値Vd、q軸電圧指令値Vqを生成させることを特徴とするモータ制御装置100を提供することにより、上記課題を解決する。
(2)PMモータ10に3相交流の駆動電流Iu、Iv、Iwを流下させるインバータ20と、前記駆動電流Iu、Iv、(Iw)の値を取得する駆動電流検出部12u、12vと、前記PMモータ10の電気角θを取得する角度検出部14と、前記電気角θに基づいて前記駆動電流検出部12u、12vが取得した前記駆動電流Iu、Iv、(Iw)をd軸フィードバック電流値Id、q軸フィードバック電流値Iqに変換する3相/dq変換部22と、外部からのトルク指令値Tに基づいてd軸電流指令値Id、q軸電流指令値Iqを設定し正弦波制御モードにおけるd軸電圧指令値Vd、q軸電圧指令値Vqを生成する正弦波制御部40と、外部からのトルク指令値Tに基づいて電圧位相θvと電圧指令値|Va|とを設定し矩形波制御モードにおけるd軸電圧指令値Vd、q軸電圧指令値Vqを生成する矩形波制御部50と、前記d軸電圧指令値Vd、q軸電圧指令値Vqの生成を前記正弦波制御部40と前記矩形波制御部50とで切り替える切替部24と、前記d軸電圧指令値Vd、q軸電圧指令値Vqを三相電圧指令値Vu、Vv、Vwに変換するdq/3相変換部32と、前記三相電圧指令値Vu、Vv、Vwと所定の周期の三角波とを比較して前記インバータ20をスイッチングする駆動信号Su、Sv、Swを生成する駆動信号生成部36と、を有するモータ制御装置において、
前記切替部24による制御モードの切り替え時に動作するモード移行部80をさらに有し、
前記モード移行部80は、
矩形波制御モード時に前記矩形波制御部50が出力するd軸電圧指令値Vd、q軸電圧指令値Vqをd軸電圧指令値の初期値Vd1、q軸電圧指令値の初期値Vq1として前記正弦波制御部40に出力するとともに、d軸電流指令値の初期値Id1及びq軸電流指令値の初期値Iq1を算出するための移行データIfbを前記d軸フィードバック電流値Id、q軸フィードバック電流値Iqに基づいて算出して前記正弦波制御部40に出力し、
矩形波制御モードから正弦波制御モードへの切り替えの直後に前記d軸電圧指令値の初期値Vd1、前記q軸電圧指令値の初期値Vq1、前記d軸電流指令値の初期値Id1、前記q軸電流指令値の初期値Iq1に基づいて切替時d軸電圧指令値Vd、切替時q軸電圧指令値Vqを生成して前記dq/3相変換部32に出力させることを特徴とするモータ制御装置100を提供することにより、上記課題を解決する。
(3)前記モード移行部80が、
矩形波制御モードから正弦波制御モードへの切り替え時に前記矩形波制御部50が出力した電圧指令値|Va|を移行電圧指令値|Va’|の初期値として取得するとともに、前記駆動信号Su、Sv、Swが正弦波パターンもしくは過変調パターンとなる正弦波モード移行電圧値|Va2|を取得して、前記矩形波制御モードを継続しながら前記移行電圧指令値|Va’|を前記初期値から前記正弦波モード移行電圧値|Va2|まで連続的に減少させて前記矩形波制御部50に出力し、前記移行電圧指令値|Va’|に基づいてd軸電圧指令値Vd、q軸電圧指令値Vqを生成させ、その後、前記切替部24が前記正弦波制御部40による制御モードに切り替えることを特徴とする上記(2)記載のモータ制御装置100を提供することにより、上記課題を解決する。
(4)PMモータ10に3相交流の駆動電流Iu、Iv、Iwを流下させるインバータ20と、前記駆動電流Iu、Iv、(Iw)の値を取得する駆動電流検出部12u、12vと、前記PMモータ10の電気角θを取得する角度検出部14と、前記電気角θに基づいて前記駆動電流検出部12u、12vが取得した前記駆動電流Iu、Iv、(Iw)をd軸フィードバック電流値Id、q軸フィードバック電流値Iqに変換する3相/dq変換部22と、外部からのトルク指令値Tに基づいてd軸電流指令値Id、q軸電流指令値Iqを設定し正弦波制御モードにおけるd軸電圧指令値Vd、q軸電圧指令値Vqを生成する正弦波制御部40と、外部からのトルク指令値Tに基づいて電圧位相θvと電圧指令値|Va|とを設定し矩形波制御モードにおけるd軸電圧指令値Vd、q軸電圧指令値Vqを生成する矩形波制御部50と、前記d軸電圧指令値Vd、q軸電圧指令値Vqの生成を前記正弦波制御部40と前記矩形波制御部50とで切り替える切替部24と、前記d軸電圧指令値Vd、q軸電圧指令値Vqを三相電圧指令値Vu、Vv、Vwに変換するdq/3相変換部32と、前記三相電圧指令値Vu、Vv、Vwと所定の周期の三角波とを比較して前記インバータ20をスイッチングする駆動信号Su、Sv、Swを生成する駆動信号生成部36と、を有するモータ制御装置において、
前記切替部24による制御モードの切り替え時に動作するモード移行部80をさらに有し、
前記モード移行部80は、
正弦波制御モード時のd軸電圧指令値Vd’’、q軸電圧指令値Vq’’を極座標変換して得られる電圧位相θvと電圧指令値|Va|とを初期電圧位相θv1と移行電圧指令値|Va’|の初期値として取得し、正弦波制御モードから矩形波制御モードへの切り替え時に前記矩形波制御部50に出力するとともに、前記駆動信号Su、Sv、Swが矩形波パターンとなる矩形波形成電圧値|Va1|を取得して、前記移行電圧指令値|Va’|を前記初期値から矩形波形成電圧値|Va1|へと連続的に増大させて前記矩形波制御部50に出力し、前記移行電圧指令値|Va’|に基づいてd軸電圧指令値Vd、q軸電圧指令値Vqを生成させ、
矩形波制御モード時には前記矩形波制御部50が出力するd軸電圧指令値Vd、q軸電圧指令値Vqをd軸電圧指令値の初期値Vd1、q軸電圧指令値の初期値Vq1として前記正弦波制御部40に出力するとともに、d軸電流指令値の初期値Id1及びq軸電流指令値の初期値Iq1を算出するための移行データIfbを前記d軸フィードバック電流値Id、q軸フィードバック電流値Iqに基づいて算出して前記正弦波制御部40に出力し、
矩形波制御モードから正弦波制御モードへの切り替え時に前記矩形波制御部50が出力した電圧指令値|Va|を移行電圧指令値|Va’|の初期値として取得するとともに、前記駆動信号Su、Sv、Swが正弦波パターンもしくは過変調パターンとなる正弦波モード移行電圧値|Va2|を取得して、前記矩形波制御モードを継続しながら前記移行電圧指令値|Va’|を前記初期値から前記正弦波モード移行電圧値|Va2|まで連続的に減少させて前記矩形波制御部50に出力し、前記移行電圧指令値|Va’|に基づいてd軸電圧指令値Vd、q軸電圧指令値Vqを生成させ、その後、前記切替部24が前記正弦波制御部40による正弦波制御モードに切り替え、
前記正弦波制御モードへの切り替えの直後に前記d軸電圧指令値の初期値Vd1、前記q軸電圧指令値の初期値Vq1、前記d軸電流指令値の初期値Id1、前記q軸電流指令値の初期値Iq1に基づいて切替時d軸電圧指令値Vd、切替時q軸電圧指令値Vqを生成して前記dq/3相変換部32に出力させることを特徴とするモータ制御装置100を提供することにより、上記課題を解決する。
(5)前記三角波の立ち下がりの中央位置が前記三相電圧指令値Vu、Vv、Vwの立ち上がりのゼロ位置と交差し、さらに前記三角波の周波数を前記三相電圧指令値Vu、Vv、Vwの周波数の奇数の3の整数倍に維持することを特徴とする上記(1)乃至(4)のいずれかに記載のモータ制御装置100を提供することにより、上記課題を解決する。
(6)PMモータ10に3相交流の駆動電流Iu、Iv、Iwを流下させるインバータ20と、前記駆動電流Iu、Iv、(Iw)の値を取得する駆動電流検出部12u、12vと、前記PMモータ10の電気角θを取得する角度検出部14と、前記電気角θに基づいて前記駆動電流検出部12u、12vが取得した前記駆動電流Iu、Iv、(Iw)をd軸フィードバック電流値Id、q軸フィードバック電流値Iqに変換する3相/dq変換部22と、外部からのトルク指令値Tに基づいてd軸電流指令値Id、q軸電流指令値Iqを設定し正弦波制御モードにおけるd軸電圧指令値Vd、q軸電圧指令値Vqを生成する正弦波制御部40と、外部からのトルク指令値Tに基づいて電圧位相θvと電圧指令値|Va|とを設定し矩形波制御モードにおけるd軸電圧指令値Vd、q軸電圧指令値Vqを生成する矩形波制御部50と、前記d軸電圧指令値Vd、q軸電圧指令値Vqの生成を前記正弦波制御部40と前記矩形波制御部50とで切り替える切替部24と、前記d軸電圧指令値Vd、q軸電圧指令値Vqを三相電圧指令値Vu、Vv、Vwに変換するdq/3相変換部32と、前記三相電圧指令値Vu、Vv、Vwと所定の周期の三角波とを比較して前記インバータ20をスイッチングする駆動信号Su、Sv、Swを生成する駆動信号生成部36と、前記切替部24による制御モードの切り替え時に動作するモード移行部80と、を有するモータ制御装置100のモータ制御方法であって、
前記モード移行部80は、
正弦波制御モード時のd軸電圧指令値Vd’’、q軸電圧指令値Vq’’を極座標変換して得られる電圧位相θvと電圧指令値|Va|とを初期電圧位相θv1と移行電圧指令値|Va’|の初期値として取得するステップと、
正弦波制御モードから矩形波制御モードへの切り替え時に、
前記初期電圧位相θv1と移行電圧指令値|Va’|の初期値とを前記矩形波制御部50に出力するステップと、
前記駆動信号Su、Sv、Swが矩形波パターンとなる矩形波形成電圧値|Va1|を取得するステップと、
前記移行電圧指令値|Va’|を前記初期値から矩形波形成電圧値|Va1|へと連続的に増大させて前記矩形波制御部50に出力し前記移行電圧指令値|Va’|に基づいてd軸電圧指令値Vd、q軸電圧指令値Vqを生成させるステップと、を行うことを特徴とするモータ制御方法を提供することにより、上記課題を解決する。
(7)PMモータ10に3相交流の駆動電流Iu、Iv、Iwを流下させるインバータ20と、前記駆動電流Iu、Iv、(Iw)の値を取得する駆動電流検出部12u、12vと、前記PMモータ10の電気角θを取得する角度検出部14と、前記電気角θに基づいて前記駆動電流検出部12u、12vが取得した前記駆動電流Iu、Iv、(Iw)をd軸フィードバック電流値Id、q軸フィードバック電流値Iqに変換する3相/dq変換部22と、外部からのトルク指令値Tに基づいてd軸電流指令値Id、q軸電流指令値Iqを設定し正弦波制御モードにおけるd軸電圧指令値Vd、q軸電圧指令値Vqを生成する正弦波制御部40と、外部からのトルク指令値Tに基づいて電圧位相θvと電圧指令値|Va|とを設定し矩形波制御モードにおけるd軸電圧指令値Vd、q軸電圧指令値Vqを生成する矩形波制御部50と、前記d軸電圧指令値Vd、q軸電圧指令値Vqの生成を前記正弦波制御部40と前記矩形波制御部50とで切り替える切替部24と、前記d軸電圧指令値Vd、q軸電圧指令値Vqを三相電圧指令値Vu、Vv、Vwに変換するdq/3相変換部32と、前記三相電圧指令値Vu、Vv、Vwと所定の周期の三角波とを比較して前記インバータ20をスイッチングする駆動信号Su、Sv、Swを生成する駆動信号生成部36と、前記切替部24による制御モードの切り替え時に動作するモード移行部80と、を有するモータ制御装置100のモータ制御方法であって、
前記モード移行部80は、
矩形波制御モード時に前記矩形波制御部50が出力するd軸電圧指令値Vd、q軸電圧指令値Vqをd軸電圧指令値の初期値Vd1、q軸電圧指令値の初期値Vq1として前記正弦波制御部40に出力するとともに、d軸電流指令値の初期値Id1及びq軸電流指令値の初期値Iq1を算出するための移行データIfbを前記d軸フィードバック電流値Id、q軸フィードバック電流値Iqに基づいて算出して前記正弦波制御部40に出力するステップを行い、
さらに、矩形波制御部モードから正弦波制御モードへの切り替えの直後に前記d軸電圧指令値の初期値Vd1、前記q軸電圧指令値の初期値Vq1、前記d軸電流指令値の初期値Id1、前記q軸電流指令値の初期値Iq1に基づいて切替時d軸電圧指令値Vd、切替時q軸電圧指令値Vqを生成して前記dq/3相変換部32に出力させるステップを有することを特徴とするモータ制御方法を提供することにより、上記課題を解決する。
(8)前記モード移行部80が、
矩形波制御モードから正弦波制御モードへの切り替え時に前記矩形波制御部50が出力した電圧指令値|Va|を移行電圧指令値の初期値|Va’|として取得するステップと、
前記駆動信号Su、Sv、Swが正弦波パターンもしくは過変調パターンとなる正弦波モード移行電圧値|Va2|を取得するステップと、
前記矩形波制御モードを継続しながら前記移行電圧指令値|Va’|を前記初期値から前記正弦波モード移行電圧値|Va2|まで連続的に減少させて前記矩形波制御部50に出力するステップと、
前記移行電圧指令値|Va’|に基づいてd軸電圧指令値Vd、q軸電圧指令値Vqを生成させるステップと、
前記切替部24が前記正弦波制御部40による制御モードに切り替えるステップと、をさらに有することを特徴とする上記(7)記載のモータ制御方法を提供することにより、上記課題を解決する。
(9)PMモータ10に3相交流の駆動電流Iu、Iv、Iwを流下させるインバータ20と、前記駆動電流Iu、Iv、(Iw)の値を取得する駆動電流検出部12u、12vと、前記PMモータ10の電気角θを取得する角度検出部14と、前記電気角θに基づいて前記駆動電流検出部12u、12vが取得した前記駆動電流Iu、Iv、(Iw)をd軸フィードバック電流値Id、q軸フィードバック電流値Iqに変換する3相/dq変換部22と、外部からのトルク指令値Tに基づいてd軸電流指令値Id、q軸電流指令値Iqを設定し正弦波制御モードにおけるd軸電圧指令値Vd、q軸電圧指令値Vqを生成する正弦波制御部40と、外部からのトルク指令値Tに基づいて電圧位相θvと電圧指令値|Va|とを設定し矩形波制御モードにおけるd軸電圧指令値Vd、q軸電圧指令値Vqを生成する矩形波制御部50と、前記d軸電圧指令値Vd、q軸電圧指令値Vqの生成を前記正弦波制御部40と前記矩形波制御部50とで切り替える切替部24と、前記d軸電圧指令値Vd、q軸電圧指令値Vqを三相電圧指令値Vu、Vv、Vwに変換するdq/3相変換部32と、前記三相電圧指令値Vu、Vv、Vwと所定の周期の三角波とを比較して前記インバータ20をスイッチングする駆動信号Su、Sv、Swを生成する駆動信号生成部36と、前記切替部24による制御モードの切り替え時に動作するモード移行部80と、を有するモータ制御装置100のモータ制御方法であって、
前記モード移行部80は、
正弦波制御モード時のd軸電圧指令値Vd’’、q軸電圧指令値Vq’’を極座標変換して得られる電圧位相θvと電圧指令値|Va|とを初期電圧位相θv1と移行電圧指令値|Va’|の初期値として取得するステップと、
正弦波制御モードから矩形波制御モードへの切り替え時に、
前記初期電圧位相θv1と移行電圧指令値|Va’|の初期値とを前記矩形波制御部50に出力するステップと、
前記駆動信号Su、Sv、Swが矩形波パターンとなる矩形波形成電圧値|Va1|を取得するステップと、
前記移行電圧指令値|Va’|を前記初期値から矩形波形成電圧値|Va1|へと連続的に増大させて前記矩形波制御部50に出力し前記移行電圧指令値|Va’|に基づいてd軸電圧指令値Vd、q軸電圧指令値Vqを生成させるステップと、を行い、
矩形波制御モード時には、前記矩形波制御部50が出力するd軸電圧指令値Vd、q軸電圧指令値Vqをd軸電圧指令値の初期値Vd1、q軸電圧指令値の初期値Vq1として前記正弦波制御部40に出力するとともに、d軸電流指令値の初期値Id1及びq軸電流指令値の初期値Iq1を算出するための移行データIfbを前記d軸フィードバック電流値Id、q軸フィードバック電流値Iqに基づいて算出して前記正弦波制御部40に出力するステップを行い、
さらに、矩形波制御モードから正弦波制御モードへの切り替え時に前記矩形波制御部50が出力した電圧指令値|Va|を移行電圧指令値の初期値|Va’|として取得するステップと、
前記駆動信号Su、Sv、Swが正弦波パターンもしくは過変調パターンとなる正弦波モード移行電圧値|Va2|を取得するステップと、
前記矩形波制御モードを継続しながら前記移行電圧指令値|Va’|を前記初期値から前記正弦波モード移行電圧値|Va2|まで連続的に減少させて前記矩形波制御部50に出力するステップと、
前記移行電圧指令値|Va’|に基づいてd軸電圧指令値Vd、q軸電圧指令値Vqを生成させるステップと、
前記切替部24が前記正弦波制御部40による正弦波制御モードに切り替えるステップと、
前記正弦波制御モードへの切り替えの直後に前記d軸電圧指令値の初期値Vd1、前記q軸電圧指令値の初期値Vq1、前記d軸電流指令値の初期値Id1、前記q軸電流指令値の初期値Iq1に基づいて切替時d軸電圧指令値Vd、切替時q軸電圧指令値Vqを生成して前記dq/3相変換部32に出力させるステップを有することを特徴とするモータ制御方法を提供することにより、上記課題を解決する。
(10)前記三角波の立ち下がりの中央位置が前記三相電圧指令値Vu、Vv、Vwの立ち上がりのゼロ位置と交差し、さらに前記三角波の周波数を前記三相電圧指令値Vu、Vv、Vwの周波数の奇数の3の整数倍に維持することを特徴とする上記(6)乃至(9)のいずれかに記載のモータ制御方法を提供することにより、上記課題を解決する。
本発明に係るモータ制御装置及びモータ制御方法は、制御モードの切り替え時に矩形波制御モードによるトルク制御を行いながら、駆動信号を正弦波パターン(過変調パターン)と矩形波パターンとの間で連続的に変化させる。これにより、トルク変動の少ないスムーズな制御モードの切り替えを行うことができる。また、移行期間中にも再切り替えが可能となり応答性が高い。また、移行期間は矩形波制御モードによるトルク制御が行われるため、移行期間中にトルク指令値や電源電圧、PMモータの回転速度に変化があった場合でも、これらの変化は随時反映され、制御モードの切り替え時にトルク変動を引き起こすことはない。
本発明に係るモータ制御装置のブロック図である。 モータの運転状況と制御モードの切り替えを説明する図である。 本発明に係るモータ制御装置の三角波と三相電圧指令値Vuの位置関係を説明する図である。 本発明に係るモータ制御方法の矩形波制御モードへの移行時の動作を示すフローチャートである。 本発明に係るモータ制御方法の正弦波制御モードへの移行時の動作を示すフローチャートである。 本発明に係るモータ制御装置及びモータ制御方法の三角波を説明する図である。
本発明に係るモータ制御装置100及びモータ制御方法の実施の形態について図面に基づいて説明する。ここで、図1は本発明に係るモータ制御装置100のブロック図である。先ず、本発明に係るモータ制御装置100は、PMモータ(永久磁石モータ)10の動作を制御するものであり、このPMモータ10に3相交流の駆動電流Iu、Iv、Iwを流下させるインバータ20と、この駆動電流Iu、Iv、(Iw)の値を取得する駆動電流検出部12u、12vと、PMモータ10の電気角θを取得する角度検出部14と、駆動電流検出部12u、12vが取得した駆動電流Iu、Iv、(Iw)をd軸フィードバック電流値Id、q軸フィードバック電流値Iqに変換する3相/dq変換部22と、外部(システムの上位の制御部等)から指示されるトルク指令値Tに基づいてd軸電流指令値Id、q軸電流指令値Iqを設定し正弦波制御モードにおけるd軸電圧指令値Vd、q軸電圧指令値Vqを生成する正弦波制御部40と、同じく外部から指示されるトルク指令値Tに基づいて電圧位相θvと電圧指令値|Va|とを設定し矩形波制御モードにおけるd軸電圧指令値Vd、q軸電圧指令値Vqを生成する矩形波制御部50と、PMモータ10の制御を正弦波制御部40と矩形波制御部50とで切り替える切替部24と、正弦波制御部40もしくは矩形波制御部50から出力されたd軸電圧指令値Vd、q軸電圧指令値VqをU相、V相、W相の三相電圧指令値Vu、Vv、Vwに変換するdq/3相変換部32と、この三相電圧指令値Vu、Vv、Vwと所定の周期の三角波とを比較してインバータ20をスイッチングする駆動信号Su、Sv、Swを生成する駆動信号生成部36と、切替部24による制御モードの切り替え時に所定の動作を行うモード移行部80と、を有している。
本発明に係るモータ制御装置100を構成するインバータ20は駆動信号生成部36から出力されるHi−Lowの駆動信号Su、Sv、Swによってスイッチング動作して、バッテリ等の周知の直流電源部18からの直流電力を駆動信号Su、Sv、Swに基づく3相の交流電圧に変換して出力する。これにより、PMモータ10の電機子巻線には位相が1/3周期(2/3π(rad))づつずれた3相の駆動電流Iu、Iv、Iwがそれぞれ流下する。
また、PMモータ10は、前述のように回転子側に永久磁石を設けるとともに、固定子側に3相の電機子巻線を設け、この3相の電機子巻線に前述の駆動電流Iu、Iv、Iwをそれぞれ流下させることで各電機子巻線の磁極及び磁束を連続的に変化させ、回転子を回転させるものである。尚、PMモータ10としては永久磁石を回転子に埋め込んだIPM(Interior Permanent Magnet)モータを用いることが好ましい。
また、駆動電流検出部12u、12vはインバータ20のスイッチング動作によって流下する駆動電流Iu、Iv、Iwを非接触で取得可能な周知の電流センサを用いることができる。尚、本例では駆動電流Iu、Iv、Iwのうちの2つの駆動電流Iu、Ivを取得し、d軸、q軸フィードバック電流値Id、Iqに変換する例を示している。
また、角度検出部14としては、回転子の角度を取得可能な周知の角度センサを用いることができる。中でもレゾルバ回転角センサを用いて、PMモータ10の電気角θを取得することが特に好ましい。尚、上記の電気角θと駆動電流Iu、Ivの取得は、三角波の頂点と谷の両方のタイミングで行い、三角波の半周期毎にモータ制御装置100の各部にて使用することが好ましい。そして、角度検出部14が取得した電気角θは角速度演算部16にも出力され、この角速度演算部16は入力した電気角θから電気角速度ω(rad/s)を算出し、モータ制御装置100の各部に出力する。
また、3相/dq変換部22は、角度検出部14が取得したPMモータ10の電気角θ(rad)に基づいて駆動電流検出部12u、12vが取得した駆動電流Iu、Iv、(Iw)の値に対する3相2相変換及び回転座標変換を行い、駆動電流Iu、Iv、(Iw)をd軸電流値(磁束分電流値)Idとq軸電流値(トルク分電流値)Iqとに変換する。そして、これらをd軸フィードバック電流値Id、q軸フィードバック電流値Iqとして切替部24に出力する。
切替部24はPMモータ10の運転状況(トルク、回転数)に応じてd軸電圧指令値Vd、q軸電圧指令値Vqの生成方法を切り替える切り替え回路であり、PMモータ10が中・低速回転の図2の領域A(正弦波制御領域A)で動作する場合には正弦波制御部40による正弦波制御モードによってPMモータ10を動作させる。また、PMモータ10が高回転速度、高トルクの図2の領域B(矩形波制御領域B)で動作する場合にはPMモータ10の制御を矩形波制御部50に切り替えて矩形波制御モードによって動作させる。尚、正弦波制御領域Aと矩形波制御領域Bとの切替値(切替ラインC)は直流電源部18の電圧値により変化する。この直流電源部18の電圧値ごとの切替値は図示しないメモリ部等に予め設定しておき、切替部24が直流電源部18の電圧値に応じた切替値を適宜取得して用いることが好ましい。また、一致する電圧値が無い場合、前後の電圧の切替値から適切な切替値を演算等により取得して用いることが好ましい。そして、PMモータ10の運転状況(トルク、回転数)が切替値を越える場合には後述する各ステップを行い制御モードの切り替えを行う。尚、正弦波制御モードから矩形波制御モードへの切り替え時の切替値と、矩形波制御モードから正弦波制御モードへの切り替え時の切替値とにはヒステリシス幅を付与し、切替値の境界での頻繁な切り替え動作を防止することが好ましい。
次に、正弦波制御部40の構成及び動作を説明する。尚、以下で説明する正弦波制御部40の構成は本発明に好適な一例であるから、下記の構成に限定されるわけではなく、他の如何なる正弦波制御機構を用いても良い。
先ず、上位システムの制御部等からトルク指令値Tが出力される。このトルク指令値TはPMモータ10の動作目標となるトルクである。そして、このトルク指令値Tは切替部24が正弦波制御部40を選択している場合、正弦波制御部40の電流指令値設定部402に入力する。また、電流指令値設定部402にはトルク計算部404からPMモータ10の現在のトルクTが入力する。
ここで、トルク計算部404はPMモータ10のモータパラメータとしての誘起電圧定数φa、d軸インダクタンスLd、q軸インダクタンスLq等を有している。尚、誘起電圧定数φa、d軸インダクタンスLd、q軸インダクタンスLqは予め設定された固定値としても良いし、PMモータ10の温度や動作状況に応じて予め設定された適切な値を例えばデータテーブル等から適宜取得するようにしても良い。そして、トルク計算部404はこれらの値と、後述するd軸、q軸フィードバック電流値Id、Iqもしくは電流指令値生成部406から出力されるd軸、q軸電流指令値Id、Iqに基づいて、PMモータ10の現在のトルクTを例えば下記式に基づいて算出する。尚、本例ではd軸、q軸電流指令値Id、Iqに基づいてトルクTを算出する例を示している。
T=P(φaIq+(Ld−Lq)IdIq) [N・m]
P:PMモータの永久磁石の極対数
φa:誘起電圧定数
Ld:d軸インダクタンス
Lq:q軸インダクタンス
そして、電流指令値設定部402はトルク指令値Tと現在のトルクTとに基づいてトルクTがトルク指令値Tをとるような電流指令値Iaを設定し、電流指令値生成部406に出力する。尚、電流指令値Iaは積分制御、比例制御などの演算により算出しても良い。また、電流指令値Iaにはリミッタ値を設定しても良く、このリミッタ値は電気角速度ωと電源電圧Vdcとに対応した値をテーブルデータから読み出すようにしても良い。また、リミッタの最大値のみを設定して、これを用いても良い。
電流指令値生成部406は、例えば電流指令値設定部402から入力した電流指令値Iaの電流位相角θiをテーブルデータ等から取得して、これら電流指令値Iaと電流位相角θiとに基づいてd軸電流指令値Id、q軸電流指令値Iqを算出し、正弦波制御部40の電圧指令値生成部416に出力する。このとき、モータ電圧を周知の演算式と前述のモータパラメータ(φa、Ld、Lq)及び電気角速度ω、d軸、q軸電流指令値Id、Iqより求め、このモータ電圧の大きさがK×Vdc(K:電圧利用率設定値)の値を超えないようにd軸、q軸電流指令値Id、Iqを調整することで、正弦波制御領域と矩形波制御領域との間に過変調制御や弱め磁束制御領域を設けることが可能となり、中高速動作領域での出力向上を図ることができる。また、電圧利用率Kを変更することで任意の電圧利用率でd軸、q軸電流指令値Id、Iqを設定することができる。尚、電圧利用率Kを用いたd軸、q軸電流指令値Id、Iqの調整は、前述のモータパラメータ(φa、Ld、Lq)と、角速度演算部16からの電気角速度ω、直流電源部18からの電源電圧Vdc等に基づいた周知の電圧制御、比例制御、積分制御等により行う事が好ましい。また、電流位相角θiに対する積分制御、比例制御などの演算により算出しても良い。さらに、d軸電流指令値Id、q軸電流指令値Iqには必要に応じて電流リミッタを設けても良い。
ここで、電圧指令値生成部416の好適な一例を説明する。先ず、電圧指令値生成部416に入力したd軸、q軸電流指令値Id、Iqは2分岐して、一方は非干渉制御部414に入力する。そして、非干渉制御部414にてd軸、q軸電流指令値Id、Iq間で干渉する速度起電力成分が算出され、d軸、q軸電圧指令値Vd’、Vq’として電流制御部410に出力される。また、d軸、q軸電流指令値Id、Iqの他方は、減算部412においてd軸、q軸フィードバック電流値Id、Iqが減算されて変動成分ΔId、ΔIqとされた後、電流制御部410に入力する。
電流制御部410は、例えば電流積分制御部410aと電流比例制御部410bを有しており、電流制御部410に入力した変動成分ΔId、ΔIqは2分岐して、電流積分制御部410aと電流比例制御部410bのそれぞれに入力する。そして、電流積分制御部410aにおいて周知の電流積分制御が施される。また、電流比例制御部410bにおいて周知の電流比例制御が施される。そして、電流積分制御部410aの出力に非干渉制御部414からのd軸、q軸電圧指令値Vd’、Vq’が加算された後、電流比例制御部410bからの出力が加算されd軸電圧指令値Vd、q軸電圧指令値Vqが生成される。このd軸電圧指令値Vd、q軸電圧指令値Vqは切替部24を介して制御信号生成部30に出力される。
尚、電流制御部410には、このd軸、q軸電圧指令値Vd、Vqに基づく三相電圧指令値Vu、Vv、Vwがインバータ20の出力限界となる最大電圧(1パルスの矩形波電圧となる電圧)の近傍とならないように制限するリミッタ部を設けることが好ましい。そして、このリミッタ部は電流比例制御部410bからの出力が加算される前段に設けることが好ましい。また、リミッタ部の制限電圧は後述の同期制御部420が設定する三角波の同期数に準じて設定することが好ましい。
また、電流比例制御部410bの出力が加算される前段のd軸、q軸電圧指令値Vd’’、Vq’’は正弦波制御部40の極座標変換部418に出力され、この極座標変換部418において極座標変換が施され電圧位相θvと、電圧指令値|Va|とが取得される。そして、極座標変換部418は電圧位相θvを同期制御部420とモード移行部80とに出力する。また、電圧指令値|Va|を線形補正部38とモード移行部80とに出力する。
また、正弦波制御部40の同期制御部420は、極座標変換部418で得られた電圧位相θvと電気角速度ωと電気角θとから後述する三角波のキャリア設定情報Scを生成し三角波生成部34に出力する。尚、キャリア設定情報Scに関しては後述する。
次に、矩形波制御部50の構成及び動作を説明する。尚、以下で説明する矩形波制御部50の構成は本発明に好適な一例であるから、下記の構成に限定されるわけではなく、他の如何なる矩形波制御機構を用いても良い。
先ず、切替部24はPMモータ10が図2の切替値(切替ラインC)を越えて高回転速度、高トルクの動作領域Bでの動作状態となると、PMモータ10の制御を正弦波制御部40から矩形波制御部50に切り替える。尚、このときの切り替え動作に関しては後述する。これにより、トルク指令値Tは矩形波制御部50の電圧位相設定部502に入力する。また、矩形波制御部50のトルク計算部504にはd軸フィードバック電流値Id、q軸フィードバック電流値Iqが入力する。尚、トルク計算部504は正弦波制御部40のトルク計算部404と同様にモータパラメータを有しており、これらモータパラメータとd軸、q軸フィードバック電流値Id、IqとからPMモータ10の現在のトルクTを算出して、電圧位相設定部502に出力する。そして、電圧位相設定部502は、トルク指令値TとトルクTとから、PMモータ10が目標のトルクで動作するような電圧位相θvを積分制御、比例制御などにより生成する。そして、矩形波制御部50の電圧指令値生成部516と同期制御部520に出力する。
同期制御部520は電圧位相θvと電気角速度ωと電気角θとから三角波を設定するためのキャリア設定情報Scを生成する。尚、キャリア設定情報Scに関しては後述する。また、同期制御部520は三角波と三相電圧指令値Vu、Vv、Vwとが、三相電圧指令値Vu、Vv、Vwの1周期の間で2回交差する、即ち、三角波比較により生成される駆動信号Su、Sv、Swが1パルスの矩形波となるような電圧指令値|Va|を取得し電圧指令値生成部516に出力する。尚、同期制御部520による電圧指令値|Va|の設定は、電圧指令値|Va|の値を予め三角波の同期数毎にデータテーブルに設定しておき、同期制御部520が三角波の同期数を決定すると同時に、この同期数と対応した電圧指令値|Va|を選択して設定することが好ましい。そして、同期制御部520はこの電圧指令値|Va|を電圧指令値生成部516、線形補正部38に出力する。尚、この矩形波を形成する電圧指令値|Va|は後述の矩形波形成電圧値|Va1|としても利用することが好ましい。
また、電圧指令値生成部516は、電圧位相設定部502から入力した電圧位相θvと、同期制御部520から入力した電圧指令値|Va|とから、d軸電圧指令値Vd、q軸電圧指令値Vqを生成する。
尚、矩形波制御部50はオフセット等による変動成分を補正する補正部70を有していても良い。ここで、補正部70の一例を以下に示す。尚、以下で説明する補正部70の構成は本発明に好適な一例であるから、下記の構成に限定されるわけではい。
本例に示す補正部70は、平滑部72と、補正電流生成部74と、補正電圧生成部76と、電圧指令値補正部78と、を有している。そして、補正部70の平滑部72は、切替部24を介して入力したd軸、q軸フィードバック電流値Id、Iqを例えば移動平均処理もしくはなまし処理を行ってそれぞれ平滑化する。尚、ここでのなまし処理とは、入力信号(d軸、q軸フィードバック電流値Id、Iq)に対し、任意の周期ごとに下記(1)式の処理を行う事で平滑化する処理を意味する。
C=B(1−K)+K×A・・・・(1)
ここで、Aは入力値(d軸、q軸フィードバック電流値Id、Iq)であり、Bは直前の周期のなまし処理後の出力値であり、Kはなまし定数であり、Cが出力値(推定d軸、q軸電流指令値Id、Iq)である。
この平滑化処理により、駆動電流Iu、Iv、Iwのオフセットや振幅アンバランスに起因する変動成分が平滑化された疑似的な推定d軸電流指令値Id、推定q軸電流指令値Iqが生成される。そして、これら推定d軸、q軸電流指令値Id、Iqは補正電流生成部74に出力される。
また、補正電流生成部74にはd軸フィードバック電流値Id、q軸フィードバック電流値Iqがそれぞれ入力しており、補正電流生成部74は平滑部72で生成された推定d軸電流指令値Id、推定q軸電流指令値Iqからd軸フィードバック電流値Id、q軸フィードバック電流値Iqをそれぞれ減算する。これにより、変動成分としてのd軸補正電流ΔId、q軸補正電流ΔIqが生成される。そして、これらd軸補正電流ΔId、q軸補正電流ΔIqを補正電圧生成部76に出力する。尚、このd軸補正電流ΔId、q軸補正電流ΔIqは、オフセットや振幅アンバランスの成分(変動成分)が平滑化した推定d軸、q軸電流指令値Id、Iqからオフセットや振幅アンバランスの成分(変動成分)を含むd軸、q軸フィードバック電流値Id、Iqをそれぞれ減算したものであるから、基本的に変動成分の逆相をとる。
また、補正電圧生成部76は、補正電流生成部74から入力したd軸補正電流ΔId、q軸補正電流ΔIqから、例えば所定の補正ゲイン(Kd、Kq)による比例制御等によりd軸補正電圧ΔVd、q軸補正電圧ΔVqを生成し、電圧指令値補正部78に出力する。
電圧指令値補正部78は、補正電圧生成部76から入力したd軸補正電圧ΔVd、q軸補正電圧ΔVqを電圧指令値生成部516から出力したd軸電圧指令値Vd、q軸電圧指令値Vqにそれぞれ加算する。よってこれにより生成されたd軸、q軸電圧指令値Vd、Vqには駆動電流Iu、Iv、Iwに生じるオフセットや振幅アンバランス成分の逆の電圧(d軸、q軸補正電圧ΔVd、ΔVq)が加味されたものとなる。そして、これらd軸電圧指令値Vd、q軸電圧指令値Vqは切替部24を介して制御信号生成部30に入力する。尚、上記の補正部70により補正されたd軸電圧指令値Vd、q軸電圧指令値Vqは上記のようにオフセットや振幅アンバランス成分の逆の電圧が加味されているから、これにより駆動するPMモータ10のオフセット等は補正され解消される。
次に、同期制御部420、520が出力するキャリア設定情報Scに関して説明を行う。先ず、このキャリア設定情報Scは三角波生成部34で生成される三角波の周波数を適切な状態に維持するものである。ここで、キャリア設定情報Scが設定する三角波は、図3中の点Aに示すように、三角波の立ち下がりの中央位置が三相電圧指令値Vu、Vv、Vwの立ち上がりのゼロ位置と交差し、さらに三角波の周波数が三相電圧指令値Vu、Vv、Vwの周波数の奇数の3の整数倍、即ち、9、15、21、27倍等(以後、この倍数を同期数とする)となるものである。尚、三角波の同期数は電気角速度ωに応じて設定される。また、三角波の周波数を三相電圧指令値Vu、Vv、Vwの周波数の奇数の3の整数倍とする理由に関しては後述する。
尚、本例ではキャリア設定情報Scの生成に使用する電圧位相θvとして、(電流比例制御部410bの出力加算前の)d軸、q軸電圧指令値Vd’’、Vq’’から求めた電圧位相θv、もしくは、(比例制御が行われる)補正部70の前で分岐した電圧位相θvを用いる。ここで、電圧位相θvが短期的な振動成分である比例制御成分を含む場合、三角波の周期(キャリア設定情報Sc)もこの比例制御成分に応じて短期的に振動する。これは、三角波比較で生成される駆動信号Su、Sv、Swを変動させ、出力電圧、電流、トルクの変動要因となる。しかしながら、本例では上記のように比例制御成分(短期的な振動成分)を含まない電圧位相θvを用いてキャリア設定情報Scを設定するため、三角波及び駆動信号Su、Sv、Swが安定し、これにより出力電圧、電流、トルクを安定化することができる。また、比例制御成分を含まない電圧位相θvを用いることで、同期制御部420、520、電圧位相設定部502等の制御ゲインを大きくとることが可能となり、これらの応答性の向上を図ることができる。
そして、同期制御部420、520は電圧位相θvと電気角θとに基づいて三角波の中央位置と三相電圧指令値Vu(Vv、Vw)のゼロ位置とが交差し、さらに三角波の周波数が設定された同期数(三相電圧指令値Vu、Vv、Vwの周波数の奇数の3の整数倍)となるような三角波の周期を設定する。また、同期制御部420、520は電気角速度ωの変化に連動して周期の設定情報を変化させ、三角波を上記の状態に追従、維持させる。さらに、同期制御部420、520は電気角速度ωが予め設定された所定の値を超えた場合、同期数を1段階下げてキャリア設定情報Scを設定し出力する。また、電気角速度ωが予め設定された所定の値を下回った場合、同期数を1段階上げてキャリア設定情報Scを設定し出力する。尚、同期数を変化させる電気角速度ωの値は同期数毎にデータテーブル等に予め記憶しておき、同期制御部420、520は入力した電気角速度ωに応じて対応する同期数をデータテーブルから取得し設定を行う事が好ましい。このとき、同期数を上下する電気角速度ωにはヒステリシス幅を持たせることが好ましい。尚、これらの三角波の周期の変化と連動して、前述の補正電圧生成部76の補正ゲイン(Kd、Kq)、平滑部72の時定数、各制御のゲイン等は調整され再設定される。
次に、制御信号生成部30の好適な一例を説明する。尚、以下で説明する制御信号生成部30の構成は本発明に好適な一例であるから、下記の構成に限定されるわけではなく、他の如何なる制御信号生成機構を用いても良い。
先ず、正弦波制御部40もしくは矩形波制御部50から出力したd軸電圧指令値Vd、q軸電圧指令値Vqは制御信号生成部30のdq/3相変換部32に入力する。尚、制御信号生成部30は、dq/3相変換部32の前段に矩形波制御時、過変調制御時におけるd軸、q軸電圧指令値Vd、Vq及び電圧指令値|Va|と、インバータ出力電圧の基本波成分との非線形性を補正するための線形補正部38を有していても良い。尚、この線形補正部38で用いる補正値は例えば変調率や電圧指令値|Va|等と対応して設定することが好ましい。
尚、本例では線形補正部38に入力する電圧指令値|Va|として、(電流比例制御部410bの出力加算前の)d軸、q軸電圧指令値Vd’’、Vq’’から求めた電圧指令値|Va|、もしくは(比例制御が行われる)補正部70よりも前段の(補正部70のd軸補正電圧ΔVd、q軸補正電圧ΔVqの短期的な振動成分を含まない)同期制御部520が出力する電圧指令値|Va|(または|Va’|)を用いる。ここで、電圧指令値|Va|が短期的な振動成分である比例制御成分を含む場合、補正値がこの振動成分の影響によって変動する。これにより、後段の三相電圧指令値Vu、Vv、Vw、駆動信号Su、Sv、Swも変動し出力電圧、電流、トルクの変動要因となる。しかしながら、本例では上記のように比例制御成分を含まない比較的安定した電圧指令値|Va|を基に補正値を設定するため、安定した三相電圧指令値Vu、Vv、Vw、駆動信号Su、Sv、Swを生成でき、出力電圧、電流、トルクの安定化を図ることができる。また、比例制御成分を含まない電圧指令値|Va|を基に補正値を設定することで、電流比例制御部410b、補正電圧生成部76のゲインを大きくとることが可能となり、これらの応答性の向上を図ることができる。
また、dq/3相変換部32には角度検出部14からの電気角θと角速度演算部16からの電気角速度ωが入力し、この電気角θと電気角速度ωとに基づいてインバータ20がスイッチング動作を行う新たなタイミングの予測電気角θ’を算出し、この予測電気角θ’に基づいてd軸、q軸電圧指令値Vd、Vqを三相電圧指令値Vu、Vv、Vwに変換し、駆動信号生成部36に出力する。
駆動信号生成部36は三角波生成部34を有しており、この三角波生成部34には前述のキャリア設定情報Scが入力して、このキャリア設定情報Scに基づいた周期の三角波を生成する。尚、このときの三角波は同期制御部420、520からのキャリア設定情報Scによって、三角波の立ち下がりの中央位置が三相電圧指令値Vu、Vv、Vwの立ち上がりのゼロ位置と交差し、さらに周波数が三相電圧指令値Vu、Vv、Vwの奇数の3の整数倍の三角波となる。
そして、駆動信号生成部36はこの三角波と三相電圧指令値Vu、Vv、Vwとをそれぞれ三角波比較する。このとき、三角波の振幅は上記のキャリア設定情報Scによって増減する。よって、三相電圧指令値Vu、Vv、Vwを三角波の振幅と比例する換算係数によって調整し、この調整後の三相電圧指令値Vu、Vv、Vwを用いて三角波比較を行う。これにより、Hi−Lowの駆動信号Su、Sv、Swが生成される。
インバータ20は駆動信号生成部36から出力される駆動信号Su、Sv、Swにより内部のスイッチング素子がオン・オフし、直流電源部18からの直流電力を駆動信号Su、Sv、Swに基づく交流電圧に変換して出力する。これにより、PMモータ10の電機子巻線には位相が1/3周期(2/3π(rad))づつずれた交流の駆動電流Iu、Iv、Iwがそれぞれ流下する。これにより、PMモータ10がトルク指令値Tに応じたトルクで回転動作する。
次に、本発明に係るモータ制御装置100及びモータ制御方法の特徴部分であるモード移行部80の動作を説明する。ここで、図4は正弦波制御モードから矩形波パターン制御モードへの切り替え時の動作フローチャートである。また、図5は矩形波制御モードから正弦波制御モードへの切り替え時の動作フローチャートである。
初めに、本発明に係るモータ制御装置100及びモータ制御方法の第1の形態である矩形波制御モードから正弦波制御モードへの切り替え時の動作を説明する。先ず、正弦波制御モードにおいては、正弦波制御部40がトルク指令値Tに基づくd軸電圧指令値Vd、q軸電圧指令値Vqを生成し、このd軸電圧指令値Vd、q軸電圧指令値Vqに基づいて駆動信号Su、Sv、Swが生成される。このときの駆動信号Su、Sv、Swは、正弦波制御部40が過変調制御や弱め磁束制御を可能とする場合には、正弦波パターンもしくは過変調パターンとなる。また、正弦波制御部40が過変調制御機能もしくは弱め磁束制御機能を備えない場合には正弦波パターンとなる。そして、PMモータ10はこれら正弦波パターンもしくは過変調パターンの駆動信号Su、Sv、Swによって動作制御される(ステップS102)。
また、このとき正弦波制御部40の極座標変換部418は、前述のように電流制御部410における電流比例制御成分が加算される前のd軸、q軸電圧指令値Vd’’、Vq’’を極座標変換して電圧位相θvと電圧指令値|Va|とを算出する。そして、モード移行部80はこの電圧位相θvと電圧指令値|Va|とをそれぞれ取得し(ステップS104)、これを初期電圧位相θv1及び移行電圧指令値|Va’|の初期値とする(ステップS105)。尚、電圧位相θvと電圧指令値|Va|は随時変動し、これに伴って初期電圧位相θv1、移行電圧指令値|Va’|の初期値も変化する。尚、上記のように初期電圧位相θv1及び移行電圧指令値|Va’|の初期値は比例制御成分を含まないd軸、q軸電圧指令値Vd’’、Vq’’から求めたものであるから短期的な変動が少なく後述の移行期間中の出力を安定化することができる。
次に、外部からのトルク指令値Tが増大するなどしてPMモータ10の運転状況(トルク、回転数)が切替値(切替ラインC)を越えて矩形波制御領域Bとなった場合(ステップS106:Yes)、切替部24は直ちにd軸電圧指令値Vd、q軸電圧指令値Vqの生成部を正弦波制御部40から矩形波制御部50に切り替える(ステップS108)。尚、モータ制御装置100が後述の第2の形態を備えている場合には、制御部が矩形波制御部50に切り替わることで、後述のステップS203、S204が行われ、矩形波制御部50の出力するd軸、q軸電圧指令値Vd、Vqがd軸、q軸電圧指令値の初期値Vd1、Vq1として正弦波制御部40に出力されるとともに、d軸フィードバック電流値Id、q軸フィードバック電流値Iqに基づいて移行データIfbが算出される。
また、このときモード移行部80は初期電圧位相θv1を矩形波制御部50の電圧位相設定部502に出力するとともに、移行電圧指令値|Va’|の初期値(=|Va|)を同期制御部520に出力する(ステップS110)。
次に、モード移行部80は同期制御部520から駆動信号Su、Sv、Swが1パルスの矩形波パターンとなるような矩形波形成電圧値|Va1|を取得する(ステップS112)。
次に、モード移行部80は移行電圧指令値|Va’|を初期値(=|Va|)から矩形波形成電圧値|Va1|まで例えば予め設定された所定の時定数に基づいて連続的に増大させ同期制御部520に出力する(ステップS114〜ステップS116)。
尚、同期制御部520はモード移行部80から移行電圧指令値|Va’|が入力している場合には、トルク指令値Tによらず、この移行電圧指令値|Va’|を電圧指令値生成部516と切替部24とに出力する。ただし、初期電圧位相θv1は矩形波制御部50への制御部切り替え時に出力されるのみで、その後はトルク指令値Tに応じた電圧位相θvとなる。従って、ステップS114〜ステップS116の移行期間におけるd軸、q軸電圧指令値Vd、Vqは、電圧位相θvと移行電圧指令値|Va’|とに基づいて生成されるものとなる。尚、移行電圧指令値|Va’|の初期値は正弦波制御部40で使用されていた正弦波パターン(もしくは過変調パターン)を形成する電圧指令値|Va|であり、また移行電圧指令値|Va’|の最終値である矩形波形成電圧値|Va1|は矩形波パターンを形成する電圧指令値であるから、この移行期間において駆動信号Su、Sv、Swは電圧位相θvによるトルク制御が行われながら正弦波パターンもしくは過変調パターンから矩形波パターンへと連続的に変化する。
そして、移行電圧指令値|Va’|が矩形波形成電圧値|Va1|以上となった場合(ステップS116:Yes)、モード移行部80は移行電圧指令値|Va’|の出力を停止して、矩形波制御部50による矩形波制御モードに完全に移行する(ステップS118)。これにより、矩形波制御部50はトルク指令値Tに応じた電圧位相θvと矩形波形成電圧値|Va1|によってd軸、q軸電圧指令値Vd、Vqを生成し、制御信号生成部30側に出力する。これにより、PMモータ10は矩形波パターンの駆動信号Su、Sv、Swにより動作制御される。
このように、本発明に係るモータ制御装置100及びモータ制御方法では、正弦波制御モードから矩形波制御モードへ切り替える際に、電圧位相θvによるトルク制御を行いながら駆動信号Su、Sv、Swを正弦波パターン(もしくは過変調パターン)から矩形波パターンに連続的に変化させる。このため、トルク変動の少ないスムーズな制御モードの切り替えを行うことができる。
次に、本発明に係るモータ制御装置100及びモータ制御方法の第2の形態である矩形波制御モードから正弦波制御モードへの切り替え時の動作を説明する。先ず、矩形波制御モードにおいては、矩形波制御部50がトルク指令値Tに基づくd軸電圧指令値Vd、q軸電圧指令値Vqを生成し、このd軸電圧指令値Vd、q軸電圧指令値Vqに基づいて駆動信号Su、Sv、Swが生成される。このときの駆動信号Su、Sv、Swは前述のように基本的に1パルスの矩形波パターンとなる。そして、PMモータ10はこの矩形波パターンの駆動信号Su、Sv、Swによって動作制御される(ステップS202)。
この矩形波制御部50による制御時には、矩形波制御部50が出力するd軸、q軸電圧指令値Vd、Vqが正弦波制御部40の電圧指令値生成部416にd軸、q軸電圧指令値の初期値Vd1、Vq1として直接もしくはモード移行部80を介して出力される(ステップS203)。そして、入力したd軸、q軸電圧指令値の初期値Vd1、Vq1には非干渉制御部414のd軸、q軸間の干渉成分(d軸、q軸電圧指令値Vd’、Vq’)がそれぞれ減算された後、電流積分制御部410aに入力して電流制御部410の積分値となる。ただし、矩形波制御モード時にはこの電流制御部410の積分値等はPMモータ10の制御には関与しない。尚、この初期値Vd1、Vq1は矩形波制御部50が出力するd軸電圧指令値Vd、q軸電圧指令値Vqの変動に応じて随時変化する。
また、このときモード移行部80は3相/dq変換部22からのd軸フィードバック電流値Id、q軸フィードバック電流値Iqを取得する。そして、d軸電流指令値の初期値Id1、q軸電流指令値の初期値Iq1を算出するための移行データIfbを算出する(ステップS204)。尚、この移行データIfbは例えば、d軸、q軸フィードバック電流値Id、Iqを用いて演算により求められる電流指令値設定部402内部、電流指令値生成部406内部の積分制御部の積分値等であり、矩形波制御部50から正弦波制御部40への切り替え直後において電流指令値設定部402、電流指令値生成部406が取得できないデータを補完するものである。尚、この移行データIfbの取得は後述の移行期間にも同様に行われる。
次に、外部からのトルク指令値Tが減少するなどしてPMモータ10の運転状況(トルク、回転数)が切替値(切替ラインC)を越えて正弦波制御領域Aとなった場合(ステップS206:Yes)、モード移行部80はこの時に同期制御部520が出力した電圧指令値|Va|を取得する。そして、この電圧指令値|Va|を移行電圧指令値|Va’|の初期値とする(ステップS208)。また、モード移行部80は駆動信号Su、Sv、Swが正弦波パターン(もしくは過変調パターン)をとるような正弦波モード移行電圧値|Va2|を取得する(ステップS210)。尚、正弦波モード移行電圧値|Va2|は例えば正弦波制御モードにおける電圧指令値|Va|の上限値(電流制御部410のリミッタ部のリミッタ値)等の予め設定された固定値を用いることが好ましい。
次に、モード移行部80は移行電圧指令値|Va’|を初期値(=|Va|)から正弦波モード移行電圧値|Va2|まで例えば予め設定された所定の時定数に基づいて連続的に減少させ同期制御部520に出力する(ステップS212〜ステップS216)。尚、この移行期間中においても矩形波制御部50が出力する初期値Vd1、Vq1は正弦波制御部40に継続して出力され(ステップS214)、また移行データIfbは随時更新される(ステップS215)。
尚、同期制御部520は前述と同様にモード移行部80から移行電圧指令値|Va’|が入力している場合には、トルク指令値Tによらず、この移行電圧指令値|Va’|を電圧指令値生成部516と切替部24とに出力する。従って、ステップS212〜ステップS216の移行期間におけるd軸、q軸電圧指令値Vd、Vqは、前述と同様に電圧位相θvと移行電圧指令値|Va’|とに基づいて生成されるものとなる。そして、移行電圧指令値|Va’|の初期値(=|Va|)は矩形波制御時の電圧指令値であり、また移行電圧指令値|Va’|の最終値である正弦波モード移行電圧値|Va2|は正弦波パターンもしくは過変調パターンを形成する電圧指令値であるから、この移行期間において駆動信号Su、Sv、Swは電圧位相θvによるトルク制御が行われながら矩形波パターンから過変調パターンもしくは正弦波パターンへと連続的に変化する。また、この移行期間においてトルク指令値Tや電源電圧Vdc、電気角速度ωに変化があった場合でも、これらの変化はトルク制御及び移行データIfbに随時反映される。
そして、移行電圧指令値|Va’|が正弦波モード移行電圧値|Va2|以下となった場合(ステップS216:Yes)、モード移行部80は移行電圧指令値|Va’|の出力を停止するとともに、切替部24はd軸電圧指令値Vd、q軸電圧指令値Vqの生成部を矩形波制御部50から正弦波制御部40に切り替える(ステップS218)。また、このときモード移行部80は移行データIfbを正弦波制御部40の電流指令値設定部402、電流指令値生成部406に出力する(ステップS220)。これにより、電流指令値設定部402、電流指令値生成部406は移行データIfbに基づいてd軸電流指令値の初期値Id1、q軸電流指令値の初期値Iq1を算出し、電圧指令値生成部416に出力する。
また、電圧指令値生成部416にはd軸、q軸電圧指令値の初期値Vd1、Vq1が入力しd軸、q軸の電流積分制御の積分値となっているから、よって正弦波制御部40への切り替え直後においては、これらd軸、q軸電圧指令値の初期値Vd1、Vq1、d軸電流指令値の初期値Id1、q軸電流指令値の初期値Iq1に基づいて切替時d軸電圧指令値Vd、切替時q軸電圧指令値Vqが生成され制御信号生成部30側に出力される(ステップS222)。これにより、正弦波制御部40への切り替え直後は、切替時d軸電圧指令値Vd、切替時q軸電圧指令値Vqに基づく駆動信号Su、Sv、SwによりPMモータ10の制御が行われる。
その後、モータ制御装置100は正弦波制御部40による正弦波制御モードに完全に移行する(ステップS224)。これにより、正弦波制御部40はトルク指令値Tに応じたd軸電流指令値Id、q軸電流指令値Iqによってd軸、q軸電圧指令値Vd、Vqを生成し、制御信号生成部30側に出力する。これにより、PMモータ10は正弦波パターンもしくは過変調パターンの駆動信号Su、Sv、Swにより動作制御される。
このように、本発明に係るモータ制御装置100及びモータ制御方法では、矩形波制御モードから正弦波制御モードへ切り替える際に、電圧位相θvによるトルク制御を行いながら駆動信号Su、Sv、Swを矩形波パターンから正弦波パターン(もしくは過変調パターン)に連続的に変化させ、正弦波パターン(もしくは過変調パターン)となったところで正弦波制御モードへの切り替えを行う。また、正弦波制御モードへの切り替え直後にはモード移行時の最後の値(d軸電圧指令値の初期値Vd1、q軸電圧指令値の初期値Vq1、d軸電流指令値の初期値Id1、q軸電流指令値の初期値Iq1)に基づいて切替時d軸、q軸電圧指令値Vd、Vqが生成され、PMモータ10の動作制御が行われる。このため、制御部の切り替えの前後で制御値が連続しトルク変動の少ないスムーズな制御モードの切り替えを行うことができる。
また、本発明に係るモータ制御装置100及びモータ制御方法では、モード切り替え時の移行期間中は移行電圧指令値|Va’|に基づいた矩形波制御部50による制御が行われる。従って、移行期間中にPMモータ10の運転状況が変化し再切り換えが必要となった場合でも、そのまま再切り換え動作に移行することができる。特に第1の形態及び第2の形態の双方を備えたモータ制御装置100では、例えば、正弦波制御モードから矩形波制御モードへの切り替え動作中に正弦波制御モードへ再切り替えが生じた場合、そのままステップS208〜ステップS216に移行し、矩形波制御部50による移行動作を経た後、ステップS218〜ステップS224により正弦波制御モードへの切り替えを行うことができる。また、矩形波制御モードから正弦波制御モードへの切り替え動作中に矩形波制御モードへ再切り替えが生じた場合、そのままステップS110〜ステップS116に移行した後、矩形波制御部50による矩形波制御モードでの制御を継続することができる。このように、本発明に係るモータ制御装置100及びモータ制御方法では、移行期間中においても制御モードの再切り替えに対応することができる他、移行期間中もトルク指令値Tに基づいた電圧位相θvによってトルク制御が行われるため、応答性に優れた動作制御を行うことができる。
尚、モータ制御装置100の正弦波制御部40が過変調制御や弱め磁束制御に対応し、且つ、過変調パターンの制御領域で矩形波制御部50と同等の矩形波形成電圧値|Va1|の電圧出力が可能な場合、即ち正弦波モード移行電圧値|Va2|と矩形波形成電圧値|Va1|とが略同等な場合には上記のステップS208〜ステップS216の制御は省略しても良い。この場合でも、矩形波制御モードから正弦波制御モードへ切り替え直後には切替時d軸、q軸電圧指令値Vd、Vqが生成され、トルク変動の少ないスムーズな制御モードの切り替えを行うことができる。
次に、本発明に係るモータ制御装置100及びモータ制御方法の三角波に関して説明を行う。本発明に用いる三角波は前述のように三角波の立ち下がりの中央位置が三相電圧指令値Vu、Vv、Vwの立ち上がりのゼロ位置と交差し、さらに三相電圧指令値Vu、Vv、Vwの周波数の奇数の3の整数倍の周波数のものとする。先ず、三角波の周波数が三相電圧指令値Vu、Vv、Vwの周波数の3の整数倍ではない場合、駆動信号Su、Sv、Swの波形がU相、V相、W相でそれぞれ異なるものとなり、PMモータ10を円滑に制御することができない。よって、三角波の周波数は三相電圧指令値Vu、Vv、Vwの周波数の3の整数倍とする。
次に、奇数の3の整数倍とする理由を説明する。ここで、図6(a1)に三角波の周波数を三相電圧指令値Vu(Vv、Vw)の6倍(偶数の3の整数倍)としたときの三相電圧指令値Vu、Vvとの三角波比較の模式図を示す。また、図6(a2)、(a3)にこの三角波比較により生成される駆動信号Su、Svを示す。さらに、図6(a4)にこのときのU相―V相間の出力線間電圧Vuvを示す。また、図6(b1)に三角波の周波数を三相電圧指令値Vu(Vv、Vw)の9倍(奇数の3の整数倍)としたときの三相電圧指令値Vu、Vvとの三角波比較の模式図を示す。また、図6(b2)、(b3)にこの三角波比較により生成される駆動信号Su、Svを示す。さらに、図6(b4)にこのときのU相―V相間の出力線間電圧Vuvを示す。
先ず、三角波の周波数を三相電圧指令値Vu、Vv、Vwの偶数の3の整数倍とした場合、図6(a1)の一点鎖線で示す部位では三相電圧指令値Vuのゼロ位置と三角波の中央位置とが双方とも立ち下がりの領域で交差する。このような場合、三相電圧指令値Vu、Vv、Vwの振幅によっては、三相電圧指令値Vu、Vv、Vwと三角波との傾きが部分的に近似する(両者が重なる)可能性が有る。そしてこのような場合には、駆動信号Su、Sv、Swが正弦波パターン(過変調パターン)から矩形波パターンに変化する際に不連続もしくは急激な変化が生じる可能性が有り、トルク変動の原因となる。
しかしながら、三角波の周波数を三相電圧指令値Vu、Vv、Vwの奇数の3の整数倍とした場合、図6(b1)の一点鎖線で示すように、三相電圧指令値Vuの立ち下り領域でのゼロ位置は三角波の立ち上がりの中央位置で交差する。即ち、奇数の3の整数倍の場合には、基本的に三相電圧指令値Vu、Vv、Vwの立ち下り領域でのゼロ位置は三角波の立ち上がり領域で交差し、三相電圧指令値Vu、Vv、Vwの立ち上がり領域でのゼロ位置は三角波の立ち下がり領域で交差する。このため、駆動信号Su、Sv、Swの連続性は良好に維持され、安定した駆動信号Su、Sv、Swを生成することができる。
また、三角波の周波数を三相電圧指令値Vu、Vv、Vwの偶数の3の整数倍とした場合、例えば図6(a4)では、出力線間電圧Vuvの波形が上下で非対称となる。このように、出力線間電圧の波形の対称性が確保されない場合、駆動電流Iu、Iv、Iwにオフセット成分や歪みを発生させる虞がありPMモータ10の制御信号として好ましいものではない。
しかしながら、三角波の周波数を三相電圧指令値Vu、Vv、Vwの奇数の3の整数倍とした場合には、図6(b4)に示すように、出力線間電圧Vuvの波形は上下及び左右で対称となる。同様に出力線間電圧Vvw、Vwuも対称性を備え、PMモータ10の安定した制御が可能となる。
以上のように、本発明に係るモータ制御装置100及びモータ制御方法は、正弦波制御モードから矩形波制御モードへの切り替え時に、正弦波制御モード時の最後の電圧位相θvを初期電圧位相θv1として電圧位相設定部502に出力するとともに、電圧位相θvによるトルク制御を行いながら移行電圧指令値|Va’|を正弦波制御モード時の最後の電圧指令値|Va|から矩形波形成電圧値|Va1|まで連続的に増加させる。これにより、生成される駆動信号Su、Sv、Swは切り替え時の連続性が維持されたまま正弦波パターン(もしくは過変調パターン)から矩形波パターンへ連続的に変化する。このため、トルク変動の少ないスムーズな制御モードの切り替えを行うことができる。
また、矩形波制御モードから正弦波制御モードへの切り替え時は、切り替えの直後に矩形波制御モード時の最後のd軸、q軸電圧指令値Vd、Vq及び最後のd軸、q軸フィードバック電流値Id、Iqに基づく切替時d軸電圧指令値Vd、切替時q軸電圧指令値Vqが生成され制御信号生成部30に出力される。これにより、生成される駆動信号Su、Sv、Swは切り替え時の連続性が維持され、トルク変動の少ないスムーズな制御モードの切り替えを行うことができる。
さらに、矩形波制御モードから正弦波制御モードへの切り替え時に、移行電圧指令値|Va’|を矩形波制御モード時の最後の電圧指令値|Va|から正弦波モード移行電圧値|Va2|まで連続的に減少させて出力する構成では、駆動信号Su、Sv、Swが矩形波パターンから正弦波パターン(もしくは過変調パターン)へ連続的に変化し、正弦波パターン(もしくは過変調パターン)への移行が完了した時点で正弦波制御部40に切り替わる。そして、切り替わり直後に前述の切替時d軸電圧指令値Vd、切替時q軸電圧指令値Vqが出力され、その後、正弦波制御モードに完全に移行する。これにより、正弦波制御部40が過変調制御機能を備えない場合でも切り替え時の駆動信号Su、Sv、Swの連続性が維持され、トルク変動の少ないスムーズな制御モードの切り替えを行うことができる。
またさらに、本発明に係るモータ制御装置100及びモータ制御方法は、切り替え時の移行期間中もトルク指令値Tに基づいた電圧位相θvによってトルク制御が行われる。これにより、移行期間中においてトルク指令値Tや電源電圧Vdc、電気角速度ωに変化があった場合でも、これらの変化はトルク制御に随時反映され、トルク変動の少ない応答性に優れた動作制御を行うことができる。また、移行期間中の制御は矩形波制御部50が行うため、移行期間中に制御モードの再切り換えが必要となった場合でも、そのまま再切り換え動作に移行することができる。
さらに、本発明に係るモータ制御装置100及びモータ制御方法では、三角波として立ち下がりの中央位置が三相電圧指令値Vu、Vv、Vwの立ち上がりのゼロ位置と交差し、さらに三相電圧指令値Vu、Vv、Vwの周波数の奇数の3の整数倍の周波数のものを用いる。この構成では、三相電圧指令値Vu、Vv、Vwの立ち下り領域でのゼロ位置は三角波の立ち上がり領域で交差し、三相電圧指令値Vu、Vv、Vwの立ち上がり領域でのゼロ位置は三角波の立ち下がり領域で交差する。このため、駆動信号Su、Sv、Swが正弦波パターン(過変調パターン)から矩形波パターンへの変化の際の連続性が良好に維持され安定した駆動信号Su、Sv、Swを生成することができる。また、出力線間電圧Vuv、Vvw、Vwuは対称性を備え、PMモータ10の安定した制御が可能となる。
尚、本例で示したモータ制御装置100及びモータ制御方法は一例であり、制御信号生成部30、正弦波制御部40、矩形波制御部50等の各部の構成、動作、各ステップの構成等は本発明の要旨を逸脱しない範囲で変更して実施することが可能である。
10 PMモータ
12u、12v 駆動電流検出部
14 角度検出部
20 インバータ
22 3相/dq変換部
24 切替部
32 dq/3相変換部
36 駆動信号生成部
40 正弦波制御部
50 矩形波制御部
80 モード移行部
100 モータ制御装置
θ 電気角
θv 電圧位相
θv1 初期電圧位相
Id d軸フィードバック電流値
Iq q軸フィードバック電流値
Id d軸電流指令値
Iq q軸電流指令値
Iu、Iv、Iw 駆動電流
Ifb 移行データ
|Va| 電圧指令値
|Va1| 矩形波形成電圧値
|Va2| 正弦波モード移行電圧値
|Va’| 移行電圧指令値
Vd d軸電圧指令値
Vq q軸電圧指令値
Vu、Vv、Vw 電圧指令値(3相)
トルク指令値
Su、Sv、Sw 駆動信号

Claims (10)

  1. PMモータに3相交流の駆動電流を流下させるインバータと、
    前記駆動電流の値を取得する駆動電流検出部と、
    前記PMモータの電気角を取得する角度検出部と、
    前記電気角に基づいて前記駆動電流検出部が取得した前記駆動電流をd軸フィードバック電流値、q軸フィードバック電流値に変換する3相/dq変換部と、
    外部からのトルク指令値に基づいてd軸電流指令値、q軸電流指令値を設定し正弦波制御モードにおけるd軸電圧指令値、q軸電圧指令値を生成する正弦波制御部と、
    外部からのトルク指令値に基づいて電圧位相と電圧指令値とを設定し矩形波制御モードにおけるd軸電圧指令値、q軸電圧指令値を生成する矩形波制御部と、
    前記d軸電圧指令値、q軸電圧指令値の生成を前記正弦波制御部と前記矩形波制御部とで切り替える切替部と、
    前記d軸電圧指令値、q軸電圧指令値を三相電圧指令値に変換するdq/3相変換部と、
    前記三相電圧指令値と所定の周期の三角波とを比較して前記インバータをスイッチングする駆動信号を生成する駆動信号生成部と、を有するモータ制御装置において、
    前記切替部による制御モードの切り替え時に動作するモード移行部をさらに有し、
    前記モード移行部は、
    正弦波制御モード時のd軸電圧指令値、q軸電圧指令値を極座標変換して得られる電圧位相と電圧指令値とを初期電圧位相と移行電圧指令値の初期値として取得し、正弦波制御モードから矩形波制御モードへの切り替え時に前記矩形波制御部に出力するとともに、前記駆動信号が矩形波パターンとなる矩形波形成電圧値を取得して、前記移行電圧指令値を前記初期値から矩形波形成電圧値へと連続的に増大させて前記矩形波制御部に出力し、前記移行電圧指令値に基づいてd軸電圧指令値、q軸電圧指令値を生成させることを特徴とするモータ制御装置。
  2. PMモータに3相交流の駆動電流を流下させるインバータと、
    前記駆動電流の値を取得する駆動電流検出部と、
    前記PMモータの電気角を取得する角度検出部と、
    前記電気角に基づいて前記駆動電流検出部が取得した前記駆動電流をd軸フィードバック電流値、q軸フィードバック電流値に変換する3相/dq変換部と、
    外部からのトルク指令値に基づいてd軸電流指令値、q軸電流指令値を設定し正弦波制御モードにおけるd軸電圧指令値、q軸電圧指令値を生成する正弦波制御部と、
    外部からのトルク指令値に基づいて電圧位相と電圧指令値とを設定し矩形波制御モードにおけるd軸電圧指令値、q軸電圧指令値を生成する矩形波制御部と、
    前記d軸電圧指令値、q軸電圧指令値の生成を前記正弦波制御部と前記矩形波制御部とで切り替える切替部と、
    前記d軸電圧指令値、q軸電圧指令値を三相電圧指令値に変換するdq/3相変換部と、
    前記三相電圧指令値と所定の周期の三角波とを比較して前記インバータをスイッチングする駆動信号を生成する駆動信号生成部と、を有するモータ制御装置において、
    前記切替部による制御モードの切り替え時に動作するモード移行部をさらに有し、
    前記モード移行部は、
    矩形波制御モード時に前記矩形波制御部が出力するd軸電圧指令値、q軸電圧指令値をd軸電圧指令値の初期値、q軸電圧指令値の初期値として前記正弦波制御部に出力するとともに、d軸電流指令値の初期値及びq軸電流指令値の初期値を算出するための移行データを前記d軸フィードバック電流値、q軸フィードバック電流値に基づいて算出して前記正弦波制御部に出力し、
    矩形波制御モードから正弦波制御モードへの切り替えの直後に前記d軸電圧指令値の初期値、前記q軸電圧指令値の初期値、前記d軸電流指令値の初期値、前記q軸電流指令値の初期値に基づいて切替時d軸電圧指令値、切替時q軸電圧指令値を生成して前記dq/3相変換部に出力させることを特徴とするモータ制御装置。
  3. 前記モード移行部が、
    矩形波制御モードから正弦波制御モードへの切り替え時に前記矩形波制御部が出力した電圧指令値を移行電圧指令値の初期値として取得するとともに、前記駆動信号が正弦波パターンもしくは過変調パターンとなる正弦波モード移行電圧値を取得して、前記矩形波制御モードを継続しながら前記移行電圧指令値を前記初期値から前記正弦波モード移行電圧値まで連続的に減少させて前記矩形波制御部に出力し、前記移行電圧指令値に基づいてd軸電圧指令値、q軸電圧指令値を生成させ、その後、前記切替部が前記正弦波制御部による制御モードに切り替えることを特徴とする請求項2記載のモータ制御装置。
  4. PMモータに3相交流の駆動電流を流下させるインバータと、
    前記駆動電流の値を取得する駆動電流検出部と、
    前記PMモータの電気角を取得する角度検出部と、
    前記電気角に基づいて前記駆動電流検出部が取得した前記駆動電流をd軸フィードバック電流値、q軸フィードバック電流値に変換する3相/dq変換部と、
    外部からのトルク指令値に基づいてd軸電流指令値、q軸電流指令値を設定し正弦波制御モードにおけるd軸電圧指令値、q軸電圧指令値を生成する正弦波制御部と、
    外部からのトルク指令値に基づいて電圧位相と電圧指令値とを設定し矩形波制御モードにおけるd軸電圧指令値、q軸電圧指令値を生成する矩形波制御部と、
    前記d軸電圧指令値、q軸電圧指令値の生成を前記正弦波制御部と前記矩形波制御部とで切り替える切替部と、
    前記d軸電圧指令値、q軸電圧指令値を三相電圧指令値に変換するdq/3相変換部と、
    前記三相電圧指令値と所定の周期の三角波とを比較して前記インバータをスイッチングする駆動信号を生成する駆動信号生成部と、を有するモータ制御装置において、
    前記切替部による制御モードの切り替え時に動作するモード移行部をさらに有し、
    前記モード移行部は、
    正弦波制御モード時のd軸電圧指令値、q軸電圧指令値を極座標変換して得られる電圧位相と電圧指令値とを初期電圧位相と移行電圧指令値の初期値として取得し、正弦波制御モードから矩形波制御モードへの切り替え時に前記矩形波制御部に出力するとともに、前記駆動信号が矩形波パターンとなる矩形波形成電圧値を取得して、前記移行電圧指令値を前記初期値から矩形波形成電圧値へと連続的に増大させて前記矩形波制御部に出力し、前記移行電圧指令値に基づいてd軸電圧指令値、q軸電圧指令値を生成させ、
    矩形波制御モード時には前記矩形波制御部が出力するd軸電圧指令値、q軸電圧指令値をd軸電圧指令値の初期値、q軸電圧指令値の初期値として前記正弦波制御部に出力するとともに、d軸電流指令値の初期値及びq軸電流指令値の初期値を算出するための移行データを前記d軸フィードバック電流値、q軸フィードバック電流値に基づいて算出して前記正弦波制御部に出力し、
    矩形波制御モードから正弦波制御モードへの切り替え時に前記矩形波制御部が出力した電圧指令値を移行電圧指令値の初期値として取得するとともに、前記駆動信号が正弦波パターンもしくは過変調パターンとなる正弦波モード移行電圧値を取得して、前記矩形波制御モードを継続しながら前記移行電圧指令値を前記初期値から前記正弦波モード移行電圧値まで連続的に減少させて前記矩形波制御部に出力し、前記移行電圧指令値に基づいてd軸電圧指令値、q軸電圧指令値を生成させ、その後、前記切替部が前記正弦波制御部による正弦波制御モードに切り替え、
    前記正弦波制御モードへの切り替えの直後に前記d軸電圧指令値の初期値、前記q軸電圧指令値の初期値、前記d軸電流指令値の初期値、前記q軸電流指令値の初期値に基づいて切替時d軸電圧指令値、切替時q軸電圧指令値を生成して前記dq/3相変換部に出力させることを特徴とするモータ制御装置。
  5. 前記三角波の立ち下がりの中央位置が前記三相電圧指令値の立ち上がりのゼロ位置と交差し、
    さらに前記三角波の周波数を前記三相電圧指令値の周波数の奇数の3の整数倍に維持することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のモータ制御装置。
  6. PMモータに3相交流の駆動電流を流下させるインバータと、
    前記駆動電流の値を取得する駆動電流検出部と、
    前記PMモータの電気角を取得する角度検出部と、
    前記電気角に基づいて前記駆動電流検出部が取得した前記駆動電流をd軸フィードバック電流値、q軸フィードバック電流値に変換する3相/dq変換部と、
    外部からのトルク指令値に基づいてd軸電流指令値、q軸電流指令値を設定し正弦波制御モードにおけるd軸電圧指令値、q軸電圧指令値を生成する正弦波制御部と、
    外部からのトルク指令値に基づいて電圧位相と電圧指令値とを設定し矩形波制御モードにおけるd軸電圧指令値、q軸電圧指令値を生成する矩形波制御部と、
    前記d軸電圧指令値、q軸電圧指令値の生成を前記正弦波制御部と前記矩形波制御部とで切り替える切替部と、
    前記d軸電圧指令値、q軸電圧指令値を三相電圧指令値に変換するdq/3相変換部と、
    前記三相電圧指令値と所定の周期の三角波とを比較して前記インバータをスイッチングする駆動信号を生成する駆動信号生成部と、
    前記切替部による制御モードの切り替え時に動作するモード移行部と、を有するモータ制御装置のモータ制御方法であって、
    前記モード移行部は、
    正弦波制御モード時のd軸電圧指令値、q軸電圧指令値を極座標変換して得られる電圧位相と電圧指令値とを初期電圧位相と移行電圧指令値の初期値として取得するステップと、
    正弦波制御モードから矩形波制御モードへの切り替え時に、
    前記初期電圧位相と移行電圧指令値の初期値とを前記矩形波制御部に出力するステップと、
    前記駆動信号が矩形波パターンとなる矩形波形成電圧値を取得するステップと、
    前記移行電圧指令値を前記初期値から矩形波形成電圧値へと連続的に増大させて前記矩形波制御部に出力し前記移行電圧指令値に基づいてd軸電圧指令値、q軸電圧指令値を生成させるステップと、を行うことを特徴とするモータ制御方法。
  7. PMモータに3相交流の駆動電流を流下させるインバータと、
    前記駆動電流の値を取得する駆動電流検出部と、
    前記PMモータの電気角を取得する角度検出部と、
    前記電気角に基づいて前記駆動電流検出部が取得した前記駆動電流をd軸フィードバック電流値、q軸フィードバック電流値に変換する3相/dq変換部と、
    外部からのトルク指令値に基づいてd軸電流指令値、q軸電流指令値を設定し正弦波制御モードにおけるd軸電圧指令値、q軸電圧指令値を生成する正弦波制御部と、
    外部からのトルク指令値に基づいて電圧位相と電圧指令値とを設定し矩形波制御モードにおけるd軸電圧指令値、q軸電圧指令値を生成する矩形波制御部と、
    前記d軸電圧指令値、q軸電圧指令値の生成を前記正弦波制御部と前記矩形波制御部とで切り替える切替部と、
    前記d軸電圧指令値、q軸電圧指令値を三相電圧指令値に変換するdq/3相変換部と、
    前記三相電圧指令値と所定の周期の三角波とを比較して前記インバータをスイッチングする駆動信号を生成する駆動信号生成部と、
    前記切替部による制御モードの切り替え時に動作するモード移行部と、を有するモータ制御装置のモータ制御方法であって、
    前記モード移行部は、
    矩形波制御モード時に前記矩形波制御部が出力するd軸電圧指令値、q軸電圧指令値をd軸電圧指令値の初期値、q軸電圧指令値の初期値として前記正弦波制御部に出力するとともに、d軸電流指令値の初期値及びq軸電流指令値の初期値を算出するための移行データを前記d軸フィードバック電流値、q軸フィードバック電流値に基づいて算出して前記正弦波制御部に出力するステップを行い、
    さらに、矩形波制御部モードから正弦波制御モードへの切り替えの直後に前記d軸電圧指令値の初期値、前記q軸電圧指令値の初期値、前記d軸電流指令値の初期値、前記q軸電流指令値の初期値に基づいて切替時d軸電圧指令値、切替時q軸電圧指令値を生成して前記dq/3相変換部に出力させるステップを有することを特徴とするモータ制御方法。
  8. 前記モード移行部が、
    矩形波制御モードから正弦波制御モードへの切り替え時に前記矩形波制御部が出力した電圧指令値を移行電圧指令値の初期値として取得するステップと、
    前記駆動信号が正弦波パターンもしくは過変調パターンとなる正弦波モード移行電圧値を取得するステップと、
    前記矩形波制御モードを継続しながら前記移行電圧指令値を前記初期値から前記正弦波モード移行電圧値まで連続的に減少させて前記矩形波制御部に出力するステップと、
    前記移行電圧指令値に基づいてd軸電圧指令値、q軸電圧指令値を生成させるステップと、
    前記切替部が前記正弦波制御部による制御モードに切り替えるステップと、をさらに有することを特徴とする請求項7記載のモータ制御方法。
  9. PMモータに3相交流の駆動電流を流下させるインバータと、
    前記駆動電流の値を取得する駆動電流検出部と、
    前記PMモータの電気角を取得する角度検出部と、
    前記電気角に基づいて前記駆動電流検出部が取得した前記駆動電流をd軸フィードバック電流値、q軸フィードバック電流値に変換する3相/dq変換部と、
    外部からのトルク指令値に基づいてd軸電流指令値、q軸電流指令値を設定し正弦波制御モードにおけるd軸電圧指令値、q軸電圧指令値を生成する正弦波制御部と、
    外部からのトルク指令値に基づいて電圧位相と電圧指令値とを設定し矩形波制御モードにおけるd軸電圧指令値、q軸電圧指令値を生成する矩形波制御部と、
    前記d軸電圧指令値、q軸電圧指令値の生成を前記正弦波制御部と前記矩形波制御部とで切り替える切替部と、
    前記d軸電圧指令値、q軸電圧指令値を三相電圧指令値に変換するdq/3相変換部と、
    前記三相電圧指令値と所定の周期の三角波とを比較して前記インバータをスイッチングする駆動信号を生成する駆動信号生成部と、
    前記切替部による制御モードの切り替え時に動作するモード移行部と、を有するモータ制御装置のモータ制御方法であって、
    前記モード移行部は、
    正弦波制御モード時のd軸電圧指令値、q軸電圧指令値を極座標変換して得られる電圧位相と電圧指令値とを初期電圧位相と移行電圧指令値の初期値として取得するステップと、
    正弦波制御モードから矩形波制御モードへの切り替え時に、
    前記初期電圧位相と移行電圧指令値の初期値とを前記矩形波制御部に出力するステップと、
    前記駆動信号が矩形波パターンとなる矩形波形成電圧値を取得するステップと、
    前記移行電圧指令値を前記初期値から矩形波形成電圧値へと連続的に増大させて前記矩形波制御部に出力し前記移行電圧指令値に基づいてd軸電圧指令値、q軸電圧指令値を生成させるステップと、を行い、
    矩形波制御モード時には、前記矩形波制御部が出力するd軸電圧指令値、q軸電圧指令値をd軸電圧指令値の初期値、q軸電圧指令値の初期値として前記正弦波制御部に出力するとともに、d軸電流指令値の初期値及びq軸電流指令値の初期値を算出するための移行データを前記d軸フィードバック電流値、q軸フィードバック電流値に基づいて算出して前記正弦波制御部に出力するステップを行い、
    さらに、矩形波制御モードから正弦波制御モードへの切り替え時に前記矩形波制御部が出力した電圧指令値を移行電圧指令値の初期値として取得するステップと、
    前記駆動信号が正弦波パターンもしくは過変調パターンとなる正弦波モード移行電圧値を取得するステップと、
    前記矩形波制御モードを継続しながら前記移行電圧指令値を前記初期値から前記正弦波モード移行電圧値まで連続的に減少させて前記矩形波制御部に出力するステップと、
    前記移行電圧指令値に基づいてd軸電圧指令値、q軸電圧指令値を生成させるステップと、
    前記切替部が前記正弦波制御部による正弦波制御モードに切り替えるステップと、
    前記正弦波制御モードへの切り替えの直後に前記d軸電圧指令値の初期値、前記q軸電圧指令値の初期値、前記d軸電流指令値の初期値、前記q軸電流指令値の初期値に基づいて切替時d軸電圧指令値、切替時q軸電圧指令値を生成して前記dq/3相変換部に出力させるステップを有することを特徴とするモータ制御方法。
  10. 前記三角波の立ち下がりの中央位置が前記三相電圧指令値の立ち上がりのゼロ位置と交差し、
    さらに前記三角波の周波数を前記三相電圧指令値の周波数の奇数の3の整数倍に維持することを特徴とする請求項6乃至請求項9のいずれかに記載のモータ制御方法。
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