JP2004064948A - Pmモータの制御システム - Google Patents
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Abstract
【課題】インバータのデッドタイムならびに半導体デバイスのオン電圧降下の影響をオンラインで補償する。
【解決手段】電流制御部2を有するインバータ4でPMモータ5を駆動するシステムにおいて、外乱オブザーバ8はインバータのデッドタイムにより生じる電圧成分を外乱電圧として推定し、デッドタイム補償部9は外乱電圧の推定値を同期q軸デッドタイム補償電圧としてデッドタイム補償時間の同定値を算出し、この同定値を用いてデッドタイム補償電圧を算出し、このデッドタイム補償電圧をインバータの指令電圧に加える。
同期d−q軸指令電圧から三相電圧へ座標変換を行って電圧測定値を得ること、三相電圧とPMモータの電流情報とから有効電力測定値を得ることを含む。
【選択図】 図1
【解決手段】電流制御部2を有するインバータ4でPMモータ5を駆動するシステムにおいて、外乱オブザーバ8はインバータのデッドタイムにより生じる電圧成分を外乱電圧として推定し、デッドタイム補償部9は外乱電圧の推定値を同期q軸デッドタイム補償電圧としてデッドタイム補償時間の同定値を算出し、この同定値を用いてデッドタイム補償電圧を算出し、このデッドタイム補償電圧をインバータの指令電圧に加える。
同期d−q軸指令電圧から三相電圧へ座標変換を行って電圧測定値を得ること、三相電圧とPMモータの電流情報とから有効電力測定値を得ることを含む。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インバータで駆動するPMモータ(永久磁石同期電動機)の制御システムに係り、特にインバータのデッドタイムおよび半導体デバイスのオン電圧降下の影響をオンラインで補償してPMモータの端子電圧情報を求める技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
高度化する生産技術に対して、インバータで駆動するPMモータの高性能化と高効率化が要求されており、センサレス制御、弱め磁束制御および高効率制御といった種々の制御技術を適用したドライブシステムが必要になっている。
【0003】
このような制御を実現するためには、モータの端子電圧や電流情報が必要である。通常インバータシステムには電流センサが設けられ、電流情報は十分な精度で得ることは容易である。一方、電圧情報はその瞬時波形がパルス状であり、高調波成分を除去するために低域通過フィルタ等を必要とする。フィルタを使用することにより位相遅れが生じるため、電圧情報を遅れを少なくして十分な精度で得ることは困難である。そのため、多くの応用システムにおいては、PMモータの電圧情報としてインバータの電圧指令情報を利用している(例えば、下記の文献1)。
【0004】
文献1「J−S Lee,T.T.Takeshita,and N.Matsui, “Stator−flux−oriented sensorless induction motor drive for optimum low−speed performance,” IEEE Trans. Ind. Applicat.,vol.33,no.5,pp.1170−1176,1997」
しかしながら、インバータにはデッドタイムやスイッチング素子ならびにダイオードのオン電圧降下が存在するため、指令電圧は実電圧の基本波成分と本質的に一致しない。この問題に対処するため、デッドタイムならびに半導体デバイスのオン電圧降下の影響を補償する手法が提案されている。
【0005】
例えば、下記の文献2では、デッドタイムの影響による指令電圧と実電圧の誤差を解析し、制御周期における指令電圧と実電圧との平均誤差分をデッドタイム補償電圧として指令電圧に加えることでデッドタイムを補償している。この方法は、デッドタイム補償電圧は、電流位相に同期したパルス電圧であり、その振幅はスイッチング周期および直流リンク電圧が一定の場合、デッドタイムにより決まり、比較的容易にデッドタイムを補償することが可能である。
【0006】
文献2「S−G Jcong and M−H Park .“The analysis and compensation of dead−time effects in PWM inverters.” IEEE Trans. Ind. Electron.,vol.38,no.2,pp.108−114,1991」
また、下記の文献3では、デッドタイムに加えて、スイッチング素子のターンオン/ターンオフ時間ならびにスイッチング素子およびダイオードのオン電圧降下を考慮した補償法を提案している。
【0007】
文献3「J−W Choi and S−K Sul,“Inverter output voltage synthesis usingnovel dead time compensation,”IEEE Trans. power Electron.,vol.11.no.2.pp.221−227,1996」
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
前記の文献2の手法は、スイッチング素子のターンオン/ターンオフ時間ならびにスイッチング素子とダイオードのオン電圧降下を考慮していないため、デッドタイム補償の精度が十分でない。
【0009】
前記の文献3の手法は、デッドタイム補償電圧の振幅はデッドタイム補償時間により決まる。このデッドタイム補償時間は、デッドタイム、スイッチング素子のターンオン/ターンオフ時間ならびにスイッチング素子およびダイオードのオン電圧降下成分を含んだ時間であり、文献2の手法と比較して補償精度が向上している。
【0010】
しかしながら、スイッチング素子のターンオン/ターンオフ時間ならびにスイッチング素子とダイオードのオン電圧降下を正確に測定することは困難であり、実際問題としてデッドタイム補償時間を得ることは困難となる。そこで、文献3では、全てのパラメータをデッドタイム補償時間として定義したパラメータで統合し、同定プロセスにより補償時間を同定している。
【0011】
この同定プロセスは、通常のドライブ時と異なる電流指令が用いられるため、オンラインでのデッドタイム補償時間の同定はできない。そこで、通常のドライブでは同定プロセスで得られたデッドタイム補償時間を固定して用いている。
【0012】
しかしながら、デッドタイム補償時間は各動作点で変化するため、種々の動作点に対して十分な精度で補償するためには各動作点において十分な精度でデッドタイムおよびデバイスのオン電圧降下の影響を補償することができない。
【0013】
本発明の目的は、上記の課題を解決したPMモータの速度制御システムを提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記の課題を解決するため、以下の構成を特徴とする。
【0015】
(1)電流制御ループを有するインバータでPMモータを駆動するPMモータの制御システムにおいて、
前記インバータのデッドタイムにより生じる電圧成分を外乱電圧として推定する外乱オブザーバと、
前記外乱電圧の推定値を同期q軸デッドタイム補償電圧としてデッドタイム補償時間の同定値を算出し、この同定値を用いてデッドタイム補償電圧を算出し、このデッドタイム補償電圧をインバータの指令電圧に加えるデッドタイム補償部とを備えたことを特徴とする。
【0016】
(2)上記(1)において、同期d−q軸指令電圧から三相電圧へ座標変換を行って電圧測定値を得る2相/3相座標変換部を備えたことを特徴とする。
【0017】
(3)上記(1)または(2)において、同期d−q軸指令電圧から座標変換した三相電圧と、電流センサから得られるPMモータの電流情報とから有効電力測定値を得る有効電力演算部を備えたことを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】
(1)デッドタイム補償方式
図2の(a)はa相電流iaが電源から負荷方向へ流れる場合の経路を示している。a相電流はスイッチオン期間にスイッチング素子Sa(+)を流れ、スイッチオフ期間ならびにデッドタイム期間にダイオードDa(−)を流れる。すなわち、デッドタイム期間の相電圧vANは両スイッチSa(+),Sa(−)が共にオフの期間と等しくなる。したがって、デッドタイムの影響により、図1(b)の指令電圧vANに対する実電圧はvdtのようになる。さらに、スイッチング素子Sa(+)のターンオン/ターンオフ時間を考慮するとvtnのようになる。さらにまた、スイッチング素子およびダイオードのオン電圧降下を考慮すると、vonのようになる。最終的に、指令電圧と実電圧の誤差eAN(=vAN−von)は図2の(b)のようになる。
【0019】
上記のデッドタイムおよび半導体デバイスのオン電圧降下を補償するためには、前記の文献2と同様に、スイッチング周期における指令電圧と実電圧の平均誤差を指令電圧に加え、インバータへの制御信号とすればよい。これには、図2の(b)のeANの波形より、a相デッドタイム補償電圧vcomは次式となる。
【0020】
【数1】
【0021】
上記のデッドタイムに加え、スイッチング素子のターンオン/ターンオフ時間および半導体デバイスのオン電圧降下を考慮すると、デッドタイム補償時間TCは次式で定義される。
【0022】
【数2】
【0023】
ここで、オン電圧降下VdPは次式で表現できる。
【0024】
【数3】
【0025】
図3はオシロスコープを用いて測定したスイッチング素子およびダイオードのオン電圧である。インバータにおいてはダイオードのオン電圧vDがスイッチング素子(ここではIGBTを用いている)のオン電圧vSに対し大きいことがわかる。また、PMモータをインバータの負荷とした場合のPMモータに対する負荷トルク増加すなわちインバータの負荷電流の増加にともない双方のオン電圧が増加していることがわかる。
【0026】
上記の(3)式より、vSおよびvDの増加時には電圧降下VdPが大きくなると考えられる。また、vD>vSであるから、スイッチオン期間が短い(低電圧)ほど電圧降下VdPが大きくなると考えられる。
【0027】
このように、半導体デバイスのオン電圧は動作点により変化するため、デッドタイム補償時間も動作点に応じて変化する。本実施形態では、種々の動作点に対し十分な精度でデッドタイムならびにオン電圧降下を補償するため、デッドタイム補償時間をオンラインで同定する。
【0028】
(2)デッドタイム補償時間のオンライン同定
前記の(1)式より、同期q軸デッドタイム補償電圧vcomがデッドタイム補償時間TCに対して比例関係であることに着目し、この関係を利用してデッドタイム補償時間のオンライン同定を得る。
【0029】
図4(a)はデッドタイム補償時間をTC=3.0μsとした場合のa相デッドタイム補償電圧vacomを示している。また、図4(b)に静止d軸へ座標変換した補償電圧vdcomおよび同期q軸へ座標変換した補償電圧vqcomを示している。ここで、同期q軸補償電圧vqcomは脈動しているがほぼ直流成分であり、静止d軸補償電圧vdcomの振幅に一致している。静止d軸補償電圧の振幅Vpkは次式で表現でき、直流リンク電圧Vdcおよびスイッチング周期TSが一定であるため、デッドタイム補償時間TCに比例する。
【0030】
【数4】
【0031】
補償電圧vqcom≒振幅Vpkより、推定デッドタイム補償時間Tceは次式より同定できる。
【0032】
【数5】
【0033】
ただし、同期q軸デッドタイム補償電圧vqcomは未知であるため推定する必要がある。この推定は、PMモータドライブの電流制御ループにおいて、デッドタイムの影響により生じる電圧成分を外乱電圧とみなし、外乱オブザーバで推定する。推定される外乱電圧とデッドタイム補償電圧は平均値レベルでは等価であると考えられるため、同期q軸外乱電圧を同期q軸デッドタイム補償電圧とする。
【0034】
(3)実施形態1
図1に本実施形態によるPMモータの速度制御システムの構成を示す。同図の破線ブロックを除く部分は、電流制御マイナーループを有するPMモータのベクトル制御による速度制御システムであり、速度制御部1では速度指令ωr*と検出速度ωrの比較によりq軸電流指令(トルク電流指令)iq*を得、電流制御部2では電流指令iq*とd軸電流指令(励磁電流指令)id*とそれぞれの検出電流id,iqの比較により電圧指令vq*,vd*を得、これら電圧指令を座標変換部3によってPWMインバータ4の3相電圧指令vabcに変換し、インバータ4でPMモータ5を駆動する。
【0035】
ロータリーエンコーダ6はPMモータ5のロータ位相角度θrを検出し、これを座標変換部3による電流検出の座標変換に必要な位相角度とし、微分器7はθrを微分することで検出速度ωrを得る。
【0036】
破線ブロックの要素のうち、外乱オブザーバ8は、電流制御ループにおいて、デッドタイムの影響により生じる電圧成分を外乱電圧とみなし、同期q軸デッドタイム補償電圧を推定する。この外乱オブザーバ8はPMモータの電圧方程式を基に等価演算を行う構成にされる。
【0037】
同期座標におけるPMモータの電圧方程式は次式となる。
【0038】
【数6】
【0039】
式中、非干渉化電圧は次式で与えられる。
【0040】
【数7】
【0041】
ここで、図1のシステムにはインバータ4が含まれており、インバータのデッドタイム等の影響により、電圧と電流の関係式は(6)式を満足しない。したがって、電流制御部2により決定される指令電圧vq*,vd*と電流iq,idの関係式は次式のように表現できる。
【0042】
【数8】
【0043】
このうち、外乱オブザーバ8は、同期q軸成分の外乱電圧vqDTを推定する。この同期q軸の外乱オブザーバ8は次式に従った演算要素で構成できる。
【0044】
【数9】
【0045】
デッドタイム補償部9は、外乱電圧推定値vqDTを同期q軸デッドタイム補償電圧とみなし、(5)式よりデッドタイム補償時間の同定値TCeを算出し、この同定値を用いて、(1)式よりデッドタイム補償電圧vqcom.vdcomを算出し、これを指令電圧vq*,vd*に加えることで、オンライン同定によるデッドタイム補償を得る。
【0046】
(a)実施形態1のシミュレーション結果
図5は、デッドタイム補償時間をTc=3.0μsと設定した場合の同定値Tceの推定結果である。低出力時には設定値よりも大きく同定され、高出力になるに従い同定値が小さくなる傾向がある。この同定誤差の原因は、外乱電圧がデッドタイム補償電圧と厳密に一致しないためであると考えられる。しかしながら、最大同定誤差が10%程度であり、概ね良好に同定できているといえる。
【0047】
図6は、低出力時におけるデッドタイム補償結果を示している。図6(a)はa相デッドタイム補償電圧であり、低出力時はデッドタイム補償時間が設定値よりも大きく同定されているため、補償電圧の振幅が実際値よりも若千大きくなっている。図6(b)はa相指令電圧であり、デッドタイムを補償していない場合の結果ならびにデッドタイムがない理想インバータを用いた場合の結果を示している。提案するデッドタイム補償法を適用した場合の指令電圧は理想インバータの指令電圧とほぼ一致していることから、デッドタイムの影響が補償できていることが確認できる。一方、デッドタイムを補償していない場合の指令電圧は振幅が大きくなっている。
【0048】
図7は、高出力時におけるデッドタイム補償結果を示している。高出力時にはデッドタイム補償時間が設定値よりも小さく同定されていたため、デッドタイム補償電圧は設定値よりも小さくなっている。図7(b)よりデッドタイムを補償した場合の指令電圧が理想インバータの指令電圧とほぼ一致していることから、デッドタイムの影響が補償できていることが確認できる。
【0049】
(b)実施形態1の実験結果
図8は、デッドタイム補償時間の同定結果である。回転速度の低下に伴いデッドタイム補償時間は増加している。これは低速領域では低電圧であり、前記の(3)式で示したように半導体デバイスのオン電圧降下が増加するためであると考えられる。
【0050】
また、デッドタイム補償時間は出力トルクの増加すなわち負荷電流の増加に対しても増加傾向にある。これは図3で示したようにスイッチング素子およびダイオードのオン電圧が実際に増加しているためであると考えられる。
【0051】
なお、2500rpmにおいては出力トルクの増加にも関わらずデッドタイム補償時間が減少している。これは図5で示した同定誤差の特性から実際値よりも小さく同定されていることが要因の1つに挙げられる。
【0052】
図9および図10は、低出力時および高出力時のデッドタイム補償結果を示している。図9(a)および図10(a)より、動作点の違いによりデッドタイム補イ賞電圧の振幅が適応的に変化していることがわかる。図9(b)および図10(b)に指令電圧を示すように、デッドタイムを補償した場合の指令電圧が理想インバータの指令電圧とほぼ一致していることから、デッドタイムの影響を補償できていることが確認できる。
【0053】
(4)実施形態2
図11に本実施形態のブロック図を示す。同図が図1と異なる部分は、指令電圧から電圧実効値を算出するための2相/3相変換部10を設けた点にある。変換部10は、同期d−q軸指令電圧vq*,vd*から3相電圧への座標変換を行い、変換された電圧vabccalは瞬時値レベルまたは実効値レベルでの実電圧との比較に利用する。
【0054】
図12は電圧実効値vrmsの算出値と実測値との比較である。図12(a)より、デッドタイムを補償しない場合は回転速度に関わらず実測値に比較して算出値が約5V大きくなっている。
【0055】
したがって、低電圧となる低速領域ほどデッドタイムおよび半導体デバイスのオン電圧降下の影響が大きいことが確認できる。一方、図12(b)よりデッドタイム補償法により種々の動作点で算出値は実測値にほぼ一致している。
【0056】
(5)実施形態3
図13に本実施形態のブロック図を示す。同図が図11と異なる部分は、指令電圧と、電流センサから得られる電流情報とから有効電力Pcalを算出する有効電力演算部11を設けた点にある。
【0057】
図14は有効電力の算出値と実測値との比較である。図14(a)に示すようにデッドタイム補償なしでは算出値が実測値に一致していないのに対し、図14(b)に示すように提案するデッドタイム補償法により種々の動作点で算出値が実測にほぼ一致している。これらの結果より、電圧情報が振幅だけでなく位相も正確に得られていることがわかる。
【0058】
【発明の効果】
以上のとおり、本発明によれば、以下の効果がある。
【0059】
(1)インバータのデッドタイムならびに半導体デバイスのオン電圧降下の影響をオンラインで補償することができるため、種々の動作点に対して十分な精度での補償が可能となる。
【0060】
(2)多くの動作点でデッドタイム補償時間をあらかじめ同定しておく必要がない。
【0061】
(3)同定プロセスは特殊な信号等の注入が不要であるため、種々の動作点において十分な精度でのデッドタイム補償が容易に実現できる。
【0062】
(4)指令電圧を座標変換した三相電圧を電圧測定値とした電圧検出器などに利用できる。
【0063】
(5)指令電圧を座標変換した三相電圧と、電流センサから得られる電流情報とから有効電力を算出し、有効電力測定値とした電力検出器などに利用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1を示すデッドタイム補償機構を有するPMモータの速度制御システム。
【図2】インバータのa相電圧における指令値と実際値の関係図。
【図3】スイッチング素子およびダイオードのオン電圧の測定値。
【図4】各座標軸におけるデッドタイム補償電圧。
【図5】デッドタイム補償時間の同定結果。
【図6】低出力領域におけるデッドタイム補償結果(シミュレーション結果)。
【図7】高出力領域におけるデッドタイム補償結果(シミュレーション結果)。
【図8】デッドタイム補償時間の同定結果(実験結果)。
【図9】低出力領域におけるデッドタイム補償結果(実験結果)。
【図10】高出力領域におけるデッドタイム補償結果(実験結果)。
【図11】本発明の実施形態2を示すデッドタイム補償機構を有するPMモータの速度制御システム。
【図12】電圧実効値の算出値と実測値との比較結果。
【図13】本発明の実施形態3を示すデッドタイム補償機構を有するPMモータの速度制御システム。
【図14】有効電力の算出値と実測値との比較結果(実験結果)。
【符号の説明】
1…速度制御部
2…電流制御部
3…座標変換部
4…PWMインバータ
5…PMモータ
6…ロータリエンコーダ
7…微分器
8…オブザーバ
9…デッドタイム補償演算部
10…2相/3相変換部
11…有効電力演算部
【発明の属する技術分野】
本発明は、インバータで駆動するPMモータ(永久磁石同期電動機)の制御システムに係り、特にインバータのデッドタイムおよび半導体デバイスのオン電圧降下の影響をオンラインで補償してPMモータの端子電圧情報を求める技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
高度化する生産技術に対して、インバータで駆動するPMモータの高性能化と高効率化が要求されており、センサレス制御、弱め磁束制御および高効率制御といった種々の制御技術を適用したドライブシステムが必要になっている。
【0003】
このような制御を実現するためには、モータの端子電圧や電流情報が必要である。通常インバータシステムには電流センサが設けられ、電流情報は十分な精度で得ることは容易である。一方、電圧情報はその瞬時波形がパルス状であり、高調波成分を除去するために低域通過フィルタ等を必要とする。フィルタを使用することにより位相遅れが生じるため、電圧情報を遅れを少なくして十分な精度で得ることは困難である。そのため、多くの応用システムにおいては、PMモータの電圧情報としてインバータの電圧指令情報を利用している(例えば、下記の文献1)。
【0004】
文献1「J−S Lee,T.T.Takeshita,and N.Matsui, “Stator−flux−oriented sensorless induction motor drive for optimum low−speed performance,” IEEE Trans. Ind. Applicat.,vol.33,no.5,pp.1170−1176,1997」
しかしながら、インバータにはデッドタイムやスイッチング素子ならびにダイオードのオン電圧降下が存在するため、指令電圧は実電圧の基本波成分と本質的に一致しない。この問題に対処するため、デッドタイムならびに半導体デバイスのオン電圧降下の影響を補償する手法が提案されている。
【0005】
例えば、下記の文献2では、デッドタイムの影響による指令電圧と実電圧の誤差を解析し、制御周期における指令電圧と実電圧との平均誤差分をデッドタイム補償電圧として指令電圧に加えることでデッドタイムを補償している。この方法は、デッドタイム補償電圧は、電流位相に同期したパルス電圧であり、その振幅はスイッチング周期および直流リンク電圧が一定の場合、デッドタイムにより決まり、比較的容易にデッドタイムを補償することが可能である。
【0006】
文献2「S−G Jcong and M−H Park .“The analysis and compensation of dead−time effects in PWM inverters.” IEEE Trans. Ind. Electron.,vol.38,no.2,pp.108−114,1991」
また、下記の文献3では、デッドタイムに加えて、スイッチング素子のターンオン/ターンオフ時間ならびにスイッチング素子およびダイオードのオン電圧降下を考慮した補償法を提案している。
【0007】
文献3「J−W Choi and S−K Sul,“Inverter output voltage synthesis usingnovel dead time compensation,”IEEE Trans. power Electron.,vol.11.no.2.pp.221−227,1996」
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
前記の文献2の手法は、スイッチング素子のターンオン/ターンオフ時間ならびにスイッチング素子とダイオードのオン電圧降下を考慮していないため、デッドタイム補償の精度が十分でない。
【0009】
前記の文献3の手法は、デッドタイム補償電圧の振幅はデッドタイム補償時間により決まる。このデッドタイム補償時間は、デッドタイム、スイッチング素子のターンオン/ターンオフ時間ならびにスイッチング素子およびダイオードのオン電圧降下成分を含んだ時間であり、文献2の手法と比較して補償精度が向上している。
【0010】
しかしながら、スイッチング素子のターンオン/ターンオフ時間ならびにスイッチング素子とダイオードのオン電圧降下を正確に測定することは困難であり、実際問題としてデッドタイム補償時間を得ることは困難となる。そこで、文献3では、全てのパラメータをデッドタイム補償時間として定義したパラメータで統合し、同定プロセスにより補償時間を同定している。
【0011】
この同定プロセスは、通常のドライブ時と異なる電流指令が用いられるため、オンラインでのデッドタイム補償時間の同定はできない。そこで、通常のドライブでは同定プロセスで得られたデッドタイム補償時間を固定して用いている。
【0012】
しかしながら、デッドタイム補償時間は各動作点で変化するため、種々の動作点に対して十分な精度で補償するためには各動作点において十分な精度でデッドタイムおよびデバイスのオン電圧降下の影響を補償することができない。
【0013】
本発明の目的は、上記の課題を解決したPMモータの速度制御システムを提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記の課題を解決するため、以下の構成を特徴とする。
【0015】
(1)電流制御ループを有するインバータでPMモータを駆動するPMモータの制御システムにおいて、
前記インバータのデッドタイムにより生じる電圧成分を外乱電圧として推定する外乱オブザーバと、
前記外乱電圧の推定値を同期q軸デッドタイム補償電圧としてデッドタイム補償時間の同定値を算出し、この同定値を用いてデッドタイム補償電圧を算出し、このデッドタイム補償電圧をインバータの指令電圧に加えるデッドタイム補償部とを備えたことを特徴とする。
【0016】
(2)上記(1)において、同期d−q軸指令電圧から三相電圧へ座標変換を行って電圧測定値を得る2相/3相座標変換部を備えたことを特徴とする。
【0017】
(3)上記(1)または(2)において、同期d−q軸指令電圧から座標変換した三相電圧と、電流センサから得られるPMモータの電流情報とから有効電力測定値を得る有効電力演算部を備えたことを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】
(1)デッドタイム補償方式
図2の(a)はa相電流iaが電源から負荷方向へ流れる場合の経路を示している。a相電流はスイッチオン期間にスイッチング素子Sa(+)を流れ、スイッチオフ期間ならびにデッドタイム期間にダイオードDa(−)を流れる。すなわち、デッドタイム期間の相電圧vANは両スイッチSa(+),Sa(−)が共にオフの期間と等しくなる。したがって、デッドタイムの影響により、図1(b)の指令電圧vANに対する実電圧はvdtのようになる。さらに、スイッチング素子Sa(+)のターンオン/ターンオフ時間を考慮するとvtnのようになる。さらにまた、スイッチング素子およびダイオードのオン電圧降下を考慮すると、vonのようになる。最終的に、指令電圧と実電圧の誤差eAN(=vAN−von)は図2の(b)のようになる。
【0019】
上記のデッドタイムおよび半導体デバイスのオン電圧降下を補償するためには、前記の文献2と同様に、スイッチング周期における指令電圧と実電圧の平均誤差を指令電圧に加え、インバータへの制御信号とすればよい。これには、図2の(b)のeANの波形より、a相デッドタイム補償電圧vcomは次式となる。
【0020】
【数1】
【0021】
上記のデッドタイムに加え、スイッチング素子のターンオン/ターンオフ時間および半導体デバイスのオン電圧降下を考慮すると、デッドタイム補償時間TCは次式で定義される。
【0022】
【数2】
【0023】
ここで、オン電圧降下VdPは次式で表現できる。
【0024】
【数3】
【0025】
図3はオシロスコープを用いて測定したスイッチング素子およびダイオードのオン電圧である。インバータにおいてはダイオードのオン電圧vDがスイッチング素子(ここではIGBTを用いている)のオン電圧vSに対し大きいことがわかる。また、PMモータをインバータの負荷とした場合のPMモータに対する負荷トルク増加すなわちインバータの負荷電流の増加にともない双方のオン電圧が増加していることがわかる。
【0026】
上記の(3)式より、vSおよびvDの増加時には電圧降下VdPが大きくなると考えられる。また、vD>vSであるから、スイッチオン期間が短い(低電圧)ほど電圧降下VdPが大きくなると考えられる。
【0027】
このように、半導体デバイスのオン電圧は動作点により変化するため、デッドタイム補償時間も動作点に応じて変化する。本実施形態では、種々の動作点に対し十分な精度でデッドタイムならびにオン電圧降下を補償するため、デッドタイム補償時間をオンラインで同定する。
【0028】
(2)デッドタイム補償時間のオンライン同定
前記の(1)式より、同期q軸デッドタイム補償電圧vcomがデッドタイム補償時間TCに対して比例関係であることに着目し、この関係を利用してデッドタイム補償時間のオンライン同定を得る。
【0029】
図4(a)はデッドタイム補償時間をTC=3.0μsとした場合のa相デッドタイム補償電圧vacomを示している。また、図4(b)に静止d軸へ座標変換した補償電圧vdcomおよび同期q軸へ座標変換した補償電圧vqcomを示している。ここで、同期q軸補償電圧vqcomは脈動しているがほぼ直流成分であり、静止d軸補償電圧vdcomの振幅に一致している。静止d軸補償電圧の振幅Vpkは次式で表現でき、直流リンク電圧Vdcおよびスイッチング周期TSが一定であるため、デッドタイム補償時間TCに比例する。
【0030】
【数4】
【0031】
補償電圧vqcom≒振幅Vpkより、推定デッドタイム補償時間Tceは次式より同定できる。
【0032】
【数5】
【0033】
ただし、同期q軸デッドタイム補償電圧vqcomは未知であるため推定する必要がある。この推定は、PMモータドライブの電流制御ループにおいて、デッドタイムの影響により生じる電圧成分を外乱電圧とみなし、外乱オブザーバで推定する。推定される外乱電圧とデッドタイム補償電圧は平均値レベルでは等価であると考えられるため、同期q軸外乱電圧を同期q軸デッドタイム補償電圧とする。
【0034】
(3)実施形態1
図1に本実施形態によるPMモータの速度制御システムの構成を示す。同図の破線ブロックを除く部分は、電流制御マイナーループを有するPMモータのベクトル制御による速度制御システムであり、速度制御部1では速度指令ωr*と検出速度ωrの比較によりq軸電流指令(トルク電流指令)iq*を得、電流制御部2では電流指令iq*とd軸電流指令(励磁電流指令)id*とそれぞれの検出電流id,iqの比較により電圧指令vq*,vd*を得、これら電圧指令を座標変換部3によってPWMインバータ4の3相電圧指令vabcに変換し、インバータ4でPMモータ5を駆動する。
【0035】
ロータリーエンコーダ6はPMモータ5のロータ位相角度θrを検出し、これを座標変換部3による電流検出の座標変換に必要な位相角度とし、微分器7はθrを微分することで検出速度ωrを得る。
【0036】
破線ブロックの要素のうち、外乱オブザーバ8は、電流制御ループにおいて、デッドタイムの影響により生じる電圧成分を外乱電圧とみなし、同期q軸デッドタイム補償電圧を推定する。この外乱オブザーバ8はPMモータの電圧方程式を基に等価演算を行う構成にされる。
【0037】
同期座標におけるPMモータの電圧方程式は次式となる。
【0038】
【数6】
【0039】
式中、非干渉化電圧は次式で与えられる。
【0040】
【数7】
【0041】
ここで、図1のシステムにはインバータ4が含まれており、インバータのデッドタイム等の影響により、電圧と電流の関係式は(6)式を満足しない。したがって、電流制御部2により決定される指令電圧vq*,vd*と電流iq,idの関係式は次式のように表現できる。
【0042】
【数8】
【0043】
このうち、外乱オブザーバ8は、同期q軸成分の外乱電圧vqDTを推定する。この同期q軸の外乱オブザーバ8は次式に従った演算要素で構成できる。
【0044】
【数9】
【0045】
デッドタイム補償部9は、外乱電圧推定値vqDTを同期q軸デッドタイム補償電圧とみなし、(5)式よりデッドタイム補償時間の同定値TCeを算出し、この同定値を用いて、(1)式よりデッドタイム補償電圧vqcom.vdcomを算出し、これを指令電圧vq*,vd*に加えることで、オンライン同定によるデッドタイム補償を得る。
【0046】
(a)実施形態1のシミュレーション結果
図5は、デッドタイム補償時間をTc=3.0μsと設定した場合の同定値Tceの推定結果である。低出力時には設定値よりも大きく同定され、高出力になるに従い同定値が小さくなる傾向がある。この同定誤差の原因は、外乱電圧がデッドタイム補償電圧と厳密に一致しないためであると考えられる。しかしながら、最大同定誤差が10%程度であり、概ね良好に同定できているといえる。
【0047】
図6は、低出力時におけるデッドタイム補償結果を示している。図6(a)はa相デッドタイム補償電圧であり、低出力時はデッドタイム補償時間が設定値よりも大きく同定されているため、補償電圧の振幅が実際値よりも若千大きくなっている。図6(b)はa相指令電圧であり、デッドタイムを補償していない場合の結果ならびにデッドタイムがない理想インバータを用いた場合の結果を示している。提案するデッドタイム補償法を適用した場合の指令電圧は理想インバータの指令電圧とほぼ一致していることから、デッドタイムの影響が補償できていることが確認できる。一方、デッドタイムを補償していない場合の指令電圧は振幅が大きくなっている。
【0048】
図7は、高出力時におけるデッドタイム補償結果を示している。高出力時にはデッドタイム補償時間が設定値よりも小さく同定されていたため、デッドタイム補償電圧は設定値よりも小さくなっている。図7(b)よりデッドタイムを補償した場合の指令電圧が理想インバータの指令電圧とほぼ一致していることから、デッドタイムの影響が補償できていることが確認できる。
【0049】
(b)実施形態1の実験結果
図8は、デッドタイム補償時間の同定結果である。回転速度の低下に伴いデッドタイム補償時間は増加している。これは低速領域では低電圧であり、前記の(3)式で示したように半導体デバイスのオン電圧降下が増加するためであると考えられる。
【0050】
また、デッドタイム補償時間は出力トルクの増加すなわち負荷電流の増加に対しても増加傾向にある。これは図3で示したようにスイッチング素子およびダイオードのオン電圧が実際に増加しているためであると考えられる。
【0051】
なお、2500rpmにおいては出力トルクの増加にも関わらずデッドタイム補償時間が減少している。これは図5で示した同定誤差の特性から実際値よりも小さく同定されていることが要因の1つに挙げられる。
【0052】
図9および図10は、低出力時および高出力時のデッドタイム補償結果を示している。図9(a)および図10(a)より、動作点の違いによりデッドタイム補イ賞電圧の振幅が適応的に変化していることがわかる。図9(b)および図10(b)に指令電圧を示すように、デッドタイムを補償した場合の指令電圧が理想インバータの指令電圧とほぼ一致していることから、デッドタイムの影響を補償できていることが確認できる。
【0053】
(4)実施形態2
図11に本実施形態のブロック図を示す。同図が図1と異なる部分は、指令電圧から電圧実効値を算出するための2相/3相変換部10を設けた点にある。変換部10は、同期d−q軸指令電圧vq*,vd*から3相電圧への座標変換を行い、変換された電圧vabccalは瞬時値レベルまたは実効値レベルでの実電圧との比較に利用する。
【0054】
図12は電圧実効値vrmsの算出値と実測値との比較である。図12(a)より、デッドタイムを補償しない場合は回転速度に関わらず実測値に比較して算出値が約5V大きくなっている。
【0055】
したがって、低電圧となる低速領域ほどデッドタイムおよび半導体デバイスのオン電圧降下の影響が大きいことが確認できる。一方、図12(b)よりデッドタイム補償法により種々の動作点で算出値は実測値にほぼ一致している。
【0056】
(5)実施形態3
図13に本実施形態のブロック図を示す。同図が図11と異なる部分は、指令電圧と、電流センサから得られる電流情報とから有効電力Pcalを算出する有効電力演算部11を設けた点にある。
【0057】
図14は有効電力の算出値と実測値との比較である。図14(a)に示すようにデッドタイム補償なしでは算出値が実測値に一致していないのに対し、図14(b)に示すように提案するデッドタイム補償法により種々の動作点で算出値が実測にほぼ一致している。これらの結果より、電圧情報が振幅だけでなく位相も正確に得られていることがわかる。
【0058】
【発明の効果】
以上のとおり、本発明によれば、以下の効果がある。
【0059】
(1)インバータのデッドタイムならびに半導体デバイスのオン電圧降下の影響をオンラインで補償することができるため、種々の動作点に対して十分な精度での補償が可能となる。
【0060】
(2)多くの動作点でデッドタイム補償時間をあらかじめ同定しておく必要がない。
【0061】
(3)同定プロセスは特殊な信号等の注入が不要であるため、種々の動作点において十分な精度でのデッドタイム補償が容易に実現できる。
【0062】
(4)指令電圧を座標変換した三相電圧を電圧測定値とした電圧検出器などに利用できる。
【0063】
(5)指令電圧を座標変換した三相電圧と、電流センサから得られる電流情報とから有効電力を算出し、有効電力測定値とした電力検出器などに利用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1を示すデッドタイム補償機構を有するPMモータの速度制御システム。
【図2】インバータのa相電圧における指令値と実際値の関係図。
【図3】スイッチング素子およびダイオードのオン電圧の測定値。
【図4】各座標軸におけるデッドタイム補償電圧。
【図5】デッドタイム補償時間の同定結果。
【図6】低出力領域におけるデッドタイム補償結果(シミュレーション結果)。
【図7】高出力領域におけるデッドタイム補償結果(シミュレーション結果)。
【図8】デッドタイム補償時間の同定結果(実験結果)。
【図9】低出力領域におけるデッドタイム補償結果(実験結果)。
【図10】高出力領域におけるデッドタイム補償結果(実験結果)。
【図11】本発明の実施形態2を示すデッドタイム補償機構を有するPMモータの速度制御システム。
【図12】電圧実効値の算出値と実測値との比較結果。
【図13】本発明の実施形態3を示すデッドタイム補償機構を有するPMモータの速度制御システム。
【図14】有効電力の算出値と実測値との比較結果(実験結果)。
【符号の説明】
1…速度制御部
2…電流制御部
3…座標変換部
4…PWMインバータ
5…PMモータ
6…ロータリエンコーダ
7…微分器
8…オブザーバ
9…デッドタイム補償演算部
10…2相/3相変換部
11…有効電力演算部
Claims (3)
- 電流制御ループを有するインバータでPMモータを駆動するPMモータの制御システムにおいて、
前記インバータのデッドタイムにより生じる電圧成分を外乱電圧として推定する外乱オブザーバと、
前記外乱電圧の推定値を同期q軸デッドタイム補償電圧としてデッドタイム補償時間の同定値を算出し、この同定値を用いてデッドタイム補償電圧を算出し、このデッドタイム補償電圧をインバータの指令電圧に加えるデッドタイム補償部とを備えたことを特徴とするPMモータの制御システム。 - 請求項1において、同期d−q軸指令電圧から三相電圧へ座標変換を行って電圧測定値を得る2相/3相座標変換部を備えたことを特徴とするPMモータの制御システム。
- 請求項1または2において、同期d−q軸指令電圧から座標変換した三相電圧と、電流センサから得られるPMモータの電流情報とから有効電力測定値を得る有効電力演算部を備えたことを特徴とするPMモータの制御システム。
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