JP5561550B2 - 回転電機制御装置 - Google Patents

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本発明は、回転電機に印加した高周波の観測電流への応答成分に基づいてロータに配置された永久磁石の磁極位置を演算すると共に、永久磁石が発生する磁界の方向であるd軸と当該d軸に直交するq軸とのdq軸ベクトル空間において回転電機をベクトル制御する回転電機制御装置に関する。
永久磁石式同期モータ、例えば3相同期モータの制御方法として、ベクトル制御と呼ばれる制御方法が知られている。ベクトル制御では、モータの3相のステータコイルに流れるモータ電流を、ロータに配置された永久磁石が発生する磁界の方向であるd軸と、このd軸に直交するq軸とのベクトル成分に座標変換してフィードバック制御を行う。この座標変換のためには、ロータの位置(磁極位置)を精度良く検出する必要がある。磁極位置検出にはレゾルバなどの回転センサや、ロータの回転によって生じる誘導起電力を利用して電気的に磁極位置を検出するセンサレス磁極検出回路が利用される。但し、モータの停止時に誘導起電力が生じず、低回転時には誘導起電力も小さいため、高周波電流や高周波電圧をモータに与えてその応答により磁極位置を推定する方法も提案されている。
平成9年電気学会(The Institute of Electrical Engineers of Japan)全国大会の論文「高周波電流注入を利用した位置センサレス突極形PMモータの広範囲速度制御法(Speed Control Method of Position Sensorless Salient-Pole PM Motor for Wide Speed Range Using High Frequency Current Injection)」(非特許文献1)には、そのようなセンサレス磁極検出技術が報告されている。この技術では、固定子の座標系であるαβ座標が定義され、回転子の磁極位置と一致した上記ベクトル制御におけるd軸及びq軸に対応した座標系であるdq座標は、αβ座標に対して位置θ、角速度ωを有すると定義される。センサレス制御においては実際のdq座標は検出できないため、dq座標は推定座標として扱われる(当該論文中では、「^」付きの座標として表記されている。)。そして、推定dq座標において高周波の観測電流が注入され、電圧指令から位置推定信号が得られる。この位置推定信号は、実際の磁極位置θと推定磁極位置との偏差をΔθとすれば、sinΔθを含むものであり、Δθがゼロ付近では「sinΔθ≒Δθ」となる。これを利用して、位置推定信号がゼロとなるように制御することで推定磁極位置が算出される。
しかし、モータ制御に用いられるフィードバック制御にしばしば用いられるPI制御(比例積分制御)では、高周波に対する応答性が高くないため、位置推定信号をゼロ付近に制御することが容易ではない。具体的には、高周波の観測電流に対するPI制御の追従性が高くないため、電流指令とフィードバック電流との偏差をPI制御して得られる電圧指令に、本来は直流成分と高周波成分とが現れるべきであるのに低周波成分が出現してしまう。非特許文献1に記載されているように、非特許文献1の第(3)式のδ軸電圧をローパスフィルタに通すことで、位置推定信号を含む第(3)式第3項を抽出することができる。しかし、PI制御の追従性に起因して電圧指令に現れる低周波成分も、このローパスフィルタを通過してしまう。その結果、低周波成分がノイズ成分となり、位置推定信号がゼロ付近となるように制御することが容易ではなくなる。
山田和範(Kazunori Yamada)、他2名、「高周波電流注入を利用した位置センサレス突極形PMモータの広範囲速度制御法(Speed Control Method of Position Sensorless Salient-Pole PM Motor for Wide Speed Range Using High Frequency Current Injection)」、平成9年(2010年)電気学会(The Institute of Electrical Engineers of Japan)全国大会論文、4-356〜357
上述した背景に鑑み、高周波の観測電流に対する比例積分制御の追従性を向上させて電圧指令値からロータの磁極位置を良好に推定する技術の提供が望まれる。
上記課題に鑑みた本発明に係る回転電機制御装置の特徴構成は、
回転電機のロータに配置された永久磁石が発生する磁界の方向であるd軸と当該d軸に直交するq軸とのdq軸ベクトル空間における電流指令と、当該dq軸ベクトル空間に座標変換された前記回転電機からのフィードバック電流との偏差に基づいて、当該dq軸ベクトル空間における電圧指令を演算すると共に、前記回転電機に高周波の観測電流を印加し、当該観測電流への応答成分として前記電圧指令に含まれる高周波成分に基づいて前記ロータの磁極位置を演算して、前記回転電機を制御する回転電機制御装置であって、
前記偏差の少なくとも基本波成分を前記dq軸ベクトル空間において比例積分制御して基本電圧指令を演算する基本電流制御部と、
前記偏差を前記dq軸ベクトル空間から前記観測電流に応じた高周波ベクトル空間に座標変換して当該高周波ベクトル空間において比例積分制御し、前記dq軸ベクトル空間に再変換して高周波成分電圧指令を演算する高周波成分電流制御部と、
前記基本電圧指令と前記高周波成分電圧指令とを加算して前記dq軸ベクトル空間における前記電圧指令を決定する電圧指令決定部と、
決定された前記電圧指令に含まれる高周波成分に基づいて前記ロータの磁極位置を演算する磁極位置演算部と、を備え
前記磁極位置演算部は、前記電圧指令決定部で決定された前記電圧指令を前記dq軸ベクトル空間から前記観測電流に応じた高周波応答ベクトル空間に座標変換し、所定の帯域を通過させるフィルタを介して得られた値を比例積分制御して回転速度を演算し、当該回転速度を積分して前記磁極位置を演算し、
記高周波ベクトル空間及び前記高周波応答ベクトル空間は、所定の位相指令に基づいて印加される前記観測電流の当該位相指令に基づいて前記dq軸ベクトル空間から座標変換される共通の座標系である点にある。
この構成によれば、観測電流に応答した応答成分を含むフィードバック電流と電流指令との偏差が、高周波ベクトル空間において比例積分制御される。この高周波ベクトル空間は、高周波成分を含む観測電流に応じてdq軸ベクトル空間から変換された座標系であり、交流成分である高周波成分が直流成分に変換されることになる。その結果、高周波ベクトル空間における応答成分に関する比例積分制御が直流成分に対する演算となるので、比例積分制御における応答性を充分に確保することができる。電圧指令に含まれる高周波成分に基づいてロータの磁極位置を演算する磁極位置演算部には、少なくとも基本波成分が比例積分制御されて得られた基本電圧指令と、高周波成分が比例積分制御されて得られた高周波電圧指令とが加算された電圧指令が提供される。従って、磁極位置演算部は、電圧指令に含まれる高周波成分に基づいて精度良くロータの磁極位置を演算することができる。即ち、本構成によれば、高周波の観測電流に対する比例積分制御の追従性を向上させて電圧指令値からロータの磁極位置を良好に推定することが可能となる。
電圧指令には、基本波成分と高周波成分とが含まれているから、磁極位置演算部は、高周波成分を適正に取り出して磁極位置を演算することが好ましい。dq軸ベクトル空間は、ロータに配置された永久磁石が発生する磁界の方向に応じた座標系であるが、磁界の方向は磁極位置演算部により演算された磁極位置に基づくもので、いわゆる推定値である。従って、回転電機制御装置におけるdq軸ベクトル空間は実際には推定dq軸ベクトル空間である。この推定dq軸ベクトル空間と現実の磁極位置に基づくdq軸ベクトル空間とが一致している状態から差異が生じると、ステータの固定された座標系に対して両空間の回転速度が異なることになる。回転速度は角速度であるから、磁極位置演算部は、回転速度を求めてこの回転速度を積分することによって角度を求めることができる。従って、上述したように、前記磁極位置演算部、前記電圧指令決定部で決定された前記電圧指令を前記dq軸ベクトル空間から前記観測電流に応じた高周波応答ベクトル空間に座標変換し、所定の帯域を通過させるフィルタを介して得られた値を比例積分制御して回転速度を演算し、当該回転速度を積分して前記磁極位置を演算すると好適である
一般的に観測電流は、所定の位相及び振幅を有する高周波電流として回転電機に印加される。一例として、観測電流は、dq軸ベクトル空間における電流指令に対して観測電流指令を重畳することによって回転電機に印加される。この際、観測電流指令には観測電流の位相及び振幅に関する情報が含まれることになる。従って、観測電流に応じて高周波ベクトル空間や、高周波応答ベクトル空間への座標変換を行う際には、位相に関する観測電流指令を利用することができる。上述したように、前記高周波ベクトル空間及び前記高周波応答ベクトル空間は、所定の位相指令に基づいて印加される前記観測電流の当該位相指令に基づいて前記dq軸ベクトル空間から座標変換される共通の座標系である。これにより、高周波ベクトル空間及び高周波応答ベクトル空間への座標変換を、同じ演算(同じ変換行列や同じ変換テーブル)により実施することが可能となるので、演算効率が向上する。
回転電機制御装置を含む駆動装置の模式的なブロック図 dq軸ベクトル空間とγδ軸ベクトル空間との関係を示す図 両ベクトル空間における電流波形を模式的に示す波形図 αβ軸ベクトル空間とdq軸ベクトル空間との関係を示す図 αβ軸、dq軸、推定dq軸の各ベクトル空間の関係を示す図 dq軸と推定dq軸との位相差と回転速度との関係を示す図 dq軸電流に関するシミュレーション結果を示す波形図 dq軸電圧に関するシミュレーション結果を示す波形図 磁極位置推定用δ軸電圧及び磁極位置のシミュレーション結果を示す波形図 回転電機制御装置の他の構成例を含む駆動装置の模式的なブロック図
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1に示すように、回転電機制御装置10は、交流の回転電機30の回転をレゾルバ等の回転センサを用いることなく、いわゆるセンサレスで検出する機能を備えた制御装置である。以下、適宜「回転電機制御装置10」を単に「制御装置10」と称し、「回転電機30」を単に「モータ30」と称して説明する。本実施形態において、モータ30は、埋込型永久磁石同期モータ(interior permanent magnet synchronous motor : IPMSM)であり、ロータの永久磁石のN極方向の磁気特性と電気的にこれと垂直な方向(電気角で90°ずれた方向)との磁気特性とが異なる突極性(逆突極性を含む)を有する。詳細は後述するが、本実施形態においてモータ制御装置は、この突極性を利用して、モータ30の回転時に留まらず、モータ30の停止時や低速回転時においてもセンサレスで磁極位置や磁極の方向を判定する。尚、当然ながら、回転電機(モータ)30は、モータ(電動機)、ジェネレータ(発電機)、及び必要に応じてモータ及びジェネレータの双方の機能を果たすモータ・ジェネレータのいずれをも含むものである。
はじめに、モータ30の駆動制御を行う駆動装置20の全体構成について説明する。図1に示すように、駆動装置20は、制御装置10、直流電源21、平滑コンデンサ22、インバータ24、電流センサ25を備えている。ここで、直流電源21は、バッテリ等の充電可能な二次電池である。そして、駆動装置20は、直流電源21の直流電力をインバータ24を介して3相交流に変換してモータ30に供給する。また、インバータ24は、モータ30がジェネレータとして機能する際には発電された交流電力を直流に変換して直流電源21に供給する。直流電源21の正極端子と負極端子との間には、平滑コンデンサ22が並列に接続され、直流電力を安定化する。
インバータ24は、複数のスイッチング素子を有して構成される。スイッチング素子には、IGBT(insulated gate bipolar transistor)やMOSFET(metal oxide semiconductor field effect transistor)を適用すると好適である。インバータ24は、モータ30の各相(U相、V相、W相の3相)のそれぞれに対応するU相レッグ、V相レッグ、及びW相レッグを備えている。各レッグは、それぞれ直列に接続された上段側アームのスイッチング素子と下段側アームのスイッチング素子とにより構成される。各アームのスイッチング素子には、それぞれフリーホイールダイオードが並列接続されている。各レッグは、モータ30のU,V,W各相のステータコイルに接続される。この際、各相レッグ上段側アームと下段側アームとの間とモータ30の各相ステータコイルとが電気的に接続される。また、各レッグの上段側アームは、直流電力の正極側に接続され、各レッグの下段側アームは、直流電力の負極側に接続される。
インバータ24は、不図示のドライバ回路を介して制御装置10に接続されており、制御装置10が生成する制御信号に応じてスイッチング動作する。制御装置10は、マイクロコンピュータなどの論理回路を中核とするECU(electronic control unit)として構成される。ECUは、マイクロコンピュータの他、インターフェース回路やその他の周辺回路などを有して構成される。インターフェース回路は、EMI(electro-magnetic interference)対策部品やバッファ回路などにより構成される。
ドライバ回路は、電圧変換回路や絶縁回路などを備え、制御装置10が生成した制御信号をスイッチング素子の制御端子(ゲート端子やベース端子など)に供給する回路である。例えば、モータ30が車両の駆動力源である場合などでは、直流電源21は高電圧であり、インバータ24の各スイッチング素子は、高電圧をスイッチングする。このように、高電圧をスイッチングする素子の制御端子に入力されるパルス状の駆動信号(制御信号)のハイレベルとローレベルとの電位差は、マイクロコンピュータなどの一般的な電子回路の動作電圧よりも遥かに高い電圧である。従って、制御信号は、ドライバ回路を介して電圧変換や絶縁された後、インバータ24の各スイッチング素子に入力される。
このようにモータ30は、制御装置10によりスイッチング制御されるインバータ24を介して、所定の出力トルク及び回転速度で駆動される。この際、モータ30の各ステータコイルに流れる電流の値が制御装置10にフィードバックされる。後述するように、制御装置10は、電流指令(id,iq)との偏差に対してPI制御(比例積分制御)やPID制御(比例微積分制御)を実行してモータ30を駆動制御する。本実施形態では電流PI制御部3により、PI制御が実施される場合を例示している。このフィードバック制御を実現するため、インバータ24の各相レッグとモータ30の各相ステータコイルとの間に設けられたバスバーなどの導体を流れる電流値が、電流センサ25により検出される。図1においては、電流センサ25は、バスバーなどの交流電力線に対して非接触で交流電流を検出する非接触電流センサの形態を例示している。尚、本実施形態では、3相全てに対して電流センサ25が配置される形態を例示しているが、3相各相の電流は平衡しており瞬時値はゼロであるから、2相のみの電流値を検出して残りの1相を演算により求める構成であっても構わない。
以下、レゾルバ等の回転センサを用いることなくセンサレスでモータ30の回転を検出し、ベクトル制御によりモータ30を制御する制御装置10の詳細な構成について説明する。このベクトル制御におけるベクトル空間は、モータ30のロータに配置された永久磁石が発生する磁界の方向であるd軸と当該d軸に電気的に直交するq軸とのdq軸ベクトル空間である。
モータ30が車両の駆動装置の場合、不図示の走行制御ECUなどからトルク指令(目標トルク)Tが制御装置10に与えられる。制御装置10のトルク制御部1は、トルク指令Tに応じてベクトル制御の電流指令(目標電流)id,iqを設定する。電流指令id,iqは、上述したd軸及びq軸を基準とするベクトル空間に対応して設定される。電流PI制御部3は、dq軸ベクトル空間における電流指令id,iqと、モータ30の各ステータコイルに流れる3相電流の検出値が2相のdq軸ベクトル空間に座標変換されてフィードバックされたフィードバック電流id,iqとの偏差をPI制御して、ベクトル空間における電圧指令vd,vqを演算する。本実施形態では、電流PI制御部3は基本電圧指令vd ,vq を演算し、高周波成分電流制御部4で演算された高周波成分電圧指令vd ,vq を電圧指令決定部5において加算して電圧指令vd,vqが決定される。高周波成分電流制御部4、電圧指令決定部5の詳細については、後述する。電圧指令vd,vqは、変調部6において3相の電圧指令に座標変換され、変調部6は、この3相の電圧指令に基づいてインバータ24をスイッチング制御する制御信号を、例えばPWM(pulse width modulation)により生成する。
電流センサ25により検出された3相電流は、3相2相座標変換部8により磁極位置θに基づいて2相のフィードバック電流id,iqに座標変換される。本実施形態では、磁極位置θは演算により求められた推定磁極位置である。モータ30が回転中においては、フィードバック電流id,iqに誘導起電力による脈動成分が含まれるため、この脈動成分を検出することによって回転速度ωを演算することができ、この回転速度ωから磁極位置θを演算することができる。モータ30が回転中に回転速度ω及び磁極位置θを演算する機能部については公知であるため、図示並びに詳細な説明を省略する。モータ30が停止中あるいは低速で回転中の場合には、電気的な刺激となる観測電流をモータ30に印加し、その応答から回転速度ω並びに磁極位置θが演算される。これは、磁極位置演算部7において実施されるが、詳細については後述する。上述したように、変調部6において、電圧指令vd,vqが3相の電圧指令に座標変換されるが、この際も磁極位置θ(推定磁極位置)に基づいて座標変換される。
このように、モータ30をベクトル制御するためには、現実の3相空間と2相のdq軸ベクトル空間との間での相互の座標変換が必要である。このため、ロータの磁極位置θを精度良く検出する必要がある。本実施形態における制御装置10は、レゾルバなどの回転検出装置を備えることなく、ロータの磁極位置θを推定するセンサレス制御を採用している。上述したように、モータ30が停止している際には当然ながら誘導起電力も生じないため、モータ30に電気的な刺激を与えてその応答により、推定磁極位置が演算される。
電気的な刺激は、高周波の観測電流としてモータ30に印加される。本実施形態では、高周波の観測電流の一例として回転電機を流れる3相電流の高次高調波成分による高調波電流が印加される。ここでは、高調波による観測電流が観測指令id ,iq として、電流指令id及びiqに重畳される。観測指令id ,iq は、観測指令生成部2により生成される。観測指令生成部2は、振幅指令I 、位相指令θ に基づいて下式(1)により、観測指令id ,iq を生成する。
Figure 0005561550
観測指令id ,iq は、トルク制御部1により設定された電流指令id,iqに重畳される。下式(2)に示すように、観測指令が重畳された電流指令と、フィードバック電流id、iqとの偏差Δid,Δiqが電流PI制御部3及び高周波成分電流制御部4に入力される。
Figure 0005561550
ところで、一般的にPI制御は高周波に対する追従性が高くない。このため、電流PI制御部3は、高周波成分を有する偏差Δid,Δiqから、直流成分と高周波成分とを有する電圧指令vd,vqを算出することができず、高周波成分を減衰させ、低周波成分を発生させてしまう可能性がある。例えば、図8(a)や図8(c)に例示するように振幅中心が定まらず、低周波ノイズによりふらつく電圧指令vd,vqが発生する。図1に示すように磁極位置演算部7にはローパスフィルタ(LPF)72が備えられている。簡潔に言えば、観測指令に対する応答成分である高周波成分が減衰していることに加え、低周波成分がこのローパスフィルタ72を通過しまうことで、精度のよい磁極位置の推定ができなくなる。そこで、本実施形態の制御装置10は、基本電流制御部に相当する電流PI制御部3に加えて、高周波成分をPI制御する高周波成分電流制御部4を備える。そして、基本電流制御部3が演算した基本電圧指令vd ,vq と、高周波成分電流制御部4が演算した高周波電圧指令vd ,vdq とを、電圧指令決定部5において加算して、直流成分と高周波成分とを有する電圧指令vd,vqを決定する。
電流PI制御部3は、偏差Δid,Δiqの少なくとも基本波成分をdq軸ベクトル空間においてPI制御して基本電圧指令vd ,vq を演算する基本電流制御部として機能する。このようなPI制御については、公知であるので詳細な説明は省略し、以下、高周波成分をPI制御する高周波成分電流制御部4の機能について説明する。高周波成分電流制御部4は、偏差Δid,Δiqをdq軸ベクトル空間から観測指令id ,iq に応じた高周波ベクトル空間に座標変換し、当該高周波ベクトル空間においてPI制御を行う。そして、PI制御により得られた演算結果をdq軸ベクトル空間に再変換して高周波成分電圧指令vd ,vq を演算する。この機能を実現するため、本実施形態においては、高周波成分電流制御部4は、座標変換部41と、PI制御部42と、逆座標変換部43とを備えて構成される。また、本実施形態においては、高周波ベクトル空間をγδ軸ベクトル空間とし、座標変換部41は、位相指令θ に基づいて図2及び下式(3)に示すようにdq軸ベクトル空間からγδ軸ベクトル空間へ座標変換する。
Figure 0005561550
図3(a)は、dq軸ベクトル空間におけるq軸電流の偏差Δiqを示しており、図3(b)は、γδ軸ベクトル空間におけるδ軸電流の偏差Δiδを示している。図3(a)に示すように、dq軸ベクトル空間では、観測電流に応じた高周波の交流成分がそのままの形態で偏差Δiqに重畳されているため、観測電流に対する応答成分をPI制御するには適さないものとなっている。一方、図3(b)に示すように、γδ軸ベクトル空間では、観測電流に応じた交流成分が直流成分へと変換されているため、観測電流に対する応答成分を良好にPI制御することが可能となる。
PI制御部42は、座標変換部41によりγδ軸ベクトル空間に変換された偏差Δiγ,Δiδに対してPI制御を実行し、γδ軸高周波成分電圧指令vγ ,vδ を演算する。逆座標変換部43は、位相指令θ に基づいてγδ軸高周波成分電圧指令vγ ,vδ をγδ軸ベクトル空間からdq軸ベクトル空間に再変換する。即ち、γδ軸高周波成分電圧指令vγ ,vδ をdq軸高周波成分電圧指令vd ,vq に逆変換する。これらdq軸高周波成分電圧指令vd ,vq は、高周波成分電圧指令vd ,vq として、電圧指令決定部5において基本電圧指令vd ,vq と加算されて電圧指令vd,vqとなる。
このようにして演算された電圧指令vd,vqには、観測電流に対する応答成分が高い追従性で含まれている。従って、磁極位置演算部7は、dq軸ベクトル空間における電圧指令vd,vqに基づいて、良好に磁極位置を推定することが可能となる。以下、磁極位置演算部7による磁極位置の演算について説明する。図1に示すように、磁極位置演算部7は、座標変換部71と、ローパスフィルタ72と、単位変換部73と、PI制御部74と、積分部75とを備えている。
ここで、モータ30のステータの座標として、αβ軸ベクトル空間を定義する。ロータの永久磁石が発生する磁界の方向をd軸とするdq軸ベクトル空間は、このαβ軸ベクトル空間に対して回転する座標系となり、磁極位置θは図4に示すようにαβ軸を基準としたθとして定義することができる。また、ロータの回転速度ωは、αβ軸ベクトル空間に対するdq軸ベクトル空間の回転速度ωとして定義することができる。本実施形態の制御装置10のように、磁極位置を演算によって推定する場合には、実際のdq軸ベクトル空間を直接検出することはできない。従って、図5において^(ハット)付きのdq軸によって示すように、演算によって推定された磁極位置に基づく推定dq軸ベクトル空間が設定される。αβ軸を基準としたロータの磁極位置θも、図5に示すように^付きのθ(便宜上、文中ではθ^と表記する。)として設定される。尚、αβ軸ベクトル空間に対する推定dq軸ベクトル空間の回転速度も同様に^付きのω(同様に、便宜上、文中ではω^と表記する。)として定義することができる。
ここで、磁極位置を検出するために、上述したように高周波の観測電流が印加された場合を考える。この際の位相指令θ は、実際には推定dq軸ベクトル空間に対する位相を示しており、観測電流も実際には推定dq軸ベクトル空間における電流である。従って、上記式(1)として示した観測指令は、下記式(4)となる。
Figure 0005561550
図5に示すように、実際のdq軸ベクトル空間と推定dq軸ベクトル空間との誤差に相当するΔθをゼロにすることにより、推定dq軸ベクトル空間が実際のdq軸ベクトル空間に一致する。つまり、Δθをゼロとすることにより推定dq軸が実際のdq軸となるので、磁極位置が精度良く検出されることになる。磁極位置演算部7は、この原理により磁極位置を演算する。ここで、推定dq軸ベクトル空間における電圧指令vd,vqは、Ra:ステータコイルの抵抗(巻線抵抗)、L:(Ld+Lq)/2、L:(Ld−Lq)/2、Ld:d軸インダクタンス、Lq:q軸インダクタンス、ω:観測指令の回転速度、ψ:鎖交磁束、として、高周波成分を含んだ下記式(5)で表される。
Figure 0005561550
磁極位置演算部7は、はじめに座標変換部71により、上述した電圧指令vd,vqを高周波応答ベクトル空間(ここではγδ軸ベクトル空間)に座標変換する。電圧指令vd,vqは推定dq軸ベクトル空間における電圧指令であるから、推定dq軸ベクトル空間から高周波応答ベクトル空間(γδ軸ベクトル空間)に座標変換されることになる(下記式(6)参照)。
Figure 0005561550
背景技術において提示した非特許文献1にも記載されているように、式(6)、即ちγδ軸ベクトル空間に座標変換された電圧にローパスフィルタ72を通過させることによって、αβ軸を基準とした磁極位置θ及びθ^を含む第3項を抽出することができる。この際、必要に応じて、ローパスフィルタ72を通過後の高周波応答δ軸電流vδが単位変換部73において単位変換される。具体的には、「L(ω−2ω+ω^)」の逆数を式(6)に示す高周波応答δ軸電流vδの第3項に乗じて、下記式(7)を得る。Lはモータ30の仕様から既知の値であり、Iは設定値であり、観測指令の回転速度ωは観測指令の位相(位相指令)θを微分することで求められ、未知である現実の回転速度ωは、推定回転速度ω^で代替されるので、式(7)は良好に求められる。
Figure 0005561550
推定dq軸ベクトル空間とdq軸ベクトル空間との誤差が少ない時には、上記式(7)は、「sin0=0」であるからゼロに近づくことになる。そこで、PI制御部74において上記式(5)がゼロとなるようにPI制御を実施する。PI制御部74は、高周波応答δ軸電流vδをPI制御して推定回転速度ω^を算出する。回転速度(角速度)を積分すると距離、即ち角度が得られるので、この推定回転速度ω^を積分部75において積分することによって、推定磁極位置θ^を算出する。
以下、この原理について補足する。モータ30が回転しているとき、dq軸ベクトル空間と推定dq軸ベクトル空間は、共にαβベクトル空間に対して回転している。ここで、dq軸ベクトル空間と推定dq軸ベクトル空間が同じ回転速度で回転していれば、両空間の誤差Δθは変化しない。一方、誤差Δθが変化するときには、両空間の回転速度が異なることになるから、誤差Δθの変化から推定回転速度ω^を求めることができる。時刻t=t0において、dq軸ベクトル空間と推定dq軸ベクトル空間が一致しているとき、誤差Δθt0=0である。図6に示すように、時刻t0からt1後の時刻t=t1において、誤差Δθt1がゼロではない値を有している場合、dq軸ベクトル空間の回転速度ωが上昇したことになる。dq軸ベクトル空間の時刻t0における回転速度ωmt0と時刻t1における回転速度ωmt1との差は、推定dq軸ベクトル空間の時刻t0における推定回転速度ω^mt0に対する速度上昇分に相当する。従って、PI制御部74において誤差Δθt1=0とするPI制御を行うことによって、時刻t1における回転速度ω^mt1を求めることができる。そして、この推定dp軸ベクトル空間の推定回転速度ω^を積分部75において積分することによって、推定磁極位置θ^が求められる。
以上説明したような構成、即ち制御装置10に高周波成分電流制御部4を設けることにより、高周波成分を確実に磁極位置演算部7に伝達することができ、推定磁極位置θ^の演算精度を向上させることができる。図7〜図9は、高周波成分電流制御部4を設けることによる効果をシミュレーションにより検証した結果を示している。
図7はdq軸電流を示しており、図7(a)及び図7(b)はd軸電流、図7(c)及び図7(d)はq軸電流を示している。それぞれ、実線がフィードバック電流(id,iq)を示し、破線が電流指令(id+id ,iq+iq )を示している。また、図7(a)及び図7(c)は、高周波成分電流制御部4を設けず基本電流制御部3のみでPI制御を実施した場合を示し、図7(b)及び図7(d)は、高周波成分電流制御部4を設け、2つの電流制御部3,4の演算結果を電圧指令決定部5で加算した場合を示している。図7(a)と図7(b)との比較、図7(c)と図7(d)との比較により明らかなように、高周波成分電流制御部4を設けず基本電流制御部3のみでPI制御を実施した場合には、電流指令とフィードバック電流とが大きく外れてしまっており、フィードバック制御が適正に実行されない。一方、図1に示したように高周波成分電流制御部4を設けた場合には、電流指令とフィードバック電流とが良好に一致し、フィードバック制御が適正に実行されている。
図8はdq軸電圧指令を示しており、図8(a)及び図8(b)はd軸電圧指令vd、図8(c)及び図8(d)はq軸電圧指令vqを示している。図7と同様に、図8(a)及び図8(c)は、高周波成分電流制御部4を設けず基本電流制御部3のみでPI制御を実施した場合を示し、図8(b)及び図8(d)は、高周波成分電流制御部4を設け、2つの電流制御部3,4の演算結果を電圧指令決定部5で加算して電圧指令vd,vqを決定した場合を示している。図8(a)と図8(b)との比較、図8(c)と図8(d)との比較により明らかなように、高周波成分電流制御部4を設けず基本電流制御部3のみでPI制御を実施した場合には、電圧指令vd,vqの振幅中心が定まらず、電圧指令vd,vqが振幅方向にふらついている。一方、図1に示したように高周波成分電流制御部4を設けた場合には、電圧指令vd,vqの振幅中心が良好に定まり、安定した電圧指令vd,vqが得られている。
図9(a)及び図9(b)は、上述した式(5)の「sin(2Δθ)」を含む位置推定信号を示しており、図9(c)及び図9(d)は磁極位置θを示している。図9(c)及び図9(d)において、それぞれ破線はレゾルバによって検出された現実の磁極位置θであり、実線は磁極位置演算部7によって演算された推定磁極位置θ^である。図7及び図8と同様に、図9(a)及び図9(c)は、高周波成分電流制御部4を設けず基本電流制御部3のみでPI制御を実施した場合を示し、図9(b)及び図9(d)は、高周波成分電流制御部4を設けた場合を示している。
図9(a)と図9(b)との比較から明らかなように、高周波成分電流制御部4を設けず基本電流制御部3のみでPI制御を実施した場合には、位置推定信号に低周波成分が重畳されて大きくふらついている。一方、高周波成分電流制御部4を設けた場合には、低周波成分が抑制され、位置推定信号の振幅中心が安定している。その結果、高周波成分電流制御部4を設けた場合には、図9(d)に示すように、レゾルバにより検出された現実の磁極位置θと、磁極位置演算部7による演算された推定磁極位置θ^とが良好に一致する。一方、図9(a)に示すように、位置推定信号が安定していない場合には、図9(c)に示すように、レゾルバにより検出された現実の磁極位置θと、磁極位置演算部7による演算された推定磁極位置θ^とが一致しなくなる。
図7〜図9に示したように、高周波成分電流制御部4を設け、2つの電流制御部3,4の演算結果を電圧指令決定部5で加算して電圧指令vd,vqを決定することによって、推定磁極位置θ^を精度良く演算することができる。即ち、本発明により、高周波の観測電流に対する比例積分制御の追従性を向上させて電圧指令値からロータの磁極位置を良好に推定する好適な技術が提供される。
〔別実施形態〕
(1)図1に基づいて上述した上記実施形態では、フィードバック電流(id,iq)と、電流指令(id+id ,iq+iq )との偏差(Δid,Δiq)を、それぞれ基本電流制御部3と、高周波成分電流制御部4とでPI制御する例を示した。しかし、基本電流制御部3は、偏差(Δid,Δiq)の少なくとも基本波成分をPI制御して基本電圧指令vd ,vq を演算できれば足り、高周波成分電流制御部4は、高周波成分を良好に比例積分制御して高周波成分電圧指令vd ,vq を演算できれば足りる。当業者であれば、この基本概念を逸脱することなく、図1に例示した構成を改変することも可能であろう。しかし、そのような改変も当然ながら本発明の技術的範囲に含まれる。そこで、そのような改変の1つの態様を図10に例示する。
図10に示すように、この態様では、高周波の応答成分が含まれるフィードバック電流id,iqにローパスフィルタ(LPF)9を通過させることによって、高周波の応答成分がカットされる。ローパスフィルタ9は、高周波の応答成分をカットし、基本波成分を通過させる周波数特性を備えていればよく、バンドパスフィルタであってもよい。基本電流制御部3は、フィルタ通過後のフィードバック電流と電流指令id,iqとの偏差をPI制御する。基本波成分はローパスフィルタ9を通過しているので良好にPI制御され、基本電圧指令(基本波成分電圧指令)vd ,vq が算出される。
高周波成分電流制御部4は、高周波の応答成分を含むフィードバック電流id,iqとフィルタ通過後のフィードバック電流との差分、即ち高周波の応答成分のみとなったフィードバック電流と、観測指令id ,iq との偏差をPI制御する。この偏差は、交流成分である高周波成分のみで構成されているが、この交流成分は上述したように座標変換部41で直流成分に変換されるのでPI制御部42で良好にPI制御される。そして、PI制御部42による演算結果が逆座標変換部43で再変換され、高周波成分電圧指令vd ,vq が算出される。基本電圧指令(基本波成分電圧指令)vd ,vq と高周波成分電圧指令vd ,vq とは、上述したように電圧指令決定部5において加算され、電圧指令vd,vqが決定される。
(2)図1及び図10に例示したブロック図、並びに上述した実施形態においては、高周波成分電流制御部4における高周波ベクトル空間と、磁極位置演算部7における高周波応答ベクトル空間とが、共に観測電流の位相指令θ に基づいてdq軸ベクトル空間から共通の座標系であるγδ軸ベクトル空間へ座標変換される場合を例示した。しかし、必ずしも全く同じベクトル空間へ変換される必要はなく、異なるベクトル空間へ座標変換されてもよい。例えば、一方が「θ 」に基づいて座標変換され、他方が「θ +φ(φは任意の設定値)」に基づいて座標変換されてもよい。
本発明は、レゾルバなどの回転センサを用いることなく回転電機の回転を検出して回転電機を制御するセンサレス回転電機制御装置に適用することができる。
3:電流PI制御部(基本電流制御部)
4:高周波成分電流制御部
5:電圧指令決定部
7:磁極位置演算部
10:回転電機制御装置
30:回転電機
id,iq:電流指令
id,iq:フィードバック電流
vd,vq:電圧指令
vd ,vq :高周波成分電圧指令
vd ,vq :基本電圧指令
Δid,Δiq:偏差
θ、θ、θ^:磁極位置
θ :位相指令

Claims (1)

  1. 回転電機のロータに配置された永久磁石が発生する磁界の方向であるd軸と当該d軸に直交するq軸とのdq軸ベクトル空間における電流指令と、当該dq軸ベクトル空間に座標変換された前記回転電機からのフィードバック電流との偏差に基づいて、当該dq軸ベクトル空間における電圧指令を演算すると共に、前記回転電機に高周波の観測電流を印加し、当該観測電流への応答成分として前記電圧指令に含まれる高周波成分に基づいて前記ロータの磁極位置を演算して、前記回転電機を制御する回転電機制御装置であって、
    前記偏差の少なくとも基本波成分を前記dq軸ベクトル空間において比例積分制御して基本電圧指令を演算する基本電流制御部と、
    前記偏差を前記dq軸ベクトル空間から前記観測電流に応じた高周波ベクトル空間に座標変換して当該高周波ベクトル空間において比例積分制御し、前記dq軸ベクトル空間に再変換して高周波成分電圧指令を演算する高周波成分電流制御部と、
    前記基本電圧指令と前記高周波成分電圧指令とを加算して前記dq軸ベクトル空間における前記電圧指令を決定する電圧指令決定部と、
    決定された前記電圧指令に含まれる高周波成分に基づいて前記ロータの磁極位置を演算する磁極位置演算部と、を備え
    前記磁極位置演算部は、前記電圧指令決定部で決定された前記電圧指令を前記dq軸ベクトル空間から前記観測電流に応じた高周波応答ベクトル空間に座標変換し、所定の帯域を通過させるフィルタを介して得られた値を比例積分制御して回転速度を演算し、当該回転速度を積分して前記磁極位置を演算し、
    前記高周波ベクトル空間及び前記高周波応答ベクトル空間は、所定の位相指令に基づいて印加される前記観測電流の当該位相指令に基づいて前記dq軸ベクトル空間から座標変換される共通の座標系である回転電機制御装置。
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