JP4312993B2 - インバータ制御方法およびその装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、無整流子電動機の回転を制御するインバータのインバータ制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、様々な種類のモータが実現されている。このうち、無整流子電動機は、同期電動機の回転子の位置を特定し、インバータのスイッチングのタイミングを制御して回転速度が制御されるモータである。したがってその基本特性はDCモータに類似しており、電機子電圧を調整することで回転速度を制御できる。
【0003】
無整流子電動機の一種であるブラシレスDCモータは、通常のDCモータからブラシ、整流子、などの機械的な接触部を取り去り、これを電子的に置き換えたものである。すなわち、回転子には永久磁石が設けられ、各固定子には電機子巻線がそれぞれ設けられる。固定子の電機子巻線に供給される電力の各通電状態を電子スイッチによってタイミング良く順次切り換えることによって回転子の回転を制御することから、いかに回転子の位置情報を検出するかが重要となってくる。
【0004】
ブラシレスDCモータを制御するにあたっては、回転子の位置を検出するためのセンサを設け、このセンサ出力を判断基準として電機子の通電状態を切り換えるのが一般的である。
【0005】
しかし、使用される環境などによっては、回転子の位置を検出するセンサを取り付けるのが困難な場合もある。このような場合は、矩形波電流でモータを駆動する120度通電方式や、正弦波電流でモータを駆動する180度通電方式(常時通電方式)と呼ばれるセンサレス演算制御が用いられる。
【0006】
図4は、ブラシレスDCモータの回転制御における従来例による120度通電方式を説明する図であって、(a)はブラシレスDCモータの固定子に設けられた電機子巻線の概略的な結線図であり、(b)は各相の出力電流波形のタイミングチャートである。
【0007】
従来例の120度通電方式によれば、モータの回転中、各相の電機子巻線に流れ込む電流を120度周期の転流タイミングで「ハイ(高電流)」、「ロー(低電流)」および「オフ(非通電)」に順次切り換える。図4(a)に示す例ではブラシレスDCモータにはU、V、Wの3相の電機子巻線があるので、図4(b)に示すように、各相の電機子巻線の通電状態は、どの周期においても「ハイ」、「ロー」および「オフ」のいずれかとなる。
【0008】
例えば位相が0度〜120度の間を例にとって説明すると、U相はハイ、V相はロー、W相はオフである。このとき駆動電流はU相の電機子巻線から中性点Nを経てV相の電機子巻線に流れ込む。一方、電流が流れていない、すなわち非通電にあるW相の電機子巻線には、永久磁石を備える回転子の回転により鎖交磁束が変化することで逆起電力が誘導される。この逆起電力を検出することによって回転子の位置を推定することができる。このようにして得られた回転子の位置情報に基づいて転流タイミングを計り、各相電機子巻線の通電状態を切り換える電子スイッチをスイッチングする。
【0009】
図5は、ブラシレスDCモータの回転制御における従来例による180度通電方式における、各相の出力電流波形のタイミングチャートである。
【0010】
180度通電方式は、図5に示すように各相の電機子巻線に120度ずつ位相をずらした正弦波電流を駆動電流として回転子を回転させる。回転子の位置は、各電機子巻線に流れる電流や各電機子巻線に生じる電圧などを測定してこれを所定の演算式に代入することで推定できる。得られた回転子の位置情報は、電機子巻線に駆動電流を供給するPWMインバータのスイッチング信号を生成するパラメータの1つとして用いられる。回転子の位置情報の推定のための演算にはいくつかの方法がある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
上述の120度通電方式による回転制御では、各相の電機子巻線の通電状態が位相角で120度毎に切り換わり、電機子巻線に流れる駆動電流は矩形波になる。矩形波の急峻なエッジは、無整流子電動機に電気的かつ機械的な騒音および振動を引き起こす原因となる。また、電機子巻線の1つに非通電期間を設けるので効率も悪い。
【0012】
一方180度通電方式による回転制御は、PWMインバータから出力される正弦波電流でモータを駆動するので、電気的もしくは機械的な騒音および振動が少なく、効率の面でも理想的である。しかし、回転子の位置の算出には大量の演算処理が必要であり、このような演算に対応するためには高性能な演算処理装置の導入が必須となる。このことは例えば普及価格帯の製品に導入する上で障害となり得る。
【0013】
従って本発明の目的は、上記問題に鑑み、無整流子電動機の回転制御をインバータ出力の調節により実現する場合において、無整流子電動機の運転中に発生する騒音および振動を削減し、構造簡単で低コストなインバータ制御装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を実現するために、本発明においては、無整流子電動機を正弦波駆動するようインバータのスイッチングを制御するスイッチング信号を、無整流子電動機の電機子電流を用いて生成するインバータ制御方法において、前記電機子電流を測定した時点のスイッチング信号の位相を保持する保持ステップと、当該電機子電流から無整流子電動機の回転子位置を推定する推定ステップと、保持されたスイッチング信号の位相と、推定された回転子位置の位相との誤差を算出して位相補正値を生成する演算ステップと、位相補正値が生成されるまでは現在出力中のスイッチング信号の信号系列を継続して出力し、位相補正値が生成されたときは当該位相補正値に基づいて現在出力中のスイッチング信号の位相を補正して新たなスイッチング信号の信号系列を出力する出力ステップと、を備える。
【0015】
図1は、本発明によるインバータ制御装置の機能ブロック図である。
【0016】
無整流子電動機Mを正弦波駆動するようインバータ2のスイッチングを制御するスイッチング信号を、無整流子電動機Mの電機子電流を用いて生成するインバータ制御装置1は、電機子電流を測定した時点のスイッチング信号の位相を保持する保持手段11と、当該電機子電流から無整流子電動機の回転子位置を推定する推定手段12と、保持されたスイッチング信号の位相と、推定された回転子位置の位相との誤差を算出して位相補正値を生成する演算手段13と、位相補正値が生成されるまでは現在出力中のスイッチング信号の信号系列を継続して出力し、位相補正値が生成されたときは当該位相補正値に基づいて現在出力中のスイッチング信号の位相を補正して新たなスイッチング信号の信号系列を出力する出力手段14と、を備える。推定手段12は、回転子位置の位相を、後述する式を用いて当該電機子電流から推定する。
【0017】
本発明によれば、無整流子電動機を正弦波駆動するので矩形波駆動するよりも電気的もしくは機械的な騒音および振動が少なく、効率的であり、また、演算処理を実行するマイコンもしくはDSPの性能に応じた制御が可能であるので、低性能な安価なマイコンもしくはDSPなどの演算器でも容易に無整流子電動機を制限は駆動することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明によるインバータ制御装置を説明するにあたり、まず、ブラシレスDCモータの回転子位置の推定演算に用いられるオブザーバに関する理論(以下、「拡張磁束オブザーバ理論」と呼ぶ。)について説明する。(拡張磁束オブザーバを用いた同期リラクタンスモータのセンサレス速度制御:平成12年電気学会産業応用部門大会講演論文集(p981〜p984)、花本剛士、辻輝生、田中良明著、平成12年8月9日発行)
図2は、ブラシレスDCモータの解析モデルを示す図である。
【0019】
この図において、d、qは回転子角速度ωeで回転するdq座標軸、α、βは、静止αβ座標軸、u、v、wは3相座標、θeはα軸(u軸)からの電気角である。また、vを電機子電圧、iを電機子電流、Rを電機子抵抗、Lを電機子インダクタンス、pを微分演算子(=d/dt)、添字d、qはそれぞれd軸成分およびq軸成分、添字α、βはそれぞれα軸成分およびβ軸成分を示す。
【0020】
ブラシレスDCモータのdq座標軸上における電圧方程式および磁束鎖交数は、式(1)のとおりである。
【0021】
【数7】
【0022】
ブラシレスDCモータの速度制御系においてd軸成分とq軸成分との非干渉化が行われベクトル制御が実現されている場合、式(1)は、αβ座標変換して式(2)のように表される。ここでψαおよびψβをαβ軸磁束鎖交数とする。
【0023】
【数8】
【0024】
式(2)の磁束鎖交数ψαおよびψβは式(3)のように表される。
【0025】
【数9】
【0026】
ただし、Ψ=(Ld−Lq)idとする。
【0027】
Ψの時間変化は、制御周期に比べて緩やかであり定数と仮定できるものとして式(3)を微分すると式(4)が得られる。
【0028】
【数10】
【0029】
ここで、eα=−Ψωesinθe、eβ=Ψωecosθe
と定義すると、式(2)は式(5)のように表される。
【0030】
【数11】
【0031】
以下、α相のみについて記述し、β相については同様なので省略する。ここで、電気角速度ω1の一定速度で回転しているブラシレスDCモータの高調波成分および直流成分を含む等価誘起電圧をモデル化して式(6)を定義する。
【0032】
【数12】
【0033】
式(6)を基本波成分と、これ以外の成分、すなわち直流成分eαdcおよび高調波成分の和と、に書き直すと、式(7)のようになる。
【0034】
【数13】
【0035】
eαdについて、高調波成分は振幅が小さいので無視できるとし、直流成分eαdcのみを考慮して、d(eαd)/dt=0と仮定する。また、a1およびb1は一定値とする。ここで、式(3)より、式(8)を定義する。
【0036】
【数14】
【0037】
これより、
【0038】
【数15】
【0039】
【数16】
【0040】
となるので、式(2)、(9)および(10)から、α軸を例にとれば、
【0041】
【数17】
【0042】
が得られる。
【0043】
式(11)の実際の演算においては、iαには電機子電流の測定値を用いる。また、vαについても測定した電機子電圧値を用いることが精度の点で好ましいが、前述の電機子電流測定値からマイコンで数学的に導出できる値を用いてもよい。また、式(11)における回転子角速度ωeには、角速度の指令値を代入する。
【0044】
以上についてはβ相も同様である。式(11)に同一次元オブザーバを適用すれば、磁束鎖交数ψα’および等価誘起電圧の基本波成分eα1および直流成分eαdcを推定することができる。なお、システム行列の一部とオブザーバゲインはωeによって変化するため、これらの値を速度指令値の関数として予め計算しておいて使用する。
【0045】
推定した鎖交磁束数ψα’およびψβ’を用いれば、次の式(12)および(13)から回転子の位置を推定することができる。
【0046】
【数18】
【0047】
【数19】
【0048】
インバータ駆動されるモータの回転速度を制御する場合、できるだけ頻繁にフィードバック制御を実行するのが好ましい。しかし、上述の演算処理は、非常に時間のかかるものであり、モータの電機子電流を測定してから回転子位置の推定が完了するまでの間は、フィードバック制御をかけることができない。この演算の処理時間を短くするために高速処理が可能なマイコンを用いてもよいが、コストアップにつながる。
【0049】
そこで、本発明によるインバータ制御装置では、演算処理中は現在出力中のスイッチング信号の信号系列を継続して出力する。一方、演算処理が完了した後にフィードバック制御をかけ、現在出力中のスイッチング信号の位相を補正して新たなスイッチング信号の信号系列を出力する。このように、本発明では、マイコンの処理能力に応じて制御周期を決定するので、低速処理能力のマイコンであっても、180度通電方式でブラシレスDCモータを正弦波駆動することが可能である。
【0050】
図3は、本発明の実施例によるインバータ制御装置のブロック図である。
【0051】
一般にインバータ制御システムを用いたモータ駆動装置においては、インバータおよびコンバータ(整流装置)のセットを備える。図3に示す実施例では、交流商用電源4をコンバータ3で直流に変換してこれをインバータ2の直流入力とし、インバータ2のPWM出力でブラシレスDCモータMを駆動する場合について説明する。インバータ2は、後述するスイッチング信号に基づいてスイッチング制御され、擬似3相交流(U、V、W)を出力する。このインバータ2の交流出力がブラシレスDCモータMの固定子に備えられた電機子巻線に供給される。
【0052】
本発明の実施例におけるインバータ制御装置1は、ブラシレスDCモータMを正弦波電流で駆動するためのスイッチング信号を生成する。
【0053】
インバータ制御装置1の測定手段15は、インバータ2から出力された、ブラシレスDCモータの電機子電流の電流値を測定する。図3に示す実施例では、3相(U、V、W)のうちの2相を検出し、残りの1相については、3相(U、V、W)を平衡とみなして演算により導出する。
【0054】
保持手段11は、電機子電流が測定された時点に出力手段14から出力されているスイッチング信号の位相を、後述する推定手段12による回転子位置の推定が完了するまで保持する。
【0055】
測定手段15によって測定された電機子電流は、推定手段12にも入力される。
【0056】
推定手段12は、電機子電流から上述した拡張磁束オブザーバ理論を用いてブラシレスDCモータMの回転子位置を推定演算する。
【0057】
演算手段13は、保持手段11において保持されている、電機子電流を測定した時点におけるスイッチング信号の位相と、推定演算されたブラシレスDCモータMの回転子位置の位相と、の位相のズレ、すなわち誤差を算出して位相補正値を生成する。このように、電機子電流を測定した時点に保持されたスイッチング信号の位相と、このときの電機子電流を用いて回転子位置の位相とを比較するので、時間的なタイミングを同一にすることができる。
【0058】
位相補正値は後述するスイッチング信号に加えられ、インバータ2の出力が調節される。回転子位置の位相がスイッチング信号の位相よりも遅れていれば、インバータ2の出力電圧が上昇するような位相補正値を生成する。回転子位置の位相がスイッチング信号の位相よりも進んでいれば、インバータ2の出力電圧が下降するような位相補正値を生成する。例えば、保持手段11に保持されているスイッチング信号の位相と推定手段12によって推定された回転子位置の位相との誤差が−1度であるとき、位相補正値は+1度となる。
【0059】
出力手段14は、外部から入力された周波数指令値に基づいてインバータ2をスイッチング制御するためのスイッチング信号を生成するPWM信号発生器である。本実施例における出力手段14は、上述の位相補正値が生成されるまでは、電機子電流から得られる情報はフィードバックせず、現在出力中のスイッチング信号の信号系列を継続して出力する。一方、位相補正値が生成されたときは当該位相補正値に基づいて現在出力中のスイッチング信号の位相が補正された、新たなスイッチング信号の信号系列を出力する。これによりインバータ2の出力が調節される。
【0060】
電機子電流が測定されてからインバータ2をPWM制御するためのスイッチング信号が生成されるまでに要する時間は、マイコンの演算処理能力およびPWM信号生成能力などに依存する。例えば、一般的に用いられるマイコンでは、電流測定値を得てから当該電流測定値を用いてPWM信号を生成する演算処理だけでも100〜200μ秒要する。
【0061】
本発明においては、電機子電流を測定する間隔(サンプリング間隔)を、マイコンの演算処理能力およびPWM信号生成能力などを勘案し、測定された電機子電流に基づいたフィードバック制御が完了するのに要する時間よりも大きくなるように設定する。すなわち、本発明では、電機子電流を測定する間隔を設定することでフィードバックの制御周期が決定されるので、インバータ制御装置に備えられたマイコンの性能を生かしたシステム構成を実現することが可能である。例えば、従来の120度通電方式に用いられていた安価ではあるが低処理能力であるマイコンでも十分に実現可能である。
【0062】
続いて、本発明によるインバータ装置における進み角制御について説明する。
【0063】
一般に、モータの回転が高速になるほど、モータ効率が低下する。進み角制御では、モータへの通電タイミングを進ませることによってモータ効率の低下を防ぐ。
【0064】
例えば従来の120度通電方式における進み角制御では、各相の転流(ローからハイ、ハイからオフ、およびオフからロー)のタイミングを実際の位置よりも制御量分進めることで実現している。
【0065】
これに対し本発明においては、上述の演算手段13により位相補正値が生成されたとき、現在出力中のスイッチング信号の位相を、位相補正値の分に加えてさらに進み角制御量分ずらし、新たなスイッチング信号の信号系列とする。図3では、進み角制御手段を参照番号16として示している。
【0066】
例えば、30度の進み角制御量を設定したときを考える。保持手段11に保持されているスイッチング信号の位相と推定手段12によって推定された回転子位置の位相との誤差が−1度であると演算手段13によって算出された場合は、位相補正値は+1度となるので、進み角制御量の30度と合わせ、現在出力中のスイッチング信号の位相を31度ずらし、新たなスイッチング信号の信号系列として出力する。
【0067】
以上説明した構成により、負荷変動などでブラシレスDCモータの回転速度が変化し、位相のずれが生じると、一時的にインバータ2の出力である正弦波が連続しなくなるが、回転が安定すれば連続した正弦波に戻る。
【0068】
なお、図3において、参照番号1で示される部分は、マイコンあるいはDSPなどの各種演算器で実現可能である。
【0069】
なお、ブラシレスDCモータの回転数によっては、十分に制御をかけることができないのでフィードバック制御の周期は慎重に設定する必要がある。
【0070】
また、本発明を説明するにあたり、本明細書においては、無整流子電動機としてブラシレスDCモータを取り上げたが、同じく無整流子電動機に分類され、ブラシレスDCモータと構造的に類似する同期リラクタンスモータにも適用することが可能である。
【0071】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、無整流子電動機を正弦波駆動するので120度通電方式よりも電気的もしくは機械的な騒音および振動が少なく、効率的であり、また、演算処理を実行するマイコンもしくはDSPの性能に応じた制御が可能であるので、低性能な安価なマイコンもしくはDSPなどの演算器でも容易に180度通電方式で無整流子電動機の回転を制御することができる。
【0072】
無整流子電動機の一種であるブラシレスDCモータは構成が極めて単純で効率がよいので広く利用されているが、同じく無整流子電動機に分類され、ブラシレスDCモータと構造的に類似する同期リラクタンスモータにも本発明を適用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるインバータ制御装置の機能ブロック図である。
【図2】ブラシレスDCモータの解析モデルを示す図である。
【図3】本発明の実施例によるインバータ制御装置のブロック図である。
【図4】ブラシレスDCモータの回転制御における従来例による120度通電方式を説明する図であって、(a)はブラシレスDCモータの固定子に設けられた電機子巻線の概略的な結線図であり、(b)は各相の出力電流波形のタイミングチャートである。
【図5】ブラシレスDCモータの回転制御における従来例による180度通電方式における、各相の出力電流波形のタイミングチャートである。
【符号の説明】
1…インバータ制御装置
2…インバータ
3…コンバータ
4…商用交流電源
11…保持手段
12…推定手段
13…演算手段
14…出力手段
15…測定手段
16…進み角制御手段
M…ブラシレスDCモータ
Claims (6)
- 無整流子電動機を正弦波駆動するようインバータのスイッチングを制御するスイッチング信号を、前記無整流子電動機の電機子電流を用いて生成するインバータ制御方法であって、
前記電機子電流を測定した時点のスイッチング信号の位相を保持する保持ステップと、
当該電機子電流から前記無整流子電動機の回転子位置を推定する推定ステップと、
保持された前記スイッチング信号の位相と、推定された前記回転子位置の位相との誤差を算出して位相補正値を生成する演算ステップと、
前記位相補正値が生成されるまでは現在出力中のスイッチング信号の信号系列を継続して出力し、前記位相補正値が生成されたときは当該位相補正値に基づいて前記現在出力中のスイッチング信号の位相を補正して新たなスイッチング信号の信号系列を出力する出力ステップと、を備えることを特徴とするインバータ制御方法。 - 前記推定ステップでは、
電機子抵抗をR、dq座標軸上の電機子インダクタンスをLdおよびLq、dq座標軸の回転子角速度をωe、αβ軸上の電機子電流をiαおよびiβ、αβ軸上の電機子電圧をvαおよびvβとし、さらに、αβ軸上の等価誘起電圧の基本波成分をeα1およびeβ1、αβ軸上の等価誘起電圧の直流成分をeαdcおよびeβdc、αβ軸上の鎖交磁束数をψα’およびψβ’としたときの、
α軸もしくはβ軸を基準としたときの前記回転子位置を示す電気角をθeとしたとき、前記推定された鎖交磁束数ψα’およびψβ’を、
- 前記位相補正値が生成されたときに、進み角制御量を前記新たなスイッチング信号にさらに付加する進み角制御ステップをさらに備える請求項1または2に記載のインバータ制御方法。
- 無整流子電動機を正弦波駆動するようインバータのスイッチングを制御するスイッチング信号を、前記無整流子電動機の電機子電流を用いて生成するインバータ制御装置であって、
前記電機子電流を測定した時点のスイッチング信号の位相を保持する保持手段と、
当該電機子電流から前記無整流子電動機の回転子位置を推定する推定手段と、
保持された前記スイッチング信号の位相と、推定された前記回転子位置の位相との誤差を算出して位相補正値を生成する演算手段と、
前記位相補正値が生成されるまでは現在出力中のスイッチング信号の信号系列を継続して出力し、前記位相補正値が生成されたときは当該位相補正値に基づいて前記現在出力中のスイッチング信号の位相を補正して新たなスイッチング信号の信号系列を出力する出力手段と、を備えることを特徴とするインバータ制御装置。 - 前記推定手段は、
電機子抵抗をR、dq座標軸上の電機子インダクタンスをLdおよびLq、dq座標軸の回転子角速度をωe、αβ軸上の電機子電流をiαおよびiβ、αβ軸上の電機子電圧をvαおよびvβとし、さらに、αβ軸上の等価誘起電圧の基本波成分をeα1およびeβ1、αβ軸上の等価誘起電圧の直流成分をeαdcおよびeβdc、αβ軸上の鎖交磁束数をψα’およびψβ’としたときの、
α軸もしくはβ軸を基準としたときの前記回転子位置を示す電気角をθeとしたとき、前記推定された鎖交磁束数ψα’およびψβ’を、
- 前記位相補正値が生成されたときに、進み角制御量を前記新たなスイッチング信号にさらに付加する進み角制御手段をさらに備える請求項4または5に記載のインバータ制御装置。
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