JP2013146155A - 巻線温度推定装置及び巻線温度推定方法 - Google Patents

巻線温度推定装置及び巻線温度推定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】低い計算コストで電動機の温度を推定する技術を提供する。
【解決手段】モータ11の巻線温度Tを推定する温度推定装置10は、3相−dq変換部45と、電流制御部43と、回転速度演算部46と、巻線温度推定部47と、を備える。巻線温度推定部47は、巻線の抵抗値の線形温度依存特性と、巻線のインダクタンス値の線形温度依存特性と、の2つの特性を考慮すると共に微分項を無視した、モータ11のq軸電圧方程式と、d軸電流Id及びq軸電流Iqと、q軸電圧指令値Vqと、回転速度ωreと、に基づいて巻線温度Tを演算する。
【選択図】図1

Description

本発明は、巻線温度推定装置及び巻線温度推定方法に関する。
この種の技術として、特許文献1は、モータの温度を推定する温度推定装置を開示している。詳しくは、熱抵抗と熱時定数を用いた温度上昇演算式をモデルとしてシステム同定を行う。そして、システム同定により同定した熱抵抗及び熱時定数に基づき、巻線温度上昇を推定し、周囲温度と巻線温度上昇に基づいて巻線温度を演算する。
特開2010−142046号公報
上記特許文献1の温度推定装置は、巻線温度を演算する際に複雑な演算を何回も必要とし、計算コストが高かった。
本願発明の目的は、低い計算コストで電動機の温度を推定する技術を提供することにある。
本願発明の第1の観点によれば、電動機の巻線温度を推定する巻線温度推定装置は、前記巻線の電流値を取得して、d軸電流値及びq軸電流値を出力するdq軸電流値出力手段と、前記d軸電流値と、前記q軸電流値と、指令d軸電流値と、指令q軸電流値と、に基づくフィードバック制御を踏まえて前記巻線の指令d軸電圧値及び指令q軸電圧値を出力する指令dq軸電圧値出力手段と、前記電動機の回転子の回転速度値を出力する回転速度値出力手段と、前記巻線の抵抗値の線形温度依存特性と、前記巻線のインダクタンス値の線形温度依存特性と、の2つの特性を考慮すると共に微分項を無視した前記電動機のq軸電圧方程式と、前記d軸電流値及び前記q軸電流値と、前記指令q軸電圧値と、前記回転速度値と、に基づいて前記巻線温度を演算する巻線温度演算手段と、を備える。
本願発明の第2の観点によれば、電動機の巻線温度を推定する巻線温度推定方法は、前記巻線の電流値を取得して、d軸電流値及びq軸電流値を出力するステップと、前記d軸電流値と、前記q軸電流値と、指令d軸電流値と、指令q軸電流値と、に基づくフィードバック制御を踏まえて前記巻線の指令d軸電圧値及び指令q軸電圧値を出力するステップと、前記電動機の回転子の回転速度値を出力するステップと、前記巻線の抵抗値の線形温度依存特性と、前記巻線のインダクタンス値の線形温度依存特性と、の2つの特性を考慮すると共に微分項を無視した前記電動機のq軸電圧方程式と、前記d軸電流値及び前記q軸電流値と、前記指令q軸電圧値と、前記回転速度値と、に基づいて前記巻線の温度を演算するステップと、を含む。
本願発明の第3の観点によれば、電動機の巻線抵抗値の線形温度依存特性を測定する線形温度依存特性測定方法は、前記電動機の回転子の回転を止めると共に指令d軸電圧値を一定値に維持した状態で、前記巻線の温度及びq軸電流値を測定するステップと、微分項を無視すると共に前記回転子の回転速度をゼロとした前記電動機のq軸電圧方程式と、測定した前記巻線の温度及びq軸電流値と、に基づいて、前記巻線抵抗値の前記線形温度依存特性を演算するステップと、を含む。
好ましくは、前記回転子を機械的に拘束することで、前記回転子の前記回転速度をゼロにする。
好ましくは、前記回転子の出力トルクがゼロになるようにd軸電流値を制御することで、前記回転子の前記回転速度をゼロにする。
本願発明の第4の観点によれば、電動機の巻線抵抗値の線形温度依存特性が既知であることを前提とした、前記電動機の巻線インダクタンス値の線形温度依存特性を測定する線形温度依存特性測定方法は、前記電動機の回転子の回転を止めると共に指令q軸電圧値に正弦波を重畳した状態で、前記巻線の温度及びq軸電流値を測定するステップと、前記回転子の回転速度をゼロとした前記電動機のq軸電圧方程式と、測定した前記巻線の温度及びq軸電流値と、に基づいて、前記巻線インダクタンス値の前記線形温度依存特性を演算するステップと、を含む。
本願発明によれば、低い計算コストで電動機の温度を推定することができる。
図1は、ブラシレスDCモータの機能ブロック図である。
以下、電動機の巻線の温度推定装置の実施形態について添付図面を参照しながら説明する。
この実施形態による電動機の温度推定装置10(以下、単に、温度推定装置10と呼ぶ)は、例えば3相交流のブラシレスDCモータ11(以下、単に、モータ11と呼ぶ)のステータ巻線の巻線温度を推定する。このモータ11は、界磁に利用する永久磁石を有するロータ(図示略)と、このロータを回転させる回転磁界を発生するステータ(図示略)とを備えて構成されている。
温度推定装置10は、例えば図1に示すように、バッテリ(図示略)を直流電源とするインバータ12と、モータ制御装置13とを備えて構成されている。
この3相(例えば、U相、V相、W相の3相)交流のモータ11の駆動はモータ制御装置13から出力される制御指令を受けてインバータ12によりおこなわれる。
インバータ12は、スイッチング素子(例えば、MOSFET:Metal Oxide Semi-conductor Field Effect Transistor)を複数用いてブリッジ接続してなるブリッジ回路と平滑コンデンサとを具備し、このブリッジ回路がパルス幅変調(PWM)された信号によって駆動される。
インバータ12は、例えばモータ11の駆動時等においてモータ制御装置13から出力されて各トランジスタのゲートに入力されるスイッチング指令であるゲート信号(つまり、PWM信号)に基づき、各相毎に対をなす各トランジスタのオン(導通)/オフ(遮断)状態を切り替えることによって、バッテリから供給される直流電力を3相交流電力に変換し、3相のステータ巻線への通電を順次転流させることで、各相のステータ巻線に交流のU相電流IuおよびV相電流IvおよびW相電流Iwを通電する。
モータ制御装置13は、後述するように、回転直交座標をなすd−q座標上で電流のフィードバック制御(ベクトル制御)を行うものであり、指令d軸電流Idc(指令d軸電流値)及び指令q軸電流Iqc(指令q軸電流値)を演算し、指令d軸電流Idc及び指令q軸電流Iqcに基づいて各相電圧指令Vu,Vv,Vwを算出し、各相電圧指令Vu,Vv,Vwに応じてインバータ12に対するゲート信号であるPWM信号を出力する。そして、実際にインバータ12からモータ11に供給される各相電流Iu,Iv,Iwをd−q座標上に変換して得たd軸電流Id(d軸電流値)及びq軸電流Iq(q軸電流値)と、指令d軸電流Idc及び指令q軸電流Iqcとの各偏差がゼロとなるように制御をおこなう。
モータ制御装置13は、例えば相電流センサI/F(インターフェース)21と、制御装置22と、PWM信号生成部23とを備えて構成されている。
相電流センサI/F(インターフェース)21は、インバータ12のブリッジ回路とモータ11との間において、3相の各相電流のうち少なくとも何れか2相の各相電流(例えば、U相電流およびV相電流)を検出する各相電流センサ32に接続され、各相電流センサ32から出力される検出信号を制御装置22に出力する。
制御装置22は、角度センサ31から出力されるモータ11の回転角θre(所定の基準回転位置からのロータの磁極の回転角度)に基づき、モータ11の回転直交座標のd−q座標上で電流のフィードバック制御(ベクトル制御)をおこなう。
制御装置22は、指令d軸電流Idc及び指令q軸電流Iqcを生成し、指令d軸電流Idc及び指令q軸電流Iqcに基づいて各相電圧指令Vu,Vv,Vwを算出し、PWM信号生成部23に出力する。
また、制御装置22は、各相電流センサ32から出力される検出信号に応じた各相電流Iu,Iv,Iwをd−q座標上に変換して得たd軸電流Id及びq軸電流Iqと、指令d軸電流Idc及び指令q軸電流Iqcとの各偏差がゼロとなるように電流のフィードバック制御(ベクトル制御)をおこなう。なお、この制御装置22の動作の詳細は後述する。
PWM信号生成部23は、正弦波状の電流を3相のステータ巻線に通電するために、各相電圧指令Vu,Vv,Vwと、三角波などのキャリア信号とを比較して、インバータ12の各トランジスタをオン/オフ駆動させるゲート信号(つまり、PWM信号)を生成する。そして、インバータ12において3相の各相毎に対をなす各トランジスタのオン(導通)/オフ(遮断)状態を切り替えることによって、バッテリから供給される直流電力を3相交流電力に変換し、3相のモータ11の各ステータ巻線への通電を順次転流させることで、各ステータ巻線に交流のU相電流IuおよびV相電流IvおよびW相電流Iwを通電する。
制御装置22は、例えば速度制御部41と、指令電流生成部42と、電流制御部43(指令dq軸電圧値出力手段)と、dq−3相変換部44と、3相−dq変換部45(dq軸電流値出力手段)と、回転速度演算部46(回転速度値出力手段)と、巻線温度推定部47(巻線温度演算手段)とを備えて構成されている。
速度制御部41は、外部から入力される回転速度指令値ωrcに基づき、例えば回転速度演算部46から出力される回転速度ωreに応じたクローズループ制御により、トルク指令Tcを演算する。そして、速度制御部41は、トルク指令Tcを指令電流生成部42に出力する。なお、制御装置22は、この速度制御部41の代わりにトルク制御部を備え、トルク制御部によりトルク制御を実行してもよい。
指令電流生成部42は、速度制御部41から出力されるトルク指令Tcに基づき指令q軸電流Iqcおよび指令d軸電流Idcを演算する。指令電流生成部42は、指令q軸電流Iqc及び指令d軸電流Idcを電流制御部43に出力する。
電流制御部43は、指令電流生成部42から出力される指令d軸電流Idcと3相−dq変換部45から出力されるd軸電流Idとの偏差ΔIdを算出し、指令電流生成部42から出力される指令q軸電流Iqcと3相−dq変換部45から出力されるq軸電流Iqとの偏差ΔIqを算出する。そして、電流制御部43は、例えばPI(比例・積分)動作(フィードバック制御)などにより、偏差ΔIdを制御増幅してd軸電圧指令値Vd(指令d軸電圧値)を算出し、偏差ΔIqを制御増幅してq軸電圧指令値Vq(指令q軸電圧値)を算出する。そして、電流制御部43は、d軸電圧指令値Vdおよびq軸電圧指令値Vqをdq−3相変換部44及び巻線温度推定部47に出力する。
dq−3相変換部44は、角度センサ31から出力されるモータ11の回転角θreにより、d−q座標上でのd軸電圧指令値Vdおよびq軸電圧指令値Vqを、静止座標である3相交流座標上での電圧指令値であるU相電圧指令VuおよびV相電圧指令VvおよびW相電圧指令Vwに変換する。dq−3相変換部44は、U相電圧指令VuおよびV相電圧指令VvおよびW相電圧指令Vwを、PWM信号生成部23に出力する。
3相−dq変換部45は、相電流センサI/F(インターフェース)21から出力される各相電流Iu,Ivの検出信号に基づき、同一タイミングでの各相電流の電流値の総和はゼロであることを用いて、2相の相電流(例えば、各相電流Iu,Iv)の電流値から、他の1相の相電流(例えば、W相電流Iw)の電流値を算出する。そして、角度センサ31から出力されるモータ11の回転角θreにより、各相電流Iu,Iv,Iwを、d−q座標上でのd軸電流Id及びq軸電流Iqに変換する。3相−dq変換部45は、d軸電流Id及びq軸電流Iqを、電流制御部43及び巻線温度推定部47に出力する。
回転速度演算部46は、角度センサ31から出力されるモータ11の回転角θreに基づき、モータ11のロータ(回転子)の回転速度ωre(回転速度値)を算出する。回転速度演算部46は、回転速度ωreを、速度制御部41と巻線温度推定部47に出力する。
巻線温度推定部47は、モータ11の巻線の抵抗値の線形温度依存特性と、モータ11の巻線のインダクタンス値の線形温度依存特性と、の2つの特性を考慮すると共に微分項を無視したモータ11のq軸電圧方程式と、d軸電流Id及びq軸電流Iqと、q軸電圧指令値Vqと、回転速度ωreと、に基づいてモータ11の巻線温度を演算する。
以下、巻線温度推定部47によるモータ11の巻線温度の演算について詳細に説明する。
先ず、モータ11のq軸電圧方程式は、広く周知であって、下記式(1)で表される。
Figure 2013146155
ただし、
Vq:q軸電圧指令値Vq、
id:d軸電流id(瞬時値)、
iq:q軸電流iq(瞬時値)、
R:巻線抵抗値、
Ld:d軸インダクタンス値、
Lq:q軸インダクタンス値、
φ:巻線に鎖交する磁束の大きさ、
ωre:回転速度ωre、
p:微分演算子、
である。
また、モータ11の巻線の抵抗値の線形温度依存特性を下記式(2)で定義する。
Figure 2013146155
ただし、
R0:25[℃]における巻線抵抗値、
kr:巻線抵抗値の温度係数、
T:巻線温度、
である。
同様に、モータ11の巻線のインダクタンス値の線形温度依存特性を下記式(3)で定義する。
Figure 2013146155
ただし、
L0: 25[℃]における巻線抵抗値、
kl:巻線インダクタンス値の温度係数、
である。
また、巻線温度の変化は、巻線の電圧や電流の変化に対して非常に遅いので、上記式(1)において、下記式(4)のように、微分項を無視しても差し支えない。
Figure 2013146155
そして、上記式(1)に上記式(2)及び式(3)を代入し、上記式(4)に従って微分項を無視すると、下記式(5)となる。
Figure 2013146155
上記式(5)を変形すると、巻線温度Tは、下記式(6)で表される。
Figure 2013146155
従って、巻線温度推定部47は、上記式(6)にq軸電圧指令値Vq等の変数を代入することで、巻線温度を演算する。巻線温度推定部47は、演算した巻線温度を例えば上位の制御装置などに出力する。
以上に本願発明の第1実施形態を説明したが、上記第1実施形態の特長は以下の通りである。
モータ11(電動機)の巻線温度Tを推定する温度推定装置10(巻線温度推定装置)は、3相−dq変換部45(dq軸電流値出力手段)と、電流制御部43(指令dq軸電圧値出力手段)と、回転速度演算部46(回転速度値出力手段)と、巻線温度推定部47(演算する巻線温度演算手段)と、を備える。3相−dq変換部45は、巻線の電流値を取得して、d軸電流Id(d軸電流値)及びq軸電流Iq(q軸電流値)を出力する。電流制御部43は、d軸電流Idと、q軸電流Iqと、指令d軸電流Idc(指令d軸電流値)と、指令q軸電流Iqc(指令q軸電流値)と、に基づくフィードバック制御を踏まえて巻線のd軸電圧指令値Vd(指令d軸電圧値)及びq軸電圧指令値Vq(指令q軸電圧値)を出力する。回転速度演算部46は、モータ11のロータの回転速度ωre(回転速度値)を出力する。巻線温度推定部47は、上記式(2)で示される巻線の抵抗値の線形温度依存特性と、上記式(3)で示される巻線のインダクタンス値の線形温度依存特性と、の2つの特性を考慮すると共に微分項を無視した、上記式(5)で示されるモータ11のq軸電圧方程式と、d軸電流Id及びq軸電流Iqと、q軸電圧指令値Vqと、回転速度ωreと、に基づいて巻線温度Tを演算する。以上の構成によれば、低い計算コストでモータ11の巻線温度を推定することができる。
なお、付言するならば、上記の温度推定装置10によれば、巻線の抵抗値やインダクタンス値の線形温度依存特性を十分考慮して巻線温度を推定しているので、巻線温度を従前より精度よく推定することができる。裏を返せば、従前は、巻線温度の推定精度が低かったため、永久磁石の減磁が発生しないよう、マージンを見込んで、減磁が現実に発生する巻線温度よりも相当低い巻線温度でモータを駆動する必要があった。つまり、上記の温度推定装置10によれば、巻線温度の推定精度が向上したことで、もはやマージンを見込む必要がなくなり、もって、モータ11の本来有する性能をフルに発揮させることができるようになる。
上記実施形態の特長を別の観点から言えば、モータ11の巻線温度Tを推定する温度推定方法は、(A)巻線の電流値を取得して、d軸電流Id及びq軸電流Iqを出力するステップと、(B)d軸電流Idと、q軸電流Iqと、指令d軸電流Idcと、指令q軸電流Iqcと、に基づくフィードバック制御を踏まえて巻線のd軸電圧指令値Vd及びq軸電圧指令値Vqを出力するステップと、(C)モータ11のロータの回転速度ωreを出力するステップと、(D)上記式(2)で示される巻線の抵抗値の線形温度依存特性と、上記式(3)で示される巻線のインダクタンス値の線形温度依存特性と、の2つの特性を考慮すると共に微分項を無視した、上記式(5)で示されるモータ11のq軸電圧方程式と、d軸電流Id及びq軸電流Iqと、q軸電圧指令値Vqと、回転速度ωreと、に基づいて巻線温度Tを演算するステップと、の(A)〜(D)のステップを含んでいる。
なお、上記実施形態では、巻線温度を推定するのにq軸電圧方程式を利用したが、これに代えて、d軸電圧方程式を利用してもよい。d軸電圧方程式もq軸電圧方程式と同様、広く周知の方程式であるから、その具体的な説明は割愛する。
次に、巻線抵抗値の線形温度依存特性の測定方法について説明する。上記の実施形態では、巻線抵抗値の線形温度依存特性を示す上記式(2)において、定数R0及びkrが既知であるものとして説明したが、これらの定数R0及びkrはモータ11を実際に使用する前に予め測定しておく必要がある。本明細書では、これらの定数R0及びkrの効率のよい測定方法を紹介する。
(X1)先ず、モータ11のロータの回転を止めると共にd軸電圧指令値Vdを一定値に維持した状態で、巻線の温度T及びq軸電流Iqを測定する。このとき、予め、モータ11の巻線温度Tは室温状態に戻しておく。モータ11のロータの回転を止めることで、当然、回転速度ωreは下記式(7)の通り、ゼロとなる。
Figure 2013146155
d軸電圧指令値Vdを印加してモータ11のロータが回転し始めると、巻線の温度Tは次第に上昇していく反面、q軸電流Iqは徐々に小さくなっていく。そこで、上記式(6)について考察すると、上記式(6)に上記式(7)を代入することで、下記式(8)が導かれる。
Figure 2013146155
上記式(8)は、更に下記式(9)のように変形できる。
Figure 2013146155
(X2)次に、微分項を無視すると共にロータの回転速度ωreをゼロとしたモータ11のq軸電圧方程式(上記式(6))と、測定した巻線温度T及びq軸電流Iqと、に基づいて、巻線抵抗値Rの線形温度依存特性を演算する。即ち、上記式(9)において、d軸電圧指令値Vdは既知であり、巻線温度Tとq軸電流Iqは測定により既知であるから、例えば最小二乗法などを用いることで、巻線抵抗値の温度係数krと、25[℃]における巻線抵抗値R0と、は直ちに求めることができる。
もし、巻線抵抗値の温度係数krと、25[℃]における巻線抵抗値R0と、のうち後者の巻線抵抗値R0だけが予め既知であったとしたら、巻線温度Tが、巻線抵抗値R0を規定している温度に到達した時点でのq軸電流Iqを上記式(9)に代入しさえすれば、一層簡単に、巻線抵抗値の温度係数krと、25[℃]における巻線抵抗値R0と、を求めることができよう。
次に、上記(X1)において、モータ11のローターの回転を止めておく方法を2つ説明する。
第1の方法は、ローターを機械的に拘束することで、ローターの回転速度ωreをゼロにする方法である。
第2の方法は、ローターの出力トルクがゼロになるようにd軸電流Idを制御することで、ローターの回転速度ωreをゼロにする方法である。
最後に、巻線インダクタンス値の線形温度依存特性の測定方法について説明する。上記の実施形態では、巻線インダクタンス値の線形温度依存特性を示す上記式(3)において、定数L0及びklが既知であるものとして説明したが、これらの定数L0及びklはモータ11を実際に使用する前に予め測定しておく必要がある。本明細書では、これらの定数L0及びklの効率のよい測定方法を紹介する。なお、以下の測定方法は、モータ11の巻線抵抗値の線形温度依存特性が既知であることを前提とするものである。
(Y1)先ず、モータ11のロータの回転を止めると共にq軸電圧指令値Vqに正弦波を重畳した状態で、巻線の温度及びq軸電流Iqを測定する。モータ11のロータの回転を止めておく方法は、上述した2つの方法の何れかを採用すればよい。
q軸電流Iqを測定するに際しては、ハイパスフィルタなどを用いることで、q軸電流Iqの直流成分を除去し、q軸電流Iqの脈動成分のみを測定対象とする。
(Y2)そして、ロータの回転速度ωreをゼロとしたモータ11のq軸電圧方程式と、測定した巻線の温度T及びq軸電流Iqと、に基づいて、巻線インダクタンス値の前記線形温度依存特性を演算する。具体的には、モータ11のロータの回転速度ωreをゼロとすると、q軸電圧方程式である上記式(1)は、下記式(10)のように変形される。なお、下記式(10)では、微分項は無視しない。
Figure 2013146155
次に、q軸電圧指令値Vqに重畳した正弦波と、測定したq軸電流Iqと、を上記式(10)に代入することで、インピーダンスを計算する。そして、q軸電圧指令値Vqを印加し続けて、巻線温度Tに対するインピーダンスの変化を記録する。ここで、上記式(10)内のインピーダンスのうち変数R0、krは既知であるから、上記のプロット結果により、巻線インダクタンス値の前記線形温度依存特性(変数L0、kl)を演算することができる。
10 温度推定装置
13 モータ制御装置
22 制御装置
47 巻線温度推定部

Claims (6)

  1. 電動機の巻線温度を推定する巻線温度推定装置であって、
    前記巻線の電流値を取得して、d軸電流値及びq軸電流値を出力するdq軸電流値出力手段と、
    前記d軸電流値と、前記q軸電流値と、指令d軸電流値と、指令q軸電流値と、に基づくフィードバック制御を踏まえて前記巻線の指令d軸電圧値及び指令q軸電圧値を出力する指令dq軸電圧値出力手段と、
    前記電動機の回転子の回転速度値を出力する回転速度値出力手段と、
    前記巻線の抵抗値の線形温度依存特性と、前記巻線のインダクタンス値の線形温度依存特性と、の2つの特性を考慮すると共に微分項を無視した前記電動機のq軸電圧方程式と、前記d軸電流値及び前記q軸電流値と、前記指令q軸電圧値と、前記回転速度値と、に基づいて前記巻線温度を演算する巻線温度演算手段と、
    を備えた、
    巻線温度推定装置。
  2. 電動機の巻線温度を推定する巻線温度推定方法であって、
    前記巻線の電流値を取得して、d軸電流値及びq軸電流値を出力するステップと、
    前記d軸電流値と、前記q軸電流値と、指令d軸電流値と、指令q軸電流値と、に基づくフィードバック制御を踏まえて前記巻線の指令d軸電圧値及び指令q軸電圧値を出力するステップと、
    前記電動機の回転子の回転速度値を出力するステップと、
    前記巻線の抵抗値の線形温度依存特性と、前記巻線のインダクタンス値の線形温度依存特性と、の2つの特性を考慮すると共に微分項を無視した前記電動機のq軸電圧方程式と、前記d軸電流値及び前記q軸電流値と、前記指令q軸電圧値と、前記回転速度値と、に基づいて前記巻線の温度を演算するステップと、
    を含む、
    巻線温度推定方法。
  3. 電動機の巻線抵抗値の線形温度依存特性を測定する線形温度依存特性測定方法であって、
    前記電動機の回転子の回転を止めると共に指令d軸電圧値を一定値に維持した状態で、前記巻線の温度及びq軸電流値を測定するステップと、
    微分項を無視すると共に前記回転子の回転速度をゼロとした前記電動機のq軸電圧方程式と、測定した前記巻線の温度及びq軸電流値と、に基づいて、前記巻線抵抗値の前記線形温度依存特性を演算するステップと、
    を含む、
    巻線抵抗値の線形温度依存特性測定方法。
  4. 請求項3に記載の線形温度依存特性測定方法であって、
    前記回転子を機械的に拘束することで、前記回転子の前記回転速度をゼロにする、
    巻線抵抗値の線形温度依存特性測定方法。
  5. 請求項3に記載の線形温度依存特性測定方法であって、
    前記回転子の出力トルクがゼロになるようにd軸電流値を制御することで、前記回転子の前記回転速度をゼロにする、
    巻線抵抗値の線形温度依存特性測定方法。
  6. 電動機の巻線抵抗値の線形温度依存特性が既知であることを前提とした、前記電動機の巻線インダクタンス値の線形温度依存特性を測定する線形温度依存特性測定方法であって、
    前記電動機の回転子の回転を止めると共に指令q軸電圧値に正弦波を重畳した状態で、前記巻線の温度及びq軸電流値を測定するステップと、
    前記回転子の回転速度をゼロとした前記電動機のq軸電圧方程式と、測定した前記巻線の温度及びq軸電流値と、に基づいて、前記巻線インダクタンス値の前記線形温度依存特性を演算するステップと、
    を含む、
    巻線インダクタンス値の線形温度依存特性測定方法。
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