JP2012165547A - 電動機駆動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】動作環境に依らず簡単かつ低コストに電動機の回転出力を正確に算出し、電動機の回転出力を制御することで、電動機での過度な負荷運転を抑制する。
【解決手段】電動機駆動装置は、電動機に流れる電流を検出する電流検出部7と、電動機3の周囲温度、巻線温度、界磁磁石温度の少なくともいずれか1つの温度を検出する温度検出部17と、基準温度に対する前記電動機の諸元値を温度検出部17で検出された温度値で補正する電動機諸元補正部16と、電流検出部7によって検出された電流値と電動機諸元補正部16によって補正された諸元値を用いて電動機3の回転出力を算出する電動機回転出力算出部15とを備え、電動機回転出力算出部15によって算出された回転出力算出値が予め設定された所定値未満となるように電動機3の回転出力を制御する。
【選択図】図1

Description

本発明は、ブラシレスDCモータなどの電動機を任意の回転数で駆動する電動機駆動装置に関するものである。
近年、空気調和機における圧縮機などの電動機を駆動する装置においては、地球環境保護の観点から消費電力を低減する必要性が大きくなっている。その中で、省電力の技術の一つとして、ブラシレスDCモータのような高効率な電動機を任意の周波数で駆動するインバータなどが広く一般に使用されている。さらに、駆動する技術としては、矩形波状の電流により駆動を行う矩形波駆動に対して、より効率が高く、騒音も低くすることが可能な正弦波駆動技術が注目されている。
空気調和機における圧縮機に備えられた電動機を駆動する場合、電動機の回転子の位置を検出するセンサを取りつけることが困難であるため、回転子の位置を何らかの方法で推定しながら駆動を行う位置センサレス正弦波駆動の技術が考案されている。回転子の位置を推定する方法としては、電動機の固定子巻線に生ずる誘起電圧を推定することにより行う方法がある(例えば、特許文献1)。
図12に特許文献1の電動機駆動装置のシステム構成を示す。この電動機駆動装置は、直流電源1、電動機3に供給する駆動電圧を生成、出力するインバータ2、およびインバータ2を制御する制御部6を備える。電動機3は中性点を中心にY結線された3つの相巻線(4u、4v、4w)が取り付けられる固定子4、および磁石が装着されている回転子5を備える。
インバータ2は、一対のスイッチング素子からなるハーフブリッジ回路をU相用、V相用、W相用として三相分備える。ハーフブリッジ回路の一対のスイッチング素子は、直流電源1の高圧側端と低圧側端の間に直列接続され、ハーフブリッジ回路に直流電源1から出力される直流電圧が印加される。U相用のハーフブリッジ回路は、高圧側のスイッチング素子21uおよび低圧側のスイッチング素子21xより成る。V相用のハーフブリッジ回路は、高圧側のスイッチング素子21vおよび低圧側のスイッチング素子21yより成る。W相用のハーフブリッジ回路は、高圧側のスイッチング素子21wおよび低圧側のスイッチング素子21zより成る。また、各スイッチング素子と並列に還流ダイオード(22u〜22z)が接続されている。
インバータ2に印加されている直流電圧は、上述したインバータ2内のスイッチング素子のスイッチング動作によって三相の交流電圧に変換され、それにより電動機3が駆動される。
制御部6は、電流検出部7と、PWM信号生成部10と、誘起電圧推定部11と、回転子位置速度推定部12と、ベースドライバ13と、デューティ補正部14から構成される。
PWM信号生成部10は、外部より与えられる目標速度を実現すべく、目標速度と現在の速度との誤差から演算により求められた電圧を出力するために、インバータ2の各スイッチング素子(21u〜21z)を駆動するためのPWM信号を生成する。その生成されたPWM信号はデューティ補正部14により補正される。補正後のPWM信号はベースドライバ13により、スイッチング素子を電気的に駆動するためのドライブ信号に変換され
る。そのドライブ信号に従って各スイッチング素子(21u〜21z)が動作する。
電流検出部7は、インバータ2の母線電流を観察し、その母線電流に現れる電動機3の相電流を検出する。電流検出部7は実施には母線電流が変化したときから所定期間の間だけ電流を検出する。
誘起電圧推定部11は、電流検出部7で検出された電動機3の相電流と、PWM信号生成部10で演算された電圧と、直流電圧検出部8で検出されたインバータ2の直流電圧の情報により、電動機3の誘起電圧を推定する。さらに、回転子位置速度推定部12は、推定された誘起電圧から電動機3の回転子磁極位置および回転速度を推定する。推定された回転子磁極位置の情報に基づいて、PWM信号生成部10が電動機3を駆動するためのPWM信号を生成する。その際、PWM信号生成部10は、推定された電動機3の回転速度と外部から与えられる目標速度との偏差情報に基づいて、回転速度が目標速度と一致するようにPWM信号を制御する。
このように、従来の電動機駆動装置は、電流センサなどの電流検出手段をインバータ2と電動機3の間の線間に設けることなく安価なシステム構成で正弦波駆動を実現している。
また、従来、電動機駆動装置の回転出力を求める方法として、「電圧指令値のd軸成分をvd*、q軸成分をvq*、電圧検出値のd軸成分をvd、q軸成分をvq、電流検出値のd軸成分をid、q軸成分をiqとした場合に、内積(vd*×id+vq*×iq)あるいは(vd×id+vq×iq)」を用いてインバータ出力電力Pinvを計算し、このインバータ出力電力Pinvから、電動機の銅損r×I×I(rは電動機の一次巻線抵抗、Iは出力電流)と鉄損Wを引いた電動機出力電力Poutを計算するものがある(例えば、特許文献2)。
図13に特許文献2の電動機駆動装置のシステム構成を示す。この電動機駆動装置は、トルク指令Trefから電流指令演算器101によって、d、q軸電流指令id*、iq*をつくり、電流制御器102で電流検出器110で検出された電流値を、電流演算器106で換算し座標変換した電流検出値id、iqと比較し、電流指令通りに電流を流すように制御する。電流演算器106の出力を電圧指令vd*、vq*とし、これから演算器103で電圧指令V*と電圧位相θvをつくる。これをPWM演算器104よりインバータ105に与えて電圧を出力し電動機107を駆動する。電動機107の速度は速度検出器108で検出されフィードバックされる。また、この速度信号ωを積分器111で積分して電動機107の位相(位置)θmを演算している。さらに、インバータ105の出力電圧を検出する電圧検出器109により検出された電圧値を、電流演算器106と同様に換算し座標変換した電圧検出値vd、vqを電圧演算器112で出力する。電力演算器113では電流演算器106からの電流値id、iq、電圧演算器112からの電圧値vd、vq、速度検出器108からの速度信号ωを入力して、電力比K1=Pref/Poutを演算する。電力演算器113からの電力比K1に基づきトルク指令Trefを係数乗算器で補正する。この電力演算器113において、電動機出力電力Poutは、インバータ出力電力Pinv=V×I×cosθより、銅損r×I×Iと鉄損Wを引いた値として求める。即ち、出力電力「Pout=Vdet×I×cosθ−r×I×I−W」であり、この中で、I=√(id×id+iq×iq)、Vdetも同様であり、力率cosθを求めるVderとIの相差角は、vd、vq、id、iqから計算している。また、銅損の計算で用いる一次巻線抵抗rと鉄損Wは予め別の方法で求めている。なお、インバータ出力電力Pinvを「内積(vd*×id+vq*×iq)あるいは(vd×id+vq×iq)」を用いて計算することも記載されている。
さらに電動機の回転出力を求める別の方法として、「モータ回転数をωr、ロータ磁束をΨa、d軸インダクタンスをLd、q軸インダクタンスをLq、d軸電流をId、q軸電流をIqとした場合に、P=ωr×T=ωr×{Ψa×Iq+(Ld−Lq)×Id×Iq}」の数式を用いて埋め込み磁石モータの出力電力を推定するものがある(例えば、特許文献3)。
図14に特許文献3の電動機駆動装置におけるインバータ制御手段のブロック図を示す。このインバータ制御手段は、3シャント式電流検出手段のUVW各相に対応した出力信号
Iu、Iv、IwがA/D変換手段500に入力され、A/D変換手段500は各相電流に対応した電流信号Iu、Iv、Iwを3相/2相・d/q座標変換手段501に加える。3相/2相・d/q座標変換手段501では、3相電流を2相電流に変換した後、仮想のd−q軸に座標変換し、d軸電流成分Idとq軸電流成分Iqを求め、その出力信号は位置推定演算手段502に加えられ、位置推定演算手段502は、モータパラメータから演算した電流信号と3相/2相・d/q座標変換手段501の出力信号が等しくなるように位置信号θを変更して位置推定演算する。位置推定演算手段502から求まったq軸電流Iq、d軸電流Idは電流比較手段503に加えられ、回転数信号Nは回転数比較手段504に
加えられる。回転数比較手段504は、回転数制御手段505からの設定信号Nsと回転数信号Nを比較し、その誤差信号ΔNをトルク電流設定手段506に加え、誤差信号ΔNに応じてトルク電流設定値Iqsを演算し電流比較手段503に加える。電流比較手段503の出力信号は電圧制御手段507に加えられ、q軸電流Iqとd軸電流Idが設定値通りとなるようにq軸電圧Vq、d軸電圧Vdをそれぞれ制御し、座標逆変換手段508により3相電圧制御信号Vu、Vv、Vwを発生させる。d軸電流Idはq軸からの進角値とq軸電流Iqより演算して求め、d軸電圧制御信号Vdを制御する。位置推定演算手段502から求まったIq、Idおよび回転数信号Nは、モータ出力推定手段509に加えられモータ出力Pを推定演算する。モータ回転数をωr、ロータ磁束をΨa、d軸インダクタンスをLd、q軸インダクタンスをLq、d軸電流をId、q軸電流をIqとした場合に、「P=ωr×T=ωr×{Ψa×Iq+(Ld−Lq)×Id×Iq}」の数式を用いて埋め込み磁石モータの出力電力を推定する。モータ出力推定手段509の出力信号は交流入力制御手段510に加えられ、モータ出力が増加し交流入力電流が所定値以上となると回転数制御手段505にモータ回転数を低下させる信号を加える。交流電源電流は、交流電源電圧が低下するとさらに増加するので、交流入力制御手段510には交流電源電圧に比例した信号を出力する直流電圧検知手段からの出力信号Vdcを加え、交流電流の推定演算精度を高めている。
特許第3931079号公報 特許第3951075号公報 特開2008−54811号公報
しかしながら、特許文献1の電動機駆動装置では、電動機の出力電力Poutは「インバータ出力電力Pinvから銅損r×I×Iと鉄損Wを引いた値」として求めるため、電動機の誘起電圧定数についてはその温度変化が含まれた形で計算されることにはなるが、その計算で使用する電動機の一次巻線抵抗rと鉄損Wは予め別の方法で求める必要があり、そのための評価試験の工数が掛かるばかりか、電動機の運転中に負荷条件などの動作環境が変わった場合には正確な出力電力が計算できなくなる(或いは、正確に計算するため
に膨大なデータを取得する必要が生じる)という課題を有していた。
また、特許文献2の電動機駆動装置では、電動機の出力電力Pは「ωr×{Ψa×Iq+(Ld−Lq)×Id×Iq}」の数式を用いて埋め込み磁石モータの出力電力を推定するものであるが、ロータ磁束Ψaの温度変化が考慮されていないため、特許文献1の電動機駆動装置と同様に、電動機の運転中に負荷条件などの動作環境が変わった場合には正確な出力電力が計算できなくなるという課題を有していた。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、電動機の諸元値(巻線抵抗値および/または起電力係数)が温度変化した場合でも、温度検出手段および電動機諸元補正手段/または電動機諸元推定手段により電動機の諸元値を補正/または推定することで、動作環境に依らず正確に電動機の回転出力を算出し、その回転出力算出値が予め設定された所定値未満となるように電動機の回転出力を制御することで、電動機での過度な負荷運転を抑制することができる電動機駆動装置を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明の電動機駆動装置は、直流電力を所望の周波数、電圧の交流電力に変換して電動機にその電力を供給するインバータと、電動機の回転出力を制御するインバータ制御手段と、電動機に流れる電流を検出する電流検出手段と、を備え、電動機の周囲温度、巻線温度、界磁磁石温度の少なくともいずれか1つの温度を検出する温度検出手段と、基準温度に対する電動機の諸元値を温度検出手段で検出された温度値で補正する電動機諸元補正手段と、電流検出手段によって検出された電流値と電動機諸元補正手段によって補正された諸元値を用いて電動機の回転出力を算出する回転出力算出手段とをさらに備え、インバータ制御手段は、回転出力算出手段によって算出された回転出力算出値が予め設定された所定値未満となるように電動機の回転出力を制御するものである。
これによって、動作環境に依らず電動機の諸元値(巻線抵抗値および/または起電力係数)が温度変化した場合でも正確に電動機電力を算出し、その回転出力算出値が予め設定された所定値未満となるように電動機の回転出力を制御することで、電動機での過度な負荷運転を抑制することができる。
また、本発明の電動機駆動装置は、直流電力を所望の周波数、電圧の交流電力に変換して電動機にその電力を供給するインバータと、電動機の回転出力を制御するインバータ制御手段と、電動機に流れる電流を検出する電流検出手段と、を備え、インバータが出力する電圧値、電流検出手段によって検出された電流値、電動機の回転速度に基づいて、電動機の巻線抵抗値或いは誘起電圧定数の少なくともいずれか1つの諸元値の温度による変化値を推定する電動機諸元推定手段と、電動機諸元推定手段によって推定された諸元値を用いて電動機の回転出力を算出する回転出力算出手段とをさらに備え、インバータ制御手段は、回転出力算出手段によって算出された回転出力算出値が予め設定された所定値未満となるように電動機の回転出力を制御するものである。
これによって、動作環境に依らず電動機の諸元値(巻線抵抗値および/または起電力係数)が温度変化した場合でも正確に電動機電力を算出し、その回転出力算出値が予め設定された所定値未満となるように電動機の回転出力を制御することで、電動機での過度な負荷運転を抑制することができるだけでなく、サーミスタや熱電対等の温度センサが不要となるため、コスト低減と温度センサの検出誤差軽減による信頼性向上を図ることができる。
本発明の電動機駆動装置は、電動機の諸元値(巻線抵抗値および/または起電力係数)が温度変化した場合でも、温度検出手段および電動機諸元補正手段/または電動機諸元推定手段により電動機の諸元値を補正/または推定することで、動作環境に依らず正確に電動機の回転出力を算出し、その回転出力算出値が予め設定された所定値未満となるように電動機の回転出力を制御することで、電動機での過度な負荷運転を抑制することができる。
本発明の実施の形態1における電動機駆動装置のシステム構成図 本発明の実施の形態2における電動機駆動装置のシステム構成図 電動機の相電流状態の時間的変化の一例を示す図 PWM信号の変化の一例を示す図 図4における、PWM信号による駆動時に電動機およびインバータに流れる電流の状態を表す図 PWM信号の変化の一例を示す図 図6における、PWM信号による駆動時に電動機およびインバータに流れる電流の状態を表す図 PWM信号の変化の一例を示す図 本発明の電動機駆動装置におけるインバータ制御部の動作の一例であって、Ta0〜Ta3における(a)電動機負荷トルク(b)電動機回転出力算出値(c)回転出力低下要求(d)電動機制御量をそれぞれ示す図 本発明の電動機駆動装置におけるインバータ制御部の動作の一例であって、Tb0〜Ta2における(a)電動機負荷トルク(b)電動機回転出力算出値(c)回転出力低下要求(d)電動機制御量をそれぞれ示す図 本発明の電動機駆動装置におけるインバータ制御部の動作の一例であって、Tc0〜Tc3における(a)電動機負荷トルク(b)電動機回転出力算出値(c)回転出力低下要求(d)電動機制御量をそれぞれ示す図 従来の電動機駆動装置のシステム構成図 従来の他の電動機駆動装置のシステム構成図 従来の電動機駆動装置におけるインバータ制御手段のブロック図
第1の発明は、直流電力を所望の周波数、電圧の交流電力に変換して電動機にその電力を供給するインバータと、電動機の回転出力を制御するインバータ制御手段と、電動機に流れる電流を検出する電流検出手段と、を備えた電動機駆動装置であって、電動機の周囲温度、巻線温度、界磁磁石温度の少なくともいずれか1つの温度を検出する温度検出手段と、基準温度に対する電動機の諸元値を温度検出手段で検出された温度値で補正する電動諸元補正手段と、電流検出手段によって検出された電流値と電動機諸元補正手段によって補正された諸元値を用いて電動機の回転出力を算出する回転出力算出手段とをさらに備え、
インバータ制御手段は、回転出力算出手段によって算出された回転出力算出値が予め設定された所定値未満となるように電動機の回転出力を制御することにより、動作環境に依らず電動機の諸元値(巻線抵抗値および/または起電力係数)が温度変化した場合でも正確に電動機の回転出力を算出し、その回転出力算出値が予め設定された所定値未満となるように電動機の回転出力を制御することで、電動機での過度な負荷運転を抑制することができる。
第2の発明は、直流電力を所望の周波数、電圧の交流電力に変換して電動機にその電力を供給するインバータと、電動機の回転出力を制御するインバータ制御手段と、電動機に流れる電流を検出する電流検出手段と、を備えた電動機駆動装置であって、インバータが
出力する電圧値、電流検出手段によって検出された電流値、電動機の回転速度に基づいて、電動機の巻線抵抗値或いは誘起電圧定数の少なくともいずれか1つの諸元値の温度による変化値を推定する電動機諸元推定手段と、電動機諸元推定手段によって推定された諸元値を用いて電動機の回転出力を算出する回転出力算出手段とをさらに備え、
インバータ制御手段は、回転出力算出手段によって算出された回転出力算出値が予め設定された所定値未満となるように電動機の回転出力を制御することにより、動作環境に依らず電動機の諸元値(巻線抵抗値および/または起電力係数)が温度変化した場合でも正確に電動機の回転出力を算出し、その回転出力算出値が予め設定された所定値未満となるように電動機の回転出力を制御することで、電動機での過度な負荷運転を抑制することができるだけでなく、サーミスタや熱電対等の温度センサが不要となるため、コスト低減と温度センサの検出誤差軽減による信頼性向上を図ることができる。
第3の発明は、特に第1乃至第2の発明において、インバータ制御手段は、回転出力算出値が第1の回転出力設定値以上の場合はインバータのスイッチング動作を停止させ、回転出力算出値が第1の回転出力設定値よりも小さい値の第2の回転出力設定値以上の場合は電動機の回転出力を低下させることにより、電動機での過度な負荷運転を抑制するとともに突発的に電動機の負荷が増加して急激に回転出力が増加した場合にはインバータのスイッチング動作を停止することで電動機駆動装置を確実に保護することができる。
第4の発明は、特に第3の発明において、インバータ制御手段は、第1の所定時間が経過するまで、電動機の回転出力を低下させ続けることにより、電動機での過度な負荷運転を確実に抑制することができる。
第5の発明は、特に第3の発明において、インバータ制御手段は、回転出力算出値が第2の回転出力設定値よりも小さい値の第3の回転出力設定値未満となるまで、電動機の回転出力を低下させ続けることにより、電動機での過度な負荷運転を確実に抑制することができる。
第6の発明は、特に第4乃至第5の発明において、インバータ制御手段は、電動機の回転出力を低下させ続けた後、第2の所定時間が経過するまで、電動機の回転出力の増加を停止することにより、電動機の回転出力がハンチングして電動機の駆動が不安定となることを防止することができる。
第7の発明は、特に第1〜6のいずれかの発明において、電流検出手段は、インバータの母線電流を直接検出し、その母線電流の検出値から間接的に電動機に流れる電流を検出する構成であって、
インバータ制御手段は、インバータが出力する電圧値と電流検出手段によって検出された電動機の電流値とから電動機の誘起電圧を推定する誘起電圧推定手段と、誘起電圧推定手段で推定された誘起電圧値に基づいて電動機の回転子磁極位置および回転速度を推定する回転子位置速度推定手段と、回転子位置速度推定手段で推定された回転子磁極位置の情報に基づいてインバータを制御するPWM信号を生成するPWM信号生成手段と、PWM信号生成手段で生成されたPWM信号のデューティを補正するデューティ補正手段とを備え、
デューティ補正手段は、電流検出手段で前記インバータの母線電流を検出している間はPWM信号を変化させないようにデューティ補正することにより、エンコーダやレゾルバ等の回転子の磁極位置を検出する位置センサや、DC−CT等の電流センサが不要となるため、コスト低減と各種センサの検出誤差軽減による信頼性向上を図ることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態における電動機駆動装置のシステム構成図を示すものである。この電動機駆動装置は、直流電源1、電動機3に供給する駆動電圧を生成、出力するインバータ2、およびインバータ2を制御する制御部6を備える。電動機3は中性点を中心にY結線された3つの相巻線(4u、4v、4w)が取り付けられる固定子4、および磁石が装着されている回転子5を備える。
インバータ2は、一対のスイッチング素子からなるハーフブリッジ回路をU相用、V相用、W相用として三相分備える。ハーフブリッジ回路の一対のスイッチング素子は、直流電源1の高圧側端と低圧側端の間に直列接続され、ハーフブリッジ回路に直流電源1から出力される直流電圧が印加される。U相用のハーフブリッジ回路は、高圧側のスイッチング素子21uおよび低圧側のスイッチング素子21xより成る。V相用のハーフブリッジ回路は、高圧側のスイッチング素子21vおよび低圧側のスイッチング素子21yより成る。W相用のハーフブリッジ回路は、高圧側のスイッチング素子21wおよび低圧側のスイッチング素子21zより成る。また、各スイッチング素子と並列に還流ダイオード(22u〜22z)が接続されている。
インバータ2に印加されている直流電圧は、上述したインバータ2内のスイッチング素子のスイッチング動作によって三相の交流電圧に変換され、それにより電動機3が駆動される。
制御部6は、電流検出部7と、速度指令設定部9と、PWM信号生成部10と、誘起電圧推定部11と、回転子位置速度推定部12と、ベースドライバ13と、デューティ補正部14、電動機回転出力算出部15、電動機諸元補正部16から構成される。
速度指令設定部9は、外部より与えられる目標速度ω*と、電動機回転出力算出部15の出力信号を受けて速度指令値ωrefを設定する(速度指令設定部9の詳細な動作説明は、後述の電動機回転出力算出部15の動作説明と併せて記載する)。
PWM信号生成部10は、速度指令設定部9より与えられる速度指令値ωrefを実現すべく、速度指令値と現在の速度との誤差から演算により求められた電圧を出力するために、インバータ2の各スイッチング素子(21u〜21z)を駆動するためのPWM信号を生成する。その生成されたPWM信号はデューティ補正部14により補正される。補正後のPWM信号はベースドライバ13により、スイッチング素子を電気的に駆動するためのドライブ信号に変換される。そのドライブ信号に従って各スイッチング素子(21u〜21z)が動作する。
電流検出部7は、インバータ2の母線電流を観察し、その母線電流に現れる電動機3の相電流を検出する。電流検出部7は実施には母線電流が変化したときから所定期間の間だけ電流を検出する。
誘起電圧推定部11は、電流検出部7で検出された電動機3の相電流と、PWM信号生成部10で演算された電圧と、直流電圧検出部8で検出されたインバータ2の直流電圧の情報により、電動機3の誘起電圧を推定する。さらに、回転子位置速度推定部12は、推定された誘起電圧から電動機3の回転子磁極位置および回転速度を推定する。推定された回転子磁極位置の情報に基づいて、PWM信号生成部10が電動機3を駆動するためのPWM信号を生成する。その際、PWM信号生成部10は、推定された電動機3の回転速度と速度指令設定部9で与えられる速度指令値ωrefとの偏差情報に基づいて、回転速度が速度指令値と一致するようにPWM信号を制御する。
次に、誘起電圧推定部11の動作について説明する。電動機3の各相の巻線に流れる相電流(iu、iv、iw)は電流検出部7により検出されたインバータ2の母線電流から得られる。また、各相の巻線に印加される相電圧(vu、vv、vw)は、PWM信号生成部10で演算された電圧と、直流電圧検出部8で検出されたインバータ2の直流電圧の情報により求められる。原理的には、これらの値から、下記式(1)〜(3)の演算により、各相の巻線に誘起される誘起電圧(eu、ev、ew)が求められる。ここで、Rは抵抗、Lはインダクタンスである。また、d(iu)/dt、d(iv)/dt、d(iw)/dtはそれぞれiu、iv、iwの時間微分である。
eu=vu−R×iu−L×d(iu)/dt (1)
ev=vv−R×iv−L×d(iv)/dt (2)
ew=vw−R×iw−L×d(iw)/dt (3)
ここで、式(1)〜(3)をさらに詳細に展開すると、次式(4)〜(6)となる。
eu=vu−R×iu
−(la+La)×d(iu)/dt
−Las×cos(2θ)×d(iu)/dt
−Las×iu×d{cos(2θ)}/dt
+0.5×La×d(iv)/dt
−Las×cos(2θ―2π/3)×d(iv)/dt
−Las×iv×d{cos(2θ―2π/3)}/dt
+0.5×La×d(iw)/dt
−Las×cos(2θ+2π/3)×d(iw)/dt
−Las×iw×d{cos(2θ+2π/3)}/dt (4)
ev=vv−R×iv
−(la+La)×d(iv)/dt
−Las×cos(2θ+2π/3)×d(iv)/dt
−Las×iv×d{cos(2θ+2π/3)}/dt
+0.5×La×d(iw)/dt
−Las×cos(2θ)×d(iw)/dt
−Las×iw×d{cos(2θ)}/dt
+0.5×La×d(iu)/dt
−Las×cos(2θ―2π/3)×d(iu)/dt
−Las×iu×d{cos(2θ―2π/3)}/dt (5)
ew=vw−R×iw
−(la+La)×d(iw)/dt
−Las×cos(2θ―2π/3)×d(iw)/dt
−Las×iw×d{cos(2θ−2π/3)}/dt
+0.5×La×d(iu)/dt
−Las×cos(2θ+2π/3)×d(iu)/dt
−Las×iu×d{cos(2θ+2π/3)}/dt
+0.5×La×d(iv)/dt
−Las×cos(2θ)×d(iv)/dt
−Las×iv×d{cos(2θ)}/dt (6)
ここで、d/dtは時間微分を表し、三角関数に関する微分の演算に現れるdθ/dtには推定速度ωを電気角速度に変換したものを用いる。また、d(iu)/dt、d(iv)/dt、d(iw)/dtは、1次オイラー近似で求める。なお、U相電流iuは、V相電流ivとW相電流iwとの和の符号を変えたものとする。ここで、Rは巻線一相あたりの抵抗、laは巻線一相あたりの漏れインダクタンス、Laは巻線一相あたりの有効
インダクタンスの平均値、Lasは巻線一相あたりの有効インダクタンスの振幅である。
誘起電圧推定部11においては、式(4)〜(6)を簡略化した、式(7)〜(9)を使用する。ここでは、相電流(iu、iv、iw)が正弦波であると仮定し、電流指令振幅I*と電流指令位相βTとから相電流(iu、iv、iw)を作成して簡略化している。
eu=vu+R×I*×sin(θ+βT)
+1.5×(la+La)×cos(θ+βT)
−1.5×Las×cos(θ―βT) (7)
ev=vv+R×I*×sin(θ+βT−2π/3)
+1.5×(la+La)×cos(θ+βT−2π/3)
−1.5×Las×cos(θ―βT−2π/3) (8)
ew=vw+R×I*×sin(θ+βT+2π/3)
+1.5×(la+La)×cos(θ+βT+2π/3)
−1.5×Las×cos(θ―βT+2π/3) (9)
次に、回転子位置速度推定部12の動作について説明する。誘起電圧推定部11で推定された誘起電圧推定値(eu、ev、ew)から、電動機3の回転子磁極位置および回転速度を推定する。回転子位置速度推定部12は、それが認識している推定角度θを誘起電圧の誤差を用いて補正することにより、真値に収束させて求める。また、そこから推定速度ωを生成する。
まず、各相の誘起電圧基準値(eum、evm、ewm)を式(10)〜(12)で求める。ここで、誘起電圧振幅値emは、誘起電圧推定値(eu、ev、ew)の振幅値と一致させることにより求める。
eum=em×sin(θ+βT) (10)
evm=em×sin(θ+βT−2π/3) (11)
ewm=em×sin(θ+βT+2π/3) (12)
このようにして求めた誘起電圧基準値ejmと、誘起電圧推定値ejとの偏差εを求める(j=u、v、w(jは相を表す))。
ε=ej−ejm (j=u、v、w) (13)
この偏差εが0になれば推定角度θが真値になるので、偏差εを0に収斂させるように、推定角度θを、偏差εを用いたPI演算などを行って求める。また、推定角度θの変動値を演算することにより、推定速度ωを求める。
PWM信号生成部10は、速度指令設定部9で与えられる速度指令値ωrefを実現するために、速度指令値ωrefと推定速度ωとの誤差Δωにより、例えば次式のようなPI演算で電流指令振幅I*を求める。
I*=KPW×Δω+KIW×∫(Δω)dt (14)
ここで、KPWは比例ゲイン、KIWは積分ゲインとする。
また、式(14)の演算により求められる電流指令振幅I*と、予め設定された電流指令位相βT(例えば、電動機の特性試験結果や理論値などを踏まえて設定)とを用いて、次式にてdq軸電流指令値(id*、iq*)を求める。
id*=−I*×sin(βT) (15)
iq*=I*×cos(βT) (16)
また、電動機の固定子巻線の相電流指令値(iu*、iv*、iw*)は、dq軸電流指令値(id*、iq*)と推定角度θとを用いて、2相/3相変換することにより求められる(2相/3相変換については公知であり、その説明は省略する)。
ここで、相電流指令値(iu*、iv*、iw*)と電流検出部7から得られる相電流(iu、iv、iw)との電流誤差がゼロとなるように、例えば次式のようなPI演算で相電圧指令値(vu*、vv*、vw*)を求める。
vu*=KP1×(iu*−iu)+KI1×∫(iu*−iu)dt (17)
vv*=KP2×(iv*−iv)+KI2×∫(iv*−iv)dt (18)
vw*=KP3×(iw*−iw)+KI3×∫(iw*−iw)dt (19)
ここで、KP1、KP2およびKP3は比例ゲイン、KI1、KI2およびKI3は積分ゲインとする。
なお、相電圧指令値(vu*、vv*、vw*)は3相交流電圧値のため、2相分の電圧値をPI演算で求めた後、その2相分から残り1相の電圧値を求めても良い(例えば、vw*を式(19)の代わりに「vw*=−(vu*+vv*)」で求める)。
また、相電流検出値(iu、iv、iw)を3相/2相変換してdq軸電流検出値(id、iq)を求め、dq軸電流指令値(id*、iq*)とdq軸電流検出値(id、iq)との電流誤差がゼロとなるように、例えば次式のようなPI演算でdq軸電圧指令値(vd*、vq*)を求めた後、2相/3相変換して相電圧指令値(vu*、vv*、vw*)を求めても良い(3相/2相変換や2相/3相変換については公知であり、その説明は省略する)。
vd*=KPD×(id*−id)+KID×∫(id*−id)dt (20)
vq*=KPQ×(iq*−iq)+KIQ×∫(iq*−iq)dt (21)
ここで、KPDおよびKPQは比例ゲイン、KIDおよびKIQは積分ゲインとする。
さらに、このようにして求められた電圧(vu*、vv*、vw*)を出力するための各スイッチング素子(21u〜21z)のPWM信号はデューティ補正部14により補正され、ベースドライバ13に出力される。各スイッチング素子(21u〜21z)は、その補正後のPWM信号に従って駆動され、正弦波状の交流を生成する。
以上のように、本発明の電動機駆動装置は、誘起電圧推定値と誘起電圧基準値との偏差εを用いて推定角度θを作成し、正弦波状の相電流を流すことにより電動機3の正弦波駆動を実現している。
ここで、インバータ2の母線電流に電動機3の相電流が現れる様子を、図3〜8を用いて説明する。図3は、電動機3の各相の巻線に流れる相電流の状態と、電気角60°毎の各区間における各相の巻線に流れる電流の方向とを示した図である。図3を参照すると、電気角0〜60°の区間においては、U相巻線4uとW相巻線4wには非結線端から中性点に向けて、V相巻線4vには中性点から非結線端に向けて電流が流れている。また、電気角60〜120°の区間においては、U相巻線4uには非結線端から中性点に向けて、V相巻線4vとW相巻線4wには中性点から非結線端に向けて電流が流れている。以降、電気角60°毎に各相の巻線に流れる相電流の状態が変化していく様子が示されている。
例えば、図3において電気角30°の時にPWM信号生成部10で生成されたPWM信号が図4のように変化した場合を考える。ここで、図4において、信号Uはスイッチング素子21uを、信号Vはスイッチング素子21vを、信号Wはスイッチング素子21wを
、信号Xはスイッチング素子21xを、信号Yはスイッチング素子21yを、信号Zはスイッチング素子21zを動作させる信号を示す。これらの信号はアクティブ・ハイで記載している。この場合、インバータ2の母線には図5に示すように、タイミング1では電流が現れず、タイミング2ではW相巻線4wに流れる電流(W相電流)が現れ、タイミング3ではV相巻線4vに流れる電流(V相電流)が現れる。
別の例として、図3において電気角30°の時にPWM信号生成部10で生成されたPWM信号が図6のように変化する場合を考える。この場合、インバータ2の母線には図7に示すように、タイミング1では電流が現れず、タイミング2ではU相巻線4uに流れる電流(U相電流)が現れ、タイミング3ではV相巻線4vに流れる電流(V相電流)が現れる。
このように、インバータ2の母線上にスイッチング素子(21u〜21z)の状態に応じた電動機3の相電流が現れることが分かる。
上述のように近接したタイミングで二相分の電流を判断することができれば、次式の関係から各相の相電流(iu、iv、iw)が求められることは明らかである。
iu+iv+iw=0 (22)
しかしながら、図3において電気角30°の時にPWM信号生成部10で生成されたPWM信号が図8のように変化する場合、インバータ2の母線上には、タイミング1では電流が現れず、タイミング3ではV相電流のみが現れる。つまり、この場合は一相分の電流しか検出できない。従って、このように変化するPWM信号が繰り返されると三相それぞれの電流を求めることができず、誘起電圧推定部11で誘起電圧の推定が不能になり、電動機3の駆動ができなくなる。
上記のような不具合を回避すべく、デューティ補正部14は、電動機3の各相の巻線流れる相電流を検出する必要がある期間においては、PWM信号生成部10で生成されるPWM信号をチェックし、もし、そのPWM信号が二相分の相電流の検出を不可とする信号(例えば、図8に示すようなPWM信号)である場合、そのPWM信号を二相分の相電流を確実に検出可能とするPWM信号(例えば、図4や図6に示すようなPWM信号)に補正し、その補正したPWM信号は、電流検出部7にてインバータ2の母線電流を検出している期間は変化させないようにする。また、デューティ補正部14から出力されたPWM信号のデューティ情報は電流検出部7にも入力される。電流検出部7はインバータ2の母線電流に電動機3のどの相の電流が現れているのか判断し、各相の電流値に変換する。電流検出部7による各相の検出電流値は誘起電圧推定部11での誘起電圧推定演算に活用される。
以上のように、電流センサなどの電流検出手段をインバータ2と電動機3の間の線間に2つ以上設けることなく安価なシステム構成で位置センサレス正弦波駆動を実現している。
次に、本発明の特徴である電動機回転出力算出部15の動作について説明する。
まず、電動機諸元補正部16では基準温度TEMP0に対する電動機の諸元値(巻線抵抗値RA0および/または起電力係数KE0)を温度検出部17で検出された温度値TEMPSで次式の演算により補正する。
Rh=RA0×{1+αr×(TEMPS−TEMP0)} (23)
Kh=KE0×{1+αk×(TEMPS−TEMP0)} (24)
ここで、αrは巻線抵抗の温度係数、αkは界磁磁石の温度係数であり、いずれも電動機の固定子巻線や界磁磁石の材料物性により決定されている値である(例えば、巻線が銅線の場合、温度係数αr≒0.00433[1/℃])。
なお、基準温度TEMP0の場合の電動機の諸元値(巻線抵抗値RA0および/または起電力係数KE0)については、予め電動機の公称値や測定値等を設定しておく。
電動機回転出力算出部15では、電動機諸元補正部16によって補正された電動機の諸元値(巻線抵抗値Rhおよび/または起電力係数Kh)を用いて電動機の回転出力(出力トルクToおよび/または出力電力Po)を次式の演算により算出する。
To=np×{Kh×iq+(Ld−Lq)×id×iq} (25)
Po=ωm×To
=ωm×np×{Kh×iq+(Ld−Lq)×id×iq}
=ω1×{Kh×iq+(Ld−Lq)×id×iq} (26)
ここで、npは極対数(極数の1/2)、Ldはd軸インダクタンス、Lqはq軸インダクタンス、idはd軸電流検出値、iqはq軸電流検出値、ωmは回転子の機械角速度、ω1はインバータの電気角速度(ω1=np×ωm)である。
なお、位置センサレス電動機駆動装置では、推定位相ω(インバータの角速度ω1)と回転子の電気角速度(np×ωm)は概ね等しくなり、位置センサ付き電動機駆動装置の場合は回転子の電気角速度(np×ωm)をインバータの電気角速度ω1とするため式(26)が成立する。
なお、電動機の巻線抵抗を式(23)を用いて温度補正した上で、特許文献1の方法を用いて電動機出力電力を導出しても良い。
さらに、電動機回転出力算出部15では、回転出力算出値(出力トルク算出値Toおよび/または出力電力算出値Po)が予め設定された回転出力設定値(出力トルク設定値TOUT0および/または出力電力設定値POUT0)以上の場合には、「回転出力低下要求信号」を出力して、電動機の回転出力(出力トルク、回転数、出力電力)を低下させるべく、インバータの制御部6を動作させる。
具体的には、図1のように外部から「目標速度」が与えられる電動機駆動装置では制御量が「速度」であるため、回転出力算出値(Toおよび/またはPo)が予め設定された回転出力設定値(TOUT0および/またはPOUT0)以上の場合には、「速度減少指示信号」を出力して、速度指令設定部9にて、外部から与えられる目標速度ω*が変化せずとも速度指令値ωrefを減少させる(ωref<ω*)。この速度指令値ωrefを受けてPWM信号生成部10では電動機の回転速度を減少させるべくPWM信号を生成する。その結果、電動機の回転速度、出力電力が減少する。通常は、回転出力算出値が予め設定された回転出力設定値未満となる場合には、「速度減少指示信号」を出力せず、速度指令設定部9では目標速度ω*をそのまま速度指令値ωrefとする(ωref=ω*)。
なお、図示はしないが、外部から「目標トルク」が与えられる電動機駆動装置では制御量が「トルク」であるため、回転出力算出値(Toおよび/またはPo)が予め設定された回転出力設定値(TOUT0および/またはPOUT0)以上の場合には、「トルク減少指示信号」を出力して、外部から与えられる目標トルクT*が変化せずともトルク指令値Trefを減少させる(Tref<T*)。このトルク指令値Trefを受けてPWM信号生成部では電動機の出力トルクを減少させるべくPWM信号を生成する。その結果、
電動機の出力トルク、出力電力が減少する。通常は、回転出力算出値が予め設定された回転出力設定値未満となる場合には、「トルク減少指示信号」を出力せず、目標トルクT*をそのままトルク指令値Trefとする(Tref=T*)。
以上により、動作環境に依らず電動機の諸元値(巻線抵抗値および/または起電力係数)が温度変化した場合でも正確に電動機の回転出力を算出し、その回転出力算出値(出力トルク算出値Toおよび/または出力電力算出値Po)が予め設定された回転出力設定値(出力トルク設定値TOUT0および/または出力電力設定値POUT0)未満となるように電動機の回転出力を制御することで、電動機での過度な負荷運転を抑制することができる。
また、電動機回転出力算出部15で算出された回転出力算出値(出力トルク算出値Toおよび/または出力トルク算出値Po)が予め設定された第1の回転出力設定値(出力トルク設定値TOUT1および/または出力電力設定値POUT1)以上となる場合には、インバータのスイッチング動作を停止させ(PWM信号を停止させるとともに、図1の電動機駆動装置のように制御量が「速度」の場合には速度指令値ωrefを、制御量が「トルク」の場合にはトルク指令値Trefをそれぞれゼロとする)、回転数出力算出値(Toおよび/またはPo)が第1の回転数出力設定値(TOUT1および/またはPOUT1)よりも小さい値の第2の回転数出力設定値(出力トルク設定値TOUT2および/または出力トルク設定値POUT2)以上の場合に、「回転出力低下要求信号」(図1の電動機駆動装置のように制御量が「速度」の場合には「速度減少指示信号」、制御量が「トルク」の場合には「トルク減少指示信号」)を出力して、電動機の回転出力(出力トルク、回転数、出力電力)を低下させるべく、インバータの制御部6を動作させるのが好ましい。
以上により、回転出力算出値が第2の回転出力設定値(TOUT2および/またはPOUT2)未満となるように電動機の回転出力を制御することで電動機での過度な負荷運転を抑制するとともに、突発的に電動機の負荷が増加して急激に回転出力が増加した場合(回転出力算出値が第1の回転出力設定値(TOUT1および/またはPOUT1)以上の場合)にはインバータのスイッチング動作を停止することで電動機駆動装置を確実に保護することができる。
さらに、電動機回転出力算出部15の具体的な動作について、図1の電動機駆動装置を例に挙げて、特に速度指令値ωrefが目標速度ω*通りに設定されている状態で、時間が経過するにつれて電動機3の負荷トルクが増大する場合について、図9〜図11を用いて説明する。図9〜図11は、上から順番に(a)電動機3の負荷トルク、(b)電動機回転出力算出部15における回転出力算出値、(c)回転出力低下要求信号(図1の電動機駆動装置は制御量が「速度」のため「速度減少指示信号」であり、制御量が「トルク」の場合には「トルク減少指示信号」に相当する)、(d)電動機制御量(図1の電動機駆動装置は制御量が「速度」のため「速度指令値」であり、制御量が「トルク」の場合には「トルク指令値」に相当する)について、時間変化をそれぞれ示している。図9は外部から与えられる目標速度ω*が一定の場合を示し、図10は目標速度ω*が変化する場合を示す。
図9において、電動機回転出力算出部15は、時点Ta0にて回転出力算出値(出力トルク算出値Toおよび/または出力電力算出値Po)が前述の第2の回転出力設定値(出力トルク設定値TOUT2および/または出力電力設定値POUT2)以上となる場合、回転出力低下要求信号(図1の電動機駆動装置は制御量が「速度」のため「速度減少指示信号」であり、制御量が「トルク」の場合には「トルク減少指示信号」に相当する)を出力する(ハイレベルにする)。時点Ta0から予め設定した第1の所定時間Ts1が経過
後の時点Ta1にて回転出力低下要求信号(速度減少指示信号)をローレベルにする。速度指令設定部9では回転出力低下要求信号(速度減少指示信号)が出力されている間(ハイレベルの間)、所定の時間変化率で電動機制御量(速度指令値ωref)を減少させるため、回転出力算出値(Poのみ)は減少していく(時点Ta0〜Ta1)。時点Ta1では回転出力低下要求信号(速度減少指示信号)の出力値を受けて、電動機制御量(速度指令値ωref)が目標値(目標速度ω*)よりも値が小さいため、時点Ta1から予め設定した第2の所定時間Ts2が経過後の時点Ta2となるまで、電動機制御量(速度指令値ωref)を時点Ta1の値に維持する。これにより回転数は維持されるが、電動機の負荷トルクが増大し続けているため、回転出力算出値(出力トルク算出値Toおよび/または出力電力算出値Po)は増大していく(時点Ta1〜Ta2)。時点Ta2では電動機制御量(速度指令値ωref)を目標値(目標速度ω*)に一致させるように電動機制御量(速度指令値ωref)を増加させるため、回転出力算出値(Toおよび/またはPo)は増加する(時点Ta2〜Ta3)。時点Ta3にて再度回転出力算出値(Toおよび/またはPo)が第2の回転出力設定値(TOUT2および/またはPOUT2)以上となった場合、前述の動作を繰り返す。
また、図10において、電動機回転出力算出部15は、時点Tb0にて回転出力算出値(出力トルク算出値Toおよび/または出力電力算出値Po)が前述の第2の回転出力設定値(出力トルク設定値TOUT2および/または出力電力設定値POUT2)以上となる場合、回転出力低下要求信号(図1の電動機駆動装置は制御量が「速度」のため「速度減少指示信号」であり、制御量が「トルク」の場合には「トルク減少指示信号」に相当する)を出力する(ハイレベルにする)。時点Tb0から第1の所定時間Ts1が経過後の時点Tb1にて回転出力低下要求信号(速度減少指示信号)をローレベルにする。速度指令設定部9では回転出力低下要求信号(速度減少指示信号)が出力されている間(ハイレベルの間)、所定の時間変化率で電動機制御量(速度指令値ωref)を減少させるため、回転出力算出値(Poのみ)は減少していく(時点Tb0〜Tb1)。時点Tb1では回転出力低下要求信号(速度減少指示信号)の出力値を受けて、電動機制御量(速度指令値ωref)が目標値(目標速度ω*)よりも値が小さいため、電動機制御量(速度指令値ωref)を時点Tb1の値に維持する(時点Tb1〜Tb11)。時点Tb11にて目標値(目標速度ω*)が電動機制御量(速度指令値ωref)よりも値が小さくなるように変化した場合、速度指令設定部9は所定時間Ts2が経過していなくても、目標値(目標速度ω*)に一致させるように電動機制御量(速度指令値ωref)を減少させて、電動機制御量(速度指令値ωref)を目標値(目標速度ω*)に維持する(時点Tb11以降)。時点Tb11以降で再度回転出力算出値(Toおよび/またはPo)が第2の回転出力設定値(TOUT2および/またはPOUT2)以上となった場合、前述の動作を繰り返す。
さらに、図11において、電動機回転出力算出部15は、時点Tc0にて回転出力算出値(出力トルク算出値Toおよび/または出力電力算出値Po)が前述の第2の回転出力設定値(出力トルク設定値TOUT2および/または出力電力設定値POUT2)以上となる場合、回転出力低下要求信号(図1の電動機駆動装置は制御量が「速度」のため「速度減少指示信号」であり、制御量が「トルク」の場合には「トルク減少指示信号」に相当する)を出力する(ハイレベルにする)。その後、回転出力算出値(Toおよび/またはPo)が予め設定された第3の回転出力設定値(出力トルク設定値TOUT3および/または出力電力設定値POUT3)未満となる時点Tc1にて回転出力低下要求信号(速度減少指示信号)をローレベルにする。速度指令設定部9では回転出力低下要求信号(速度減少指示信号)が出力されている間(ハイレベルの間)、所定の時間変化率で電動機制御量(速度指令値ωref)を減少させるため、回転出力算出値(Poのみ)は減少していく(時点Tc0〜Tc1)。時点Tc1では回転出力低下要求信号(速度減少指示信号)の出力値を受けて、電動機制御量(速度指令値ωref)が目標値(目標速度ω*)より
も値が小さいため、時点Tc1から予め設定した第2の所定時間Ts2が経過後の時点Tc2となるまで、電動機制御量(速度指令値ωref)を時点Tc1の値に維持する。これにより回転数は維持されるが、電動機の負荷トルクが増大し続けているため、回転出力算出値(出力トルク算出値Toおよび/または出力電力算出値Po)は増大していく(時点Tc1〜Tc2)。時点Tc2では電動機制御量(速度指令値ωref)を目標値(目標速度ω*)に一致させるように電動機制御量(速度指令値ωref)を増加させるため、回転出力算出値(Toおよび/またはPo)は増加する(時点Tc2〜Tc3)。時点Tc3にて再度回転出力算出値(Toおよび/またはPo)が第2の回転出力設定値(TOUT2および/またはPOUT2)以上となった場合、前述の動作を繰り返す。
以上により、第1の所定時間Ts1が経過するまで、あるいは回転出力算出値(Toおよび/またはPo)が第3の回転出力設定値(TOUT3および/またはPOUT3)未満となるまで、電動機の回転出力(制御量が「速度」の場合は「速度指令値ωref」、制御量が「トルク」の場合は「トルク指令値Tref」)を低下させ続けることで、電動機での過度な負荷運転を確実に抑制することができる。
さらに、電動機の回転出力を低下させ続けた後、第2の所定時間Ts2が経過するまで、電動機制御量(図9〜11では速度指令値ωref)が目標値(図9〜11では目標速度ω*)より小さい場合でも、電動機の回転出力(制御量、図9〜11では速度指令値ωref)の増加を停止することにより、電動機の回転出力がハンチングして電動機の駆動が不安定となることを防止することができる。
(実施の形態2)
図2は、本発明の第2の実施の形態における電動機駆動装置のシステム構成図を示すものである。図1に示す第1の実施の形態における電動機駆動装置と同じ構成要素は同一符号で示してあり、その説明は重複するため省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
図2における電動機諸元推定部18は、実施の形態1における電動機駆動装置の電動機諸元補正部16と温度検出部17の代わりに、デューティ情報(電圧情報)、電流情報、推定速度ωに基づいて、基準温度TEMP0に対する電動機の諸元値(巻線抵抗値RA0および/または起電力係数KE0)を初期値として運転中にその温度変化を推定する。その電動機諸元の推定値を用いて電動機回転出力算出部15では、実施の形態1と同様の動作を行うため、ここでは電動機諸元推定部18の動作についてのみ説明する(他の構成要素の動作は実施の形態1と同一のため省略する)。
以下、電動機諸元推定部の具体的な動作について説明する。
始めに、電動機の巻線抵抗をR、d軸インダクタンスをLd、q軸インダクタンスをLq、起電力係数をKeとすると、定常状態におけるdq軸上の電圧方程式は次式のように表される(微分項ゼロ、インバータ角速度ω≒極対数np×回転子機械角速度ωm)。
vd=R×id−ω×Lq×iq 式(27)
vq=R×iq+ω×Ld×id+ω×Ke 式(28)
ここで、巻線抵抗Rの推定値をRsとすると、式(27)は式(28)のように変形できる(idの二乗としていることで、idの符号の影響を考慮する必要が無くなる)。
(Rs−R)×id×id=Rs×id×id
−(vd×id+ω×Lq×id×iq) 式(29)
即ち、巻線抵抗の推定値Rsが実際の巻線抵抗値Rよりも大きい場合には、右辺は正と
なり、逆の場合には負となるため、式(30)のように巻線抵抗の推定値Rsを導出する。
Rs[t]=Rs[t−1]
−KI1×∫{Rs[t−1]×id×id
−(vd×id+ω×Lq×id×iq)}dt 式(30)
ここで、Rs[t−1]は1時刻前(dt)の巻線抵抗推定値であり、KI1は積分ゲインである。また、式(30)では式(29)の右辺の積分演算のみ行っているが、比例項を付加してPI演算を行っても良いことは言うまでもない。さらに、idの符号が変化しない場合は、式(29)を辺々idで除算することができるため、式(30)において演算時間の短縮化が図れる。
また、起電力係数の推定値をKsについては、式(30)で巻線抵抗推定値Rsを求めた上で、式(28)を式(31)のように変形する。
ω×(Ks−Ke)=ω×Ks
−(vq−Rs×iq−ω×Ld×id) 式(31)
即ち、起電力係数の推定値Ksが実際の起電力係数Keよりも大きい場合には、右辺は正となり、逆の場合には負となるため(推定速度ωが正の場合)、式(32)のように起電力係数Ksを導出する。
Ks[t]=Ks[t−1]
−KI2×∫{ω×Ks[t−1]
−(vq−Rs×iq−ω×Ld×id)}dt 式(32)
ここで、Ks[t−1]は1時刻前(dt)の起電力係数の推定値であり、KI2は積分ゲインである。また、式(32)では式(31)の右辺の積分演算のみ行っているが、比例項を付加してPI演算を行っても良いことは言うまでもない。
以上により、動作環境に依らず電動機の諸元値(巻線抵抗値および/または起電力係数)が温度変化した場合でも正確に電動機の回転出力を算出し、その回転出力算出値が予め設定された回転出力設定値未満となるように電動機の回転出力を制御することで、電動機での過度な負荷運転を抑制することができるだけでなく、サーミスタや熱電対等の温度センサが不要となるため、コスト低減と温度センサの検出誤差軽減による信頼性向上を図ることができる。
以上のように、本発明の電動機駆動装置によれば、動作環境に依らず簡単かつ低コストに電動機の回転出力を正確に算出し、その回転出力算出値が予め設定された所定値未満となるように電動機の回転出力を制御することで、電動機での過度な負荷運転を抑制することができるため、エアコンなどの空気調和器、ヒートポンプ式洗濯乾燥機、CO2ヒートポンプ給湯機などの圧縮機の電動機駆動装置に応用することができる。
1 直流電源
2 インバータ
21u〜21z スイッチング素子
22u〜22z 還流ダイオード
3 電動機
4 固定子
4u〜4w 固定子巻線
5 回転子
6 制御部
7 電流検出部
8 直流電圧検出部
9 速度指令設定部
10 PWM信号生成部
11 誘起電圧推定部
12 回転子位置速度推定部
13 ベースドライバ
14 デューティ補正部
15 電動機回転出力算出部
16 電動機諸元補正部
17 温度検出部
18 電動機諸元推定部
101 電流指令演算器
102 電流制御器
103 V*、θv演算器
104 PWM演算器
105 インバータ
106 電流演算器
107 電動機
108 速度検出器
109 電圧検出器
110 電流検出器
111 積分器
112 電圧演算器
113 電力演算器
114 係数乗算器
500 A/D変換手段
501 3相/2相・d/q座標変換手段
502 位置推定演算手段
503 電流比較手段
504 回転数比較手段
505 回転数制御手段
506 トルク電流設定手段
507 電圧制御手段
508 座標逆変換手段
509 モータ出力推定手段
510 交流入力制御手段

Claims (7)

  1. 直流電力を所望の周波数、電圧の交流電力に変換して電動機にその電力を供給するインバータと、前記電動機の回転出力を制御するインバータ制御手段と、前記電動機に流れる電流を検出する電流検出手段と、を備えた電動機駆動装置であって、
    前記電動機の周囲温度、巻線温度、界磁磁石温度の少なくともいずれか1つの温度を検出する温度検出手段と、基準温度に対する前記電動機の諸元値を前記温度検出手段で検出された温度値で補正する電動諸元補正手段と、前記電流検出手段によって検出された電流値と前記電動機諸元補正手段によって補正された諸元値を用いて前記電動機の回転出力を算出する回転出力算出手段とをさらに備え、前記インバータ制御手段は、前記回転出力算出手段によって算出された回転出力算出値が予め設定された所定値未満となるように前記電動機の回転出力を制御することを特徴とする電動機駆動装置。
  2. 直流電力を所望の周波数、電圧の交流電力に変換して電動機にその電力を供給するインバータと、前記電動機の回転出力を制御するインバータ制御手段と、前記電動機に流れる電流を検出する電流検出手段と、を備えた電動機駆動装置であって、
    前記インバータが出力する電圧値、前記電流検出手段によって検出された電流値、前記電動機の回転速度に基づいて、前記電動機の巻線抵抗値或いは誘起電圧定数の少なくともいずれか1つの諸元値の温度による変化値を推定する電動機諸元推定手段と、前記電動機諸元推定手段によって推定された諸元値を用いて前記電動機の回転出力を算出する回転出力算出手段とをさらに備え、前記インバータ制御手段は、前記回転出力算出手段によって算出された回転出力算出値が予め設定された所定値未満となるように前記電動機の回転出力を制御することを特徴とする電動機駆動装置。
  3. 前記インバータ制御手段は、前記回転出力算出値が第1の回転出力設定値以上の場合は前記インバータのスイッチング動作を停止させ、前記回転出力算出値が第1の回転出力設定値よりも小さい値の第2の回転出力設定値以上の場合は前記電動機の回転出力を低下させることを特徴とする請求項1乃至2に記載の電動機駆動装置。
  4. 前記インバータ制御手段は、第1の所定時間が経過するまで、前記電動機の回転出力を低下させ続けることを特徴とする請求項3に記載の電動機駆動装置。
  5. 前記インバータ制御手段は、前記回転出力算出値が第2の回転出力設定値よりも小さい値の第3の回転出力設定値未満となるまで、前記電動機の回転出力を低下させ続けることを特徴とする請求項3に記載の電動機駆動装置。
  6. 前記インバータ制御手段は、前記電動機の回転出力を低下させ続けた後、第2の所定時間が経過するまで、前記電動機の回転出力の増加を停止することを特徴とする請求項4乃至5に記載の電動機駆動装置。
  7. 前記電流検出手段は、前記インバータの母線電流を直接検出し、その母線電流の検出値から間接的に前記電動機に流れる電流を検出する構成であって、
    前記インバータ制御手段は、前記インバータが出力する電圧値と前記電流検出手段によって検出された前記電動機の電流値とから前記電動機の誘起電圧を推定する誘起電圧推定手段と、前記誘起電圧推定手段で推定された誘起電圧値に基づいて前記電動機の回転子磁極位置および回転速度を推定する回転子位置速度推定手段と、前記回転子位置速度推定手段で推定された回転子磁極位置の情報に基づいて前記インバータを制御するPWM信号を生成するPWM信号生成手段と、前記PWM信号生成手段で生成されたPWM信号のデューティを補正するデューティ補正手段とを備え、
    前記デューティ補正手段は、前記電流検出手段で前記インバータの母線電流を検出してい
    る間はPWM信号を変化させないようにデューティ補正することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の電動機駆動装置。
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