JP2012023862A - 交流回転機の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】位置制御応答を高く保つことが出来るとともに、低速域から高速域までスムーズに交流回転機を駆動する交流回転機の制御装置を得る。
【解決手段】電圧指令に基づいて交流回転機1に電圧を印加する電圧印加手段3と、交流回転機1に流れる検出電流ベクトルを検出する電流検出手段2と、検出電流ベクトルから交流回転機1のインダクタンスに依存する信号を抽出して交流回転機1の回転子の検出位置を演算する位置検出手段4と、電圧指令と検出電流ベクトルと検出位置とに基づいて交流回転機1の回転子の推定位置および交流回転機1の推定速度を演算する推定手段5と、検出位置と外部から与えられる位置指令との偏差に基づいて速度指令を演算し、速度指令と推定速度との偏差に基づいて電圧指令ベクトルを生成するとともに、電圧指令ベクトルを推定位置に基づいて電圧指令に変換する制御手段6とを備える。
【選択図】図1

Description

この発明は、誘導機や同期機といった交流回転機の制御装置に関する。
従来の交流回転機の制御装置においては、交流回転機に位置センサを取り付けることなく駆動する方法として、適応観測部を利用して交流回転機の誘起電圧を利用して交流回転機の回転子位置を推定する方法や、交流回転機のインダクタンスの位置依存性を利用して交流回転機の回転子位置を推定する方法などある。前者の方法で用いる誘起電圧の大きさは交流回転機の回転速度に比例するため、低速域(低回転域)では誘起電圧が小さくなり誘起電圧の検出または回転子位置の推定精度が悪化する。そのため、交流回転機の回転子位置を推定することが困難になる。一方、後者のインダクタンスの位置依存性を利用した方法は、交流回転機の回転子位置を推定するための位置推定用信号を交流回転機に注入しなければならないが、回転子位置の推定精度は交流回転機の速度に依存しないため、低速域でも良好に回転子位置を推定することが出来る。
全速度域で交流回転機を制御する場合、低速域ではインダクタンスの位置依存性を利用して求めた回転子推定位置に基づいて交流回転機を駆動するとともに、高速域(高回転域)では誘起電圧を利用したセンサレス制御によって交流回転機を駆動すれば安価でかつ広範囲で駆動可能な装置を提供することが可能である。この場合、低速域から高速域までスムーズに駆動することがポイントとなる。そこで、交流回転機の零速から高速域までを連続的に制御するためのセンサレス制御方法において、交流回転機の回転子角度を用いて演算される第1の磁束ベクトルと、回転子角度を用いずに演算される第2の磁束ベクトルとの外積演算によって得られる位置誤差Δθが零となるように、位置・速度推定器により、機械数式モデルにより推定した速度推定値ωestと位置推定値θestとを用いて位置制御および速度制御を行っている(例えば、特許文献1参照)。
特開2006−158046号公報(第6−7頁、第1、4図)
特許文献1に記載の発明は、第1の磁束ベクトルと第2の磁束ベクトルとの外積演算によって得られる位置誤差Δθが零となるように、位置・速度推定器により速度推定値ωestと位置推定値θestとを用いて交流回転機を駆動する。交流回転機の位置制御を行う場合は、位置指令値θrefと位置推定値θestとを用いたフィードバック制御することになるが、位置推定値θestは位置誤差Δθが零になるように調整することにより間接的に求めるものであるため、位置誤差Δθが零に収束するまでの時間が位置推定の時間遅れとなる。このため、フィードバックする位置推定値θestに推定遅れが発生するので、位置制御応答を十分に高くすることが困難であるという問題があった。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、位置制御応答を高く保つことが出来るとともに、低速域から高速域までスムーズに交流回転機を駆動する交流回転機の制御装置を得るものである。
この発明に係る交流回転機の制御装置は、電圧指令に基づいて交流回転機に電圧を印加する電圧印加手段と、交流回転機に流れる検出電流ベクトルを検出する電流検出手段と、検出電流ベクトルから交流回転機のインダクタンスに依存する信号を抽出して交流回転機の回転子の検出位置を演算する位置検出手段と、電圧指令と検出電流ベクトルと検出位置とに基づいて交流回転機の回転子の推定位置および交流回転機の推定速度を演算する推定手段と、検出位置と外部から与えられる位置指令との偏差に基づいて速度指令を演算し、速度指令と推定速度との偏差に基づいて電圧指令ベクトルを生成するとともに、電圧指令ベクトルを推定位置に基づいて電圧指令に変換する制御手段とを備えるものである。
また、この発明に係る交流回転機の制御装置は、電圧指令に基づいて交流回転機に電圧を印加する電圧印加手段と、交流回転機に流れる検出電流ベクトルを検出する電流検出手段と、検出電流ベクトルから交流回転機のインダクタンスに依存する信号を抽出して交流回転機の回転子の検出位置を演算する位置検出手段と、電圧指令と検出電流ベクトルと検出位置とに基づいて交流回転機の回転子の推定位置および交流回転機の推定速度を演算する推定手段と、推定速度に基づいて検出位置または推定位置のいずれかを選択して選択位置とし、選択位置と外部から与えられる位置指令との偏差に基づいて速度指令を演算し、速度指令と推定速度との偏差に基づいて電圧指令ベクトルを生成するとともに、電圧指令ベクトルを推定位置に基づいて電圧指令に変換する制御手段とを備えるものである。
この発明は、検出電流ベクトルから交流回転機のインダクタンスに依存する信号を抽出して交流回転機の回転子の検出位置を演算する位置検出手段と、電圧指令と検出電流ベクトルと検出位置とに基づいて交流回転機の回転子の推定位置および交流回転機の推定速度を演算する推定手段と、検出位置と外部から与えられる位置指令との偏差に基づいて速度指令を演算し、速度指令と推定速度との偏差に基づいて電圧指令ベクトルを生成するとともに、電圧指令ベクトルを推定位置に基づいて電圧指令に変換する制御手段とを備えるので、位置制御応答を高く保つことが出来るとともに、低速域から高速域までスムーズに交流回転機を駆動することが出来る。
本発明の実施の形態1における交流回転機の制御装置の構成を示す構成図である。 本発明の実施の形態1における交流回転機の制御装置の別の構成を示す構成図である。 本発明の実施の形態1における位置検出手段の構成を示す構成図である。 本発明の実施の形態1における回転子位置に対する信号iuh、ivh、iwhの変化を示した図である。 本発明の実施の形態1における回転子位置に対する位置推定信号dIu、dIv、dIwの変化を示した図である。 本発明の実施の形態1における回転子位置の区間毎の大小判別をまとめた図である。 本発明の実施の形態1における推定手段の構成を示す構成図である。 本発明の実施の形態1におけるα−β軸と回転子との関係の模式図である。 本発明の実施の形態1における検出磁束ベクトル演算部の構成を示す構成図である。 本発明の実施の形態1における適応観測部の構成を示す構成図である。 本発明の実施の形態1における偏差増幅部の構成を示す構成図である。 本発明の実施の形態1における検出磁束ベクトルと推定磁束ベクトルと磁束偏差ベクトルとの関係を示した図である。 本発明の実施の形態2における交流回転機の制御装置の構成を示す構成図である。 本発明の実施の形態2における回転子の速度と選択位置との関係を示す図である。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1における、交流回転機の制御装置の構成を示す構成図である。本実施の形態において、交流回転機1は突極性を有する同期機である。図1において、交流回転機1は、電圧指令に基づいて交流回転機1に電圧を印加する電圧印加手段3に接続されている。また、交流回転機1の制御装置は、電圧印加手段3と交流回転機1との間を流れる検出電流ベクトルiu、iwを検出する電流検出手段2と、電流検出手段2によって検出した検出電流ベクトルiu、iwから交流回転機1のインダクタンスに依存する信号を抽出して、抽出した信号から交流回転機1の回転子位置を検出し、検出位置θdetとして演算・出力する位置検出手段4と、電圧指令Vu、Vv、Vwと検出電流ベクトルiu、iwと検出位置θdetとに基づいて交流回転機1の回転子の推定位置θestおよび交流回転機1の推定速度ωr0を演算する推定手段5と、電圧印加手段3に電圧指令Vu、Vv、Vwを出力する制御手段6とを備えている。
電流検出手段2は、交流回転機1の三相電流のうち少なくとも二相分の電流を検出する。本実施の形態における電流検出手段2は、交流回転機1と電圧印加手段3とを接続する電力線からU相検出電流ベクトルiuとW相検出電流ベクトルiwを検出する。なお、電流検出手段2は、U相検出電流ベクトルiuおよびW相検出電流ベクトルiwを検出する以外に、U相、V相、W相のうち任意の2相の検出電流ベクトルを検出し、残りの1相は検出電流ベクトルが三相平衡であることを利用して演算によって求める方法を用いてもよい。また、U相、V相、W相すべての検出電流ベクトルを検出してもよい。あるいは、電流検出手段2として、電圧印加手段3の入力である直流母線電流を検出し、その直流母線電流に基づいて検出電流ベクトルを演算してもよい。
電圧印加手段3は、例えばPWM(Pulse Width Modulation)インバータなどの電力変換器であり、制御手段6の出力である電圧指令Vu、Vv、Vwに基づいて交流回転機1に電圧を印加する。なお、後述のように電圧指令に位置検出信号を重畳する場合は、その位置検出信号を含んだ電圧指令Vu_ref、Vv_ref、Vw_refが電圧印加手段3に入力される。
位置検出手段4は、交流回転機1のインダクタンスが回転子位置によって変化する性質を利用して、検出電流ベクトルiu、iwから交流回転機1のインダクタンスに依存する信号を抽出して回転子の検出位置θdetを演算・出力する。ここで、図2は、交流回転機の制御装置の別の構成を示す構成図である。交流回転機1のインダクタンスに依存する信号を抽出しやすくするために、例えば図2に示す構成のように、電圧指令の基本波周波数とは異なる周波数成分を有する位置検出信号を電圧指令Vu、Vv、Vwに重畳し、位置検出手段4において位置検出信号と同一周波数成分の信号を検出電流ベクトルiu、iwから抽出し、抽出した信号から交流回転機1のインダクタンスに依存する信号を抽出して交流回転機1の回転子位置を検出する方法がある。回転子位置を検出する方法としては、図2に示す以外の構成のものであっても良い。以下、本実施の形態では、図2に示す交流回転機の制御装置のように、電圧指令に位置検出信号を重畳する場合について説明する。
なお、位置検出信号は電圧指令の周波数よりも十分高いことが望ましい。その理由は、位置検出信号を印加しても交流回転機1が動きにくく、交流回転機1のインピーダンスは、抵抗RとインダクタンスLとから成っており、交流回転機1に印加する位置検出信号の周波数が高くなると交流回転機1のインピーダンスはインダクタンスが支配的になるため、交流回転機1に流れる電流からインダクタンスに依存する信号を抽出することが容易になるからである。
図3は、本発明の実施の形態1における、位置検出手段の内部構成を示す構成図である。図3において、位置検出手段4は、加減算器40を用いて検出電流ベクトルiu、iwから検出電流ベクトルivを演算し、バンドパスフィルタ41を用いて検出電流ベクトルiu、iv、iwから位置検出信号と同一周波数成分の信号iuh、ivh、iwhを抽出する。抽出した信号iuh、ivh、iwhは、交流回転機1のインダクタンスが回転子位置によって変化する。図4は、交流回転機の回転子位置に対する信号iuh、ivh、iwhの変化を示した図である。図4に示すように交流回転機1の回転子位置に応じて、信号iuh、ivh、iwhの振幅がそれぞれ変化する。交流回転機1のインダクタンス情報が含まれている信号iuh、ivh、iwhの振幅を求めるために、フーリエ変換器42を用いて信号iuh、ivh、iwhのフーリエ変換処理を行い、その後オフセット処理器43を用いてオフセット処理を施すことで、交流回転機1の回転子位置によって変化する3相交流の位置推定信号dIu、dIv、dIwを得ることが出来る。
そして、回転子位置検出器44を用いてdIu、dIv、dIwから検出位置θdetを演算する。図5は、交流回転機の回転子位置に対する位置推定信号dIu、dIv、dIwの変化を示した図である。また、図6は、図5から得られた位置推定信号dIu、dIv、dIwに基づいて回転子位置の区間毎に大小判別を行った結果をまとめたものである。図5に示すように、位置推定信号dIu、dIv、dIwを逆余弦演算、逆正弦演算することによって時間遅れなく直接回転子位置を検出することが出来る。また、逆余弦演算、逆正弦演算を軽減する方法として、図6に示すように、位置推定信号dIu、dIv、dIwの大小判別を行うことによって30度間隔に大別し、大別した30度内において、図5の位置推定信号dIu、dIv、dIwの太線部分のみ逆正弦演算することによって時間遅れなく直接回転子位置を検出方法もある。また、図5の太線部分を直線近似して逆余弦演算を行わずに直接回転子位置を検出する方法でもよい。なお、位置検出手段4は上記のような方法に限らず、交流回転機1のインダクタンスに依存する成分を抽出して交流回転機1の回転子位置を検出するものであればどのようなものでもよい。
図7は、本発明の実施の形態1における、推定手段の内部構成を示す構成図である。推定手段5は、交流回転機1が回転することで発生する誘起電圧を利用して、回転子位置を推定するものの一種である。誘起電圧を利用した回転子位置の推定方法は、前述したように、低速域で誘起電圧が小さくなることから、推定精度が悪化するという問題点がある。しかしながら、本実施の形態による推定手段5は、その問題点を解決するために、位置検出手段4で求めた検出位置θdetを利用して検出磁束ベクトルφαr、φβrを演算し、演算した検出磁束ベクトルφαr、φβrと後述する適応観測部52が出力する推定磁束ベクトルφαr0、φβr0との偏差である磁束偏差ベクトルeφα、eφβを用いることによって、低速でも回転子位置の推定精度を悪化させないようにし、停止から高速まですべての速度域において、常に交流回転機1の推定位置θestを演算するものである。以下、その詳細について説明する。
図7において、3相/2相変換器50は、3相電圧指令Vu、Vv、Vwを2相電圧指令Vαs、Vβsに変換する。3相/2相変換器51は、検出電流ベクトルiu、iwを2相検出電流ベクトルiαs、iβsに変換する。なお、3相/2相変換器50、51が扱う座標は、直交静止二軸座標として知られているものであり、この直交静止二軸座標をα−β軸と定義することとする。
次に、検出磁束ベクトル演算部53について説明する。検出磁束ベクトル演算部53は、位置検出手段4の出力である検出位置θdetに基づいて、交流回転機1の検出磁束ベクトル(回転子磁束ベクトル)のα軸成分φαrとβ軸成分φβrとを検出するものである。図8は、ある瞬間のα−β軸と回転子との関係の模式的に表した図であり、丸点線部分が回転子、長方形点線が回転子内部に埋め込まれた永久磁石を表している。なお、検出磁束ベクトルの大きさφfは、予め測定した既知の値とする。また、検出磁束ベクトルの大きさφfとα軸とのなす角が、検出位置θdetであるので、φfとθdetとを用いて余弦演算および正弦演算を行うことによって検出磁束ベクトルのα軸成分φαr、β軸成分φβrを検出することが出来る。これを実現するのが検出磁束ベクトル演算部53である。図9は、本発明の実施の形態1における、検出磁束ベクトル演算部の内部構成を示す構成図である。
図9において、余弦演算器530は、位置検出手段4から得た検出位置θdetに応じた余弦演算を行い、cos(θdet)を出力する。ゲイン531は、余弦演算器530が出力したcos(θdet)を予め設定した値に比例させ、検出磁束ベクトルのα軸成分φαrとして出力する。なお、ゲイン531の比例係数は、検出磁束ベクトルの大きさφfで与える。正弦演算器532は、位置検出手段4から得た回転角度θdetに応じた正弦演算を行い、sin(θdet)を出力する。ゲイン533は、正弦演算器532が出力したsin(θdet)を予め設定した値に比例させ、検出磁束ベクトルのβ軸成分φβrとして出力する。なお、ゲイン531と同様に、ゲイン533の比例係数も検出磁束ベクトルの大きさφfで与える。
適応観測部(適応オブザーバ)52は、後述する増幅偏差ベクトルe1、e2、e3、e4と電流偏差ベクトルeα、eβと2相電圧指令Vαs、Vβsとに基づいて推定電流ベクトルiαs0、iβs0と推定磁束ベクトルφαr0、φβr0と推定位置θestと推定速度ωr0とを出力する。加減算器54は、推定電流ベクトルiαs0、iβs0から2相検出電流ベクトルiαs、iβsを減算し、推定電流ベクトルiαs0、iβs0と2相検出電流ベクトルiαs、iβsとの偏差である電流偏差ベクトルeα、eβを出力する。加減算器55は、推定磁束ベクトルφαr0、φβr0から検出磁束ベクトルφαr、φβrを減算し、推定磁束ベクトルφαr0、φβr0と検出磁束ベクトルφαr、φβrとの偏差である磁束偏差ベクトルeφα、eφβを出力する。偏差増幅部56は、推定速度ωr0に応じて電流偏差ベクトルeα、eβと磁束偏差ベクトルeφα,eφβとを増幅した増幅偏差ベクトルe1、e2、e3、e4を適応観測部52へ出力する。
図10は、本発明の実施の形態1における、適応観測部の内部構成を示す構成図である。図10について説明する前に、適応観測部の動作について説明する。交流回転機1の電機子抵抗をR、α軸上の電機子インダクタンスをLα、β軸上の電機子インダクタンスをLβ、推定速度をωr0とし、行列Α、Β、C1、C2を(1)式のように定義する。
Figure 2012023862
また、α−β軸上の推定電流ベクトルのα軸成分をiαs0、α−β軸上の推定電流ベクトルのβ軸成分をiβs0、α−β軸上の推定電機子反作用ベクトルのα軸成分をφαs0、α−β軸上の推定電機子反作用ベクトルのβ軸成分をφβs0、α−β軸上の推定磁束ベクトルのα軸成分をφαr0、α−β軸上の推定磁束ベクトルのβ軸成分をφβr0、2相電圧指令のα軸成分をVαs、2相電圧指令のβ軸成分をVβsと定義する。また、増幅偏差ベクトルを(e1、e2、e3、e4)と定義する。記号Tは転置行列であることを意味する。2相電圧指令Vαs、Vβsと増幅偏差ベクトル(e1、e2、e3、e4)が与えられれば、(2)式によって推定電機子反作用ベクトルφαs0、φβs0、推定磁束ベクトルφαr0、φβr0を得ることが出来る。
Figure 2012023862
また、α−β軸上の電流偏差ベクトルのα軸成分をeα、α−β軸上の電流偏差ベクトルのβ軸成分をeβ、sをラプラス演算子(微分演算子)、Kpを比例ゲイン、Kiを積分ゲインと定義し、(2)式の行列Aの内部パラメータである推定速度ωr0を(3)式によって与える。
Figure 2012023862
また、推定電機子反作用ベクトルφαs0、φβs0、推定磁束ベクトルφαr0、φβr0を与えれば、(4)式によって推定電流ベクトルiαs0、iβs0を得ることが出来る。
Figure 2012023862
同様に、推定電機子反作用ベクトルφαs0、φβs0、推定磁束ベクトルφαr0、φβr0を与えれば、(5)式によって推定磁束ベクトルφαr0、φβr0を得ることが出来る。
Figure 2012023862
また、sgnを正数に対して1、負数に対して−1を出力する符号関数であると定義すると、推定位置θestは(6)式によって得ることが出来る。
Figure 2012023862
このように、(1)〜(6)式を用いれば、2相電圧指令Vαs、Vβsと増幅偏差ベクトルe1、e2、e3、e4と電流偏差ベクトルeα、eβとに基づいて推定速度ωr0と推定電流ベクトルiαs0、iβs0と推定磁束ベクトルφαr0、φβr0と推定位置θestとを算出することが出来る。適応観測部52における演算の流れを、図10を用いて説明する。
ゲイン行列演算器80は、行列Bにベクトル(Vαs、Vβs)を乗算した結果を出力する。加減算器81は、図10に図示した符号に沿って、ゲイン行列演算器80の出力と、ゲイン行列演算器82の出力と、増幅偏差ベクトル(e1、e2、e3、e4)とを加減算したベクトルを出力する。積分器83は、加減算器81が出力するベクトルを各要素毎に積分し、ベクトル(φαs0、φβs0、φαr0、φβr0)として出力する。ゲイン行列演算器82は、推定速度ωr0に基づいて(1)式に記した行列Aを得るとともに、この行列Aにベクトル(φαs0、φβs0、φαr0、φβr0)を乗算した結果を出力する。この一連の演算によって、積分器83の入力が(1)式の右辺に相当するようになっている。また、(1)式の左辺はベクトル(φαs0、φβs0、φαr0、φβr0)の微分であり、積分器83の入力でもあるから、積分器83の出力はベクトル(φαs0、φβs0、φαr0、φβr0)となる。
ゲイン行列演算器84は、(4)式の行列演算を行い推定電流ベクトル(iαs0、iβs0)を出力する。ゲイン行列演算器85は、(5)式の行列演算を行い推定磁束ベクトル(φαr0、φβr0)を出力する。位置推定器86は、入力される推定磁束ベクトル(φαr0、φβr0)に基づいて(6)式の演算を行い、推定位置θestを出力する。速度推定器87は、入力される推定磁束ベクトル(φαr0、φβr0)と電流偏差ベクトル(eα、eβ)とに基づいて(3)式の演算を行い、推定速度ωr0を出力する。
図11は、本発明の実施の形態1における、偏差増幅部の内部構成を示す構成図である。前述のとおり、磁束偏差ベクトルeφα、eφβは、検出磁束ベクトルφαr、φβrと推定磁束ベクトルφαr0、φβr0との偏差である。図11において、ゲイン行列演算器560は、電流偏差ベクトル(eα、eβ)に行列Hcを乗算した結果を出力する。ゲイン行列演算器561は、磁束偏差ベクトル(eφα、eφβ)に行列Hfを乗算した結果を出力する。ここで、Hc、Hfは(7)式で定義するゲイン行列であり、(7)式中のh11〜h44は増幅ゲインである。
Figure 2012023862
ゲイン行列演算器560内部の増幅ゲインh11、h12、h21、h22、h31、h32、h41、h42の値は、例えば再公表特許WO2002/091558の第9図に記載されているように推定回転速度によって各増幅ゲインの値を変更するようにする。同様に、ゲイン行列演算器561内部の増幅ゲインh13、h14、h23、h24、h33、h34、h43、h44の値も推定回転速度によって各増幅ゲインの値を変更するようにする。加算器562は、ゲイン行列演算器560の出力ベクトルとゲイン行列演算器561の出力ベクトルとを加算し、増幅偏差ベクトル(e1、e2、e3、e4)を出力する。特に、ゲイン行列演算器561において、推定速度ωr0の絶対値が大きい場合は、h13、h14、h23、h24、h33、h34、h43、h44の値が零になるようにすれば、高速域でゲイン行列演算器561の出力を零とすることが出来る。
このように低速域では、ゲイン行列演算器561の出力ベクトルを出力し、高速域ではゲイン行列演算器561の出力を零とすることによって、低速域では、位置検出手段4が出力する検出位置θdetを用いた検出磁束ベクトルφαr、φβrを利用することになり、誘起電圧が小さくなることで、推定磁束ベクトルの精度が悪化しても交流回転機1の回転子の推定位置θestおよび推定速度ωr0の精度悪化を防ぐことが出来る。また、高速域では位置検出手段4の検出位置θdetの位置検出精度が低下しても、適応観測部52が検出磁束ベクトルφαr、φβrを利用することなく推定位置θestを演算することになり、高速域でも安定に交流回転機1を駆動することが出来る。
ここで、低速域における磁束偏差ベクトルの特長について説明する。図12は、検出磁束ベクトルと推定磁束ベクトルと磁束偏差ベクトルとの関係を示した図である。ここでは、交流回転機1の速度が低速である(低速域)と仮定する。すなわち、低速であるために推定磁束ベクトルの精度が悪い状態であり、検出位置θdetに基づいて演算する検出磁束ベクトルは交流回転機1の磁束ベクトルを正しく検出している状態であるとする。図12に示すように、推定磁束ベクトルの精度が悪化し、検出磁束ベクトルとの間に偏差が生じたとする。推定磁束ベクトル(図中の一点鎖線)から検出磁束ベクトル(図中の二重線)を減算した磁束偏差ベクトルは、図中の破線のようになり、推定磁束ベクトルと検出磁束ベクトルとの間に位相差が発生すると、磁束偏差ベクトルが発生する。この磁束偏差ベクトルのα軸成分eφαとβ軸成分eφβとを用いて、偏差増幅部56では行列Hfを乗算した結果を適応観測部52へ出力することによって、適応観測部52が推定する推定磁束ベクトルに誤差が生じても、誤差を収束するようにしている。
このように、推定手段5は、適応観測部52が推定電流ベクトルiαs0、iβs0と2相検出電流ベクトルiαs、iβsとの偏差、および推定磁束ベクトルφαr0、φβr0と検出磁束ベクトルφαr、φβrとの偏差が小さくなるように動作させることによって、交流回転機1の回転速度の高低に関わらず適応観測部52が推定した推定磁束ベクトルφαr0、φβr0に基づいた推定位置θestによって交流回転機1を制御することが可能であり、低速領域でも速度制御応答などの応答性を高く保つことが出来る。さらに、初期値誤差があった場合の誤差収束性を向上させることが出来、推定手段5が出力する推定位置θestと推定速度ωr0とを精度よく求めることが出来る。また、検出位置θdetに基づいて検出磁束ベクトルφαr、φβrを検出するようにしたので、適応観測部52が出力する推定磁束ベクトルφαr0、φβr0の推定精度が低下して検出磁束ベクトルφαr、φβrと推定磁束ベクトルφαr0、φβr0とに偏差が発生する場合であっても、その結果発生する増幅偏差ベクトルe1、e2、e3、e4に基づいて適応観測部52は推定磁束ベクトルφαr0、φβr0を演算する。このため、適応観測部52が出力する推定磁束ベクトルφαr0、φβr0の推定精度低下を防ぐことが可能となり、安定に交流回転機1を駆動することが出来る。
次に、制御手段6の動作について説明する。位置制御器60は、位置検出手段4の出力である検出位置θdetと外部から与えられる位置指令θrefとの偏差が無くなるように比例制御などを行うことによって速度指令ωrefを出力する。速度制御器61は、速度指令ωrefと推定手段5が出力する推定速度ωr0との偏差が無くなるように比例積分制御などを行うことによって電流指令を出力する。本実施の形態では、公知のid=0制御を採用するので、速度制御器61の出力は、直交回転座標として知られているd−q軸のq軸電流指令iq_refとなり、d軸電流指令id_refが0で与えられる。
電流制御器62は、d軸電流指令id_refと座標変換器B64の出力であるd軸電流idとの偏差、およびq軸電流指令iq_refと座標変換器B64の出力であるq軸電流iqとの偏差がそれぞれ無くなるように比例積分制御することによって、d軸電圧指令ベクトルVd_refとq軸電圧指令ベクトルVq_refとを出力する。座標変換器A63は、推定手段5が出力する推定位置θestに基づいてd−q軸の電圧指令であるVd_refとVq_refとを3相電圧指令に座標変換する。座標変換器B64は、推定手段5が出力する推定位置θestに基づいて電流検出手段2の出力である検出電流ベクトルiu、iwをd−q軸上のd軸電流idとq軸電流iqとに変換する。このように、制御手段6は、検出位置θdetと外部から与えられる位置指令θrefとの偏差に基づいて速度指令ωrefを演算し、速度指令ωrefと推定速度ωr0との偏差に基づいて電圧指令ベクトルVd_ref、Vq_refを生成し、電圧指令ベクトルVd_ref、Vq_refを推定位置θestに基づいて電圧指令Vu、Vv、Vwに変換する。
制御手段6は、図2に示すように、制御手段6が位置検出信号発生器65を有する場合、位置検出信号発生器65が出力する位置検出信号と座標変換器A63の出力である電圧指令Vu、Vv、Vwとを加算したVu_ref、Vv_ref、Vw_refを電圧指令として電圧印加手段3へ出力する。また、制御手段6は、図1に示すように、位置検出信号発生器65を有さない場合、座標変換器A63の出力である電圧指令Vu、Vv、Vwを電圧指令として電圧印加手段3へ出力する。
交流回転機1を、目標位置である位置指令θrefに位置制御する場合、通常、位置制御器60へフィードバックする位置情報と座標変換器A63と座標変換器B64へフィードバックする位置情報とは同一のものを使用する。例えば、交流回転機1に位置センサを取り付けた位置センサ付制御の場合、位置制御器60と座標変換器A63と座標変換器B64とへフィードバックする位置情報は、位置センサにより得た同一の位置情報をフィードバックする。本実施の形態では、交流回転機1に位置センサを取り付けず、位置センサレスで位置制御を行うものであるが、位置指令θrefに交流回転機1の回転子を追従させる応答性を向上することと、低速域から高速域までスムーズに駆動することを同時に実現することを目的としている。このため、位置制御器60へは位置検出手段4の出力である検出位置θdetをフィードバックし、座標変換器A63、座標変換器B64へは推定手段5が出力する推定位置θestをフィードバックするようにし、位置制御器60と座標変換器A63、座標変換器B64へフィードバックする位置情報を異なるようにしている。
以下、本発明の特徴の詳細について述べる。なお、本実施の形態では、目標位置である位置指令θrefに交流回転機1を追従させて停止する位置制御について考えることとする。位置指令θrefに交流回転機1の回転子位置を追従させる応答性を向上するためには、位置制御器60にフィードバックする位置情報は検出遅れまたは推定遅れが小さいものが良い。前述したように、推定手段5は、推定電流ベクトルと検出電流ベクトルと間の誤差である電流偏差ベクトルと、検出磁束ベクトルと推定磁束ベクトルとの間の誤差である磁束偏差ベクトルとを収束させるようにし、その結果に基づいて推定位置θestを出力するものである。このため、これらの偏差ベクトルを収束させる時間だけ推定位置θestも推定遅れが生じることになる。したがって、位置制御器60にフィードバックする位置情報に推定位置θestを利用した場合、推定位置θestに推定遅れがあるため、位置制御器60の位置制御応答を十分に上げることが出来ない。
一方、位置検出手段4が出力する検出位置θdetは、位置検出信号と同一周波数成分の信号を検出電流ベクトルiu、iwから抽出し、抽出した信号から交流回転機1のインダクタンス情報を抽出し、抽出したインダクタンス情報が交流回転機1の回転子位置に依存して変化する性質を利用して回転子位置を直接検出するため、検出位置θdetの検出遅れは少ない。したがって、位置制御器60へフィードバックする位置情報に位置検出手段4が出力する検出位置θdetを用いることによって、位置制御器60の位置制御応答を向上させることが出来る。
そして、座標変換器A63と座標変換器B64とに用いる位置情報は、低速域から高速域まで交流回転機1をスムーズに駆動させるためには、低速域から高速域まで精度良く連続的に変化する位置情報が望ましい。位置検出手段4が出力する検出位置θdetは、交流回転機1の速度が高くなると検出位置θdetに誤差が生じるため、座標変換器A63と座標変換器B64とに用いる位置情報として相応しくない。一方、推定手段5が出力する推定位置θestは、低速域から高速域まで精度良く連続的に変化するため、座標変換器A63と座標変換器B64とに用いる位置情報として望ましい。
以上のように、本実施の形態に係る交流回転機1の制御装置は、位置制御器60へフィードバックする位置情報に位置検出手段4が出力する検出遅れの少ない検出位置θdetに基づいて電圧指令ベクトルVd_ref、Vq_refを生成することによって、位置指令θrefに交流回転機1の回転子を追従させる応答性を向上することができる。さらに、座標変換器A63、座標変換器B64へフィードバックする位置情報に推定手段5が出力する推定位置θestに基づいて電圧指令ベクトルVd_ref、Vq_refを電圧指令Vu、Vv、Vwに変換することによって、交流回転機1の回転子を低速域から高速域までスムーズに位置センサレス駆動することができる。
実施の形態2.
図13は、本発明の実施の形態2における、交流回転機の制御装置の構成を示す構成図である。図13に示した交流回転機の制御装置は、制御手段16の中に位置選択器66が追加された点で図2に示した交流回転機の制御装置と異なる。その他の構成は図2と同様であるため、ここでは位置選択器66に関係する部分についてのみ説明する。
実施の形態1では、位置制御器60にフィードバックする位置情報を位置検出手段4の検出位置θdetを利用しているので、停止時には精度良く位置指令θrefに追従させて停止させることが出来る。しかしながら、実施の形態1で述べたように検出位置θdetは高速域で誤差が生じるので、実施の形態1で説明したような構成で、回転子の位置の軌跡の制御を行うと、高速域で位置指令θrefに交流回転機1の回転子を追従させる際の精度が悪化する場合がある。これに対して、本実施の形態は、位置選択器66を追加し、交流回転機1の位置制御において、交流回転機1の回転子の停止位置のみでなく、交流回転機1が駆動しているときの回転子の位置の軌跡も制御する場合に適用できるものである。
図13において、位置選択器66は、推定手段5が出力する推定速度ωr0に基づいて、低速域では位置検出手段4が出力する検出位置θdetを、高速域では推定手段5が出力する推定位置θestを選択し、選択位置θslcとして出力する。制御手段6における、その後の動作については実施の形態1と同じである。図14に、回転子の速度と選択位置との関係を示す。例えば、図14(a)に示すように、位置選択器66は、検出位置θdetと推定位置θestとを切換える切換速度ωch0を予め内部に設定しておき、推定速度ωr0が切換速度ωch0未満であれば検出位置θdetを選択し、推定速度ωr0が切換速度ωch0以上であれば推定位置θestを選択位置θslcとして出力する。
また、図14(b)に示すように、検出位置θdetと推定位置θestとを切換える速度を第1切換速度ωch1と第2切換速度ωch2の2つ用意しておき、推定速度ωr0が第1切換速度ωch1未満であれば検出位置θdetを選択し、推定速度ωr0が第2切換速度ωch2以上であれば推定位置θestを選択し、推定速度ωr0が第1切換速度ωch1以上第2切換速度ωch2未満であれば検出位置θdetと推定位置θestとを推定速度ωr0に応じて加重平均した値を選択位置θslcとして位置選択器66から出力するようにしてもよい。なお、切換速度ωch0、ωch1、ωch2は、検出位置θdetの誤差が少ない速度に設定することが望ましい。なお、位置選択器66が出力する選択位置θslcを推定速度ωr0に応じて選択する場合について説明したが、選択位置θslcを速度指令ωrefに応じて選択するようにしても良い。
そして、位置制御器60は、位置選択器66の出力である選択位置θslcと位置指令θrefとの偏差が無くなるように比例制御などをすることによって速度指令ωrefを速度制御器61へ出力する。このように、低速域では検出位置θdetを位置制御器60へフィードバックすることによって、位置指令θrefに交流回転機1の回転子位置を追従させて停止する応答性高く保つことができる。一方、高速域では推定位置θestを位置制御器60へフィードバックすることによって、応答性はやや低下するものの、高速域で回転子を位置指令θrefへ追従させる精度の悪化を防ぐことが出来る。
以上のように、本実施の形態に係る交流回転機1の制御装置は、位置選択器66を設けて、位置制御器60へフィードバックする位置情報として推定速度ωr0に応じて検出位置θdetまたは推定位置θestを選択するので、交流回転機1の回転子の停止位置のみでなく、交流回転機1が駆動しているときの回転子の位置の軌跡も制御する場合でも、高速域で回転子を位置指令θrefへ追従させる精度の悪化を防ぐことが出来る。
1 交流回転機、2 電流検出手段、3 電圧印加手段、4 位置検出手段、
5 推定手段、6,16 制御手段、40,54,55,81 加減算器、
41 バンドパスフィルタ、42 フーリエ変換器、43 オフセット処理器、
44 回転子位置検出器、50,51 3相/2相変換器、52 適応観測部、
53 検出磁束ベクトル演算部、56 偏差増幅部、60 位置制御器、
61 速度制御器、62 電流制御器、63 座標変換器A、64 座標変換器B、
65 位置検出信号発生器、66 位置選択器、
80,82,84,85,560,561 ゲイン行列演算器、83 積分器、
86 位置推定器、87 速度推定器、530 余弦演算器、531,533 ゲイン、
532 正弦演算器、562 加算器。

Claims (5)

  1. 電圧指令に基づいて交流回転機に電圧を印加する電圧印加手段と、
    前記交流回転機に流れる検出電流ベクトルを検出する電流検出手段と、
    前記検出電流ベクトルから前記交流回転機のインダクタンスに依存する信号を抽出して前記交流回転機の回転子の検出位置を演算する位置検出手段と、
    前記電圧指令と前記検出電流ベクトルと前記検出位置とに基づいて前記交流回転機の回転子の推定位置および前記交流回転機の推定速度を演算する推定手段と、
    前記検出位置と外部から与えられる位置指令との偏差に基づいて速度指令を演算し、前記速度指令と前記推定速度との偏差に基づいて電圧指令ベクトルを生成するとともに、前記電圧指令ベクトルを前記推定位置に基づいて前記電圧指令に変換する制御手段とを備えることを特徴とする交流回転機の制御装置。
  2. 電圧指令に基づいて交流回転機に電圧を印加する電圧印加手段と、
    前記交流回転機に流れる検出電流ベクトルを検出する電流検出手段と、
    前記検出電流ベクトルから前記交流回転機のインダクタンスに依存する信号を抽出して前記交流回転機の回転子の検出位置を演算する位置検出手段と、
    前記電圧指令と前記検出電流ベクトルと前記検出位置とに基づいて前記交流回転機の回転子の推定位置および前記交流回転機の推定速度を演算する推定手段と、
    前記推定速度に基づいて前記検出位置または前記推定位置のいずれかを選択して選択位置とし、前記選択位置と外部から与えられる位置指令との偏差に基づいて速度指令を演算し、前記速度指令と前記推定速度との偏差に基づいて電圧指令ベクトルを生成するとともに、前記電圧指令ベクトルを前記推定位置に基づいて前記電圧指令に変換する制御手段とを備えることを特徴とする交流回転機の制御装置。
  3. 前記制御手段は、前記電圧指令の基本波周波数と異なる周波数成分を有する位置検出信号を前記電圧指令に重畳して前記電圧印加手段に出力し、
    前記位置検出手段は、前記電流検出手段が出力する前記検出電流ベクトルから前記位置検出信号と同一周波数成分の信号を抽出し、前記同一周波数成分の信号から前記交流回転機のインダクタンスに依存する信号を抽出して前記交流回転機の回転子の検出位置を演算することを特徴とする請求項1または2に記載の交流回転機の制御装置。
  4. 前記推定手段は、前記交流回転機の検出磁束ベクトルを出力する検出磁束ベクトル演算部と、
    前記交流回転機の推定電流ベクトルと推定磁束ベクトルと前記推定位置と前記推定速度を出力する適応観測部と、
    前記推定速度に基づいて前記検出電流ベクトルと前記推定電流ベクトルとの偏差である電流偏差ベクトルおよび前記検出磁束ベクトルと前記推定磁束ベクトルとの偏差である磁束偏差ベクトルを増幅して増幅偏差ベクトルとして出力する偏差増幅部とを有し、
    前記適応観測部は、前記増幅偏差ベクトルと前記電圧指令ベクトルに基づいて前記推定電流ベクトルと前記推定磁束ベクトルとを出力することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の交流回転機の制御装置。
  5. 前記検出磁束ベクトル演算部は、前記検出位置に基づいて前記検出磁束ベクトルを検出することを特徴とする請求項4に記載の交流回転機の制御装置。
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