JP2007135281A - 誘導電動機の速度センサレスベクトル制御装置 - Google Patents

誘導電動機の速度センサレスベクトル制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】中・高速で空転している状態での速度推定を可能にして、滑らかに起動できるようにした誘導電動機の速度センサレスベクトル制御装置を提供する。
【解決手段】電流調節手段106,107と、座標変換手段109と、電流・磁束演算手段110と、少なくとも誘導電動機112の一次電流検出値、一次電流推定値、二次磁束推定値を用いて回転速度推定値を演算する速度推定手段111と、を備えた速度センサレスベクトル制御装置において、速度推定手段111は、空転時の磁化電流指令に応じた一次電圧のトルク軸成分(例えばトルク軸電圧指令値v )を二次磁束推定値φ により除算した結果を、回転速度推定値ω の演算に用いる。
【選択図】図1

Description

本発明は、速度センサを用いずに誘導電動機をベクトル制御するための速度センサレスベクトル制御装置に関するものである。
この種の速度センサレスベクトル制御装置として、例えば特許文献1に従来技術として記載されたものが知られている。
図11は、この特許文献1に図3として記載された速度センサレスベクトル制御装置の機能ブロック図であり、いわゆる適応二次磁束オブザーバを用いた代表的な速度センサレスベクトル制御装置を示している。
図11において、インバータ101、電流検出手段102、3相−2相変換手段103,104、座標変換手段105,109、電流調節手段106,107、磁化電流指令演算手段108、電流・磁束推定手段110及び速度推定手段301を組み合わせて、誘導電動機112を駆動している。
ここで、電流・磁束推定手段110及び速度推定手段301が適応二次磁束オブザーバを構成している。
次に、図11の動作を説明する。
3相−2相変換手段104を経た誘導電動機112の一次電流検出値i(その静止座標上の二軸成分をisa,isbとする)は、電流・磁束推定手段110からの二次磁束推定値φ (その静止座標上の二軸成分をφra ,φrb とする)を回転座標の基準として座標変換手段105によりd−q軸回転座標成分に変換され、トルク電流i及び磁化電流iになる。
電流調節手段106,107は、トルク電流i、磁化電流iがトルク電流指令i 、磁化電流指令i にそれぞれ一致するように調節動作を行う。なお、磁化電流指令i は、磁束指令φが入力される磁化電流指令演算手段108によって計算される。
電流調節手段106,107から出力されるトルク軸電圧指令値v 及び磁束軸電圧指令値v は、座標変換手段109により3相の一次電圧指令値v に変換され、インバータ101に与えられる。インバータ101は、一次電圧指令値v 通りの電圧を出力するように内部の半導体スイッチング素子をオンオフ制御する。
電流・磁束推定手段110には、3相−2相変換手段103から出力される一次電圧相当値としての一次電圧検出値v(その静止座標上の二軸成分をvsa,vsbとする)及び3相−2相変換手段104からの一次電流検出値iが入力されており、この電流・磁束推定手段110及び速度推定手段301では、以下のようなアルゴリズムに基づいて誘導電動機112の回転速度を推定している。
まず、誘導電動機112の状態方程式は数式1のように表される。なお、数式1において、Rは一次抵抗、Rは二次抵抗、Lは一次インダクタンス、Lは二次インダクタンス、Lは相互インダクタンス、ωは回転速度、σはもれ係数である。
Figure 2007135281
数式1は、制御対象への入力としての一次電圧vと、出力としての一次電流i、二次磁束φとの関係を示すもので、一次電圧vが与えられれば、そのときの回転速度ωに応じた一次電流i及び二次磁束φが求まることを示している。
しかし、速度センサを備えていない装置では、回転速度ωを正しく求めることができないため、実際の一次電流i、二次磁束φと、数式1によって求まる一次電流i、二次磁束φとは通常異なっている。
そこで、電流・磁束推定手段110及び速度推定手段301では、それぞれ数式2及び数式3に示す演算処理を行い、一次電流推定値i と一次電流検出値iとの偏差をゼロにする適応動作により回転速度推定値ω を推定すると共に、その速度推定値ω に基づいて一次電流i及び二次磁束φを推定している。
なお、数式2において、g11〜g24は適応オブザーバゲインを示し、数式3において、Kは比例演算ゲイン、Kは積分演算ゲインを示す。また、これらの数式において、は推定値を表す記号である。
Figure 2007135281
Figure 2007135281
ここで、図12は数式3を実現する速度推定手段301の構成を示しており、加算手段203により求めた一次電流偏差(i−i )と磁束推定値φ との外積を外積手段202により求め、その出力をPI演算手段201に与えて回転速度推定値ω を求めている。そして、この速度推定値ω は電流・磁束推定手段110に入力されて一次電流及び磁束の推定に用いられると共に、速度目標値との偏差の算出に用いられてその偏差が速度調節手段(図示せず)に入力され、前記トルク電流指令i が生成されることになる。
特開2001−258298号公報([0003]〜[0017]、図3)
上記のように、特許文献1では、一次電流の偏差と磁束推定値φ との外積を比例・積分演算して回転速度推定値ω を求めている。
しかし、誘導電動機112が中・高速で、インバータ101との間でエネルギー授受がなく慣性力で空回り(以下、空転ともいう)している状態から励磁電流を通流しても、回転速度に同期した交番磁界を生成できず、図13に示すように速度実際値に対して速度推定値がかけ離れたものとなり、回転速度を正確に推定できないため誘導電動機112を起動できないという問題があった。
このため、本発明の解決課題は、中・高速で空転している状態からの励磁通流にて速度推定を可能にして滑らかに起動できるようにした誘導電動機の速度センサレスベクトル制御装置を提供することにある。
上記課題を解決するため、請求項1に記載した発明は、速度センサを持たない誘導電動機をインバータにより駆動するためのベクトル制御装置であって、
誘導電動機の一次電流検出値から得たトルク電流及び磁化電流がトルク電流指令及び磁化電流指令にそれぞれ一致するように調節動作する電流調節手段と、この電流調節手段の出力に基づいて前記インバータに与える一次電圧指令値を生成する座標変換手段と、誘導電動機の一次電流検出値、一次電圧相当値(一次電圧検出値または一次電圧指令値をいう。以下同じ。)及び回転速度推定値に基づいて一次電流推定値及び二次磁束推定値を演算する電流・磁束演算手段と、少なくとも前記一次電流検出値、一次電流推定値及び二次磁束推定値を用いて回転速度推定値を演算する速度推定手段と、を備えた速度センサレスベクトル制御装置において、
前記速度推定手段は、誘導電動機の空転時の磁化電流指令に応じた一次電圧のトルク軸成分を二次磁束推定値により除算した結果を回転速度推定値の演算に用いるものである。
請求項2に記載した発明は、速度センサを持たない誘導電動機をインバータにより駆動するためのベクトル制御装置であって、
誘導電動機の一次電流検出値から得たトルク電流及び磁化電流がトルク電流指令及び磁化電流指令にそれぞれ一致するように調節動作する電流調節手段と、この電流調節手段の出力に基づいて前記インバータに与える一次電圧指令値を生成する座標変換手段と、誘導電動機の一次電流検出値、一次電圧相当値及び回転速度推定値から一次電流推定値及び二次磁束推定値を演算する電流・磁束演算手段と、少なくとも前記一次電流検出値、一次電流推定値及び二次磁束推定値を用いて回転速度推定値を演算する速度推定手段と、を備えた速度センサレスベクトル制御装置において、
前記速度推定手段は、誘導電動機の空転時の磁化電流指令に応じた一次電圧のトルク軸成分を二次磁束指令により除算した結果を回転速度推定値の演算に用いるものである。
請求項3に記載した発明は、請求項1または2において、誘導電動機の一次電圧のトルク軸成分として、一次電圧指令値のトルク軸成分を用いたものである。
請求項4に記載した発明は、請求項1または2において、誘導電動機の一次電圧のトルク軸成分として、一次電圧検出値のトルク軸成分を用いたものである。
請求項5に記載した発明は、速度センサを持たない誘導電動機をインバータにより駆動するためのベクトル制御装置であって、
誘導電動機の一次電流検出値から得たトルク電流及び磁化電流がトルク電流指令及び磁化電流指令にそれぞれ一致するように調節動作する電流調節手段と、この電流調節手段の出力に基づいて前記インバータに与える一次電圧指令値を生成する座標変換手段と、誘導電動機の一次電流検出値、一次電圧相当値及び回転速度推定値から一次電流推定値及び二次磁束推定値を演算する電流・磁束演算手段と、少なくとも前記一次電流検出値、一次電流推定値及び二次磁束推定値を用いて回転速度推定値を演算する速度推定手段と、を備えた速度センサレスベクトル制御装置において、
前記速度推定手段は、誘導電動機の空転時の磁化電流指令に応じた誘起電圧のトルク軸成分を二次磁束推定値により除算した結果を回転速度推定値の演算に用いるものである。
請求項6に記載した発明は、速度センサを持たない誘導電動機をインバータにより駆動するためのベクトル制御装置であって、
誘導電動機の一次電流検出値から得たトルク電流及び磁化電流がトルク電流指令及び磁化電流指令にそれぞれ一致するように調節動作する電流調節手段と、この電流調節手段の出力に基づいて前記インバータに与える一次電圧指令値を生成する座標変換手段と、誘導電動機の一次電流検出値、一次電圧相当値及び回転速度推定値から一次電流推定値及び二次磁束推定値を演算する電流・磁束演算手段と、少なくとも前記一次電流検出値、一次電流推定値及び二次磁束推定値を用いて回転速度推定値を演算する速度推定手段と、を備えた速度センサレスベクトル制御装置において、
前記速度推定手段は、誘導電動機の空転時の磁化電流指令に応じた誘起電圧のトルク軸成分を二次磁束指令により除算した結果を回転速度推定値の演算に用いるものである。
本発明によれば、誘導電動機が空転している状態からでも、磁化電流指令に応じた励磁電流を通流して一次電圧のトルク軸成分と二次磁束との比による補正項を回転速度の推定に用いることにより、誘導電動機の回転速度を正確かつ速やかに推定することができる。これにより、誘導電動機が中・高速で空転している状態からでも、不要なトルクをほとんど発生することなく滑らかに起動することが可能となる。
以下、図に沿って本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明の第1実施形態を示す機能ブロック図であり、図11と同一の構成要素には同一の参照符号を付して説明を省略し、以下では異なる部分を中心に説明する。
すなわち、この実施形態では、図11における速度推定手段301の代わりに、電流調節手段106から出力されるトルク軸電圧指令値v も入力とする速度推定手段111を備えており、この速度推定手段111は、一次電流推定値i 、一次電流検出値i、磁束推定値φ 及びトルク軸電圧指令値v に基づいて回転速度推定値ω を演算する。
次に、この実施形態の動作を説明する。なお、速度推定手段111以外の動作は図11と同様である。
図1において、速度推定手段111は、数式4に従って速度推定値ω を求める。
Figure 2007135281
この数式4を数式3と比較すると、数式4では右辺の第1項が補正項として追加されており、この補正項の演算に磁束推定値φ 及びトルク軸電圧指令値v を用いている。
誘導電動機112が空転している時に磁化電流指令i に従って励磁電流を流すと、トルク軸電圧指令値v はトルク軸の誘起電圧よりも固定子側の励磁電流による電圧降下分だけ大きくなる。このトルク軸電圧指令値vを磁束推定値φ により除算した値を数式4のように補正項として加算すると、図2の上段に示す如く回転速度推定値ω が速度実際値を一旦超過するが、数式4の右辺第2項、第3項による従来(数式3)と同様の一次電流偏差の補正作用(一次電流推定値i を一次電流検出値iに等しくするような適応動作)により、速度推定値ω がその後、速度実際値の近辺に収束し、やがて速度実際値にほぼ一致する。
これにより、誘導電動機112が中・高速で空転している状態からでも、正しい回転速度を速やかに推定して滑らかに起動することが可能になる。また、図2の下段から明らかなように、磁化電流指令i を与えた当初に発生する不要なトルクも、速度推定値ω の安定に伴って徐々に抑制されることとなる。
次に、図3は本発明の第2実施形態を示す機能ブロック図である。
この実施形態は、図1における速度推定手段111の代わりに、磁束指令φも入力として速度推定値ω を演算する速度推定手段120を備えている。なお、速度推定手段120以外の構成及び動作は図1と同様である。
速度推定手段120は、数式5に従って回転速度推定値ω を求める。
Figure 2007135281
数式5では、その右辺第1項のみが数式4と異なっており、本実施形態では、数式5の右辺第1項が補正項として作用している。すなわち、数式4の右辺第1項における磁束推定値φra ,φrb の2乗和の平方根と磁束指令φとはほぼ等しいため、第1実施形態と同様に、励磁電流通流時にトルク軸電圧指令値v がトルク軸誘起電圧より大きくなることに着目した補正項を加えることで、速度実際値にほぼ等しい速度推定値ω が得られるものである。
これにより、第1実施形態と同様に空転状態の誘導電動機112を速やかに起動することができる。
図4は、本発明の第3実施形態を示す機能ブロック図である。
この実施形態は、図1においてトルク軸電圧指令値v が入力されていた速度推定手段111に代えて、トルク軸電圧vが入力される速度推定手段122を備え、更にこのトルク軸電圧vを生成する座標変換手段121を追加したものである。その他の構成及び動作は第1実施形態と同様である。
この実施形態の動作を説明すると、座標変換手段121は、3相−2相変換手段103を経た一次電圧検出値vsa,vsbをd−q軸回転座標成分に変換して、トルク軸電圧vを算出する。このトルク軸電圧vは速度推定手段122に入力され、数式6に従って回転速度推定値ω が演算される。
Figure 2007135281
数式4と数式6との比較から明らかなように、この第3実施形態は、数式4におけるトルク軸電圧指令値v が数式6におけるトルク軸電圧vとほぼ一致することに着目したものであり、トルク軸電圧指令値v の代わりにトルク軸電圧vを用いることにより第1実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
次に、図5は、本発明の第4実施形態を示す機能ブロック図である。
この実施形態は、図4に示した第3実施形態に、すべり周波数演算手段132、加算手段133、積分手段134を追加し、電流・磁束推定手段130及び速度推定手段131の演算処理をd−q軸回転座標上で行うようにしたものである。
すなわち、トルク電流推定値i 及び磁束軸磁束推定値φ がすべり周波数演算手段132に入力され、その出力であるすべり周波数ωと速度推定値ω とが加算手段133にて加算されると共に、その加算結果を積分手段134により積分して基準位相角θが算出される。この基準位相角θは、座標変換手段109,121,105にそれぞれ入力されている。
なお、座標変換手段121は、一次電圧検出値vをd−q軸回転座標上のトルク軸電圧vび磁束軸電圧vに分解し、これらの電圧成分は磁化電流i及びトルク電流iと共に電流・磁束推定手段130に入力される。電流・磁束推定手段130ではトルク電流推定値i 、磁化電流推定値i 、トルク軸磁束推定値φ 及び磁束軸磁束推定値φ が演算され、これらの推定値が速度推定手段131に入力されている。
この実施形態の動作を説明すると、すべり周波数演算手段132は、数式7に従ってすべり周波数ωを求める。
Figure 2007135281
積分手段133は、加算手段132により得たすべり周波数ωと回転速度推定値ω との和(インバータ周波数ω)を積分して基準位相角θを演算する。
電流・磁束推定手段130では、数式8に従って、トルク電流推定値i 、磁化電流推定値i 、トルク軸磁束推定値φ 及び磁束軸磁束推定値φ を計算する。
Figure 2007135281
上記の数式8は、従来技術として説明した数式2をd−q軸回転座標に変換することにより求めることができる。なお、数式8の適応オブザーバゲインg'11〜g'24は、数式2の適応オブザーバゲインg11〜g24と異なるので、両者を区別する意味で「’」を付けてある。
また、速度推定手段131は、数式9に従って回転速度推定値ω を求める。
Figure 2007135281
数式9の右辺第2項及び第3項における中括弧の成分は、一次電流偏差と推定磁束との外積をd−q回転座標で記したものであり、第1〜第3実施形態の数式4〜6において固定座標で記したものと等価である。
従って、本実施形態においても、トルク軸電圧vを用いた数式9の右辺第1項の補正項の作用により、前記各実施形態と同様に速度推定値ω を正確に得ることができる。
次いで、図6は、本発明の第5実施形態を示す機能ブロック図である。
この実施形態では、図5の第4実施形態における速度推定手段131の代わりに、トルク軸磁束推定値φ を入力としない速度推定手段140を備えている。この速度推定手段140以外は、第4実施形態と構成及び動作が同一であるため、説明を省略する。
速度推定手段140は、数式10に従って回転速度推定値ω を演算する。
Figure 2007135281
数式9と数式10とを比較してわかるように、数式10は、数式9におけるφ をゼロとおいたものに相当している。トルク軸磁束φは理論上はゼロであるため、数式10のようにφ をゼロとおいて回転速度推定値ω を算出しても、第4実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
図7は、本発明の第6実施形態を示す機能ブロック図である。
この実施形態は、図6の第5実施形態における速度推定手段140の代わりに、磁束指令φも入力とする速度推定手段150を備えている。この速度推定手段150以外は、第5実施形態と構成及び動作が同一であるため、説明を省略する。
速度推定手段150は、数式11に従って回転速度推定値ω を求める。
Figure 2007135281
すなわち、この実施形態は、トルク軸磁束推定値φ がゼロである時に磁束軸磁束推定値φ と磁束指令φとがほぼ等しいことに着目したものであり、速度推定手段150は、数式11の右辺第1項の補正項の演算に、数式10におけるφ に代えてφを用いている。
本実施形態においても、第5実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
なお、図5の第4実施形態における速度推定手段131、図6の第5実施形態における速度推定手段140、図7の第6実施形態における速度推定手段150は、演算に何れもトルク軸電圧vを用いているが、図4の第3実施形態に関して説明したように、トルク軸電圧指令値v とトルク軸電圧vとはほぼ一致しているので、トルク軸電圧vの代わりにトルク軸電圧指令値v を用いても良い。
次いで、図8は本発明の第7実施形態を示す機能ブロック図である。
この実施形態は、図5の第4実施形態においてトルク軸電圧vが入力されている速度推定手段131に代えて、トルク軸誘起電圧eが入力される速度推定手段160を備え、更にトルク軸誘起電圧演算手段161を追加したものである。他の構成は図5と同様である。
次に、この実施形態の動作を説明する。なお、速度推定手段160及びトルク軸誘起電圧演算手段161以外は、図5の第4実施形態と同様であるため説明を省略する。
トルク軸誘起電圧演算手段161には、トルク軸電圧vと、インバータ周波数ωと、磁化電流i及びトルク電流iが入力されており、数式12に従ってトルク軸誘起電圧eを求める。なお、前述の如く、Rは一次抵抗、Lは一次インダクタンス、σはもれ係数である。
Figure 2007135281
一方、速度推定手段160は、数式13に従って回転速度推定値ω を求める。
Figure 2007135281
この実施形態では、数式13の右辺第1項の補正項の分子として、第4実施形態の数式9におけるvに代えてeを用いると共に、第5実施形態と同様にφ をゼロとして前記補正項の分母にφ を用いている。
本実施形態においても、誘導電動機112が空転している状態で励磁電流を流すと、上記補正項の作用によって回転速度推定値ω が回転速度実際値にほぼ一致するようになり、不要なトルクをほとんど発生せずに滑らかに起動することが可能となる。
図9は、本発明の第8実施形態を示す機能ブロック図である。
この実施形態は、図8の第7実施形態における速度推定手段160の代わりに、磁束指令φも入力とする速度推定手段170を備えており、その他の構成は図8と同様である。
速度推定手段170は、数式14に従って回転速度推定値ω を求める。
Figure 2007135281
この実施形態は図7の第6実施形態と同様の着想に基づき、磁束軸磁束推定値φ と磁束指令φとがほぼ等しい点に着目したものであり、数式13の右辺第1項におけるφ を数式14ではφに置き換えた点のみが相違している。
本実施形態でも、第7実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
次に、図10は本発明の第9実施形態を示す機能ブロック図である。
この実施形態は、図9の第8実施形態における速度推定手段170の代わりに、トルク軸磁束推定値φ を入力としない速度推定手段180を備えている。その他の構成は図9と同様である。
本実施形態において、速度推定手段180は、数式15に従って回転速度推定値ω を求める。
Figure 2007135281
この実施形態は図6の第5実施形態と同様の着想に基づくものであり、理論上はトルク軸磁束φがゼロであることから、数式14におけるφ をゼロとして数式15により回転速度推定値ω を算出している。
本実施形態でも、第8実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
なお、上述した第4〜第9実施形態では、すべり周波数ωをすべり周波数演算手段132により数式7にて演算している。しかし、数式7のトルク電流推定値i の代わりにトルク電流検出値iあるいはトルク電流指令値i を用いると共に、磁束軸磁束推定値φ の代わりに磁束指令φを用いても、同様にすべり周波数ωの演算が可能である。
また、上述した各実施形態では、電流・磁束推定手段110または130において、一次電流推定値i 及び磁束推定値φ の演算に一次電圧相当値としての一次電圧検出値vを用いているが、一次電圧指令値v を用いても良い。この場合には、電圧検出器を備えないシステムにも本発明を適用することができる。
本発明の第1実施形態を示す機能ブロック図である。 第1実施形態の動作説明図である。 本発明の第2実施形態を示す機能ブロック図である。 本発明の第3実施形態を示す機能ブロック図である。 本発明の第4実施形態を示す機能ブロック図である。 本発明の第5実施形態を示す機能ブロック図である。 本発明の第6実施形態を示す機能ブロック図である。 本発明の第7実施形態を示す機能ブロック図である。 本発明の第8実施形態を示す機能ブロック図である。 本発明の第9実施形態を示す機能ブロック図である。 従来技術を示す機能ブロック図である。 従来技術における速度推定手段の構成図である。 従来技術の動作説明図である。
符号の説明
101:インバータ
102:電流検出手段
103,104:3相−2相変換手段
105,109,121:座標変換手段
106,107:電流調節手段
108:磁化電流指令演算手段
110,130:電流・磁束推定手段
111,120,122,131,140,150,160,170,180,301:速度推定手段
112:誘導電動機
132:すべり周波数演算手段
133:加算手段
134:積分手段
201:PI演算手段
202:外積手段
203:加算手段
φ:磁束指令
:トルク電流指令値
:磁化電流指令値
:トルク軸電圧指令値
:磁束軸電圧指令値
:一次電圧指令値
:一次電圧検出値
:一次電流検出値
:トルク軸電圧検出値
:磁束軸電圧検出値
:トルク電流検出値
:磁化電流検出値
:トルク電流推定値
:磁化電流推定値
φ :磁束軸磁束推定値
φ :トルク軸磁束推定値
θ:基準位相角
ω :速度推定値
ω:インバータ周波数
:トルク軸誘起電圧検出値

Claims (6)

  1. 速度センサを持たない誘導電動機をインバータにより駆動するためのベクトル制御装置であって、
    誘導電動機の一次電流検出値から得たトルク電流及び磁化電流がトルク電流指令及び磁化電流指令にそれぞれ一致するように調節動作する電流調節手段と、
    この電流調節手段の出力に基づいて前記インバータに与える一次電圧指令値を生成する座標変換手段と、
    誘導電動機の一次電流検出値、一次電圧相当値及び回転速度推定値に基づいて一次電流推定値及び二次磁束推定値を演算する電流・磁束演算手段と、
    少なくとも前記一次電流検出値、一次電流推定値及び二次磁束推定値を用いて回転速度推定値を演算する速度推定手段と、
    を備えた速度センサレスベクトル制御装置において、
    前記速度推定手段は、誘導電動機の空転時の磁化電流指令に応じた一次電圧のトルク軸成分を二次磁束推定値により除算した結果を、回転速度推定値の演算に用いることを特徴とする誘導電動機の速度センサレスベクトル制御装置。
  2. 速度センサを持たない誘導電動機をインバータにより駆動するためのベクトル制御装置であって、
    誘導電動機の一次電流検出値から得たトルク電流及び磁化電流がトルク電流指令及び磁化電流指令にそれぞれ一致するように調節動作する電流調節手段と、
    この電流調節手段の出力に基づいて前記インバータに与える一次電圧指令値を生成する座標変換手段と、
    誘導電動機の一次電流検出値、一次電圧相当値及び回転速度推定値から一次電流推定値及び二次磁束推定値を演算する電流・磁束演算手段と、
    少なくとも前記一次電流検出値、一次電流推定値及び二次磁束推定値を用いて回転速度推定値を演算する速度推定手段と、
    を備えた速度センサレスベクトル制御装置において、
    前記速度推定手段は、誘導電動機の空転時の磁化電流指令に応じた一次電圧のトルク軸成分を二次磁束指令により除算した結果を回転速度推定値の演算に用いることを特徴とする誘導電動機の速度センサレスベクトル制御装置。
  3. 請求項1または2に記載した誘導電動機の速度センサレスベクトル制御装置において、
    誘導電動機の一次電圧のトルク軸成分として、一次電圧指令値のトルク軸成分を用いたことを特徴とする誘導電動機の速度センサレスベクトル制御装置。
  4. 請求項1または請求項2に記載した誘導電動機の速度センサレスベクトル制御装置において、
    誘導電動機の一次電圧のトルク軸成分として、一次電圧検出値のトルク軸成分を用いたことを特徴とする誘導電動機の速度センサレスベクトル制御装置。
  5. 速度センサを持たない誘導電動機をインバータにより駆動するためのベクトル制御装置であって、
    誘導電動機の一次電流検出値から得たトルク電流及び磁化電流がトルク電流指令及び磁化電流指令にそれぞれ一致するように調節動作する電流調節手段と、
    この電流調節手段の出力に基づいて前記インバータに与える一次電圧指令値を生成する座標変換手段と、
    誘導電動機の一次電流検出値、一次電圧相当値及び回転速度推定値から一次電流推定値及び二次磁束推定値を演算する電流・磁束演算手段と、
    少なくとも前記一次電流検出値、一次電流推定値及び二次磁束推定値を用いて回転速度推定値を演算する速度推定手段と、
    を備えた速度センサレスベクトル制御装置において、
    前記速度推定手段は、誘導電動機の空転時の磁化電流指令に応じた誘起電圧のトルク軸成分を二次磁束推定値により除算した結果を回転速度推定値の演算に用いることを特徴とする誘導電動機の速度センサレスベクトル制御装置。
  6. 速度センサを持たない誘導電動機をインバータにより駆動するためのベクトル制御装置であって、
    誘導電動機の一次電流検出値から得たトルク電流及び磁化電流がトルク電流指令及び磁化電流指令にそれぞれ一致するように調節動作する電流調節手段と、
    この電流調節手段の出力に基づいて前記インバータに与える一次電圧指令値を生成する座標変換手段と、
    誘導電動機の一次電流検出値、一次電圧相当値及び回転速度推定値から一次電流推定値及び二次磁束推定値を演算する電流・磁束演算手段と、
    少なくとも前記一次電流検出値、一次電流推定値及び二次磁束推定値を用いて回転速度推定値を演算する速度推定手段と、
    を備えた速度センサレスベクトル制御装置において、
    前記速度推定手段は、誘導電動機の空転時の磁化電流指令に応じた誘起電圧のトルク軸成分を二次磁束指令により除算した結果を回転速度推定値の演算に用いることを特徴とする誘導電動機の速度センサレスベクトル制御装置。
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