JP2008219966A - 永久磁石モータ制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】誘起電圧やインダクタンスの変化分が歪んだモータにおいて、簡単な構成でコスト的にも安価に、ステータ巻線に流れる相電流の歪みを低減できるようにした、モータ制御装置を提供することが課題である。
【解決手段】モータM10の磁界解析で求めた誘起電圧波形から、基本正弦波以外のトルクリプル成分を相殺するdq軸上の量として求めた誘起電圧リプルテーブルI17を用意し、モータM10の回転角度に応じ、dq軸電圧指令生成部16が生成したdq軸電圧指令vd*、vq*に、前記誘起電圧リプルテーブルI17から読み出したトルクリプル成分を相殺するdq軸上の量を加算し、dq−3相変換部14に与えてモータM10のトルクリプルを低減させて駆動するようにした。
【選択図】図1

Description

本発明は、永久磁石モータの制御装置に係り、特に、永久磁石モータにおける制御装置に一般的に用いられている、dq座標変換を使った永久磁石モータ制御装置に関するものである。
ブラシレスモータは、機械的な整流機構を持たないため保守が容易であり、永久磁石を利用しているため高効率である。従って、ブラシレスモータは電気自動車用、産業機械用、あるいは空調機の圧縮機用などのモータとして幅広く使用されている。
永久磁石モータにおけるdq座標変換を使った制御装置では、まず、モータのステータ巻線に流れる相電流を検出し、静止座標系における相電流を、回転座標系のd軸上のd軸電流値及びq軸上のq軸電流値に変換して、d軸電流値がd軸電流指令値の値となるよう比例積分制御してd軸電圧値を作成すると共に、q軸電流値がq軸電流指令値の値となるよう比例積分制御してq軸電圧指令値を作成する。そして、これらのd軸電圧指令値とq軸電圧指令値とを静止座標系の相電圧指令値に変換し、ステータ巻線にこの相電圧指令値で示される電圧を印加して、d軸電流指令値とq軸電流指令値で表される正弦波状の相電流をステータ巻線に流し、所定の出力トルクを発生させて制御している。
そしてこのようなモータ制御においては、理想的には、ステータ巻線に誘起される電圧の波形がロータの回転の角度に対して正弦波状に変化し、また、インダクタンスの変化分がロータの回転の角度に対して正弦波状に変化することが好ましい。しかしながら、実際のブラシレスモータやシンクロナスリラクタンスモータにおいては、ステータ巻線の誘起電圧やインダクタンスの変化分は正弦波状から歪んだ波形となり、モータトルクにリプルを生じることになる。車両の駆動モータにおいてこのようなトルクリプルが起こると、車両に振動を生じさせる要因になるため、乗員に不快感を与えることになり、モータのトルクリプルを低減することが重要となる。
そのため、永久磁石モータ制御装置においては、ステータに流れる相電流をフィードバックし、電流指令値の通りになるよう電圧指令値を制御し、ステータ巻線の誘起電圧やインダクタンスが歪んでも、これらの歪みを補償するよう電圧指令値を変化させて、正弦波状の相電流が流れるよう構成することが必要である。
こういったトルクリプルを低減させる永久磁石モータ制御装置としては、例えば特許文献1の図4に、トルクリプル演算手段25で、dq座標系における基本波電流と永久磁石による電機子鎖交磁束の高調波成分に起因するトルクリプルを演算し、トルクリプル低減高調波電流指令値生成器26により演算されたトルクリプルと、逆位相のトルクを生じさせる高調波電流指令値を演算して、高調波電流制御回路200により、この指令値に基づいて高調波電流を制御することで、モータのトルクリプルを低減するようにしたモータ制御装置が示されている。
特開2004−64909号公報
しかしながらこの特許文献1に示されたモータ制御装置では、トルクリプル演算手段25によりdq座標系における、基本波電流と永久磁石による電機子鎖交磁束の高調波成分に起因するトルクリプルの演算を行い、トルクリプル低減高調波電流指令値生成器26により、トルクリプルと逆位相のトルクを生じさせる高調波電流指令値を実時間で演算する必要があり、高速回転の場合は、実時間で非常に多くの演算を必要とするから、処理能力に限度のある安価なCPUでは能力的に無理があり、必然的にモータ制御装置のコスト上昇が避けられない。
そのため本発明においては、誘起電圧やインダクタンスの変化分が歪んだモータにおいて、簡単な構成でコスト的にも安価に、ステータ巻線に流れる相電流の歪みを低減できるようにした、永久磁石モータ制御装置を提供することが課題である。
上記課題を解決するため、本発明になる永久磁石モータ制御装置は、
永久磁石モータに流れる相電流を検出して電流値を出力する電流検出手段と、該電流検出手段の検出した電流値をモータの回転に同期して回転するd軸およびq軸から成る直交座標系(以下、dq座標系と称す)の電流値に変換する3相−dq変換部と、該3相−dq変換部から出力されたdq軸電流値とdq座標系の目標電流値とからdq座標系の目標電圧値を生成するdq軸電圧指令生成部と、該dq軸電圧指令生成部が生成したdq軸電圧指令を3相の相電圧指令値に変換するdq−3相変換部と、該dq−3相変換部が生成した3相の相電圧指令値を3相のモータ駆動電流に変換する電力変換部とからなる永久磁石モータ制御装置において、
予め、前記モータの磁界解析で求めた誘起電圧波形から基本正弦波以外のトルクリプル成分を求め、該トルクリプル成分を相殺する前記dq軸上の電圧をテーブルとした誘起電圧リプルテーブルを用意し、
前記モータの回転角度に応じ、前記dq軸電圧指令生成部が生成したdq軸電圧指令に、前記誘起電圧リプルテーブルから読み出したトルクリプル成分を相殺する前記dq軸上の電圧を加算し、前記dq−3相変換部に与えて前記モータのトルクリプルを低減させて駆動することを特徴とする。
このように、例えば高トルクで駆動する、騒音を低減させて駆動する、効率を重視して駆動する、など、種々の要求に対応して設計されたモータのトルクリプル成分をモータの磁界解析で求め、そのトルクリプル成分を相殺する前記dq軸上の電圧として求めた誘起電圧リプルテーブルを用意し、dq軸電圧指令生成部が生成したdq軸電圧指令に、誘起電圧リプルテーブルから読み出したトルクリプル成分を相殺する前記dq軸上の電圧を加算する、という非常に簡単な構成でトルクリプル成分を相殺することで、従来装置のように実時間で非常に多くの演算をする必要がなくなるから、処理能力に限度のある安価なCPUでも十分対応でき、トルクリプルを生じさせずにコスト的にも安価な永久磁石モータ制御装置を提供することができる。また、3相軸上での補償に対してdq座標軸上で補償することで、定常偏差等も少なくすることが可能となると共に、この誘起電圧が線形の場合、誘起電圧リプルテーブルを記憶する例えばROMなどの記憶装置は小さな容量で充分となり、さらなるコスト削減が可能となる。
そして、前記誘起電圧リプルテーブル出力を、前記モータの回転数に応じて変化する前記誘起電圧に比例したトルクリプル成分とするゲインを、前記モータの回転数とゲインとの関係のテーブルとして予め用意し、該テーブルによりモータの回転数に応じて前記誘起電圧リプルテーブル出力を補正し、前記モータを駆動することで、誘起電圧がモータの回転数に応じて変化しても対応が可能となり、さらに、例え誘起電圧が非線形特性で変化してもトルクリプル補償が可能であるから、より高精度でトルクリプル成分を削減できる永久磁石モータ制御装置とすることができる。
また、前記モータの温度測定手段を設け、前記誘起電圧リプルテーブル出力を、前記モータ温度に応じて変化する前記誘起電圧に比例するトルクリプル成分とするゲインを、前記モータ温度とゲインとの関係のテーブルとして予め用意し、該テーブルにより前記温度測定手段が測定したモータ温度に応じて前記誘起電圧リプルテーブル出力を補正し、前記モータを駆動することで、誘起電圧がモータの温度に応じて変化しても対応が可能となり、さらに高精度にトルクリプル成分を削減できる永久磁石モータ制御装置とすることができる。
以上記載のごとく本発明によれば、演算能力に制限のある安価なCPUによる簡単な構成でモータトルクリプルの補償が可能であり、また、3相軸上での補償に対してdq座標軸上で補償することで、定常偏差等も少なくすることが可能な永久磁石モータ制御装置とすることができる。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施例を例示的に詳しく説明する。但しこの実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎない。
図1は、本発明になる永久磁石モータ制御装置の実施例1のブロック図である。この図1に示した永久磁石モータ制御装置が駆動するモータM10は、内部埋め込み磁石型のロータや表面磁石型のロータと集中巻構造のステータとを備えた、IPMモータやSPMモータなどの3相交流により駆動される永久磁石同期モータである。
このモータM10を駆動する本発明になる永久磁石モータ制御装置の基本部分は、IGBTなどの電力変換素子により構成され、モータM10を駆動する3相交流電圧u、v、wをモータM10に印加する電力変換装置11、モータM10に連結され、モータM10の回転位置θmを検出するエンコーダPS12、エンコーダPS12からの回転位置信号θmに基づき、基本波電流の位相θeを演算する位相速度演算部13、3相交流モータM10の基本波電流の位相θeに基づき、d軸とq軸の目標電圧指令値vd*、vq*を3相交流電圧指令値vu*、vv*、vw*に変換するdq−3相変換部14、基本波電流位相θeに基づき、電流検出センサ25、26が検出した3相交流モータM10の実電流iu、iv、iw(=−iu−iv)を、d軸とq軸の実電流id、iqへ変換する3相−dq変換部15、3相−dq変換部15から出力されたdq軸電流値id、iqと、dq座標系の目標電流値id*、iq*とからdq座標系の目標電圧指令値vd*、vq*を生成するdq軸電圧指令生成部16とで構成される。
そしてこの永久磁石モータ制御装置は、まず、モータM10のステータ巻線に流れる相電流を電流検出センサ25、26で検出し、静止座標系における相電流iu、ivを、回転座標系のd軸上のd軸電流値id及びq軸上のq軸電流値iqに変換する。そしてd−q軸電圧指令生成部16で、d軸電流値idがd軸電流指令値id*の値になるよう比例積分制御してd軸電圧指令値vd*を作成すると共に、q軸電流値iqがq軸電流指令値iq*の値になるよう比例積分制御してq軸電圧指令値vq*を作成する。これらのd軸電圧指令値vd*とq軸電圧指令値vq*とは、dq−3相変換部14で静止座標系の相電圧指令値vu*、vv*、vw*に変換され、さらに電力変換装置11で電圧u、v、wに変換されてモータM10のステータ巻線に印加されて、d軸電流指令値id*とq軸電流指令値iq*で表される正弦波状の相電流がステータ巻線に流され、所定の出力トルクが発生させるよう制御する。
このように構成した永久磁石モータ制御装置において、d軸電流指令値id*とq軸電流指令値iq*で表される正弦波状の相電流にリプルが無い場合、図6(A)に示したように理想的な正弦波となり、これをモータ制御理論の座標変換式によりd−q軸変換すると、図6(B)に示したように直線となる。なお、図6(A)において、usとした実線はu相、vsとした波線はv相、wsとした一点鎖線はw相をそれぞれ表し、図6(B)において、vdsとした実線はd軸におけるリプルを、vqsとした波線はq軸におけるリプルをそれぞれ表している。
しかしながら、実際の永久磁石モータ制御装置においては、例えば高トルクで駆動したい、騒音を低減させて駆動したい、効率を重視して駆動したい、など、種々の要求に対応させて永久磁石モータが設計されるため、例えば図5(A)に示したように、d軸電流指令値id*とq軸電流指令値iq*で表される正弦波状の相電流にリプルが生じ、図6(A)に示した理想的な正弦波とは異なった波形となる。そして前記図6(B)と同様、この図5(A)に示した波形をd−q軸変換すると、図6(B)の場合とは異なり、図5(B)に示したようなリプル成分が抽出される。なお、図5(A)において、u0とした実線はu相、v0とした波線はv相、w0とした一点鎖線はw相をそれぞれ表し、図5(B)において、vd0とした実線はd軸におけるリプルを、vq0とした波線はq軸におけるリプルをそれぞれ表している。
そのため本発明においては、前記したモータの設計段階において磁界解析を行い、この図5(A)に示したような基準回転数での3相端子間の誘起電圧を求め、次にモータ制御理論の座標変換式を用い、図5(B)に示したような回転座標であるd−q軸座標での誘起電圧波形を求める。そして、求めたd−q軸座標での誘起電圧波形を反転したものを補正テーブルとし、モータの現在の回転数と基準回転数の比を掛けたものを補正量としてd−q軸電圧指令vd*、vq*に加えるようにした。
再度図1に戻り、このようにして求めた補正テーブルが、図1における誘起電圧リプルテーブルI17である。この誘起電圧リプルテーブルI17は、図5(A)に示したような基準回転数での3相端子間の誘起電圧を座標変換式により、図5(B)に示したようなd−q軸座標での誘起電圧波形を相殺するように定めたテーブルである。
またこの図1において、18、19は加算器、20、21は乗算器、22はモータの回転角速度ωeからモータの回転角度θeを演算するモータの回転角度演算部、23は誘起電圧リプルテーブルI17と加算器18、19、乗算器20、21により構成される誘起電圧補正部である。
このように構成した本発明になる永久磁石モータ制御装置は、前記したようにモータM10のステータ巻線に流れる相電流を電流検出センサ25、26で検出し、静止座標系における相電流iu、ivを、回転座標系のd軸上のd軸電流値id及びq軸上のq軸電流値iqに変換する。そしてd−q軸電圧指令生成部16で、d軸電流値idがd軸電流指令値id*の値になるよう比例積分制御してd軸電圧指令値vd*を作成すると共に、q軸電流値iqがq軸電流指令値iq*の値になるよう比例積分制御してq軸電圧指令値vq*を作成する。
そして図示しないCPUを含む制御装置が、誘起電圧リプルテーブルI17から、モータの回転角度演算部22により算出されたモータの回転角度θeに対応し、図5(B)に示したd−q軸座標での誘起電圧波形を相殺する電圧波形を読み出し、加算器18、19により、d−q軸電圧指令生成部16で作成されたd軸電圧指令値vd*、q軸電圧指令値vq*に加算して、リプル成分を補正したd軸電圧指令値vd*’、q軸電圧指令値vq*’を生成してdq−3相変換部14に送る。
そのためこのdq−3相変換部14は、送られてきたリプル成分が相殺されたd軸電圧指令値vd*’、q軸電圧指令値vq*’を、静止座標系の相電圧指令値vu*、vv*、vw*に変換し、それが電力変換装置11で電圧u、v、wに変換されてモータM10のステータ巻線に印加され、d軸電流指令値id*とq軸電流指令値iq*で表される、リプルを含んだ正弦波状の相電流におけるリプル成分が相殺された電流が、モータM10のステータ巻線に流されてリプルのない所定の出力トルクでモータM10が駆動される。
このようにすることにより、種々の要求に対応して設計されたモータのトルクリプル成分は、誘起電圧リプルテーブルI17に記憶されたトルクリプル成分を相殺するデータにより相殺され、従来装置のように実時間で非常に多くの演算をする必要がないから処理能力に限度のある安価なCPUでも十分対応でき、トルクリプルを生じさせずにコスト的にも安価なモータ制御装置を提供することができる。また、3相軸上での補償に対してdq座標軸上で補償することで、定常偏差等も少なくすることが可能となると共に、この誘起電圧が線形の場合、誘起電圧リプルテーブルを記憶する例えばROMなどの記憶装置は小さな容量で充分となり、さらなるコスト削減が可能となる。
図2は、本発明になるモータ制御装置における実施例2のブロック図である。一般的にモータの誘起電圧の大きさは、例えばモータが2000回転している時の誘起電圧は、1000回転している時の誘起電圧の2倍の大きさになる。そのため、図5(B)に示したd−q軸座標での誘起電圧波形のリプル成分は、モータの回転数によって変化する。本発明になるモータ制御装置における実施例2は、このようにモータの回転数によって変化するリプル成分に対応させたものである。
なお、モータ制御の方式には、高速回転時にモータの電流を制御することで見かけの誘起電圧を抑える制御方式(弱め界磁制御)があり、そのためこの実施例2では、所定回転数まではモータの誘起電圧の大きさがモータの回転数に比例し、所定回転数を越えた場合、誘起電圧を抑えるようにした場合に対応させて制御するものである。
図3は、このようにモータ回転数により変化するリプル成分に対応させ、d−q軸座標での誘起電圧を補正することを説明するための図である。図中、40はモータ回転角度、41はモータ回転数データであり、これらのデータは図1、図2に12で示したエンコーダPSから得られる。42は乗算部、43はモータ回転数とゲインとの関係を示したグラフ、44は図1において17で示した誘起電圧リプルテーブルIと同じ誘起電圧リプルテーブルIである。
モータ回転数とゲインとの関係のグラフ43は、前記したように所定回転数まではモータの誘起電圧の大きさがモータの回転数に比例し、所定回転数を越えた場合は誘起電圧を抑えるようにした弱め界磁制御の場合に対応させ、誘起電圧リプルテーブルI44に示されるリプル成分を、モータ回転数41に対応させて変化させるためのテーブルとしてのグラフである。
すなわち、この実施例2の制御装置では、誘起電圧リプルテーブルI44から、図1のモータの回転角度演算部22により算出されたモータの回転角度θe(図3の40)に対応し、図5(B)に示したd−q軸座標での誘起電圧波形を相殺する電圧波形を読み出し、加算器18、19に送る前に、モータ回転数41によりモータ回転数とゲインとの関係のグラフ43から対応するゲインを読み出し、乗算部42によってこのゲインを乗じて誘起電圧補正量として出力することで、モータ回転数41に対応して補正した誘起電圧を得られるようにしたものである。
この図3に示したブロックを収容したのが、図2における誘起電圧リプルテーブルII30である。この図2では、前記図1に示したのと同じ構成要素には同一番号が付されており、図1と異なる点は、誘起電圧リプルテーブルI17が誘起電圧リプルテーブルII30に代わったことと、図1における乗算器20、21が無くなってモータ回転角度ωe、d軸電流指令値id*、q軸電圧指令値vq*が、直接誘起電圧リプルテーブルII30に入力されていることである。
この図2に示した実施例2の永久磁石モータ制御装置を簡単に説明すると、前記したようにモータM10のステータ巻線に流れる相電流iu、ivがd軸電流値id及びq軸上のq軸電流値iqに変換され、d−q軸電圧指令生成部16でd軸電圧指令値vd*、q軸電圧指令値vq*が作成される。
一方、誘起電圧リプルテーブルI30に与えられているモータ回転角度ωe、モータの回転角度θe、d軸電流指令値id*、q軸電圧指令値vq*により、前記図3で説明したように、モータ回転数に対応したゲインが読み出され、誘起電圧リプルテーブルI44から読み出された誘起電圧のリプル成分に乗じられて、誘起電圧補正量となってこのd軸電圧指令値vd*、q軸電圧指令値vq*に加算される。
そのため、加算結果であるd軸電圧指令値vd*’、q軸電圧指令値vq*’は、モータ回転数に対応してリプル成分が相殺されたd軸電圧指令値、q軸電圧指令値となり、そのためdq−3相変換部14は、送られてきたリプル成分が相殺されたd軸電圧指令値vd*’、q軸電圧指令値vq*’を、静止座標系の相電圧指令値vu*、vv*、vw*に変換する。そしてその値が電力変換装置11で電圧u、v、wに変換され、モータM10のステータ巻線に印加されて、d軸電流指令値id*とq軸電流指令値iq*で表される、モータ回転数に対応したリプルを含んだ正弦波状の相電流におけるリプル成分が相殺された電流が、モータM10のステータ巻線に流されてリプルのない所定の出力トルクでモータM10が駆動される。
このようにすることにより、誘起電圧がモータの回転数に応じて変化しても対応が可能となり、さらに、例え誘起電圧が非線形特性で変化してもトルクリプル補償が可能であるから、より高精度でトルクリプル成分を削減できるモータ制御装置とすることができる。
図4は、モータ温度により誘起電圧補正量を変化させることを説明するための図である。一般的に磁石は温度が高くなると磁力が落ち、そのため、モータ温度が高くなると誘起電圧も低下する。従って、図5(B)に示したd−q軸座標での誘起電圧波形のリプル成分は、モータの温度によって変化する。本発明になるモータ制御装置における実施例3は、このようにモータの温度によって変化するリプル成分に対応させたものである。
図4は、このようにモータ温度により変化するリプル成分に対応させ、d−q軸座標での誘起電圧のリプル成分を補正するため、モータ温度と補正ゲインとの関係を示したテーブルとしてのグラフである。すなわちこの図4に示したグラフは、前記した図1の実施例1、図2の実施例2に示した誘起電圧リプルテーブルI17、誘起電圧リプルテーブルII30の出力が、モータ温度によって変化するのに対応できるよう、モータ温度に対応させて誘起電圧リプルを変化させるためのゲインをグラフ化したものである。
そのため、前記した図1の実施例1、図2に示した実施例2において、誘起電圧リプルテーブルI17、誘起電圧リプルテーブルII30にこの図4に示したモータ温度とゲインとの関係のテーブルを含ませ、モータM10の温度を測定する温度センサ24からの信号により、対応するゲインを誘起電圧リプルテーブルI17、誘起電圧リプルテーブルII30から読み出した誘起電圧リプルに乗じることで、モータM10の温度によって変化するトルクリプル成分を、精度よく相殺することができる。
このように本発明によれば、演算能力に制限のある安価なCPUによる簡単な構成でモータトルクリプルの補償が可能であり、また、3相軸上での補償に対してdq座標軸上で補償することで、定常偏差等も少なくすることが可能なモータ制御装置とすることができる。
本発明によれば、簡単、安価な構成でモータのトルクリプルを生じない永久磁石モータ制御装置を提供でき、効率が良く、車両などの産業機械に用いて乗員に不快感を与えることが無くなる。
本発明になるモータ制御装置の実施例1のブロック図である。 本発明になるモータ制御装置の実施例2のブロック図である。 本発明になるモータ制御装置の実施例2における、モータ回転数とゲインとの関係を用いて誘起電圧補正量を算出することを説明するための図である。 モータ温度により誘起電圧補正量を変化させることを説明するための図である。 本発明になるモータ制御装置の、実施例1における誘起電圧補正テーブルの算出手順を説明するための誘起電圧波形(A)と、回転座標(d−q軸座標)における誘起電圧波形(B)を示したグラフである。 d軸電流指令値id*とq軸電流指令値iq*で表される正弦波状の相電流に、リプルが無い理想的な正弦波(A)の場合と、その正弦波をd−q軸変換した波形(B)とを示したグラフである。
符号の説明
10 モータM
11 電力変換装置
12 エンコーダPS
13 位相速度演算部
14 dq−3相変換部
15 3相−dq変換部
16 d−q軸電圧指令生成部
17 誘起電圧リプルテーブルI
18、19 加算器
20、21 乗算器
22 モータの回転角度演算部
23 誘起電圧補正部
24 温度センサ
25、26 電流検出センサ

Claims (3)

  1. 永久磁石モータに流れる相電流を検出して電流値を出力する電流検出手段と、
    該電流検出手段の検出した電流値をモータの回転に同期して回転するd軸およびq軸から成る直交座標系(以下、dq座標系と称す)の電流値に変換する3相−dq変換部と、
    該3相−dq変換部から出力されたdq軸電流値とdq座標系の目標電流値とからdq座標系の目標電圧値を生成するdq軸電圧指令生成部と、
    該dq軸電圧指令生成部が生成したdq軸電圧指令を3相の相電圧指令値に変換するdq−3相変換部と、
    該dq−3相変換部が生成した3相の相電圧指令値を3相のモータ駆動電流に変換する電力変換部とからなる永久磁石モータ制御装置において、
    予め、前記モータの磁界解析で求めた誘起電圧波形から基本正弦波以外のトルクリプル成分を求め、該トルクリプル成分を相殺する前記dq軸上の電圧をテーブルとした誘起電圧リプルテーブルを用意し、
    前記モータの回転角度に応じ、前記dq軸電圧指令生成部が生成したdq軸電圧指令に、前記誘起電圧リプルテーブルから読み出したトルクリプル成分を相殺する前記dq軸上の電圧を加算し、前記dq−3相変換部に与えて前記モータのトルクリプルを低減させて駆動することを特徴とする永久磁石モータ制御装置。
  2. 前記誘起電圧リプルテーブル出力を、前記モータの回転数に応じて変化する前記誘起電圧に比例したトルクリプル成分とするゲインを、前記モータの回転数とゲインとの関係のテーブルとして予め用意し、該テーブルによりモータの回転数に応じて前記誘起電圧リプルテーブル出力を補正し、前記モータを駆動することを特徴とする請求項1に記載した永久磁石モータ制御装置。
  3. 前記モータの温度測定手段を設け、前記誘起電圧リプルテーブル出力を、前記モータ温度に応じて変化する前記誘起電圧に比例するトルクリプル成分とするゲインを、前記モータ温度とゲインとの関係のテーブルとして予め用意し、該テーブルにより前記温度測定手段が測定したモータ温度に応じて前記誘起電圧リプルテーブル出力を補正し、前記モータを駆動することを特徴とする請求項1または2に記載した永久磁石モータ制御装置。
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