JP2007141420A5 - - Google Patents

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光記録媒体およびその製造方法
この発明は、光記録媒体およびその製造方法に関する。詳しくは、無機記録膜を有する光記録媒体およびその製造方法に関する。
近年、情報信号の高密度記録可能な光記録媒体が望まれている。例えば、この要求に応えるために、ブルーレイディスク(Blu-ray Disc(登録商標)、以下BD)の規格が策定され、ハイビジョン画像を光記録媒体に録画、保存することが可能となっている。
このBDに代表される高記録密度の光記録媒体には、再生専用型光記録媒体、書き換え型光記録媒体、追記型光記録媒体の規格があるが、これらのうち追記型光記録媒体は特に安価であることが望まれる。
従来、追記型光記録媒体の記録膜としては、例えばCD−R(Compact Disc-Recordable)やDVD−R(Digital Versatile Disc-Recordable)で広く知られているように、有機色素が用いられていた。しかしながら、高密度記録の追記型光記録媒体では、記録膜を有機材料で形成することは困難であるため、無機材料を用いて記録膜を形成することが提案されている(例えば特許文献1参照)。
特開平11−144316号公報
しかしながら、無機材料を用いて記録膜を形成する場合、記録特性や耐久性の向上を図るためには、膜総数を多くする必用がある。このように膜総数が多くなると、生産性の低下や製造装置の複雑化を招いてしまう。更には、光記録媒体の材料費が高くなるばかりではなく、記録膜成膜のための製造装置、例えばスパッタ装置に対して多額の設備投資も必用となり、光記録媒体を安価に提供することも困難となる。
そこで、記録膜の膜総数を少なくし、総膜厚を薄くすることが望まれている。さらに、近年では、高線速記録や記録膜の多層化も望まれており、この要求に応えるためには、記録感度を向上することが必用となる。
したがって、この発明の目的は、無機記録膜を有する光記録媒体において、無機記録膜の膜総数を少なくすることができ、且つ、記録感度を向上することができる光記録媒体およびその製造方法を提供することにある。
上述の課題を解決するために、第1の発明は、無機記録膜を有する光記録媒体であって、
無機記録膜が、
ゲルマニウムの酸化物からなる酸化物膜と、
酸化物膜に隣接する隣接膜と
を備え、
隣接膜が、
チタンおよびシリコンからなる第1の隣接膜と、
第1の隣接膜とは組成が異なるチタンおよびシリコンからなる第2の隣接膜と
を備え、
第1および第2の隣接膜のうち第2の隣接膜が酸化物膜側となるように設けられ、
第1および第2の隣接膜の組成をそれぞれTiSix、TiSiyと表した場合、TiSix、TiSiyがx<yの関係を満たすことを特徴とする光記録媒体である。
第2の発明は、無機記録膜を有する光記録媒体の製造方法であって、
ゲルマニウムの酸化物からなる酸化物膜を成膜する工程と、
金属からなる隣接膜を成膜する工程と
を備え、
隣接膜の成膜工程は、
チタンおよびシリコンからなる第1の隣接膜を成膜する工程と、
第1の隣接膜とは組成が異なるチタンおよびシリコンからなる第2の隣接膜を成膜する工程と
を備え、
酸化物膜および隣接膜の成膜工程では、酸化物膜と第2の隣接膜とが隣接するように成膜され、
第1および第2の隣接膜の組成をそれぞれTiSix、TiSiyと表した場合、TiSix、TiSiyがx<yの関係を満たすことを特徴とする光記録媒体の製造方法である。
第1および第2の発明では、無機記録膜が、ゲルマニウムの酸化物からなる酸化物膜と、この酸化物膜に隣接する隣接膜とからなるので、光を無機記録膜に照射すると、隣接膜の光触媒効果により酸化物膜の酸素が隣接膜側で多くなるように分離する。これにより、酸化物膜が酸素濃度の高い層と酸素濃度の低い層とに分離し、酸化物膜の光学定数が大きく変化する。したがって、変調度の大きな再生信号が得られるので、良好な記録特性を実現できる。
また、第1および第2の発明では、隣接膜が、チタンおよびシリコンからなる第1の隣接膜と、第1の隣接膜とは組成が異なるチタンおよびシリコンからなり、第2の隣接膜のシリコンの含有率が第1の隣接膜に比べて高いので、無機記録膜の記録感度を向上できる。
第3の発明は、無機記録膜を有する光記録媒体であって、
無機記録膜が、
ゲルマニウムの酸化物からなる酸化物膜と、
酸化物膜に隣接する隣接膜と
を備え、
隣接膜が、
アルミニウムからなる第1の隣接膜と、
チタンからなる第2の隣接膜と
を備え、
第1および第2の隣接膜のうち第2の隣接膜が酸化物膜側に設けられていることを特徴とする光記録媒体である。
第4の発明は、無機記録膜を有する光記録媒体の製造方法であって、
ゲルマニウムの酸化物からなる酸化物膜を成膜する工程と、
金属からなる隣接膜を成膜する工程と
を備え、
隣接膜の成膜工程は、
アルミニウムからなる第1の隣接膜を成膜する工程と、
チタンからなる第2の隣接膜を成膜する工程と
を備え、
酸化物膜および隣接膜の成膜工程では、酸化物膜と第2の隣接膜とが隣接するように成膜され、
酸化物膜および隣接膜の成膜工程では、酸化物膜と隣接膜とが隣接するように成膜されることを特徴とする光記録媒体の製造方法である。
第3および第4の発明では、無機記録膜が、ゲルマニウムの酸化物からなる酸化物膜と、この酸化物膜に隣接する隣接膜とからなるので、光を無機記録膜に照射すると、隣接膜の光触媒効果により酸化物膜の酸素が隣接膜側で多くなるように分離する。これにより、酸化物膜が酸素濃度の高い層と酸素濃度の低い層とに分離し、酸化物膜の光学定数が大きく変化する。したがって、変調度の大きな再生信号が得られるので、良好な記録特性を実現できる。
また、第3および第4の発明では、隣接膜が、チタンおよびシリコンからなる第1の隣接膜と、第1の隣接膜とは組成が異なるチタンおよびシリコンからなる第2の隣接膜とからなり、第1および第2の隣接膜のうち第2の隣接膜が酸化物膜側に設けられるので、無機記録膜の記録感度を向上できる。
第2および第4の発明では、酸化物膜および隣接膜の成膜工程を連続して行うことが好ましい。このように成膜することで、酸化物膜と隣接膜との間に酸化皮膜が形成されたり、不純物が付着されたりすることを抑制できる。
第3および第4の発明では、第1の隣接膜がSiをさらに含有することが好ましい。また、第1の隣接膜の膜厚が7mm以下であることが好ましい。
第1および第3の発明では、識別情報が記録された識別情報記録領域を設けることが好ましい。この識別情報は、酸化物膜に識別情報に応じた記録マークを形成することにより記録される、または、無機記録膜を識別情報に応じたパターンで除去することにより記録されることが好ましい。
第2および第4の発明では、波長350nm以上450nm以下のレーザ光を酸化物膜側から光記録媒体に対して照射することにより、識別情報を記録する工程をさらに備えることが好ましい。また、レーザ光を隣接膜側から光記録媒体に対して照射することにより、識別情報を記録する工程をさらに備えることが好ましく、この工程にて照射されるレーザ光は、光学ヘッドスキャンスピード5m/s以上9m/s以下、レーザパワー3400mW以上4000mW以下の条件で光記録媒体に照射されることが好ましい。
以上説明したように、この発明によれば、無機記録膜を有する光記録媒体において、無機記録膜の膜総数を少なくすることができ、且つ、記録感度を向上することができる。
以下、この発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態の全図においては、同一または対応する部分には同一の符号を付す。
(1)第1の実施形態
光記録媒体の構成
図1は、この発明の第1の実施形態による光記録媒体の一構成例を示す概略断面図である。この光記録媒体10は、基板1上に、無機記録膜6、誘電体膜4、光透過層5が順次積層された構成を有する。
この第1の実施形態による光記録媒体10では、光透過層5の側からレーザ光を無機記録膜6に照射することにより、情報信号の記録または再生が行われる。例えば、400nm以上410nm以下の範囲の波長を有するレーザ光を、0.84以上0.86以下の範囲の開口数を有する対物レンズにより集光し、光透過層5の側から無機記録膜6に照射することにより、情報信号の記録または再生が行われる。このような光記録媒体10としては、例えばBD−R(Blu-ray Disc -Recordable)が挙げられる。
以下、光記録媒体10を構成する基板1、無機記録膜6、誘電体膜4および光透過層5について順次説明する。
(基板)
基板1は、中央に開口(以下、センターホールと称する)が形成された円環形状を有する。この基板1の一主面は、凹凸面11となっており、この凹凸面11上に無機記録膜6が成膜される。以下では、基板1の一主面に対して窪んだ凹部をイングルーブ11G、基板1の一主面に対して突出した凸部をオングルーブ11Lと称する。
このイングルーブ11Gおよびオングルーブ11Lの形状としては、例えば、スパイラル状、同心円状などの各種形状が挙げられる。また、イングルーブ11Gおよび/またはオングルーブ11Lが、アドレス情報を付加するためのウォブル(蛇行)されている。
基板1の直径は、例えば120mmに選ばれる。基板1の厚さは、剛性を考慮して選ばれ、好ましくは0.3mm以上1.3mm以下から選ばれ、より好ましくは0.6mm以上1.3mm以下から選ばれ、例えば1.1mmに選ばれる。また、センタホールの径(半径)は、例えば15mmに選ばれる。
基板1の材料としては、例えばポリカーボネート系樹脂、ポリオレフィン系樹脂若しくはアクリル系樹脂などのプラスチック材料、またはガラスなどを用いることができる。なお、コストを考慮した場合には、基板1の材料として、プラスチック材料を用いることが好ましい。
(無機記録膜)
無機記録膜6は、基板1の凹凸面11上に順次積層された金属膜2および酸化物膜3からなる。金属膜2は、第1の金属膜2aおよび第2の金属膜2bからなり、第2の金属膜2bが酸化物膜3と接するように設けられている。
第1の金属膜2aおよび第2の金属膜2bは、TiSiからなる。第1の金属膜2a、第2の金属膜2bの組成をそれぞれTiSix、TiSiyと表した場合、TiSix、TiSiyがx<yの関係を満たすことことが好ましい。
また、第1の金属膜2aおよび第2の金属膜2bが添加物をさらに含有するようにしてもよく、この添加物としては、例えばAl,Ag,Cu,Pd,Ge,Si,Sn,Ni,Fe,Mg,V,C,Ca,B,Cr,Nb,Zr,S,Se,Mn,Ga,Mo,W,Tb,Dy,Gd,Nd,Zn,Ta,Srからなる群より選ばれた1種以上を用いることができる。このような添加物を含有させることで、例えば光学特性、耐久性または記録感度などを向上させることができる。
酸化物膜3は、例えば、Geの酸化物からなる。酸化物膜3の吸収係数kは、好ましくは0.15以上0.90以下、より好ましくは0.20以上0.70以下、更により好ましくは0.25以上0.60以下の範囲である。0.15以上0.90以下の範囲を満たすことで、例えば良好な変調度およびキャリア対ノイズ比(以下、C/N比)を得ることができる。0.20以上0.70以下の範囲を満たすことで、例えばより良好な変調度およびC/N比を得ることができる。0.25以上0.60以下の範囲を満たすことで、例えば更により良好な変調度およびC/N比を得ることができる。
なお、この明細書における吸収係数は波長410nmにおけるものである。また、その測定には、エリプソメータ(ルドルフ社製、商品名:Auto EL-462P17)を用いた。
酸化物膜3の膜厚は、好ましくは10nm以上35nm以下の範囲である。また、酸化物膜3に対して添加物を加えるようにしてもよく、この添加物としては、例えばTe,Pd,Pt,Cu,Zn,Au,Ag,Si,Ti,Fe,Ni,Sn,Sbなどを用いることができる。このような添加物を加えることで、耐久性および/または反応性(記録感度)を向上することができる。なお、耐久性を向上させるためには、特にPd,Pt,Si,Sbが特に好ましい。
(誘電体膜)
第1の誘電体膜4aおよび第2の誘電体膜4bは、無機記録膜6上に積層されて、無機記録膜6の光学的、機械的保護、すなわち耐久性の向上や、記録時の無機記録膜6の変形、すなわちふくらみの抑制等を行うためのものである。
第1の誘電体膜4aは、例えばZnS−SiO2より構成される。この第1の誘電体膜4aの厚さは、好ましくは10nm以上58nm以下、より好ましくは23nm以上53nm以下の範囲とされる。膜厚を10nm以上にすることで、良好なジッターを得ることができる。例えば光記録媒体10がBD−Rである場合には、膜厚を10nm以上にすることで、BD−Rの規格であるジッター6.5%以下を満足することができる。一方、膜厚を58nm以下にすることで、良好な反射率を得ることができる。例えば光記録媒体10がBD−Rである場合には、膜厚を58nm以下にすることで、BD−Rの規格で要求される反射率12%以下を満足することができる。
また、膜厚を23nm以上にすることで、より良好なジッターを得ることができる。一方、膜厚を53nm以下にすることで、より良好な反射率を得ることができる。
第2の誘電体膜4bは、例えばSiNより構成される。この第2の誘電体膜4bの厚さは、好ましくは35nm以下の範囲から選ばれる。膜厚を35nm以下にすることで、良好なジッターを得ることができる。例えば光記録媒体10がBD−Rである場合には、膜厚を35nm以下にすることで、BD−Rの規格であるジッター6.5%以下を満足することができる。また、上述のように、第1の誘電体層4aと第2の誘電体層4bとを積層することで、変調度を大きくでき、且つ、キャリア対ノイズ比(以下、C/N比)を高くできる。
(光透過層)
光透過層5は、例えば、円環形状を有する光透過性シート(フィルム)と、この光透過性シートを基板1に対して貼り合わせるための接着層とから構成される。接着層は、例えば紫外線硬化樹脂または感圧性粘着剤(PSA:Pressure Sensitive Adhesive)からなる。光透過層5の厚さは、好ましくは10μm以上177μm以下の範囲内から選ばれ、例えば100μmに選ばれる。このような薄い光透過層5と、例えば0.85程度の高NA(numerical aperture)化された対物レンズとを組み合わせることによって、高密度記録を実現することができる。
光透過性シートは、記録および/または再生に用いられるレーザ光に対して、吸収能が低い材料からなることが好ましく、具体的には透過率90パーセント以上の材料からなることが好ましい。光透過性シートの材料としては、例えばポリカーボネート樹脂材料、ポリオレフィン系樹脂(例えばゼオネックス(登録商標))が挙げられる。
また、光透過性シートの厚さは、好ましくは0.3mm以下に選ばれ、より好ましくは3以上177μm以下の範囲内から選ばれる。また、光透過層5の内径(直径)は、例えば22.7mmに選ばれる。
光記録媒体の製造方法
次に、この発明の一実施形態による光記録媒体の製造方法について説明する。
(基板の成形工程)
まず、一主面に凹凸面11が形成された基板1を成形する。基板1の成形の方法としては、例えば射出成形(インジェクション)法、フォトポリマー法(2P法:Photo Polymerization)などを用いることができる。
(第1の金属膜の成膜工程)
次に、基板1を、例えばTiSiからなるターゲットが備えられた真空チャンバ内に搬送し、真空チャンバ内を所定の圧力になるまで真空引きする。その後、真空チャンバ内にプロセスガスを導入しながら、ターゲットをスパッタリングして、基板1上に第1の金属膜2aを成膜する。
この成膜工程における成膜条件の一例を以下に示す。
真空到達度:5.0×10-5Pa
雰囲気:0.1〜0.6Pa
投入電力:1〜3kW
ガス種:Arガス
ガス流量:10〜40sccm
(第2の金属膜の成膜工程)
次に、基板1を、例えばTiSiからなるターゲットが備えられた真空チャンバ内に搬送し、真空チャンバ内を所定の圧力になるまで真空引きする。その後、真空チャンバ内にプロセスガスを導入しながら、ターゲットをスパッタリングして、基板1上に第2の金属膜2bを成膜する。なお、この第2の金属膜2bの成膜工程では、第1の金属膜2aの成膜工程にて用いられるターゲットとは組成の異なるものが用いられる。また、第2の金属膜2bの成膜工程にて用いられるターゲットは、第1の金属膜2aの成膜工程にて用いられるものよりも高いSiの含有率を有する。例えば、第1の金属膜2a、第2の金属膜2bを成膜するためのターゲットの組成をそれぞれ、TiSix、TiSiyと表した場合、TiSix、TiSiyがx<yの関係を満たす。
この成膜工程における成膜条件の一例を以下に示す。
真空到達度:5.0×10-5Pa
雰囲気:0.1〜0.6Pa
投入電力:1〜3kW
ガス種:Arガス
ガス流量:10〜40sccm
(酸化物膜の成膜工程)
次に、基板1を、例えばGe酸化物からなるターゲットが備えられた真空チャンバ内に搬送し、真空チャンバ内を所定の圧力になるまで真空引きする。その後、真空チャンバ内にプロセスガスを導入しながら、ターゲットをスパッタリングして、第2の金属膜2b上に酸化物膜3を成膜する。
この成膜工程における成膜条件の一例を以下に示す。
真空到達度:5.0×10-5Pa
雰囲気:0.1〜0.6Pa
投入電力:1〜3kW
ガス種:Arガス
Arガス流量:10〜80sccm
(第1の誘電体膜の成膜工程)
次に、基板1を、例えばZnS−SiO2からなるターゲットが備えられた真空チャンバ内に搬送し、真空チャンバ内を所定の圧力になるまで真空引きする。その後、真空チャンバ内にプロセスガスを導入しながら、ターゲットをスパッタリングして、酸化物膜3上に第1の誘電体膜4aを成膜する。
この成膜工程における成膜条件の一例を以下に示す。
真空到達度:5.0×10-5Pa
雰囲気:0.1〜0.6Pa
投入電力:1〜5kW
ガス種:Arガス
Arガス流量:6sccm
(第2の誘電体膜の成膜工程)
次に、基板1を、例えばSiからなるターゲットが備えられた真空チャンバ内に搬送し、真空チャンバ内を所定の圧力になるまで真空引きする。その後、真空チャンバ内にプロセスガスを導入しながら、ターゲットをスパッタリングして、第1の誘電体膜4a上に第2の誘電体膜4bを成膜する。
この成膜工程における成膜条件の一例を以下に示す。
真空到達度:5.0×10-5Pa
雰囲気:0.1〜0.6Pa
投入電力:1〜4kW
ガス種:Arガスおよび窒素ガス
Arガス流量:50sccm
窒素ガス流量:37sccm
(光透過層の形成工程)
次に、円環形状の光透過性シートを、例えば、このシート一主面に予め均一に塗布された感圧性粘着剤(PSA)を用いて、基板1上の凹凸面11側に貼り合わせる。これにより、基板1上に積層された積層膜を覆うように、光透過層5が形成される。
以上の工程により、図1に示す光記録媒体10が得られる。
ターゲットの構成
以下に、酸化物膜3を成膜するためのターゲットの構成について説明する。酸化物膜3を成膜するためのターゲットは、半導体粉末であるGe粉末と半導体酸化物粉末であるGe酸化物粉末との混合物を加圧焼成することによりなるものである。このターゲットは、例えば円盤形状を有し、その直径は、例えば200mmに選ばれ、厚さは、例えば6mmに選ばれる。
加圧焼成後の酸素の含有量は45原子%以上60原子%以下の範囲であることが好ましい。45原子%未満であると、吸収係数kが0.9を越えてしまうため、記録特性などが低下してしまう。また、60原子%を越えると、吸収係数が0.15未満になってしまうため、記録特性などが低下してしまう。
ここで、金属の非飽和酸化物は、金属のとりうる最大の価数に対応した化学量論組成より酸素含有量が少ない方向にずれた化合物のこと、すなわち金属の非飽和酸化物における酸素の含有量が、上記金属のとりうる最大価数に対応した化学量論組成の酸素含有量より小さい化合物のことである。
なお、非飽和酸化物もしくは非飽和窒化物としては、1種の非飽和酸化物もしくは非飽和窒化物のほかに、第2の元素あるいは更に複数種類の元素を添加したものについても本発明に含めることにする。
ターゲットの製造方法
以下、酸化物膜3を成膜するためのターゲットの製造方法について説明する。
(秤量・混合)
半導体粉末であるGe粉末と半導体酸化物粉末であるGe酸化物粉末とをそれぞれ所定量秤量した後、例えば混合乾式を行う。ここで、Ge粉末とGe酸化物粉末との混合比は、加圧焼成後の酸素の含有量が45原子%以上60原子%以下となるように調整することが好ましい。
(加圧焼成)
次に、上述のようにして得られた混合粉末をカーボン製の型に投入し、例えばホットプレス装置によって加圧焼成を行って、焼成体を得る。ここでは、ホットプレス装置は一般的に使用されているものでよく、この装置を用いて、一定圧力および一定の焼成温度で、非酸素雰囲気中にて所定時間焼成が行われる。
(仕上げ工程)
上述のようにして得られた焼成体に対して、所定サイズの円盤形状になるように機械加工を施す。以上により、目的とするターゲットを得ることができる。
この発明の第1の実施形態では、第1の金属膜2a、第2の金属膜2b、酸化物膜3、第1の誘電体膜4a、第2の誘電体膜2b、光透過層5を基板1上に順次積層するだけで光記録媒体10を製造できるので、単純な膜構成を有する高記録密度の光記録媒体10を提供することができる。すなわち、低廉な高記録密度の光記録媒体10を提供することができる。
また、Ge酸化物からなるターゲットをスパッタリングして酸化物膜3を成膜するので、量産時において、一定の酸素濃度、すなわち一定の吸収係数を有する酸化物膜3を成膜することができる。
また、金属膜2をTiSiからなる第1の金属膜2aと、この第1の金属膜2bとは組成の異なるTiSiからなる第2の金属膜2bとから構成し、第1の金属膜2aのSiの含有量を第2の金属膜のSiの含有量に比して少なくするので、記録感度を向上することができる。これにより、高パワー側のマージンが広く確保され、OPC(Optimum Power Control、ドライブによる記録範囲の最適化)範囲が広がる。更に、高線速記録や2層以上の高容量多層メディアへの対応も容易となる。
(2)第2の実施形態
光記録媒体の構成
この光記録媒体10は、基板1上に、無機記録膜6、誘電体膜4、光透過層5を順次基板1上に積層した構成を有する。無機記録膜6は、金属膜2、酸化物膜3を基板2上に順次積層して構成される。金属膜2以外は上述の第1の実施形態と同様であるので、以下では無機記録膜6についてのみ説明する。
金属膜2は、Alからなる第1の金属膜2aとTiSiからなる第2の金属膜2bとからなり、第2の金属膜2bが酸化物膜に隣接するように設けられる。第1の金属膜2aの膜厚は、7nm以下にすることが好ましい。また、第1の金属膜2aおよび第2の金属膜2bが添加物をさらに含有するようにしてもよく、この添加物としては、例えば、上述の第1の実施形態と同様のものを用いることができる。
光記録媒体の製造方法
次に、この発明の一実施形態による光記録媒体の製造方法について説明する。
(基板の成形工程)
まず、一主面に凹凸面11が形成された基板1を成形する。基板1の成形の方法としては、例えば射出成形(インジェクション)法、フォトポリマー法(2P法:Photo Polymerization)などを用いることができる。
(第1の金属膜の成膜工程)
次に、基板1を、例えばAlからなるターゲットが備えられた真空チャンバ内に搬送し、真空チャンバ内を所定の圧力になるまで真空引きする。その後、真空チャンバ内にプロセスガスを導入しながら、ターゲットをスパッタリングして、基板1上に第1の金属膜2aを成膜する。
この成膜工程における成膜条件の一例を以下に示す。
真空到達度:5.0×10-5Pa
雰囲気:0.1〜0.6Pa
投入電力:1〜3kW
ガス種:Arガス
ガス流量:10〜40sccm
(第2の金属膜の成膜工程)
次に、基板1を、例えばTiSiからなるターゲットが備えられた真空チャンバ内に搬送し、真空チャンバ内を所定の圧力になるまで真空引きする。その後、真空チャンバ内にプロセスガスを導入しながら、ターゲットをスパッタリングして、基板1上に第2の金属膜2bを成膜する。
この成膜工程における成膜条件の一例を以下に示す。
真空到達度:5.0×10-5Pa
雰囲気:0.1〜0.6Pa
投入電力:1〜3kW
ガス種:Arガス
ガス流量:10〜40sccm
これ以降の工程は、上述の第1の実施形態と同様であるので説明を省略する。
この第2の実施形態では、金属膜2をAlからなる第1の金属膜とTiSiからなる第2の金属膜2bとから構成し、第2の金属膜2bを酸化物膜3の側に設けるので、記録感度を向上することができる。
(3)第3の実施形態
光記録媒体の構成
この第3の実施形態による光記録媒体10は、上述の第1の実施形態と同様に、基板1上に、無機記録膜6、誘電体膜4、光透過層5が順次積層された構成を有する。基板1およびその上に積層された各層を構成する材料および厚さなどは、上述の第1の実施形態と同様であるので説明を省略する。
図2は、この発明の第3の実施形態による光記録媒体を示す平面図である。図2に示すように、この光記録媒体10の内周部には、リードイン領域が設けられ、このリードイン領域12の外周側にユーザデータ領域13が設けられている。また、リードイン領域12には、識別情報記録領域であるBCA(Burst Cutting Area)14が設けられている。
ユーザデータ領域は、ユーザが所望のデータを記録するための領域である。リードイン領域12は、例えば識別情報(ID)、暗号鍵および複合鍵などの情報を記録するための領域であり、これらの情報は、光記録媒体10の製造時に記録される。BCA14は、光記録媒体10の製造時に識別情報を記録するための領域である。識別情報は、各媒体に固有な情報であり、例えば、不正コピーの防止などを目的とするものである。
光記録媒体の製造方法
基板の成形工程から光透過層の形成工程までは、上述の第1の実施形態と同様であるので説明を省略し、以下では光透過層の形成工程の次工程である識別情報の記録工程について説明する。
まず、図3を参照しながら、識別情報の記録に用いられる記録装置について説明する。図3に示すように、この記録装置は、モータ21、光ピックアップ22および制御回路23を備える。
光ピックアップ22は、光記録媒体10に対してレーザ光24を照射して識別情報をバーコードとして記録するための光学系である。レーザ光24の波長は、ユーザデータの記録または再生に用いられるレーザ光とほぼ等しい波長とするこことが好ましい。例えば、光記録媒体10が波長405nmなどの青色レーザ光によりユーザデータの記録または再生が行われる媒体である場合には、光ピックアップ22のレーザ光22の波長を、波長350nm以上450nm以下の範囲に設定すること好ましい。この波長範囲のレーザを用いることで、ユーザデータの記録と同様の原理に基づき、識別情報に対応する記録マークを良好に無機記録膜6に記録することができる。
制御回路23は、記録装置全体を制御する。例えば、レーザ光24のフォーカス制御、光ピックアップ22の位置制御、モータ21の回転制御、識別情報の生成などを行う。モータ21は、図示を省略したターンテーブルに載置された光記録媒体10を回転させる。
次に、上述の記録装置を用いた識別情報の記録工程について説明する。
まず、光記録媒体10を、その光透過層5の側が光ピックアップ22に対向するようにして、図示を省略したターンテーブルに載置する。次に、モータ21を駆動して光記録媒体10を所定速度で回転させる。
そして、光ピックアップ22を光記録媒体10の内周部に設けられたBCA14まで移動させた後、光ピックアップ22を駆動させて、例えば識別情報に応じてパルス状に変調されたレーザ光を光透過層5側から照射する。これにより、無機記録膜6のうちレーザ光24が照射された部分では、酸化物膜3の酸素が分離して、酸素濃度が高い層が金属膜2の側に形成され、酸素濃度が低い層が誘電体膜4の側に形成される。その結果、識別情報に応じた記録マークが例えばバーコード状に形成され、識別情報がBCAに記録される。なお、この記録マークの形成に用いられるレーザ光の波長は、上述のように350nm〜450nmの範囲にすることが好ましい。以上により、目的とする光記録媒体10が得られる。
図4(a)は、BCAに形成された記録マークの一例を示す。図4(b)は、BCAに記録された識別情報を再生したときの再生信号の波形の一例を示す。なお、図4(a)において斜線を付した部分が記録マークを示し、この記録マークは、パルス状に変調されたレーザ光を照射することにより形成される。
図4(a)に示すように、識別情報は、バーコード状の縞模様としてBCAに記録される。また、記録マークの部分では反射率が低下するために、再生信号は、図4(b)に示すように、パルス状の波形となる。
この第3の実施形態では、例えば波長350nm〜450nmのレーザ光を用いて光記録媒体10のBCA14に識別情報を記録するので、ユーザデータの記録と同様の原理により識別情報を無機記録膜6に記録できる。したがって、識別情報の再生信号の乱れを抑制し、所望の再生信号を得ることができる。また、光透過層5の側からレーザ光を照射して基板1上の積層膜を溶融除去して識別情報を記録する場合と比べて、基板1の変形などによって引き起こされる信号の不具合を抑制することができる。また、積層膜の腐食を招く恐れが少ないので、優れた保存安定性を得ることができる。
(4)第4の実施形態
光記録媒体の構成
この第4の実施形態による光記録媒体10はBCAを有し、このBCA14には識別情報が記録されている。この識別情報は、レーザ光を基板1側から照射することにより、基板1上に積層された積層膜を溶融除去することにより形成される。これ以外の光記録媒体10の構成に関しては上述の第3の実施形態と同様であるので説明を省略する。
光記録媒体の製造方法
基板の成形工程から光透過層の形成工程までは、上述の第3の実施形態と同様であるので説明を省略し、以下では光透過層の形成工程の次工程である識別情報の記録工程について説明する。また、識別情報の記録に用いられる記録装置は、光路長補償素子を光ピックアップ22に備える以外のことは上述の第3の実施形態と同様であるので説明を省略する。なお、光ピックアップ22に備えられる光路長補償素子は、上述の第3の実施形態とは異なる基板1側からレーザ光を照射することを考慮して設けたものである。
まず、光記録媒体10を、その基板1の側が光ピックアップ22に対向するようにして、図示を省略したターンテーブルに載置する。次に、モータ21を駆動して光記録媒体10を所定速度で回転させる。
そして、光ピックアップ22を光記録媒体10の内周部に設けられたBCA14まで移動させた後、光ピックアップ22を駆動させて、例えば識別情報に応じてパルス状に変調されたレーザ光を基板1側から照射する。これにより、無機記録膜6のうちレーザ光24が照射された部分では、基板1上に積層された金属膜2、酸化物膜2、誘電体膜5が溶融除去される。その結果、識別情報に応じたマークが例えばバーコード状に形成され、識別情報がBCA14に記録される。
なお、レーザ光は、近赤外レーザ光または赤外レーザ光であることが好ましく、例えば波長800nmのレーザ光である。また、レーザ光照射時の光学ヘッドスキャンスピードを5m/s〜9m/s、レーザパワーを3400mW〜4000mWの範囲とすることが好ましい。この範囲とすることで、記録マークエッジ部分における急激な反射率の上昇を抑制することができる。したがって、識別情報の再生信号のノイズを低減することができる。
この第4の実施形態では、ユーザデータの記録再生時とは異なる基板1側からレーザ光をBCA14に照射して識別情報を記録するため、光透過層5の側からレーザ光を照射した場合とは光吸収特性などが異なるので、マークの境界部分に変形が生じることを抑制きる、BCA14の内部に積層膜の一部が残留することを抑制できる、基板1の変形を抑制できるなどの利点を得ることができる。すなわち、再生信号の乱れを抑制し、所望の再生信号を得ることができる。
また、金属膜2に直接レーザ光を照射できるので、基板1上の積層膜を効果的に破壊除去できる。なお、光透過層5側からレーザ光を照射した場合には、酸化物膜3での吸収発熱などの影響で熱が拡散するために、基板1上の積層膜をきれいに破壊除去できないと考えられる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。また、以下の実施例1〜2は第1の実施形態に対応するものであり、実施例3〜4は第2の実施形態に対応するものである。実施例5〜6は第3の実施形態に対応するものである。実施例7〜26は第4の実施形態に対応するものである。
本発明の実施例として、ブルーレイディスクの光学系に媒体を設計し、成膜したものを示す。ブルーレイディスクの光学系とは、開口数0.85の2群対物レンズおよび波長400nm〜410nmの青紫色半導体レーザ光源を用いたものである。なお、本発明はこの光学系に適用が限られるものではなく、開口数や波長が多少違っていても同様の効果が期待される。
また、以下の実施例では、評価装置として、パルステック工業株式会社製、ODU−1000(ブルーレイディスク仕様)を用いた。この光源の波長は405nmであり、対物レンズのNAは0.85である。記録再生条件は、25GB密度とし、2倍速(9.83m/s)で記録、1倍速(4.92m/s)で再生した。再生パワーは0.35mWとし、再生信号はリミットイコライザー(プリイコライザーゲイン7.1dB)を通し、タイムインターバルアナライザー(横河電機株式会社製、TA720)によりジッターを測定した。記録の線速度は9.83m/s(2倍速記録)、再生時の線速度は4.92m/s(1倍速)、チャンネルビット長は74.50nm(直径12cmの光ディスクに25GBの記録密度)で行った。
また、吸収係数の測定には、エリプソメータ(ルドルフ社製、商品名:Auto EL-462P17)を用いた。なお、吸収係数は、410nmの波長におけるものである。
まず、TiSiからなる第1の金属膜2aと、第1の金属膜2aとは組成が異なるTiSiからなる第2の金属膜2bの膜厚を媒体毎に変えて、複数の光記録媒体10を作製し、第1の金属膜2aおよび第2の金属膜2bの膜厚について検討を行った。
実施例1
図5は、実施例1の光記録媒体の膜構成を示す模式的断面図である。図5においては、基板1に設けられたイングルーブ11Gおよびオングルーブ11Lの図示を省略している。なお、以下の実施例および比較例の断面図においても、基板1に設けられたイングルーブ11Gおよびオングルーブ11Lの図示を同様に省略する。この実施例1の光記録媒体10は、TiSi膜2a、TiSi膜2b、GeO膜3、ZnS−SiO2膜4a、SiN膜4b、光透過層5を基板1上に順次積層した構成を有する。
以下、図5を参照しながら、実施例1の光記録媒体10の製造方法について説明する。まず、射出成形法により、一主面にイングルーブ11Gおよびオングルーブ11Lが設けられた基板1を成形した。樹脂材料としては、ポリカーボネート樹脂を用いた。また、ラックピッチを0.32μmとし、イングルーブ11Gの深さを21nmとし、オングルーブ11Lをウォブル(蛇行)させてアドレス情報を付加した。
次に、真空チャンバ内を真空引きした後、真空チャンバ内にArガスを導入しながら、TiSiターゲットをスパッタリングして、膜厚17nmのTiSi膜2aを基板1上に成膜した。このTiSi膜2aにおけるSiの組成比を20原子%とした。
この成膜工程における成膜条件の一例を以下に示す。
真空到達度:5.0×10-5Pa
雰囲気:0.2Pa
投入電力:3kW
Arガス流量:30sccm
次に、真空チャンバ内を真空引きした後、真空チャンバ内にArガスを導入しながら、TiSiターゲットをスパッタリングして、膜厚10mのTiSi膜2を基板1上に成膜した。このTiSi膜2bにおけるSiの組成比を27原子%とした。
この成膜工程における成膜条件の一例を以下に示す。
真空到達度:5.0×10-5Pa
雰囲気:0.2Pa
投入電力:3kW
Arガス流量:30sccm
次に、真空チャンバ内を真空引きした後、真空チャンバ内にArガスを導入しながら、Ge酸化物ターゲットをスパッタリングして、膜厚26.5nmのGeO膜3をTiSi膜2上に成膜した。なお、Ge酸化物ターゲットは、GeO膜3の吸収係数kが0.4となる組成とした。
この成膜工程における成膜条件の一例を以下に示す。
真空到達度:5.0×10-5Pa
雰囲気:0.2Pa
投入電力:2kW
Arガス流量:30sccm
次に、真空チャンバ内を真空引きした後、真空チャンバ内にプロセスガスを導入しながら、ZnS−SiO2ターゲットをスパッタリングして、膜厚45nmのZnS−SiO2膜4aをGeO膜3上に成膜した。
この成膜工程における成膜条件の一例を以下に示す。
真空到達度:5.0×10-5Pa
雰囲気:0.1Pa
投入電力:1kW
Arガス流量:6sccm
次に、真空チャンバ内を真空引きした後、真空チャンバ内にArガスおよびN2プロセスガスを導入しながら、Siターゲットをスパッタリングして、膜厚7nmのSiN膜4bを基板1上に成膜した。
この成膜工程における成膜条件の一例を以下に示す。
真空到達度:5.0×10-5Pa
雰囲気:0.3Pa
投入電力:4kW
Arガス流量:50sccm
2ガス流量:37sccm
次に、円環形状のポリカーボネートシートを、このシート一主面に予め塗布された感圧性粘着材(PSA)により基板1上に貼り合わせて、厚さ100μmの光透過層5を形成した。以上により、目的とする光記録媒体10が得られた。
実施例2
図6は、実施例2の光記録媒体の膜構成を示す模式的断面図である。この実施例2の光記録媒体10は、上述の実施例1と同様に、TiSi膜2a、TiSi膜2b、GeO膜3、ZnS−SiO2膜4a、SiN膜4b、光透過層5を基板1上に順次積層した構成を有する。この実施例2の光記録媒体10は、第1の金属膜2aの膜厚が22nmであり、第2の金属膜2bの膜厚が5nmである点において、上述の実施例1のものとは異なる。
以下、図6を参照しながら、実施例3の光記録媒体10の製造方法について説明する。まず、実施例1と同様にして、基板1を成形した。次に、成膜時間を適宜調整して、TiSi膜2a、TiSi膜2bの膜厚をそれぞれ22nm、5nmとする以外のことは上述の実施例1と同様にして、第1の金属膜2a、第2の金属膜2bを基板1上に順次積層した。そして、これ以降の工程は上述の実施例1とすべて同様にして、目的とする光記録媒体10を得た。
比較例1
図7は、比較例1の光記録媒体の膜構成を示す模式的断面図である。この比較例1の光記録媒体10は、TiSi膜2b、GeO膜3、ZnS−SiO2膜4a、SiN膜4b、光透過層5を基板1上に順次積層した構成を有する。この比較例1の光記録媒体10は、TiSi膜2aが省略されている点において、上述の実施例1のものとは異なる。
以下、図7を参照しながら、この比較例1の光記録媒体の製造方法について説明する。まず、実施例1と同様にして、基板1を成形した。次に、成膜時間を適宜調整する以外のことは上述の実施例1と同様にして、膜厚27nmのTiSiN膜2bを基板1上に成膜した。そして、これ以降の工程は上述の実施例1とすべて同様にして、目的とする光記録媒体10を得た。
次に、上述のようにして得られた実施例1〜2および比較例1の光記録媒体10の最適記録パワーPwo、Leading jitterおよびTrailing jitter、ならびにパワーマージンを測定などした。図8に、その結果を示す。図8中、t1、t2はそれぞれ、TiSi膜2a、TiSi膜2bの膜厚を示す。
ここで、Leading jitterおよびTrailing jitterとは、リミットイコライザーを通して波形等価後にタイムインターバルアナライザーにて測定したジッター量のうち、前者はマークの先端のジッター値、後者はマーク後端のジッター値であり、最適記録パワーPwoはこれらが最小になるときの記録光強度である。図8中のジッター値は、最適記録パワーPwoで記録したときの値である。また、パワーマージンとは、ジッター値8.5%以下となるパワーの範囲(peak to peak)を、最適記録パワーPwoで割った値である。
図8に示す結果から、金属膜2をTiSi膜2bのみの単層構造(t1=0)とし、そのTiSi膜2bのSi組成比を27原子%としている比較例1に比べて、金属膜2をTiSi膜2aおよびTiSi膜2bからなる2層構造とし、TiSi膜2aのSi組成比を20原子%とTiSi膜2bよりも少なくしている実施例1〜2では、ジッター値を良好に保ったまま記録感度を改善できることが分かる。
また、TiSi膜2bの膜厚t2を5nmと薄くした実施例2では、パワーマージンが狭くなっている。これは、金属膜2をTiSi膜2aのみの単層とし、そのTiSi膜2aのSi組成比を20原子%をとした場合のパワーマージンに近づいていることを示している。
したがって、所望のパワーマージンを得るために適切なSi組成比を有するTiSi膜2bをGeO膜3に隣接して6nm以上の膜厚で成膜し、記録感度を調整するためにSi組成比がTiSi膜2aに比して少ないTiSi膜2bをTiSi膜2aに隣接することにより、パワーマージン、ボトムジッターを保ったまま記録感度を改善することが可能であることを示している。
次に、Alからなる第1の金属膜2aと、TiSiからなる第2の金属膜2bの膜厚を媒体毎に変えて、複数の光記録媒体10を作製し、第1の金属膜2aおよび第2の金属膜2bの膜厚について検討を行った。
実施例3
図9は、実施例3の光記録媒体の膜構成を示す模式的断面図である。この実施例3の光記録媒体10は、Al膜2a、TiSi膜2b、GeO膜3、ZnS−SiO2膜4a、SiN膜4b、光透過層5を基板1上に順次積層した構成を有する。
次に、図9を参照しながら、この実施例3の光記録媒体の製造方法について説明する。まず、実施例1と同様にして、基板1を成形した。
次に、真空チャンバ内を真空引きした後、真空チャンバ内にArガスを導入しながら、Alターゲットをスパッタリングして、膜厚5nmのAl膜2aを基板1上に成膜した。
真空到達度:5.0×10-5Pa
雰囲気:0.2Pa
投入電力:2kW
Arガス流量:30sccm
次に、真空チャンバ内を真空引きした後、真空チャンバ内にArガスを導入しながら、TiSiターゲットをスパッタリングして、膜厚20mのTiSi膜2を基板1上に成膜した。このTiSi膜2bにおけるSiの組成比を27原子%とした。
この成膜工程における成膜条件の一例を以下に示す。
真空到達度:5.0×10-5Pa
雰囲気:0.2Pa
投入電力:3kW
Arガス流量:30sccm
そして、これ以降の工程は上述の実施例1とすべて同様にして光記録媒体10を得た。
実施例4
図10は、実施例4の光記録媒体の膜構成を示す模式的断面図である。この実施例2の光記録媒体10は、上述の実施例3と同様に、Al膜2a、TiSi膜2b、GeO膜3、ZnS−SiO2膜4a、SiN膜4b、光透過層5を基板1上に順次積層した構成を有する。この実施例4の光記録媒体10は、第1の金属膜2aの膜厚が7nmであり、第2の金属膜2bの膜厚が20nmである点において、上述の実施例3のものとは異なる。
以下、図10を参照しながら、実施例7の光記録媒体10の製造方法について説明する。まず、実施例3と同様にして、基板1を成形した。次に、成膜時間を適宜調整して、Al膜2a、TiSi膜2bの膜厚をそれぞれ7nm、20nmとする以外のことは上述の実施例3と同様にして、Al膜2a、TiSi膜2bを基板1上に順次積層した。そして、これ以降の工程は上述の実施例3とすべて同様にして、目的とする光記録媒体10を得た。
比較例2
図11は、比較例2の光記録媒体の膜構成を示す模式的断面図である。この比較例2の光記録媒体10は、TiSi膜2b、GeO膜3、ZnS−SiO2膜4a、SiN膜4b、光透過層5を基板1上に順次積層した構成を有する。この比較例2の光記録媒体10は、Al膜2aが省略されている点において、上述の実施例3のものとは異なる。
次に、図11を参照しながら、この比較例1の光記録媒体の製造方法について説明する。まず、実施例3と同様にして、基板1を成形した。次に、成膜時間を適宜調整する以外のことは上述の実施例1と同様にして、膜厚27nmのTiSiN膜2bを基板1上に成膜した。そして、これ以降の工程は上述の実施例3とすべて同様にして、目的とする光記録媒体10を得た。
次に、上述のようにして得られた実施例3〜4および比較例2の光記録媒体10の最適記録パワーPwo、Leading jitterおよびTrailing jitter、ならびにパワーマージンを測定などした。図12に、その結果を示す。図12中、t3、t4はそれぞれ、TiSi膜2a、TiSi膜2bの膜厚を示す。ここで、最適記録パワーPwo、Leading jitterおよびTrailing jitter、ならびにパワーマージンは、上述の実施例1〜2と同様のものを示す。
図12に示す結果から、5nmのAl膜2aを成膜すると、記録感度が劇的に改善する一方で、パワーマージンはAl膜2aの成膜していない場合に比べて若干悪化する程度にとどまっている。また、ボトムジッターはAl膜2aの成膜していない場合とほぼ同等である。そして、Al膜2aの膜厚を更に厚くして7nmにすると、Al膜2aの膜厚が5nmの場合と比べて記録感度が悪化する。また、詳細な説明は省略するが、Al膜2aの膜厚を7nmよりも更に厚くした場合には、ジッターも悪化し、良好な記録が行われなかった。
したがって、TiSi膜2bに隣接して7nm以下の膜厚のAl膜2aを設けることにより、ジッターおよびパワーマージンの悪化を招くことなく、記録感度を向上できる。
次に、第3の実施形態に対応する実施例5〜6について説明する。
(3)青色レーザによるBCAの形成方法の検討
次に、青色レーザによるBCAの形成方法について検討を行った。以下に、この検討内容について説明する。
実施例5
この実施例5の光記録媒体10は、TiSi膜2、GeO膜3、ZnS−SiO2膜4a、SiN膜4b、光透過層5を基板1上に順次積層した構成を有する。
以下、実施例5の光記録媒体10の製造方法について説明する。まず、射出成形法により、一主面にイングルーブ11Gおよびオングルーブ11Lが設けられた基板1を成形した。樹脂材料としては、ポリカーボネート樹脂を用いた。また、トラックピッチを0.32μmとし、イングルーブ11Gの深さを21nmとし、オングルーブ11Lをウォブル(蛇行)させてアドレス情報を付加した。
次に、真空チャンバ内を真空引きした後、真空チャンバ内にArガスを導入しながら、TiSiターゲットをスパッタリングして、膜厚27nmのTiSi膜2を基板1上に成膜した。このTiSi膜2におけるSiの組成比を27原子%とした。
この成膜工程における成膜条件を以下に示す。
真空到達度:5.0×10-5Pa
雰囲気:0.2Pa
投入電力:3kW
Arガス流量:30sccm
次に、真空チャンバ内を真空引きした後、真空チャンバ内にArガスを導入しながら、Ge酸化物ターゲットをスパッタリングして、膜厚26nmのGeO膜3をTiSi膜2上に成膜した。なお、Ge酸化物ターゲットの酸素組成は、GeO膜3の吸収係数kが0.40となるように調整した。
この成膜工程における成膜条件を以下に示す。
真空到達度:5.0×10-5Pa
雰囲気:0.2Pa
投入電力:2kW
Arガス流量:30sccm
次に、真空チャンバ内を真空引きした後、真空チャンバ内にArガスを導入しながら、ZnS−SiO2ターゲットをスパッタリングして、膜厚45nmのZnS−SiO2膜4aをGeO膜3上に成膜した。
この成膜工程における成膜条件を以下に示す。
真空到達度:5.0×10-5Pa
雰囲気:0.1Pa
投入電力:1kW
Arガス流量:6sccm
次に、真空チャンバ内を真空引きした後、真空チャンバ内にArガスおよびN2ガスを導入しながら、Siターゲットをスパッタリングして、膜厚7nmのSiN膜4bを基板1上に成膜した。
この成膜工程における成膜条件を以下に示す。
真空到達度:5.0×10-5Pa
雰囲気:0.3Pa
投入電力:4kW
Arガス流量:50sccm
2ガス流量:37sccm
次に、円環形状のポリカーボネートシートを、このシート一主面に予め塗布された感圧性粘着材(PSA)により基板1上に貼り合わせて、厚さ0.1mmの光透過層5を形成した。
次に、波長405nmのレーザ光をパルス状に変調して、光透過層5の側からBCAに照射した。これにより、BCAにバーコード状の記録マークが形成された光記録媒体10を得た。なお、ビーム幅を約5μm、線速度を10m/s、レーザ照射パワーを160mW、1回転あたりのビーム送り量を2μmとした。
実施例6
次に、波長800nm帯のレーザ光を照射して記録マークを形成する以外のことは上述の実施例5とすべて同様にして、BCAにバーコードが形成された光記録媒体10を得た。
次に、上述のようにして得られた実施例5〜6のBCAに記録された信号を再生し、この再生信号を評価した。
図13(a)は、BCAに形成される記録マークのイメージを示す。図13(b)は、実施例5の再生信号の波形を示す。図13(c)は、実施例6の再生信号の波形を示す。なお、図13(b)および図13(c)では、実施例5および実施例6の比較を容易にするため微少なノイズの図示は省略している。
図13(b)および図13(c)を比較すると以下のことが分かる。すなわち、実施例6では、記録マークの境界部分に急激に反射率が高くなる領域があるのに対して、実施例5では、記録マークの境界部分に急激に反射率が高くなる領域がないことが分かる。これは、800nm帯のレーザでは波長依存性があるため、400nm帯での記録再生に最適化された光記録媒体10ではBCAに対する情報信号の記録が困難であるためと考えられる。また、図示は省略するが、実施例5では、BCA部の全体の信号レベルも比較的均一であった。
次に、第4の実施形態に対応する実施例7〜26について説明する。
(4)赤外レーザによるBCAの形成方法の検討
次に、赤外レーザによるBCAの形成方法について検討を行った。以下に、この検討内容について説明する。
実施例7〜11
まず、上述の実施例5とすべて同様にして複数の光記録媒体10を得た。次に、上述のようにして得られた複数の光記録媒体10ごとに光学ヘッドスキャンスピードを3m/s〜11m/sの範囲で変えて、出力パワー4000mW、波長810nmのレーザ光をパルス状に変調して、基板1側からBCAに照射した。これにより、TiSi膜2、GeO膜3、ZnS−SiO2膜4aおよびSiN膜4bを溶融除去され、BCAにバーコード状の記録マークが形成された複数の光記録媒体10を得た。なお、ビーム幅を約30μm、レーザ照射パワーを4000mW、1回転あたりのビーム送り量を2μmとした。
実施例12〜16
出力パワー3400mWにする以外のことは上述の実施例7〜11とすべて同様にして、BCAにバーコード状の記録マークが形成された複数の光記録媒体10を得た。
実施例17〜21
光透過層側からBCAにレーザ光を照射する以外のことは実施例7〜11とすべて同様にして、BCAにバーコード状の記録マークが形成された複数の光記録媒体10を得た。
実施例22〜26
光透過層側からBCAにレーザ光を照射する以外のことは実施例12〜16とすべて同様にして、BCAにバーコード状の記録マークが形成された複数の光記録媒体10を得た。
上述の実施例7〜26では、実用上の観点から、波長810nmの赤外レーザを用いたが、レーザ光の波長は適宜選択できるものであり、赤外レーザは、波長810nmのものに限定されるものではなく、例えば720nm〜2500nmの波長範囲のものを用いることができる。上述の実施例7〜26において波長810nmのレーザ光を用いたのは具体的には以下の理由による。すなわち、基板1上の積層膜を破壊除去することが可能なレーザパワーを、波長810nm以外のレーザでは得ることが困難である。すなわち、650nm帯や400nm帯のレーザではレーザパワーが不足であるため、積層膜を破壊除去することは困難である。
次に、上述のようにして得られた実施例7〜26のBCAに記録された信号を再生し、この再生信号を評価した。
図14は、実施例7〜11のBCAの再生信号の評価結果を示す。図15は、実施例12〜16のBCAの再生信号の評価結果を示す。図16は、実施例17〜21のBCAの再生信号の評価結果を示す。図17は、実施例22〜26のBCAの再生信号の評価結果を示す。図18は、実施例7〜11の再生信号を示す。図19は、実施例12〜16の再生信号を示す。図20は、実施例17〜21の再生信号を示す。図21は、実施例22〜26の再生信号を示す。なお、図14〜図17の評価結果の欄において、「○」は、BCA部の信号レベルが比較的均一で、且つ、記録マークの境界部分に急激に反射率が高くなる領域がない再生信号を示し、「×」は、BCA部の信号レベルが均一でなく、且つ、記録マークの境界部分に急激に反射率が高くなる領域がある再生信号を示している。また、図18〜図21のA〜Eの各図において、下部に示された信号波形は、上部に示された信号波形の一部を拡大したものである。A〜Eはそれぞれ、スキャンスピード3m/s〜11m/sにてBCAを形成した光記録媒体10の信号波形に対応する。
図14〜図17から、光透過層5側からレーザ光を照射した場合には、光学ヘッドスキャンスピードおよびレーザパワーに関わらず、BCA部の信号レベルが均一でなく、且つ、記録マークの境界部分に急激に反射率が高くなる領域があることが分かる。
これに対して、基板1側からレーザ光を照射した場合には、光学ヘッドスキャンスピードを5m/s〜9m/s、レーザパワーを3400mW〜4000mWの範囲とすることにより、BCA部の信号レベルが比較的均一で、且つ、記録マークの境界部分に急激に反射率が高くなる領域がないことが分かる。
以上、この発明の第1〜第4の実施形態について具体的に説明したが、この発明は、上述の第1〜第4の実施形態に限定されるものではなく、この発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。
例えば、上述の第1〜第4の実施形態において挙げた数値はあくまでも例に過ぎず、必要に応じてこれと異なる数値を用いてもよい。
また、上述の第1〜第4の実施形態では、金属膜3をTiから構成する場合について説明したが、Ti以外の光触媒効果を発現する金属材料などから金属膜3を構成しても、上述の第1〜第4の実施形態と同様に情報信号を記録可能な光記録媒体が得られると考えられる。
この発明の第1の実施形態による光記録媒体の一構成例を示す概略断面図である。 この発明の第3の実施形態による光記録媒体を示す平面図である。 この発明の第3の実施形態による光記録媒体に対する固有情報の記録に用いられる記録装置の構成を示すブロック図である。 図4(a)は、BCAに形成された記録マークの一例を示す略線図、図4(b)は、BCAに記録された固有情報を再生したときの再生信号の波形の一例を示す略線図である。 実施例1の光記録媒体の膜構成を示す模式的断面図である。 実施例2の光記録媒体の膜構成を示す模式的断面図である。 比較例1の光記録媒体の膜構成を示す模式的断面図である。 実施例1〜2および比較例1の最適記録パワーPwo、Leading jitterおよびTrailing jitter、ならびにパワーマージンの測定結果を示す。 実施例3の光記録媒体の膜構成を示す模式的断面図である。 実施例4の光記録媒体の膜構成を示す模式的断面図である。 比較例2の光記録媒体の膜構成を示す模式的断面図である。 実施例3〜4および比較例2の最適記録パワーPwo、Leading jitterおよびTrailing jitter、ならびにパワーマージンの測定結果を示す。 図13(a)は、実施例5の再生信号の波形を示す略線図、図13(b)は、実施例6の再生信号の波形を示す略線図である。 実施例7〜11の再生信号の評価結果を示す表である。 実施例12〜16の再生信号の評価結果を示す表である。 実施例17〜21の再生信号の評価結果を示す表である。 実施例22〜26の再生信号の評価結果を示す表である。 実施例7〜11のBCAの再生信号を示す略線図である。 実施例12〜16のBCAの再生信号を示す略線図である。 実施例17〜21のBCAの再生信号を示す略線図である。 実施例22〜26のBCAの再生信号を示す略線図である。
符号の説明
1 基板
2 金属膜
2a 第1の金属膜
2b 第2の金属膜
3 酸化物膜
4 誘電体膜
5 光透過層
6 無機記録膜
10 光記録媒体

Claims (10)

  1. 無機記録膜を有する光記録媒体であって、
    上記無機記録膜が、
    ゲルマニウムの酸化物からなる酸化物膜と、
    上記酸化物膜に隣接する隣接膜と
    を備え、
    上記隣接膜が、
    チタンおよびシリコンからなる第1の隣接膜と、
    上記第1の隣接膜とは組成が異なるチタンおよびシリコンからなる第2の隣接膜と
    を備え、
    上記第1および第2の隣接膜のうち第2の隣接膜が酸化物膜側となるように設けられ、
    上記第1および第2の隣接膜の組成をそれぞれTiSix、TiSiyと表した場合、上記TiSix、TiSiyがx<yの関係を満たすことを特徴とする光記録媒体。
  2. 識別情報が記録された識別情報記録領域を有し、
    上記識別情報は、上記酸化物膜に上記識別情報に応じた記録マークを形成することにより記録されていることを特徴とする請求項1記載の光記録媒体。
  3. 識別情報が記録された識別情報記録領域を有し、
    上記識別情報は、上記無機記録膜を上記識別情報に応じたパターンで除去することにより記録されていることを特徴とする請求項1記載の光記録媒体。
  4. 無機記録膜を有する光記録媒体の製造方法であって、
    ゲルマニウムの酸化物からなる酸化物膜を成膜する工程と、
    金属からなる隣接膜を成膜する工程と
    を備え、
    上記隣接膜の成膜工程は、
    チタンおよびシリコンからなる第1の隣接膜を成膜する工程と、
    上記第1の隣接膜とは組成が異なるチタンおよびシリコンからなる第2の隣接膜を成膜する工程と
    を備え、
    上記酸化物膜および上記隣接膜の成膜工程では、上記酸化物膜と上記第2の隣接膜とが隣接するように成膜され、
    上記第1および第2の隣接膜の組成をそれぞれTiSix、TiSiyと表した場合、上記TiSix、TiSiyがx<yの関係を満たすことを特徴とする光記録媒体の製造方法。
  5. 上記酸化物膜および上記隣接膜の成膜工程を連続して行うことを特徴とする請求項記載の光記録媒体の製造方法。
  6. 波長350nm以上450nm以下のレーザ光を上記酸化物膜側から上記光記録媒体に対して照射することにより、識別情報を記録する工程をさらに備えることを特徴とする請求項4記載の光記録媒体の製造方法。
  7. レーザ光を上記隣接膜側から上記光記録媒体に対して照射することにより、識別情報を記録する工程をさらに備えることを特徴とする請求項4記載の光記録媒体の製造方法。
  8. 無機記録膜を有する光記録媒体であって、
    上記無機記録膜が、
    ゲルマニウムの酸化物からなる酸化物膜と、
    上記酸化物膜に隣接する隣接膜と
    を備え、
    上記隣接膜が、
    アルミニウムからなる第1の隣接膜と、
    チタンからなる第2の隣接膜と
    を備え、
    上記第1および第2の隣接膜のうち第2の隣接膜が酸化物膜側に設けられていることを特徴とする光記録媒体。
  9. 無機記録膜を有する光記録媒体の製造方法であって、
    ゲルマニウムの酸化物からなる酸化物膜を成膜する工程と、
    金属からなる隣接膜を成膜する工程と
    を備え、
    上記隣接膜の成膜工程は、
    アルミニウムからなる第1の隣接膜を成膜する工程と、
    チタンからなる第2の隣接膜を成膜する工程と
    を備え、
    上記酸化物膜および上記隣接膜の成膜工程では、上記酸化物膜と上記第2の隣接膜とが隣接するように成膜され、
    上記酸化物膜および上記隣接膜の成膜工程では、上記酸化物膜と上記隣接膜とが隣接するように成膜されることを特徴とする光記録媒体の製造方法。
  10. 上記酸化物膜および上記隣接膜の成膜工程を連続して行うことを特徴とする請求項記載の光記録媒体の製造方法。
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