JP2006182030A - 情報記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】光ビームの照射により反射率が変化する材料からなる記録層と、記録層を担持する基板とからなり、該記録層は金属窒化物を主成分とし、所定温度よりも低い温度で分解して窒素を生成する低温分解窒化物と、所定温度を越える温度で分解する高温分解窒化物との混合物からなる。
【選択図】図1
Description
記録媒体の記録層は、均一分散した合金とその窒化物などの金属化合物を主要成分とした記録層である。記録時にはレーザ光の照射によって、記録層中の窒化物から窒素が抜ける反応が生じる。そのためには記録層がレーザ光を吸収する必要があるので、窒化物は吸収率を持たねばならない。従って、窒化物は全面窒化して透過率の高い状態ではなく、ある程度の非窒化成分を含む必要がある。しかし、単に不十分な窒化物のみの記録層では、膜質がアモルファス状態の金属薄膜に近くなるため、膜の剛性と応力が低く、熱伝導率も高くなる。そのため、加熱時に熱が横方向に広がるので膜の温度が上がり難くなる他、窒素の熱分解が連鎖反応的に広がり、例えば図16に示すように、光スポットよりも巨大なマーク記録といった現象になってしまう。これはCD程度の記録マークのサイズであればそれ程問題とはならないが、青紫色レーザ光照射による幅0.1〜0.2μmの微細サイズのマーク形成においては、マークエッジの制御が困難となる問題が生じてしまう。
低温分解窒化物は600℃以下の低温で窒素が分離する反応を示す必要があり、更に記録感度の面から400℃以下での反応が望ましいと考えられる。但し、あまり低温で反応してしまうと保存特性への影響が懸念されるので、80℃以下で反応する物質は選択できない。よって、100℃以上が好ましい。また、環境への配慮としてPRTR法で指定されている材料も除いて検討すべきである。スパッタで成膜できる材料であるという条件も含めて検討した結果、我々は低温分解窒化物の候補として、低融点金属であるBiとSnの窒化物に着目する。PRTR法を考慮しなければCuなどの材料も使用可能である。
高温分解化合物は600℃以下の温度では分解せずに安定であり、読み取り光に対しての透過率が比較的高くて、硬度の高い膜である必要がある。代表的な金属化合物としては金属窒化物、金属酸化物、金属炭化物などが挙げられて、それらの混合物でも構わない。また、環境への配慮としてPRTR法で指定されている材料を除いて、更に低温分解窒化物と同時にスパッタ成膜できる材料であるという条件で選定を行う。高温で安定な金属窒化物として、GeN,SiN,AlN,TiNが好ましい。
金属窒化物の記録層5は、種々の気相成長法で成膜できるが、反応スパッタ法により形成することが好ましく、ターゲットとして金属合金を用い、特に、Ar及びN2を含む雰囲気中で反応スパッタ法により形成することが好ましい。この作製プロセスは記録層を1回で均一に成膜できるので好ましい。また、製造方法において、スパッタリングターゲットを1つではなく複数に分割して、コスパッタによって複数のターゲットから同時に成膜する手法も選択可能である。この反応スパッタ法では、スパッタ雰囲気中の流量比Ar:N2を、好ましくは80:10〜10:80、より好ましくは80:10〜30:60とする。すなわち、窒素は記録層が十分な感度及び記録後ジッタ特性を持つだけ添加(スパッタ雰囲気流量比Ar:N2=80:10〜0:100)される。また、窒素は400nm近傍の青紫色レーザ光で十分な吸収を持つ添加範囲(スパッタ雰囲気流量比Ar:N2=30:60〜100:0)で添加される。また、反応スパッタリングであるため窒素ガス導入量の増加とともに成膜レートが遅くなる傾向にあるため、作製が簡単である必要性から成膜レートが2nm/min以上となる範囲(スパッタ雰囲気流量比Ar:N2=10:80〜100:0)以下が望ましい。このようにして形成された記録層は非晶質の金属窒化物が混在していると考えられる。
基板2はガラス又はアクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂若しくはポリオレフィン樹脂などのプラスチック樹脂が用いられる。また、平板上に紫外線硬化性樹脂などをスピンコート法などで、塗布硬化させたり、プラスチック樹脂のシートを接着剤で貼り合わせたものも用いられる。
誘電体層4、6は、各種誘電体から構成され特に限定されず、例えば、SiO2、SiNx、ZnSなどの酸化物、窒化物、硫化物、各種、金属酸化物、金属炭化物、の金属化合物及びその混合物例えばZnS−SiO2である。あるいは、La、Si、O及びNを含有するいわゆるLaSiON、Si、Al、O及びNを含有するいわゆるSiAlON誘電体については、従来から、PRTR法で指定されていない材料の組み合わせのみを選択することができる。誘電体層を複数の層で構成してもよい。
反射層3は、高反射率の金属や合金から構成することが好ましく、例えば、Ag、Al、Au、Pt、Cuなどの1種、又はこれらを少なくとも1種含む合金などから適宜選択すればよい。
情報記録媒体1では、光透過カバー層7を通して記録層5に記録光及び再生光が照射されるので、光透過カバー層7はこれらの光に対して実質的に透明である必要がある。また、光透過カバー層7は、耐擦傷性や耐食性の向上のために設けるものであり、種々の有機系の物質から構成することが好ましいが、特に、放射線硬化型化合物やその組成物を、電子線、紫外線などの放射線により硬化させた物質から構成することができる。
以上では、本発明を片面記録型の情報記録媒体に適用する場合について説明したが、本発明は両面記録型の情報記録媒体にも適用可能である。また、片面記録型であって、光透過カバー層7上に保護層を接着した構成とすることもできる。このように記録媒体の層構造は、上記記録層の組成、組合せ以外でも、本発明の要件を満たせば、例えば、光透過カバー層が無い構成、誘電体層、記録層、反射層以外に、更に他の材料の層を追加した構成、記録層が更に多層である構成、反射層の無い構成、反射層が2層である構成、光反射側基板が無い構成、光入射側及び光反射側基板の位置に更に記録媒体構成が1つ以上追加されていて多層記録が可能なようにしてある構成、など、様々な構成に適用することが可能である。
基板2の表面に、反射層3、第1誘電体層4、記録層5、第2誘電体層6、及び光透過カバー層7を形成し、図1に示される構成の光ディスクのサンプルを作製した。
Arガス70sccmに対してN2ガス20sccmの雰囲気中で反応スパッタして記録層を成膜し、厚さ25nmの光入射側ZnS−SiO2第2誘電体層を設けた以外、実施例1と同一にして、実施例2を形成した。
Arガス50sccmに対してN2ガス40sccmの雰囲気中で反応スパッタして記録層を成膜し、厚さ20nmの光入射側ZnS−SiO2第2誘電体層を設けた以外、実施例1と同一にして、実施例3を形成した。
Arガス20sccmに対してN2ガス70sccmの雰囲気中で反応スパッタして記録層を成膜し、厚さ15nmの光入射側ZnS−SiO2第2誘電体層を設けた以外、実施例1と同一にして、実施例4を形成した。
窒素を添加せずArガスのみの雰囲気中でスパッタして厚さ25nmBiGe記録層を成膜し、厚さ20nm、40nmの光入射側及び反射側ZnS−SiO2誘電体層を設けた以外、実施例1と同一にして、比較例1を形成した。
反射層を成膜せずに、さらに窒素を添加せずArガスのみの雰囲気中でスパッタして厚さ30nmBiGe記録層を成膜し、厚さ30nm、35nmの光入射側及び反射側ZnS−SiO2誘電体層を設けた以外、実施例1と同一にして、比較例2を形成した。
サンプルで得られた測定結果を、図6及び図7に実施例の記録層における波長405nm及び波長635nm光の吸収率変化(ZnS−SiO2誘電体層で封止した状態で測定)、図8に実施例の記録層における窒素添加量に関する記録パワー及び記録後ジッタ変化、図9に実施例の記録層における窒素添加量に関する成膜レート変化、それぞれ示す。
上記実施例と同様に、ポリカーボネート樹脂の基板上に、Ag合金反射層、ZnS−SiO2第1誘電体層、記録層、ZnS−SiO2第2誘電体層、の順に各層をスパッタ法及び反応スパッタ法によって積層した。記録層は窒化していない金属成分の合金ターゲットを用いてArガス中に窒素ガスを導入して反応スパッタを用いて成膜した。その後、ポリカーボネートシートを紫外線硬化樹脂を接着剤に用いて貼り合わせて硬化させて厚さ0.1mmの光入射側保護層を作成し、実施例A〜Cの光ディスクを製造した。表3は各層の膜厚、記録層(膜厚、組成、積層順)と反応スパッタ条件を示す。
上記比較例と同様に、窒素N2添加をせずに合金で記録層を成膜した以外、実施例と同一にして、比較例H、Iの光ディスクを製造した。表4は各層の膜厚、記録層(膜厚、組成、積層順)とスパッタ条件を示す。
2 基板
3 反射層
4 第1誘電体層
5 記録層
6 第2誘電体層
7 光透過カバー層
Claims (13)
- 光ビームの照射により反射率が変化する材料からなり情報が反射率の変化として記録される無機化合物からなる記録層と、前記記録層を担持する基板とからなる情報記録媒体であって、前記記録層が、100℃〜600℃の温度で分解し窒素を生成しかつ完全に窒化していない低温分解金属窒化物と、前記温度を超える温度で分解する金属窒化物、金属酸化物、金属炭化物又はそれらの混合物である高温分解化合物と、の混合物からなることを特徴とする情報記録媒体。
- 前記低温分解金属窒化物はCu又はAgの窒化物であることを特徴とする請求項1記載の情報記録媒体。
- 前記高温分解化合物はGe、Ti、Si、Alのいずれかの窒化物であることを特徴とする請求項1又は2記載の情報記録媒体。
- 前記高温分解化合物の前記金属窒化物はBi、Sn、Feのいずれかと、Si、Ge、Al、Tiから選択された少なくとも1つの物質と、を含有していることを特徴とする請求項1又は2記載の情報記録媒体。
- 前記高温分解化合物の前記金属窒化物はBi及びGeを含有し、Geが85%以上窒化されていることを特徴とする請求項1又は2記載の情報記録媒体。
- Biが90%以下窒化されていることを特徴とする請求項5記載の情報記録媒体。
- Biが94%以下窒化されていることを特徴とする請求項5記載の情報記録媒体。
- 前記高温分解化合物の前記金属窒化物はBi、Sn、Feのいずれかと、Mg、Ca、Sr、Sc、Y、Zr、Hf、V、Nb、Tc、Ru、Rh、W、Re、Os、Ir、Pt、Au、Ta、Ga、O、Cから選択された少なくとも1つの物質と、を含有していることを特徴とする請求項1又は2記載の情報記録媒体。
- 前記高温分解化合物の前記金属窒化物はBi、Sn、Feのいずれかと、Tl、Te、In、Zn、Agから選択された少なくとも1つの物質を含有していることを特徴とする請求項1又は2記載の情報記録媒体。
- 前記高温分解化合物の前記金属窒化物はCuと、Si、Ge、Al、Ti、Mg、Ca、Sr、Sc、Y、Zr、Hf、V、Nb、Tc、Ru、Rh、W、Re、Os、Ir、Pt、Au、Ta、Ga、Tl、Te、In、Zn、Ag、O、Cから選択された少なくとも1つの物質を含有していることを特徴とする請求項1又は2記載の情報記録媒体。
- 前記記録層を保護する保護層を有していることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1記載の情報記録媒体。
- 前記記録層に関して前記光ビームの照射の反対側に反射層を有していることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1記載の情報記録媒体。
- 前記光ビームは385〜450nmの波長を有することを特徴とする請求項1〜12のいずれか1記載の情報記録媒体。
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