JP2009289324A - 追記型光記録媒体 - Google Patents

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Abstract

【課題】再生光安定性を確保するために上部保護層を酸化物等で構成した場合にも記録感度が良好であり、青色レーザ波長領域で良好な記録特性を示し、繰り返し再生特性に優れた追記型光記録媒体の提供。
【解決手段】(1)レーザ光の照射側から順に、硫化物を含む下部保護層と、ビスマス酸化物系の材料で構成される記録層と、酸化物、窒化物及び炭化物の少なくとも1つで構成される膜厚が10〜30nmの上部保護層と、Alで構成される膜厚が10nm以下の界面層と、反射層と、を備えた追記型光記録媒体。
(2)上部保護層は、ZnOとAlの混合物、Si、SiC、Nbの少なくとも1つからなる(1)記載の追記型光記録媒体。
【選択図】図1

Description

本発明は、追記型(WORM:Write Once Read Many)光記録媒体に係り、特に青色波長領域(350〜500nm)のレーザ光による高密度記録が可能で、記録感度の優れた追記型光記録媒体に関する。
近年、青色レーザ波長領域で記録・再生が可能な超高密度型の追記型光記録媒体の開発が行われている。従来のDVD(Digital Versatile Disk)と比べて記録・再生光波長を短波長にし、トラックピッチ、最短ピッチ長を小さくすることにより、高密度記録を実現している。
そんな中、本発明者らは、ビスマス酸化物系の材料を用いた追記型光記録媒体の開発を行なってきた。ビスマス酸化物系の材料を用いた、青色レーザ波長以下でも高密度の記録が可能な追記型光記録媒体として、本発明者らは、金属又は半金属の酸化物、とりわけ酸化ビスマスを主成分とする記録層の有用性を提案している(特許文献1、2)。
ここで、ビスマス酸化物系の材料で構成される記録層を有する追記型光記録媒体においては、(1)ビスマス酸化物が記録光の照射による熱によって分解し金属ビスマスが生成する、(2)金属ビスマスが微結晶化を起こす、(3)ビスマス酸化物が微結晶化を起こす、(4)金属ビスマスとビスマス酸化物が相分離を起こす、等が主たる記録原理になっており、核生成及びその成長による相分離が記録の根源と考えられる。
一方で、ビスマスは、溶融した後、再び結晶化・固形する際に体積膨張を伴うといった独特の特徴がある。従って、ビスマス酸化物系の材料を用いた追記型光記録媒体において、記録光を照射し記録マークを形成する際、上記記録原理よりビスマス酸化物との相分離によって析出した金属ビスマスは、溶融した後、結晶化を起こす際に体積膨張し、保護層への拡散又は保護層材料との相互拡散を起こすと考えられる。この体積膨張、及び保護層への拡散又は保護層材料との相互拡散が伴うことにより、記録前後で大きな光学的な変化を生み、良質な記録マークの形成、そして良好な記録特性を実現できる。そのため、記録後のビスマスの体積膨張、及び、保護層への拡散又は保護層材料との相互拡散が起きるような層構成にする必要がある。
一つの方法は、ビスマス酸化物系の材料で構成される記録層の上下保護層に膜の硬度が低く柔らかい材料を選ぶことである。これにより、記録後のビスマスの膨張・拡散を受容できるからである。本発明者らも、ビスマス酸化物系の材料で構成される記録層を比較的膜硬度が低く柔らかいとされるZnS−SiOで挟む層構成の追記型記録媒体において、高感度記録でかつ良好な記録特性を実現している(特許文献3)。
逆に、ビスマス酸化物系の材料で構成される記録層の上下保護層に硬度の高い硬い材料を選択した場合や上下保護層の膜密度が高い場合、記録時のビスマス酸化物との相分離に伴うビスマスの体積膨張、及び保護層への拡散又は保護層材料との相互拡散が不十分となり、変調度の低下、記録感度の悪化、及びジッタやPRSNRなどといった記録特性の悪化をもたらす。
このように、ビスマス酸化物系の材料で構成される記録層を有する追記型光記録媒体では、記録時の記録層において、ビスマス酸化物との相分離に伴うビスマスの体積膨張、及び保護層への拡散又は保護層材料との相互拡散を起こすために、記録層の上下保護層として膜の硬度が低く柔らかい材料を隣接させることが、高記録感度で、良好な記録特性を実現するための手段の一つとなる。
しかし、この層構成は繰り返し再生特性の悪化をもたらす原因になり得る。記録層を挟む上下保護層材料の硬度が低く柔らかい場合、再生光の繰り返し照射により保護層への拡散や保護層材料との相互拡散を起こすため、記録マーク部分が変動し記録マークが不安定になることが原因の一つとして考えられる。
また、上下保護層材料の膜が柔らかく、記録時にビスマス酸化物との相分離に伴うビスマスの体積膨張、及び上下保護層への拡散が生じるということは、溝進行方向にも膨張するということなので、記録マーク間干渉の増大や記録時に良好な短マークを形成することが難しくなるといった点、更には記録マーク間の未記録部(スペース部分)にも影響が及び、スペース部分の劣化にも繋がる。スペース部が劣化するということは、記録前の反射率に比べ記録後の反射率の低下が大きくなることや、繰り返し再生性特性においては、繰り返し再生光を照射することにより未記録部が劣化し、反射率が低下するといった影響も受けると考えられる。その他にも、記録時のビスマス酸化物との相分離に伴うビスマスの体積膨張及び拡散が上下保護層に及ぶと保存信頼性の点でも不安が残る。
良好な記録感度、記録特性、及び優れた繰り返し再生特性、特に繰り返し再生光を照射したときの反射率の低下の抑制をするためには、記録時のビスマス酸化物との相分離に伴うビスマスの体積膨張及び拡散が上下保護層に大きく影響しないような構成が望まれているが、現在のところ満足する先行技術は見当たらない。
特開2004−64452号公報 特開2003−48375号公報 特開2006−192885号公報
前述したように、ビスマス酸化物系の材料で構成される記録層を備えた追記型光記録媒体において、上部保護層と下部保護層との双方がZnS−SiOからなる場合、記録感度は良好であるが、再生光安定性が劣る。
その対策として、保護層への拡散や保護層材料との相互拡散を防ぐべく、上部保護層を、硫化物(ZnS)よりも構造が安定な酸化物、窒化物及び炭化物の少なくとも1つで構成することが考えられるが、そうすると、再生光安定性は良好となるものの、記録感度が悪くなる。これは、ZnS−SiOに比べて、上部保護層を構成する酸化物等の熱伝導率が高いため、記録に必要な熱が記録層に供給されないためであると考えられる。
そこで、本発明は、ビスマス酸化物系の材料で構成される記録層を備えた追記型光記録媒体において、再生光安定性を確保するために上部保護層を酸化物等で構成した場合にも記録感度が良好であり、青色レーザ波長領域で良好な記録特性を示し、繰り返し再生特性に優れた追記型光記録媒体を提供することを目的とする。
上記課題は次の1)〜4)の発明(以下、本発明1〜4という)によって解決される。
1) レーザ光の照射側から順に、硫化物を含む下部保護層と、ビスマス酸化物系の材料で構成される記録層と、酸化物、窒化物及び炭化物の少なくとも1つで構成される膜厚が10〜30nmの上部保護層と、Alで構成される膜厚が10nm以下の界面層と、反射層と、を備えたことを特徴とする追記型光記録媒体。
2) 界面層の厚さが2〜10nmであることを特徴とする1)記載の追記型光記録媒体。
3) 上部保護層は、ZnOとAlの混合物、Si、SiC、Nbの少なくとも1つからなることを特徴とする1)又は2)記載の追記型光記録媒体。
4) 下部保護層がZnSとSiOの混合物を主成分とすることを特徴とする1)〜3)の何れかに記載の追記型光記録媒体。
以下、上記本発明について詳しく説明する。
本発明の追記型光記録媒体では、記録層にビスマス酸化物系の材料を用いる。ここで、ビスマス酸化物系の材料とは、ビスマス酸化物が主体となって記録がなされる材料を指し、前述した(1)〜(4)のような記録原理により記録がなされると考えられる。典型例としては後述する酸化ビスマスを主成分とする材料が挙げられる。
そして、上述したように、ビスマス酸化物系の材料で構成される記録層を備えた追記型光記録媒体においては、上部保護層及び下部保護層を、硫化物を含む材料で構成すると、再生光安定性に劣ることになるが、本発明は、上部保護層を酸化物、窒化物及び炭化物の少なくとも1つで構成したことにより、再生光安定性を確保することができる。
しかも、本発明は、記録感度を向上させるため、反射層と上部保護層との間にAlで構成される膜厚が10nm以下の界面層を設ける。界面層を設けると、界面層と上部保護層とが混ざるためか、上部保護層の結晶性や熱伝導率が下がり、その結果、記録層に対し記録に必要な熱が供給されるようになるため記録感度が向上すると考えられる。
界面層の膜厚を10nm以下としたのは、Alの熱伝導率が高いため、膜厚が10nmより厚いと界面層が放熱層として機能するようになり、却って記録感度の低下を招くため好ましくないからである。膜厚の下限については、2nmまでは効果を確認しているが、現在の成膜技術では2nm未満の安定した膜を作成することが難しいため詳細は不明である。しかし、後述する本発明者らの実験によれば、2nmでも十分機能していることから、1nm程度あれば界面層としての機能を果たすと予想される。
上部保護層に用いる酸化物としては、Nb、ZnO、SiO、Al、TiO、ZrO、In、MgO等が、窒化物としては、Si、AlN、TiN、BN、ZrN等が、炭化物としては、SiC、TiC、ZrC、TaC、BC、WC等が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
中でも、生産性、記録特性(記録感度、ジッタ、保存信頼性、繰り返し再生特性)などを考慮すると、ZnOとAlの混合物、Si、SiC、Nbの少なくとも1つが好ましい。
上部保護層の厚さは10〜30nm程度とする。ヒートモード記録を行う本発明の媒体では、層構成も熱設計が重要であり、膜厚が10nmより薄いと、界面層や反射層に熱が逃げて記録感度の低下を招くことがあり、30nmより厚いと、クロストークが増大し記録特性の低下を招くことがあるため好ましくない。
下部保護層材料としては、ZnS−SiO、CaS、ZnS、GeSなどが挙げられるが、成膜スピード、スパッタリングターゲットの作製のし易さ、安定性等を考慮すると、ZnS−SiOが最も優れている。特にZnS:SiO=80:20(モル混合比)のものが好ましい。この材料は、屈折率nが高く消衰係数kがほぼゼロであるため、記録層の光の吸収効率を上げることができ、かつ、熱伝導率が小さいため光吸収により発生した熱の拡散を適度に抑えることができるので、記録層を溶融可能な温度まで昇温することができる。
また、下部保護層は、主に記録層の保存信頼性を確保する役割を担う。即ち、基板やカバー層を透過してくる酸素、水分、その他のガスから記録層を守る働きをする。よって、その役割を果たすため、膜厚を15nm以上とすることが好ましい。また、生産性の観点から、100nm以下の膜厚に設定することが好ましい。
以下、図面を参照しながら本発明の一実施形態である光ディスク(追記型光記録媒体)について説明する。
図1に示すように、本実施形態の光ディスクは、記録再生光(レーザ光)の照射側から順に、カバー層1、下部保護層2、記録層3、上部保護層4、界面層5、反射層6、及び基板7を備えている。
製造方法としては、例えば、基板7の上に、スパッタリング法等の公知の方法により、反射層6、界面層5、上部保護層4、記録層3、及び下部保護層2を順に形成し、更に、下部保護層2の上にシート状のカバー層1を貼り合せるようにしている。
基板7の素材としては、熱的、機械的に優れた特性を有するものであればよい。なお、本実施形態の光ディスクは、カバー層1側から記録再生が行われるが、基板7側から(基板7を通して)記録・再生が行われる場合には、光透過特性にも優れたものであれば特別な制限はない。
具体例としては、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、非晶質ポリオレフィン、セルロースアセテート、ポリエチレンテレフタレートなどが挙げられるが、ポリカーボネートや非晶質ポリオレフィンが好ましい。
基板7の厚さは用途により異なり特に制限はない。基板7の表面にトラッキング用の案内溝や案内ピット、更にアドレス信号等のプレフォーマットが形成されていてもよい。
反射層6には、レーザ光に対する反射率が高い光反射性物質が使用される。
このような光反射性物質の例としては、Au、Ag、Cu等の金属、半金属及び合金を挙げることができる。これらの物質は単独で用いても二種以上を組合せて用いてもよい。合金により反射層6を形成する場合には、合金をターゲット材料としたスパッタ法で作製することができるが、これ以外に、チップオンターゲット方式(例えば、Agターゲット上にCuチップを乗せて成膜)、共スパッタ法(例えば、AgターゲットとCuターゲットを使用)によっても作製することができる。また、金属以外の材料を用いて低屈折率層と高屈折率層を交互に積み重ねて多層膜を形成し、反射層6として用いることも可能である。
反射層6を形成する方法としては、例えば、スパッタ法、イオンプレーティング法、化学蒸着法、真空蒸着法等が挙げられる。反射層6の好ましい膜厚は、5〜150nmである。
記録層3は、ビスマス酸化物系の材料で構成される。
このような記録層3としては、例えば、スパッタ法により、BiOxをターゲット組成として形成されるBiO系薄膜、BiFeOxをターゲット組成として形成されるBiFeO、BiBOxをターゲット組成として形成されるBiBO、BiAlOxをターゲット組成として形成されるBiAlO系薄膜、BiBGeOxをターゲット組成として形成されるBiBGeOなどが挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
上記ビスマス酸化物は、青色レーザ対応の記録層材料として非常に有効であり、熱伝導率が低く、耐久性が良好であり、高反射率化や高透過率化が実現しやすい(複素屈折率に起因する)という特徴がある。
記録層の膜厚は、5〜30nmの範囲に設定することが好ましく、5〜15nmが更に好ましい。膜厚が5nmを下回ると、良好な記録感度及び記録特性を確保しにくくなり、また、膜厚が30nmを超えると、追記型光記録媒体としての反射率が急激に低下したり熱伝導率が高くなり過ぎたりして、トラック間の干渉によるクロストークの増大や記録再生特性が劣化する可能性がある。
カバー層1(光透過層)は、膜厚が例えば0.1mmであり、ポリカーボネートシートや、紫外線硬化型樹脂により形成されるのが一般的である。また、本発明で言う光透過層には、光透過層を接着するための層を含めてもよい。
反射層6やカバー層1等の上に更に保護層を形成してもよい。
このような保護層の材料としては、反射層やカバー層1等を外力から保護するものであれば特に限定されない。例えば、有機材料としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂、UV硬化性樹脂等が挙げられる。また、無機材料としては、SiO、Si、MgF、SnO等が挙げられる。熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂は適当な溶剤に溶解した塗布液を塗布し乾燥することによって形成することができる。紫外線硬化性樹脂は、そのまま又は適当な溶剤に溶解した塗布液を塗布し、紫外線を照射して硬化させることによって形成することができる。紫外線硬化性樹脂としては、例えば、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレートなどのアクリレート系樹脂を用いることができる。これらの材料は単独で用いても混合して用いても良いし、1層だけでなく多層膜にして用いても良い。
保護層の形成方法としては、記録層と同様にスピンコート法やキャスト法等の塗布法、スパッタ法、化学蒸着法等が用いられるが、中でもスピンコート法が好ましい。
保護層の膜厚は、一般に0.1〜100μmの範囲であるが、本発明では3〜30μmが好ましい。
また、反射層6或いはカバー層1面に更に基板を貼り合わせてもよく、反射層6やカバー層1面相互を内面とし対向させ光学記録媒体2枚を貼り合わせても良い。基板鏡面側に、表面保護やゴミ等の付着防止のために紫外線硬化樹脂層や、無機系層等を成膜してもよい。
なお、界面層5、上部保護層4及び下部保護層2については、上記で詳細に説明したとおりである。
本発明によれば、再生光安定性を確保するために上部保護層を酸化物等で構成した場合にも記録感度が良好であり、青色レーザ波長領域で良好な記録特性を示し、繰り返し再生特性に優れた追記型光記録媒体を提供できる。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
(比較例1)
図2に示すような構成の追記型光記録媒体を次のようにして作製した。
厚さ1.1mmのポリカーボネート基板上に、Oerlikon(エリコン)社製DVD Sprinterを用いて、スパッタリング法により、AgBi(99.5:0.5原子%)合金からなる膜厚60nmの反射層、ZnO−Al(98:2モル%)からなる膜厚20nmの上部保護層、BiBGeOxからなる膜厚13nmの記録層、ZnS−SiO(80:20モル%)からなる膜厚60nmの下部保護層を順次積層した。
次いで、下部保護層上に、紫外線硬化樹脂(日本化薬社製、BRD807)からなる厚さ0.1mmの光透過層(カバー層)をスピンコーティング法により形成し、厚さ1.2mmの追記型光記録媒体を得た。
なお、上記BiBGeOxの「x」は酸化度を示し、該化合物では酸素欠損が生じていてもよい。上記記録層には、化学量論組成となる酸化物だけでなく、還元体(酸化される元素そのもの)が存在する。また、該酸化物のスパッタリングターゲットはBiとBの混合物であり、スパッタしたときにそれぞれの酸化物がそれぞれ酸素欠損するため、「x」の値を特定することは困難であるが、通常は2〜3の範囲内にある。
(実施例1〜3)(比較例2、3)
反射層と上部保護層との間にAlからなる界面層を設けた点以外は、比較例1と同様にして、図1に示すような層構成の追記型光記録媒体を得た。界面層の膜厚は、実施例1〜3がそれぞれ2nm、5nm、10nm、比較例2〜3がそれぞれ15nm、20nmである。
(実施例4、5)(比較例4、5)
上部保護層の膜厚を変えた点以外は、実施例2と同様にして追記型光記録媒体を得た。
膜厚は、実施例4、5がそれぞれ10nm、30nm、比較例4、5がそれぞれ5nm、35nmである。
(実施例6〜10、比較例6〜10)
上部保護層材料をSiに変えた点以外は、実施例1〜5、比較例1〜5と同様にして追記型光記録媒体を得た。
(実施例11〜15、比較例11〜15)
上部保護層材料をSiCに変えた点以外は、実施例1〜5、比較例1〜5と同様にして追記型光記録媒体を得た。
(実施例16〜20、比較例16〜20)
上部保護層材料をNbに変えた点以外は、実施例1〜5、比較例1〜5と同様にして追記型光記録媒体を得た。
(比較例21)
下部保護層材料を、ZnO−Al(98:2モル%)に変えた点以外は、実施例2と同様にして追記型光記録媒体を得た。
(比較例22)
下部保護層材料を、Siに変えた点以外は、実施例2と同様にして追記型光記録媒体を得た。
(比較例23)
下部保護層材料を、SiCに変えた点以外は、実施例2と同様にして追記型光記録媒体を得た。
(比較例24)
下部保護層材料を、Nbに変えた点以外は、実施例2と同様にして追記型光記録媒体を得た。
(比較例25)
上部保護層材料を、ZnS−SiO(80:20モル%)に変えた点以外は、比較例1と同様にして追記型光記録媒体を得た。
(比較例26)
上部保護層材料を、ZnS−SiO(80:20モル%)に変えた点以外は、実施例2と同様にして追記型光記録媒体を得た。
上記46個の追記型光記録媒体に対し、パルステック工業(株)製の光ディスク評価装置ODU−1000(波長:405nm、NA:0.85)を用い、BD−R規格(System Dscription Blu−ray Disc Recordable Format Part1 Basic Format Specifications Version 1.2)に準拠した記録方法で記録再生評価を行なった。
表1に、記録速度9.84m/s(2倍速記録に相当)としたときの評価結果を示す。
記録感度Po(mW)は、パワーマージンを測定したときにジッタが一番低くなる値とした。
「再生光安定性 反射率低下率R(%)」は、BD−R規格に基づき、記録速度19.68m/s(4倍速に相当)で回転させ、再生パワー0.6mW(高周波重畳あり)で、100万回再生試験をした時の反射率「R8H(%)」の、記録直後の反射率R8H(%)に対する低下率である。
表1の結果から、比較例25、26のように、反射層と硫化物を含む上部保護層の間にAl界面層を挿入しても、反射層の硫化防止の機能は果たすものの、記録感度の向上は見られないが、本発明のような上部保護層を用い、適度な膜厚のAl界面層を挿入すると記録感度が向上することが分かる。
また、実使用上問題の無い反射率低下率は10%以下であるが、比較例25、26以外は、この要件を満たしている。
Figure 2009289324
実施例の追記型光記録媒体の層構成を示す図。 比較例の追記型光記録媒体の層構成を示す図。

Claims (4)

  1. レーザ光の照射側から順に、硫化物を含む下部保護層と、ビスマス酸化物系の材料で構成される記録層と、酸化物、窒化物及び炭化物の少なくとも1つで構成される膜厚が10〜30nmの上部保護層と、Alで構成される膜厚が10nm以下の界面層と、反射層と、を備えたことを特徴とする追記型光記録媒体。
  2. 界面層の厚さが2〜10nmであることを特徴とする請求項1記載の追記型光記録媒体。
  3. 上部保護層は、ZnOとAlの混合物、Si、SiC、Nbの少なくとも1つからなることを特徴とする請求項1又は2記載の追記型光記録媒体。
  4. 下部保護層がZnSとSiOの混合物を主成分とすることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の追記型光記録媒体。
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