JP2002260274A - 相変化型光記録媒体 - Google Patents

相変化型光記録媒体

Info

Publication number
JP2002260274A
JP2002260274A JP2001059314A JP2001059314A JP2002260274A JP 2002260274 A JP2002260274 A JP 2002260274A JP 2001059314 A JP2001059314 A JP 2001059314A JP 2001059314 A JP2001059314 A JP 2001059314A JP 2002260274 A JP2002260274 A JP 2002260274A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
recording medium
recording
optical recording
phase
layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001059314A
Other languages
English (en)
Inventor
Nobuaki Onaki
伸晃 小名木
Hiroshi Miura
博 三浦
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to JP2001059314A priority Critical patent/JP2002260274A/ja
Publication of JP2002260274A publication Critical patent/JP2002260274A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Thermal Transfer Or Thermal Recording In General (AREA)
  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 相変化型光記録媒体に高密度記録する時の熱
干渉で生ずるクロスライトの問題点を解決する方法にお
いて、相変化型光記録媒体のトラック間に記録消去に関
わらず、非晶質状態を維持する領域を設けることによ
り、隣接トラックへの熱干渉のために生ずるクロスライ
トを減らすことができる光記録媒体を提供する。 【解決手段】 結晶構造の変化を利用する相変化型光記
録媒体において、記録トラックの間に、非晶質状態を保
持するガードバンド領域を持つことを特徴とする光記録
媒体を主たる構成にしたこと。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光記録媒体に関
し、さらに詳しくは、相変化型光記録媒体のトラックと
トラック間構成に特徴を有する相変化型光記録媒体に関
する。
【0002】
【従来の技術】相変化型光記録媒体は、近年CD−R
W,DVD−RAM、DVD−RWなどとして実用化さ
れ、コンピューターのデータファイル、ビデオの録画用
などとして幅広く用いられている。
【0003】レーザー光をディスク盤面上に集光し、パ
ルスの時間とパワーを制御することで急冷した場合は、
非晶質化し、記録マークとなし、徐冷した場合は結晶状
態となり消去状態となる。このように光を用いた記録で
あるが、本質は熱記録である。再生は、結晶と非晶質の
間で反射率や、位相が異なることで反射率が変化し、再
生することができる。
【0004】相変化型光ディスクにより多くのデータを
記録しようとした場合、記録マークのマークピッチを短
くすると共に、トラックピッチを短くする必要がある。
マークピッチを短くすることは記録パルスのパルス幅を
短くし、より細かいマルチパルスで記録すると共に記録
パルスの立ち上がり、立ち下がりを高速化することであ
る程度は可能である。トラックに沿った方向の熱の流れ
は、パルスである程度制御が利く。
【0005】これに対し、トラックピッチの方向の熱の
流れは光パルスでは制御できない。熱がにじんでいくこ
とは膜の熱伝導によって自由であって、このために記録
すると、隣接トラックの記録マークが細くなってしまう
などの影響を受ける。繰り返し記録すると、隣接トラッ
クのエラーが増加するという問題がある。これを防ぐに
はトラッキングのために設けられているグルーブの深さ
を深くする手法が唯一知られている方法であった。
【0006】しかし、グルーブの深さは光学的な理由に
よって最適値が存在し、熱設計のみで決められない。ま
た、熱干渉を防ぐためのグルーブ深さはかなり深くする
必要があって、基板の成形が困難になる問題点があっ
た。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、これらの問
題点を解決し、相変化型光記録媒体を用いる時にトラッ
ク間に記録消去に関わらず、非晶質状態を維持する領域
を設けることにより、相変化型光記録媒体に対して高密
度記録する時に隣接トラックへの熱干渉のために生ずる
クロスライトを減らすことができる相変化型光記録媒体
を提供する。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の上記課題は、下
記の手段により達成される。本発明によれば、請求項1
では、結晶構造の変化を利用する相変化型光記録媒体に
おいて、記録トラックの間に、非晶質状態を保持するガ
ードバンド領域を持つことを特徴とする。
【0009】第二に、上記請求項1に示す光記録媒体に
おいて、相変化型記録層がSb3 Te準安定相を基本と
する材料であることを特徴とする。
【0010】第三に、上記請求項2に示す光記録媒体に
おいて、相変化型記録層の組成比が全元素量中のSbTe以
外の添加元素の含有量が15at%以内である材料であ
ることを特徴とする。
【0011】第四に、上記請求項2に示す光記録媒体に
おいて記録マークが非晶質であり、消去領域が結晶質で
あり、かつ記録マークの反射率が消去領域の反射率より
も高いか、同じであることを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】CD−RW,DVD−RW,DV
D+RWなどはグルーブに記録している。ランドは、信
号は全く記録していない。このようなグルーブ記録の光
ディスクのトラックピッチを詰める場合は、ランドを非
晶質状態のままとする。
【0013】DVD−RAMは、グルーブ、ランドの両
方にマークを記録している。このようなランド&グルー
ブ記録の光ディスクの場合は、グルーブとランドの間の
斜面を非晶質状態とする。
【0014】より効果的な方法は、上記ディスクは記録
マークが非晶質であって、反射率が低いのであるが、光
学的な干渉を利用して、逆相とし、非晶質が高反射とな
るようにする。こうすると、成膜直後の相変化膜は全面
非晶質かつ高反射率となり、通常行う初期化という全面
結晶化過程を行わなくてもドライブで記録再生できるよ
うになる。この状態のメディアで記録トラックのみを記
録再生する。トラック間はレーザー照射を受けないため
に必然的に成膜直後の非晶質状態となる。
【0015】非晶質と結晶質では熱伝導率が圧倒的に結
晶質の方が大きい。したがってトラック間の非晶質部分
は、熱伝導率が小さいためにトラック間の熱干渉を遮断
するガードバンドとして機能する。
【0016】光学的な干渉を利用して、逆相とし、非晶
質が高反射となるようしたメディアの場合は、成膜直後
の相変化膜は全面非晶質かつ高反射率となり、通常行う
初期化という全面結晶化過程を行わなくてもドライブで
記録再生できるようになる。この状態のメディアで記録
トラックのみを記録再生すると、トラック間はレーザー
照射を受けないために必然的に成膜直後の非晶質状態と
なっている。成膜後に初期化を行い、その後、トラック
間を再び非晶質化する手順が不用になる。
【0017】ガードバンドとして機能する成膜直後の非
晶質相は、一旦初期化工程を経て再びレーザー光による
急冷で非晶質化した相と構造が微視的に異なり、より熱
伝導が低く、かつ結晶化しにくいのでガードバンドとし
て用いるに好適である。
【0018】さらに相変化記録層をAgInSbTeや
AgInSbTeGe、GeInSbTeなどのSb3
Te基の準安定相を骨格とした材料を用いた場合、本案
はさらに効果的となる。実用的な相変化材料としては、
大きく分けてGe2 Sb2 Te5ノ化合物組成を用いる材
料と、Sb3 Te準安定相を骨格とする材料の2つがあ
る。Sb3 Te材料は結晶状態の熱伝導率がGe2 Sb
2 Te5 材料の結晶状態の熱伝導率よりも大きい。すな
わち、熱干渉しやすい。しかし、非晶質相ではきわめて
熱伝導が小さくなり、Ge2 Sb2 Te5 と同等にな
る。したがってガードバンドの効果がより大きい。
【0019】またSb3 Te基の熱伝導を小さくするた
めには、全元素量中のSbTe以外の添加元素の含有量を1
0at(原子)%以内(以下)にすると特に効果的であ
ることが分かった。またAg、Inを少な目、Geを多
目とすると、熱伝導を小さくするために効果的であっ
た。
【0020】本発明の光記録媒体の層構成を図1に示
す。基板(1)の材料は通常、ガラス、セラミックス、
あるいは樹脂であり、樹脂基板が成形性、コストの点で
好適である。樹脂の代表例としては、ポリカーボネート
樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリスチレン樹
脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体樹脂、ポリエ
チレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、シリコン系樹脂、フ
ッ素系樹脂、ABS樹脂、ウレタン樹脂などがあげられ
るが、加工性、光学特性などの点でポリカーボネート樹
脂、アクリル系樹脂が好ましい。
【0021】第1保護層(2)、及び、第2保護層
(4)の材料としては、SiO、SiO2、ZnO・S
nO 2、Al 23 、TiO 2、In 23 、MgO、
ZrO 2などの金属酸化物、Si 24 、AlN、T
iN、BN、ZrNなどの窒化物、ZnS 、In
23 、TaS 4 などの硫化物、SiC、TaC、B 4
C、WC、TiC、ZrCなどの炭化物やダイヤモンド
状カーボンあるいはこれら上記したそれらの混合物が挙
げられる。これらの材料は単体で保護層とすることもで
きるが、お互いの混合物としてもよい。また、必要に応
じて不純物を含んでいてもよい。ただし、耐熱保護層の
融点は記録層の融点よりも高いことが必要であり、さら
に、熱膨張係数が小さく、密着性が良いことも要求され
る。また、必要に応じて保護層を多層化することもでき
る。
【0022】第1保護層の膜厚としては20〜250n
m、好適には30〜100nmとするのがよい。20n
mよりも薄くなると、耐環境性保護機能の低下、耐熱性
低下、蓄熱効果の低下となり、保護層としての機能を果
たさなくなる。逆に250nmよりも厚くなると、成膜
過程において膜温度の上昇により膜剥離やクラックが発
生したり、記録時の感度の低下をきたしたりするので好
ましくない。上記膜厚の範囲内で反射率とモジュレーシ
ョンが大きくなるように膜厚を設定できる。なお使用す
る光の波長によって最適膜厚は異なる。光の干渉を用い
て変調度を増幅しているためである。使用する波長域に
おいて基板より屈折率が大きい材料を用いることが必要
である。
【0023】第2保護層の膜厚としては、4nmより薄
いと基本的に耐熱性が低下し、好ましくない。100n
mを越えると温度上昇による膜剥離、変形、放熱性の低
下によりオーバーライト特性が悪くなる。上記膜厚の範
囲内で反射率とモジュレーションが大きく、また、反射
放熱層への放熱が良好になるように膜厚を設定できる。
熱干渉を押さえるためには、熱伝導率を小さくして記録
マーク形成への温度上昇を短時間で行い、その後反射放
熱層で、できるだけ速やかに冷却する必要がある。
【0024】記録層(4)には所定組成のSb3 Te基
合金を用いる。膜厚は、5〜50nm、好ましくは、6
〜25nmとする。5nmより薄いと均一な膜になりに
くく、記録層としての機能を果たさなくなる。50nm
より厚いと、信号のジッターが大きくなり、くり返し書
き換え性能が低下する。
【0025】反射放熱層(5)の材料としては、Al、
Au、Cu、Ag等の金属を中心とした材料の単体、あ
るいは合金を用いることができる。必要に応じて、異な
る金属、合金を複数積層しても良い。この層は、熱を効
率的に逃がすことが重要であり、膜厚は20〜250n
mとする。好ましくは30〜150nmが良い。膜厚が
厚すぎると、放熱効率が良すぎて感度が悪くなり、薄す
ぎると感度は良いがオーバーライト特性が悪くなる。特
性としては、熱伝導率が高く、好ましくは100W/m
k以上であり、また、高融点で保護層材料との密着性が
良いこと等が要求される。
【0026】このような保護層や反射放熱層、また、記
録層は、各種気相成長法、例えば真空蒸着法、スパッタ
リング法、プラズマCVD法、光CVD法、イオンプレ
ーティング法、電子ビーム蒸着法などによって形成でき
る。また、本発明の光情報記録媒体は、これまで説明し
てきたような各種の層を有するものに限定されるもので
はなく、例えば反射放熱層の上に有機保護膜を設けても
よく、また、それらを接着剤によって貼り合わせてもよ
い。
【0027】相変化型記録層の熱伝導率について小さな
値であって、測定が困難だったので、電気伝導度で代用
した。金属の場合、熱伝導も電気伝導も同じ自由電子が
伝導の主体であるためである。測定によれば、Sb 3
e系合金薄膜は電気伝導度が結晶−非晶質間で5桁以上
異なることが確認できた。Ge 2Sb 2Te 5系の化合
物系も同様であった。全体的にSb 3Te基材料の方が
電気伝導は良かったため、熱伝導も大きいと考えられ
る。
【0028】(実施例)次に実施例によって本発明をさ
らに詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に
より限定されるものではない。
【0029】実施例1〜6 直径12cm、厚さ0.6mm 、トラックピッチ0.7μm のグル
ーブ付きポリカーボネートディスク基板を高温で脱水処
理した後、スパッタにより第1保護層、記録層、第2保
護層、反射放熱層を順次成膜した。第1保護層としては
ZnS・SiO 2 ターゲットを用い、80nm厚さとし
た。記録層は、所定の組成比のSbTe系合金ターゲットを
アルゴンガス圧3×10-3torr、DCパワー0.4
kWでスパッタし、膜厚20nmとした。第2保護層
は、ZrO2 ・SiO2 ターゲット用い、厚さ15nm
とした。反射放熱層としては、Ag-1.5at% Cu合金タ
ーゲットを用い、厚さ120nmとした。さらに、反射
放熱層上にアクリル系紫外線硬化樹脂からなる有機保護
膜をスピナーによって10μmに塗布し、紫外線硬化さ
せた。ここの面にさらに、直径12cm、厚さ0.6mm のポリ
カーボネートディスクを接着シートにより張り合わせ、
半導体レーザーにより記録層を初期結晶化して光記録媒
体とした。
【0030】この後波長660nm、NA0.65のピ
ックアップを用いたドライブにて DC 光10mW を照射
しながら線速度12m/sでディスクを回転させ、ラン
ドをすべて非晶質化した。記録再生には、波長660n
m、NA0.65のピックアップを用いた。記録方式は
パルス変調法を用い、変調方式はEFM+変調方式で行
った。記録パワー/消去パワーの比を 約1.8〜2.
2にし、再生パワーは0.7mWで行った。線密度は
0.267μm /bitとし、オーバーライトも同様の
条件で行った。ジッターは、data to cloc
kを測定し、記録再生は全て3.5m/sで行った。な
お、実施例1の記録層がGe 2Sb 2Te5 のディスク
は線密度を0.4μm /bitで評価した。これは0.
267μm /bitの記録密度だと、初期ジッターが1
6%程度に達し、エラーが発生し始めるからである。G
2 Sb2 Te5 記録層は熱伝導がSb 3Te基の記録
層に比べて小さい。したがってクロスライト、クロスイ
レーズという、トラックピッチ方向の熱にじみは、もと
もと小さい。しかし線方向の熱干渉に弱く、記録密度が
上げにくい。
【0031】本発明の熱遮断領域はGe 2Sb 2Te5
系ディスクにも有効ではあるが、このように線密度が上
げにくいので記録層はSb 3Te系の方がより好まし
い。評価項目は、クロスイレーズである。5トラック記
録して真ん中の第3トラックを1000回オーバーライ
トする。この時の隣接トラックである、第2、第4トラ
ックのジッターの上昇の平均値を観察した。表1に結果
を示した。ジッターは、記録ストラテジ、記録パワーを
実施例毎に最適化して記録した場合のdata to
clockジッターσをウィンドウ幅Twで規格化した
値σ/Twである。
【0032】
【表1】
【0033】実施例7 記録層の結晶領域が低反射率で、非晶質領域が高反射率
である場合である。直径12cm、厚さ0.6mm 、トラックピ
ッチ0.6μm のランド&グルーブ記録用ポリカーボネー
トディスク基板を高温で脱水処理した後、スパッタによ
り半透明金属層、第1保護層、記録層、第2保護層、反
射放熱層を順次成膜した。成膜はマグネトロンスパッタ
リングを用いた。ここでトラックピッチ0.6μm のラン
ド&グルーブ記録用基板とは、グルーブのピッチは1.
2μm であり、グルーブとランドが半分ずつを占めてい
る基板である。基板上に半透明金属層として Ag-1wt%Pd
-0.9wt%Cu を15nm、第1保護層としてZnS−Si
2 を100nm、記録層としてAg1 In3 Sb65
27Ge4at%を17nm、第2保護層として GeNx-CrNx
混合膜を16nm、反射層として純Agを150nm成
膜した。この後UV樹脂を用いて0.6mmのポリカー
ボネートのダミー板と貼り合せて1.2mm厚さのディ
スクとした。
【0034】このディスクを通常の大口径レーザーによ
る初期化工程を経ることなく、すぐにドライブで記録を
行う。初期の記録層が非晶質の状態で反射率が高いから
である。記録再生には、波長660nm、NA0.65
のピックアップを用いた。記録方式はパルス変調法を用
い、変調方式はEFM+変調方式で行った。記録パワー
/消去パワーの比を約1.8〜2.2にし、再生パワー
は0.7mWで行った。線密度は0.267μm /bi
tとし、オーバーライトも同様の条件で行った。ジッタ
ーは、data to clockを測定し、記録再生
は全て3.5m/sで行った。
【0035】評価項目は、クロスイレーズである。ラン
ド、グルーブ、ランド、グルーブ、ランドと5トラック
記録して真ん中の第3トラックを1000回オーバーラ
イトする。この時の隣接トラックである、第2第4トラ
ックのジッターの上昇の平均値を観察した。ジッター上
昇は0.5%であった。トラックピッチが狭いにもかか
わらず、ジッタ上昇は、1%以下と小さかった。これ
は、成膜直後の非晶質相がグルーブとランドの境界に残
り、熱遮断していることに有効であったと考えられる。
【0036】比較例として、表2に実施例1から6のデ
ィスクに対し、初期化後にランドを非晶質化しなかった
場合を示す。クロスイレーズが実施例よりも大きい。同
じディスクであるが、ランドというガードバンドが結晶
か非晶質かで熱伝導が違うことでクロスイレーズの様子
が異なることがわかる。
【0037】
【表2】
【0038】さらに表3に比較例7〜10として記録層
の組成が添加元素が15at%以上であった場合を示
す。この場合は、ランドの非晶質化は行ったが、記録層
の組成的な面で熱伝導が大きくなりすぎてクロスイレー
ズが大きくなった例である。SbとTeの母相に対して
添加元素が多くなると、ジッター上昇が大きい。これら
の組成でも非晶質では結晶より熱伝導が小さいことは同
様であるが、元々の熱伝導が大きくなるために熱のにじ
みが大きくなりすぎる。また、特にInの増加は、結晶
化温度が著しく上昇し、記録消去の動作温度が高くなり
すぎるためと考えられる。Agは、結晶化温度は上げな
いがそれ自身の熱伝導が大きいために、あまり多量に添
加することは記録層の熱伝導を大きくしすぎる。Ge
は、単体での熱伝導が小さく、記録膜に添加した時の熱
伝導も下げる働きがあるので、副作用は小さい。
【0039】
【表3】
【0040】
【発明の効果】請求項1の結晶構造の変化を利用する相
変化型光記録媒体において、記録トラックの間に、非晶
質状態を保持するガードバンド領域を持つことを特徴と
する光記録媒体に示す発明によれば、記録時の熱にじみ
のトラックピッチ方向への拡散を小さくでき、高密度記
録に適す、光ディスクがえられる。
【0041】請求項2の請求項1に示す光記録媒体にお
いて相変化型記録層がSb3Te準安定相を基本とする
材料であることを特徴とする光記録媒体に示す光ディス
クによれば、Sb3Te基の記録層を用いることで線方
向の記録密度をも高めることができてより高密度記録す
ることができた。
【0042】請求項3の請求項2に示す光記録媒体にお
いて相変化型記録層の組成比が全元素量中のSbTe以
外の添加元素の含有量が15at%以内である材料であ
ることを特徴とする光記録媒体に示す光ディスクによれ
ば、Sb3Te基の記録層を用いた場合、添加物を15
%以下になすことによって記録層の熱伝導率を小さく押
さえることができて小さなクロスイレーズとすることが
できた。
【0043】請求項4の請求項2に示す光記録媒体にお
いて記録マークが非晶質であり、消去領域が結晶質であ
り、かつ記録マークの反射率が消去領域の反射率よりも
高いか、同じであることを特徴とする光記録媒体に示す
光ディスクによれば、初期化工程を経ずに、直接記録消
去用のドライブで信号を記録でき、そのためにトラック
間の部分は成膜直後の非晶質のままとできる。これによ
り、ドライブを用いてガードバンドとする非晶質部分を
形成する手間がなくなり、かつ成膜直後の非晶質相はレ
ーザーの急冷で作る非晶質相よりもより低熱伝導率であ
ることから、クロスイレーズがより小さくでき、結果高
密度記録に適応できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光記録媒体の層構成の一例を示す断面
図である。
【図2】本発明の光記録媒体の層構成で反射放熱層を有
する例の断面図である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結晶構造の変化を利用する相変化型光記
    録媒体において、記録トラックの間に、非晶質状態を保
    持するガードバンド領域を有することを特徴とする相変
    化型光記録媒体。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の相変化型光記録媒体に
    おいて、相変化型記録層がSb3 Te準安定相を基本と
    する材料であることを特徴とする相変化型光記録媒体。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の相変化型光記録媒体に
    おいて、相変化型記録層の組成比が全元素中のSbTe
    以外の添加元素の含有量が15原子%以下である材料で
    あることを特徴とする相変化型光記録媒体。
  4. 【請求項4】 請求項2に記載の相変化型光記録媒体に
    おいて、記録マークが非晶質であり、消去領域が結晶質
    であり、かつ記録マークの反射率が消去領域の反射率よ
    りも高いか、同じであることを特徴とする相変化型光記
    録媒体。
JP2001059314A 2001-03-02 2001-03-02 相変化型光記録媒体 Pending JP2002260274A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001059314A JP2002260274A (ja) 2001-03-02 2001-03-02 相変化型光記録媒体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001059314A JP2002260274A (ja) 2001-03-02 2001-03-02 相変化型光記録媒体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002260274A true JP2002260274A (ja) 2002-09-13

Family

ID=18918891

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001059314A Pending JP2002260274A (ja) 2001-03-02 2001-03-02 相変化型光記録媒体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002260274A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006051922A1 (en) * 2004-11-10 2006-05-18 Ricoh Company, Ltd. Optical recording medium, recording and reproducing method thereof, and optical recording and reproducing apparatus
US7920458B2 (en) 2005-04-27 2011-04-05 Ricoh Company, Ltd. Optical recording medium, and recording and reproducing method

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006051922A1 (en) * 2004-11-10 2006-05-18 Ricoh Company, Ltd. Optical recording medium, recording and reproducing method thereof, and optical recording and reproducing apparatus
US7964260B2 (en) 2004-11-10 2011-06-21 Ricoh Company, Ltd. Optical recording medium, recording and reproducing method thereof, and optical recording and reproducing apparatus
US7920458B2 (en) 2005-04-27 2011-04-05 Ricoh Company, Ltd. Optical recording medium, and recording and reproducing method

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2003034081A (ja) 相変化型光情報記録媒体
JP2001511288A (ja) 再書き込み可能な光学情報媒体
KR100563882B1 (ko) 광디스크
JP4271051B2 (ja) 相変化型情報記録媒体及びスパッタリングターゲット
KR100854953B1 (ko) 재기록가능한 광학 데이터 저장매체와 이 매체의 용도
JP2002260274A (ja) 相変化型光記録媒体
JP3138661B2 (ja) 相変化型光ディスク
JP4468951B2 (ja) 光学的情報記録媒体および光学的情報記録再生システム
KR20050059098A (ko) 재기록가능형 광 데이터 저장매체 및 그 매체의 용도
KR100910127B1 (ko) 재기록가능한 광 저장매체와 이 매체의 용도
JP3920731B2 (ja) 相変化型光記録媒体
WO2005044578A1 (ja) 光記録媒体及びその製造方法、スパッタリングターゲット、並びに光記録媒体の使用方法及び光記録装置
WO2004055791A1 (ja) 光記録方法
JP4047551B2 (ja) 相変化光記録媒体
JP2004181742A (ja) 相変化型光記録媒体
JP2005193663A (ja) 光記録媒体
KR20050026477A (ko) 다층 광 데이터 저장매체와 이 매체의 용도
JP3523799B2 (ja) 相変化記録媒体
JP2007237437A (ja) 光記録媒体
JP2006240031A (ja) 光記録媒体とその製造方法
JP2004249603A (ja) 相変化型光記録媒体
JPH04349242A (ja) 光記録媒体
JP2003285558A (ja) 相変化型光記録媒体
KR20060109453A (ko) 재기록가능한 광학 데이터 기억 매체 및 그 기억 매체의사용
JP2005178372A (ja) 光記録媒体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060327

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20060418

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070425

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070508

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070628

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20080226