JP3523799B2 - 相変化記録媒体 - Google Patents
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Description
て情報の記録再生を行う相変化記録媒体に関する。
性、媒体可搬性を兼ね備えた大容量記憶メディアとし
て、昨今のパーソナルコンピューターの隆盛を支えてい
る。
シンプルな記録原理を武器に最近実用化され始めてお
り、その記録再生原理は、基板上の記録層に半導体レー
ザーを照射して記録部位を非晶質−結晶質と可逆変化さ
せるもので、再生時は記録部位の反射率変化を記録情報
として読み取る。すなわち記録時には、相変化光記録材
料に比較的高出力で短パルスのレーザービームを照射し
て記録部位を融点以上まで加熱した後、急速冷却して非
晶質記録マークを形成する。消去時には、相変化記録材
料に記録時よりも低出力・長パルスのレーザービームを
照射して、結晶化温度以上・融点未満に保持させて結晶
化する。
の反射率変化を読み取るため、光学系の構造が簡単であ
る。また、光磁気記録のように磁界を必要とせず、光強
度変調による重ね書き(オーバーライト)が容易でデータ
転送速度が速いという特徴も持っている。更に、CD-ROM
をはじめとする再生専用ディスクとの互換性にも優れて
いる。
ためには、記録マーク間隔を短くする、記録マークを小
さくする、光源の短波長化などが考えられている。この
うち、記録マーク間隔を短くするためには、ランド・グ
ルーブ(L/G)記録やマーク長記録などが提案されてい
る。L/G記録により従来方式に比べて約2倍の高密度化
が期待できる。またマーク長記録方式は、記録マークエ
ッジ部の反射率変化(反射率の微分成分)を検出するもの
で、従来のマークポジション記録に比べて約1.5倍の高
密度化が期待できる。このような高密度化記録技術に加
えて、ROM媒体などに対して提案されている超解像技術
を用いれば、現状で約650Mbpsi(bit/inch2)の記録
密度を10〜20倍向上させることが可能であると予想され
ている。
に有効と考えられている。光学レンズを用いてレーザー
光源を絞る場合その最小スポットは光源の波長に依存し
ており、波長が短くなるほど光スポットは小さくするこ
とができることから、記録密度は光源波長に反比例して
高密度化することができる。
化光ディスクであるが、数万回以上の書き換えを可能に
するためには解決すべき課題が数多く残されている。上
述したL/G記録はトラック密度を増加させる上では必要
不可欠の技術である反面、トラック間隔が狭くなるにつ
れてクロスイレーズ、クロストークなどの問題が顕著に
なってくる。いずれの問題もトラック幅に対してビーム
径(ビーム強度e-2の直径0.92μm)が大きいことに起因す
るものである。クロスイレーズは、光ビームが対象トラ
ックを記録中に隣接トラックの記録マークの一部を消去
してしまう現象で、保存されるべき情報が破壊されてし
まう深刻な問題である。また、クロストークは、光ビー
ムが対象トラックを再生中に隣接トラックの情報も読み
込んでしまうもので、再生エラーの原因となる。いずれ
の現象も高トラック密度化によってもたらされるもの
で、光ディスクの記録密度を向上させる上では是非とも
解決しなければならない問題である。
を図るために最近、記録層を2層設ける技術が提案され
ており、その一例としてInternational Symposium on O
ptical Memory 1998,pp.144-145(October,1998)に示さ
れている技術を説明する。このディスクは、ポリカーボ
ネート(PC)を用いた第1の基板上にZnS-SiO2/GeSbTe7nm
/Zn-SiO2が順に積層され、またPCを用いた第2の基板上
にAl-Cr/ZnS-SiO2/GeSbTe 10nm/ZnS-SiO2/Au 10nmが順
に積層されており、これらの積層した面同士をUV硬化樹
脂で貼り合わせた構造を有している。1枚のディスクに
GeSbTeの記録層を2層有しているため、記録層が1層の
場合と比較して記憶容量が飛躍的に向上する。
ーバーライト後のジッタがせいぜい12%を下回る程度で
あり、実用的なディスクというにはまだ程遠いものであ
る。このディスクで良好なオーバーライトジッタが得ら
れないのは、クロスイレーズの影響によるものと推測す
ることができる。
光ディスクは、光学系の構造が簡単であり、また、光磁
気記録のように磁界を必要としないためオーバーライト
が容易でデータ転送速度が速い、更に、CD-ROMをはじめ
とする再生専用ディスクとの互換性にも優れているなど
の利点を有しているが、トラック間隔が狭くなるにつれ
てクロストーク、クロスイレーズなどの問題が顕著にな
り、このため面記録密度を向上させる上で障害となって
いるという問題があった。
せるために記録層を2層設ける技術も提案されている
が、このディスクでもクロスイレーズの影響によって良
好なオーバーライトジッタが得られないという問題があ
った。
れたもので、良好なオーバーライトジッタが得られる相
変化記録媒体を提供することを目的とする。
成するために本発明は請求項1の発明として、基板と、
この基板上に形成されかつ光照射によって結晶状態と非
晶質状態とを遷移する2層以上の記録層と、この記録層
のうち少なくとも1層の光入射側に形成された多層干渉
層と、前記記録層のうち少なくとも1層の光入射側とは
反対側に形成された高熱伝導率誘電体層とを有すること
を特徴とする相変化記録媒体を提供する。
基板上に形成されかつ光照射によって結晶状態と非晶質
状態とを遷移する第1記録層と、この第1記録層上に形
成された高熱伝導率誘電体層と、この高熱伝導率誘電体
層上に形成された分離層と、この分離層上に形成された
多層干渉層と、この多層干渉層上に形成されかつ光照射
によって結晶状態と非晶質状態とを遷移する第2記録層
と、を有することを特徴とする相変化記録媒体を提供す
る。
列挙する。
れていること。
いること。
に対して0.5以下であること。
以下に列挙する。
面に形成されていること。
対して10倍以上であること。
と。 (作用)本発明では、記録層の光入射側に多層干渉層を
配置し、更に記録層の光入射側とは反対側に高熱伝導率
誘電体層を設けている。
による結晶−非晶質間の反射率変化が大きくなる。また
結晶/非晶質の吸収率比Ac/Aaを1.0以上に設計すること
が容易になる。 Ac/Aaを1以上、好ましくは1.4程度以
上と大きくすることにより、隣接トラックにある非晶質
記録マークのレーザ光からの熱吸収量を抑えることが可
能となって、その結果クロスイレーズを低減することが
できる。更にAc/Aa>1とすると溶融潜熱を考慮した場合
に溶融時の膜温度を結晶部と非晶質部とで等しくするこ
とができるため、オーバーライトジッタの低減が可能と
なる。
り、記録層に吸収された熱を高熱伝導率誘電体層を通し
て逃がすことができるようになるため、隣接トラックへ
の非晶質記録マークからの熱拡散が抑制され、これによ
ってもクロスイレーズが低減されて、その結果オーバー
ライトジッタが低減される。また熱を逃がすことができ
ることから、符号間干渉も少なくなる。
る。尚、以下の説明においては、相変化記録媒体として
の相変化光ディスクに関して説明を行う。
上に記録層を2層以上有しており、また記録層界面の光
入射側に多層干渉層を配置し、記録層界面の光入射側と
は反対側に高熱伝導率誘電体層を有している。各記録層
は光照射の焦点深度以上の間隔をもって積層される必要
があり、10μm以上離れていることが望ましい。
上に積層された相変化型の記録層、保護層、記録層を分
離する分離層、及び反射層を有する。保護層は記録層の
機械的、化学的保護と同時に、媒体としての光学特性を
調整する干渉膜としての役目も担っている。分離層は2
層以上の記録層に独立して記録・消去・再生を行う際、
光ビームの焦点を各記録層に独立して合わせるために必
要である。また反射層は照射された光ビームを反射させ
て光エネルギーを効率よく利用するためのものである。
はポリカーボネイト(PC)であるが、その他、ポリメチル
メタアクリレート(PMMA)、アモルファスポリオレフィン
(PO)等も用いることができる。
ては、光照射によって結晶状態と非晶質状態を可逆的に
遷移し、両状態間で光学特性が異なる材料が用いられ
る。例えば、Ge-Sb-Te,In-Sb-Te,Sn-Se-Te,Ge-Te-S
n,In-Se-Tl等が挙げられる。またこれらの材料にCo,P
t,Pd,Au,Ag,Ir,Nb,Ta,V,W,Ti,Cr,Zr等を少
なくとも1種以上微量添加しても記録層として良好な特
性が得られる。さらに窒素などの還元性ガスを微量添加
してもよい。相変化型の記録層として最も代表的に用い
られる材料は、 Ge-Sb-Teである。
t1は必要最低限の光吸収と第2記録層以降への光透過量
確保のためにも5nm以上20nm以下であることが望まし
い。また同様の効果を保つために第2記録層以降の平均
膜厚tnはtn≧tn-1の関係を満足することが望ましい。
S,ZnO,SiO2,SiO,Al2O3,Cu2O,CuO,TaO,Y2O3,Zr
O2,CaF2,MgF2,Si3N4及びこれらの複合物等を用いる
ことができる。保護層の平均膜厚は20〜200nmの範囲で
あることが、記録層への吸収率確保と光ディスクとして
のコントラストを最大にするための理由から好ましい。
のエネルギー損失を最小限にすることを考えると、消衰
係数kが光源波長に対して0.1以下である透明材料を用
いることことが望ましい。このような材料としては例え
ば、紫外線(UV)硬化樹脂、PMMA、PCなどの樹脂材料、あ
るいは、 SiO2,Al2O3,TaO,V2O5,CaO,ZrO2,Pb
2O 3,SnO2,CoO,CuO,Cu2O,AgO,ZnO,Fe2O3等の酸化
物やSi3N4,SiON,SiAlON等の窒化物、MgF2,CaF2等の
弗化物が適している。記録層を光ビームの焦点深度以上
に分離するため、分離層の平均膜厚は10μm以上が必要
となる。よってこのような厚膜作製において有利な塗布
型の樹脂材料がより好ましい。これらの材料は必要に応
じて混合物として、あるいは積層させて用いることがで
きる。また余り厚すぎると透過量や2層以上の記録層に
対する焦点深度の観点から望ましくないため50μm 以下
が好ましい。
Ti, TiN, Au, AlMo, AlCu, Ag, Cu,Pt, Pd, Ir等を用い
ることができる。反射層の平均膜厚は20〜200nmの範囲
であることが、反射率確保と冷却速度確保の観点から好
ましい。
録層、保護層、記録層を分離する分離層、及び反射層の
他、各記録層界面の光入射側に1層以上から成る干渉層
を配置する。この際、第1又は第2記録層の少なくとも
一方の界面の光入射側には2層以上の多層干渉層を設け
る。特に第1記録層を、結晶未記録部の反射率が高く非
晶質記録部の反射率が低い、いわゆるH to Lの極性とし
た場合、吸収率確保の観点から第2記録層以降はH to L
の反対極性である、いわゆるL to Hの極性にする必要が
あり、このために第2記録層以降の光入射側に多層干渉
層を設けると効果的であるという理由から、第2記録層
の光入射側界面に多層干渉層を設けることが好ましい。
尚、第1層記録層をH to Lの極性とする理由は、未記録
部で少なくとも5%以上の反射率がないとフォーカス制御
ができなくなるからである。
る。記録層へ効率よく光を吸収させるために各誘電体層
の消衰係数kは0.5以下であることが好ましい。誘電体
層はZnS,ZnO,SiO2,SiO,Al2O3,Cu2O,CuO,TaO,Y2
O3,ZrO2,CaF2,MgF2,Si3N4及びこれらの複合物等
が、薄膜の内部応力を微妙に調整できる等の理由から好
ましい。
渉層を構成し、記録部と未記録部の反射率差、すなわち
ディスクとしての光学的コントラストを最大にするに
は、各誘電体層の屈折率nを1.5以下、1.7以上とするの
が望ましい。薄膜の屈折率は成膜法により著しく異なる
ため、上記の制約はエリプソメトリーなどによって測定
される薄膜の実測値である。
の組み合わせが考えられるが、記録層への光透過量を確
保するためには干渉層の総平均膜厚として、1層、2層
以上いずれの場合にも300nm以下であることが望まし
い。
合わせにより、L to Hの極性やその反対極性となるH to
Lの極性を任意に設計することができる。更にこれらの
誘電体層はその上に直接積層された記録層の2次元成長
を促進させるために、大きな表面エネルギーを有するこ
とが望ましい。固体物質の表面エネルギーは物質固有の
ものであるが、薄膜の場合は成膜条件に大きく左右され
るため、適時表面エネルギーが大きくなるような条件を
選ぶことが好ましい。
の中で隣接する層との間で誘電率が異なることが好まし
い。隣接する層の誘電率が異なれば、誘電体層以外に半
導体層、金属層等を用いることもできる。誘電率は屈折
率nと消衰係数kとを含有する物理量なので、屈折率n
のみが異なっていても良く、消衰係数kのみ、屈折率n
と消衰係数kの双方が異なっていても良い。
的屈折率nが大きいZnS-SiO2を干渉層に用いるのが一般
的である。従って多層干渉層を3層で構成し、第1層、
第3層にはZnS-SiO2を用いることが好ましい。この場
合、第1層、第3層に挟まれる第2層は、 ZnS-SiO2よ
りもnが小さい材料を用いることが、材料選択の幅や光
学設計のマージン等を考えると好ましい。更に第2層に
SiO2を用いると、 ZnS-SiO2との界面における材料の混
合が少なくなるため最も好ましい。
としての光学的コントラストは大きくなる。また、記録
層へ過大な内部応力を付与する材料は避けるべきであ
る。例えば、ZnS-SiO2のSiO2量を増やすと硬度が増すた
めオーバーライトに伴う記録層の変形を許容できなくな
り好ましくない。
り、干渉効果による結晶−非晶質間の反射率変化が大き
くなる。また結晶/非晶質の吸収率比Ac/Aaを1.0以上に
設計することが容易に可能となる。 Ac/Aaを1以上、好
ましくは1.4程度以上と大きくすることにより、隣接ト
ラックにある非晶質記録マークのレーザ光からの熱吸収
量を抑えることが可能となって、その結果クロスイレー
ズを低減することができる。更にAc/Aa>1とすると溶融
潜熱を考慮した場合に溶融時の膜温度を結晶部と非晶質
部とで等しくすることができるため、オーバーライトジ
ッタの低減が可能となる。また大きな表面エネルギーを
有することでその上に形成される記録層の2次元成長を
促進させるために、2次元連続性に優れ繰り返し記録性
能が高い記録層を形成することができる。
層干渉層の他、記録層界面の光入射側とは反対側に高熱
伝導率誘電体層を有している。特に第1記録層に反射層
を設けない場合には、第1記録層に吸収された熱を急峻
に逃すという理由から、第1記録層の光入射側と反対側
界面に高熱伝導率誘電体層を設けることが好ましい。
N,HfN,ZrN,TaN,VN,Si3N4,BN,Al2O3,CaO,MgO,
NiO,TiO,C,HfC,NbC,TaC,TiC,ZrC、及びこれらの
複合物等が高い熱伝導率を得られるという観点から好ま
しい。
しても良い。
層と比べて相対的に大きく、記録層内の面内熱拡散を抑
制するためには、その比が10以上であることが望まし
い。またより具体的には熱伝導率が20W/m/K以上である
ことが好ましい。但し、記録層への熱吸収を考えると10
0W/m/K以下が好ましい。
上、500nm以下であることが望ましい。放熱層として機
能するためには少なくとも10nm以上必要で、記録層への
光透過量を確保するために500nm以下である必要があ
る。
記録層に吸収された熱を高熱伝導率誘電体層を通して逃
がすことができるようになるため、隣接トラックの非晶
質記録マークへの熱拡散が抑制され、これによってもク
ロスイレーズが低減されて、その結果オーバーライトジ
ッタが低減される。また熱を逃がすことができることか
ら、符号間干渉も少なくなる。
を図1に示し、記録・再生方法について説明する。図1
は本発明の一実施の形態に係る光ディスクの概略断面図
である。
り、第1基板1上に、干渉層としての誘電体層2、第1記
録層3、高熱伝導率誘電体層4、分離層5、多層干渉層と
しての誘電体層6-1、6-2、6-3、第2記録層7、誘電体層
8、反射層9、及びPCを用いた第2基板10が順次積層され
ている。誘電体層2を多層干渉層としても良いし、また
誘電体層8を高熱伝導率誘電体層としても良い。
記録層3に集光され記録・消去・再生を行う。この時、
第1記録層3と第2記録層7は十分な間隔を持っているた
め、第2記録層7には集光されず光ビームのエネルギーは
第1記録層3でのみ吸収される。第2記録層7に集光した場
合は同様の理由で第2記録層7のみで記録・消去・再生が
行われる。
で短パルスのレーザービームを照射して記録部位を融点
以上まで加熱した後、急速冷却して非晶質記録マークを
形成する。消去時には、相変化記録材料に記録時よりも
低出力・長パルスのレーザービームを照射して、結晶化
温度以上・融点未満に保持させて結晶化する。また再生
時には、消去時に照射するよりも更に低出力のレーザビ
ームを照射することで再生を行う。
一般的な物理蒸着法で形成することができる。RF/DCス
パッタ法をはじめ、電子ビーム蒸着法、抵抗加熱蒸着
法、分子線エピタキシー(MBE)法など、あらゆる成膜法
で形成できる。記録層の上下に位置する誘電体層の熱伝
導率と光学定数を制御するに際して、成膜プロセスでも
ある程度の制御をすることができる。例えば、窒化物層
をRFスパッタで成膜する場合、RF出力、スパッタガス
圧、窒素添加量などを適宜変えることで熱伝導率、光学
定数が異なる膜を得ることができる。また成膜した後、
各層の表面をバイアススパッタして表面モフォロジーを
改質するとある程度熱伝導率を変化させることができ
る。
ィスクは、例えば次のような手順で作製することができ
る。L/G形状を有する樹脂基板上に上述したいずれかの
方法で干渉層、第1記録層、高熱伝導率誘電体層の順で
成膜する。同じくランド・グルーブ形状を有する樹脂基
板上に反射層、誘電体層、第2記録層、多層干渉層の順
で成膜する。前者の高熱伝導率誘電体層上にUV硬化樹脂
を接着層として塗布し、後者の多層干渉層側を接着す
る。
ディスクを例に挙げて説明したが、本発明は相変化光デ
ィスクに限定されるものではなく、光記録カード、光記
録テープ等の各種の相変化記録媒体に適用可能である。
記録再生装置に関して説明を行う。
し、このレーザービームを光学系によってどちらかの記
録層に集光させて、集光した層のみの記録再生を行う。
データの記録は記録系の動作によってレーザービーム強
度を変調させ、データの再生は再生系の動作によって光
ディスクの反射光から抽出することにより行われる。こ
の他、装置にはサーボ系も設けられており、サーボ系は
ディスクを回転させるモーターの回転制御と共に光学系
の位置制御も行なうことにより、記録層およびトラック
の選択とその追従動作を行う。また、これらの全ての装
置動作を管理するためにコントローラーも設けられてい
る。
化光ディスクの概略断面図を示す。以下、製造工程に沿
ってこのディスクの説明を行う。まず5×10-4(Pa)以下
まで排気した成膜装置内で0.575mm厚でPCを用いた第1
基板11上に、ZnS(80)-SiO2(20)ターゲットにRF電力1kW
を印加してZnS-SiO2を用いた平均膜厚90nmの干渉層とし
ての誘電体層12を成膜し、引き続きGe25Sb23Te52ターゲ
ットにRF電力50Wを印加してGe25Sb23Te52を用いた平均
膜厚10nmの第1記録層13、AlNターゲットにRF電力400W
を印加して(Ar+10%N2)ガス雰囲気中で成膜しAlNを用い
た平均膜厚40nmの高熱伝導誘電体層14を順次形成した。
一方、もう一つの0.6mm厚でPCを用いた第2基板22上
に、AlTiターゲットにDC電力1kWを印加してAlTi を用い
た平均膜厚100nmの反射層21 、TaNターゲットにRF電力5
00Wを印加して(Ar+10%N2)ガス雰囲気中で30nm成膜しTaN
を用いた平均膜厚30nmの高熱伝導誘電体層20を順次形成
し、引き続きGe2Sb2Te5ターゲットにRF電力50Wを印加し
て成膜してGe2Sb2Te5を用いた平均膜厚20nmの第2記録
層18を形成した。その後、ZnS(80)-SiO2(20)ターゲット
にRF電力1kWを印加してZnS-SiO2を用いた平均膜厚70nm
の誘電体層18、SiO2ターゲットにRF電力800Wを印加して
SiO2を用いた平均膜厚100nmの誘電体層17、 ZnS(80)-Si
O2(20)ターゲットにRF電力1kWを印加してSiO2を用いた
平均膜厚70nmの誘電体層16を順次形成した。誘電体16,1
7,18が多層干渉層となる。第1基板11の高熱伝導誘電体
層14上にUV硬化樹脂をスピナーで塗布した後、UV硬化樹
脂と第2基板22の多層干渉層16,17,18側を接着しUV硬化
樹脂の平均膜厚が約50(mとなるよう調整して硬化させ、
UV硬化樹脂を用いた分離層15として実施例1に係る相変
化光ディスクを完成させた。得られたディスクをディス
クAとする。 (比較例1)実施例とほぼ同様にして比較例1のディス
クを作製した。その概略断面図を図2(b)に示す。比
較例1が実施例1と異なっている点は、高熱伝導率誘電
体層14,20の代わりにZnS-SiO2を用いた通常の誘電体層3
4,38を用いている点、多層干渉層16,17,18の代わりにAu
層36を用いている点である。
基板11側から順に ZnS-SiO290nmの誘電体層32/Ge25Sb23
Te5210nmの第1記録層33/ZnS-SiO240nmの誘電体層34 /U
V硬化樹脂50μmの分離層35/Au10nmのAu層36/Ge2Sb2Te52
0nmの第2記録層37/ZnS-SiO230nmの誘電体層38/AlTi100
nmの反射層39/第2基板22である。このディスクをディ
スクBとする。
比較評価を行った。尚、本実施例以降の全ての実施例で
は、下記表1に示す評価条件でディスク特性を調べた。
た5トラックにランダムパターンをオーバーライトした
ときのジッタ特性を示す。図3はランダムジッタの消去
パワー依存性を示しており、横軸が消去パワー、縦軸が
ランダムジッタを表している。
Aは第1記録層において4.5〜6.5mWの範囲で8%前後の良好
なジッタ特性を示しているのに対して、ディスクBは10%
前後にとどまっている。ディスクBではトラック間の熱
伝導制御が適切でないため、主にクロスイレーズの影響
からジッタが増加していると考えられる。
バーライト特性を図4に示す。図4では横軸がオーバー
ライト回数、縦軸がランダムジッタを表している。
ジッタがほとんど変化しないが、ディスクBは103回以上
でジッタの増加が観測される。
クはクロスイレーズが少なく良好なオーバーライト特性
を示すことが明らかになった。 (実施例2)実施例1とほぼ同様の方法で厚さ0.58mmのP
C基板上に、SiO260nm,ZnS(80)-SiO 2(20)100nm,Ge2Sb2
Te58nm,TaCの順で積層した後、もう一方の厚さ0.6mmPC
基板上にAu30nm,GeN40,Ge20Sb24Te5625nm,TiO260n
m, SiO2100nm,ZnS(80)-SiO2(20)70nmの順で積層した
基板同士をUV硬化樹脂40(mを介して膜面で張り合わせ、
実施例2に係るディスクを作製した。
タとしてジッタ特性を調べた。図5はTaCの平均膜厚に対
する第1記録層の5トラックランダムジッタの変化を示し
ており、横軸がTaCの平均膜厚、縦軸がジッタを表して
いる。
5nmにかけて約8%のジッタが得られている。これ以外の
膜厚におけるジッタ増加は記録層面内での熱伝導制御が
適切でないために生じていると思われ、この膜厚がクロ
スイレーズを抑制する上で適当であることを示してい
る。
クはクロスイレーズの低減に有効であることがわかっ
た。 (実施例3)実施例1とほぼ同様の方法で厚さ0.57mmのP
C基板上に、Si3N4120nm,SiO230nm,ZnS(80)-SiO2(20)1
00nm,Ge21Sb24Te5510nm,AlN30nmの順で積層した後、
もう一方の厚さ0.6mmPC基板上にTiN50nm,ZrN,Ge2Sb2T
e518nm,TiO260nm, SiO2100nm,ZnS(80)-SiO2(20)70nm
の順で積層した基板同士をUV硬化樹脂60(mを介して膜面
で張り合わせ、実施例3に係るディスクを作製した。
してジッタ特性を調べた。図6はZrNの平均膜厚に対する
第2記録層の5トラックランダムジッタの変化を示してお
り、横軸がZrNの平均膜厚、縦軸がジッタを表してい
る。
0nmにかけて8%以下のジッタが得られている。これ以外
の膜厚におけるジッタ増加は記録層面内での熱伝導制御
が適切でないために生じていると思われ、この膜厚がク
ロスイレーズを抑制する上で適当であることを示してい
る。
クはクロスイレーズの低減に有効であることがわかっ
た。
ば、多層干渉層と高熱伝導率層を併せて用いることで、
良好なオーバーライトジッタが得られる相変化記録媒体
を提供することができる。
クの概略断面図。
ディスクの概略断面図。
ディスクのランダムジッタ特性を表す特性図。
ディスクのオーバーライト特性を表す特性図。
おけるランダムジッタ特性のTaC膜厚依存性を表す特性
図。
おけるランダムジッタ特性のZrN膜厚依存性を表す特性
図。
Claims (6)
- 【請求項1】基板と、この基板上に形成されかつ光照射
によって結晶状態と非晶質状態とを遷移し結晶未記録状
態の反射率が高く非晶質記録状態の反射率が低い第1記
録層と、この第1記録層上に形成された高熱伝導率誘電
体層と、この高熱伝導率誘電体層上に形成された分離層
と、この分離層上に形成された多層干渉層と、この多層
干渉層上に形成されかつ光照射によって結晶状態と非晶
質状態とを遷移し結晶未記録状態の反射率が低く非晶質
記録状態の反射率が高い第2記録層と、この第2記録層
上に形成された反射層と、を有することを特徴とする相
変化記録媒体。 - 【請求項2】前記多層干渉層が2層以上の誘電体層で構
成されていることを特徴とする請求項1記載の相変化記
録媒体。 - 【請求項3】前記誘電体層の消衰係数kが光源波長に対
して0.5以下であることを特徴とする請求項1または2
の相変化記録媒体。 - 【請求項4】前記多層干渉層の総平均膜厚が300nm以下
であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記
載の相変化記録媒体。 - 【請求項5】前記高熱伝導率誘電体層の熱伝導率が前記
多層干渉層の熱伝導率に対して10倍以上であることを特
徴とする請求項1記載の相変化記録媒体。 - 【請求項6】前記高熱伝導率誘電体層の平均膜厚が10〜
500nmの範囲であることを特徴とする請求項1または5
記載の相変化記録媒体。
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JP08800999A JP3523799B2 (ja) | 1999-03-30 | 1999-03-30 | 相変化記録媒体 |
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JP08800999A JP3523799B2 (ja) | 1999-03-30 | 1999-03-30 | 相変化記録媒体 |
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JP2000285510A JP2000285510A (ja) | 2000-10-13 |
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JP (1) | JP3523799B2 (ja) |
-
1999
- 1999-03-30 JP JP08800999A patent/JP3523799B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JP2000285510A (ja) | 2000-10-13 |
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