JP2007237437A - 光記録媒体 - Google Patents

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Abstract

【課題】結晶相への非晶質マークの形成という高速記録に有利な特性を利用しつつ、初期化工程が不要であるため低コストであるという、青色LDによる高密度記録に適した新規な光記録媒体を提供する。
【解決手段】少なくともSb、または、SbとSnを主成分とする層A41と、1種以上の金属、半導体またはカルコゲン元素を主成分とする層B42とを有し、レーザー光の照射により、前記層A41と層B42が混合して非晶質相を形成することにより記録を行うことを特徴とする光記録媒体。
【選択図】図1

Description

本発明は、光記録媒体に関するものであり、とくに追記可能なDVD、ブルーレイディスク等の高密度記録用の光記録媒体に関するものである。
近年の電子情報の大容量化により、高密度高速記録可能な光記録媒体の需要が高まっている。一度だけ記録が可能な追記型の媒体としては、これまで、CD−R、DVD+R、DVD−R等の赤色のLDにより記録再生を行う媒体が実用化されてきている。近年は、さらに大容量の記録が可能な青色のLDを用いて記録再生を行う媒体が開発されている。CD−R、DVD+R、DVD−Rでは、記録層として有機色素を用いている。このような媒体は、構成する層の数が少なく、また、有機色素は塗布で形成できるため、安価であり広く普及している。しかし、有機色素は耐光性に劣る場合が多く、保存安定性に問題があった。
また、青色のLDにより記録再生を行う追記型の媒体としては、青色に対応した有機色素を合成することが難しかったこともあり、記録層として無機材料を使用したものが種々提案されている。
特許文献1〜3には、記録層としてそれぞれ異なる金属を主成分とした少なくとも2層の記録層を積層し、LD照射により各層が混合し、反射率の異なるマークが形成されることが示されている。特許文献1、2は記録層の組み合わせとして、Zn/Sn、Zn/(Bi、Sb、Sn)−Teなどが例示されている。これらは、基本的には記録層以外に、無機保護膜や金属反射層等は設けない構成で高反射率、高変調度が得られる追記型の記録媒体を得ようとするものであり、そのため、記録層の膜厚を厚くする必要がある。記録層の膜厚が厚いと、変調度はある程度大きくとれるものの、青色のLDで記録するような高密度記録時にはジッターが大きくなってしまう傾向がある。高密度記録でもジッターを小さくできるように、記録層の膜厚を薄くすると、特許文献1、2に示されているような組み合わせでは、単に2層を混合しただけの混合前後での反射率差は小さく、変調度を大きくすることができない。
特許文献3には、記録層の組み合わせとしては、Al/Sb、Si/Cuなどが挙げられており、これらはAlSbのような金属間化合物を生成するか、あるいは、主成分金属同士が結合した状態の混合物として存在すると考えられている。しかし、金属間化合物、あるいは、主成分金属同士が結合するためには、ある程度の反応時間が必要であるため、高速記録には限界があると考えられる。
特許文献4には、記録層としてGe−Sb−Te等の相変化材料を用い、結晶相に非晶質マークを記録する例が示されている。記録層に接するよう消去防止層を設け、ダイレクトオーバーライトを困難にし、追記型記録媒体として利用するものである。記録層が溶融するパワーのLDを照射しさえすれば、非晶質相の形成は冷却時に瞬時に行われるため、高速記録には有利であると考えられる。しかし、相変化記録層を用いた繰り返し記録型媒体同様、初期状態として全て結晶相にするために、基板上に各種の膜を形成した後、大口径LDによる初期化工程を必要とし、高コストにならざるを得ない。
特開2002−50076号公報 特開2003−11503号公報 国際公開WO2003/025924号パンフレット 特開2004−220758号公報
そこで本発明は、結晶相への非晶質マークの形成という高速記録に有利な特性を利用しつつ、初期化工程が不要であるため低コストであるという、青色LDによる高密度記録に適した新規な光記録媒体を提供することを目的としている。
本発明は、以下の通りである。
1)少なくともSb、または、SbとSnを主成分とする層Aと、1種以上の金属、半導体またはカルコゲン元素を主成分とする層Bとを有し、レーザー光の照射により、前記層Aと層Bが混合して非晶質相を形成することにより記録を行うことを特徴とする光記録媒体。
2)基板上に光の入射方向から順次、第一保護層;少なくともSb、または、SbとSnを主成分とする層Aと、1種以上の金属、半導体またはカルコゲン元素を主成分とする層Bとを積層した記録層;第二保護層;および反射層を有し、レーザー光の照射により、前記層Aと層Bが混合して非晶質相を形成することにより記録を行うことを特徴とする光記録媒体。
3)前記層Bは、Al、Si、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、Se、Ag、In、Te、Ta、WおよびAuからなる群から選択される少なくとも1種以上の元素を主成分とすることを特徴とする上記1)または2)に記載の光記録媒体。
4)前記層Aが溶融し得るパワーのレーザー光をパルス的に照射することにより記録を行うことを特徴とする上記1)〜3)のいずれかに記載の光記録媒体。
本発明の光記録媒体は、結晶相への非晶質マークの形成という、高速記録に適した記録が可能で、かつ、初期化工程は不要なため低コストであり、青色LDによる高密度記録に適した追記型高密度光記録媒体である。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
図1および2は、本発明の光記録媒体の構成例を説明するための断面図である。図1は積層された記録層を1組有する光記録媒体の断面図であり、図2は記録層を2組有する光記録媒体の断面図である。
図1の光記録媒体は、案内溝を有する基板1上に、反射層2、第二保護層3、積層された記録層4、第一保護層5、カバー層6が順次積層形成されている。記録層4は、層A41および層B42が積層された構成である。図2の光記録媒体は、案内溝を有する基板1上に、反射層2、第二保護層3、積層された記録層4、第一保護層5が形成され、案内溝付きの中間層7を介して、さらに、放熱層8、反射層2’、第二保護層3’、記録層4’、第一保護層5’、カバー層6が順次積層形成されている。記録層4は、層A41および層B42が積層された構成であり、記録層4’は、層A41’および層B42’が積層された構成である。
これらの例では、光はカバー層6側から入射する。
記録層4または4’は、少なくともSb、または、SbとSnを主成分とする層A41(41’)と、1種以上の金属、半導体またはカルコゲン元素を主成分とする層B42(42’)とが積層されている。Sb、または、SbとSnを主成分とする層Aを、通常の光記録媒体を形成するスパッタ装置で形成すると、初期状態は結晶相であるので、Ag―In−Sb−TeやGe−Sb−Teのような繰り返し記録に使用される相変化記録層を用いた場合と異なり、初期化工程は必要ない。
層Aと層Bを積層する順番はどちらが入射光側であっても構わない。また、層Aと層Bは接していることが好ましいが、間に数nm程度の中間層が介在していても層Bが層A中に混合できれば構わない。記録用のレーザー光を照射すると、記録層で吸収・発熱する。Sb、または、SbとSnを主成分とする層Aが溶融すると、1種以上の金属、半導体またはカルコゲン元素を主成分とする層Bが拡散し、層A中に混合する。層Bは溶融してもしなくともよい。層Aが溶融した後、層Bの成分と混合した状態で急冷されると、層Bの成分の存在により層Aの結晶化が阻害され、非晶質を形成する。従って、相変化記録媒体に繰り返し記録を行う場合と同様の記録波形パターンでLDを発光させて記録すると結晶中に非晶質のマークが形成されていく。
これに繰り返し記録を行おうとすると、マーク部とスペース部では組成が異なるために新たな情報は上書きできない。強い連続光を照射して非晶質マークを結晶化させ、情報を消去した後に上書きを行おうとしても、マークが形成されたところと未形成のところでは組成が異なるため、ジッターが著しく大きくなってしまう。記録波形パターンや連続光の照射を何度か繰り返し、層Aと層Bを均一に混合させようとしても、均一にはなり得ず、これに上書きしてもジッターが著しく大きくなってしまう。従って、記録情報の改ざんができない追記型の光記録媒体として使用することができる。
[記録層]
記録層4の層Aとしては、少なくともSb、または、SbとSnを主成分とし、例えばSbとSnの合金を主成分とする。スパッタで膜を形成したときに、Sb、または、SbとSnの結晶化を阻害しない元素は層Aに含まれていてもよい。本発明において「主成分とする」とは、50原子%以上、より好ましくは80原子%以上含有することをいう。SbとSnの合金の場合、Sn/(Sb+Sn)は、原子比で、0.5以下、より好ましくは、0.3以下とするのがよい。これよりSnの量が多いと、結晶と非晶質の反射率差が小さくなってしまうためである。層Bとしては、層Aの結晶化を阻害し、非晶質化を促進するような元素を主成分とする。ここで、「主成分とする」とは、50原子%以上含有することをいう。層Bは、Al、Si、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、Se、Ag、In、Te、Ta、WおよびAuからなる群から選択される1種以上の元素とすることが好ましい。これらは単体でも、あるいは数種類を組み合わせてもよい。層Bにおける前記元素は、SbやSbとSnの合金と混合されていてもよい。層Bにより形成される膜は、結晶でも非晶質でも構わない。これらの元素は、本発明者らがSb、または、Sb−Snをベースとした相変化材料を種々検討した結果、ジッターが小さく、変調度が大きい組み合わせとして抽出したものである。層Bは記録時に必ずしも溶融する必要はないため、Taのような、所謂、高融点金属であっても効果を発揮する。
層Aの厚さは、5〜30nmが好ましい。5nmより薄いと変調度が小さくなってしまい、良好な記録が困難となる。一方、30nmを超えると、記録感度が低下してしまう。層Bの厚さは2〜20nmが好ましい。1nmより薄いと媒体の全面に渡って均一な膜を形成することが困難となるため、場所により特性のばらつきを生じてしまいやすくなる。20nmより厚いと記録感度の低下を招く恐れがある。
次に、記録層以外の各層の材料や膜厚について説明する。
[基板]
基板1としては透明基板であって、その材料は、通常ガラス、セラミックス、あるいは樹脂であり、樹脂基板が成形性、コストの点で好適である。樹脂の例としてはポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、ABS樹脂、ウレタン樹脂などが挙げられるが、成形性、光学特性、コストの点で優れるポリカーボネート樹脂、アクリル系樹脂が好ましい。基板1は、準拠する規格に適した大きさ、厚さ、溝形状を有するように成形したものを用いる。
[第一保護層]
第一保護層5,5’の材料としては、Si、Zn、Sn、In、Mg、Al、Ti、Zrなどの各酸化物;Si、Ge、Al、Ti、B、Zrなどの各窒化物;Zn、Taなどの各硫化物;Si、Ta、B、W、Ti、Zrなどの各炭化物;ダイヤモンド状カーボン;或いはそれらの混合物が挙げられる。中でも、モル比が7:3から8:2近傍のZnSとSiOの混合物が好ましく、特に熱膨張変化、高温・室温変化の熱ダメージを伴う記録層4とカバー層6の間に位置する第一保護層5としては、光学定数、熱膨張係数、弾性率が最適化されている(ZnS)80(SiO20(モル%)が望ましい。第一保護層5の膜厚は、反射率、変調度や記録感度に大きく影響するので、下部保護層の膜厚に対して、ディスク反射率が極小値となる膜厚とすると記録感度が増大し、望ましい。DVDの記録再生波長において良好な信号特性を得るためには、第一保護層に(ZnS)80(SiO20(モル%)を用いた場合、40〜80nm、Blu−ray Discでは、20〜50nm、HD DVDでは、30〜60nmとすることが好適である。これらの範囲より薄いと、基板1への熱ダメージが大きくなり、溝形状の変化が起こる。また、厚いと、ディスク反射率が高くなり、感度が低下する。
[第二保護層]
第二保護層3,3’の材料としては、第一保護層5,5’と同様に、Si、Zn、Sn、In、Mg、Al、Ti、Zrなどの各酸化物;Si、Ge、Al、Ti、B、Zrなどの各窒化物;Zn、Taなどの各硫化物;Si、Ta、B、W、Ti、Zrなどの各炭化物;ダイヤモンド状カーボン;或いはそれらの混合物が挙げられる。第二保護層3,3’も反射率、変調度に影響するが、記録感度への影響が最も大きく、適切な熱伝導率を有するものを用いることが重要である。モル比が7:3から8:2近傍のZnSとSiOの混合物は、熱伝導率が小さく、反射層への放熱速度を小さくするため、記録感度が良い。ただし、記録層の層Aと層Bの組み合わせによっては、第二保護層3,3’の熱伝導率が小さいと非晶質が形成されにくい場合もあるので、熱伝導率の大きい材料を選ぶ場合もある。また、図2の形態において、第二保護層3’は、光記録媒体の光の入射側からみて手前の記録層4’付近に位置しており、反射層2’が薄く放熱性が悪い場合は、熱伝導率の高い材料を用いた方が好ましい場合もある。熱伝導率の大きい材料としては、透明導電膜として知られるIn、ZnO、SnOを主成分としたものやそれらの混合物、あるいは、TiO、Al、ZrOを主成分としたものやそれらの混合物などを用いることができる。
第二保護層3,3’の膜厚は、4〜50nmが好適である。4nmより薄い場合には記録層の光吸収率が低下し、さらに、記録層4,4’で発生した熱が反射層2,2’へ拡散されやすくなるため、記録感度が大幅に低下してしまうので好ましくない。50nmより厚くなると、クラックが発生しやすくなるため、好ましくない。
[反射層]
反射層2,2’としてはAl,Au,Ag,Cu等の金属、及びそれらを主成分とする合金が好ましい。反射層2,2’は、記録再生時の光を反射して、光の利用効率を高めると共に、記録時に発生した熱を逃がす放熱層の役割も担う。図1において、記録層が1組である光記録媒体の場合、あるいは、図2において、記録層が2組である光記録媒体の光の入射側からみて奥側の記録層4へ記録する場合の反射層2は、光の利用効率と冷却速度の確保の観点から、70nm以上の厚さとすることが望ましい。しかし、光の利用効率、及び、冷却速度はある程度の膜厚以上は飽和してしまい、また、厚過ぎると膜応力により基板の反りを生じたり、膜剥がれを起こす場合もあるので、300nm以下とすることが望ましい。
図2において、記録層が2組である光記録媒体の光の入射側からみて手前の記録層4’へ記録するときの反射層2’は、光を透過する必要があることからあまり厚くすることはできず、5〜15nmの範囲とすることが望ましい。しかし、これでは、放熱特性が悪いため、良好な記録ができない場合があるため、次に説明する放熱層8を用いる。また、記録層4と4’は同じ材料を用いても、異なる材料を用いても良い。
[放熱層]
放熱層8は、図2において、記録層が2組である光記録媒体の光の入射側からみて手前の記録層4’へ記録する場合の放熱性を確保と反射率の調整のために用いられる。透過率が高く、熱伝導率が大きいことが望ましく、透明導電膜として知られるIn、ZnO、SnOを主成分としたものやそれらの混合物、あるいは、TiO、Al、ZrOを主成分としたものやそれらの混合物などを用いることができる。記録層の組成によってはそれ程放熱性を必要としない場合もあるので、その場合には、保護膜としてよく用いられるZnSとSiOの混合物を用いてもよい。
放熱層8の厚さは、10〜150nm程度が好ましい。10nmより薄いと、放熱層や光学調整層としての機能に不足し、厚すぎると、膜応力により基板の反りを生じてしまったり、膜剥がれを起こす恐れもあるためである。
[中間層]
中間層7は、2層の記録媒体の各層を分離するための層であり、Blu−ray Discでは例えば厚さ25μmの透明樹脂層で形成される。
[カバー層]
カバー層6は、Blu−ray Discの場合には、光が入射、透過する層で、図1における記録層が1組の媒体の場合には、例えば厚さ100μm、図2における記録層が2組の媒体の場合には、例えば厚さ75μmの透明樹脂層で形成される。
次に記録方法について説明する。
未記録状態を高反射率の結晶相とし、これに低反射率の非晶質相からなるマークと高反射率の結晶相からなるスペースを形成することにより情報を記録する。
記録は相変化記録層を用いた繰り返し記録媒体へ記録するのと同様のパルス分割され、3値に強度変調された記録光を媒体に照射することで行うことができる。その例を図3に示した。非晶質マークの形成は、Pw>Pbの関係にあるパワーPwの加熱パルスとパワーPbの冷却パルスを交互に照射することにより行う。加熱パルスが照射されると、記録層における層Aが溶融し、これに伴い、記録層の層Bの成分が層A中に混合する。次に冷却パルスを照射すると層Aの溶融部分は冷却し、溶融状態から固相状態へ変化する。記録層の成分が層Aだけである場合、非常に結晶化しやすい状態にあるため、固相状態になるときに速やかに結晶化し、非晶質マークは形成されないが、層Bの成分が混合したことにより結晶化が阻害され、非晶質相が形成される。スペース部では、Pb≦Pb1<Pwの関係にあるパワーPb1を照射する。図3の例は、マーク長が基準クロックTに対して1T長くなる毎に一組の加熱パルスと冷却パルスを追加する方法であるが、この他、マーク長が2T長くなる毎に一組の加熱パルスと冷却パルスを追加する方法や、図4に示したように、マーク長に応じた長い加熱パルスのみを与える方法などでも記録することができる。これは、記録層の層Aと層Bの材料や膜厚の組み合わせにより最適な記録方法を選べばよい。
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例により限定されるものではない。
(実施例1〜6)
記録層を1組有する光記録媒体として、直径12cm、厚さ1.1mm、トラックピッチ0.32μmの案内溝付きポリカーボネートディスク基板上にユナクシス社製DVDsprinterにて、反射層2としてAg合金を140nm、第二保護層3としてZrOとTiOの混合物を10nm、記録層4として、表1に示した層Bの材料を2nm、層Aの材料を9nm、第一保護層5としてモル比が8:2のZnSとSiOからなる層を厚さ33nm、この順にスパッタにより形成した。次いで、第一保護層5上に0.25μmの紫外線硬化型接着剤(日本化薬社製、DVD003)で、0.75μmの帝人製ポリカーボネートフィルムを貼りあわせてカバー層6とし、光記録媒体を得た。
このような媒体に対して、波長405nm、NA=0.85のピックアップヘッドを有するパルステック工業製光ディスク評価装置ODU−1000を用いて、17PP変調、記録線速9.84m/s、再生線速4.92m/sで記録特性を評価した。記録ストラテジ、記録パワーは各々最適化した。再生パワーは0.35mWである。
表1に記録特性として、3トラック記録して真中のトラックのリミットエコライズ後のジッターが、7%以下の値が得られた場合を○、9%以下の値が得られた場合を△、9%を超えてしまった場合は×で示した。9%以下の特性が得られていれば、層構成や組成の最適化により規格値である6.5%以下を満足し得るような光記録媒体を形成することができる。
これらに、連速光を照射後に再記録したり、記録線速を4.92m/sとして記録を行ったりしてみたが、ジッターは全て20%を超えてしまうような記録しか行えず、データの改ざんはできないことを確認した。
Figure 2007237437
(実施例7〜8)
第二保護層材料以外は実施例1と同じ材料、膜厚を使用し、第二保護層材料として表2に示した材料を8nm用いた媒体の記録特性を評価した。評価方法も実施例1〜6と同じである。ジッターはいずれの場合も9%以下の値が得られ、最適化によりさらに良好な特性の媒体が得られる可能性を確認した。
実施例1〜6と同様に再記録が可能であるかどうかも評価したが、やはりジッターは全て20%を超えてしまい、データの改ざんはできないことが確認できた。
Figure 2007237437
(比較例1)
実施例1、2と同様の構成で、記録層は層Aのみで層Bを設けない媒体の場合、記録はできなかった。
(比較例2)
記録層として予め実施例1の層Aと層Bを混合するように同時スパッタで形成した。as-depoの状態で非晶質であり初期化工程により初期化を必要とした。初期化後は記録が可能であり、ジッターが7%以下の良好な記録特性が得られたが、連続光を照射してデータを消去した後、再記録を行うと、またジッターは7%以下の良好な記録を行うことができた。従って、一度だけ記録できる追記型の記録媒体としては使用できないことがわかった。
本発明によれば、結晶相への非晶質マークの形成という高速記録に有利な特性を利用しつつ、初期化工程が不要であるため低コストであるという、青色LDによる高密度記録に適した新規な光記録媒体を提供し、追記可能なDVD、ブルーレイディスク等の高密度記録用の光記録媒体として有用である。
本発明の光記録媒体の構成例を説明するための断面図である。 本発明の光記録媒体の構成例を説明するための断面図である。 本発明の光記録媒体における記録方法を説明するための図である。 本発明の光記録媒体における記録方法を説明するための図である。
符号の説明
1 基板
2,2’ 反射層
3,3’ 第二保護層
4 記録層
41 層A
42 層B
5,5’ 第一保護層
6 カバー層
7 中間層
8 放熱層

Claims (4)

  1. 少なくともSb、または、SbとSnを主成分とする層Aと、1種以上の金属、半導体またはカルコゲン元素を主成分とする層Bとを有し、レーザー光の照射により、前記層Aと層Bが混合して非晶質相を形成することにより記録を行うことを特徴とする光記録媒体。
  2. 基板上に光の入射方向から順次、第一保護層;少なくともSb、または、SbとSnを主成分とする層Aと、1種以上の金属、半導体またはカルコゲン元素を主成分とする層Bとを積層した記録層;第二保護層;および反射層を有し、レーザー光の照射により、前記層Aと層Bが混合して非晶質相を形成することにより記録を行うことを特徴とする光記録媒体。
  3. 前記層Bは、Al、Si、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、Se、Ag、In、Te、Ta、WおよびAuからなる群から選択される少なくとも1種以上の元素を主成分とすることを特徴とする請求項1または2に記載の光記録媒体。
  4. 前記層Aが溶融し得るパワーのレーザー光をパルス的に照射することにより記録を行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光記録媒体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2018106794A (ja) * 2012-06-04 2018-07-05 ソニー株式会社 情報記録媒体

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