JP2006240031A - 光記録媒体とその製造方法 - Google Patents

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裕司 三浦
Chikayuki Iwata
周行 岩田
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憲吾 牧田
Eiko Hibino
栄子 日比野
Masato Harigai
眞人 針谷
Kazunori Ito
和典 伊藤
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Abstract

【課題】 DVD−ROM並の高密度、大容量の記録媒体であり、高線速でのオーバーライトが可能であり、十分な変調度を確保でき、保存信頼性に優れた相変化型光記録媒体の提供。
【解決手段】 基板上に、少なくとも第1保護層、記録層、第2保護層、反射層をこの順に或いは逆順に有し、電磁波の照射により記録層に結晶相と非晶質相の可逆的な相変化を生じ、その光学的な変化を利用して少なくとも情報の記録再生が行われる光記録媒体において、記録層が、SbとSb以外の元素からなり、該Sb以外の元素が水素と結合していることを特徴とする相変化型光記録媒体。
【選択図】 図1

Description

本発明は、光ビームを照射して相変化材料からなる記録層に光学的な変化を生じさせることにより、少なくとも情報の記録と再生を行う書換え可能な光情報記録媒体に関するものである。
従来、電磁波、特にレーザー光等の光ビームを照射することにより、少なくとも情報の記録、再生、消去及びオーバーライト(書換え)が可能な光記録媒体の一例として、結晶相−非晶質相間、又は結晶相−結晶相間の相転移を利用する、相変化型光ディスク等の相変化型光記録媒体が知られている。これらの相変化型光記録媒体は、単一ビームによるオーバーライトが可能であり、ドライブ型装置の光学系が単純なため、コンピュータや映像・音響関連の記録媒体として使用されている。
相変化型光記録媒体の記録材料としては、従来、Ge−Te系、Ge−Te−Se系、In−Sb系、Ga−Sb系、Ge−Sb−Te系、Ag−In−Sb−Te系等の相変化記録材料が用いられている。
特に、Ag−In−Sb−Te系相変化記録材料は、記録感度が高く、非晶質(アモルファス)状態の記録マークの輪郭が明確であるという特徴を有するので、マークエッジ記録用材料として有用であることが知られており(特許文献1〜3)、既にマークエッジ記録用材料として使用されている。また、特許文献4〜5には、類似した系であるAg−Sb−Te系の相変化記録材料も開示されている。
しかし、上記相変化記録材料はCD−RW等の比較的低い密度を有する記録媒体に用いられるものであって、より高い記録密度を有するDVD−RAMやDVD−RW等に用いた場合、記録線速が3.5m/s程度の低速ではオーバーライトが可能であるが、7.0m/s(2倍速)以上になると、オーバーライト特性が劣化する。この特性劣化の原因は、前記相変化記録材料の結晶化速度が遅いため、高記録線速でのオーバーライトが困難になるからである。
この特性劣化を防止するために、前記相変化記録材料の組成分であるSbの組成量を増やして該相変化記録材料の結晶化速度を速くすることもできるが、その場合にはSb量が増加することにより結晶化速度が低下してしまい、記録マークの保存特性の低下がより顕著になるという問題がある。
この保存特性の低下を防止する方法としては、特許文献6にAg−In−Ge−Sb−Te系相変化材料を用いる方法が開示されている。しかし、この相変化記録材料を用いた記録媒体は、記録線速が3.0〜20m/sの範囲ではオーバーライトが可能であるが、より高記録線速の場合、例えば、20m/sよりも高速の場合にはオーバーライトすることができない。
高記録線速でのオーバーライトに対応した材料としては、非特許文献1にGa−Sb系相変化記録材料が報告されている。このGa−Sb系相変化記録材料は結晶化速度が極めて速いと報告されているが、結晶化温度が350℃と非常に高いため、記録材料を未記録状態とするための初期化工程における初期結晶化が困難である。また、Ga−Sb系相変化記録材料は共晶組成でも融点が630℃と比較的高いので、高記録線速での記録感度に問題を有する。
また、特許文献7〜8には、Ga−Sb系相変化記録材料に、例えばMo、W、Ta、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Tl、Si、Ge、Sn、As、Bi、S、Se、Tec等の金属元素を組成分として加えて、特性の向上を試みたものが開示されている。しかし、このような相変化記録材料を用いた記録媒体は、高記録線速でのオーバーライトの際に、十分な変調度を確保し、オーバーライト特性及び保存特性を同時に満足するものではない。
また、特許文献9〜10には、Ga−Sb系相変化記録材料と同族のIn−Sb系相変化記録材料を用いて、オーバーライトを可能にすると共に記録状態の安定の向上を試みたものが開示されているが、高記録線速でのオーバーライトにおいて十分な変調度を確保できず、保存性も十分ではない。
上記のように種々の相変化記録材料が報告されているが、何れもオーバーライト可能な相変化型記録材料として要求される特性を全て満足するものではなかった。したがって、DVD−ROM等の高密度・大容量の記録媒体であり、記録媒体に対する記録線速が56m/s程度まで高速化された場合にも対応でき、十分な変調度を確保し、オーバーライト特性、記録感度及び保存特性を同時に満足するオーバーライト可能な相変化型記録媒体の開発が課題となっている。
特開平3−231889号公報 特開平4−191089号公報 特開平4−232779号公報 特開平4−267192号公報 特開平5−345478号公報 特開2000−322740号公報 米国特許第4818666号明細書 米国特許第5072423号明細書 特公平3−52651号公報 特公平4−1933号公報 「Phase change optical data strage in GaSb」Applied Optics Vol.26 No.22 115 November 1987
本発明は、DVD−ROM並の高密度、大容量の記録媒体であり、高線速でのオーバーライトが可能であり、十分な変調度を確保でき、保存信頼性に優れた相変化型光記録媒体の提供を目的とする。
上記課題は、次の1)〜7)の発明によって解決される。
1) 基板上に、少なくとも第1保護層、記録層、第2保護層、反射層をこの順に或いは逆順に有し、電磁波の照射により記録層に結晶相と非晶質相の可逆的な相変化を生じ、その光学的な変化を利用して少なくとも情報の記録再生が行われる光記録媒体において、記録層が、SbとSb以外の元素からなり、該Sb以外の元素が水素と結合していることを特徴とする相変化型光記録媒体。
2) Sb以外の元素のうち少なくとも一つは、原子の基底電子状態におけるp軌道の電子数が3以下であり、第2〜第5周期に属する元素であることを特徴とする1)記載の相変化型光記録媒体。
3) Sb以外の元素のうち少なくとも一つが、Ga、Ge、In、Snの何れかであることを特徴とする2)記載の相変化型光記録媒体。
4) 赤外吸収スペクトルにおいて、下記条件を満足することを特徴とする3)記載の光記録媒体。
(条件)記録材料を、光記録媒体の記録層の作製と同じ条件で、膜厚のみ1000Åに変えて、ガラス基板上に非晶相を形成すると、そのガラス基板上の記録材料から、ATR法で1500〜1600cm−1に吸収ピークが測定される。
5) InとSbの組み合わせにおけるInの組成割合が、10〜35原子%であることを特徴とする3)又は4)記載の相変化型光記録媒体。
6) 記録層がArガスと水素ガスの混合雰囲気下でスパッタ成膜されていることを特徴とする1)〜5)の何れかに記載の相変化型光記録媒体。
7) 水素ガス圧とArガス圧の比(水素ガス圧/Arガス圧)が、0.04〜0.12であることを特徴とする6)記載の相変化型光記録媒体。
以下、上記本発明について詳しく説明する。
Ga−Sb、In−Sb等のSbをベースに他の元素を加えた相変化材料は、高い結晶化速度を有するため、高線速下でのオーバーライトに適した材料である。しかし、その反面、非晶質相の形成能力や安定性との両立が難しい。
本発明者らは、鋭意検討した結果、SbとSb以外の元素からなる記録材料において、Sb以外の元素を水素と結合させることにより、変調度と保存信頼性が向上することを見出した。また、Sb以外の元素のうち少なくとも一つは、原子の基底電子状態におけるp軌道の電子数が3以下であり、第2〜第5周期の何れかの周期に属する元素である場合に効果が大きいことが分った。
このように変調度と保存信頼性が向上する理由は明確ではないが、例えば、Sb以外の元素がIn(第5周期、p軌道の電子数は1)の場合、以下のように推定される。
In原子とSb原子では、Sb原子の方が価電子数が多いため結合手が多くなっている。従って、結合手の少ないIn原子と結合手の多いSb原子の結合では、全体的に釣合いがとれなくなり、不安定な状態で存在する。この不安定な状態は、結晶及び非晶質相の電子状態にも反映し、結晶相の非晶質化、非晶質相の結晶化等が生じ、記録部と未記録部の反射率の差が少なくなり、これが変調度に影響する。また、不安定な状態であるため、保存試験のように熱的なエネルギーが印加されると非晶質及び結晶構造が変化し、記録媒体の保存信頼性に影響する。ここで、水素のような電子を供与し還元作用のある原子を、Sb以外の原子と結合させてやると、電子数の少ないSb以外の原子の電子を補い、電子状態を安定化させるため、構造を安定化させることができる。
原子の基底電子状態におけるp軌道の電子数が3以下であり、第2〜第5周期に属する元素がGa、Ge、In、Snの何れかである場合、中でもInである場合には、より高い結晶化速度で変調度と保存信頼性との両立が実現できる。
本発明者らが鋭意検討した結果によると、ガラス基板上にSbとInからなる記録材料で膜厚1000Åの非晶質膜を形成し、GATR(サーモエレクトロン株式会社)アクセサリを用いて、ATR法(赤外吸収スペクトルの測定法)で該非晶質膜を測定したとき、1500〜1600cm−1に、Inと水素の結合の伸縮振動による吸収ピークが観測される場合に、特に変調度と保存信頼性が大きく向上する。
記録層がInとSbを含む場合において、Inの組成割合は、10〜35原子%であることが望ましい。10原子%未満ではInが少ないため、Inと水素の結合の効果が少なくなり、35原子%を超えるとIn:Sbが1:1の組成比であるZnS型の結晶構造が、高温保存試験によって析出してしまうため好ましくない。
記録層は、Arガスと水素ガスの混合雰囲気下でスパッタ成膜するのが好ましい。これにより、量産性よく、Sb以外の元素を水素と結合させることができる。
水素ガス圧とArガス圧の比(水素ガス圧/Arガス圧)は、好ましくは、0.02〜0.4、より好ましくは、0.04〜0.2、更に好ましくは、0.04〜0.12である。0.02より小さいと水素との結合が十分に形成されず、0.4より大きいと膜の均一性が低下する。
次に、本発明の相変化型光記録媒体の構成を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の相変化型光記録媒体の構成例を示すもので、基板1上に第1保護層2、記録層3、第2保護層4、第3保護層5、反射層6が設けられている。
第1、第2保護層材料としては、SiOx、ZnO、SnO、Al、TiO、In、MgO、ZrO、Ta等の金属酸化物、Si、AlN、TiN、BN、ZrN等の窒化物、ZnS、TaS等の硫化物、SiC、TaC、BC、WC、TiC、ZrC等の炭化物が挙げられる。これらの材料は、単体で保護層として用いることができ、また、混合物として用いることもできる。例えば、混合物としては、ZnSとSiOx、TaとSiOxが挙げられる。
これらの材料を第1、第2保護層として用いる際に考慮すべき材料物性としては、熱伝導率、比熱、熱膨張係数、屈折率及び基板材料又は記録層材料との密着性等があり、融点が高く、熱膨張係数が小さく、密着性がよいといったことが要求される。
第2保護層は、記録時にレーザー光照射による記録層に加わった熱を篭らせて蓄熱する一方で、反射層に伝熱させて熱を逃がす役割を担うものであり、繰り返しオーバーライト特性を左右する。本発明者らの知見によると、第1、第2保護層材料としては、ZnSとSiOの混合物が好ましい。
第1保護層の膜厚は50〜250nm、好ましくは75〜200nmとする。50nmより薄くなると、耐環境性保護機能の低下、耐熱性低下を生じ好ましくない。250nmより厚くなると、スパッタ法等による製膜過程において、膜温度の上昇により膜剥離やクラックが生じたり、記録時の感度の低下をもたらすので好ましくない。
第2保護層の膜厚は4〜100nm、好ましくは15〜50nmとする。4nmより薄いと、基本的に耐熱性が低下し好ましくない。100nmを越えると、記録感度の低下、温度上昇による膜剥離、変形、放熱性の低下により繰り返しオーバーライト特性が悪くなる。
記録層の膜厚は6〜22nmとすることが好ましく、更に好ましくは8〜18nmである。6nm未満では相変化記録層としての機能を果さないし、22nmを越えると記録感度の低下や繰り返し特性の低下を招く。
反射層は光反射層としての役割を果たす一方で、記録時にレーザー光照射により記録層に加わった熱を逃がす放熱層としての役割も担っている。非晶質マークの形成は、放熱による冷却速度により大きく左右されるため,反射層の選択は高線速対応媒体では特に重要である。
反射層材料としては、Au、Ag、Al及びこれらを主成分とする合金が好ましいが、中でも、熱伝導率の非常に大きいAg又はAgを主成分とする合金を用いることにより、冷却速度を高め、記録感度の向上を図ることができる。
反射層の膜厚は100〜300nmが望ましい。反射層の放熱能力は基本的には層の膜厚に比例するので,100nm未満では、冷却速度が低下するため好ましくない。一方、300nmを超えると、材料コストの増大を招くので好ましくない。
なお、反射層にAg又はAgを主成分とする合金を用い、第2保護層に接して反射層を設ける場合において、第2保護層が硫黄を含む材料の場合には、Agの硫化によるピンホール発生を避けるために、両層の間に、Si、SiC、SiN、GeN、ZrO、TiO、TiCやこれらの混合物など、硫黄を含まない第3保護層をバリア層として設けることが好ましい。中でもSi、SiC、TiO−TiCが硫黄をバリアする効果が高いので特に好ましい。
第3保護層の膜厚は、2〜20nm、好ましくは2〜10nmとする。2nm未満ではバリア層として機能しなくなり、20nmを超えると記録感度の低下を招く。
本発明によれば、DVD−ROM並の高密度、大容量の記録媒体であり、高線速でのオーバーライトが可能であり、十分な変調度を確保でき、保存信頼性に優れた相変化型光記録媒体の提供を目的とする。
以下、実施例及び比較例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例により何ら限定されるものではなく、製造条件も適宜変更可能である。
実施例1
直径12cm、厚さ0.6mm、トラックピッチ0.74μmのグルーブ付きポリカーボネートディスク基板を高温で脱水処理した後、スパッタにより第1保護層、記録層、第2保護層、第3保護層、反射層を順次成膜した。
第1保護層にはZnS・SiOターゲットを用い、膜厚65nmとした。
記録層には、In20Sb80(原子%)の組成を有する合金ターゲットを用い、アルゴンガス圧3×10−3Torr、水素ガス圧0.24×10−3Torr(アルゴンガスに対する水素ガス圧比0.08)、RFパワー300mWでスパッタし、膜厚14nmとした。
第2保護層には、第1保護層と同様、ZnS・SiOターゲットを用い、膜厚7nmとした。
第3保護層には、TiO−TiCターゲットを用い、膜厚4nmとした。
反射層には、純銀ターゲットを用い、膜厚120nmとした。
更に、反射層上にアクリル系紫外線硬化樹脂(大日本インキ化学工業社SD−318)からなる膜厚5μmの有機保護膜を、スピナーによって膜厚5〜10μm塗布し、紫外線硬化させた後、直径12cm、厚さ0.6mmのポリカーボネートディスクを接着シートにより貼り合わせて相変化光記録媒体を得た。
次いで、大口径LDビーム照射により記録層を初期結晶化した。
実施例2〜11
記録層の形成に、表1に示した組成の合金ターゲットを用い、アルゴンガス圧3×10−3Torrに対する水素ガス圧比を表1に示したように変えた点以外は、実施例1と同様にして実施例2〜11の相変化光記録媒体を得たのち、記録層を初期結晶化した。
比較例1
記録層の形成に当り、水素ガスを用いなかった点以外は、実施例1と同様にして相変化光記録媒体を得たのち、記録層を初期結晶化した。
上記各光記録媒体について評価を行った。結果を表1に示す。
各実施例及び比較例において、赤外吸収スペクトルは以下の条件で測定した。
記録層を作成するのと同じ条件で、膜厚だけを1000Åに変更し、ガラス基板上に記録材料からなる非晶質膜を形成して試料とした。
測定装置はFT−IR Avatar370(サーモエレクトロン株式会社)を用いた。なお、装置の試料室は水蒸気や二酸化炭素の影響を極力なくす為に乾燥窒素によるパージを行った。測定条件は次のとおりである。
・測定方法 : ATR法
・アクセサリ : GATR(1回反射ATR、Ge、超薄膜用)
・検出器 : MCT−A
・分解能 : 4cm−1
・雰囲気 : N
・波数範囲 : 5000〜800cm−1
・積算回数 : 256回
・試料膜厚 : 1000Å
<Inと水素の結合の伸縮振動による赤外吸収スペクトルのピークの有無>
上記したようにして、赤外吸収スペクトルのピークを測定した。例として、実施例1と比較例1の測定結果を図2に示す。図2から実施例1には非常に幅広く弱いが1500〜1600cm−1に吸収ピークがあることが判る。ピークの幅が広く弱いのは、非晶質中なので、様々なInと水素の結合が存在しているためと考えられる。
Inと水素の結合の伸縮振動による赤外吸収の位置は、文献H.Himmel et al;J.Am.Chem.Soc.(2002),124,4448〜4457を参照した。
<変調度の評価>
高密度、高線速記録への対応を見るために、記録密度0.267μm/bitで、記録線速及び記録パワーを、それぞれ3.5m/s(15mW)、17m/s(20mW)、35m/s(28mW)、56m/s(38mW)とし、記録用レーザ波長を650nmとして、EFMランダムパターンでオーバーライトの繰り返しを行い、再生信号特性の評価として14T信号の変調度を調べた。
評価基準は、変調度が65%を越えるものを◎、60〜65%のものを○、60%未満のものを△とした。
<保存試験の評価>
保存信頼性は、光記録媒体を80℃、85RH%の温湿度下で100時間保持した後のオーバーライト1回目の3T信号のジッタ値で評価した。
評価基準は、ジッタ値の上昇が1%未満を◎、1%以上3%以下を○、3%を越えるものを×とした。
Figure 2006240031
上記表1の結果から分るように、赤外吸収スペクトルにInと水素の結合の伸縮振動による吸収ピークが見られる実施例では保存特性が良好であった。実施例3はInの量が少ないために、水素がInに結合することによって生じる効果が薄れてしまい、変調度が他の実施例よりも悪かった。
本発明の相変化型光記録媒体の構成例を示す図。 実施例1と比較例1の赤外吸収スペクトルのピークの測定結果を示す図。
符号の説明
1 基板
2 第1保護層
3 記録層
4 第2保護層
5 第3保護層
6 反射層

Claims (7)

  1. 基板上に、少なくとも第1保護層、記録層、第2保護層、反射層をこの順に或いは逆順に有し、電磁波の照射により記録層に結晶相と非晶質相の可逆的な相変化を生じ、その光学的な変化を利用して少なくとも情報の記録再生が行われる光記録媒体において、記録層が、SbとSb以外の元素からなり、該Sb以外の元素が水素と結合していることを特徴とする相変化型光記録媒体。
  2. Sb以外の元素のうち少なくとも一つは、原子の基底電子状態におけるp軌道の電子数が3以下であり、第2〜第5周期に属する元素であることを特徴とする請求項1記載の相変化型光記録媒体。
  3. Sb以外の元素のうち少なくとも一つが、Ga、Ge、In、Snの何れかであることを特徴とする請求項2記載の相変化型光記録媒体。
  4. 赤外吸収スペクトルにおいて、下記条件を満足することを特徴とする請求項3記載の光記録媒体。
    (条件)記録材料を、光記録媒体の記録層の作製と同じ条件で、膜厚のみ1000Åに変えて、ガラス基板上に非晶相を形成すると、そのガラス基板上の記録材料から、ATR法で1500〜1600cm−1に吸収ピークが測定される。
  5. InとSbの組み合わせにおけるInの組成割合が、10〜35原子%であることを特徴とする請求項3又は4記載の相変化型光記録媒体。
  6. 記録層がArガスと水素ガスの混合雰囲気下でスパッタ成膜されていることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の相変化型光記録媒体。
  7. 水素ガス圧とArガス圧の比(水素ガス圧/Arガス圧)が、0.04〜0.12であることを特徴とする請求項6記載の相変化型光記録媒体。
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