JP4544144B2 - 光記録媒体およびその製造方法 - Google Patents

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この発明は、光記録媒体およびその製造方法に関する。詳しくは、無機記録膜を有する光記録媒体およびその製造方法に関する。
近年、情報信号の高密度記録可能な光記録媒体が望まれている。例えば、この要求に応えるために、ブルーレイディスク(Blu-ray Disc(登録商標)、以下BD)の規格が策定され、ハイビジョン画像を光記録媒体に録画、保存することが可能となっている。
このBDに代表される高記録密度の光記録媒体には、再生専用型光記録媒体、書き換え型光記録媒体、追記型光記録媒体の規格があるが、これらのうち、追記型光記録媒体は特に安価であることが望まれる。また、高密度記録の追記型光記録媒体の記録膜を有機材料で作製することは困難であるため、特性面で有利な無機材料を用いて記録膜を作製することが望まれている(例えば特許文献1参照)。
これらの2つの要求に応えるためには、記録膜材料として無機材料を用いた追記型光記録媒体を安価に製造することが必要になるが、そのためには、記録膜の膜総数を少なくし、且つ、総膜厚を薄くすることが好ましい。これは、膜総数が少なければスパッタ室を少なくして設備投資費用を抑えることができ、また、総膜厚が薄ければ材料費を安く抑えることができるためである。
特開平11−144316号公報
本発明者らは、上述の要求に応える光記録媒体として、Ge酸化物膜と、金属膜とを隣接させた構成を有するものを検討している。この光記録媒体の記録原理は、400〜410nmの光を入射すると、光触媒効果によりGe酸化物膜の酸素が分離し、金属膜側の酸素濃度が高くなり、光学定数が大きく変化する。これにより、変調度の大きな再生信号が得られ、安定して良好な記録特性の得られる光記録媒体を実現できる。この光記録媒体は、例えば、チタン合金膜、Ge酸化物膜、および保護膜としての誘電体膜のみ基板に積層するだけの簡単な構成を有するので、膜層数、総膜厚を書き換え型記録媒体よりもはるかに少なくし、媒体をより安価に製造できる。
Ge酸化物膜の成膜は、Arガスなどのプロセスガス中に酸素ガスを混合させながら、リアクティブスパッタ法により、一般に入手できるGeターゲットをスパッタリングして成膜することができる。しかし、本発明者らの知見によれば、この成膜方法には、Geターゲット表面の酸化状態によって成膜されるGe酸化物膜の膜特性が変化しやすく、成膜前にプリスパッタしなければ安定しないという問題がある。すなわち、実験レベルでは安定な特性が得られるが、量産レベルでは安定な特性が得られないという問題がある。
また、本発明者らの知見によれば、広いパワーマージンを得るためには、金属膜を窒化することが有効である。この金属膜の成膜も、Arガスなどのプロセスガス中に窒素を混合させながら、一般に入手できる金属ターゲットをスパッタリングして成膜することができる。しかし、本発明者らが検討している光記録媒体は、窒素流量依存性が大きく、量産時の変動に対して十分な製造マージンを有しない。
したがって、この発明の目的は、無機記録膜を有する光記録媒体を、より簡易に特性の劣化を招くことなく量産することができる光記録媒体およびその製造方法を提供することにある。
上述の課題を解決するために、第1の発明は、
無機記録膜を有する光記録媒体の製造方法であって、
Tiからなる隣接膜を成膜する工程と、
Geの酸化物からなる酸化物膜を成膜する工程と
を備え、
酸化物膜および隣接膜の成膜工程では、酸化物膜と隣接膜とは隣接するように成膜され、
酸化物膜の成膜工程では、GeおよびGe酸化物の混合物ターゲットをスパッタリングすることにより酸化物膜を成膜し、
酸化物膜の吸収係数kが、0.15≦k≦0.90であることを特徴とする光記録媒体の製造方法である。
第2の発明は、
無機記録膜を有する光記録媒体であって、
Tiからなる隣接膜と、
Geの酸化物からなる酸化物膜と
を備え、
酸化物膜と隣接膜とは隣接するように成膜され、
酸化物膜の吸収係数kが、0.15≦k≦0.90であることを特徴とする光記録媒体である。
酸化物膜を成膜するための混合物ターゲットは、半導体の非飽和酸化物からなるスパッタリングターゲットであって、
少なくともGe粉末およびGe酸化物粉末とを混合し、該混合物を加圧焼成してなることを特徴とするスパッタリングターゲットであることが好ましい
隣接膜が、TiおよびNからなり、
隣接膜を成膜するためのターゲットは、Tiの非飽和窒化物からなるスパッタリングターゲットであって、
少なくともTi金属粉末とTi窒化物粉末とを混合し、該混合物を加圧焼成してなることを特徴とするスパッタリングターゲットであることが好ましい
隣接膜が、Ti、Si、およびNからなり、
隣接膜を成膜するためのターゲットは、Tiの非飽和窒化物からなるスパッタターゲットであて、
少なくともTi粉末と、Si粉末と、Ti窒化物粉末およびSi窒化物粉末のうち少なくとも一方とを混合し、該混合物を加圧焼成してなることを特徴とするスパッタターゲットであることが好ましい
隣接膜が、Ti、およびSiからなり、
隣接膜を成膜するためのターゲットは、少なくともSiおよびTiを含有するターゲットであって、
Siの含有量が、8原子%以上32原子%以下であることを特徴とするスパッタリングターゲットであることが好ましい
以上説明したように、この発明によれば、無機記録膜を有する光記録媒体を、より簡易に特性の劣化を招くことなく量産することができる。
以下、この発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態の全図においては、同一または対応する部分には同一の符号を付す。
(1)第1の実施形態
光記録媒体の構成
図1は、この発明の第1の実施形態による光記録媒体の一構成例を示す概略断面図である。この光記録媒体10は、基板1上に、無機記録膜6、第1の誘電体膜4a、第2の誘電体膜4b、光透過層5が順次積層された構成を有する。
この第1の実施形態による光記録媒体10では、光透過層5の側からレーザ光を無機記録膜6に照射することにより、情報信号の記録または再生が行われる。例えば、400nm以上410nm以下の範囲の波長を有するレーザ光を、0.84以上0.86以下の範囲の開口数を有する対物レンズにより集光し、光透過層5の側から無機記録膜6に照射することにより、情報信号の記録または再生が行われる。このような光記録媒体10としては、例えば追記型のBDが挙げられる。
以下、光記録媒体10を構成する基板1、無機記録膜6、第1の誘電体膜4a、第2の誘電体膜4bおよび光透過層5について順次説明する。
(基板)
基板1は、中央に開口(以下、センターホールと称する)が形成された円環形状を有する。この基板1の一主面は、凹凸面11となっており、この凹凸面11上に無機記録膜6が成膜される。以下では、基板1の一主面に対して窪んだ凹部をイングルーブ11G、基板1の一主面に対して突出した凸部をオングルーブ11Lと称する。
このイングルーブ11Gおよびオングルーブ11Lの形状としては、例えば、スパイラル状、同心円状などの各種形状が挙げられる。また、イングルーブ11Gおよび/またはオングルーブ11Lが、アドレス情報を付加するためのウォブル(蛇行)されている。
基板1の直径は、例えば120mmに選ばれる。基板1の厚さは、剛性を考慮して選ばれ、好ましくは0.3mm以上1.3mm以下から選ばれ、より好ましくは0.6mm以上1.3mm以下から選ばれ、例えば1.1mmに選ばれる。また、センタホールの径(半径)は、15mmに選ばれる。
基板1の材料としては、例えばポリカーボネート系樹脂、ポリオレフィン系樹脂若しくはアクリル系樹脂などのプラスチック材料、またはガラスなどを用いることができる。なお、コストを考慮した場合には、基板1の材料として、プラスチック材料を用いることが好ましい。
(無機記録膜)
無機記録膜6は、基板1の凹凸面11上に順次積層された金属膜2および酸化物膜3からなる。金属膜2は、例えばTiまたはTiおよび添加物から構成される。Tiを主たる材料とすれば基本的に良好な記録特性を得ることができる。添加物は、光学特性、耐久性または記録感度などを向上させるためのものであり、このような添加物としては、例えばAl,Ag,Cu,Pd,Ge,Si,Sn,Ni,Fe,Mg,V,C,Ca,B,Cr,Nb,Zr,S,Se,Mn,Ga,Mo,W,Tb,Dy,Gd,Nd,Zn,Ta,Srからなる群より選ばれた1種以上を用いることができ、具体的には例えばTi,Al,TiSi,TiSiNを用いることができる。具体的には例えば、反射率を高めるための添加物としては、Alが好ましい。
また、金属膜2を構成する材料としては、Tiの酸化物およびTiと添加物との酸化物を用いることもできる。このような酸化物としては、例えばTiSiOを挙げることができる。
酸化物膜3は、例えば、ゲルマニウムの酸化物であるGeOからなる。酸化物膜3の吸収係数kは、好ましくは0.15以上0.90以下、より好ましくは0.20以上0.70以下、更により好ましくは0.25以上0.60以下の範囲である。0.15以上0.90以下の範囲を満たすことで、例えば良好な変調度およびキャリア対ノイズ比(以下、C/N比)を得ることができる。0.20以上0.70以下の範囲を満たすことで、例えばより良好な変調度およびC/N比を得ることができる。0.25以上0.60以下の範囲を満たすことで、例えば更により良好な変調度およびC/N比を得ることができる。
なお、この明細書における吸収係数は波長410nmにおけるものである。また、その測定には、エリプソメータ(ルドルフ社製、商品名:Auto EL-462P17)を用いた。
また、酸化物膜3の膜厚は、好ましくは10nm以上35nm以下の範囲である。また、酸化物膜3に対して添加物を加えるようにしてもよく、この添加物としては、例えばTe,Pd,Pt,Cu,Zn,Au,Ag,Si,Ti,Fe,Ni,Sn,Sbなどを用いることができる。このような添加物を加えることで、耐久性および/または反応性(記録感度)を向上することができる。なお、耐久性を向上させるためには、特にPd,Pt,Si,Sbが特に好ましい。
(誘電体膜)
第1の誘電体膜4aおよび第2の誘電体膜4bは、無機記録膜6上に積層されて、無機記録膜6の光学的、機械的保護、すなわち耐久性の向上や、記録時の無機記録膜6の変形、すなわちふくらみの抑制等を行うためのものである。
第1の誘電体膜4aは、例えばZnS−SiO2より構成される。この第1の誘電体膜4aの厚さは、好ましくは10nm以上58nm以下、より好ましくは23nm以上53nm以下の範囲とされる。膜厚を10nm以上にすることで、良好なジッターを得ることができる。例えば光記録媒体10がBD−Rである場合には、膜厚を10nm以上にすることで、BD−Rの規格であるジッター6.5%以下を満足することができる。一方、膜厚を58nm以下にすることで、良好な反射率を得ることができる。例えば光記録媒体10がBD−Rである場合には、膜厚を58nm以下にすることで、BD−Rの規格で要求される反射率12%以下を満足することができる。
また、膜厚を23nm以上にすることで、より良好なジッターを得ることができる。一方、膜厚を53nm以下にすることで、より良好な反射率を得ることができる。
第2の誘電体膜4bは、例えばSiNより構成される。この第2の誘電体膜4bの厚さは、好ましくは35nm以下の範囲から選ばれる。膜厚を35nm以下にすることで、良好なジッターを得ることができる。例えば光記録媒体10がBD−Rである場合には、膜厚を35nm以下にすることで、BD−Rの規格であるジッター6.5%以下を満足することができる。また、上述のように、第1の誘電体層4aと第2の誘電体層4bとを積層することで、変調度を大きくでき、且つ、キャリア対ノイズ比(以下、C/N)を高くできる。
(光透過層)
光透過層5は、例えば、円環形状を有する光透過性シート(フィルム)と、この光透過性シートを基板1に対して貼り合わせるための接着層とから構成される。接着層は、例えば紫外線硬化樹脂または感圧性粘着剤(PSA:Pressure Sensitive Adhesive)からなる。光透過層5の厚さは、好ましくは10μm以上177μm以下の範囲内から選ばれ、例えば100μmに選ばれる。このような薄い光透過層5と、例えば0.85程度の高NA(numerical aperture)化された対物レンズとを組み合わせることによって、高密度記録を実現することができる。
光透過性シートは、記録および/または再生に用いられるレーザ光に対して、吸収能が低い材料からなることが好ましく、具体的には透過率90パーセント以上の材料からなることが好ましい。光透過性シートの材料としては、例えばポリカーボネート樹脂材料、ポリオレフィン系樹脂(例えばゼオネックス(登録商標))が挙げられる。
また、光透過性シートの厚さは、好ましくは0.3mm以下に選ばれ、より好ましくは3以上177μm以下の範囲内から選ばれる。また、光透過層5の内径(直径)は、例えば22.7mmに選ばれる。
光記録媒体の製造方法
次に、この発明の第1の実施形態による光記録媒体の製造方法について説明する。
(基板の成形工程)
まず、一主面に凹凸面11が形成された基板1を成形する。基板1の成形の方法としては、例えば射出成形(インジェクション)法、フォトポリマー法(2P法:Photo Polymerization)などを用いることができる。
(金属膜の成膜工程)
次に、基板1を、例えばTi窒化物からなるターゲットが備えられた真空チャンバ内に搬送し、真空チャンバ内を所定の圧力になるまで真空引きする。その後、真空チャンバ内にプロセスガスを導入しながら、ターゲットをスパッタリングして、基板1上に金属膜2を成膜する。
この成膜工程における成膜条件の一例を以下に示す。
真空到達度:5.0×10-5Pa
雰囲気:0.1〜0.6Pa
投入電力:1〜3kW
ガス種:Arガス
ガス流量:10〜40sccm
(酸化物膜の成膜工程)
次に、基板1を、例えばGe酸化物からなるターゲットが備えられた真空チャンバ内に搬送し、真空チャンバ内を所定の圧力になるまで真空引きする。その後、真空チャンバ内にプロセスガスを導入しながら、ターゲットをスパッタリングして、基板1上に酸化物膜3を成膜する。
この成膜工程における成膜条件の一例を以下に示す。
真空到達度:5.0×10-5Pa
雰囲気:0.1〜0.6Pa
投入電力:1〜3kW
ガス種:Arガス
Arガス流量:10〜80sccm
(第1の誘電体膜の成膜工程)
次に、基板1を、例えばZnS−SiO2からなるターゲットが備えられた真空チャンバ内に搬送し、真空チャンバ内を所定の圧力になるまで真空引きする。その後、真空チャンバ内にプロセスガスを導入しながら、ターゲットをスパッタリングして、基板1上に第1の誘電体膜4aを成膜する。
この成膜工程における成膜条件の一例を以下に示す。
真空到達度:5.0×10-5Pa
雰囲気:0.1〜0.6Pa
投入電力:1〜5kW
ガス種:Arガス
Arガス流量:6sccm
(第2の誘電体膜の成膜工程)
次に、基板1を、例えばSiからなるターゲットが備えられた真空チャンバ内に搬送し、真空チャンバ内を所定の圧力になるまで真空引きする。その後、真空チャンバ内にプロセスガスを導入しながら、ターゲットをスパッタリングして、基板1上に第2の誘電体膜4bを成膜する。
この成膜工程における成膜条件の一例を以下に示す。
真空到達度:5.0×10-5Pa
雰囲気:0.1〜0.6Pa
投入電力:1〜4kW
ガス種:Arガスおよび窒素ガス
Arガス流量:50sccm
窒素ガス流量:37sccm
(光透過層の形成工程)
次に、円環形状の光透過性シートを、例えば、このシート一主面に予め均一に塗布された感圧性粘着剤(PSA)を用いて、基板1上の凹凸面11側に貼り合わせる。これにより、基板1上に積層された積層膜を覆うように、光透過層5が形成される。
以上の工程により、図1に示す光記録媒体10が得られる。
ターゲットの構成
以下に、この発明の第1の実施形態によるターゲットの構成について説明する。まず、酸化物膜3を成膜するためのターゲットの構成について説明する。酸化物膜3を成膜するためのターゲットは、半導体粉末であるGe粉末と半導体酸化物粉末であるGe酸化物粉末との混合物を加圧焼成することによりなるものである。このターゲットは、例えば円盤形状を有し、その直径は、例えば200mmに選ばれ、厚さは、例えば6mmに選ばれる。
加圧焼成後の酸素の含有量は45原子%以上60原子%以下の範囲であることが好ましい。45原子%未満であると、吸収係数kが0.9を越えてしまうため、記録特性などが低下してしまう。また、60原子%を越えると、吸収係数が0.15未満になってしまうため、記録特性などが低下してしまう。
次に、金属膜2を成膜するためのターゲットの構成について説明する。金属膜2を成膜するためのターゲットは、遷移金属粉末であるTi粉末と遷移金属窒化物粉末であるTi窒化物粉末との混合物を加圧焼成することによりなるものである。このターゲットは、例えば円盤形状を有し、その直径は、例えば200mmに選ばれ、厚さは、例えば6mmに選ばれる。
加圧焼成後の窒素の含有量は1原子%以上20原子%以下の範囲であることが好ましく、1原子%以上10原子%以下の範囲であるこがより好ましい。1原子%以上20原子%以下の範囲にすることで、パワーマージンを大きくし、且つ、ジッターの上昇を抑えることができる。5原子%以上15原子%以下の範囲にすることで、パワーマージンをより大きくし、且つ、ジッターの上昇をより抑えることができる。
ここで、金属の非飽和酸化物は、金属のとりうる最大の価数に対応した化学量論組成より酸素含有量が少ない方向にずれた化合物のこと、すなわち金属の非飽和酸化物における酸素の含有量が、上記金属のとりうる最大価数に対応した化学量論組成の酸素含有量より小さい化合物のことである。
なお、非飽和酸化物もしくは非飽和窒化物としては、1種の非飽和酸化物もしくは非飽和窒化物のほかに、第2の元素あるいは更に複数種類の元素を添加したものについても本発明に含めることにする。
ターゲットの製造方法
以下、この発明の第1の実施形態によるターゲットの製造方法について説明する。まず、酸化物膜3を成膜するためのターゲットの製造方法について説明する。
(秤量・混合)
半導体粉末であるGe粉末と半導体酸化物粉末であるGe酸化物粉末とをそれぞれ所定量秤量した後、例えば混合乾式を行う。ここで、Ge粉末とGe酸化物粉末との混合比は、加圧焼成後の酸素の含有量が45原子%以上60原子%以下となるように調整することが好ましい。
(加圧焼成)
次に、上述のようにして得られた混合粉末をカーボン製の型に投入し、例えばホットプレス装置によって加圧焼成を行って、焼成体を得る。ここでは、ホットプレス装置は一般的に使用されているものでよく、この装置を用いて、一定圧力および一定の焼成温度で、非酸素雰囲気中にて所定時間焼成が行われる。
(仕上げ工程)
上述のようにして得られた焼成体に対して、所定サイズの円盤形状になるように機械加工を施す。以上により、目的とするターゲットを得ることができる。
次に、金属膜2を成膜するためのターゲットの製造方法について説明する。
(秤量・混合)
遷移金属粉末であるTiと遷移金属窒化物粉末であるTi窒化物粉末とをそれぞれ所定量秤量した後、例えば混合乾式を行う。ここで、Ti粉末とTi窒化物粉末との混合比は、加圧焼成後の窒素の含有量が1原子%以上20原子%以下の範囲となるように調整することが好ましく、5原子%以上15原子%以下の範囲となるように調整することがより好ましい。
(加圧焼成)
次に、上述のようにして得られた混合粉末をカーボン製の型に投入し、例えばホットプレス装置によって加圧焼成を行う。ここでは、ホットプレス装置は一般的に使用されているものでよく、この装置を用いて、一定圧力および一定の焼成温度で、非酸素雰囲気中にて所定時間焼成が行われる。
(仕上げ工程)
上述のようにして得られた焼成体に対して、所定サイズの円盤形状になるように機械加工を施す。以上により、目的とするターゲットを得ることができる。
この発明の第1の実施形態によれば以下の効果を得ることができる。
金属膜2、酸化物膜3、第1の誘電体膜4a、第2の誘電体膜2b、光透過層5を基板1上に順次積層するだけで光記録媒体10を製造できるので、単純な膜構成を有する高記録密度の光記録媒体10を提供することができる。すなわち、低廉な高記録密度の光記録媒体10を提供することができる。
また、Ge酸化物からなるターゲットをスパッタリングして酸化物膜3を成膜するので、量産時において、一定の酸素濃度、すなわち一定の吸収係数を有する酸化物膜3を成膜することができる。
また、Ti窒化物からなるターゲットをスパッタリングして金属膜2を成膜するので、少ない流量の窒素ガスを一定に制御する困難な作業をする必用がなくなる。したがって、量産時において金属膜2を安定して成膜することができる。
(3)第2の実施形態
光記録媒体の構成
この第2の実施形態による光記録媒体10は、上述の第1の実施形態と同様に、基板1上に、無機記録膜6、誘電体膜4、光透過層5が順次積層された構成を有する。基板1およびその上に積層された各層を構成する材料および厚さなどは、上述の第1の実施形態と同様であるので説明を省略する。
図2は、この発明の第2の実施形態による光記録媒体を示す平面図である。図2に示すように、この光記録媒体10の内周部には、リードイン領域12が設けられ、このリードイン領域12の外周側にユーザデータ領域13が設けられている。また、リードイン領域12には、識別情報記録領域であるBCA(Burst Cutting Area)14が設けられている。
ユーザデータ領域13は、ユーザが所望のデータを記録するための領域である。リードイン領域12は、例えば識別情報(ID)、暗号鍵および複合鍵などの情報を記録するための領域であり、これらの情報は、光記録媒体10の製造時に記録される。BCA14は、光記録媒体10の製造時に識別情報を記録するための領域である。識別情報は、各媒体に固有な情報であり、例えば、不正コピーの防止などを目的とするものである。
光記録媒体の製造方法
基板の成形工程から光透過層の形成工程までは、上述の第1の実施形態と同様であるので説明を省略し、以下では光透過層の形成工程の次工程である識別情報の記録工程について説明する。
まず、図3を参照しながら、識別情報の記録に用いられる記録装置について説明する。図3に示すように、この記録装置は、モータ21、光ピックアップ22および制御回路23を備える。
光ピックアップ22は、光記録媒体10に対してレーザ光24を照射して識別情報をバーコードとして記録するための光学系である。レーザ光24の波長は、ユーザデータの記録または再生に用いられるレーザ光とほぼ等しい波長とするこことが好ましい。例えば、光記録媒体10が波長405nmなどの青色レーザ光によりユーザデータの記録または再生が行われる光記録媒体10である場合には、光ピックアップ22のレーザ光22の波長を、波長350nm以上450nm以下の範囲に設定すること好ましい。この波長範囲のレーザを用いることで、ユーザデータの記録と同様の原理に基づき、識別情報に対応する記録マークを良好に無機記録膜6に記録することができる。
制御回路23は、記録装置全体を制御する。例えば、レーザ光24のフォーカス制御、光ピックアップ22の位置制御、モータ21の回転制御、識別情報の生成などを行う。モータ21は、図示を省略したターンテーブルに載置された光記録媒体10を回転させる。
次に、上述の記録装置を用いた識別情報の記録工程について説明する。
まず、光記録媒体10を、その光透過層5の側が光ピックアップ22に対向するようにして、図示を省略したターンテーブルに載置する。次に、モータ21を駆動して光記録媒体10を所定速度で回転させる。
そして、光ピックアップ22を光記録媒体10の内周部に設けられたBCA14まで移動させた後、光ピックアップ22を駆動させて、例えば識別情報に応じてパルス状に変調されたレーザ光を光透過層5側から照射する。これにより、無機記録膜6のうちレーザ光24が照射された部分では、酸化物膜3の酸素が分離して、酸素濃度が高い層が金属膜2の側に形成され、酸素濃度が低い層が誘電体膜4の側に形成される。その結果、識別情報に応じた記録マークが例えばバーコード状に形成され、識別情報がBCAに記録される。なお、この記録マークの形成に用いられるレーザ光の波長は、上述のように350nm〜450nmの範囲にすることが好ましい。以上により、目的とする光記録媒体10が得られる。
図4(a)は、BCAに形成された記録マークの一例を示す。図4(b)は、BCAに記録された識別情報を再生したときの再生信号の波形の一例を示す。なお、図4(a)において斜線を付した部分が記録マークを示し、この記録マークは、パルス状に変調されたレーザ光を照射することにより形成される。
図4(a)に示すように、識別情報は、バーコード状の縞模様としてBCAに記録される。また、記録マークの部分では反射率が低下するために、再生信号は、図4(b)に示すように、パルス状の波形となる。
この第2の実施形態では、例えば波長350nm〜450nmのレーザ光を用いて光記録媒体10のBCA14に識別情報を記録するので、ユーザデータの記録と同様の原理により識別情報を無機記録膜6に記録できる。したがって、識別情報の再生信号の乱れを抑制し、所望の再生信号を得ることができる。また、光透過層5の側からレーザ光を照射して基板1上の積層膜を溶融除去して識別情報を記録する場合と比べて、基板1の変形などによって引き起こされる信号の不具合を抑制することができる。また、積層膜の腐食を招く恐れが少ないので、優れた保存安定性を得ることができる。
(4)第3の実施形態
光記録媒体の構成
この第3の実施形態による光記録媒体10はBCA14を有し、このBCA14には識別情報が記録されている。この識別情報は、レーザ光を基板1側から照射することにより、基板1上に積層された積層膜を溶融除去することにより形成される。これ以外の光記録媒体10の構成に関しては上述の第2の実施形態と同様であるので説明を省略する。
光記録媒体の製造方法
基板の成形工程から光透過層の形成工程までは、上述の第2の実施形態と同様であるので説明を省略し、以下では光透過層の形成工程の次工程である識別情報の記録工程について説明する。また、識別情報の記録に用いられる記録装置は、光路長補償素子を光ピックアップ22に備える以外のことは上述の第2の実施形態と同様であるので説明を省略する。なお、光ピックアップ22に備えられる光路長補償素子は、上述の第2の実施形態とは異なる基板1側からレーザ光を照射することを考慮して設けたものである。
まず、光記録媒体10を、その基板1の側が光ピックアップ22に対向するようにして、図示を省略したターンテーブルに載置する。次に、モータ21を駆動して光記録媒体10を所定速度で回転させる。
そして、光ピックアップ22を光記録媒体10の内周部に設けられたBCA14まで移動させた後、光ピックアップ22を駆動させて、例えば識別情報に応じてパルス状に変調されたレーザ光を基板1側から照射する。これにより、無機記録膜6のうちレーザ光24が照射された部分では、基板1上に積層された金属膜2、酸化物膜2、誘電体膜5が溶融除去される。その結果、識別情報に応じたマークが例えばバーコード状に形成され、識別情報がBCA14に記録される。
なお、レーザ光は、近赤外レーザ光または赤外レーザ光であることが好ましく、例えば波長800nmのレーザ光である。また、レーザ光照射時の光学ヘッドスキャンスピードを5m/s〜9m/s、レーザパワーを3400mW〜4000mWの範囲とすることが好ましい。この範囲とすることで、記録マークエッジ部分における急激な反射率の上昇を抑制することができる。したがって、識別情報の再生信号のノイズを低減することができる。
この第3の実施形態では、ユーザデータの記録再生時とは異なる基板1側からレーザ光をBCA14に照射して識別情報を記録するため、光透過層5の側からレーザ光を照射した場合とは光吸収特性などが異なるので、マークの境界部分に変形が生じることを抑制きる、BCA14の内部に積層膜の一部が残留することを抑制できる、基板1の変形を抑制できるなどの利点を得ることができる。すなわち、再生信号の乱れを抑制し、所望の再生信号を得ることができる。
また、金属膜2に直接レーザ光を照射できるので、基板1上の積層膜を効果的に破壊除去できる。なお、光透過層5側からレーザ光を照射した場合には、酸化物膜3での吸収発熱などの影響で熱が拡散するために、基板1上の積層膜をきれいに破壊除去できないと考えられる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、以下の実施例においては、上述の実施形態と対応する部分には同一の符号を付す。
本発明の実施例として、ブルーレイディスクの光学系に媒体を設計し、成膜したものを示す。ブルーレイディスクの光学系とは、開口数0.85の対物レンズおよび波長400nm〜410nmの青紫色半導体レーザ光源を用いたものである。なお、本発明はこの光学系に適用が限られるものではなく、開口数や波長が多少違っていても同様の効果が期待される。
評価は、パルステック工業株式会社製、ODU−1000(ブルーレイディスク仕様)を用いた。この光源の波長は405nmであり、対物レンズのNAは0.85である。トラックピッチは、0.32μmである。
実施例について以下の検討の順序で説明する。
(1−1)無機記録膜の構成の検討
(1−2)酸化物膜の成膜方法の検討
(1−3)Ge酸化物ターゲットの製造方法の検討
(1−4)金属膜に対する窒素混入の検討
(1−5)金属膜に対する窒素の混入量の検討
(1−1)無機記録膜の構成の検討
実施例1
図5は、この実施例1による光記録媒体の記録膜構成を示す模式的断面図である。なお、図5においては、基板1に設けられたイングルーブ11Gおよびオングルーブ11Lの図示を省略している。この実施例1の光記録媒体10は、TiSi膜2、GeO膜3、SiN膜4、光透過層5を順次基板1上に積層した構成を有する。
以下、図5を参照しながら、実施例1の光記録媒体10の製造方法について説明する。まず、射出成形法により、一主面にイングルーブ11Gおよびオングルーブ11Lが設けられた基板1を成形した。樹脂材料としては、ポリカーボネート樹脂を用いた。また、トラックピッチを0.32μmとし、イングルーブ11Gの深さを21nmとし、オングルーブ11Lをウォブル(蛇行)させてアドレス情報を付加した。
次に、成膜装置(Unaxis社製、商品名:Cube)を用いて、Ti膜2、GeO膜3、SiN膜4を基板1上に順次積膜した。なお、ターゲットサイズは、直径φ200mmとした。以下、成膜装置による各層の成膜工程について順次説明する。
まず、真空チャンバ内を真空引きした後、真空チャンバ内にArガスを導入しながら、Tiターゲットを反応性スパッタリングして、膜厚30nmのTi膜2を基板1上に成膜した。なお、成膜時におけるArガス流量を24sccmとし、スパッタパワーを3.0kWとした。
次に、大気暴露せず別の真空チャンバに搬送し、真空チャンバ内にArガスを導入しながら、Ge酸化物ターゲットをスパッタリングして、膜厚20nmのGeO膜3を成膜した。なお、成膜時におけるArガス流量を30sccm、スパッタパワーを2kWとした。Ge酸化物ターゲットは、GeO膜3の吸収係数kが0.4となる組成とした。
次に、大気暴露せず別の真空チャンバに搬送し、真空チャンバ内にArガスとN2ガスとを導入しながら、Siターゲットを反応性スパッタリングして、膜厚60nmのSiN膜4をGeO膜3上に成膜した。なお、成膜時におけるArガス流量を50sccm、N2ガス流量を37sccm、スパッタパワーを4kWとした。また、このSiN膜4の組成を原子比で3:4、屈折率を2.0、吸収係数を0とした。
次に、円環形状のポリカーボネートシートを、このシート一主面に予め塗布された感圧性粘着材(PSA)により基板1上に貼り合わせて、厚さ0.1mmの光透過層5を形成した。以上により、目的とする光記録媒体10が得られた。
次に、Ge酸化物ターゲットの組成を変えて、酸素組成が異なるGeO膜3をTiSi膜2上に成膜する以外のことは上述の光記録媒体10とすべて同様にして、GeO膜3の酸素組成が互いに異なる複数の光記録媒体10を得た。
そして、上述のようにして得られた複数の光記録媒体10に対して上述の記録再生光学系により8Tマークの単一搬送波を記録、再生したときのC/Nおよび変調度を測定した。
この際、記録再生速度は5.28m/sとした。再生パワーは0.35mWとした。チャンネルビット長は80.0nm(直径12cmの光ディスクに23.3GBの記録密度)で行った。 変調方式は17PPであり、最短マークである2Tマークのマーク長は0.16μm、8Tマークのマーク長は0.64μmである。
C/N評価には、スペクトルアナライザ(Takeda Riken製、商品名:TR4171)を用いた。
次に、上述のようにして得られた複数の光記録媒体10のGeO膜3の酸素組成を調べるために、分析用のサンプルを以下のようにして作製した。
まず、上述の各光記録媒体10のGeO膜3の成膜工程と同様の条件において、2cm×2cmのSiウェーハ上にGeO膜3を100nm程度成膜した。その後、保護膜としてSiN膜を10nm成膜した。以上により、分析用の複数のサンプルを得た。
次に、上述のようにして得られた複数のサンプルの酸素組成をRBS(Rutherford Backscattering)分析法により測定した。なお、測定装置としては、ソニー株式会社内製の装置を用いた。
次に、上述のようにして得られた複数の光記録媒体10のGeO膜3の吸収係数を調べるために、分析用のサンプルを以下のようにして作製した。
すなわち、上述の各光記録媒体10のGeO膜3の成膜工程と同様の条件において、2cm×2cmのSiウェーハ上にGeO膜を100nm程度成膜して、分析用の複数のサンプルを得た。次に、上述のようにして得られた分析用サンプルの410nmの波長における吸収係数を、エリプソメータにより測定した。なお、エリプソメータとしては、ルドルフ社製のAuto EL-462P17を用いた。
次に、上述のようにして測定されたC/N、変調度、酸素組成および吸収係数に基づき、図6に示すグラフを作成した。
図6は、酸素組成および吸収係数と、C/Nとの関係を示すグラフである。横軸が酸素組成および吸収係数を示し、縦軸がC/Nを示す。一般に、吸収係数kと酸素組成xの関係は材料や層が同一であれば一意に決定されるものである。酸素組成の定量分析は測定方法によって誤差が大きくでることがあるが、吸収係数は光学パラメータであり比較的安定に測定することができる。
図6から以下のことが分かる。まず、変調度に着目すると、吸収係数kが0.2未満になると変調度が急激に低下し、吸収係数kが0.9を越える変調度が40%以下となってしまう。次に、2TのC/Nに着目すると、吸収係数kが0.15未満になるとC/Nが低下し、0.9を越えるとC/Nが40dB以下になってしまう。
また、ここでは詳細な説明は省略するが、吸収係数が0.15未満になると、急激に記録感度が悪化し、情報信号の記録を行うことができなくなった。これは、吸収が十分でなかったことと、酸素が多く安定な組成であるためと考えられる。
以上の点を考慮すると、GeO膜3の吸収係数kの範囲は、好ましくは0.15以上0.90以下、より好ましくは0.20以上0.70以下、更により好ましくは0.25以上0.60以下の範囲である。
実施例2
図7は、この実施例2による光記録媒体の記録膜構成を示す模式的断面図である。
成膜装置(Unaxis社製、商品名:Sprinter)を用いて、膜厚25nmのTiSiO膜2、膜厚22nmのGeO膜3、膜厚45nmのZnS−SiO24a、膜厚10nmのSiN膜4bを基板1上に順次成膜した。その後、感圧性粘着材(PSA)によりポリカーボネートシートを基板1の凹凸面11側に貼り合せて、SiN膜4b上に光透過層5を形成した。この光透過層5の厚さは、PSAおよびポリカーボネートシートを含めて100μmとした。以上により、目的とする光記録媒体10を得た。
成膜手順は以下の通りである。
まず、真空チャンバ内を真空引きした後、真空チャンバ内にArガスおよび酸素ガスを導入しながら、TiSiターゲットをスパッタリングして、膜厚25nmのTiSi膜2を基板1上に成膜した。このTiSiターゲット中のSiの組成比を20原子%とし、このTiSiO膜2における酸素組成を21原子%とした。
この成膜工程における成膜条件の一例を以下に示す。
真空到達度:5.0×10-5Pa
雰囲気:0.2Pa
投入電力:3kW
Arガス流量:30sccm
酸素ガス流量:5sccm
次に、真空チャンバ内を真空引きした後、真空チャンバ内にArガスを導入しながら、Ge酸化物ターゲットをスパッタリングして、膜厚22nmのGeO膜3をTiSi膜2上に成膜した。なお、Ge酸化物ターゲットは、GeO膜3の吸収係数kが0.4となる組成とした。
この成膜工程における成膜条件の一例を以下に示す。
真空到達度:5.0×10-5Pa
雰囲気:0.2Pa
投入電力:2kW
Arガス流量:30sccm
次に、真空チャンバ内を真空引きした後、真空チャンバ内にプロセスガスを導入しながら、ZnS−SiO2ターゲットをスパッタリングして、膜厚45nmのZnS−SiO2膜4aをGeO膜3上に成膜した。ZnS−SiO2膜4aの組成比(原子比)ZnS:SiO2が80:20となるようにした。
この成膜工程における成膜条件の一例を以下に示す。
真空到達度:5.0×10-5Pa
雰囲気:0.1Pa
投入電力:1kW
Arガス流量:6sccm
次に、真空チャンバ内を真空引きした後、真空チャンバ内にArガスおよびN2プロセスガスを導入しながら、Siターゲットをスパッタリングして、膜厚10nmのSi34膜4bを基板1上に成膜した。
この成膜工程における成膜条件の一例を以下に示す。
真空到達度:5.0×10-5Pa
雰囲気:0.3Pa
投入電力:4kW
Arガス流量:50sccm
2ガス流量:37sccm
上述のようにして得られた複数の光記録媒体10に対して、ランダムデータの記録を行ったときのリーディングジッターおよびトレーリングジッターを測定した。
記録再生条件は、BDの25GB密度とし、2倍速(9.83m/s)で記録、1倍速(4.92m/s)で再生した。再生パワーは0.35mWとし、再生信号はリミットイコライザー(プリイコライザーゲイン7.1dB)を通し、タイムインターバルアナライザー(横河電機株式会社製、TA720)によりジッターを測定した。
記録の線速度は9.83m/s(2倍速記録)、再生時の線速度は4.92m/s(1倍速)、チャンネルビット長は74.50nm(直径12cmの光ディスクに25GBの記録密度)で行った。
変調方式は17PPであり、最短マークである2Tマークのマーク長は0.149μm、8Tマークのマーク長は0.596μmである。
その結果を図8に示す。
図8から以下のことが分かる。すなわち、GeO膜3の酸素濃度および吸収係数には最適範囲が存在することがわかる。例えば、BD−Rのジッター規格値である6.5%以下を満たすためには、吸収係数kを0.15≦k≦0.90の範囲にすることが好ましいことが分かる。したがって、GeO膜3の吸収係数kが0.15≦k≦0.90となるように、GeO膜3の酸素濃度を調整することにより、良好な特性を有する光記録媒体10を得ることができる。
よって、上述の検討によれば、良好な記録を行うためには、Ge酸化物膜3の吸収係数kを0.15≦k≦0.90の範囲とすることが好ましい。
比較例1
次に、GeO膜3とTiSi膜2との間に膜厚3nmのSiN膜を成膜する以外のことは、上述の実施例2とすべて同様にして光記録媒体10を得た。
そして、上述の実施例2と同様にして、比較例1の光記録媒体10に情報信号の記録を行って、変調度を測定した。その結果、変調度が10%以下に低下し、ほとんど良好な記録が行われなかった。SiN膜の厚さから考えると、光学的にも熱的にも記録には殆ど影響を与えないはずであるが、記録に多大な影響を与えるという結果となった。これは、Ti合金の表面が酸化することにより、光触媒効果が発現し、GeO膜3の酸素が分離することが記録原理となっているためである。このことは、透過型電子顕微鏡(TEM:Transmission Electron Microscope)を用いた断面TEM観察により、記録後GeO膜3が2層に分離し、酸素組成の多い層がTiSi側に、酸素組成の少ない層がその反対側の面に形成されることで明らかにされた。
したがって、TiSi膜2にGeO膜3が直接接することが、この光記録媒体10の無機記録膜6にとっては極めて重要な点である。また、その成膜の際にTiSi膜2とGeO膜3の間で大気暴露すると酸化皮膜および不純物が付着することで、記録特性が大幅に劣化するため、大気暴露をせずに連続に成膜することが望ましい。
(1−2)酸化物膜の成膜方法の検討
まず、比較例として、プロセスガスとしてArガスおよび酸素ガスを導入しながら、リアクティブスパッタリング法によりGeターゲットをスパッタリングして、GeO膜3を成膜した場合について説明する。
比較例2
まず、実施例2と同様にして、同一の基板1を複数成形し、これらの基板1上にTiSi膜2を成膜した。次に、プロセスガスとしてArおよび酸素の混合ガスを導入しながら、リアクティブスパッタリング法により、Geターゲットをスパッタリングして、GeO膜3を成膜した。この成膜工程では、Arガスの流量を30sccm一定とし、酸素ガスの流量を記録媒体毎に変化させて、異なる吸収係数を有するGeO膜3をTiSi膜2上に成膜した。これ以外のことは上述の実施例2と同様にして、GeO膜3の酸素組成が互いに異なる複数の光記録媒体10を得た。
比較例3
GeO膜の成膜前のプリスパッタ条件を変える以外のことは、上述の比較例2と同様にして、GeO膜3の酸素組成が互いに異なる複数の光記録媒体10を得た。
比較例4
比較例2の光記録媒体10の作製から数週間程度経過後に、比較例2と同一のGeターゲットを用いてGeO膜3を成膜する以外のことは、上述の比較例2と同様にして、GeO膜3の酸素組成が互いに異なる複数の光記録媒体10を得た。
図9に、上述した比較例2〜4のGeO膜の成膜工程における酸素流量と、GeO膜の吸収係数との関係を示すグラフである。なお、吸収係数は、波長410nmにおけるものであり、その測定にはエリプソメータ(ルドルフ社製、商品名:Auto EL-462P17)を用いた。
図9から以下のことが分かる。すなわち、酸素ガス流量が約40〜47sccmの範囲で所望の0.15〜0.90の範囲の吸収係数が得られることが分かる。また、詳細な説明は省略するが、この酸素ガス流量の範囲でGeO膜3を成膜して光記録媒体10を作製したところ、この記録媒体10では実施例2とほぼ同等の記録特性が得られた。
また、図9中の丸、三角、四角でプロットしたものは、成膜前のプリスパッタの条件が異なっている光記録媒体10や、成膜の日時が数週間程度異なっている光記録媒体10に関するものであるが、同じ吸収係数を得るために必要な酸素流量が大きく揺らいでいることが分かる。これは、Geターゲット表面の酸化の度合いが比較例2〜4で微妙に異なるため、成膜されるGeO膜3の膜質が変わることを示している。
更に、Ge表面の酸化膜付着状況はいわゆるヒステリシスを有する。つまり、表面が酸化されると酸素流量を下げても酸素組成が高く保たれ、また、酸素を流さずにスパッタし表面をクリーニングした後に成膜すると、同じ酸素流量でも成膜された膜の酸素組成は低く、また、成膜を続けていると徐々にGeターゲット表面が酸化されてきて吸収係数が変化する。したがって、このような状態では安定して生産ができず、量産には向かない。
更に、図9中の48sccmでは吸収係数がほぼ0となっているが、47sccmでは吸収係数が0.4である。つまり、所望の吸収係数が0.4程度であると、そのような状態をそもそも安定に作成することが不可能である。
次に、Arガスのみを導入しながら、Ge酸化物ターゲットをスパッタリングしてGeO膜を成膜する光記録媒体の製造方法について説明する。この実施例では、成膜ガス雰囲気中に酸素が含まれないため、成膜されたGeO膜3に含まれる酸素はすべてターゲット内に初めから含まれるものである。
実施例3
まず、実施例2と同様にして、同一の基板1を複数成形し、これらの基板1上にTiSi膜2を成膜した。次に、プロセスガスとしてArガスを導入しながら、Ge酸化物ターゲットをスパッタリングして、TiSi膜2上にGeO膜3を成膜した。Ge酸化物ターゲットにおけるGeと酸素との組成比(原子比)を1:1とした。すなわち、Ge5050とした。
図10に、ターゲットの使用量(GeO成膜量)と吸収係数との関係を示す。なお、吸収係数は、波長410nmにおけるものであり、その測定にはエリプソメータ(ルドルフ社製、商品名:Auto EL-462P17)を用いた。
図10から以下のことが分かる。すなわち、成膜開始から4kWhまでは吸収係数が安定しない。この原因は、ターゲットの表面が初期状態では平坦であり、エロージョンがある程度大きくなるまでは放電が安定しないことと、スパッタが進むにつれて表面の状態が変わりターゲット上の酸素濃度が変化することとにある。
一方、成膜開始から4kWh以上では吸収係数の変化が落ち着き、一定量の吸収係数、すなわち、酸素濃度となっている。この状態にターゲットがなると、プリスパッタをせずとも常に一定の吸収係数のGeO膜3を安定して得ることができる。さらに、ターゲットの寿命は200kWh以上であるので、成膜開始から4kWhまでをGeO膜3の組成を安定化させるための初期化期間としても、この初期化期間はコスト的には何ら問題のないレベルの長さである。また、このターゲットを用いた場合、十分使用した後の安定状態での吸収係数は0.4であることが分かる。
さらに、Ge5050以外の酸素組成のGe酸化物ターゲットを用いて光記録媒体10を作製し、ターゲットの使用量(GeO成膜量)と吸収係数との関係を調べた。
その結果、酸素組成がGe5545の場合、上述の場合と同様に4kWh以上使用後に吸収係数を測定したところ、安定状態での吸収係数は0.9であった。また、酸素組成がGe4060の場合は、上述の場合と同様に4kWh以上使用後に吸収係数を測定したところ、安定状態での吸収係数は0.15であった。上述の実施例2で示したように、良好な記録特性の得られる吸収係数kの範囲は0.15≦k≦0.90であるため、この吸収係数を有するGeO膜3を安定に成膜できるGe酸化物ターゲットの酸素の組成比は45原子%以上60原子%以下となる。
(1−3)Ge酸化物ターゲットの製造方法の検討
次に、実施例として、Ge酸化物ターゲットの製造方法について説明する。
実施例4
Geが飽和な酸化物となった場合には、GeO2の組成を有する。従って、Geの場合にも飽和酸化物の場合は、Ge(100-X)X(X:原子%)という形で記述した場合には、GeO2ではx=66.7となる。
以下に、Ge非飽和酸化物であるGe5050およびGe6040からなるターゲットの形成工程を説明する。まず、原材料として、Ge粉末およびGeO2粉末を各々所定量秤量し、乾式混合を行なった後に、得られた混合粉末をカーボン製の型に投入しホットプレス装置によって加圧焼成を行って、焼成体を得た。この加圧焼成は、圧力19.6Mpa、焼成温度1043K〜1173Kの間の一定温度、所定時間、不活性ガス雰囲気の条件で行った。そして、焼成体に対して機械加工を施し、直径32mm、厚さ4mmのターゲットに加工した。
次に、作製したターゲットについて、理論密度に対する相対密度(%)の測定を行なった。その結果を図11に示す。ここで、相対密度とは、作製したターゲットの直径、厚さ、重量から算出した密度の理論密度に対する割合であり、理論密度とはターゲット組成の各元素について重量を算出し、この重量の総和をターゲット体積で除することにより求めたものである。
図11から以下のことが分かる。すなわち、比較的低い温度において相対密度が100%のターゲットを作製できる。ターゲットの密度が低いと、ターゲット作製上、割れやすく容易に作製することが困難である。また、密度の低いターゲットをスパッタリングに使用するとスパッタレートの低下を招き、ディスク製造上コストアップとなってしまう。相対密度として80%以下である場合にはそのような問題が発生し、成膜の安定性のみならず、記録再生特性にも影響する。したがって、スパッタリングに使用されるターゲットの密度として、スパッタリングレートなどを安定に保つためには、相対密度としておおよそ80%以上が望ましい。
なお、実施例1、2、3、5では、同様の方法で得られた焼成体を直径200mm、厚さ6mmのターゲットに加工したものを用いた。
(1−4)金属膜に対する窒素混入の検討
次に、実施例5として、TiSi膜2に窒素を混入した場合について説明する。
上述の実施例2ではジッター値としては良好な特性が得られた。しかし、記録再生をする際にはドライブのばらつきや使用環境により、媒体にとって常に最適な記録パワーで記録されるとは限らない。したがって、市場で広範に問題なく記録再生が行われるためには、記録媒体の記録パワーマージンが広いことが望まれる。
実施例5
まず、実施例2と同様にして、TiSi膜2に窒素が混入されていない光記録媒体10を作製した。ここでは、膜構成は実施例2とほぼ同じだが、TiSiのSi組成は27原子%とし、成膜雰囲気に酸素は混入せず、膜厚は27nmとした。また、Ge酸化物層の吸収係数は0.4、膜厚は25nmとした。
そして、この光記録媒体10のパワーマージンを測定した。記録再生条件は実施例2と同一である。
なお、パワーマージンの測定では、PwとPs(それぞれピークパワーとスペースパワーを示す。BD規格の定義による。)の比を保ったままパワーを変えてゆき、その他のパワーは固定とした。その測定結果を図12に示す。
次に、TiSi膜2に窒素ガスを混入させて光記録媒体10を作製した。TiSi膜2の成膜工程において、Arプロセスガス30sccmに対して3sccmの窒素ガスを混合して成膜を行った。これ以外のことは、上述の実施例2と同様にした。そして、作製された光記録媒体10のパワーマージンを測定した。なお、パワーマージンの測定は、上述の光記録媒体10と同様にして測定を行った。その測定結果を図13に示す。
図12および図13から以下のことが分かる。すなわち、リミットイコライザーを通したジッター値として8.5%以下となるパワーの範囲を最適パワーで割った値をパワーマージンと定義すると、図12の場合は25%であったのに対して、TiSi中に窒素を含めたものは31%にまで広がっている。
しかし、窒素ガスを3sccmを流す際には、流量のコントロールは0.5sccm単位であり、この程度の少ない流量では窒素量を安定して混入することは難しい。量産時にはターゲットの使用状況に応じて表面の状態が変化するため、窒素混入量をコントロールせざるをえなくなり、また、流量にてそれを安定におこなうことは困難である。
そこで、本発明は、窒素をターゲット中に所望の濃度で含ませ、Arのみをプロセスガスとして用いて成膜することにより、より安定して生産ができるようにするものである。
窒素の組成は、X線光電子分析装置(ESCA,ULVAC-PHI ESCA5400MC)により測定した。測定条件は、X線はMgKα、出力は14kV(400W)、分析径は1.1mmφ、真空度1.2×10-5Pa、光電子脱出角度45度である。試料はグルーブの無い鏡面ポリカーボネート基板上にTiSi(N)を30nm成膜し、保護膜としてAgを5nm程度成膜した。測定時はイオンエッチングにて表面を15nm程度けずり、TiSi表面を露出させてから測定を行った。定量分析は、Ti,Si,O,Nを合計したものを100%とし、窒素の組成を原子比で示す。その結果、上記Ar30sccmに対して窒素を3sccm流したものは、窒素組成が7原子%となった。
また、X線光電子分析装置(ESCA,ULVAC-PHI ESCA5400MC)を用いると窒素がTiもしくはSiのどちらに結合しているかも明らかになる。そこで、TiおよびSiのスペクトルのずれを観測したところ、Tiにピークのシフトが観測された一方で、Siはほとんど変化していなかったため、窒素のうち殆どはTiに結合していることが判明した。
そこで、以下に、このような組成がArスパッタのみで成膜できる焼成ターゲットについて説明する。焼成ターゲットの作製に用いる材料は、Ti粉末、Si粉末、そしてTi窒化物(TiN)粉末である。なお、Tiが飽和な窒化物となった場合には、TiNの組成を有する。
まず、Ti非飽和窒化物として、Ti68Si257を形成する工程を説明する。原材料として、Ti粉末、Si粉末およびTiN粉末を各々所定量秤量し、乾式混合を行なった後に、得られた混合粉末をカーボン製の型に投入しホットプレス装置によって加圧焼成を行なって焼成体を得た。この加圧焼成は、圧力29.4MPa、焼成温度1073Kから1223Kの間の一定温度、所定時間、真空雰囲気の条件にて行った。そして、この焼成体に対して機械加工を施し、直径200mm、厚さ6mmのターゲットを得た。
他の実施例と同様、スパッタリングに使用されるターゲットの密度として、スパッタリングレートなどを安定に保つためには、相対密度としておおよそ80%以上が望ましい。
(1−5)金属膜に対する窒素の混入量の検討
実施例6
次に、実施例6として、窒素混入量依存性について、窒素ガス流量を0sccmから9sccmまで変えて光記録媒体10を作製し、記録再生を行って各種評価を行った場合について説明する。図14に、窒素ガス流量、最適記録パワー、そのパワーにおけるジッター値が得られるパワーマージン(peak to peak)、およびTi合金膜中の窒素組成を示す。なお、記録再生条件は、記録を1倍速(4.92m/s)とした以外は実施例5と同様である。
以下、実施例6において作製した光記録媒体10について具体的に説明する。
図14に示すように、作製する光記録媒体10毎にTi合金膜の成膜工程における窒素ガス流量を変える以外のことは上述の実施例5とすべて同様にして、Ti合金膜の窒素組成が互いに異なる複数の光記録媒体10を得た。
図14の記録特性から以下のことが分かる。すなわち、窒素ガス流量を3sccmにして、窒素組成を7原子%含めることにより、窒素を流さない場合に比べるとパワーマージンが20%から24%へ、大幅に向上していることが分かる。この際、ボトムジッターは共に5.5%程度でほぼ同じレベルである。記録感度は0.1mW悪化しているが、この程度の記録感度の悪化は問題ないレベルである。
さらに、窒素ガス流量を増やして、窒素ガス流量を6sccmとし、窒素組成を15原子%とすると、パワーマージンは22%となり、窒素ガス流量3sccmの場合に比して若干狭まるが、窒素ガス流量0sccmの場合のパワーマージン20%よりは改善されている。一方、ボトムジッターは若干悪化し、記録感度は更に悪化している。
窒素流量を9sccm、窒素組成を23原子%にすると、ジッターは8%以上となるため、Ti合金膜であるTiSi膜2に窒素を混入させる場合には、窒素組成でおよそ20原子%以下までが好ましい範囲である。
実施例5と同様にして窒素組成を1原子%≦x≦20原子%の範囲で含むターゲットを同様に作成することで、図14に示したのと同様の特性を示す光記録媒体10を、窒素を含むターゲットにより実現でき、いずれの媒体でも成膜条件を安定させることができる。
ここでは、Tiと添加物SiとからなるTiSi膜に窒素を混入する場合について説明したが、Si以外の他の添加物を含有するTiSn膜などに窒素を混入するようにしてもよい。この場合にも、TiSi膜に窒素を混入する場合とほぼ同様の効果を得ることができる。また、Ti膜に窒素を添加した場合にも、ほぼ同様の効果を得ることができる。
次に、第2の実施形態に対応する実施例7〜8について以下の順序で説明する。
(2)青色レーザによるBCAの形成方法の検討
次に、青色レーザによるBCAの形成方法について検討を行った。以下に、この検討内容について説明する。
実施例7
この実施例7の光記録媒体10は、TiSi膜2、GeO膜3、ZnS−SiO2膜4a、SiN膜4b、光透過層5を基板1上に順次積層した構成を有する。
以下、実施例7の光記録媒体10の製造方法について説明する。まず、射出成形法により、一主面にイングルーブ11Gおよびオングルーブ11Lが設けられた基板1を成形した。樹脂材料としては、ポリカーボネート樹脂を用いた。また、トラックピッチを0.32μmとし、イングルーブ11Gの深さを21nmとし、オングルーブ11Lをウォブル(蛇行)させてアドレス情報を付加した。
次に、真空チャンバ内を真空引きした後、真空チャンバ内にArガスを導入しながら、TiSiターゲットをスパッタリングして、膜厚27nmのTiSi膜2を基板1上に成膜した。このTiSi膜2におけるSiの組成比を27原子%とした。
この成膜工程における成膜条件を以下に示す。
真空到達度:5.0×10-5Pa
雰囲気:0.2Pa
投入電力:3kW
Arガス流量:30sccm
次に、真空チャンバ内を真空引きした後、真空チャンバ内にArガスを導入しながら、Ge酸化物ターゲットをスパッタリングして、膜厚26nmのGeO膜3をTiSi膜2上に成膜した。なお、Ge酸化物ターゲットの酸素組成は、GeO膜3の吸収係数kが0.40となるように調整した。
この成膜工程における成膜条件を以下に示す。
真空到達度:5.0×10-5Pa
雰囲気:0.2Pa
投入電力:2kW
Arガス流量:30sccm
次に、真空チャンバ内を真空引きした後、真空チャンバ内にArガスを導入しながら、ZnS−SiO2ターゲットをスパッタリングして、膜厚45nmのZnS−SiO2膜4aをGeO膜3上に成膜した。
この成膜工程における成膜条件を以下に示す。
真空到達度:5.0×10-5Pa
雰囲気:0.1Pa
投入電力:1kW
Arガス流量:6sccm
次に、真空チャンバ内を真空引きした後、真空チャンバ内にArガスおよびN2ガスを導入しながら、Siターゲットをスパッタリングして、膜厚7nmのSiN膜4bを基板1上に成膜した。
この成膜工程における成膜条件を以下に示す。
真空到達度:5.0×10-5Pa
雰囲気:0.3Pa
投入電力:4kW
Arガス流量:50sccm
2ガス流量:37sccm
次に、円環形状のポリカーボネートシートを、このシート一主面に予め塗布された感圧性粘着材(PSA)により基板1上に貼り合わせて、厚さ0.1mmの光透過層5を形成した。
次に、波長405nmのレーザ光をパルス状に変調して、光透過層5の側からBCAに照射した。これにより、BCAにバーコード状の記録マークが形成された光記録媒体10を得た。なお、ビーム幅を約5μm、線速度を10m/s、レーザ照射パワーを160mW、1回転あたりのビーム送り量を2μmとした。
実施例8
次に、波長800nm帯のレーザ光を照射して記録マークを形成する以外のことは上述の実施例7とすべて同様にして、BCAにバーコードが形成された光記録媒体10を得た。
次に、上述のようにして得られた実施例7〜8のBCAに記録された信号を再生し、この再生信号を評価した。
図15(a)は、BCAに形成される記録マークのイメージを示す。図15(b)は、実施例7の再生信号の波形を示す。図15(c)は、実施例8の再生信号の波形を示す。なお、図15(b)および図15(c)では、実施例7および実施例8の比較を容易にするため微少なノイズの図示は省略している。
図15(b)および図15(c)を比較すると以下のことが分かる。すなわち、実施例8では、記録マークの境界部分に急激に反射率が高くなる領域があるのに対して、実施例7では、記録マークの境界部分に急激に反射率が高くなる領域がないことが分かる。これは、800nm帯のレーザでは波長依存性があるため、400nm帯での記録再生に最適化された光記録媒体10ではBCAに対する情報信号の記録が困難であるためと考えられる。また、図示は省略するが、実施例7では、BCA部の全体の信号レベルも比較的均一であった。
次に、第3の実施形態に対応する実施例9〜28について以下の順序で説明する。
(3)赤外レーザによるBCAの形成方法の検討
次に、赤外レーザによるBCAの形成方法について検討を行った。以下に、この検討内容について説明する。
実施例9〜13
まず、上述の実施例7とすべて同様にして複数の光記録媒体10を得た。次に、上述のようにして得られた複数の光記録媒体10ごとに光学ヘッドスキャンスピードを3m/s〜11m/sの範囲で変えて、出力パワー4000mW、波長810nmのレーザ光をパルス状に変調して、基板1側からBCAに照射した。これにより、TiSi膜2、GeO膜3、ZnS−SiO2膜4aおよびSiN膜4bを溶融除去され、BCAにバーコード状の記録マークが形成された複数の光記録媒体10を得た。なお、ビーム幅を約30μm、レーザ照射パワーを4000mW、1回転あたりのビーム送り量を2μmとした。
実施例14〜18
出力パワー3400mWにする以外のことは上述の実施例9〜13とすべて同様にして、BCAにバーコード状の記録マークが形成された複数の光記録媒体10を得た。
実施例19〜23
光透過層側からBCAにレーザ光を照射する以外のことは実施例9〜13とすべて同様にして、BCAにバーコード状の記録マークが形成された複数の光記録媒体10を得た。
実施例24〜28
光透過層側からBCAにレーザ光を照射する以外のことは実施例14〜18とすべて同様にして、BCAにバーコード状の記録マークが形成された複数の光記録媒体10を得た。
上述の実施例9〜28では、実用上の観点から、波長810nmの赤外レーザを用いたが、レーザ光の波長は適宜選択できるものであり、赤外レーザは、波長810nmのものに限定されるものではなく、例えば720nm〜2500nmの波長範囲のものを用いることができる。上述の実施例9〜28において波長810nmのレーザ光を用いたのは具体的には以下の理由による。すなわち、基板1上の積層膜を破壊除去することが可能なレーザパワーを、波長810nm以外のレーザでは得ることが困難である。すなわち、650nm帯や400nm帯のレーザではレーザパワーが不足であるため、積層膜を破壊除去することは困難である。
次に、上述のようにして得られた実施例9〜28のBCAに記録された信号を再生し、この再生信号を評価した。
図16は、実施例9〜13のBCAの再生信号の評価結果を示す。図17は、実施例14〜18のBCAの再生信号の評価結果を示す。図18は、実施例19〜23のBCAの再生信号の評価結果を示す。図19は、実施例24〜28のBCAの再生信号の評価結果を示す。図20は、実施例9〜13の再生信号を示す。図21は、実施例14〜18の再生信号を示す。図22は、実施例19〜23の再生信号を示す。図23は、実施例24〜28の再生信号を示す。なお、図16〜図19の評価結果の欄において、「○」は、BCA部の信号レベルが比較的均一で、且つ、記録マークの境界部分に急激に反射率が高くなる領域がない再生信号を示し、「×」は、BCA部の信号レベルが均一でなく、且つ、記録マークの境界部分に急激に反射率が高くなる領域がある再生信号を示している。また、図20〜図23のA〜Eの各図において、下部に示された信号波形は、上部に示された信号波形の一部を拡大したものである。A〜Eはそれぞれ、スキャンスピード3m/s〜11m/sにてBCAを形成した光記録媒体10の信号波形に対応する。
図16〜図19から、光透過層5側からレーザ光を照射した場合には、光学ヘッドスキャンスピードおよびレーザパワーに関わらず、BCA部の信号レベルが均一でなく、且つ、記録マークの境界部分に急激に反射率が高くなる領域があることが分かる。
これに対して、基板1側からレーザ光を照射した場合には、光学ヘッドスキャンスピードを5m/s〜9m/s、レーザパワーを3400mW〜4000mWの範囲とすることにより、BCA部の信号レベルが比較的均一で、且つ、記録マークの境界部分に急激に反射率が高くなる領域がないことが分かる。
以上、この発明の第1〜第3の実施形態について具体的に説明したが、この発明は、上述の一実施形態に限定されるものではなく、この発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。
例えば、上述の第1〜第3の実施形態において挙げた数値はあくまでも例に過ぎず、必要に応じてこれと異なる数値を用いてもよい。
また、上述の第1〜第3の実施形態では、誘電体膜が第1の誘電体膜4aおよび第2の誘電体膜4bからなる積層構造を有する場合を例として説明したが、誘電体膜を単層構造としてもよい。この場合、誘電体膜を構成する材料としては、例えばSiN,ZnS−SiO2,AlN,Al23,SiO2,TiO2、SiCなどを用いることができ、記録特性の点からすると、ZnS−SiO2を用いることが好ましい。誘電体膜4の厚さは、例えば10nm以上100nm以下の範囲である。
また、上述の第1〜第3の実施形態では、金属膜3をTiから構成する場合について説明したが、Ti以外の光触媒効果を発現する金属材料などから金属膜3を構成しても、上述の第1〜第3の実施形態と同様に情報信号を記録可能な光記録媒体が得られると考えられる。
この発明の一実施形態による光記録媒体の一構成例を示す概略断面図である。 この発明の第2の実施形態による光記録媒体を示す平面図である。 この発明の第2の実施形態による光記録媒体に対する固有情報の記録に用いられる記録装置の構成を示すブロック図である。 図4(a)は、BCAに形成された記録マークの一例を示す略線図、図4(b)は、BCAに記録された固有情報を再生したときの再生信号の波形の一例を示す略線図である。 実施例1による光記録媒体の記録膜構成を示す模式的断面図である。 Ge酸化物膜の酸素組成を変えたときに、8Tマークの単一搬送波を記録、再生したときのキャリア対ノイズ比を示すグラフである。 実施例2による光記録媒体の記録膜構成を示す模式的断面図である。 BDの25GB密度相当でランダムデータの記録を行った際の、リーディングジッターおよびトレーリングジッターを示すグラフである。 比較例2〜4のGeO膜の成膜工程における酸素流量と、GeO膜の吸収係数との関係を示すグラフである。 ターゲットの使用量(GeO成膜量)と吸収係数との関係を示すグラフである。 焼成温度と相対密度の関係を示すグラフである。 記録パワーPwと、ジッター、変調度およびアシメトリとの関係を示すグラフである。 記録パワーPwと、ジッター、変調度およびアシメトリとの関係を示すグラフである。 金属膜の成膜工程における窒素流量と、光記録媒体の各種特性との関係を示す表である。 図15(a)は、実施例5の再生信号の波形を示す略線図、図15(b)は、実施例6の再生信号の波形を示す略線図である。 実施例9〜13の再生信号の評価結果を示す表である。 実施例14〜18の再生信号の評価結果を示す表である。 実施例19〜23の再生信号の評価結果を示す表である。 実施例24〜28の再生信号の評価結果を示す表である。 実施例9〜13のBCAの再生信号を示す略線図である。 実施例14〜18のBCAの再生信号を示す略線図である。 実施例19〜23のBCAの再生信号を示す略線図である。 実施例24〜28のBCAの再生信号を示す略線図である。
符号の説明
1 基板
2 金属膜
3 酸化物膜
4 誘電体膜
5 光透過層
6 無機記録膜
10 光記録媒体

Claims (13)

  1. 無機記録膜を有する光記録媒体の製造方法であって、
    Tiからなる隣接膜を成膜する工程と、
    Geの酸化物からなる酸化物膜を成膜する工程と
    を備え、
    上記酸化物膜および上記隣接膜の成膜工程では、上記酸化物膜と上記隣接膜とは隣接するように成膜され、
    上記酸化物膜の成膜工程では、GeおよびGe酸化物の混合物ターゲットをスパッタリングすることにより上記酸化物膜を成膜し、
    上記酸化物膜の吸収係数kが、0.15≦k≦0.90であることを特徴とする光記録媒体の製造方法。
  2. 上記酸化物膜の隣接膜と反対側の主面に、誘電体膜を成膜する工程をさらに備えることを特徴とする請求項1記載の光記録媒体の製造方法。
  3. 波長350nm以上450nm以下のレーザ光を上記酸化物膜側から上記光記録媒体に対して照射することにより、識別情報を記録する工程をさらに備えることを特徴とする請求項1記載の光記録媒体の製造方法。
  4. レーザ光を上記隣接膜側から上記光記録媒体に対して照射することにより、識別情報を記録する工程をさらに備えることを特徴とする請求項1記載の光記録媒体の製造方法。
  5. 上記酸化物膜を成膜するための混合物ターゲットは、半導体の非飽和酸化物からなるスパッタリングターゲットであって、
    少なくともGe粉末およびGe酸化物粉末とを混合し、該混合物を加圧焼成してなることを特徴とする請求項1記載の光記録媒体の製造方法
  6. 上記加圧焼成後の酸素の含有量が45原子%以上60原子%以下であることを特徴とする請求項5記載の光記録媒体の製造方法
  7. 上記隣接膜が、TiおよびNからなり、
    上記隣接膜を成膜するためのターゲットは、Tiの非飽和窒化物からなるスパッタリングターゲットであって、
    少なくともTi金属粉末とTi窒化物粉末とを混合し、該混合物を加圧焼成してなることを特徴とする請求項1記載の光記録媒体の製造方法
  8. 上記加圧焼成後の窒素の含有量が1原子%以上20原子%以下であることを特徴とする請求項7記載の光記録媒体の製造方法
  9. 上記隣接膜が、Ti、Si、およびNからなり、
    上記隣接膜を成膜するためのターゲットは、Tiの非飽和窒化物からなるスパッタターゲットであて、
    少なくともTi粉末と、Si粉末と、Ti窒化物粉末およびSi窒化物粉末のうち少なくとも一方とを混合し、該混合物を加圧焼成してなることを特徴とする請求項1記載の光記録媒体の製造方法
  10. 上記加圧焼成後の窒素の含有量が1原子%以上20原子%以下であることを特徴とする請求項9記載の光記録媒体の製造方法
  11. 上記隣接膜が、N、およびSiからなり、
    上記隣接膜を成膜するためのターゲットは、少なくともSiおよびTiを含有するターゲットであって、
    上記Siの含有量が、8原子%以上32原子%以下であることを特徴とする請求項1記載の光記録媒体の製造方法
  12. 無機記録膜を有する光記録媒体であって、
    Tiからなる隣接膜と、
    Geの酸化物からなる酸化物膜と
    を備え、
    上記酸化物膜と上記隣接膜とは隣接するように成膜され、
    上記酸化物膜の吸収係数kが、0.15≦k≦0.90であることを特徴とする光記録媒体。
  13. 上記隣接膜が、TiおよびSiの少なくとも一方をさらに含有することを特徴とする請求項12記載の光記録媒体。
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