JP2007130700A - サイアロン製切削工具及びこれを備えた工具 - Google Patents

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Abstract

【課題】優れた耐摩耗性を有するサイアロン製切削工具及びこれを備えた工具の提供。
【解決手段】α−サイアロン及びβ−サイアロンからなるサイアロン相と、焼結助剤由来の希土類元素を含有し、Si6−ZAl8−Zで表されるβ−サイアロン相のZ値が0.2≦Z≦0.7であり、粒界相の一部又は全てがメリライト相であり、そのメリライト相がβ−サイアロンの含有量に対して最高X線強度比で0.2以上1.0以下の割合で含有され、サイアロン相中のα−サイアロン相の割合を示すα率が10%以上40%以下であり、室温におけるビッカース硬度が小さくても16GPaであるサイアロン焼結体で形成されて成ることを特徴とするサイアロン製切削工具及びそれを利用した工具。
【選択図】図1

Description

本発明はサイアロン製切削工具及びこれを備えた工具に関し、詳しくは優れた耐摩耗性を有するサイアロン製切削工具及びこれを備えた工具に関する。
サイアロンは窒化珪素と比較して優れた硬度と、室温から高温にいたるまでの温度範囲における高い強度とを有し、化学的安定性が高い素材であると認識されている。そのため、耐熱性及び耐化学反応性が要求される熱鋼の圧延用ガイドロールやダイス、アルミニウム・ダイキャスト、機械のスリーブなどの構造材料として使われることが多かった。さらに、耐摩耗性が良好であると認識されていることから切削工具や軸受けにも利用可能であると考えられるに到った。しかしながら、現実においては、サイアロン製切削工具は、難削性の耐熱合金等の粗切削加工に用いられる程度で、被削材の面粗度や寸法精度に影響するインサート刃先の耐摩耗性についてはあまり考慮されることはなかった。
近年、自動車の燃費向上を目的としてFC材を主とする自動車部材の軽量化が大きな課題となっている。このような背景から、自動車部材の薄肉化、軽量化の要求が高まっており、粗加工と雖も高精度の加工が要求されるようになって来た。
これらFC材の粗加工については、従来は窒化珪素製切削工具の使用が多かったが、窒化珪素自体は共有結合性の材料であり、高速加工時の高温によりシリコンと窒素とに分解しやすいことが欠点であった。その分解反応は、切削加工時に窒化珪素がFC材の主要成分である鉄や炭素と高い切削圧力にて接触することで化学反応が起こり、より早く進むことになる。インサート刃先の窒化珪素が分解することにより刃先が摩耗、損傷する。刃先が摩耗すると被削材の面粗度や寸法精度が悪化し、ついには工具が使用不能となり工具寿命となる。
これら化学反応による損傷から刃先が摩耗する機構について、本発明者らが鋭意研究したところ、前述のとおり、窒化珪素が有する機械的な耐磨耗性を損ねることなく、FC材と工具材質との化学反応を抑制することが、工具寿命を延長させるために重要であることが判明した。
ところで、(a)被削材と工具材質との化学反応を抑制するために、工具材質に鉄と反応性の低いチタン化合物又はアルミ化合物からなる硬質層を被覆することが知られている。例えば、特許文献1には、窒化チタン、炭化チタン等のチタン化合物とアルミナ等のアルミ化合物とを被覆し、FC材を切削加工する事例が開示されている。さらに、窒化珪素に窒化チタンを添加し、普通鋳鉄を切削加工する発明が開示されている。
(b)被削材と工具基材自体との化学反応性を抑制させる方法するために、窒化チタン又はアルミナを工具基材に添加することにより工具基材自体の化学反応性を抑制する方法も知られている。この場合の窒化チタンは、分散粒子として組織中に存在し、工具基材の耐化学反応性を改善しようとするものである。また、アルミナは窒化珪素粒子内に固溶することによりサイアロン粒子となり、窒化珪素粒子自体の耐化学反応性を改善しようとしている。このような方法は、特許文献2に開示されている。
(c)切削工具の高温特性を改善するためには粒界結晶化させてガラス相を低減し、耐摩耗性を改善する方法が知られている。メリライトを含有した工具基材については特許文献3及び4に開示されている。
特許第3107168号公報 特開2005−231928号公報 特許第3266200号公報 特許第3437380号公報
本願発明者らの検討によると以下の事柄を見出した。上述の(a)の技術では、被覆層を設けることによる効果により、被削材と切削工具基材の化学反応による摩耗は抑制されるが、被覆時に窒化珪素基材と窒化チタンやアルミナの熱膨張係数の相違により被覆層に引っ張り残留応力が生じ、被覆層を破壊の起点としてインサートの刃先が欠損し工具寿命が低下する事がある。
また、前記(b)の技術では、窒化チタンの添加により、窒化チタンと窒化珪素粒子との熱膨張係数の相違による耐熱衝撃性の低下、アルミ化合物の添加によるサイアロン化により粒子自体の硬度低下に起因する機械的な耐磨耗性の低下及び強度低下等により、高温切削時の工具寿命を低下させてしまうことがある。また、過度のサイアロン化により熱伝導率の低下を招くことにより、耐熱衝撃性が低下することがある。
前記(c)の技術では、特に母材が窒化珪素であるときには、化学的反応性が高いために化学的摩耗が進行してしまい、メリライトの生成により機械的摩耗つまり境界摩耗の抑制効果が小さくなってしまう。
本発明はこうした問題点に鑑みてなされたのであって、例えば工具基材の特性を低下させることなく、被削材と工具刃先との化学反応による化学摩耗、及びアブレッシブな機械的摩耗を低減し、工具寿命を改善したサイアロン製切削工具を提供することを課題とする。
前記課題を解決するための手段として、
請求項1は、α−サイアロン及びβ−サイアロンからなるサイアロン相と、焼結助剤由来の希土類元素を含有し、Si6−ZAl8−Zで表されるβ−サイアロン相のZ値が0.2≦Z≦0.7であり、粒界相の一部又は全てがメリライト相であり、そのメリライト相がβ−サイアロンの含有量に対して最高X線強度比で0.2以上1.0以下の割合で含有され、サイアロン相中のα−サイアロン相の割合を示すα率が10%以上40%以下であり、室温におけるビッカース硬度が小さくても16GPaであるサイアロン焼結体で形成されて成ることを特徴とするサイアロン製切削工具であり、
請求項2は、前記サイアロン製切削工具が鋳鉄の切削用である前記請求項1に記載のサイアロン製切削工具であり、
請求項3は、前記請求項1又は2に記載のサイアロン製切削工具とこのサイアロン製切削工具を保持するホルダーとを有することを特徴とする工具である。
本発明によると、例えば工具基材の特性を低下させることなく、被削材と工具刃先との化学反応による化学摩耗、及びアブレッシブな機械的摩耗を低減し、工具寿命を改善したサイアロン製切削工具を提供することができる。
本発明のサイアロン製切削工具は、β−サイアロン及びα−サイアロンからなるサイアロン相を主相としているサイアロン焼結体で形成されて成る。
一般に、サイアロンは原料となる窒化珪素、アルミナ、窒化アルミニウム、シリカなどのSi,Al,O,Nといった構成元素を含む原料粉末に焼結助剤等を加えて焼結して成る。通常、サイアロン粒子には組成式Si6−ZAl8−Z(0<Z≦4.2)で表されるβ-サイアロンと、組成式Mx(Si,Al)12(O,N)16(0<X≦2、MはMg,Ca,Sc,Y,Dy,Er,Yb,Lu等の、侵入型となって固溶する元素を示す。)で示されるα−サイアロンが混在している。β−サイアロンは窒化珪素同様に針状組織が絡み合った組織となるため、高靭性であり、α−サイアロンは等軸状の粒子形状であるため、β−サイアロンと比較して低靭性ではあるが、硬度が高い特長を有する。
サイアロン粒子間の粒界相にはガラス相と結晶相とがある。焼結助剤は、焼結時に、窒化珪素及び窒化珪素に不純物として含まれるシリカ成分等とともに液相化して、サイアロン粒子の生成、サイアロン粒子の再配列、粒成長、緻密化に寄与したあと、冷却時に固化してガラス相又は結晶相としてサイアロン粒界に粒界相を生成する。サイアロン焼結体の耐熱性、靱性、硬度を改善するために、本発明に係るサイアロン製切削工具の中でも好適なサイアロン製切削工具は、通常の場合、焼結助剤として用いられる希土類元素、好ましくはSc、Y、Dy、Yb、及びLuから成る群から選択される少なくとも一種の元素をサイアロン焼結体中に酸化物換算で1〜7質量%含有している。
サイアロン焼結体中の上記特定の希土類元素の酸化物換算含有量の質量%は、焼結原料粉末は過不足なく焼結体になるものと想定して、焼結体中の含有組成ではなく、素地調製時の組成から求めることができる。
本発明のサイアロン製切削工具を形成するサイアロン焼結体中のSi6−ZAl8−Zで表されるβ−サイアロンのZ値は0.2〜0.7である。β−サイアロンのZ値がこの範囲であるサイアロン焼結体は、窒化珪素と比べるとサイアロン製切削工具は被削材との化学反応が発生しにくく、また、サイアロン化による強度低下も少なく、熱伝導率低下も少ない。すなわち、0.2未満ではサイアロン製切削工具と被削材との化学反応の抑制効果が充分でなく、0.7より大きいと、サイアロン製切削工具の強度低下が顕著となる。このZ値の測定方法としては、X線回折測定により測定されるサイアロン焼結体中のβ-サイアロンのa軸格子定数と、β-窒化ケイ素のa軸格子定数(7.60442Å)の差から通常の方法により算出する(算出方法については特許文献5を参照のこと)。
特表2004−527434
本発明に係るサイアロン製切削工具を形成するサイアロン焼結体は、粒界相の一部又は全部がメリライト相である。この発明における好適なメリライトはSiRe(ただし、Reは希土類元素を示す。)で示すことができる。このメリライト相のサイアロン焼結体中での含有量は、最高X線強度比で0.2以上かつ1.0以下である。メリライト相を前記範囲でサイアロン焼結体中に含まれていると、サイアロン焼結体における残留ガラスが非常に少なくなり、耐磨耗性及び高温特性に優れたサイアロン製切削工具が実現される。また、メリライト相の含有量が前記最高X線強度比で1.0を越えると、サイアロン焼結体の耐酸化性が低下するので、化学的耐磨耗性に劣るサイアロン製切削工具となってしまう。
本発明に係るサイアロン製切削工具は、サイアロン粒子中のα−サイアロンの比率を示すα率が10%以上40%以下である。サイアロン粒子中の一部がα−サイアロンであることが好適なインサート用焼結体を形成する。α−サイアロンはその生成時に焼結助剤として添加した特定の希土類酸化物に由来する特定の前記希土類元素を粒子内に固溶し、サイアロン粒界の結晶相あるいはガラス相の量を低減し、機械的な摩耗損傷を抑制することができる。α−サイアロンが十分に生成せず、しかも希土類酸化物由来の元素がα−サイアロン粒子内へ充分固溶しないと、前記元素が粒界に多く残ってしまい熱膨張係数の大きい焼結体となり、充分な熱衝撃抵抗性を得ることができない。サイアロン中に占めるα−サイアロンの比率であるα率は、X線回折におけるβ−サイアロンの(101)面ピーク強度をβ1、(210)面ピーク強度をβ2、α−サイアロンの(102)面ピーク強度をα1、(210)面ピーク強度をα2とした時に、{(α1+α2)/(β1+β2+α1+α2)}×100の計算式で算出される。前記α率が10%未満では粒界層が多く残り耐摩耗性、耐熱衝撃性が充分でない。また、前記α率が40%を越えると、靭性の低い等軸状のα-サイアロン粒子が多くなるために、耐欠損性が劣ってしまい好ましくない。
本発明のサイアロン製切削工具におけるサイアロン焼結体の硬度は、室温におけるビッカ−ス硬度で16GPa以上である。ビッカース硬度はJIS Z 2244に準じて測定することができ、本発明においては市販のビッカ−ス硬度計を用いて室温下、荷重30kgf、保持時間30秒の条件にて測定する。ビッカース硬度が16GPa以上であるサイアロン焼結体で形成したサイアロン製切削工具は、耐摩耗性が良好であり、ビッカ−ス硬度が前記値よりも小さいと硬度不足となって十分な耐摩耗性のないサイアロン製切削工具となってしまう。
本発明の工具は、本発明のサイアロン製切削工具とこれをスローアウェイチップとして装着するホルダーとを有し、高性能の工具として使用される。特に、本発明のサイアロン製切削工具及び工具は普通鋳鉄のみならず難削材である例えばダクタイル鋳鉄、耐熱合金等を高速加工する際、工具刃先の摩耗量が小さく、かつ欠損率が低く、工具寿命が長い。粗切削加工用工具として用いても被削材の面粗度及び寸法精度等に影響する工具刃先の耐摩耗性に優れ、面粗度や寸法精度のよい切削加工が長時間継続できる。なお、本発明の工具は広義の切削用の工具であり、旋削加工、フライス加工などを行う工具全般を言う。
本発明のサイアロン製切削工具の好ましい製造方法について、以下に説明する。Si粉末及びAl粉末、AlN粉末等のサイアロンを構成する元素を含む粉末を、焼結助剤として希土類元素の酸化物粉末であるY粉末、Dy粉末、Er粉末、Yb粉末、Lu粉末等と混合して得られる混合物を原料粉末とする。原料粉末は、その平均粒径が10μm以下、好ましくは5μm以下、さらに好ましくは3μm以下の粉末を用いるとよい。これらの原料粉末は焼結後のインサートの組成を考慮してそれぞれの比率を決めればよい。通常は、Si粉末を95〜50質量%、Al粉末を0.5〜20質量%、AlN粉末を0〜40質量%、焼結助剤を1〜7質量%とすればよい。調製した原料粉末をボールミルのような混合粉砕機、例えばSi製ボールを備えたSi製ポットを用いてエタノール等の粉末を実質的に溶解しない液体を加えて1〜300時間混合してスラリーを製造する。この際、原料粉末の粒径が大きいときには粉砕時間を長くして粉砕を十分にする。
このスラリー中に粗粒がある場合は、スラリーを200〜500メッシュ程度のふるいにかけ粗粒を除くとよい。調製した原料粉末にマイクロワックス系等の有機バインダを原料粉末に対し1〜30質量%添加し、スプレードライ等により造粒乾燥する。得られた造粒粉末を焼成後の焼結体の形状を想定して所望の形状にプレスする。成形は射出成形、押出し成形、鋳込み成形等を応用することもできる。成形した後に成形体を脱脂をする。通常、加熱装置内において窒素等の不活性ガス雰囲気中で脱脂をする。脱脂は400〜800℃にて30〜120分程度で完了する。脱脂した成形体を1500〜1900℃、好ましくは1650〜1800℃で焼結する。焼結は2段階で実施することが好ましく、一次焼結は炭化珪素、窒化ホウ素、窒化珪素等で形成されたサヤ内で、1〜9気圧の窒素又はAr雰囲気下にて1650〜1800℃まで昇温し1〜5時間保持すればよい。2次焼結は熱間静水圧成形(HIP)によればよい。例えば、100〜5000気圧の窒素雰囲気下において1650〜1800℃で1〜5時間加熱する。
このようにして得た焼結体を更に熱処理してメリライト相を焼結体中に生成させる。熱処理は、炭素を含む窒素雰囲気下において1500〜1700℃で60〜240分間加熱することにより、行われる。窒素雰囲気に含まれる炭素は、熱処理される焼結体を埋め込む炭素粉末に由来する炭素であってもよく、また、熱処理する際の窒素雰囲気に混入させるメタン等の炭化水素及び炭酸ガス等の炭素含有ガスに由来する炭素であってもよい。かくして本発明における、メリライト相を含有するサイアロン焼結体が得られる。このサイアロン焼結体を図1、図3に示すようなインサートとしての形状に研磨加工して本発明のサイアロン製切削工具にすることができる。工具とするには図2、図5に示すような通常のホルダーにこのスローアウェイチップを装着すればよい。
(1)インサートの作製
平均粒径1.0μm以下のα−Si粉末、焼結助剤として平均粒径1.0μm以下の、Y粉末、Dy粉末、Er粉末、Yb粉末、及びLu粉末、さらにAl粉末、並びにAlN粉末から表1に示す組成となるように表1に示す割合で配合して原料粉末を調製した。次に、この原料粉末をそれぞれ内壁がSi製のポットとSi製ボールとを用いて、エタノールを加えて96時間混合してスラリーを作製した。このスラリーを325メッシュのふるいで粗粒を除き、エタノールに溶解したマイクロワックス系の有機バインダを5.0質量%添加してからスプレードライして顆粒を作製した。得られた顆粒を図1に示すISO規格でSNGN120408のインサートの形状にプレス成形した後に、加熱装置内において1気圧の窒素雰囲気中で600℃にて60分脱脂を行った。脱脂した成形体の一次焼結は、窒化珪素製のサヤ内にセットし、セットした状態で1〜9気圧の窒素雰囲気下にて1700〜1800℃まで昇温し120分保持した。最後に、熱間静水圧成形(HIP)により2次焼結を行った。2次焼結は1000気圧の窒素雰囲気下において1700℃で180分加熱して2次焼結体を得た。
この2次焼結体に熱処理を行った。熱処理は炭素を含む窒素雰囲気下に1500〜1700℃で120分加熱した。炭素源は、炭素粉末であり2次焼結体を埋め込んで使用する。
こうして得られたサイアロン焼結体を研磨加工してISO規格でSNGN120408の形状に整えて切削工具用のインサートとした。表1に実施例及び比較例のインサートの組成、性状を切削性能評価結果とともに示した。サイアロン焼結体の組成は簡易的な算出方法として、焼結原料粉末調製時の各元素を酸化物や窒化物などの化合物の組成を基準に質量%で表示した。
(2)インサートについての測定
得られたサイアロン焼結体をアルキメデス法により密度測定し、理論密度で除して理論密度比を算出した。すべての実施例のサンプルは理論密度比が十分高く、焼結体中にマイクロポアが残存せず緻密化していた。
Z値の測定及び計算、α率の測定及び計算については前述の通りの方法にて求めた。
(3)切削性能の評価
(a)切削距離
実施例及び比較例におけるSNGN120408型インサート(チャンファー0.1mm)を用いて以下の切削加工条件で切削加工を行った。切削後に、前逃げ面の最大VB摩耗量(VBGmax)が0.3mmに達した時点での切削距離で表した。
(加工条件)
・被削材:FC200(普通鋳鉄 鋳肌無し)
・形状:外径φ300mm×内径φ50mm×厚み30mm
・切削速度:500m/min
・送り速度:0.3mm/刃
・切り込み深さ:0.3mm
・切削油:乾式
(b)境界摩耗量
実施例及び比較例におけるSNGN120408型インサート(チャンファー0.05mm)を用いて以下の切削加工条件で切削加工を行った。フランク最大摩耗量を測定し、境界摩耗量(単位:mm)とした。
(加工条件)
・被削材:FC200(普通鋳鉄、両端面に鋳砂が残留)
・形状:外径φ300mm×内径φ150mm×厚み100mm
・切削速度:300m/min
・送り速度:0.2mm/刃
・切り込み深さ:1.5mm
・切削油:乾式
Figure 2007130700
表1に示されるように、本発明の実施例に係る切削インサートは工具刃先の損傷が少なく、切削長が長い上に耐境界摩耗性にも優れていることが分かる。それに対し、比較例は切削長又は境界摩耗量が劣る。
図1は本発明のスローアウェイチップの斜視図である。 図2はホルダーに本発明のスローアウェイチップを装着した外径加工用切削工具の例である。 図3は本発明のスローアウェイチップの他の例の斜視図である。 図4は図3のスローアウェイチップの面取り加工を示す正面図である。 図5はフライスカッター用ホルダーにスローアウェイチップを装着した切削工具の平面図である。
符号の説明
1:スローアウェイチップ
2:外径加工用ホルダー
3:押さえ金
4:刃先
5:スローアウェイチップの面取り加工部
6:フライスカッター用ホルダー
7:フライスカッター用ホルダー本体
8:スローアウェイチップ装着用カートリッジ
9:スローアウェイチップ取付け用くさび

Claims (3)

  1. α−サイアロン及びβ−サイアロンからなるサイアロン相と、焼結助剤由来の希土類元素を含有し、Si6−ZAl8−Zで表されるβ−サイアロン相のZ値が0.2≦Z≦0.7であり、粒界相の一部又は全てがメリライト相であり、そのメリライト相がβ−サイアロンの含有量に対して最高X線強度比で0.2以上1.0以下の割合で含有され、サイアロン相中のα−サイアロン相の割合を示すα率が10%以上40%以下であり、室温におけるビッカース硬度が小さくても16GPaであるサイアロン焼結体で形成されて成ることを特徴とするサイアロン製切削工具。
  2. 前記サイアロン製切削工具が鋳鉄の切削用である前記請求項1に記載のサイアロン製切削工具。
  3. 前記請求項1又は2に記載のサイアロン製切削工具とこのサイアロン製切削工具を保持するホルダーとを有することを特徴とする工具。
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