JP2007109693A - キャパシタ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】樹脂と高誘電率無機粒子を含有し、高誘電率無機粒子の含有量が、70重量%以上97重量%以下である誘電体組成物と、誘電体組成物に接して設けられたCr、Ni、Ti、W、Nb、Zrのいずれかを含む第1金属層を有するキャパシタ。
【選択図】図1
Description
誘電体組成物の静電容量、比誘電率、誘電正接は以下のようにして測定した。面積6cm×6cm、厚さ0.3mmのアルミニウム基板上の全面に誘電体組成物の塗膜を形成した。この塗膜はスピンコートしたペースト組成物を適宜加熱し、溶媒蒸発、樹脂硬化させることにより形成した。続いてこの塗膜上に蒸着法によりアルミニウム電極を形成した。アルミニウム電極は、直径10mmの円形パターンの測定用電極と内径11.5mmのリング状パターンのガード電極である。誘電体組成物の膜厚は10μm〜20μmの範囲とした。測定用電極とアルミニウム基板に挟まれた部分が測定対象領域となる。測定対象領域の1MHzにおける静電容量をインピーダンスアナライザ4294Aおよびサンプルホルダー16451B(共にアジレントテクノロージー(株)製)を用いて測定した。比誘電率は静電容量と測定対象領域の寸法から算出した。
誘電体組成物の膜厚は、サーフコム1400(東京精密(株)製)を用いて触針法により測定した。4ヶ所で測定を行い、その平均値を膜厚とした。
誘電体組成物の表面粗度(Ra)は、サーフコム1400(東京精密(株)製)を用いた触針法による測定と、断面TEM観察による評価の2種の方法で行った。
誘電体組成物上の第2金属層と第1金属層からなる金属層のピール強度は以下のようにして測定した。銅張り基板上にペースト組成物をスピンコーターを用いて塗布後、適宜加熱し、溶剤蒸発、樹脂硬化させることによって、誘電体組成物を形成した。続いてこの塗膜表面にプラズマ処理を施した後、所望の膜厚の第1金属層をスパッタリング成膜し、さらに所望の膜厚の第2金属層をスパッタリング法と電解めっきを法により作製した。その際、第2金属層の総厚みが9±1μmとなるように調整した。片刃を用いて金属層に切り込みを入れ、2mm幅のラインパターンを作製した。この2mm幅のラインパターン金属層のピール強度を、引っ張り試験器を用いて90°剥離により測定した。引っ張り速度は50mm/分とした。
チタン酸バリウム(堺化学工業(株)製、BT05:平均粒子径0.5μm)532重量部、γ−ブチロラクトン95重量部、分散剤(リン酸エステル骨格を有する酸基を持つコポリマー、ビックケミー・ジャパン(株)製、BYK−W9010)5.3重量部をウルトラアペックスミル(寿工業(株)製)を用いて混練し、分散液A−1を得た。エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製、エピコート(商品名)YX8000)44重量部、硬化剤(大日本インキ工業(株)製、フェノライト(商品名)VH4150)25.7重量部、硬化促進剤(トリフェニルホスフィン)0.7重量部、γ−ブチロラクトン32重量部を混合し、エポキシ樹脂溶液B−1を得た。エピコートYX8000は水素添加型ビスフェノールA型の構造を有する樹脂である。また、フェノライトVH4150はビスフェノールA型の構造を有する樹脂である。分散液A−1を150重量部と、エポキシ樹脂溶液B−1を25重量部とをボールミルを用いて混合し、ペースト組成物C−1を作製した。C−1を硬化させて得られる誘電体組成物中の高誘電率無機粒子の含有量は誘電体組成物全量に対し、88重量%である。
ペースト組成物C−1を用い、第1金属層としてクロムを0.01μm厚となるようにスパッタリング成膜した以外は実施例1と同様にして誘電体組成物と第1金属層、第2金属層を作製し、評価を行った。ピール強度は2N/cmであった。さらに、175℃で4時間熱処理を行った。この時のピール強度は2.8N/cmであった。続いて温度85℃、相対湿度85%環境下に168時間置いた後に再度ピール強度の測定を行ったところ、ピール強度に低下は見られなかった。
ペースト組成物C−1を用い、第1金属層としてクロムを0.015μm厚となるようにスパッタリング成膜した以外は実施例1と同様にして誘電体組成物と第1金属層、第2金属層を作製し、評価を行った。ピール強度は1.8N/cmであった。さらに、175℃で4時間熱処理を行った。この時のピール強度は2.4N/cmであった。続いて温度85℃、相対湿度85%環境下に168時間置いた後に再度ピール強度の測定を行ったところ、ピール強度に低下は見られなかった。
ペースト組成物C−1を用い、第1金属層としてクロムを0.018μm厚となるようにスパッタリング成膜した以外は実施例1と同様にして誘電体組成物と第1金属層、第2金属層を作製し、評価を行ったピール強度は0.8N/cmであった。さらに、175℃で4時間熱処理を行った。この時のピール強度は1.8N/cmであった。続いて温度85℃、相対湿度85%環境下に168時間置いた後に再度ピール強度の測定を行ったところ、ピール強度に低下は見られなかった。
ペースト組成物C−1を用い、第1金属層としてクロムを0.03μm厚となるようにスパッタリング成膜した以外は実施例1と同様にして誘電体組成物と第1金属層、第2金属層を作製し、評価を行った。ピール強度は0.8N/cmであった。さらに、175℃で4時間熱処理を行った。この時のピール強度は1.3N/cmであった。続いて温度85℃、相対湿度85%環境下に168時間置いた後に再度ピール強度の測定を行ったところ、ピール強度に低下は見られなかった。
ペースト組成物C−1を用い、第1金属層としてクロムを0.05μm厚となるようにスパッタリング成膜した以外は実施例1と同様にして誘電体組成物と第1金属層、第2金属層を作製し、評価を行った。ピール強度は0.6N/cmであった。さらに、175℃で4時間熱処理を行った。この時のピール強度は0.8N/cmであった。続いて温度85℃、相対湿度85%環境下に168時間置いた後に再度ピール強度の測定を行ったところ、ピール強度に低下は見られなかった。
ペースト組成物C−1を用い、第1金属層としてニッケル(Ni)とクロム(Cr)の元素重量比が8:2の合金を0.005μm厚となるようにスパッタリング成膜した以外は実施例1と同様にして誘電体組成物と第1金属層、第2金属層を作製し、評価を行った。ピール強度は2.6N/cmであった。さらに、175℃で4時間熱処理を行った。この時のピール強度は3.4N/cmであった。続いて温度85℃、相対湿度85%環境下に168時間置いた後に再度ピール強度の測定を行ったところ、ピール強度に低下は見られなかった。
ペースト組成物C−1を用い、第1金属層としてニッケル(Ni)とクロム(Cr)の元素重量比が9:1の合金を0.005μm厚となるようにスパッタリング成膜した以外は実施例1と同様にして誘電体組成物と第1金属層、第2金属層を作製し、評価を行った。ピール強度は2N/cmであった。さらに、175℃で4時間熱処理を行った。この時のピール強度は3.2N/cmであった。続いて温度85℃、相対湿度85%環境下に168時間置いた後に再度ピール強度の測定を行ったところ、ピール強度に低下は見られなかった。
エポキシ樹脂(日本化薬(株)製、NC3000)103重量部、硬化剤(日本化薬(株)製、カヤハード(商品名)KTG−105)36重量部、硬化促進剤(トリフェニルホスフィン)1.4重量部、γ−ブチロラクトン92重量部を混合し、エポキシ樹脂溶液B−2を得た。NC3000はビフェニル型の構造を有する樹脂である。また、カヤハードKTG−105はフェノールノボラックの構造を有する樹脂である。分散液A−1を150重量部と、エポキシ樹脂溶液B−2を29重量部とをボールミルを用いて混合し、ペースト組成物C−2を作製した。C−2を硬化させて得られる誘電体組成物中の高誘電率無機粒子の含有量は誘電体組成物全量に対し、88重量%である。
エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製、エピコート(商品名)1750)106重量部、硬化剤(新日本理化(株)製、リカシッド(商品名)MH700)94重量部、硬化促進剤(N,N−ジメチルベンジルアミン)2重量部、γ−ブチロラクトン132重量部を混合し、エポキシ樹脂溶液B−3を得た。エピコート1750はビスフェノールF型の構造を有する樹脂である。分散液A−1を150重量部と、エポキシ樹脂溶液B−3を29重量部とをボールミルを用いて混合し、ペースト組成物C−3を作製した。C−3を硬化させて得られる誘電体組成物中の高誘電率無機粒子の含有量は誘電体組成物全量に対し、88重量%である。
チタン酸バリウム(堺化学工業(株)製、BT02:平均粒子径0.2μm)532重量部、γ−ブチロラクトン95重量部、分散剤(リン酸エステル骨格を有する酸基を持つコポリマー、ビックケミー・ジャパン(株)製、BYK−W9010)5.3重量部をウルトラアペックスミル(寿工業(株)製)を用いて混練し、分散液A−2を得た。分散液A−2を150重量部と、エポキシ樹脂溶液B−1を25重量部とをボールミルを用いて混合し、ペースト組成物C−4を作製した。C−4を硬化させて得られる誘電体組成物中の高誘電率無機粒子の含有量は誘電体組成物全量に対し、88重量%である。
チタン酸バリウム(Cabot,Inc.社製、K−Plus16:平均粒子径0.06μm)429重量部、γ−ブチロラクトン1050重量部、分散剤(リン酸エステル骨格を有する酸基を持つコポリマー、ビックケミー・ジャパン(株)製、BYK−W9010)21.4重量部をウルトラアペックスミル(寿工業(株)製)を用いて混練し、分散液A−3を得た。分散液A−3を150重量部と、エポキシ樹脂溶液B−1を5.4重量部とをボールミルを用いて混合し、ペースト組成物C−5を作製した。
分散液A−1を150重量部と、エポキシ樹脂溶液B−1を71.4重量部とをボールミルを用いて混合し、ペースト組成物C−6を作製した。C−6を硬化させて得られる誘電体組成物中の高誘電率無機粒子の含有量は誘電体組成物全量に対し、72重量%である。
分散液A−1を150重量部と、エポキシ樹脂溶液B−1を33重量部とをボールミルを用いて混合し、ペースト組成物C−7を作製した。C−7を硬化させて得られる誘電体組成物中の高誘電率無機粒子の含有量は誘電体組成物全量に対し、84重量%である。
分散液A−1を150重量部と、エポキシ樹脂溶液B−1を29.9重量部とをボールミルを用いて混合し、ペースト組成物C−8を作製した。C−8を硬化させて得られる誘電体組成物中の高誘電率無機粒子の含有量は誘電体組成物全量に対し、86重量%である。
分散液A−1を150重量部と、エポキシ樹脂溶液B−1を27.4重量部をボールミルを用いて混合し、ペースト組成物C−9を作製した。C−9を硬化させて得られる誘電体組成物中の高誘電率無機粒子の含有量は誘電体組成物全量に対し、87重量%である。
分散液A−1を150重量部と、エポキシ樹脂溶液B−1を22.7重量部とをボールミルを用いて混合し、ペースト組成物C−10を作製した。C−10を硬化させて得られる誘電体組成物中の高誘電率無機粒子の含有量は誘電体組成物全量に対し、89重量%である。
分散液A−1を150重量部と、エポキシ樹脂溶液B−1を20.4重量部とをボールミルを用いて混合し、ペースト組成物C−11を作製した。C−11を硬化させて得られる誘電体組成物中の高誘電率無機粒子の含有量は誘電体組成物全量に対し、90重量%である。
分散液A−1を150重量部と、エポキシ樹脂溶液B−1を20.4重量部とをボールミルを用いて混合し、ペースト組成物C−12を作製した。C−12を硬化させて得られる誘電体組成物中の高誘電率無機粒子の含有量は誘電体組成物全量に対し、91重量%である。
ペースト組成物C−1をスピンコーターを用いて銅張りガラスエポキシ基板上に塗布し、オーブンを用いて80℃で15分間乾燥させた後、175℃で4時間硬化させた。スピン速度を調整し、膜厚10μmの誘電体組成物(硬化膜)を得た。続いて、サンドペーパーを用いて表面を粗化し、さらに塗膜表面にプラズマ処理を施した。プラズマ処理は、リアクティブイオンエッチング装置 RIN−10型(サムコインターナショナル(株)製)を用い、Ar雰囲気中において、20Wで3秒間処理を行った。プラズマ処理後の表面粗度は0.54μmであった。第1金属層及び第2金属層は実施例1と同様にして作製し、評価を行った。ピール強度は0.7N/cmであった。さらに、175℃で4時間熱処理を行った。この時のピール強度は1.1N/cmであった。続いて温度85℃、相対湿度85%環境下に168時間置いた後に再度ピール強度の測定を行ったところ、ピール強度に低下は見られなかった。誘電体組成物の周波数1MHzにおける比誘電率は40であった。
ペースト組成物C−1をスピンコーターを用いて銅張りガラスエポキシ基板上に塗布し、オーブンを用いて80℃で15分間乾燥させた後、175℃で4時間硬化させた。スピン速度を調整し、膜厚10μmの誘電体組成物(硬化膜)を得た。表面粗度は0.04μmであった。続いて第1金属層としてクロム(Cr)を0.005μm厚となるようにスパッタリング成膜し、第2金属層として銅(Cu)を厚さ100nmスパッタリング成膜し、さらにその上に電解めっきを行い、銅を堆積させた。第2金属層の厚みは9μmとなった。この誘電体組成物と金属層との間のピール強度は0.9N/cmであった。さらに、175℃で4時間熱処理を行った。この時のピール強度は1.5N/cmであった。続いて温度85℃、相対湿度85%環境下に168時間置いた後に再度ピール強度の測定を行ったところ、ピール強度に低下は見られなかった。
ペースト組成物C−1を用いて、スピン速度を調整し、膜厚5μmの誘電体組成物(硬化膜)を得た以外は実施例1と同様にして誘電体組成物と第1金属層、第2金属層を作製し、評価を行った。ピール強度は2.3N/cmであった。さらに、175℃で4時間熱処理を行った。この時のピール強度は3N/cmであった。続いて温度85℃、相対湿度85%環境下に168時間置いた後に再度ピール強度の測定を行ったところ、ピール強度に低下は見られなかった。
ペースト組成物C−1を用いて、スピン速度を調整し、膜厚2μmの誘電体組成物(硬化膜)を得た以外は実施例1と同様にして誘電体組成物と第1金属層、第2金属層を作製し、評価を行った。ピール強度は1.2N/cmであった。さらに、175℃で4時間熱処理を行った。この時のピール強度は2.8N/cmであった。続いて温度85℃、相対湿度85%環境下に168時間置いた後に再度ピール強度の測定を行ったところ、ピール強度に低下は見られなかった。
ぺースト組成物C−1を用い、第1金属層を形成しなかった以外は実施例1と同様にして誘電体組成物と、銅層(実施例1における第2金属層)を作製し、評価を行った。ピール強度は0.1N/cmであった。さらに、175℃で4時間熱処理を行った。この時のピール強度は0.1N/cmであった。続いて温度85℃、相対湿度85%環境下に168時間置いたところ、銅層と誘電体組成物界面での剥離発生が認められた。
分散液A−1を150重量部と、エポキシ樹脂溶液B−1を40.8重量部とをボールミルを用いて混合し、ペースト組成物C−13を作製した。C−13を硬化させて得られる誘電体組成物中の高誘電率無機粒子の含有量は誘電体組成物全量に対し、68重量%である。
分散液A−1を150重量部と、エポキシ樹脂溶液B−1を1.9重量部とをボールミルを用いて混合し、ペースト組成物C−14を作製した。C−14を硬化させて得られる誘電体組成物中の高誘電率無機粒子の含有量は誘電体組成物全量に対し、98重量%である。
Claims (8)
- 樹脂と高誘電率無機粒子を含有し、高誘電率無機粒子の含有量が70重量%以上97重量%以下である誘電体組成物と、誘電体組成物に接して設けられたCr、Ni、Ti、W、Nb、Zrのいずれかを含む金属層を有するキャパシタ。
- Cr、Ni、Ti、W、Nb、Zrのいずれかを含む金属層の厚さが0.001μm以上0.016μm以下である請求項1記載のキャパシタ。
- 誘電体組成物、Cr、Ni、Ti、W、Nb、Zrのいずれかを含む金属層、Cu、Al、Auのいずれかを含有する金属層が、この順に形成されている請求項1記載のキャパシタ。
- 樹脂がエポキシ樹脂を含む請求項1記載のキャパシタ。
- 高誘電率無機粒子の結晶構造がペロブスカイト構造である高誘電率無機粒子を含有する請求項1記載のキャパシタ。
- 高誘電率無機粒子の平均粒子径が、0.02μm以上5μm以下である請求項1記載のキャパシタ。
- 誘電体組成物の表面粗さRaが、0.03μm以上0.2μm以下である請求項1記載のキャパシタ。
- 誘電体組成物、誘電体組成物に接して設けられたCr、Ni、Ti、W、Nb、Zrのいずれかを含む金属層、Cu、Al、Auのいずれかを含有する金属層をこの順に形成した後に、50℃以上300℃以下の熱処理を行うキャパシタの製造方法。
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