JP2004307607A - 高誘電体組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】比誘電率が40以上と高く、かつ、誘電正接が2.0%以下と低い良好な誘電特性を有した高誘電体組成物を得ること。
【解決手段】無機フィラーと樹脂からなる高誘電体組成物であって、樹脂がM−O結合(MはTi、Baを示す)を有していることを特徴とする高誘電体組成物。樹脂として加水分解性チタン化合物、加水分解性バリウム化合物、およびそれらの縮合物から選択される化合物を有していることが好ましい。
【選択図】 なし
【解決手段】無機フィラーと樹脂からなる高誘電体組成物であって、樹脂がM−O結合(MはTi、Baを示す)を有していることを特徴とする高誘電体組成物。樹脂として加水分解性チタン化合物、加水分解性バリウム化合物、およびそれらの縮合物から選択される化合物を有していることが好ましい。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、無機フィラーと樹脂からなる高誘電体組成物、特に、比誘電率が40以上と高く、かつ、誘電正接が2.0%以下と低いものであり、コンデンサや、コンデンサとしての機能を有する回路材料として好適な特性を示す高誘電体組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子機器の小型化、信号の高速化や大容量化の要求に伴って、実装回路部品の高密度化が進んでいることにより、電気的ノイズが増大し、データエラーが発生することが問題になってきている。この電気的ノイズの発生を抑え、半導体デバイスを安定に動作させるためには、半導体デバイスに近い位置から必要量の電流を供給することが重要である。このためには、半導体デバイス直下のプリント配線板に容量の大きなコンデンサを配置することが有効である。
【0003】
一方、プリント配線板にコンデンサを配置する方法として、プリント配線板にチップコンデンサなどの外部コンデンサを配置する方法もあるが、小型化の点ではプリント配線板の内層に無機フィラーを加え、プリント配線板自体にコンデンサ機能を持たせる方法が有利であり、この方法として、無機フィラーと樹脂を混合した複合体を用いる方法(例えば、特許文献1、2参照)が知られている。しかしながら、上記の方法では、無機フィラーと樹脂とを混合した複合体の比誘電率は10〜40程度と低いものであった。
【0004】
他方、高い比誘電率を得る方法として、金属被覆フィラーを添加する方法(例えば、特許文献3参照)や針状導電性フィラーを添加する方法(例えば、特許文献4参照)が知られている。しかし、上記の方法では、誘電正接が2%よりも大きくなってしまう問題があった。
【0005】
また、高い比誘電率を得る方法として、高誘電率無機フィラーを900℃以上の高温で焼成した焼結体セラミックスを用いる方法が知られている。(例えば、非特許文献1)しかし、この方法は、プリント配線板上に搭載された電子部品がこの焼結温度に耐えることができないという理由から、適用できる実装方式が限定されてしまうという問題があった。
【0006】
【特許文献1】
特開平5−57852号公報(特許請求の範囲)
【0007】
【特許文献2】
特開平6−85413号公報(特許請求の範囲)
【0008】
【特許文献3】
特許第3030387号公報(特許請求の範囲)
【0009】
【特許文献4】
特開2001−68803号公報(特許請求の範囲)
【0010】
【非特許文献1】
微粒子工学大系、第II巻、応用技術、フジ・テクノシステム、柳田博明監修、p190
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
かかる状況に鑑み、本発明は、比誘電率が高く、かつ、誘電正接が低い高誘電体組成物を得ることを目的とし、さらには実装回路部品の電気的ノイズの発生を抑制できる高誘電体組成物を提供する。
【0012】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、無機フィラーと樹脂からなる高誘電体組成物であって、樹脂がM−O結合(MはTi、Baを示す)を有していることを特徴とする高誘電体組成物である。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の高誘電体組成物は、無機フィラーと樹脂を有しているものである。
【0014】
本発明で用いられる樹脂は、M−O結合(MはTi、Baを示す)を有していることが必要である。M−O結合(M:Ti、Ba)を含有する樹脂を用いることによって、無機フィラーとの相溶性が向上し、複合化における無機フィラーの分散安定性が向上する。さらには、無機フィラーとの親和性が良好となり、無機フィラー表面と樹脂との界面における接着性が向上する。これらによって、無機フィラー分散性に優れ、また、ボイドなどの欠陥のない高誘電体組成物を得ることが可能となる。
【0015】
また、樹脂がM−O結合(MはTi、Baを示す)を含有していると、樹脂自身の比誘電率が高く、また、誘電正接が低いため、複合化によって得られる高誘電体組成物の比誘電率を高く、かつ、誘電正接を低くすることができる。
【0016】
また、本発明で用いられる樹脂は、加水分解性チタン化合物、加水分解性バリウム化合物、それらの加水分解物、および、それらの縮合物から選択される少なくとも1つの化合物を有していることが好ましい。
【0017】
加水分解性チタン化合物はTi(X)4 〔1〕で示されるものである。
【0018】
Xは、通常、水の共存下で加水分解されてTi−OH基を生成することができる加水分解性基を指す。Xは、例えば、水素原子、ハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等)のほか、アルコキシタイプ、アシレートタイプ、キレートタイプなどが挙げられる。アルコキシタイプとしては、X=−OR、−NR、−SR、−PRなど(Rは炭素数1〜20の炭化水素基)が挙げられる。アシレートタイプとしては、X=−CO2R、−OCOR、−OP(=O)(OR)2、−OSO2R(Rは炭素数1〜20の炭化水素基)が挙げられる。キレートタイプとしては、Xがβ−ジケトナートなどの分子内配位化合物であるものが挙げられる。また複数のXは、同じ基であっても異なる基であってもよい。
【0019】
加水分解性チタン化合物の具体例としては、以下のものを挙げることができる。アルコキシタイプとしては、テトラ−i−プロポキシチタン、テトラ−n−ブトキシチタン、テトラステアロキシチタンなどが挙げられる。アシレートタイプとしては、トリ−n−ブトキシチタンステアレート、i−プロポキシチタントリスステアレートなどが挙げられる。キレートタイプとしては、ジイソプロポキシ・ビスアセチルアセトナートチタン、ジイソプロポキシ・ビスエチルアセチルアセトナートチタン、ジヒドロキシ・ビスラクタトチタン、ジヒドロキシ・ビストレエタノールアミナトチタンなどが挙げられる。
【0020】
また、加水分解性バリウム化合物はBa(Z)2〔2〕で示されるものである。Zは、前記したXと同様に加水分解性基を示し、前記と同様の基が挙げられる。また複数のZは各々同じ基であっても異なる基であっていても良い。
【0021】
加水分解性バリウム化合物の具体例としては、以下のものを挙げることができる。アルコキシタイプとしては、ジエトキシバリウム、ジ−i−プロポキシバリウム、ジ−n−ブトキシバリウムなどが挙げられる。アシレートタイプとしては、オクチル酸バリウムなどが挙げられる。キレートタイプとしては、ジヒドロキシ・ビスアセチルアセトナートバリウムなどが挙げられる。
【0022】
本発明の加水分解性チタン化合物、加水分解性バリウム化合物は通常の条件で、加水分解および縮合反応を行うことができる。一般的には、加水分解性チタン化合物、加水分解性バリウム化合物を溶剤中に溶解させ、室温もしくは氷冷下、水を添加することにより、加水分解および縮合反応を行うことができる。もちろん、溶剤の沸点以下の温度範囲内で加熱しながら、加水分解および縮合反応を進めることも可能である。また、本発明では、加水分解性チタン化合物、加水分解性バリウム化合物だけでなく、他の加水分解性金属化合物、例えば、加水分解性シラン化合物や加水分解性タンタル化合物などを併用し、共重合あるいはブレンドすることも可能である。
【0023】
加水分解および縮合反応を行う際には、反応速度の制御のために、アルコキシタイプのものを一旦、キレート化あるいはアシレート化してから、加水分解および縮合反応を行うか、キレートタイプあるいはアシレートタイプのものを用いることが好ましい。また、加水分解および縮合反応を行う際には無触媒でもよいが、反応速度や反応機構の制御のために、シュウ酸、酢酸、リン酸、p−トルエンスルホン酸などの酸触媒、あるいは、アンモニア、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイドなどの塩基性触媒を用いることができる。
【0024】
また、加水分解および縮合反応を行う際、無溶剤でもよいが、通常の有機溶剤を用いることができる。例えばエタノール、i−プロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコールなどのアルコール類、クロロベンゼン、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類 メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ類、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート等のセロソルブエステル類、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールエステル類、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、テトラヒドロフラン、アニソールなどのエーテル類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチル−n−アミルケトン、シクロヘキサノン、γ−ブチロラクトン、γ−ブチロラクタム、ジオキサン、アセトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノンなどのケトン類、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、メシチレン、テトラヒドロフラン、イソホロンなどが挙げられる。
【0025】
さらに、本発明で用いられる樹脂は、M−O結合(MはTi、Baを示す)を含有していればよく、他の構造を有する有機樹脂を併用することもできる。併用するにあたっては、ブレンド法、共重合法のいずれでもよい。併用する有機樹脂としては、熱可塑性、熱硬化性樹脂のいずれでも良いが、はんだ耐熱性などの点から、好ましくは熱硬化性樹脂が用いられる。
【0026】
熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルイミド、液晶ポリマー、ポリスチレン、ポリエチレン、フッ素樹脂などを用いることができる。
【0027】
また、熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド、アクリル樹脂、ベンゾシクロブテン樹脂、BT(ビスマレイミドトリアジン)レジン、イソシアネート樹脂などの一般的にプリント配線板の絶縁層に使用される樹脂を用いることができる。特に、熱硬化収縮性、粘性などの点からエポキシ樹脂が好ましく使用される。
【0028】
ここで、エポキシ樹脂とは、分子構造中にエポキシ基(オキシラン環)を2個以上含むプレポリマーに硬化剤を添加した樹脂である。プレポリマーは、誘電特性の点から、ビフェニル骨格あるいはジシクロペンタジエン骨格を有することが好ましい。また、硬化剤には、フェノールノボラック樹脂、ビスフェノールA型ノボラック樹脂、アミノトリアジン化合物、ナフトール化合物などの硬化剤を用いることができる。さらに、トリフェニルホスフィン、ベンゾイミダゾール系化合物、トリス(2、4−ペンタンジオナト)コバルトなどの金属キレート化合物などの硬化促進剤を添加することも可能である。
【0029】
本発明で用いられる無機フィラーは、比誘電率が50〜30000のものを用いることが好ましい。さらに好ましくは、比誘電率が100〜20000のものである。比誘電率が50未満の無機フィラーを用いると比誘電率が十分高い高誘電体組成物が得られない。また、比誘電率が30000を越えるものでは、比誘電率の温度特性が悪くなる傾向があるため、好ましくない。ここでいう無機フィラーの比誘電率とは、加熱、焼成して得られる無機フィラーのみの焼結体セラミックスの比誘電率をさす。焼結体の比誘電率は以下の手順によって、測定する。無機フィラーをポリビニルアルコールのようなバインダー樹脂、有機溶剤もしくは水を混合して、ペースト状組成物を作製したのち、ペレット成型器の中に充填して、乾燥させ、ペレット状固形物を得る。そのペレット状固形物を、例えば900〜1200℃程度まで加熱、焼成することにより、バインダー樹脂を分解、除去し、無機フィラーを焼結させ、無機フィラーのみからなる焼結体を得ることができる。この焼結体ペレットに上下電極を形成し、静電容量および寸法の測定結果から、比誘電率を計算する。
【0030】
このような無機フィラーとしては、二酸化チタン系、チタン酸バリウム系、チタン酸ジルコン酸バリウム系、チタン酸ストロンチウム系、チタン酸カルシウム系、チタン酸ビスマス系、チタン酸マグネシウム系、チタン酸バリウムネオジウム系、チタン酸バリウム錫系、マグネシウムニオブ酸バリウム系、マグネシウムタンタル酸バリウム系、チタン酸鉛系、ジルコン酸鉛系、チタン酸ジルコン酸鉛系、ニオブ酸鉛系、マグネシウムニオブ酸鉛系、ニッケルニオブ酸鉛系、タングステン酸鉛系、タングステン酸カルシウム系、マグネシウムタングステン酸鉛系などを挙げることができる。特に、ペロブスカイト型結晶構造、あるいは複合ペロブスカイト型結晶構造を有するフィラーを用いることが好ましい。これらのうち1種を単独で用いたり、2種以上を混合して用いたりすることができる。また、誘電特性や温度安定性を向上させる目的で、シフター、デプレッサー剤などを添加して用いることも適宜許される。
【0031】
無機フィラーの平均粒径は、0.01〜10μmのものを用いるのが好ましい。さらに好ましくは0.1〜7μm、最も好ましくは0.3〜1μmのものを用いる。粒径が小さいフィラーを用いるとフィラーの表面積が大きくなるため、フィラー分散液を作製した際に再凝集しやすくなり、粘度が異常に高くなって混練、分散や塗布加工が困難になることが多い。また、フィラーの体積に対して表面積が大きくなり結晶が不安定になって、強誘電相が得られにくく、高誘電体組成物の比誘電率が低くなる。一方、粒径の大きなフィラーを用いると、ペースト中でフィラーが沈降しやすくなったり、高誘電体組成物を薄膜化したときに表面粗さが大きくなる課題がある。なお、無機フィラーの平均粒径の測定は、レーザー回折法やSEM観察法のほか、フィラーのブラウン運動による散乱光の揺らぎを測定する動的光散乱法、フィラーを電気泳動したときの散乱光のドップラー効果を測定する電気泳動光散乱法などによって行うことができる。
【0032】
無機フィラーの粒径分布は、単一粒径フィラーを用いるだけでなく、複数の粒径のフィラーを混合して用いることができる。この場合、上記のようなミクロンオーダーのフィラーに、ナノメーターサイズのフィラーを混合することができる。このナノメーターサイズのフィラーの平均粒径は10〜100nmであることが好ましい。さらには40〜60nmのものを用いることが好ましい。
【0033】
無機フィラーの形状は特に限定されず、球状、楕円球状、針状、板状、鱗片状、棒状などのいずれでもよく、それらを取り合わせて用いることも可能である。これらのうち1種を単独で用いたり、2種以上を混合して用いたりすることができる。
【0034】
無機フィラーを作製する方法は、例えば、固相法、水熱合成法、超臨界水熱合成法、ゾルゲル法、しゅう酸法などの方法を用いることができる。
【0035】
本発明の高誘電体組成物に含まれる無機フィラーと樹脂の割合は、無機フィラーと樹脂の合計量を100体積%としたとき、無機フィラー含有量は50体積%以上99体積%以下とするのが好ましい。さらに好ましくは65体積%以上、最も好ましくは75体積%以上である。
【0036】
本発明の高誘電体組成物を得る方法として、例えば、まず、無機フィラーと樹脂を混合させたペースト組成物を作製し、そのペースト組成物をある被着体(例えば基板)に塗布し、脱溶媒、固化を行うことにより、高誘電体組成物を得る方法が挙げられる。このとき、固化の方法として、熱、光などによる固化が挙げられる。但し、本発明の高誘電体組成物は焼結体ではないので、樹脂を完全に分解、除去する必要はなく、電子部品の耐熱温度範囲内、例えば、500℃以下の温度で加熱することが好ましい。
【0037】
そのペースト組成物は、無機フィラーを樹脂へ分散することによって得られる。例えば、無機フィラーを樹脂溶液に加えて、混合分散する方法や、予め無機フィラーを適当な溶媒中に分散した分散液を作製し、その分散液と樹脂溶液を混合するレットダウン法などによって作製される。また、樹脂または溶媒中へ無機フィラーを分散させる方法は特に限定されず、例えば、超音波分散、ボールミル、ロールミル、クレアミックス、ホモジナイザー、メディア分散機などの方法を用いることができるが、特に、分散性の点でボールミル、ホモジナイザーを用いるのが好ましい。
【0038】
無機フィラー分散の際、分散性を向上させるために、例えば、無機フィラーの表面処理、分散剤の添加、界面活性剤の添加、溶剤の添加などを行っても良い。無機フィラーの表面処理としては、シラン系、チタン系、アルミニウム系などの各種カップリング剤、脂肪酸、リン酸エステルなどによる処理のほか、ロジン処理、酸性処理、塩基性処理などが挙げられる。また、分散剤の添加の例としては、リン酸、カルボン酸、脂肪酸、およびそれらのエステル類などの酸基を有する高分子分散剤などが挙げられ、特に、リン酸エステル系高分子分散剤が好ましく用いられる。そのほか、ノニオン性、カチオン性、アニオン性の界面活性剤、多価カルボン酸などの湿潤剤、両親和性物質、高立体障害の置換基を有する樹脂などの添加が挙げられる。また、溶剤の添加によって、分散時または分散後の系の極性を制御することができる。溶剤としては、樹脂を溶解するものを適宜選択すれば良いが、例えばエタノール、i−プロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコールなどのアルコール類、クロロベンゼン、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ類、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート等のセロソルブエステル類、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールエステル類、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、テトラヒドロフラン、アニソールなどのエーテル類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチル−n−アミルケトン、シクロヘキサノン、γ−ブチロラクトン、γ−ブチロラクタム、ジオキサン、アセトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノンなどのケトン類、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、メシチレン、テトラヒドロフラン、イソホロンなどが挙げられる。また、ペースト組成物には必要に応じて、安定化剤、分散剤、沈降防止剤、可塑剤、酸化防止剤などを添加してもよい。
【0039】
次に、ペースト組成物をある被着体に塗布する方法としては、特に限定されず、例えば、スピンナー、スクリーン印刷、ブレードコーター、ダイコーターなどが挙げられる。塗布後の膜をホットプレート、オーブンなどの加熱装置を用いて、脱溶媒や熱硬化を行う。
【0040】
ペースト組成物を塗布する被着体(例えば基板)としては、例えば、有機系基板、無機系基板、およびこれらの基板に回路の構成材料が配置されたものから選択できる。有機系基板の例としては、紙・フェノール銅張積層板、紙・エポキシ銅張積層板、紙・ポリエステル銅張積層板などの紙基材銅張り積層板、ガラス布・エポキシ銅張積層板、ガラス布・ポリイミド銅張積層板、ガラス布・テフロン(登録商標)銅張積層板などのガラス基材銅張積層板、紙・ガラス布・エポキシ銅張積層板、ガラス不織布・エポキシ銅張積層板などのコンポジット銅張積層板、ポリエーテルイミド樹脂基板、ポリエーテルケトン樹脂基板、ポリサルフォン系樹脂基板などの耐熱・熱可塑性基板、ポリエステル銅張フィルム基板、ポリイミド銅張フィルム基板などのフレキシブル基板が挙げられる。
【0041】
また、無機系基板の例としては、アルミナ基板、窒化アルミニウム基板、炭化ケイ素基板などのセラミック基板、アルミニウムベース基板、鉄ベース基板などの金属系基板、そのほか、ガラス基板、シリコン基板などが挙げられる。
【0042】
回路の構成材料の例としては、銀、金、銅などの金属を含有する導体、無機系酸化物などを含有する抵抗体、ガラス系材料および/または樹脂などを含有する低誘電体、樹脂や無機フィラーなどを含有する高誘電体、ガラス系材料などを含有する絶縁体などが挙げられる。
【0043】
本発明の高誘電体組成物の形態は特に限定されず、膜状、棒状、球状など、用途に合わせて選択することができるが、特に膜状であることが好ましい。ここでいう膜とは、フィルム、シート、板、ペレットなども含まれる。もちろん、導通のためのビアホール形成、インピーダンスや静電容量あるいは内部応力の調整、または、放熱機能付与など、用途にあわせたパターン形成を行うこともできる。
【0044】
高誘電体組成物を膜として用いる場合の膜厚は、0.5μm以上20μm以下であることが好ましい。さらに好ましくは、2μm以上20μm以下のものである。コンデンサとして大きな静電容量を確保するには膜厚が薄い方が好ましいが、0.5μmより薄い場合にはピンホールなどが発生しやすく、電気的絶縁が得られにくくなる。また、膜厚が20μmを越えると、十分なコンデンサ性能を得るために大きな比誘電率が必要となる上、実装密度向上が難しくなる傾向となる。
【0045】
本発明の高誘電体組成物は、比誘電率が50以上であることが好ましく、無機フィラー、樹脂を、上記した中から適宜選択する。例えば、無機フィラーとしてペロブスカイト型結晶構造を有するチタン酸バリウム、樹脂として加水分解性チタン化合物の反応物を用いることが挙げられる。
【0046】
本発明の高誘電体組成物の用途は特に限定されないが、例えば、高誘電率層としてプリント配線基板の内蔵コンデンサ作製に用いられる他、多層基板の層間絶縁膜、周波数フィルター、無線用アンテナ、電磁シールドなど、多くの電子部品、装置への適用が可能である。
【0047】
本発明の高誘電体組成物は、コンデンサとして好ましく使用される。高誘電体組成物を用いてコンデンサを形成する方法は特に限定されず、公知の方法を用いることができる。例えば、上記したように、基板上に高誘電体を形成したあと、適宜電極を形成することで、得ることができる。
【0048】
本発明のコンデンサの面積あたりの静電容量としては、5nF/cm2以上の範囲にあることが好ましい。さらに好ましくは、10nF/cm2以上の範囲にあることが好ましい。静電容量の温度変化、面内ばらつきは、小さい方が回路設計上好ましい。温度変化についても、できるだけ小さい方が好ましく、例えば、X7R特性(−55〜125℃において静電容量の温度変化率が±15%以内)を満たすことが好ましい。静電容量の面内ばらつきは、平均値に対して5%以下(静電容量の平均値−5%≦静電容量≦静電容量の平均値+5%)であることが好ましい。
【0049】
また、電気的ノイズを減らすためには、コンデンサの誘電正接は0.01〜2%の範囲にあることが好ましい。さらに好ましくは、0.01〜1%の範囲にあることである。ここで、静電容量や誘電正接などの電気特性は、周波数20k〜1GHzでの測定値とする。
【0050】
【実施例】
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
【0051】
合成例1:分散液X−1
チタン酸バリウムフィラー(堺化学工業(株)製、BT−05)759重量部、γ−ブチロラクトン233重量部、分散剤(ビックケミー・ジャパン(株)製、BYK−W9010)8重量部をホモジナイザーを用いて、氷冷下で1時間、混合分散し、分散液X−1を得た。
【0052】
合成例2:分散液X−2
チタン酸バリウムフィラー(堺化学工業(株)製、BT−03)772重量部、プロピレングリコールモノエチルエーテル 214重量部、分散剤(ビックケミー・ジャパン(株)製、BYK−W995)15重量部をホモジナイザーを用いて、氷冷下で30分間、混合分散し、分散液X−2を得た。
【0053】
合成例3:分散液X−3
チタン酸バリウムフィラー(堺化学工業(株)製、BT−07)835重量部、トルエン155重量部、分散剤(ビックケミー・ジャパン(株)製、BYK−W903)10重量部をボールミルを用いて、室温で3時間、混合分散し、分散液X−3を得た。
【0054】
合成例4:分散液X−4
酸化チタンフィラー(東邦チタニウム(株)製、HT0210)805重量部、γ−ブチロラクトン191重量部、分散剤(ビックケミー・ジャパン(株)製、BYK−W9010)4重量部をホモジナイザーを用いて、氷冷下で30分間、混合分散し、分散液X−4を得た。
【0055】
合成例5:分散液X−5
チタン酸ストロンチウム(東邦チタニウム(株)製、T2Y6)933重量部、γ−ブチロラクトン62重量部、分散剤(ビックケミー・ジャパン(株)製、BYK−W9010)5重量部をホモジナイザーを用いて、氷冷下で1時間、混合分散し、分散液X−5を得た。
【0056】
合成例6:樹脂溶液Y−1
滴下ロート、攪拌機、温度計を備えた容器内に、チタンテトラ−i−プロポキシド 332g(1.17mol)、イソプロパノール 500gを仕込んだ後、窒素気流下、撹拌しながら、アセト酢酸エチル 304g(2.34mol)を滴下ロートより、徐々に滴下し、30分間撹拌した。さらに、イオン交換水42g(2.33mol)を滴下ロートより、徐々に滴下し、室温下で3時間撹拌して加水分解を行った。次いで、85℃で加熱しながら、加水分解により副生したアルコールの留去を行いながら、濃縮させ、固形分濃度を20重量%に調製して、樹脂溶液Y−1を得た。
【0057】
合成例7:樹脂溶液Y−2
滴下ロート、攪拌機、温度計を備えた容器内に、チタンテトラ−i−プロポキシド 142g(0.5mol)、バリウムジ−i−プロポキシド溶液(濃度:0.5mol/kg、溶媒:トルエン/イソプロパノール=10/1(重量比))1000g(0.5mol)を仕込んだ後、窒素気流下、撹拌しながら、アセト酢酸エチル 162.5g(1.25mol)を滴下ロートより、徐々に滴下し、30分間撹拌した。さらに、イオン交換水 22.5g(1.25mol)を滴下ロートより、徐々に滴下し、室温下で3時間撹拌して加水分解を行った。次いで、85℃で加熱しながら、加水分解により副生したアルコールの留去を行いながら、濃縮させ、固形分濃度を10重量%に調製して、樹脂溶液Y−2を得た。
【0058】
合成例9:樹脂溶液Y−3
エポキシ樹脂(日本化薬(株)製、フェノライトEPPN−502H)12.6重量部、硬化剤(日本化薬(株)製、カヤハードTPM)7.2重量部、硬化促進剤(北興化学(株)製トリフェニルホスフィン)0.2重量部、γ−ブチロラクトン80重量部を混合し、樹脂溶液Y−3を得た。
【0059】
合成例10:樹脂溶液Y−4
滴下ロート、攪拌機、温度計を備えた容器内に、メチルトリメトキシシラン 68g(0.5mol)、フェニルトリメトキシシラン99g(0.5mol)、3−メチル−3−メトキシブタノール 100gを仕込んだ後、窒素気流下、撹拌しながら、リン酸水溶液(イオン交換水 54g(3mol)、リン酸 0.84g)を滴下ロートより、徐々に滴下し、室温下で1時間撹拌して加水分解を行った。次いで、150℃で加熱しながら、加水分解により副生したアルコールの留去を行いながら、濃縮させたのち、さらに、3−メチル−3−メトキシブタノーで希釈して、固形分濃度を20重量%に調製して、樹脂溶液Y−4を得た。
【0060】
実施例1
攪拌機を備えた容器内に、分散液X−1を80重量部仕込み、樹脂溶液Y−1を20重量部徐々に加えて、レットダウン混合したのち、さらに、ボールミルで1時間撹拌して、ペースト組成物を得た。このとき、無機フィラーと樹脂の合計量を100体積%としたときの無機フィラー含有量は約77体積%であった。
【0061】
次に、このペースト組成物をアルミ基板(渡辺義一製作所(株)製、厚さ300μm)上にスピンコーターを用いて塗布し、オーブンを用いて、120℃、10分間で乾燥させた後、270℃、1時間で硬化させ、膜厚10μmの高誘電体組成物を得た。さらに、この高誘電体組成物にアルミニウム電極を蒸着法により形成し、これと基板のアルミニウムを電極として、1MHzにおける誘電特性をインピーダンスアナライザ(ヒューレットパッカード社製、HP4284A、HP16451B)を用いて、JIS K 6911に準じて測定した結果、比誘電率は80、誘電正接は1.1%、面積当たりの静電容量は6.2nF/cm2であった。
【0062】
また、ペースト組成物を銅板(渡辺義一製作所(株)製、厚さ300μm)上にスピンコーターを用いて塗布し、オーブンを用いて、120℃、10分間で乾燥させた後、270℃、1時間で硬化させ、膜厚10μmの高誘電体組成物を得た。これをプレッシャークッカーテスト(PCT試験、100%RH、121℃、2気圧、100時間後)の顕微鏡観察で何ら異常は観察されず、碁盤目テープ法による試験(JIS K5400)では、評価点数は10点であり、良好であった。
【0063】
さらに、ペースト組成物を銅板(渡辺義一製作所(株)製、厚さ300μm)上にスピンコーターを用いて塗布し、オーブンを用いて、120℃、10分間で乾燥させた後、銅箔(三井金属鉱業(株)製 FQ−VLP、厚さ15μm)を、130℃、0.1MPaの条件でラミネートした。続いてオーブンで、270℃、1時間で加熱処理を行ない、銅箔付き積層体を作製した。銅エッチングにより2mm幅の銅配線パターニングを行い、続いて、テンシロン(UTM−4−100、オリエンテックコーポレーション(株)製)を用いて、引っ張り速度50mm/分で90度接着強度を測定したところ、銅箔ピール強度は6N/cmと良好な接着性を有していた。
【0064】
実施例2
攪拌機を備えた容器内に、分散液X−2を67重量部仕込み、樹脂溶液Y−233重量部を徐々に加えて、レットダウン混合したのち、さらに、ボールミルで1時間撹拌して、ペースト組成物を得た。このとき、無機フィラーと樹脂の合計量を100体積%としたときの無機フィラー含有量は約77体積%であった。このようにして得られたペースト組成物を用いて、実施例1と同様にして高誘電体組成物を得て、誘電特性、PCT試験、銅箔接着性を測定した結果を表1に示した。
【0065】
実施例3
攪拌機を備えた容器内に、分散液X−3を92重量部仕込み、樹脂溶液(日本曹達(株)製 チタンポリマーA−10)8重量部を徐々に加えて、レットダウン混合したのち、さらに、ボールミルで1時間撹拌して、ペースト組成物を得た。このとき、無機フィラーと樹脂の合計量を100体積%としたときの無機フィラー含有量は約80体積%であった。このようにして得られたペースト組成物を用いて、実施例1と同様にして高誘電体組成物を得て、誘電特性、PCT試験、銅箔接着性を測定した結果を表1に示した。
【0066】
実施例4
攪拌機を備えた容器内に、分散液X−4を80重量部仕込み、樹脂溶液(日本曹達(株)製 チタンポリマーB−2)20重量部を徐々に加えて、レットダウン混合したのち、さらに、ボールミルで1時間撹拌して、ペースト組成物を得た。このとき、無機フィラーと樹脂の合計量を100体積%としたときの無機フィラー含有量は約66体積%であった。このようにして得られたペースト組成物を用いて、実施例1と同様にして高誘電体組成物を得て、誘電特性、PCT試験、銅箔接着性を測定した結果を表1に示した。
【0067】
実施例5
攪拌機を備えた容器内に、分散液X−5を77重量部仕込み、樹脂溶液(日本曹達(株)製 チタンポリマーB−2)23重量部を徐々に加えて、レットダウン混合したのち、さらに、ボールミルで1時間撹拌して、ペースト組成物を得た。このとき、無機フィラーと樹脂の合計量を100体積%としたときの無機フィラー含有量は約63体積%であった。このようにして得られたペースト組成物を用いて、実施例1と同様にして高誘電体組成物を得て、誘電特性、PCT試験、銅箔接着性を測定した結果を表1に示した。
【0068】
実施例6
攪拌機を備えた容器内に、分散液X−1を80重量部仕込み、樹脂溶液Y−110重量部、樹脂溶液Y−3 10重量部を徐々に加えて、レットダウン混合したのち、さらに、ボールミルで1時間撹拌して、ペースト組成物を得た。このとき、無機フィラーと樹脂の合計量を100体積%としたときの無機フィラー含有量は約73体積%であった。このようにして得られたペースト組成物を用いて、実施例1と同様にして高誘電体組成物を得て、誘電特性、PCT試験、銅箔接着性を測定した結果を表1に示した。
【0069】
比較例1
80重量部の分散液X−1に、樹脂溶液Y−3を20重量部徐々に加えて、レットダウン混合したのち、さらに、ボールミルで1時間撹拌して、ペースト組成物を得た。このとき、無機フィラーと樹脂の合計量を100体積%としたときの無機フィラー含有量は約69体積%であった。このようにして得られたペースト組成物を用いて、実施例1と同様にして高誘電体組成物を得て、誘電特性、PCT試験、銅箔接着性を測定した結果を表1に示した。
【0070】
比較例2
80重量部の分散液X−1に、樹脂溶液Y−4を20重量部徐々に加えて、レットダウン混合したのち、さらに、ボールミルで1時間撹拌して、ペースト組成物を得た。このとき、無機フィラーと樹脂の合計量を100体積%としたときの無機フィラー含有量は約77体積%であった。このようにして得られたペースト組成物を用いて、実施例1と同様にして高誘電体組成物を得て、誘電特性、PCT試験、銅箔接着性を測定した結果を表1に示した。
【0071】
【表1】
【0072】
【発明の効果】
本発明の高誘電体組成物は、高い比誘電率と低い誘電正接の両方の特性を同時に満たすものであり、コンデンサや、コンデンサとしての機能を有する回路基板材料に有用である。
【発明の属する技術分野】
本発明は、無機フィラーと樹脂からなる高誘電体組成物、特に、比誘電率が40以上と高く、かつ、誘電正接が2.0%以下と低いものであり、コンデンサや、コンデンサとしての機能を有する回路材料として好適な特性を示す高誘電体組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子機器の小型化、信号の高速化や大容量化の要求に伴って、実装回路部品の高密度化が進んでいることにより、電気的ノイズが増大し、データエラーが発生することが問題になってきている。この電気的ノイズの発生を抑え、半導体デバイスを安定に動作させるためには、半導体デバイスに近い位置から必要量の電流を供給することが重要である。このためには、半導体デバイス直下のプリント配線板に容量の大きなコンデンサを配置することが有効である。
【0003】
一方、プリント配線板にコンデンサを配置する方法として、プリント配線板にチップコンデンサなどの外部コンデンサを配置する方法もあるが、小型化の点ではプリント配線板の内層に無機フィラーを加え、プリント配線板自体にコンデンサ機能を持たせる方法が有利であり、この方法として、無機フィラーと樹脂を混合した複合体を用いる方法(例えば、特許文献1、2参照)が知られている。しかしながら、上記の方法では、無機フィラーと樹脂とを混合した複合体の比誘電率は10〜40程度と低いものであった。
【0004】
他方、高い比誘電率を得る方法として、金属被覆フィラーを添加する方法(例えば、特許文献3参照)や針状導電性フィラーを添加する方法(例えば、特許文献4参照)が知られている。しかし、上記の方法では、誘電正接が2%よりも大きくなってしまう問題があった。
【0005】
また、高い比誘電率を得る方法として、高誘電率無機フィラーを900℃以上の高温で焼成した焼結体セラミックスを用いる方法が知られている。(例えば、非特許文献1)しかし、この方法は、プリント配線板上に搭載された電子部品がこの焼結温度に耐えることができないという理由から、適用できる実装方式が限定されてしまうという問題があった。
【0006】
【特許文献1】
特開平5−57852号公報(特許請求の範囲)
【0007】
【特許文献2】
特開平6−85413号公報(特許請求の範囲)
【0008】
【特許文献3】
特許第3030387号公報(特許請求の範囲)
【0009】
【特許文献4】
特開2001−68803号公報(特許請求の範囲)
【0010】
【非特許文献1】
微粒子工学大系、第II巻、応用技術、フジ・テクノシステム、柳田博明監修、p190
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
かかる状況に鑑み、本発明は、比誘電率が高く、かつ、誘電正接が低い高誘電体組成物を得ることを目的とし、さらには実装回路部品の電気的ノイズの発生を抑制できる高誘電体組成物を提供する。
【0012】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、無機フィラーと樹脂からなる高誘電体組成物であって、樹脂がM−O結合(MはTi、Baを示す)を有していることを特徴とする高誘電体組成物である。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の高誘電体組成物は、無機フィラーと樹脂を有しているものである。
【0014】
本発明で用いられる樹脂は、M−O結合(MはTi、Baを示す)を有していることが必要である。M−O結合(M:Ti、Ba)を含有する樹脂を用いることによって、無機フィラーとの相溶性が向上し、複合化における無機フィラーの分散安定性が向上する。さらには、無機フィラーとの親和性が良好となり、無機フィラー表面と樹脂との界面における接着性が向上する。これらによって、無機フィラー分散性に優れ、また、ボイドなどの欠陥のない高誘電体組成物を得ることが可能となる。
【0015】
また、樹脂がM−O結合(MはTi、Baを示す)を含有していると、樹脂自身の比誘電率が高く、また、誘電正接が低いため、複合化によって得られる高誘電体組成物の比誘電率を高く、かつ、誘電正接を低くすることができる。
【0016】
また、本発明で用いられる樹脂は、加水分解性チタン化合物、加水分解性バリウム化合物、それらの加水分解物、および、それらの縮合物から選択される少なくとも1つの化合物を有していることが好ましい。
【0017】
加水分解性チタン化合物はTi(X)4 〔1〕で示されるものである。
【0018】
Xは、通常、水の共存下で加水分解されてTi−OH基を生成することができる加水分解性基を指す。Xは、例えば、水素原子、ハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等)のほか、アルコキシタイプ、アシレートタイプ、キレートタイプなどが挙げられる。アルコキシタイプとしては、X=−OR、−NR、−SR、−PRなど(Rは炭素数1〜20の炭化水素基)が挙げられる。アシレートタイプとしては、X=−CO2R、−OCOR、−OP(=O)(OR)2、−OSO2R(Rは炭素数1〜20の炭化水素基)が挙げられる。キレートタイプとしては、Xがβ−ジケトナートなどの分子内配位化合物であるものが挙げられる。また複数のXは、同じ基であっても異なる基であってもよい。
【0019】
加水分解性チタン化合物の具体例としては、以下のものを挙げることができる。アルコキシタイプとしては、テトラ−i−プロポキシチタン、テトラ−n−ブトキシチタン、テトラステアロキシチタンなどが挙げられる。アシレートタイプとしては、トリ−n−ブトキシチタンステアレート、i−プロポキシチタントリスステアレートなどが挙げられる。キレートタイプとしては、ジイソプロポキシ・ビスアセチルアセトナートチタン、ジイソプロポキシ・ビスエチルアセチルアセトナートチタン、ジヒドロキシ・ビスラクタトチタン、ジヒドロキシ・ビストレエタノールアミナトチタンなどが挙げられる。
【0020】
また、加水分解性バリウム化合物はBa(Z)2〔2〕で示されるものである。Zは、前記したXと同様に加水分解性基を示し、前記と同様の基が挙げられる。また複数のZは各々同じ基であっても異なる基であっていても良い。
【0021】
加水分解性バリウム化合物の具体例としては、以下のものを挙げることができる。アルコキシタイプとしては、ジエトキシバリウム、ジ−i−プロポキシバリウム、ジ−n−ブトキシバリウムなどが挙げられる。アシレートタイプとしては、オクチル酸バリウムなどが挙げられる。キレートタイプとしては、ジヒドロキシ・ビスアセチルアセトナートバリウムなどが挙げられる。
【0022】
本発明の加水分解性チタン化合物、加水分解性バリウム化合物は通常の条件で、加水分解および縮合反応を行うことができる。一般的には、加水分解性チタン化合物、加水分解性バリウム化合物を溶剤中に溶解させ、室温もしくは氷冷下、水を添加することにより、加水分解および縮合反応を行うことができる。もちろん、溶剤の沸点以下の温度範囲内で加熱しながら、加水分解および縮合反応を進めることも可能である。また、本発明では、加水分解性チタン化合物、加水分解性バリウム化合物だけでなく、他の加水分解性金属化合物、例えば、加水分解性シラン化合物や加水分解性タンタル化合物などを併用し、共重合あるいはブレンドすることも可能である。
【0023】
加水分解および縮合反応を行う際には、反応速度の制御のために、アルコキシタイプのものを一旦、キレート化あるいはアシレート化してから、加水分解および縮合反応を行うか、キレートタイプあるいはアシレートタイプのものを用いることが好ましい。また、加水分解および縮合反応を行う際には無触媒でもよいが、反応速度や反応機構の制御のために、シュウ酸、酢酸、リン酸、p−トルエンスルホン酸などの酸触媒、あるいは、アンモニア、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイドなどの塩基性触媒を用いることができる。
【0024】
また、加水分解および縮合反応を行う際、無溶剤でもよいが、通常の有機溶剤を用いることができる。例えばエタノール、i−プロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコールなどのアルコール類、クロロベンゼン、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類 メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ類、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート等のセロソルブエステル類、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールエステル類、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、テトラヒドロフラン、アニソールなどのエーテル類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチル−n−アミルケトン、シクロヘキサノン、γ−ブチロラクトン、γ−ブチロラクタム、ジオキサン、アセトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノンなどのケトン類、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、メシチレン、テトラヒドロフラン、イソホロンなどが挙げられる。
【0025】
さらに、本発明で用いられる樹脂は、M−O結合(MはTi、Baを示す)を含有していればよく、他の構造を有する有機樹脂を併用することもできる。併用するにあたっては、ブレンド法、共重合法のいずれでもよい。併用する有機樹脂としては、熱可塑性、熱硬化性樹脂のいずれでも良いが、はんだ耐熱性などの点から、好ましくは熱硬化性樹脂が用いられる。
【0026】
熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルイミド、液晶ポリマー、ポリスチレン、ポリエチレン、フッ素樹脂などを用いることができる。
【0027】
また、熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド、アクリル樹脂、ベンゾシクロブテン樹脂、BT(ビスマレイミドトリアジン)レジン、イソシアネート樹脂などの一般的にプリント配線板の絶縁層に使用される樹脂を用いることができる。特に、熱硬化収縮性、粘性などの点からエポキシ樹脂が好ましく使用される。
【0028】
ここで、エポキシ樹脂とは、分子構造中にエポキシ基(オキシラン環)を2個以上含むプレポリマーに硬化剤を添加した樹脂である。プレポリマーは、誘電特性の点から、ビフェニル骨格あるいはジシクロペンタジエン骨格を有することが好ましい。また、硬化剤には、フェノールノボラック樹脂、ビスフェノールA型ノボラック樹脂、アミノトリアジン化合物、ナフトール化合物などの硬化剤を用いることができる。さらに、トリフェニルホスフィン、ベンゾイミダゾール系化合物、トリス(2、4−ペンタンジオナト)コバルトなどの金属キレート化合物などの硬化促進剤を添加することも可能である。
【0029】
本発明で用いられる無機フィラーは、比誘電率が50〜30000のものを用いることが好ましい。さらに好ましくは、比誘電率が100〜20000のものである。比誘電率が50未満の無機フィラーを用いると比誘電率が十分高い高誘電体組成物が得られない。また、比誘電率が30000を越えるものでは、比誘電率の温度特性が悪くなる傾向があるため、好ましくない。ここでいう無機フィラーの比誘電率とは、加熱、焼成して得られる無機フィラーのみの焼結体セラミックスの比誘電率をさす。焼結体の比誘電率は以下の手順によって、測定する。無機フィラーをポリビニルアルコールのようなバインダー樹脂、有機溶剤もしくは水を混合して、ペースト状組成物を作製したのち、ペレット成型器の中に充填して、乾燥させ、ペレット状固形物を得る。そのペレット状固形物を、例えば900〜1200℃程度まで加熱、焼成することにより、バインダー樹脂を分解、除去し、無機フィラーを焼結させ、無機フィラーのみからなる焼結体を得ることができる。この焼結体ペレットに上下電極を形成し、静電容量および寸法の測定結果から、比誘電率を計算する。
【0030】
このような無機フィラーとしては、二酸化チタン系、チタン酸バリウム系、チタン酸ジルコン酸バリウム系、チタン酸ストロンチウム系、チタン酸カルシウム系、チタン酸ビスマス系、チタン酸マグネシウム系、チタン酸バリウムネオジウム系、チタン酸バリウム錫系、マグネシウムニオブ酸バリウム系、マグネシウムタンタル酸バリウム系、チタン酸鉛系、ジルコン酸鉛系、チタン酸ジルコン酸鉛系、ニオブ酸鉛系、マグネシウムニオブ酸鉛系、ニッケルニオブ酸鉛系、タングステン酸鉛系、タングステン酸カルシウム系、マグネシウムタングステン酸鉛系などを挙げることができる。特に、ペロブスカイト型結晶構造、あるいは複合ペロブスカイト型結晶構造を有するフィラーを用いることが好ましい。これらのうち1種を単独で用いたり、2種以上を混合して用いたりすることができる。また、誘電特性や温度安定性を向上させる目的で、シフター、デプレッサー剤などを添加して用いることも適宜許される。
【0031】
無機フィラーの平均粒径は、0.01〜10μmのものを用いるのが好ましい。さらに好ましくは0.1〜7μm、最も好ましくは0.3〜1μmのものを用いる。粒径が小さいフィラーを用いるとフィラーの表面積が大きくなるため、フィラー分散液を作製した際に再凝集しやすくなり、粘度が異常に高くなって混練、分散や塗布加工が困難になることが多い。また、フィラーの体積に対して表面積が大きくなり結晶が不安定になって、強誘電相が得られにくく、高誘電体組成物の比誘電率が低くなる。一方、粒径の大きなフィラーを用いると、ペースト中でフィラーが沈降しやすくなったり、高誘電体組成物を薄膜化したときに表面粗さが大きくなる課題がある。なお、無機フィラーの平均粒径の測定は、レーザー回折法やSEM観察法のほか、フィラーのブラウン運動による散乱光の揺らぎを測定する動的光散乱法、フィラーを電気泳動したときの散乱光のドップラー効果を測定する電気泳動光散乱法などによって行うことができる。
【0032】
無機フィラーの粒径分布は、単一粒径フィラーを用いるだけでなく、複数の粒径のフィラーを混合して用いることができる。この場合、上記のようなミクロンオーダーのフィラーに、ナノメーターサイズのフィラーを混合することができる。このナノメーターサイズのフィラーの平均粒径は10〜100nmであることが好ましい。さらには40〜60nmのものを用いることが好ましい。
【0033】
無機フィラーの形状は特に限定されず、球状、楕円球状、針状、板状、鱗片状、棒状などのいずれでもよく、それらを取り合わせて用いることも可能である。これらのうち1種を単独で用いたり、2種以上を混合して用いたりすることができる。
【0034】
無機フィラーを作製する方法は、例えば、固相法、水熱合成法、超臨界水熱合成法、ゾルゲル法、しゅう酸法などの方法を用いることができる。
【0035】
本発明の高誘電体組成物に含まれる無機フィラーと樹脂の割合は、無機フィラーと樹脂の合計量を100体積%としたとき、無機フィラー含有量は50体積%以上99体積%以下とするのが好ましい。さらに好ましくは65体積%以上、最も好ましくは75体積%以上である。
【0036】
本発明の高誘電体組成物を得る方法として、例えば、まず、無機フィラーと樹脂を混合させたペースト組成物を作製し、そのペースト組成物をある被着体(例えば基板)に塗布し、脱溶媒、固化を行うことにより、高誘電体組成物を得る方法が挙げられる。このとき、固化の方法として、熱、光などによる固化が挙げられる。但し、本発明の高誘電体組成物は焼結体ではないので、樹脂を完全に分解、除去する必要はなく、電子部品の耐熱温度範囲内、例えば、500℃以下の温度で加熱することが好ましい。
【0037】
そのペースト組成物は、無機フィラーを樹脂へ分散することによって得られる。例えば、無機フィラーを樹脂溶液に加えて、混合分散する方法や、予め無機フィラーを適当な溶媒中に分散した分散液を作製し、その分散液と樹脂溶液を混合するレットダウン法などによって作製される。また、樹脂または溶媒中へ無機フィラーを分散させる方法は特に限定されず、例えば、超音波分散、ボールミル、ロールミル、クレアミックス、ホモジナイザー、メディア分散機などの方法を用いることができるが、特に、分散性の点でボールミル、ホモジナイザーを用いるのが好ましい。
【0038】
無機フィラー分散の際、分散性を向上させるために、例えば、無機フィラーの表面処理、分散剤の添加、界面活性剤の添加、溶剤の添加などを行っても良い。無機フィラーの表面処理としては、シラン系、チタン系、アルミニウム系などの各種カップリング剤、脂肪酸、リン酸エステルなどによる処理のほか、ロジン処理、酸性処理、塩基性処理などが挙げられる。また、分散剤の添加の例としては、リン酸、カルボン酸、脂肪酸、およびそれらのエステル類などの酸基を有する高分子分散剤などが挙げられ、特に、リン酸エステル系高分子分散剤が好ましく用いられる。そのほか、ノニオン性、カチオン性、アニオン性の界面活性剤、多価カルボン酸などの湿潤剤、両親和性物質、高立体障害の置換基を有する樹脂などの添加が挙げられる。また、溶剤の添加によって、分散時または分散後の系の極性を制御することができる。溶剤としては、樹脂を溶解するものを適宜選択すれば良いが、例えばエタノール、i−プロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコールなどのアルコール類、クロロベンゼン、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ類、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート等のセロソルブエステル類、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールエステル類、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、テトラヒドロフラン、アニソールなどのエーテル類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチル−n−アミルケトン、シクロヘキサノン、γ−ブチロラクトン、γ−ブチロラクタム、ジオキサン、アセトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノンなどのケトン類、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、メシチレン、テトラヒドロフラン、イソホロンなどが挙げられる。また、ペースト組成物には必要に応じて、安定化剤、分散剤、沈降防止剤、可塑剤、酸化防止剤などを添加してもよい。
【0039】
次に、ペースト組成物をある被着体に塗布する方法としては、特に限定されず、例えば、スピンナー、スクリーン印刷、ブレードコーター、ダイコーターなどが挙げられる。塗布後の膜をホットプレート、オーブンなどの加熱装置を用いて、脱溶媒や熱硬化を行う。
【0040】
ペースト組成物を塗布する被着体(例えば基板)としては、例えば、有機系基板、無機系基板、およびこれらの基板に回路の構成材料が配置されたものから選択できる。有機系基板の例としては、紙・フェノール銅張積層板、紙・エポキシ銅張積層板、紙・ポリエステル銅張積層板などの紙基材銅張り積層板、ガラス布・エポキシ銅張積層板、ガラス布・ポリイミド銅張積層板、ガラス布・テフロン(登録商標)銅張積層板などのガラス基材銅張積層板、紙・ガラス布・エポキシ銅張積層板、ガラス不織布・エポキシ銅張積層板などのコンポジット銅張積層板、ポリエーテルイミド樹脂基板、ポリエーテルケトン樹脂基板、ポリサルフォン系樹脂基板などの耐熱・熱可塑性基板、ポリエステル銅張フィルム基板、ポリイミド銅張フィルム基板などのフレキシブル基板が挙げられる。
【0041】
また、無機系基板の例としては、アルミナ基板、窒化アルミニウム基板、炭化ケイ素基板などのセラミック基板、アルミニウムベース基板、鉄ベース基板などの金属系基板、そのほか、ガラス基板、シリコン基板などが挙げられる。
【0042】
回路の構成材料の例としては、銀、金、銅などの金属を含有する導体、無機系酸化物などを含有する抵抗体、ガラス系材料および/または樹脂などを含有する低誘電体、樹脂や無機フィラーなどを含有する高誘電体、ガラス系材料などを含有する絶縁体などが挙げられる。
【0043】
本発明の高誘電体組成物の形態は特に限定されず、膜状、棒状、球状など、用途に合わせて選択することができるが、特に膜状であることが好ましい。ここでいう膜とは、フィルム、シート、板、ペレットなども含まれる。もちろん、導通のためのビアホール形成、インピーダンスや静電容量あるいは内部応力の調整、または、放熱機能付与など、用途にあわせたパターン形成を行うこともできる。
【0044】
高誘電体組成物を膜として用いる場合の膜厚は、0.5μm以上20μm以下であることが好ましい。さらに好ましくは、2μm以上20μm以下のものである。コンデンサとして大きな静電容量を確保するには膜厚が薄い方が好ましいが、0.5μmより薄い場合にはピンホールなどが発生しやすく、電気的絶縁が得られにくくなる。また、膜厚が20μmを越えると、十分なコンデンサ性能を得るために大きな比誘電率が必要となる上、実装密度向上が難しくなる傾向となる。
【0045】
本発明の高誘電体組成物は、比誘電率が50以上であることが好ましく、無機フィラー、樹脂を、上記した中から適宜選択する。例えば、無機フィラーとしてペロブスカイト型結晶構造を有するチタン酸バリウム、樹脂として加水分解性チタン化合物の反応物を用いることが挙げられる。
【0046】
本発明の高誘電体組成物の用途は特に限定されないが、例えば、高誘電率層としてプリント配線基板の内蔵コンデンサ作製に用いられる他、多層基板の層間絶縁膜、周波数フィルター、無線用アンテナ、電磁シールドなど、多くの電子部品、装置への適用が可能である。
【0047】
本発明の高誘電体組成物は、コンデンサとして好ましく使用される。高誘電体組成物を用いてコンデンサを形成する方法は特に限定されず、公知の方法を用いることができる。例えば、上記したように、基板上に高誘電体を形成したあと、適宜電極を形成することで、得ることができる。
【0048】
本発明のコンデンサの面積あたりの静電容量としては、5nF/cm2以上の範囲にあることが好ましい。さらに好ましくは、10nF/cm2以上の範囲にあることが好ましい。静電容量の温度変化、面内ばらつきは、小さい方が回路設計上好ましい。温度変化についても、できるだけ小さい方が好ましく、例えば、X7R特性(−55〜125℃において静電容量の温度変化率が±15%以内)を満たすことが好ましい。静電容量の面内ばらつきは、平均値に対して5%以下(静電容量の平均値−5%≦静電容量≦静電容量の平均値+5%)であることが好ましい。
【0049】
また、電気的ノイズを減らすためには、コンデンサの誘電正接は0.01〜2%の範囲にあることが好ましい。さらに好ましくは、0.01〜1%の範囲にあることである。ここで、静電容量や誘電正接などの電気特性は、周波数20k〜1GHzでの測定値とする。
【0050】
【実施例】
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
【0051】
合成例1:分散液X−1
チタン酸バリウムフィラー(堺化学工業(株)製、BT−05)759重量部、γ−ブチロラクトン233重量部、分散剤(ビックケミー・ジャパン(株)製、BYK−W9010)8重量部をホモジナイザーを用いて、氷冷下で1時間、混合分散し、分散液X−1を得た。
【0052】
合成例2:分散液X−2
チタン酸バリウムフィラー(堺化学工業(株)製、BT−03)772重量部、プロピレングリコールモノエチルエーテル 214重量部、分散剤(ビックケミー・ジャパン(株)製、BYK−W995)15重量部をホモジナイザーを用いて、氷冷下で30分間、混合分散し、分散液X−2を得た。
【0053】
合成例3:分散液X−3
チタン酸バリウムフィラー(堺化学工業(株)製、BT−07)835重量部、トルエン155重量部、分散剤(ビックケミー・ジャパン(株)製、BYK−W903)10重量部をボールミルを用いて、室温で3時間、混合分散し、分散液X−3を得た。
【0054】
合成例4:分散液X−4
酸化チタンフィラー(東邦チタニウム(株)製、HT0210)805重量部、γ−ブチロラクトン191重量部、分散剤(ビックケミー・ジャパン(株)製、BYK−W9010)4重量部をホモジナイザーを用いて、氷冷下で30分間、混合分散し、分散液X−4を得た。
【0055】
合成例5:分散液X−5
チタン酸ストロンチウム(東邦チタニウム(株)製、T2Y6)933重量部、γ−ブチロラクトン62重量部、分散剤(ビックケミー・ジャパン(株)製、BYK−W9010)5重量部をホモジナイザーを用いて、氷冷下で1時間、混合分散し、分散液X−5を得た。
【0056】
合成例6:樹脂溶液Y−1
滴下ロート、攪拌機、温度計を備えた容器内に、チタンテトラ−i−プロポキシド 332g(1.17mol)、イソプロパノール 500gを仕込んだ後、窒素気流下、撹拌しながら、アセト酢酸エチル 304g(2.34mol)を滴下ロートより、徐々に滴下し、30分間撹拌した。さらに、イオン交換水42g(2.33mol)を滴下ロートより、徐々に滴下し、室温下で3時間撹拌して加水分解を行った。次いで、85℃で加熱しながら、加水分解により副生したアルコールの留去を行いながら、濃縮させ、固形分濃度を20重量%に調製して、樹脂溶液Y−1を得た。
【0057】
合成例7:樹脂溶液Y−2
滴下ロート、攪拌機、温度計を備えた容器内に、チタンテトラ−i−プロポキシド 142g(0.5mol)、バリウムジ−i−プロポキシド溶液(濃度:0.5mol/kg、溶媒:トルエン/イソプロパノール=10/1(重量比))1000g(0.5mol)を仕込んだ後、窒素気流下、撹拌しながら、アセト酢酸エチル 162.5g(1.25mol)を滴下ロートより、徐々に滴下し、30分間撹拌した。さらに、イオン交換水 22.5g(1.25mol)を滴下ロートより、徐々に滴下し、室温下で3時間撹拌して加水分解を行った。次いで、85℃で加熱しながら、加水分解により副生したアルコールの留去を行いながら、濃縮させ、固形分濃度を10重量%に調製して、樹脂溶液Y−2を得た。
【0058】
合成例9:樹脂溶液Y−3
エポキシ樹脂(日本化薬(株)製、フェノライトEPPN−502H)12.6重量部、硬化剤(日本化薬(株)製、カヤハードTPM)7.2重量部、硬化促進剤(北興化学(株)製トリフェニルホスフィン)0.2重量部、γ−ブチロラクトン80重量部を混合し、樹脂溶液Y−3を得た。
【0059】
合成例10:樹脂溶液Y−4
滴下ロート、攪拌機、温度計を備えた容器内に、メチルトリメトキシシラン 68g(0.5mol)、フェニルトリメトキシシラン99g(0.5mol)、3−メチル−3−メトキシブタノール 100gを仕込んだ後、窒素気流下、撹拌しながら、リン酸水溶液(イオン交換水 54g(3mol)、リン酸 0.84g)を滴下ロートより、徐々に滴下し、室温下で1時間撹拌して加水分解を行った。次いで、150℃で加熱しながら、加水分解により副生したアルコールの留去を行いながら、濃縮させたのち、さらに、3−メチル−3−メトキシブタノーで希釈して、固形分濃度を20重量%に調製して、樹脂溶液Y−4を得た。
【0060】
実施例1
攪拌機を備えた容器内に、分散液X−1を80重量部仕込み、樹脂溶液Y−1を20重量部徐々に加えて、レットダウン混合したのち、さらに、ボールミルで1時間撹拌して、ペースト組成物を得た。このとき、無機フィラーと樹脂の合計量を100体積%としたときの無機フィラー含有量は約77体積%であった。
【0061】
次に、このペースト組成物をアルミ基板(渡辺義一製作所(株)製、厚さ300μm)上にスピンコーターを用いて塗布し、オーブンを用いて、120℃、10分間で乾燥させた後、270℃、1時間で硬化させ、膜厚10μmの高誘電体組成物を得た。さらに、この高誘電体組成物にアルミニウム電極を蒸着法により形成し、これと基板のアルミニウムを電極として、1MHzにおける誘電特性をインピーダンスアナライザ(ヒューレットパッカード社製、HP4284A、HP16451B)を用いて、JIS K 6911に準じて測定した結果、比誘電率は80、誘電正接は1.1%、面積当たりの静電容量は6.2nF/cm2であった。
【0062】
また、ペースト組成物を銅板(渡辺義一製作所(株)製、厚さ300μm)上にスピンコーターを用いて塗布し、オーブンを用いて、120℃、10分間で乾燥させた後、270℃、1時間で硬化させ、膜厚10μmの高誘電体組成物を得た。これをプレッシャークッカーテスト(PCT試験、100%RH、121℃、2気圧、100時間後)の顕微鏡観察で何ら異常は観察されず、碁盤目テープ法による試験(JIS K5400)では、評価点数は10点であり、良好であった。
【0063】
さらに、ペースト組成物を銅板(渡辺義一製作所(株)製、厚さ300μm)上にスピンコーターを用いて塗布し、オーブンを用いて、120℃、10分間で乾燥させた後、銅箔(三井金属鉱業(株)製 FQ−VLP、厚さ15μm)を、130℃、0.1MPaの条件でラミネートした。続いてオーブンで、270℃、1時間で加熱処理を行ない、銅箔付き積層体を作製した。銅エッチングにより2mm幅の銅配線パターニングを行い、続いて、テンシロン(UTM−4−100、オリエンテックコーポレーション(株)製)を用いて、引っ張り速度50mm/分で90度接着強度を測定したところ、銅箔ピール強度は6N/cmと良好な接着性を有していた。
【0064】
実施例2
攪拌機を備えた容器内に、分散液X−2を67重量部仕込み、樹脂溶液Y−233重量部を徐々に加えて、レットダウン混合したのち、さらに、ボールミルで1時間撹拌して、ペースト組成物を得た。このとき、無機フィラーと樹脂の合計量を100体積%としたときの無機フィラー含有量は約77体積%であった。このようにして得られたペースト組成物を用いて、実施例1と同様にして高誘電体組成物を得て、誘電特性、PCT試験、銅箔接着性を測定した結果を表1に示した。
【0065】
実施例3
攪拌機を備えた容器内に、分散液X−3を92重量部仕込み、樹脂溶液(日本曹達(株)製 チタンポリマーA−10)8重量部を徐々に加えて、レットダウン混合したのち、さらに、ボールミルで1時間撹拌して、ペースト組成物を得た。このとき、無機フィラーと樹脂の合計量を100体積%としたときの無機フィラー含有量は約80体積%であった。このようにして得られたペースト組成物を用いて、実施例1と同様にして高誘電体組成物を得て、誘電特性、PCT試験、銅箔接着性を測定した結果を表1に示した。
【0066】
実施例4
攪拌機を備えた容器内に、分散液X−4を80重量部仕込み、樹脂溶液(日本曹達(株)製 チタンポリマーB−2)20重量部を徐々に加えて、レットダウン混合したのち、さらに、ボールミルで1時間撹拌して、ペースト組成物を得た。このとき、無機フィラーと樹脂の合計量を100体積%としたときの無機フィラー含有量は約66体積%であった。このようにして得られたペースト組成物を用いて、実施例1と同様にして高誘電体組成物を得て、誘電特性、PCT試験、銅箔接着性を測定した結果を表1に示した。
【0067】
実施例5
攪拌機を備えた容器内に、分散液X−5を77重量部仕込み、樹脂溶液(日本曹達(株)製 チタンポリマーB−2)23重量部を徐々に加えて、レットダウン混合したのち、さらに、ボールミルで1時間撹拌して、ペースト組成物を得た。このとき、無機フィラーと樹脂の合計量を100体積%としたときの無機フィラー含有量は約63体積%であった。このようにして得られたペースト組成物を用いて、実施例1と同様にして高誘電体組成物を得て、誘電特性、PCT試験、銅箔接着性を測定した結果を表1に示した。
【0068】
実施例6
攪拌機を備えた容器内に、分散液X−1を80重量部仕込み、樹脂溶液Y−110重量部、樹脂溶液Y−3 10重量部を徐々に加えて、レットダウン混合したのち、さらに、ボールミルで1時間撹拌して、ペースト組成物を得た。このとき、無機フィラーと樹脂の合計量を100体積%としたときの無機フィラー含有量は約73体積%であった。このようにして得られたペースト組成物を用いて、実施例1と同様にして高誘電体組成物を得て、誘電特性、PCT試験、銅箔接着性を測定した結果を表1に示した。
【0069】
比較例1
80重量部の分散液X−1に、樹脂溶液Y−3を20重量部徐々に加えて、レットダウン混合したのち、さらに、ボールミルで1時間撹拌して、ペースト組成物を得た。このとき、無機フィラーと樹脂の合計量を100体積%としたときの無機フィラー含有量は約69体積%であった。このようにして得られたペースト組成物を用いて、実施例1と同様にして高誘電体組成物を得て、誘電特性、PCT試験、銅箔接着性を測定した結果を表1に示した。
【0070】
比較例2
80重量部の分散液X−1に、樹脂溶液Y−4を20重量部徐々に加えて、レットダウン混合したのち、さらに、ボールミルで1時間撹拌して、ペースト組成物を得た。このとき、無機フィラーと樹脂の合計量を100体積%としたときの無機フィラー含有量は約77体積%であった。このようにして得られたペースト組成物を用いて、実施例1と同様にして高誘電体組成物を得て、誘電特性、PCT試験、銅箔接着性を測定した結果を表1に示した。
【0071】
【表1】
【0072】
【発明の効果】
本発明の高誘電体組成物は、高い比誘電率と低い誘電正接の両方の特性を同時に満たすものであり、コンデンサや、コンデンサとしての機能を有する回路基板材料に有用である。
Claims (2)
- 無機フィラーと樹脂からなる高誘電体組成物であって、樹脂がM−O結合(MはTi、Baを示す)を有していることを特徴とする高誘電体組成物。
- 樹脂が、加水分解性チタン化合物、加水分解性バリウム化合物、それらの加水分解物、および、それらの縮合物から選択される少なくとも1つの化合物を有することを特徴とする請求項1記載の高誘電体組成物。
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2003
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