JP3995020B2 - ペースト組成物、誘電体組成物、キャパシタおよびペースト組成物の製造方法 - Google Patents

ペースト組成物、誘電体組成物、キャパシタおよびペースト組成物の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、フラットパネルディスプレイ、フレキシブルディスプレイ、電子ペーパー、携帯情報端末のディスプレイ、タッチパネルなどの情報表示部材で、透明性が必要とされる領域に透明な高誘電率層を形成し、層間絶縁膜として透明電極などと組み合わせることにより透明なキャパシタなどを形成することができるペースト組成物および誘電体組成物、およびそれらによって形成された透明キャパシタに関する。
実装基板に内蔵するキャパシタ用の層間絶縁膜を作製する方法として、高誘電率無機粒子を樹脂中に分散したペースト組成物を塗布、乾燥、硬化させるという方法が知られている(特許文献1〜2参照)。しかしながら、これらの方法により作製された層間絶縁膜は、用いている粒子の粒子径が大きいためと、膜厚が厚いためから、不透明であり、透明誘電体膜として用いることが困難であった。
一方、液晶配向膜樹脂中に高誘電率無機粒子を分散させ、比誘電率を6〜7に高めるという技術も知られている(特許文献3参照)。この技術では樹脂単体の2〜2.5倍となる比誘電率を得ているが、比誘電率の値が6〜7と不十分で、この膜を層間絶縁膜とするキャパシタの静電容量は小さく実用的でない。
無機粒子の樹脂材料中への分散は、まず、有機溶剤中へ無機粒子を良好に分散させた分散液を製造し、その後、分散液を樹脂と混合することで達成することができる。市販されている平均粒子径がナノメートル〜数十ナノメートルオーダーである無機粒子は、個々の粒子(1次粒子)を適度に凝集させ、平均粒子径が数十μmの粉体状の粒子(2次粒子)として提供されている場合が多い。したがって、平均粒子径が0.06μm以下の無機粒子の分散液を製造するためには、分散媒中で、これら2次粒子の凝集を解し、1次粒子が安定に分散した分散液を製造する必要がある。しかしながら、無機粒子の粒子径がより微小になると、凝集した無機粒子にせん断応力を加えるための機構が粒子サイズに追随できなくなることから、無機粒子を分散媒中で均一分散させることが非常に困難となる。また、粒子重量に対する表面積の割合が高くなるため、分散が進行すると分散液の粘度が増加し、分散をさらに進めることが難しくなる。
他方、無機粒子を1次粒子の状態にして分散させる方法として、ホモジナイザーやビーズミル、超音波分散機などの分散装置を用いる方法が知られている。特に、無機粒子を平均粒子径0.06μm以下の微小粒子へと分散するには、微小ビーズの摩擦によるせん断応力により分散を促進するビーズミルを好ましく用いることができる。
例えば、粒子径70nm以下のシリカ粒子を有機溶剤中へ、ビーズミルを用いて分散させるものがある(特許文献4参照)。しかしながら、特許文献4に記載された方法は、シリカ粒子という極性が高く有機溶剤への分散が比較的容易な無機粒子についての方法であり、他の無機粒子に対しては有効でない。さらに、分散が容易なシリカ粒子においても、分散媒に使用する有機溶剤はアルコール系に限定され、ビーズミルでの分散後、遠心分離機を用いて、粒子径を小さくしている。また特許文献4には、アルミナなどのシリカ粒子よりも極性が小さい粒子に関する分散例が示されているが、シリカ粒子以外については具体的な粒子径分布が示されておらず、1次粒子までの分散達成は難しいと考えられる。極性が小さい粒子として、ペロブスカイト系結晶構造を有する高誘電率無機粒子であるチタン酸バリウムなどが挙げられる。
また、ビーズミルを用いたナノメートルオーダーの炭素粒子の分散を行う方法も提案されている(特許文献5参照)。しかしながら、特許文献5に記載された方法では、分散媒としては極性が高い水を用いており、一般的な有機溶剤よりも分散が容易である。したがって、一般的な有機溶剤に対しては、特許文献5に記載された方法は有効でない。
これら従来の分散方法は、無機粒子の種類や大きさ、分散媒の種類によって分散の度合いが左右されることが多く、なかでもペロブスカイト系結晶構造を有する高誘電率無機粒子の分散に適用した場合、安定した分散性を実現することは非常に困難であった。
特開2005−38821号公報(特許請求の範囲) 特開2004−285105号公報(特許請求の範囲) 特開平4−70818号公報(特許請求の範囲) 特開2004−346288号公報(6頁、実施例) 特開2005−1983号公報(特許請求の範囲)
かかる状況に鑑み、本発明は、透明性が必要とされる領域に透明な高誘電率層を形成し、層間絶縁膜として透明電極などと組み合わせることにより透明なキャパシタや帯電量を制御できる透明誘電体層を形成することができるペースト組成物および誘電体組成物、およびそれらによって形成された透明キャパシタを提供する。
すなわち(a)樹脂、(b)ペロブスカイト系結晶構造を有する高誘電率無機粒子、(c)有機溶剤、および分散剤を含有してなるペースト組成物であって、(b)高誘電率無機粒子の平均粒子径が0.002μm以上0.06μm以下であり、全有機溶剤量がペースト組成物全量の35重量%以上85重量%以下であり、分散剤の含有量が(b)ペロブスカイト系結晶構造を有する高誘電率無機粒子に対し5重量%以上25重量%以下であるペースト組成物であり、その製造方法である。
また、本発明のもう一つの態様は、前記ペースト組成物を硬化させて得られる、(a)樹脂、(b)ペロブスカイト系結晶構造を有する高誘電率無機粒子を含有してなる誘電体組成物であって、(b)高誘電率無機粒子の平均粒子径が0.002μm以上0.06μm以下である誘電体組成物と、その誘電体組成物を絶縁膜として用いたキャパシタである。
本発明によれば、比誘電率が大きく、波長400〜700nmの全域において光線透過率が高い誘電体組成物およびそれを得るための原料となるペースト組成物を得ることができる。さらには、本発明の組成物は、1μmという薄膜においても、リーク電流が小さく、電圧保持率が大きい。またこれらの誘電体組成物は、ディスプレイ部材などの高い可視光透過率を要求される用途でのキャパシタ用層間絶縁膜を提供することができる。
本発明のペースト組成物は、(a)樹脂、(b)ペロブスカイト系結晶構造を有する高誘電率無機粒子、(c)有機溶剤、および分散剤を含有しており、(b)高誘電率無機粒子の平均粒子径が0.002μm以上0.06μm以下であって、全有機溶剤量がペースト組成物全量の35重量%以上85重量%以下であり、分散剤の含有量が(b)ペロブスカイト系結晶構造を有する高誘電率無機粒子に対し5重量%以上25重量%以下である。
本発明で用いる(b)ペロブスカイト系結晶構造を有する高誘電率無機粒子の平均粒子径は、0.002μm以上0.06μm以下であり、好ましくは0.002μm以上0.04μm以下であり、より好ましくは0.002μm以上であることや0.03μm以下であることである。(b)ペロブスカイト系結晶構造を有する高誘電率無機粒子の平均粒子径が0.06μm以下であると、ペースト組成物を硬化させて得られる誘電体組成物の表面が平滑になりやすくなり、そのため表面での光の散乱が小さくなり、その結果、光線透過率を大きくできる。伝搬する光線が受けるレーリー散乱の強度は、光線が通過する媒質中にある粒子の粒子径の3乗に正の相関関係があるため、誘電体組成物中の(b)ペロブスカイト系結晶構造を有する高誘電率無機粒子の粒子径が小さいほど、(b)高誘電率無機粒子による光線透過を阻害するレーリー散乱は小さくなる。(b)ペロブスカイト系結晶構造を有する高誘電率無機粒子の平均粒子径が0.04μm以下であると、ペースト組成物を硬化させて得られる誘電体組成物に光を透過させる際に(b)高誘電率無機粒子により起こるレーリー散乱の抑制効果が顕著となり、光線透過率を大きくしやすくなる。(b)ペロブスカイト系結晶構造を有する高誘電率無機粒子の平均粒子径が0.03μm以下であると、ペースト中の(b)高誘電率無機粒子の沈降が起きにくくなる。(b)ペロブスカイト系結晶構造を有する高誘電率無機粒子の平均粒子径が0.002μm以上であると高誘電率無機粒子の結晶性が良くなるために、(b)高誘電率無機粒子の誘電率を大きくすることができるため、誘電体組成物の誘電率を大きくしやすくなる。
本発明のペースト組成物中の全有機溶剤量は、ペースト組成物全量の35重量%以上85重量%以下であり、さらには、45重量%以上であることや、75重量%以下であることが好ましい。有機溶剤量がペースト組成物全量の85重量%以下では、ペースト中の固形分量が十分多くなるため、塗布膜を形成した際に膜厚が薄い場合にも連続膜が得やすくなる。有機溶剤量がペースト組成物全量の75重量%以下では、乾燥時の有機溶剤揮発による空隙の発生が抑制される。このため誘電体組成物の誘電率を大きくすることができ、かつ空隙によるレーリー散乱が抑制され光線透過率を高くすることができ、また吸湿の原因となりうる空隙の量が小さいために、湿度、水分の影響による物性変化を小さくできる。有機溶剤量がペースト組成物全量の35重量%以上では、分散処理する前の段階においての)高誘電率無機粒子の過剰な凝集を防ぎ粘度を低くできるため、分散処理開始時点において極端に高い粘度であると分散処理を開始できないことがあるビーズミルなどの分散装置での分散処理を行いやすい。有機溶剤量がペースト組成物全量の45重量%以上では、高誘電率無機粒子を均一に分散した後のペーストの粘度も低くすることができるため、膜厚均一性が高い塗布膜を形成しやすい。
ペースト組成物は、例えば、高誘電率無機粒子を液状樹脂や樹脂溶液に加えて混合分散する方法や、予め高誘電率無機粒子を適当な有機溶剤中に分散した分散液を作製し、その分散液と液状樹脂もしくは樹脂溶液を混合するレットダウン法などによって作製される。また、樹脂または有機溶剤中へ高誘電率無機粒子を分散させる方法は特に限定されず、例えば、超音波分散機、ボールミル、ロールミル、クレアミックス、ホモジナイザー、ビーズミル、メディア分散機などを使用する方法を用いることができるが、特に、高い分散性が達成できる点でボールミル、ホモジナイザー、ビーズミルを用いるのが好ましい。
高誘電率無機粒子を分散させる際、分散性を向上させるために、例えば、高誘電率無機粒子の表面処理、組成物への界面活性剤の添加、溶剤の添加などを行ってもよい。
高誘電率無機粒子の表面処理としては、シラン系、チタン系、アルミニウム系などの各種カップリング剤、脂肪酸、リン酸化合物などによる処理のほか、ロジン処理、酸性処理、塩基性処理などが挙げられる。ここで、高誘電率無機粒子の表面処理は、組成物を作製する前に、高誘電率無機粒子に施す表面処理であってもよく、また、上記の処理剤を組成物中に添加し、結果として高誘電率無機粒子の表面に上記の処理剤が付着する態様のいずれでもよい。
組成物へ添加する分散剤の例としては、リン酸、カルボン酸、脂肪酸、およびそれらのエステル類などの酸基を有するものなどが挙げられる。チタン酸バリウムなど表面が塩基性である高誘電率無機粒子を分散させる場合には、酸−塩基相互作用を利用して分散剤を高誘電率無機粒子表面と相互作用させることができるため、酸基を有する分散剤を用いることが有効であり、特に、リン酸エステル骨格を有する化合物が好ましく用いられる。リン酸エステル骨格を有する化合物が含まれる分散剤としては、ビックケミー・ジャパン(株)製:商品名“Dysperbyk−111”、同じく“BYK−W9010”などがある。その他、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル、リン酸トリブチルなどのリン酸アルキルやリン酸アクリレートなども有効な場合がある。また、組成物へ添加する分散剤は高誘電率無機粒子の表面処理剤として用いられてもよい。
添加する分散剤の量は、高誘電率無機粒子に対し、量%以上25重量%以下である。分散剤の量が重量%以上であると高誘電率粒子の良好な分散が達成されやすくなる。分散剤は、分散処理等によって凝集が解された粒子の表面を覆うことで粒子の再凝集を阻害し、分散を維持する効果を有している。分散剤の量が高誘電率無機粒子に対し5重量%以上であると、高誘電率粒子の粒子径が0.02μm以下の場合にも前述の分散剤の効果が発現し、良好な分散が得られ、誘電体組成物の光線透過率を大きくしやすい。分散剤の量が高誘電率無機粒子に対し25重量%以下であると誘電率を大きくしやすくなる。
そのほか、分散性を良好にするための手段として、ノニオン性、カチオン性、アニオン性の界面活性剤、多価カルボン酸などの湿潤剤、両親和性物質、高立体障害の置換基を有する樹脂などの添加が挙げられる。これらの添加剤は、高誘電率無機粒子の表面処理剤として用いられてもよい。また、有機溶剤の添加によって、分散時または分散後の系の極性を制御することができる。有機溶剤としては、樹脂を溶解するものであり、かつ分散剤との相溶性のあるものを適宜選択すれば良い。例えば、エタノール、i−プロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール、イソブチルアルコール、メトキシメチルブタノールなどのアルコール類、クロロベンゼン、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレンなどの芳香族炭化水素類、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ類、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート等のセロソルブエステル類、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールエステル類、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、テトラヒドロフラン、アニソールなどのエーテル類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチル−n−アミルケトン、シクロヘキサノン、γ−ブチロラクトン、γ−ブチロラクタム、ジオキサン、アセトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノンなどのケトン類、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、テトラヒドロフラン、イソホロン、トリクロロエチレン、乳酸エチル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどや、これらのうちの1種類以上を含有する混合物を有機溶剤として用いることができる。
また本発明で用いる有機溶剤は沸点160℃以上であることが好ましい。有機溶剤の沸点が160℃以上では、誘電体組成物内での空隙発生が抑制されて、誘電体組成物の比誘電率を高くしやすい。沸点が160℃より低いと、有機溶剤の揮発速度が速いため、熱処理時の物質移動による緻密化が追いつかず、空隙部が増加し、誘電体組成物の誘電率が低下することが多くなる。より好ましくは180℃以上、さらにより好ましくは200℃以上である。また、本発明で用いられる有機溶剤は、沸点300℃以下であることが好ましく、より好ましくは280℃以下である。沸点が280℃より高くなると、脱有機溶剤のための処理が高温となり、高温処理によって樹脂が分解し、誘電特性の劣化や機械的強度の低下などが起こる。また300℃より大きくなると、樹脂の分解がより激しくなり、機械強度の低下が起きる。本発明のペースト組成物に使用する有機溶剤は、沸点160℃以上の有機溶剤1種のみでもよいが、沸点160℃以上の有機溶剤を含有していれば、それ以外の溶剤を含んでいても空隙発生が抑制される効果が得られやすくなる。また、ペースト組成物は必要に応じて、安定化剤、沈降防止剤、可塑剤、酸化防止剤、架橋剤、架橋促進剤、溶解調整剤、界面活性剤、消泡剤などの添加剤などを含有してもよい。
沸点160℃以上の有機溶剤としては、メシチレン、アセトニルアセトン、メチルシクロヘキサノン、ジイソブチルケトン、メチルフェニルケトン、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、イソホロン、ジエチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、γ−ブチロラクタム、エチレングリコールモノアセテート、エチレングリコールジアセテート、3−メトキシ3−メチルブタノールおよびそのアセテート、3−メトキシブチルアセテート、2−エチルヘキシルアセテート、シュウ酸エステル、マロン酸ジエチル、マレイン酸エステル、炭酸プロピレン、ブチルセロソルブ、エチルカルビトール等がある。
本発明でいう沸点とは、1気圧、即ち1.01325×10N/mの圧力下での沸点である。沸点の測定は公知の技術を用いて行うことができ、特に限定されないが、例えば、Swietoslawskiの沸点計を用いることで測定できる。
なお、高誘電率無機粒子の充填率が高くなるにつれて、上記有機溶剤量による影響は大きくなり、高誘電率無機粒子がペースト組成物に含まれる有機溶剤を除く成分の総重量の80重量%以上の場合に、本発明の効果が特に大きい。
次に、ペースト組成物を基板などの被着体に塗布する方法としては、特に限定されず、例えば、スクリーン印刷機、ブレードコーター、スピンコーター、バーコーターなどを用いて塗布する方法が挙げられる。続いて塗布後の膜に対し、ホットプレート、オーブンなどの加熱装置を用いて、脱有機溶剤や熱硬化を行う。
ペースト組成物を塗布する被着体(例えば基板)としては、例えば、有機系基板、無機系基板、およびこれらの基板に回路の構成材料が配置されたものから選択できる。有機系基板の例としては、樹脂基板、紙・フェノール銅張積層板、紙・エポキシ銅張積層板、紙・ポリエステル銅張積層板などの紙基材銅張積層板、ガラス布・エポキシ銅張積層板、ガラス布・ポリイミド銅張積層板、ガラス布・テフロン(登録商標)銅張積層板などのガラス基材銅張積層板、紙・ガラス布・エポキシ銅張積層板、ガラス不織布・エポキシ銅張積層板などのコンポジット銅張積層板、ポリエーテルイミド基板、ポリエーテルケトン基板、ポリサルフォン系樹脂基板、ポリカーボネート基板、ポリイミド基板、ポリエステルなどの樹脂基板、ポリエステルフィルム、ポリエステル銅張フィルム基板、ポリイミドフィルム、アラミドフィルム、ポリイミド銅張フィルム基板、各種液晶ポリマーフィルムなどのフレキシブル基板が挙げられる。
また、無機系基板の例としては、アルミナ基板、窒化アルミニウム基板、炭化ケイ素基板などのセラミック基板、アルミニウムベース基板、鉄ベース基板などの金属系基板、そのほか、ガラス基板、シリコン基板、石英基板などが挙げられる。
回路の構成材料の例としては、銀、金、銅、クロム、ニッケル、チタンやこれらの合金などの金属や、インジウム−錫酸化物(ITO)、インジウム−亜鉛酸化物、酸化錫、酸化インジウム、酸化亜鉛やこれらにその他元素のドープしたものなどを含有する導体、無機系酸化物などを含有する抵抗体、ガラス系材料および/または樹脂などを含有する低誘電体、樹脂や高誘電率無機粒子などを含有する高誘電体、ガラス系材料などを含有する絶縁体などが挙げられる。
本発明の誘電体組成物は、前記ペースト組成物を硬化させて得られるものであり、(a)樹脂、(b)ペロブスカイト系結晶構造を有し、かつ(b)高誘電率無機粒子の平均粒子径が0.002μm以上0.06μm以下である。本発明の誘電体組成物は、波長400〜700nmの全域の光線透過率が50%以上100%以下であることが好ましく、より好ましくは70%以上100%以下であり、さらに好ましくは、90%以上100%以下である。波長400〜700nmの全域における誘電体組成物の光線透過率が50%以上となると、誘電体組成物を透過した光で情報表示を行うという透明性の機能を満足できるようになる。波長400〜700nmの全域における誘電体組成物の光線透過率が70%以上となると、誘電体組成物を透過した光でモノクロメーターでの情報表示が行いやすくなる。波長400〜700nmの全域における誘電体組成物の光線透過率が90%以上となると、誘電体組成物を透過した光でカラーでの情報表示が行いやすくなる。ここで波長400〜700nmの全域における誘電体組成物の光線透過率が50%以上100%以下であるとは、光線透過率に波長依存性がある場合に、誘電体組成物の波長400〜700nmの透過光スペクトルにおいて光線透過率の最小値が50%以上であるということと同義である。これらの光線透過率は、樹脂中に存在する(b)ペロブスカイト系結晶構造を有する高誘電率無機粒子の良好な分散性に依り、これは前述した分散技術によって達成できる。
波長400〜700nmの全域における誘電体組成物の光線透過率は、可視分光光度計を用いて測定することができる。誘電体組成物が膜状である場合は、波長400〜700nmの全域において吸収を持たない材料であるガラスや石英などの基板上に誘電体組成物膜を形成したものを光線透過率測定用試料として用いればよい。
本発明の誘電体組成物は比誘電率が10以上300以下であることが良い。好ましくは比誘電率が20以上である場合と、80以下である場合である。より好ましくは比誘電率が30以上である場合と、50以下である場合である。誘電体組成物を層間絶縁膜として用いた場合に、比誘電率が10以上では、大きな容量をもつキャパシタを形成することが容易となる。また、比誘電率が20以上では、大きな容量をもつキャパシタを形成する場合に、層間絶縁膜を極端に薄くする必要がないため、層間絶縁膜にリーク電流発生の原因となるピンホールが発生しにくくなる。比誘電率が30以上となると、容量の大きなキャパシタを形成する場合にも、層間絶縁膜を比較的厚く形成することができるため、絶縁耐圧を大きくしやすくなる。多くのペロブスカイト系結晶構造を有する高誘電率無機粒子の比誘電率は、粒子径の大きさと正の相関関係がある。本誘電体組成物の比誘電率が300以下の場合、ペロブスカイト系結晶構造を有する高誘電率無機粒子に極端に比誘電率が大きいものを用いる必要がないため、粒子径が比較的小さいペロブスカイト系結晶構造を有する高誘電率無機粒子を用いることができ、波長400〜700nmにおける光線透過率を大きくしやすい。本誘電体組成物の比誘電率を80より大きくしようとすると、粒子充填率を単一粒子径のものを用いた場合の最密充填以上とすることが必要となる場合が多い。
したがって、本誘電体組成物の比誘電率が80以下の場合は、単一粒子径のみからなる場合に近い、粒子径分布が非常にシャープな高誘電率無機粒子を用いることが可能となる。本誘電体組成物の比誘電率が50以下の場合は、(b)ペロブスカイト系結晶構造を有する高誘電率無機粒子の誘電率が極端に大きなものを用いる必要がないため、高誘電率無機粒子の材料選択の幅が広がる。
本発明で用いる(b)ペロブスカイト系結晶構造を有する高誘電率無機粒子は、その平均粒子径が0.002μm以上0.06μm以下であり、0.002μm以上0.04μm以下であることが好ましい。(b)ペロブスカイト系結晶構造を有する高誘電率無機粒子の平均粒子径は、より好ましくは0.005μm以上である場合と、0.03μm以下である場合である。平均粒子径が0.002μm以上となると、(b)ペロブスカイト系結晶構造を有する高誘電率無機粒子の比誘電率を大きくしやすくなる。平均粒子径が0.005μm以上となると、(b)ペロブスカイト系結晶構造を有する高誘電率無機粒子が凝集しにくくなり、樹脂に均一に分散させやすくなる。平均粒子径が0.04μm以下となると、誘電体組成物に光を透過させる際に(b)ペロブスカイト系結晶構造を有する高誘電率無機粒子により起こるレーリー散乱が抑制されるために、光線透過率を大きくしやすくなる。平均粒子径が0.03μm以下となると、レーリー散乱抑制効果がより大きくなり誘電体組成物の光線透過率を大きくしやすくなるだけでなく、誘電体組成物製造時に発生しやすく(b)ペロブスカイト系結晶構造を有する高誘電率無機粒子の分布の偏りの原因となる沈降がおきにくくなる。
本発明の誘電体組成物の製造方法として、液状もしくは溶液状の未硬化樹脂に(b)ペロブスカイト系結晶構造を有する高誘電率無機粒子が分散されたペーストなどの流動性がある状態のものを、加熱などにより固化させるというものがある。このような場合、一般に(b)ペロブスカイト系結晶構造を有する高誘電率無機粒子の比重が樹脂の比重より大きいために、流動性がある状態では重力で粒子が分散体の下部に沈むという沈降がおきやすい。しかしながら、粒子径が小さくなると、粒子1つ1つの重量が小さくなり、ブラウン運動による影響が大きくなり、粒子が沈降しにくくなる。
誘電体組成物内を進む光のレーリー散乱の大きさは(b)ペロブスカイト系結晶構造を有する高誘電率無機粒子径の3乗に正の相関関係があるため、高誘電率無機粒子の平均粒子径が等しいものの場合でも、粒子径分布の幅が狭いものや、大きな粒子の存在量が少ないものほど、誘電体組成物の光線透過率を大きくしやすい。
なお、本発明の(b)ペロブスカイト系結晶構造を有する高誘電率無機粒子の平均粒子径の測定は、誘電体組成物の硬化薄膜の超薄切片に対するXMA測定、および透過型電子顕微鏡(TEM)観察により行うことができる。この超薄切片には、誘電体組成物の硬化薄膜を、膜厚方向に断面を切り出したものを用いる。(b)ペロブスカイト系結晶構造を有する高誘電率無機粒子と(a)樹脂では電子線に対する透過率が異なるので、TEM観察像中で(b)ペロブスカイト系結晶構造を有する高誘電率無機粒子と(a)樹脂はコントラストの違いにより識別できる。複数種の(b)ペロブスカイト系結晶構造を有する高誘電率無機粒子が使用されている場合の各高誘電率無機粒子の同定は、XMA測定に基づく元素分析および電子線回折像観察による結晶構造解析により行うことができる。TEM観察像の画像解析から、(b)ペロブスカイト系結晶構造を有する高誘電率無機粒子と(a)樹脂の面積の分布を求め、(b)ペロブスカイト系結晶構造を有する高誘電率無機粒子像の断面を円形と近似して面積から粒子径を算出できる。この粒子径の評価は倍率5000倍と40000倍のTEM画像について行えばよい。算出された粒子径の分布を倍率が5000倍のTEM画像において0.1μm刻みのヒストグラム、倍率が40000倍のTEM画像において0.01μm刻みのヒストグラムで表す。得られたヒストグラムの各カラムに対し、その中心値と度数の積を求める。次にそれらの積の和を度数の総和で除したものを平均粒子径とする。なお、粒子径分布の評価は、TEMのかわりに走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて、上記と同様の解析を行うことによってもできる。
一般に(b)ペロブスカイト系結晶構造を有する高誘電率無機粒子の粒成長や焼結などの一次粒子の形状変化が起きる温度は、(a)樹脂の硬化温度より遙かに高い場合が殆どであるので、そのような場合は、(b)ペロブスカイト系結晶構造を有する高誘電率無機粒子を(a)樹脂に分散させる前の原料段階で(b)ペロブスカイト系結晶構造を有する高誘電率無機粒子の粒子径を評価してもよい。この場合、(b)ペロブスカイト系結晶構造を有する高誘電率無機粒子を直接、前記と同様のTEMやSEMを用いて観察し、それにより得られた観察像の画像解析により求めることができる。
また、上記以外にも、(b)ペロブスカイト系結晶構造を有する高誘電率無機粒子の液体中でのブラウン運動による散乱光の揺らぎを測定する動的光散乱法、(b)ペロブスカイト系結晶構造を有する高誘電率無機粒子を電気泳動させたときの散乱光のドップラー効果を測定する電気泳動光散乱法、照射した超音波の減衰状態求める超音波減衰分光法などによって平均粒子径を測定することができる。レーザー回折式、レーザー散乱式の粒度分布測定装置としては、(株)堀場製作所製LA−920、(株)島津製作所製SALD−1100、日機装(株)製MICROTRAC−UPA150やシスメックス(株)製ゼータサイザーナノZS等がある。
本発明の誘電体組成物の(b)ペロブスカイト系結晶構造を有する高誘電率無機粒子含有量は誘電体組成物全体に対し、30重量%以上99重量%以下であることが好ましい。(b)ペロブスカイト系結晶構造を有する高誘電率無機粒子の含有量が、誘電体組成物全体に対し30重量%以上では、誘電体組成物の比誘電率を大きくしやすくなり、キャパシタの層間絶縁材料として用いた場合に、大きな静電容量のキャパシタを実現しやすくなる。(b)ペロブスカイト系結晶構造を有する高誘電率無機粒子の含有量が、誘電体組成物全体に対し99重量%以下の場合、樹脂の含有量が十分に多いために、膜の強度を高くしやすい。
本発明で用いられる(a)樹脂は、熱可塑性、熱硬化性樹脂のいずれも選択することができるが、波長400〜700nmの全域における誘電体組成物の光線透過率を50%以上とするために、(a)樹脂は光線透過率が50%以上であるものを用いることが好ましい。誘電体組成物の光線透過率を大きくしやすいため、(a)樹脂の光線透過率は大きい方が好ましい。
本発明で用いられる熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルイミド、液晶ポリマー、ポリスチレン、ポリエチレン、フッ素樹脂などを用いることができる。
また、本発明で用いられる熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シロキサン樹脂、ポリイミド、アクリル樹脂、シアネート樹脂、ベンゾシクロブテン樹脂などを用いることができる。耐熱性が高いことなどの点から、熱硬化性樹脂を用いることが好ましく、(b)ペロブスカイト系結晶構造を有する高誘電率無機粒子分散性などの点からエポキシ樹脂が好ましく使用される。
ここで、エポキシ樹脂とは、分子構造中にエポキシ基(オキシラン環)を2個以上含むプレポリマーを有する樹脂である。また、本発明のペースト組成物は硬化剤を有していてもよく、硬化剤には、例えば、一般にエポキシ樹脂に使用されている硬化剤を添加することができる。このような硬化剤としては、アミン系硬化剤、酸無水物系硬化剤、フェノール系硬化剤などが例示される。また、これらの硬化剤は相互に併用してもよい。さらに、硬化剤と共に硬化促進剤を用いることができる。硬化促進剤は、硬化剤を伴わないで単独で樹脂に添加してもよい。このような硬化促進剤としては、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテート、トリフェニルホスフィン、トリス(2,4−ペンタジオナト)コバルトなどの金属キレート化合物などが挙げられる。
波長400〜700nmの光に対する透過性が高いという点から、本発明では(a)樹脂としてアクリル樹脂も好ましく用いることができる。
(b)ペロブスカイト系結晶構造を有する高誘電率無機粒子とは、ペロブスカイト型結晶構造、あるいは複合ペロブスカイト型結晶構造を有するもののことである。これらは、例えばチタン酸バリウム系、チタン酸ジルコン酸バリウム系、チタン酸ストロンチウム系、チタン酸カルシウム系、チタン酸ビスマス系、チタン酸マグネシウム系、チタン酸バリウムネオジム系、チタン酸バリウム錫系、マグネシウムニオブ酸バリウム系、マグネシウムタンタル酸バリウム系、チタン酸鉛系、ジルコン酸鉛系、チタン酸ジルコン酸鉛系、ニオブ酸鉛系、マグネシウムニオブ酸鉛系、ニッケルニオブ酸鉛系、タングステン酸鉛系、タングステン酸カルシウム系、マグネシウムタングステン酸鉛系、二酸化チタン系、などを挙げることができる。チタン酸バリウム系とは、チタン酸バリウム結晶内の一部の元素を他の元素で置換したり、結晶構造内に他の元素を侵入させたりしたチタン酸バリウムを母材とする固溶体を含めた総称である。その他のチタン酸ジルコン酸バリウム系、チタン酸ストロンチウム系、チタン酸カルシウム系、チタン酸ビスマス系、チタン酸マグネシウム系、チタン酸バリウムネオジム系、チタン酸バリウム錫系、マグネシウムニオブ酸バリウム系、マグネシウムタンタル酸バリウム系、チタン酸鉛系、ジルコン酸鉛系、チタン酸ジルコン酸鉛系、ニオブ酸鉛系、マグネシウムニオブ酸鉛系、ニッケルニオブ酸鉛系、タングステン酸鉛系、タングステン酸カルシウム系、マグネシウムタングステン酸鉛系もいずれも同様で、それぞれを母材とする固溶体を含めた総称である。
なお、ペロブスカイト型結晶構造、あるいは複合ペロブスカイト型結晶構造を有する高誘電率無機粒子は、これらのうち1種を単独で用いたり、2種以上を混合して用いたりすることができる。大きい誘電率を有する誘電体組成物を得る場合には、商業的利便性との両立の点から、主としてチタン酸バリウムからなる化合物を用いることが好ましい。但し、誘電特性や温度安定性を向上させる目的で、シフター、デプレッサー剤などを少量添加して用いてもよい。
(b)ペロブスカイト系結晶構造を有する高誘電率無機粒子には、比誘電率が50〜30000の無機粒子を用いることが好ましい。比誘電率が50以上である高誘電率無機粒子を用いると比誘電率が十分大きい誘電体組成物が得られやすい。また、高誘電率無機粒子の比誘電率が30000以下であると、誘電体組成物の 比誘電率の温度依存性を小さくしやすくなる。ここでいう(b)ペロブスカイト系結晶構造を有する高誘電率無機粒子の比誘電率とは、(b)ペロブスカイト系結晶構造を有する高誘電率無機粒子を原料粉末として、加熱、焼成して得られる焼結体の比誘電率をさす。焼結体の比誘電率は、例えば以下の手順によって測定する。高誘電率無機粒子とポリビニルアルコールのようなバインダー樹脂、有機溶剤もしくは水を混合して、ペースト状組成物を作製したのち、ペレット成型器の中に充填して、乾燥させ、ペレット状固形物を得る。そのペレット状固形物を、例えば900〜1200℃程度で焼成することにより、バインダー樹脂を分解、除去し、(b)ペロブスカイト系結晶構造を有する高誘電率無機粒子を焼結させ、無機成分のみからなる焼結体を得ることができる。このとき、焼結体の空隙は十分小さく、理論密度と実測密度から計算した空隙率が1%以下となっていることが必要である。この焼結体ペレットに上下電極を形成し、静電容量および寸法の測定結果から、比誘電率を計算する。
(b)ペロブスカイト系結晶構造を有する高誘電率無機粒子の作製方法としては、固相反応法、水熱合成法、超臨界水熱合成法、ゾルゲル法、しゅう酸塩法、アルコキシド法などの方法が挙げられる。粒子径が小さく大きさが揃った(b)ペロブスカイト系結晶構造を有する高誘電率無機粒子の作製が容易であるという理由から、水熱合成法、超臨界水熱合成法、ゾルゲル法、のいずれかを用いることが好ましい。
(b)ペロブスカイト系結晶構造を有する高誘電率無機粒子の形状は、球状、略球状、楕円球状、針状、板状、鱗片状、棒状、立方体(サイコロ)状などが挙げられるが、特に、球形あるいは略球形であることが好ましい。球状あるいは略球状の(b)ペロブスカイト系結晶構造を有する高誘電率無機粒子は、比表面積が小さいために充填時に高誘電率無機粒子の凝集や樹脂流動性低下などを生じにくいからである。これらのうち1種を単独で用いたり、2種以上を混合して用いることができる。
本発明のペースト組成物の製造方法は特に限定されないが、以下のような方法により好ましく実施することができる。本発明で用いられる(b)ペロブスカイト系結晶構造を有する高誘電率無機粒子は平均粒子径が小さいため、粒子間の凝集を解して均一な分散を達成するためには、分散メディアに微小ビーズを用いる分散手法が有効である。(b)ペロブスカイト系結晶構造を有する高誘電率無機粒子の平均粒子径は0.002μm以上0.06μm以下であるため、分散メディアにはビーズの平均粒子径が0.02mm以上0.1mm以下のものを用いることが有効である。分散メディアのビーズの平均粒子径が0.03mm以上である場合と0.06mm以下である場合は、より有効である。ビーズの平均粒子径が0.1mm以下である場合、ビーズの間を分散液が通過する際に、高誘電率無機粒子がビーズと接触する頻度が高く、十分な分散効果が得られる。さらに高い分散効果を得るためには、ビーズの平均粒子径は0.06mm以下であることが好ましい。ビーズの平均粒子径が0.02mm以上である場合、個々のビーズの持つ運動量が十分大きく、高誘電率無機粒子の凝集を解くのに十分なせん断応力が得られる。高誘電率無機粒子の凝集体にさらに強いせん断応力を与えるためには、ビーズの平均粒子径は0.03mm以上であることが好ましい。
ビーズの平均粒子径の評価は、例えば以下のような方法で行うことができる。ビーズは光学顕微鏡を用いて観察を行うことができる。ガラスなどの透明板の上にビーズ(サンプル)を載せ、透明板の下側から光を当て透過光像を対物レンズを通して観察し、ビーズの粒子径を評価する。任意の100個のビーズの観察を行い、それぞれのビーズに対して求めた粒子径の平均値をビーズの平均粒子径とすることができる。ビーズの粒子径は、ビーズの観察像に対し各種の画像処理ソフトを用いた球形近似を行うことで求めることができる。具体的には、顕微鏡の接眼レンズ部の代わりに取り付けたCCDカメラによるデジタル画像をコンピューター上で画像処理することにより行う。このようなCCDカメラとしては(株)フローベル製のADP−240があり、このような画像処理ができるソフトとしては(株)フローベル製のFlvFsなどがある。
分散メディアであるビーズとしては、金属製、セラミック製やガラス製のものを好ましく使用できる。これらの具体的な材質としては、ステンレス、鉄、銅、クロム、ニッケル、チタニア、窒化ケイ素、炭化ケイ素、アルミナ、ジルコニア、ケイ酸ジルコニウム、チタン酸バリウム、珪酸ガラス、石英などが挙げられる。特に、硬度が高いジルコニア製ビーズが好適に使用できる。ジルコニアとしては強度が大きいことからイットリア安定化ジルコニアを用いることが好ましい。
本発明におけるビーズを用いた分散方法は特に限定されないが、用いる装置としては、ボールミル、ホモジナイザー、ピンロータービーズミルなどが挙げられ、寿工業(株)製の“ウルトラアペックスミル”(商品名)やアシザワ・ファインテック(株)製の“スターミル”(商品名)などが微小粒子の分散に特に好適なものとして挙げられる。これらの2種のビーズミルにおいては、高誘電率無機粒子の分散が行われるベッセルと呼ばれる部位が、外壁を形成する円筒形のステーターと、ステーターの中心で回転するローターによって形成される。そして、高誘電率無機粒子と有機溶剤とを混合した分散液を、ステーターとローターとの間を送液する。ローターからは放射状に複数のブレードが突出している。ベッセル内に分散メディアであるビーズを充填し、ローターを回転させることにより、ブレードによりビーズが攪拌され、それに伴い、ビーズが分散液中の高誘電率無機粒子にせん断応力を与え、高誘電率無機粒子が微小粒子に分散される。一度ベッセル内を通過した分散液を循環させ、繰り返しベッセル内へと送液することで、分散液中の高誘電率無機粒子の凝集を徐々に解し、分散を進める。
分散液に含まれる高誘電率無機粒子は1次粒子あるいは凝集体として存在するものであるが、本発明においては分散液中に存在するときの高誘電率無機粒子の大きさは、分散液中で幾つかの高誘電率無機粒子の1次粒子が凝集した状態のものを体積基準で分布にしたときのメジアン径(50%粒子径)である。分散液中での高誘電率無機粒子の平均粒子径を測定する方法としては、レーザーによる静的光散乱方式や動的光散乱方式が挙げられるが、平均粒子径20nm以下の粒子径を高精度で評価する場合は、動的光散乱方式を用いる方が好ましい。この方式による粒子径測定装置として、例えば、日機装(株)製の“ナノトラック”UPA−EX150(商品名)が挙げられる。
ビーズミルのベッセル内のビーズ充填量は、ベッセル容積の20容積%以上の場合と85容積%以下の場合が好ましい。ビーズの充填量が20容積%以上である場合、近接するビーズの間隙が狭いため分散液中の高誘電率無機粒子がビーズに接触する頻度が高く、分散が短時間で効率よく進行する。さらにこの効果を高めるために、ビーズの充填量は50容積%以上であることがより好ましい。一方、ビーズの充填量が85容積%以下である場合、近接するビーズの間に十分な間隙が存在するため、分散液がベッセル内に詰まることなくスムーズに送液することができる。また、ビーズの充填量が85容積%以下である場合、ビーズ同士、あるいはビーズとベッセルのステーターやローターとの摩擦により発生する熱量が少ないため、分散剤などの分散液を構成する材料が変質しにくい。また、遠心力によりビーズをフィルタリングする方式のビーズミルにおいて、ビーズの充填量が多くなると、フィルタリング機能が十分に働かず、ベッセルから回収した分散液中にビーズが混入する可能性が大きくなるが、ビーズの充填量が85容積%以下である場合は、ビーズの混入がないか、あるいは非常に小さくて済む。さらにこの効果を大きく奏するために、ビーズの充填量は75容積%以下であることがより好ましい。
ビーズミルのローターの回転周速は8m/s以上15m/s以下であることが好ましい。本発明における回転周速とは、ローターから突出しているブレードの先端が回転するときの速度である。回転周速が8m/s以上である場合、高誘電率無機粒子を平均粒子径0.02μm以下に分散するのに十分なせん断応力が得られる。また、回転周速が8m/s以上である場合、ビーズを遠心力によりフィルタリングする方式のビーズミルにおいて、回収した分散液中にビーズが混入しない。一方、回転周速が15m/s以下である場合、ビーズ同士、あるいはビーズとベッセルのステーターやローターとの摩擦による発熱量は少ないため、分散液が変質しにくい。
分散処理時の分散液の温度は10℃以上40℃以下であることが好ましい。ここで、分散処理時の分散液の温度は、ベッセルから送出された直後の分散液の温度とする。分散液温が40℃以下である場合、分散液中の有機溶剤の揮発量は少なく、分散液中の高誘電率無機粒子や分散剤などの組成の濃度変化は少ない。液温が40℃よりも高いと、分散液組成の濃度変化が生じ、分散液の分散性が悪くなる場合がある。例えば、分散液の分散性はpHにより影響を受けることがあるが、分散液のpH値は分散液組成の濃度変化により変化する。したがって分散液の温度制御は分散液のpH値、また分散液中の高誘電率無機粒子の分散性を制御する重要な条件の1つである。また、分散液中に温度により化学反応する材料や、温度により変質する材料を含有する場合は、温度変化により分散液が有する特性が変化するため、分散時の温度制御を行うことが好ましい。さらにこの効果を高めるために、分散液の温度は35℃以下であることが好ましい。一方、分散処理時の分散液の温度が10℃よりも低い場合、ベッセルから送出した分散液を回収する容器内に結露が生じ、分散液中に水分が混入し、分散液の特性を劣化させる可能性があるため、分散処理時の分散液の温度は10℃以上であることが好ましい。また、分散液の温度が10℃以上であると、分散液の粘度が低くなるため、ビーズの運動エネルギーの減損が避けられ、分散効率が高くなる。さらにこの効果を高めるためには、分散液の温度は20℃以上であることがより好ましい。
分散処理時の分散液の粘度は、1mP・s以上100mP・s以下であることが好ましい。ここで、分散処理時の分散液の粘度は、ベッセルから送出された分散液をサンプリングし、サンプリングから5分後に測定した際の粘度とする。測定温度は25℃とする。粘度測定は、例えば、東機産業(株)製の粘度計RE−115Lを用いて行うことができる。ビーズミルのベッセル内のビーズは回転するローターのブレードから運動エネルギーを獲得し、分散液中の高誘電率無機粒子と接触することにより、せん断応力を発生する。しかし、分散液の粘度が高い場合は、ビーズが高誘電率無機粒子へ接触する前に、溶剤中で運動エネルギーが大きく減損し、高誘電率無機粒子に十分なせん断応力を与えることができない場合がある。分散処理時の分散液の粘度が100mP・s以下である場合は、上記問題を回避することができる。さらにこの効果を高めるために、分散処理時の分散液の粘度は、20mP・s以下であることがより好ましい。一方、分散液の粘度が1mP・s以上であれば、製造した分散液と樹脂とを混ぜて作製するペースト組成物の粘度が低くならず、ペースト組成物を基板上に塗布し膜状の樹脂組成物を製造する場合、連続膜を形成しやすくなる。
本発明における無機粒子の分散液の製造方法についての例を以下に記す。
(b)ペロブスカイト系結晶構造を有する高誘電率無機粒子、分散剤、(c)有機溶剤を所定の分量で混合し、攪拌する。混合直後は、高誘電率無機粒子の表面を空気の層が覆っているため、高誘電率無機粒子と有機溶剤との濡れが十分でなく、粘度が増加する場合がある。この場合は、高誘電率無機粒子と有機溶剤が完全に濡れるまで、回転羽根などで時間をかけて攪拌するのが好ましい。
高誘電率無機粒子、分散剤、有機溶剤を混合、攪拌した後、ビーズミルにて高誘電率無機粒子の分散処理を行う。まず、ビーズミルのベッセル内に所定粒子径のビーズを所定量投入し、ローターを回転させながら、分散液に用いるものと同じ有機溶剤をベッセル内へ送液/循環させビーズ洗浄を行う。洗浄時に有機溶剤の汚れが目立つ場合は、新しい有機溶剤と入れ替え、有機溶剤の汚れが目立たなくなるまで洗浄を続ける。ビーズ洗浄後、循環させた有機溶剤を回収し、次いで、上記高誘電率無機粒子、分散剤、有機溶剤の混合液をベッセル内へ送液/循環させ分散処理を行う。初めにベッセル内から送出される分散液は、ベッセル内に残留した有機溶剤により濃度が薄くなっているため、ベッセルの大きさに応じて、ベッセル内から送出される分散液の濃度が一定になるまで初流を除去する。分散処理は一度に小さいビーズで実施してもよく、段階的にビーズの大きさを変えて行ってもよく、特に限定されない。例えば、粒子径が0.5mmのビーズで高誘電率無機粒子の平均粒子径が100nm程度になるまで分散を行ってから、次に、より微小なビーズでの分散を施してもよい。ここで、平均粒子径が0.1μm程度になるまでの分散処理を粗分散とよび、その後の0.06μm以下の微小粒子径への分散処理を本分散とよぶ。粗分散をホモジナイザーで行い、本分散をビーズミルで行うなど、粗分散と本分散を異なる装置にて行うこともできる。ビーズミルにおいては、サンプルをミル本体へチューブを通して送液する方式のものが多く、粗分散をビーズミルで行うと、粒子径の大きな粒子が送液チューブ中で目詰まりする場合がある。粗分散をホモジナイザーなど別の装置で行うと、これを避けることができる。
粗分散をホモジナイザーで行う場合は、例えば、回転刃の先端の周速を1〜10m/sにして、1時間程度処理する。ホモジナイザー処理中は熱が発生するため、氷浴中で処理することが好ましい。用いることができるホモジナイザーとしては、“エクセルオート”(商品名)((株)日本精機製作所製)などが挙げられる。
分散処理時の分散液の粘度は高誘電率無機粒子の分散性や分散処理の効率に影響するので、分散処理の経過に伴う分散液の粘度変化を把握することが好ましい。例えば、一定時間ごとに分散液をサンプリングし、粘度測定をすることにより、粘度の経時変化を把握することができる。分散処理時に分散液の粘度が上昇した場合は、循環させている分散液中に有機溶剤や分散剤、pH調整剤などを適量加えて、粘度を低下させることもできる。
分散処理時の分散液の温度は、ベッセル外部を冷却する冷却水の温度や流量、分散液の循環速度により制御できる。分散液の温度上昇は、分散処理時の分散液の粘度が高い場合に発生しやすい。分散液の温度上昇が大きすぎる場合には、分散液の変質が起きることがある。
分散液の固形分濃度は10重量%以上が好ましく、より好ましくは20重量%以上である。また、分散液の固形分濃度は60重量%以下であることが好ましく、より好ましくは40重量%以下である。本発明の分散液の固形分濃度とは、分散液全量に対して分散液中に含まれる有機溶剤以外の成分の割合である。分散液の固形分濃度が10重量%以上であると、粘度の低い分散液を作製することが可能となり、分散処理時もビーズとの摩擦などにより発生する熱量が少ないため、分散液を構成する材料が変質しにくくなる。分散液の固形分濃度が20重量%以上であると、分散液と樹脂液を混合したペースト組成物を用いて誘電体組成物の膜を形成した時に1μm以上の厚膜を形成しやくなる。また、分散液の固形分濃度が60重量%以下であると、遠心分離によるフィルタリング方式のビーズミルを用いた場合に、ビーズが分離されやすい。さらに、分散液の固形分濃度が40重量%以下であると、分散液の粘度が低く、分散液中の高誘電率無機粒子とビーズが頻度よく接触するため、高誘電率無機粒子の凝集体を解きやすくなる。また、平均粒子径0.1μm以下の高誘電率無機粒子を用いた場合においても、分散液中の高誘電率無機粒子を効率良く分散することができ、粒度分布が1次粒子径付近まで分散しやすく、本分散液を用いて誘電体組成物の膜を形成した時に透過率の高い膜を得やすい。
ビーズミルのローターの回転周速は一定でもよく、分散処理時に段階的に変更してもよい。ローターの回転周速は分散処理時の分散液の温度に影響を与える場合があるので、分散処理時に回転周速を変更する場合は、分散液の温度上昇が大きくなりすぎないようにするのが好ましい。また、ビーズを遠心分離によりフィルタリングする方式のビーズミルの場合は、ローターを回転する前に送液ポンプを作動し、分散液の循環を開始すると、ベッセル内から送出する分散液中にビーズが混入することがあるので、ローターを回転した後に送液ポンプを作動するようにする。
分散処理時間は高誘電率無機粒子や有機溶剤、分散剤などの分散液を構成する材料の種類や組成比により適宜設定する。例えば、一定時間ごとに分散液をサンプリングし、分散液中での高誘電率無機粒子の平均粒子径を測定することは、分散状態の経時変化を把握でき、分散処理の終了時点を判断することができるので好ましい。分散性が良好な組成の場合は、30分程度の分散処理時間で十分であるが、組成によっては、分散処理を24時間以上行ってもよい。分散処理時間が長い場合は、有機溶剤などの分散液を構成する材料が揮発することにより、分散液の組成比が変化し、分散性が変化する場合があるので、そのような場合は、適宜必要な成分を添加し、組成を調整する。
次に、上記の高誘電率無機粒子分散液の製造方法によって得られた分散液と、樹脂、もしくは樹脂と有機溶剤を有する樹脂溶液とを含有するペースト組成物の製造方法について説明する。
分散液と樹脂、もしくは樹脂と有機溶剤を有する樹脂溶液の混合は、樹脂、もしくは樹脂と有機溶剤を有する樹脂溶液中に分散液を所定量となるまで注入してもよいし、分散液中に樹脂、もしくは樹脂と有機溶剤を有する樹脂溶液を所定量となるまで注入してもよい。この際の樹脂の態様は、液状樹脂であっても、固形樹脂を溶剤に溶かした樹脂溶液であってもよい。また、この際の樹脂と有機溶剤を有する樹脂溶液の態様は、液状樹脂もしくは固形樹脂を溶剤に溶かした樹脂を有機溶剤で希釈した樹脂溶液であってもよい。
ペースト組成物の製造方法としては、上記の方法のように別々に作製した分散液と樹脂、もしくは樹脂と有機溶剤を有する樹脂溶液を混合する方法だけでなく、高誘電率無機粒子を液状樹脂もしくは樹脂溶液に直接分散する方法も用いることができる。高誘電率無機粒子を液状樹脂もしくは樹脂溶液に直接分散する場合においても、ビーズミルを好ましく用いることができる。
所定量の高誘電率無機粒子を有する分散液と樹脂材料を混合して得られたペースト組成物を、さらに均質になるようにするために、ボールミルやロールミルを用いることができる。また、混合処理によりペースト組成物中に気泡が混入した場合は、静置する、あるいは攪拌脱泡機を用いるなどして、気泡を除去すると、ペースト組成物を用いて製造する樹脂組成物中への気泡の混入を抑制することができる。
本発明の誘電体組成物を得る方法として、例えば、上記のように、まず、高誘電率無機粒子を液状樹脂もしくは樹脂溶液に分散させたペースト組成物を作製し、そのペースト組成物を被着体(例えば基板)などに塗布し、脱有機溶剤、固化を行うことにより、誘電体組成物を得る方法が挙げられる。このとき、固化の方法として、熱、光などによる固化が挙げられる。但し、加熱によって固化を行う場合は、本発明の誘電体組成物は焼結体ではないので、樹脂を分解したり、除去したりすることなく、ペースト組成物と同時に加熱行う被着体や電子部品などの耐熱温度範囲内、例えば、500℃以下の温度で加熱することが好ましい。より好ましくは250℃以下の温度で加熱することが好ましい。また、塗布する被着体は、ガラス基板やガラスエポキシ基板などのリジッドな基板に限定されず、樹脂フィルムや銅などの金属箔などのフレキシブル基板でもよい。
本発明の誘電体組成物の空隙率は、30体積%以下であることが好ましい。より好ましくは20体積%以下であり、さらにより好ましくは10体積%以下である。空隙率が30体積%以下であると、空隙によるレーリー散乱などを小さくすることができ透過率を大きくしやすい。空隙率が20体積%以下となると絶縁抵抗を大きくしやすい。空隙率が10体積%以下であるとリーク電流を小さくしやすい。
ここで、空隙率を30体積%以下にする方法としては、例えば、樹脂、高誘電率無機粒子、有機溶剤を上記した中から適宜選択することで達成可能である。具体的には、例えばペースト組成物が、沸点160℃以上の有機溶剤を少なくとも1種含むものとすることで達成することができる。
誘電体組成物の空隙率の測定方法は、ガス吸着法、水銀圧入法、陽電子消滅法、小角X線散乱法など、用途に合わせて適宜選択することができる。
本発明のペースト組成物から得られる誘電体組成物の形態は特に限定されず、膜状、棒状、球状など、用途に合わせて選択することができるが、特に膜状であることが好ましい。ここでいう膜とは、フィルム、シート、板、ペレットなども含まれる。もちろん、導通のためのビアホール形成、インピーダンスや静電容量あるいは内部応力の調整、または、放熱機能付与など、用途にあわせたパターン形成を行うこともできる。
本発明で用いる透明電極は、波長400〜700nmの全域における光線透過率が50%以上100%以下であればよく、材質は特に限定されないが、光透過性が高いことからインジウム−錫酸化物(ITO)、インジウム−亜鉛酸化物、酸化錫、酸化インジウムや酸化亜鉛これらにその他元素のドープしたものなどを用いることができる。透明電極の光線透過率が50%未満であると、ディスプレイなどに用いるキャパシタとしては透明性が不十分となり、情報表示特性が不十分で良くない。
本発明の誘電体組成物から得られる層間絶縁膜と、波長400〜700nmの全域における光線透過率が50%以上100%以下である透明電極を有するキャパシタは、波長400〜700nmで高い光線透過率を有するため、透明キャパシタとしてそれを通した光線による情報表示を行うことができる。
本発明のキャパシタは、少なくとも層間絶縁膜と透明電極を有しており、層間絶縁膜は電極間に存在するものであるが、本発明では、2つの電極のうち少なくとも1つが透明であれば良く、もう1つは金属などの不透明な電極であってもよい。
本発明の誘電体組成物を膜状にしたときの膜厚は、誘電体組成物を層間絶縁膜としたキャパシタの静電容量や光線透過率が所望の値を満たす範囲内で任意に設定することができるが、0.05μm以上である場合と、20μm以下である場合が好ましく、さらに好ましくは、0.1μm以上である場合と、5μm以下である場合である。キャパシタとして大きな静電容量を確保するには膜厚が薄い方が好ましいが、0.05μmより厚い場合にはピンホールなどが発生しにくく、電気的絶縁を得やすくなる。また、0.1μm以上では、耐久性加速試験であるPCT(プレッシャークッカーテスト)後に誘電正接が増大しにくい。また、膜厚が20μm以下であると、キャパシタとして十分大きな静電容量を得やすい。膜厚が5μm以下であると、十分高い光線透過率を得やすい。
誘電体組成物を層間絶縁膜としたキャパシタの静電容量の温度変化、面内ばらつきは、小さい方が回路設計上好ましい。温度変化についても、できるだけ小さい方が好ましく、例えば、X7R特性(−55〜125℃において静電容量の温度変化率が±15%以内)を満たすことが好ましい。静電容量の面内ばらつきは、平均値に対して5%以下(静電容量の平均値−5%≦静電容量≦静電容量の平均値+5%)であることが好ましい。
本発明の誘電体組成物は、電極で挟まれたキャパシタ用の層間絶縁材料以外にも用いることができる。例えば、エレクトロウェッティングタイプの電子ペーパーの電解液に接する材料として用いることができる。この場合は、本発明の誘電体組成物膜は、電解液に接する面と反対の面が電極に接するように形成される。透明な高誘電率層を電解液に接する面に形成することで、電圧印加による電解液の濡れ性変化が大きくなり、電解液の移動速度が大きくなり、表示速度が大きいエレクトロウェッティングタイプの電子ペーパーを実現することができる。
エレクトロウェッティングタイプの電子ペーパーに用いられる場合のように、本発明の誘電体組成物が電解液などの液状物質に接して用いられる用途においては、誘電体組成物へこのような液状物質が染み込むようなことが起きないようにすることが好ましい。染み込みを抑制するためには、(a)樹脂として吸湿、吸水の影響が少ないものを用いることが好ましい。低吸水性のエポキシ樹脂としては、キシリレンノボラック型、ビフェニルノボラック型、ジシクロペンタジエン型、ジシクロペンタジエンフェノールノボラック型、ジフェニルメタン型、ナフトールアラルキル型、ナフトールノボラック型、4官能ナフタレン型、ナフタレン骨格、ビフェニル骨格を有するエポキシ樹脂等がある。低吸水性の硬化剤としては、例えば、フェノール系のノボラック樹脂等がある。
本発明のペースト組成物には、必要に応じて、安定化剤、沈降分散剤、可塑剤、酸化防止剤、架橋剤、架橋促進剤、溶解抑制剤、溶解調整剤、界面活性剤、表面改質剤、消泡剤などの添加剤の添加を行っても良い。また、上記のような誘電体組成物への液状物質の染み込みを抑制する場合には、ペースト組成物中に可塑剤、架橋剤、界面活性剤、表面改質剤、消泡剤などの添加剤を含有することが好ましい。より好ましい添加剤の例としては、フッ素系の界面活性剤、フッ素系の表面改質剤が挙げられる。フッ素系の界面活性剤としては、大日本インキ化学工業(株)製の“メガファック”(商品名)F−493、F−494、F−470、F−475、F−477、F−478、F−482、F−487、F−172D、“ディフェンサ”(商品名)MCF−350SF、住友スリーエム(株)製の“ノベック”(商品名)FC−4430などが挙げられる。
また、誘電体組成物への液状物質の染み込みを抑制する方法として、ペースト組成物中に上記の添加剤を含有することの他に、誘電体組成物の膜表面上に、フッ素系の表面活性剤、フッ素系の表面改質剤、フッ素系のコーティング剤などを1μm厚以下の極薄で塗布し、誘電体組成物の膜表面上に透明被膜を形成しても良い。透明被膜の膜厚は、好ましくは0.5μm以下、より好ましくは0.2μm以下である。透明被膜の比誘電率は、誘電体組成物の比誘電率と比べて低いため、キャパシタとして大きな静電容量を確保するには、透明被膜の膜厚は薄い方が好ましい。透明被膜の膜厚が0.2μm以下であると、キャパシタとして十分大きな静電容量を得やすい。透明被膜の膜厚が0.5μm以下では十分高い光線透過率を得やすい。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。光線透過率、誘電特性、膜厚、高誘電率無機粒子の平均粒子径、分散液の粒度分布、リーク電流、電圧保持率の評価は下記の方法に従って測定した。
(1)光線透過率
顕微分光装置 MCPD−2000(大塚電子(株)製)を用いて、(A)ガラス基板の波長400〜700nmの光線透過率、(B)ガラス基板上に誘電体組成物を形成したサンプルの波長400〜700nmの光線透過率を測定した。本発明の誘電体組成物の光線透過率は(B)の光線透過率から(A)の光線透過率を差し引いた差スペクトルとした。ガラス基板には、ソーダライムガラスを用いた。本発明の誘電体組成物の透過光スペクトルにおいて、本発明の実施例における光線透過率は波長400nmの値を代表値として用いた。光線透過率が波長400nm以外で最小値を示すものについては、波長400〜700nmで最も小さい値を示した光線透過率と、その値が得られた波長を記載した。
(2)誘電特性
誘電体組成物の静電容量は、インピーダンスアナライザ4294Aおよびサンプルホルダー16451B(共にアジレントテクノロジー(株)製)を用いて測定した。
実施例1〜39および比較例1〜については、以下のようにして静電容量測定サンプルを作製し、周波数1kHおよび1MHzにおける比誘電率を求めた。面積6cm×6cm、厚さ0.3mmのアルミニウム基板上の全面に誘電体組成物の塗膜を形成した。この塗膜はスピンコートしたペースト組成物を適宜加熱し、有機溶剤蒸発、樹脂硬化させることにより形成した。続いてこの塗膜上に蒸着法によりアルミニウム電極を形成した。アルミニウム電極は、直径10mmの円形パターンの測定用電極と内径11.5mmのリング状パターンのガード電極である。誘電体組成物の膜厚は10μm〜20μmの範囲とした。測定用電極とアルミニウム基板に挟まれた部分が測定対象領域となる。比誘電率は静電容量と測定対象領域の寸法から算出した。
実施例4063および比較例13については、以下のようにして静電容量測定サンプルを作製し、周波数1kHにおける比誘電率を求めた。透明電極付きガラス基板上に誘電体組成物の塗膜を形成した。この塗膜はスピンコートしたペースト組成物を適宜加熱し、有機溶剤蒸発、樹脂硬化させることにより形成した。続いてこの塗膜上に蒸着法によりアルミニウム電極を形成した。ガラス基板は面積6cm×6cm、厚さ0.7mm、透明電極はITO(Indium Tin Oxide)電極を用いた。ITO電極は、膜厚150±10nm、抵抗値8〜20Ω/□、透過率≧85%(測定波長550nm)を用いた。ITO電極の抵抗値は四端子テスターで測定した。アルミニウム電極は、直径10mmの円形パターンの測定用電極と内径11.5mmのリング状パターンのガード電極である。誘電体組成物の膜厚は実施例63以外は1μm、実施例63は1.1μmとした。測定用電極とITO電極に挟まれた部分が測定対象領域となる。
(3)膜厚
塗膜の膜厚は、塗膜と基板の段差をサーフコム1400(東京精密(株)製)を用いて触針法により測定することで求めた。
(4)高誘電率無機粒子の平均粒子径
高誘電率無機粒子の平均粒子径は以下の方法で求めた。高誘電率無機粒子を有機溶剤に分散し、凝集をほぐした状態にしたものをTEM観察用メッシュ上に滴下し、有機溶剤を蒸発させた後、透過型電子顕微鏡(TEM)観察を行った。透過型電子顕微鏡(TEM)観察は倍率100000倍および200000倍において行った。得られた高誘電率無機粒子の透過型電子顕微鏡観察写真を画像解析ソフト(Scion Corporation社製、 Scion Image)を用いて解析し、各高誘電率無機粒子の像の面積を求めた。このようにして得られた各無機フィラー像を円形と近似し、面積から粒子径を算出した。粒子径の算出は、100個以上の粒子が撮影されている透過型電子顕微鏡写真を用いて写真内の全ての高誘電率無機粒子に対して行い、その平均値を平均粒子径とした。
(5)高誘電率無機粒子の分散液中の粒度分布
分散液の粒度分布は、粒度分布測定装置マイクロトラックUPA150(日機装(株)製)を用いて測定した。粒度分布は、50%径、90%径の値を用いた。50%径とは、粉体の集合の全体積を100%として累積カーブを求めたときに、その累積カーブが50%となる点の粒子径の累積中位点(Median径)である。90%径とは、その累積カーブが90%となる点の粒子径である。
(6)リーク電流
誘電体組成物のリーク電流は以下のようにして測定した。透明電極付きガラス基板上に誘電体組成物を形成した。ガラス基板は面積6cm×6cm、厚さ0.7mm、透明電極はITO(Indium Tin Oxide)電極を用いた。ITO電極は、膜厚150±10nm、抵抗値8〜20Ω/□、透過率≧85%(測定波長550nm)を用いた。ITO電極の抵抗値は四端子テスターで測定した。ITO透明電極付きガラス基板上に誘電体組成物の塗膜を形成した。この塗膜上に蒸着法によりアルミニウム電極を形成した。アルミニウム電極は、厚さ300nmの直径2.5mmの円形パターンの電極である。透明電極とアルミニウム電極に挟まれた部分が測定対象となる。透明電極とアルミニウム電極の間に2Vの電圧を印加し、電圧印加20秒後に電流を測定した。この測定にはケースレーインスツルメンツ(株)製、エレクトロメータ/高抵抗システム6517A型を用いた。
(7)電圧保持率
上記(6)と同じようにして、透明電極付きガラス基板上に誘電体組成物の塗膜を形成した。透明電極付きガラス基板は上記(6)と同じものを用いた。
誘電体組成物の塗膜上に濃度1mMの塩化カリウム水溶液を滴下し、塩化カリウム水溶液を介して、上部電極を配置し、上部電極/塩化カリウム水溶液/誘電体組成物/ITO透明電極のサンドイッチ構造を形成した。塩化カリウム水溶液の液滴はサンドイッチ構造を形成した際に面積3mm、厚み0.7mmとなるように調整した。測定対象領域は、塩化カリウム水溶液と接した面積3mm部分の上下電極に挟まれた部分となる。上部電極とITO透明電極間に電位差5V、幅60μsの矩形電圧パルスを加えた。電圧保持率(VHR)は、式(1)から計算した。Vは矩形電圧パルス印加時の上部電極とITO透明電極間の電位差、Vはパルス立ち下がり後16.6ms経過時の電極間電位差を表す。図1に各電位差と印加矩形電圧パルスの関係を示す。電圧保持率の測定は濃度1mMの塩化カリウム水溶液を滴下し、30秒後に行った。3回の測定値の平均値を、その誘電体組成物の電圧保持率(VHR)とした。
VHR=V/V (1) 。
実施例1
チタン酸バリウム(Cabot,Inc.社製、K−Plus16:平均粒子径0.06μm)429重量部、γ−ブチロラクトン1050重量部、分散剤(リン酸エステル骨格を有する酸基を持つコポリマー、ビックケミー・ジャパン(株)製、BYK−W9010)21.4重量部をウルトラアペックスミル(寿工業(株)製)を用いて混練し、分散液A−1を得た。エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製、“エピコート”(商品名)YX8000)6.8重量部、硬化剤(新日本理化(株)製、“リカシッド”(商品名)MH700)4.7重量部、硬化促進剤(N,N−ジメチルベンジルアミン)0.2重量部、γ−ブチロラクトン1.2重量部を混合し、エポキシ樹脂溶液B−1を得た。エピコートYX8000はエポキシ当量205g/eqの液状エポキシ樹脂である。分散液A−1を150重量部と、エポキシ樹脂溶液B−1を3重量部とをボールミルを用いて混合し、ペースト組成物全量に対する含有有機溶剤量が69重量%であるペースト組成物C−1を作製した。C−1を硬化させて得られる誘電体組成物中の高誘電率無機粒子の含有量は誘電体組成物全量に対し、90重量%となる。
ペースト組成物C−1をガラス基板上にスピンコーターを用いて塗布し、オーブンを用いて80℃で15分間の熱処理を行い乾燥させた後、175℃で4時間の熱処理を行い硬化させ、膜厚1.4μmの誘電体組成物(硬化膜)を得た。膜厚調整はスピンコート時のスピン速度調整により行った。この誘電体組成物の光線透過率(波長400nm)は50%であった。
この試料の空隙率を測定したところ、3%であった。空隙率の測定は以下の方法で行った。シリコンウェハ上の全面に誘電体組成物の塗膜を形成した。この塗膜はスピンコートしたペースト組成物を適宜加熱し、有機溶剤蒸発、樹脂硬化させることにより形成した。これを約2cm×2.5cmの大きさにカットしたものを5枚作製した。次に、より正確な大きさをノギスを用いて採寸し、膜面積をもとめた。この膜面積と上記(3)の膜厚の測定方法で求めた膜厚から膜の嵩体積Aを求めた。次にマイクロメリテックス社製のポアサイザー9320を用いて水銀圧入法(測定圧力範囲:100kPa〜207MPa、セル容積15cm)により、細孔容積Bを求めた。空隙率C(%)は、C=100×B/Aから求めた。
ペースト組成物C−1を厚さ300μmのアルミ基板上にスピンコーターを用いて塗布し、オーブンを用いて、80℃で15分間の熱処理を行い乾燥させた後、175℃で4時間の熱処理を行い硬化させ、誘電体組成物(硬化膜)を得た。この誘電体組成物上にアルミ電極を形成し、誘電特性評価サンプルとした。1MHzにおける比誘電率は38であった。
実施例2
ペースト組成物C−1をガラス基板上にスピンコーターを用いて塗布し、オーブンを用いて80℃で15分間の熱処理を行い乾燥させた後、175℃で4時間の熱処理を行い硬化させ、膜厚0.8μmの誘電体組成物(硬化膜)を得た。膜厚調整はスピンコート時のスピン速度調整により行った。この誘電体組成物の光線透過率(波長400nm)は65%であった。
実施例3
ペースト組成物C−1をガラス基板上にスピンコーターを用いて塗布し、オーブンを用いて80℃で15分間の熱処理を行い乾燥させた後、175℃で4時間の熱処理を行い硬化させ、膜厚0.4μmの誘電体組成物(硬化膜)を得た。膜厚調整はスピンコート時のスピン速度調整により行った。この誘電体組成物の光線透過率(波長400nm)は85%であった。
実施例4
ペースト組成物C−1をガラス基板上にスピンコーターを用いて塗布し、オーブンを用いて80℃で15分間の熱処理を行い乾燥させた後、175℃で4時間の熱処理を行い硬化させ、膜厚0.1μmの誘電体組成物(硬化膜)を得た。膜厚調整はスピンコート時のスピン速度調整により行った。この誘電体組成物の光線透過率(波長400nm)は93%であった。
実施例5
分散液A−1を150重量部と、エポキシ樹脂溶液B−1を5重量部とをボールミルを用いて混合し、ペースト組成物全量に対する含有有機溶剤量が68重量%であるペースト組成物C−2を作製した。C−2を硬化させて得られる誘電体組成物中の高誘電率無機粒子の含有量は誘電体組成物全量に対し、87重量%となる。このペースト組成物C−2をガラス基板上にスピンコーターを用いて塗布し、オーブンを用いて80℃で15分間の熱処理を行い乾燥させた後、175℃で4時間の熱処理を行い硬化させ、膜厚1.4μmの誘電体組成物(硬化膜)を得た。膜厚調整はスピンコート時のスピン速度調整により行った。この誘電体組成物の光線透過率(波長400nm)は55%であった。実施例1と同様にして、ペースト組成物C−2から誘電体組成物を作製し、誘電特性の評価を行ったところ、1MHzにおける比誘電率は36であった。
実施例6
分散液A−1を150重量部と、エポキシ樹脂溶液B−1を12重量部とをボールミルを用いて混合し、ペースト組成物全量に対する含有有機溶剤量が65重量%であるペースト組成物C−3を作製した。C−3を硬化させて得られる誘電体組成物中の高誘電率無機粒子の含有量は誘電体組成物全量に対し、77重量%となる。このペースト組成物C−3をガラス基板上にスピンコーターを用いて塗布し、オーブンを用いて80℃で15分間の熱処理を行い乾燥させた後、175℃で4時間の熱処理を行い硬化させ、膜厚1.4μmの誘電体組成物(硬化膜)を得た。膜厚調整はスピンコート時のスピン速度調整により行った。この誘電体組成物の光線透過率(波長400nm)は70%であった。実施例1と同様にして、ペースト組成物C−3から誘電体組成物を作製し、誘電特性の評価を行ったところ、1MHzにおける比誘電率は18であった。
実施例7
分散液A−1を150重量部と、エポキシ樹脂溶液B−1を20重量部とをボールミルを用いて混合し、ペースト組成物全量に対する含有有機溶剤量が63重量%であるペースト組成物C−4を作製した。C−4を硬化させて得られる誘電体組成物中の高誘電率無機粒子の含有量は誘電体組成物全量に対し、68重量%となる。このペースト組成物C−4をガラス基板上にスピンコーターを用いて塗布し、オーブンを用いて80℃で15分間の熱処理を行い乾燥させた後、175℃で4時間の熱処理を行い硬化させ、膜厚1.4μmの誘電体組成物(硬化膜)を得た。膜厚調整はスピンコート時のスピン速度調整により行った。この誘電体組成物の光線透過率(波長400nm)は80%であった。実施例1と同様にして、ペースト組成物C−4から誘電体組成物を作製し、誘電特性の評価を行ったところ、1MHzにおける比誘電率は12であった。
実施例8
水熱合成法を用いて作製した平均粒子径0.03μmのチタン酸バリウムT−1を429重量部、γ−ブチロラクトン1050重量部、分散剤(リン酸エステル骨格を有する酸基を持つコポリマー、ビックケミー・ジャパン(株)製、BYK−W9010)21.4重量部をウルトラアペックスミル(寿工業(株)製)を用いて混練し、分散液A−2を得た。分散液A−2を150重量部と、エポキシ樹脂溶液B−1を3重量部とをボールミルを用いて混合し、ペースト組成物全量に対する含有有機溶剤量が69重量%であるペースト組成物C−5を作製した。C−5を硬化させて得られる誘電体組成物中の高誘電率無機粒子の含有量は誘電体組成物全量に対し、90重量%となる。このペースト組成物C−5をガラス基板上にスピンコーターを用いて塗布し、オーブンを用いて80℃で15分間の熱処理を行い乾燥させた後、175℃で4時間の熱処理を行い硬化させ、膜厚1.4μmの誘電体組成物(硬化膜)を得た。膜厚調整はスピンコート時のスピン速度調整により行った。この誘電体組成物の光線透過率(波長400nm)は75%であった。実施例1と同様にして、ペースト組成物C−5から誘電体組成物を作製し、誘電特性の評価を行ったところ、1MHzにおける比誘電率は35であった。
実施例9
ペースト組成物C−5をガラス基板上にスピンコーターを用いて塗布し、オーブンを用いて80℃で15分間の熱処理を行い乾燥させた後、175℃で4時間の熱処理を行い硬化させ、膜厚0.8μmの誘電体組成物(硬化膜)を得た。膜厚調整はスピンコート時のスピン速度調整により行った。この誘電体組成物の光線透過率(波長400nm)は80%であった。
実施例10
ペースト組成物C−5をガラス基板上にスピンコーターを用いて塗布し、オーブンを用いて80℃で15分間の熱処理を行い乾燥させた後、175℃で4時間の熱処理を行い硬化させ、膜厚0.4μmの誘電体組成物(硬化膜)を得た。膜厚調整はスピンコート時のスピン速度調整により行った。この誘電体組成物の光線透過率(波長400nm)は92%であった。
実施例11
ペースト組成物C−5をガラス基板上にスピンコーターを用いて塗布し、オーブンを用いて80℃で15分間の熱処理を行い乾燥させた後、175℃で4時間の熱処理を行い硬化させ、膜厚0.1μmの誘電体組成物(硬化膜)を得た。膜厚調整はスピンコート時のスピン速度調整により行った。この誘電体組成物の光線透過率(波長400nm)は96%であった。
実施例12
分散液A−2を150重量部と、エポキシ樹脂溶液B−1を5重量部とをボールミルを用いて混合し、ペースト組成物全量に対する含有有機溶剤量が68重量%であるペースト組成物C−6を作製した。C−6を硬化させて得られる誘電体組成物中の高誘電率無機粒子の含有量は誘電体組成物全量に対し、87重量%となる。このペースト組成物C−6をガラス基板上にスピンコーターを用いて塗布し、オーブンを用いて80℃で15分間の熱処理を行い乾燥させた後、175℃で4時間の熱処理を行い硬化させ、膜厚1.4μmの誘電体組成物(硬化膜)を得た。膜厚調整はスピンコート時のスピン速度調整により行った。この誘電体組成物の光線透過率(波長400nm)は78%であった。実施例1と同様にして、ペースト組成物C−6から誘電体組成物を作製し、誘電特性の評価を行ったところ、1MHzにおける比誘電率は32であった。
実施例13
分散液A−2を150重量部と、エポキシ樹脂溶液B−1を12重量部とをボールミルを用いて混合し、ペースト組成物全量に対する含有有機溶剤量が65重量%であるペースト組成物C−7を作製した。C−7を硬化させて得られる誘電体組成物中の高誘電率無機粒子の含有量は誘電体組成物全量に対し、77重量%となる。このペースト組成物C−7をガラス基板上にスピンコーターを用いて塗布し、オーブンを用いて80℃で15分間の熱処理を行い乾燥させた後、175℃で4時間の熱処理を行い硬化させ、膜厚1.4μmの誘電体組成物(硬化膜)を得た。膜厚調整はスピンコート時のスピン速度調整により行った。この誘電体組成物の光線透過率(波長400nm)は83%であった。実施例1と同様にして、ペースト組成物C−7から誘電体組成物を作製し、誘電特性の評価を行ったところ、1MHzにおける比誘電率は17であった。
実施例14
分散液A−2を150重量部と、エポキシ樹脂溶液B−1を20重量部とをボールミルを用いて混合し、ペースト組成物全量に対する含有有機溶剤量が63重量%であるペースト組成物C−8を作製した。C−8を硬化させて得られる誘電体組成物中の高誘電率無機粒子の含有量は誘電体組成物全量に対し、68重量%となる。このペースト組成物C−8をガラス基板上にスピンコーターを用いて塗布し、オーブンを用いて80℃で15分間の熱処理を行い乾燥させた後、175℃で4時間の熱処理を行い硬化させ、膜厚1.4μmの誘電体組成物(硬化膜)を得た。膜厚調整はスピンコート時のスピン速度調整により行った。この誘電体組成物の光線透過率(波長400nm)は88%であった。実施例1と同様にして、ペースト組成物C−8から誘電体組成物を作製し、誘電特性の評価を行ったところ、1MHzにおける比誘電率は12であった。
実施例15
チタン酸バリウム(Buhler PARTEC GmbH社製、Barium titanate:平均粒子径0.022μm(メーカー仕様平均粒子径0.018μm)429重量部、γ−ブチロラクトン1050重量部、分散剤(リン酸エステル骨格を有する酸基を持つコポリマー、ビックケミー・ジャパン(株)製、BYK−W9010)21.4重量部をウルトラアペックスミル(寿工業(株)製)を用いて混練し、分散液A−3を得た。分散液A−3を150重量部と、エポキシ樹脂溶液B−1を3重量部とをボールミルを用いて混合し、ペースト組成物全量に対する含有有機溶剤量が69重量%であるペースト組成物C−9を作製した。C−9を硬化させて得られる誘電体組成物中の高誘電率無機粒子の含有量は誘電体組成物全量に対し、90重量%となる。このペースト組成物C−9をガラス基板上にスピンコーターを用いて塗布し80℃で15分間の熱処理を行い乾燥させた後、175℃で4時間の熱処理を行い硬化させ、膜厚1.4μmの誘電体組成物(硬化膜)を得た。膜厚調整はスピンコート時のスピン速度調整により行った。この誘電体組成物の光線透過率(波長400nm)は80%であった。
ペースト組成物C−9を厚さ300μmのアルミ基板上にスピンコーターを用いて塗布し、オーブンを用いて、80℃で15分間の熱処理を行い乾燥させた後、175℃で4時間の熱処理を行い硬化させ、誘電体組成物(硬化膜)を得た。この誘電体組成物上にアルミ電極を形成し、誘電特性評価サンプルとした。1MHzにおける比誘電率は32であった。
実施例16
ペースト組成物C−9をガラス基板上にスピンコーターを用いて塗布し、オーブンを用いて80℃で15分間の熱処理を行い乾燥させた後、175℃で4時間の熱処理を行い硬化させ、膜厚0.8μmの誘電体組成物(硬化膜)を得た。膜厚調整はスピンコート時のスピン速度調整により行った。この誘電体組成物の光線透過率(波長400nm)は83%であった。
実施例17
ペースト組成物C−9をガラス基板上にスピンコーターを用いて塗布し、オーブンを用いて80℃で15分間の熱処理を行い乾燥させた後、175℃で4時間の熱処理を行い硬化させ、膜厚0.4μmの誘電体組成物(硬化膜)を得た。膜厚調整はスピンコート時のスピン速度調整により行った。この誘電体組成物の光線透過率(波長400nm)は94%であった。
実施例18
ペースト組成物C−9をガラス基板上にスピンコーターを用いて塗布し、オーブンを用いて80℃で15分間の熱処理を行い乾燥させた後、175℃で4時間の熱処理を行い硬化させ、膜厚0.1μmの誘電体組成物(硬化膜)を得た。膜厚調整はスピンコート時のスピン速度調整により行った。この誘電体組成物の光線透過率(波長400nm)は97%であった。
実施例19
分散液A−3を150重量部と、エポキシ樹脂溶液B−1を5重量部とをボールミルを用いて混合し、ペースト組成物全量に対する含有有機溶剤量が68重量%であるペースト組成物C−10を作製した。C−10を硬化させて得られる誘電体組成物中の高誘電率無機粒子の含有量は誘電体組成物全量に対し、87重量%となる。このペースト組成物C−10をガラス基板上にスピンコーターを用いて塗布し、オーブンを用いて80℃で15分間の熱処理を行い乾燥させた後、175℃で4時間の熱処理を行い硬化させ、膜厚1.4μmの誘電体組成物(硬化膜)を得た。膜厚調整はスピンコート時のスピン速度調整により行った。この誘電体組成物の光線透過率(波長400nm)は83%であった。実施例1と同様にして、ペースト組成物C−10から誘電体組成物を作製し、誘電特性の評価を行ったところ、1MHzにおける比誘電率は30であった。
実施例20
分散液A−3を150重量部と、エポキシ樹脂溶液B−1を12重量部とをボールミルを用いて混合し、ペースト組成物C−11を作製した。C−11を硬化させて得られる誘電体組成物中の高誘電率無機粒子の含有量は誘電体組成物全量に対し、77重量%となる。このペースト組成物C−11をガラス基板上にスピンコーターを用いて塗布し、オーブンを用いて80℃で15分間の熱処理を行い乾燥させた後、175℃で4時間の熱処理を行い硬化させ、膜厚1.4μmの誘電体組成物(硬化膜)を得た。膜厚調整はスピンコート時のスピン速度調整により行った。この誘電体組成物の光線透過率(波長400nm)は85%であった。実施例1と同様にして、ペースト組成物C−11から誘電体組成物を作製し、誘電特性の評価を行ったところ、1MHzにおける比誘電率は16であった。
実施例21
分散液A−3を150重量部と、エポキシ樹脂溶液B−1を20重量部とをボールミルを用いて混合し、ペースト組成物C−12を作製した。C−12を硬化させて得られる誘電体組成物中の高誘電率無機粒子の含有量は誘電体組成物全量に対し、68重量%となる。このペースト組成物C−12をガラス基板上にスピンコーターを用いて塗布し、オーブンを用いて80℃で15分間の熱処理を行い乾燥させた後、175℃で4時間の熱処理を行い硬化させ、膜厚1.4μmの誘電体組成物(硬化膜)を得た。膜厚調整はスピンコート時のスピン速度調整により行った。この誘電体組成物の光線透過率(波長400nm)は90%であった。実施例1と同様にして、ペースト組成物C−12から誘電体組成物を作製し、誘電特性の評価を行ったところ、1MHzにおける比誘電率は12であった。
実施例22
チタン酸ストロンチウム(TPL,Inc.製、HPS−2000:平均粒子径0.045μm)429重量部、γ−ブチロラクトン1050重量部、分散剤(リン酸エステル骨格を有する酸基を持つコポリマー、ビックケミー・ジャパン(株)製、BYK−W9010)21.4重量部をウルトラアペックスミル(寿工業(株)製)を用いて混練し、分散液A−4を得た。分散液A−4を150重量部と、エポキシ樹脂溶液B−1を3重量部とをボールミルを用いて混合し、ペースト組成物全量に対する含有有機溶剤量が69重量%であるペースト組成物C−13を作製した。C−13を硬化させて得られる誘電体組成物中の高誘電率無機粒子の含有量は誘電体組成物全量に対し、90重量%となる。
このペースト組成物C−13をガラス基板上にスピンコーターを用いて塗布し、オーブンを用いて80℃で15分間の熱処理を行い乾燥させた後、175℃で4時間の熱処理を行い硬化させ、膜厚1.4μmの誘電体組成物(硬化膜)を得た。膜厚調整はスピンコート時のスピン速度調整により行った。この誘電体組成物の光線透過率(波長400nm)は55%であった。ペースト組成物C−13を厚さ300μmのアルミ基板上にスピンコーターを用いて塗布し、オーブンを用いて、80℃で15分間の熱処理を行い乾燥させた後、175℃で4時間の熱処理を行い硬化させ、誘電体組成物(硬化膜)を得た。この誘電体組成物上にアルミ電極を形成し、誘電特性評価サンプルとした。1MHzにおける比誘電率は27であった。
実施例23
ペースト組成物C−5をガラス基板上にスピンコーターを用いて塗布し、オーブンを用いて80℃で15分間の熱処理を行い乾燥させた後、175℃で4時間の熱処理を行い硬化させ、膜厚2μmの誘電体組成物(硬化膜)を得た。膜厚調整はスピンコート時のスピン速度調整により行った。この誘電体組成物の光線透過率(波長400nm)は65%であった。
実施例24
ペースト組成物C−9をガラス基板上にスピンコーターを用いて塗布し、オーブンを用いて80℃で15分間の熱処理を行い乾燥させた後、175℃で4時間の熱処理を行い硬化させ、膜厚2μmの誘電体組成物(硬化膜)を得た。膜厚調整はスピンコート時のスピン速度調整により行った。この誘電体組成物の光線透過率(波長400nm)は70%であった。
実施例25
チタン酸バリウム(Buhler PARTEC GmbH社製、Barium titanate:平均粒子径0.022μm(メーカー仕様平均粒子径0.018μm)224重量部、γ−ブチロラクトン165重量部、分散剤(リン酸エステル骨格を有する酸基を持つコポリマー、ビックケミー・ジャパン(株)製、BYK−W9010)11重量部をホモジナイザーを用いて混練し、分散液A−5を得た。分散液A−5を150重量部と、エポキシ樹脂溶液B−1を5.9重量部とをボールミルを用いて混合し、ペースト組成物全量に対する含有有機溶剤量が40重量%であるペースト組成物C−14を作製した。C−14を硬化させて得られる誘電体組成物中の高誘電率無機粒子の含有量は誘電体組成物全量に対し、90重量%となる。このペースト組成物C−14をガラス基板上にスピンコーターを用いて塗布し、オーブンを用いて80℃で15分間の熱処理を行い乾燥させた後、175℃で4時間の熱処理を行い硬化させ、膜厚1.4μmの誘電体組成物(硬化膜)を得た。膜厚調整はスピンコート時のスピン速度調整により行った。この誘電体組成物の光線透過率(波長400nm)は68%であった。
ペースト組成物C−14を厚さ300μmのアルミ基板上にスピンコーターを用いて塗布し、オーブンを用いて、80℃で15分間の熱処理を行い乾燥させた後、175℃で4時間の熱処理を行い硬化させ、誘電体組成物(硬化膜)を得た。この誘電体組成物上にアルミ電極を形成し、誘電特性評価サンプルとした。1MHzにおける比誘電率は34であった。
実施例26
分散液A−1を150重量部と、エポキシ樹脂溶液B−1を3重量部と、γ−ブチロラクトンを86重量部とをボールミルを用いて混合し、ペースト組成物全量に対する含有有機溶剤量が80重量%であるペースト組成物C−15を作製した。C−15を硬化させて得られる誘電体組成物中の高誘電率無機粒子の含有量は誘電体組成物全量に対し、90重量%となる。このペースト組成物C−15をガラス基板上にスピンコーターを用いて塗布し、オーブンを用いて80℃で15分間の熱処理を行い乾燥させた後、175℃で4時間の熱処理を行い硬化させ、膜厚0.8μmの誘電体組成物(硬化膜)を得た。膜厚調整はスピンコート時のスピン速度調整により行った。この誘電体組成物の光線透過率(波長400nm)は51%であった。
ペースト組成物C−15を厚さ300μmのアルミ基板上にスピンコーターを用いて塗布し、オーブンを用いて、80℃で15分間の熱処理を行い乾燥させた後、175℃で4時間の熱処理を行い硬化させ、誘電体組成物(硬化膜)を得た。この誘電体組成物上にアルミ電極を形成し、誘電特性評価サンプルとした。1MHzにおける比誘電率は41であった。
実施例27
チタン酸バリウム(Cabot,Inc.社製、K−Plus16:平均粒子径0.06μm)429重量部、γ−ブチロラクトン315重量部、分散剤(リン酸エステル骨格を有する酸基を持つコポリマー、ビックケミー・ジャパン(株)製、BYK−W9010)21.4重量部をホモジナイザーを用いて混練し、分散液A−6を得た。分散液A−6を76.5重量部と、エポキシ樹脂溶液B−1を3重量部とをボールミルを用いて混合し、ペースト組成物全量に対する含有有機溶剤量が40重量%であるペースト組成物C−16を作製した。C−16を硬化させて得られる誘電体組成物中の高誘電率無機粒子の含有量は誘電体組成物全量に対し、90重量%となる。このペースト組成物C−16をガラス基板上にスピンコーターを用いて塗布し、オーブンを用いて80℃で15分間の熱処理を行い乾燥させた後、175℃で4時間の熱処理を行い硬化させ、膜厚1.4μmの誘電体組成物(硬化膜)を得た。膜厚調整はスピンコート時のスピン速度調整により行った。この誘電体組成物の光線透過率(波長400nm)は50%であった。ペースト組成物C−16を厚さ300μmのアルミ基板上にスピンコーターを用いて塗布し、オーブンを用いて、80℃で15分間の熱処理を行い乾燥させた後、175℃で4時間の熱処理を行い硬化させ、誘電体組成物(硬化膜)を得た。この誘電体組成物上にアルミ電極を形成し、誘電特性評価サンプルとした。1MHzにおける比誘電率は36であった。
実施例28
水熱合成法を用いて作製した平均粒子径0.05μmのチタン酸バリウムT−2を429重量部、γ−ブチロラクトン1050重量部、分散剤(リン酸エステル骨格を有する酸基を持つコポリマー、ビックケミー・ジャパン(株)製、BYK−W9010)21.4重量部をウルトラアペックスミル(寿工業(株)製)を用いて混練し、分散液A−7を得た。分散液A−7を150重量部と、エポキシ樹脂溶液B−1を189重量部と、γ−ブチロラクトンを365重量部とをボールミルを用いて混合し、ペースト組成物全量に対する含有有機溶剤量が69重量%であるペースト組成物C−17を作製した。C−17を硬化させて得られる誘電体組成物中の高誘電率無機粒子の含有量は誘電体組成物全量に対し、20重量%となる。このペースト組成物C−17をガラス基板上にスピンコーターを用いて塗布し、オーブンを用いて80℃で15分間の熱処理を行い乾燥させた後、175℃で4時間の熱処理を行い硬化させ、膜厚1.4μmの誘電体組成物(硬化膜)を得た。膜厚調整はスピンコート時のスピン速度調整により行った。この誘電体組成物の光線透過率(波長400nm)は82%であった。
ペースト組成物C−17を厚さ300μmのアルミ基板上にスピンコーターを用いて塗布し、オーブンを用いて、80℃で15分間の熱処理を行い乾燥させた後、175℃で4時間の熱処理を行い硬化させ、誘電体組成物(硬化膜)を得た。この誘電体組成物上にアルミ電極を形成し、誘電特性評価サンプルとした。1MHzにおける比誘電率は8であった。
実施例29
エポキシ樹脂(日本化薬(株)製、NC3000)15.3重量部、フェノールノボラック樹脂(日本化薬(株)製、“カヤハード”(商品名)KTG−105)5.3重量部、硬化促進剤(北興化学(株)製、トリフェニルホスフィン)0.2重量部、γ−ブチロラクトン24.7重量部を混合し、エポキシ樹脂溶液B−2を得た。分散液A−3を150重量部と、エポキシ樹脂溶液B−2を10.9重量部とをボールミルを用いて混合し、ペースト組成物全量に対する含有有機溶剤量が70重量%であるペースト組成物C−18を作製した。C−18を硬化させて得られる誘電体組成物中の高誘電率無機粒子の含有量は誘電体組成物全量に対し、90重量%となる。このペースト組成物C−18をガラス基板上にスピンコーターを用いて塗布し、オーブンを用いて80℃で15分間の熱処理を行い乾燥させた後、175℃で4時間の熱処理を行い硬化させ、膜厚1.4μmの誘電体組成物(硬化膜)を得た。膜厚調整はスピンコート時のスピン速度調整により行った。この誘電体組成物の光線透過率(波長400nm)は72%であった。
ペースト組成物C−18を厚さ300μmのアルミ基板上にスピンコーターを用いて塗布し、オーブンを用いて、80℃で15分間の熱処理を行い乾燥させた後、175℃で4時間の熱処理を行い硬化させ、誘電体組成物(硬化膜)を得た。この誘電体組成物上にアルミ電極を形成し、誘電特性評価サンプルとした。1MHzにおける比誘電率は32であった。
実施例30
光重合性アクリル樹脂(ダイセル化学工業(株)製、“サイクロマー”(商品名))100重量%、光ラジカル発生剤(チバスペシャルティケミカルズ社製、“イルガキュア”(商品名)369)10重量部、PGMEA(プロピレングリコールメチルエーテルアセテート)90重量部を室温にて2時間攪拌し、アクリル樹脂溶液B−3を得た。分散液A−3を150重量部と、アクリル樹脂溶液B−3を4.9重量部とをボールミルを用いて混合し、ペースト組成物全量に対する含有有機溶剤量が69重量%であるペースト組成物C−19を作製した。C−19を硬化させて得られる誘電体組成物中の高誘電率無機粒子の含有量は誘電体組成物全量に対し、90重量%となる。このペースト組成物C−19をガラス基板上にスピンコーターを用いて塗布し、オーブンを用いて80℃で15分間の熱処理を行い乾燥させた後、全面に超高圧水銀灯を露光して硬化し、膜厚1.4μmの誘電体組成物(硬化膜)を得た。膜厚調整はスピンコート時のスピン速度調整により行った。この誘電体組成物の光線透過率(波長400nm)は75%であった。
ペースト組成物C−19を厚さ300μmのアルミ基板上にスピンコーターを用いて塗布し、オーブンを用いて、80℃で15分間の熱処理を行い乾燥させた後、全面に超高圧水銀灯を露光して硬化させ、誘電体組成物(硬化膜)を得た。この誘電体組成物上にアルミ電極を形成し、誘電特性評価サンプルとした。1MHzにおける比誘電率は28であった。
比較例1
チタン酸バリウム(堺化学工業(株)製、BT−05、平均粒子径:0.5μm)323重量部、γ−ブチロラクトン18重量部、分散剤(リン酸エステル骨格を有する酸基を持つコポリマー、ビックケミー・ジャパン(株)製、BYK−W9010)0.2重量部をホモジナイザーを用いて氷冷下で1時間混合分散し、分散液A−8を得た。エポキシ樹脂(日本化薬(株)製、EPPN502H)12.8重量部、フェノールノボラック樹脂(大日本インキ化学工業(株)製、TD−2131)7.8重量部、硬化促進剤(北興化学工業(株)製、トリフェニルホスフィン)0.2重量部、γ−ブチロラクトン24.8重量部を混合し、エポキシ樹脂溶液B−4を得た。分散液A−8を341.2重量部と、エポキシ樹脂溶液B−4を45.6重量部とをボールミルを用いて混合し、ペースト組成物全量に対する含有有機溶剤量が11重量%であるペースト組成物C−20を作製した。C−20を硬化させて得られる誘電体組成物中の高誘電率無機粒子の含有量は誘電体組成物全量に対し、94重量%となる。このペースト組成物C−20をガラス基板上にスピンコーターを用いて塗布し、オーブンを用いて80℃で15分間の熱処理を行い乾燥させた後、175℃で4時間の熱処理を行い硬化させ、膜厚10μmの誘電体組成物(硬化膜)を得た。膜厚調整はスピンコート時のスピン速度調整により行った。この誘電体組成物の光線透過率(波長400nm)は8%であった。
ペースト組成物C−20を厚さ300μmのアルミ基板上にスピンコーターを用いて塗布し、オーブンを用いて、80℃で15分間の熱処理を行い乾燥させた後、175℃で4時間の熱処理を行い硬化させ、誘電体組成物(硬化膜)を得た。この誘電体組成物上にアルミ電極を形成し、誘電特性評価サンプルとした。1MHzにおける比誘電率は95であった。
比較例2
チタン酸バリウム(堺化学工業(株)製、BT−05:平均粒子径0.5μm)62.3重量部、チタン酸バリウム(TPL,Inc.社製、HPB−1000:平均粒子径0.059μm)21.9重量部、γ−ブチロラクトン15重量部、分散剤(リン酸エステル骨格を有する酸基を持つコポリマー、ビックケミー・ジャパン(株)製、BYK−W9010)0.8重量部をホモジナイザーを用いて混練し、分散液A−9を得た。エポキシ樹脂(日本化薬(株)製、EPPN502H)2.2重量部、フェノールノボラック樹脂(大日本インキ化学工業(株)製、TD−2131)1.4重量部、硬化促進剤(北興化学工業(株)製、トリフェニルホスフィン)0.04重量部、γ−ブチロラクトン7.1重量部を混合し、エポキシ樹脂溶液B−5を得た。分散液A−9を100重量部と、エポキシ樹脂溶液B−5を10.7重量部とをボールミルを用いて混合し、ペースト組成物全量に対する含有有機溶剤量が20重量%であるペースト組成物C−21を作製した。C−21を硬化させて得られる誘電体組成物中の高誘電率無機粒子の含有量は誘電体組成物全量に対し、95重量%となる。このペースト組成物C−21をガラス基板上にスピンコーターを用いて塗布し、オーブンを用いて80℃で15分間の熱処理を行い乾燥させた後、175℃で4時間の熱処理を行い硬化させ、膜厚10μmの誘電体組成物(硬化膜)を得た。膜厚調整はスピンコート時のスピン速度調整により行った。この誘電体組成物の光線透過率(波長400nm)は5%であった。
ペースト組成物C−21を厚さ300μmのアルミ基板上にスピンコーターを用いて塗布し、オーブンを用いて、80℃で15分間の熱処理を行い乾燥させた後、175℃で4時間の熱処理を行い硬化させ、誘電体組成物(硬化膜)を得た。この誘電体組成物上にアルミ電極を形成し、誘電特性評価サンプルとした。1MHzにおける比誘電率は123であった。
比較例3
チタン酸バリウム(堺化学工業(株)製、BT−01:平均粒子径0.1μm)200重量部、トルエン400重量部をホモジナイザー用いて氷冷下で1時間混練分散し、分散液A−10を得た。エポキシ樹脂YD−8125(東都化成(株)製、YD8125)100重量部、硬化剤(日立化成工業(株)製、HN−5500)90重量部、硬化促進剤(ジャパンエポキシレジン(株)製、“エピキュア”(商品名)3010)1重量部を混合し、エポキシ樹脂溶液B−6を得た。分散液A−10を60重量部と、B−6を1.9重量部とを混合し、ペースト組成物全量に対する含有有機溶剤量が69重量%であるペースト組成物C−22を作製した。C−22を硬化させて得られる誘電体組成物中の高誘電率無機粒子の含有量は誘電体組成物全量に対し、90重量%となる。このペースト組成物C−22をガラス基板上にスピンコーターを用いて塗布し、オーブンを用いて120℃で15時間の熱処理を行い硬化させ、スピン速度を調整し、膜厚1.4μmの誘電体組成物(硬化膜)を得た。膜厚調整はスピンコート時のスピン速度調整により行った。この誘電体組成物の光線透過率(波長400nm)は28%であった。
ペースト組成物C−22を厚さ300μmのアルミ基板上にスピンコーターを用いて塗布し、オーブンを用いて、120℃で15時間の熱処理を行い硬化させ、誘電体組成物(硬化膜)を得た。この誘電体組成物上にアルミ電極を形成し、誘電特性評価サンプルとした。1MHzにおける比誘電率は34であった。
比較例4
チタン酸バリウム(Cabot,Inc.社製、K−Plus16:平均粒子径0.06μm)224重量部、γ−ブチロラクトン105重量部、分散剤(リン酸エステル骨格を有する酸基を持つコポリマー、ビックケミー・ジャパン(株)製、BYK−W9010)11重量部をホモジナイザーを用いて混練し、分散液A−11を得た。分散液A−11を150重量部と、エポキシ樹脂溶液B−1を5.9重量部とをボールミルを用いて混合し、ペースト組成物全量に対する含有有機溶剤量が30重量%であるペースト組成物C−23を作製した。C−23を硬化させて得られる誘電体組成物中の高誘電率無機粒子の含有量は誘電体組成物全量に対し、90重量%となる。このペースト組成物C−23をガラス基板上にスピンコーターを用いて塗布し、オーブンを用いて80℃で15分間の熱処理を行い乾燥させた後、175℃で4時間の熱処理を行い硬化させ、誘電体組成物(硬化膜)を得た。ペースト組成物C−22は粘度が高いため、スピンコーターでは平坦な塗膜が得られなかった。膜厚が2μm付近の部位において光線透過率を測定したところ、光線透過率(波長400nm)は35%であった。
ペースト組成物C−23を厚さ300μmのアルミ基板上にスピンコーターを用いて塗布し、オーブンを用いて、80℃で15分間の熱処理を行い乾燥させた後、175℃で4時間の熱処理を行い硬化させ、誘電体組成物(硬化膜)を得た。この誘電体組成物上にアルミ電極を形成し、誘電特性評価サンプルとした。1MHzにおける比誘電率は40であった。
比較例5
分散液A−1を150重量部と、エポキシ樹脂溶液B−1を3重量部と、γ−ブチロラクトンを324重量部とをボールミルを用いて混合し、ペースト組成物全量に対する含有有機溶剤量が90重量%であるペースト組成物C−24を作製した。C−24を硬化させて得られる誘電体組成物中の高誘電率無機粒子の含有量は誘電体組成物全量に対し、90重量%となる。このペースト組成物C−24をガラス基板上にスピンコーターを用いて塗布し、オーブンを用いて80℃で15分間の熱処理を行い乾燥させた後、175℃で4時間の熱処理を行い硬化させ、誘電体組成物(硬化膜)を得た。しかしながら、粘度が低いため、完全な連続膜にはならなかった。そのため、この誘電体組成物の光線透過率は測定できなかった。
ペースト組成物C−24を厚さ300μmのアルミ基板上にスピンコーターを用いて塗布し、オーブンを用いて、80℃で15分間の熱処理を行い乾燥させた後、175℃で4時間の熱処理を行い硬化させ、誘電体組成物(硬化膜)を得た。この誘電体組成物上にアルミ電極を形成し、誘電特性評価サンプルとした。しかしながら、完全な連続膜にはならなかったため、上下の電極が短絡し、誘電率の測定ができなかった。
比較例6
チタン酸バリウム(戸田工業(株)製、T−BTO−020RF:平均粒子径0.027μm)144.2重量部、γ−ブチロラクトン350重量部、分散剤(リン酸エステル骨格を有する酸基を持つコポリマー、ビックケミー・ジャパン(株)製、BYK−W9010)5.8重量部をホモジナイザーを用いて氷冷下で2時間混練分散し、分散液A−12を得た。分散液A−12における分散剤の含有量は高誘電率無機粒子重量の4重量%である。分散液A−12の粒度分布50%径は0.25μm、90%径は0.42μmであった。分散液A−12は、高誘電率無機粒子の凝集が十分に解けておらず、粒度分布測定で得られる高誘電率無機粒子の粒子径が原料高誘電率無機粒子の平均粒子径に比べ大きくなった。
エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製、“エピコート”(商品名)YX8000)6.8重量部、硬化剤(新日本理化(株)製、“リカシッド”(商品名)MH700)4.7重量部、硬化促進剤(N,N−ジメチルベンジルアミン)0.2重量部を混合し、エポキシ樹脂溶液B−7を得た。分散液A−12を150重量部と、エポキシ樹脂溶液B−7を8.2重量部とをボールミルを用いて混合し、ペースト組成物全量に対する含有有機溶剤量が67重量%であるペースト組成物C−25を作製した。C−25を硬化させて得られる誘電体組成物中の高誘電率無機粒子の含有量は誘電体組成物全量に対し、81重量%となる。
ペースト組成物C−25を用い、実施例1と同様にして膜厚1.4μmの誘電体組成物(硬化膜)を得た。この誘電体組成物の光線透過率(波長400nm)は79%であった。ペースト組成物C−25を用い、実施例1と同様にして誘電特性評価サンプルを得た。1MHzにおける比誘電率は22であった。
実施例31
チタン酸バリウム(戸田工業(株)製、T−BTO−020RF:平均粒子径0.027μm)416.7重量部、γ−ブチロラクトン1050重量部、分散剤(リン酸エステル骨格を有する酸基を持つコポリマー、ビックケミー・ジャパン(株)製、BYK−W9010)33.3重量部をウルトラアペックスミル(寿工業(株)製)を用いて混練し、分散液A−13を得た。分散液A−13における分散剤の含有量は高誘電率無機粒子重量の8重量%である。分散液A−13の粒度分布50%径は0.04μm、90%径は0.07μmであった。高誘電率無機粒子に対する分散剤の含有量が分散液A−12に比べ多く、高誘電率無機粒子の凝集をより解くことができ、粒度分布測定で得られる高誘電率無機粒子の粒子径が原料高誘電率無機粒子の平均粒子径に近づいた。
分散液A−13を150重量部と、エポキシ樹脂溶液B−7を6重量部とをボールミルを用いて混合し、ペースト組成物全量に対する含有有機溶剤量が67重量%であるペースト組成物C−26を作製した。C−26を硬化させて得られる誘電体組成物中の高誘電率無機粒子の含有量は誘電体組成物全量に対し、81重量%となる。
ペースト組成物C−26を用い、実施例1と同様にして膜厚1.4μmの誘電体組成物(硬化膜)を得た。この誘電体組成物の光線透過率(波長400nm)は87%であった。ペースト組成物C−25を用い、実施例1と同様にして誘電特性評価サンプルを得た。1MHzにおける比誘電率は27であった。
実施例32
チタン酸バリウム(戸田工業(株)製、T−BTO−020RF:平均粒子径0.027μm)391.3重量部、γ−ブチロラクトン1050重量部、分散剤(リン酸エステル骨格を有する酸基を持つコポリマー、ビックケミー・ジャパン(株)製、BYK−W9010)58.7重量部をウルトラアペックスミル(寿工業(株)製)を用いて混練し、分散液A−14を得た。分散液A−14における分散剤の含有量は高誘電率無機粒子重量の15重量%である。分散液A−14の粒度分布50%径は0.025μm、90%径は0.06μmであった。高誘電率無機粒子に対する分散剤の含有量が分散液A−12、A−13に比べ十分に多く、高誘電率無機粒子の凝集を十分に解くことができ、粒度分布測定で得られる高誘電率無機粒子の粒子径が、原料高誘電率無機粒子の平均粒子径により近づいた。
分散液A−14を150重量部と、エポキシ樹脂溶液B−7を2.9重量部とをボールミルを用いて混合し、ペースト組成物全量に対する含有有機溶剤量が69重量%であるペースト組成物C−27を作製した。C−27を硬化させて得られる誘電体組成物中の高誘電率無機粒子の含有量は誘電体組成物全量に対し、81重量%となる。
ペースト組成物C−27を用い、実施例1と同様にして膜厚1.4μmの誘電体組成物(硬化膜)を得た。膜厚調整はスピンコート時のスピン速度調整により行った。この誘電体組成物の光線透過率(波長400nm)は97%であった。波長400〜700nmにおける光線透過率の最小値は88%(波長530nm)であった。また、実施例1と同様にして誘電特性評価サンプルを得た。1MHzにおける比誘電率は28であった。
ペースト組成物C−27をITO付きガラス基板上にスピンコーターを用いて塗布し、オーブンを用いて、80℃で15分間乾燥させた後、175℃で4時間硬化させ、誘電体組成物(硬化膜)を得た。ITO付きガラス基板は、1737ガラス上にITOを150nmの膜厚となるようスパッタリング法で形成されたものである。この誘電体組成物の光線透過率(波長400nm)は98%であった。
誘電体組成物上に上部電極としてアルミ電極を形成し、ガラス/ITO電極/誘電体組成物/アルミ電極で構成されるキャパシタD−1を作製した。アルミ電極はマスクを介して真空蒸着することによって形成した。このキャパシタD−1の1kHzにおける比誘電率は29であった。
上部電極をアルミに代えITOを用い、ガラス/ITO電極/誘電体組成物/ITO電極で構成されるキャパシタD−2を作製した。上部電極のITO層は、スパッタリング法を用いて形成した。さらに、上部電極をアルミ電極に代えNi−Cr/銅層を用い、ガラス/ITO電極1/誘電体組成物/Ni−Cr/銅で構成されるキャパシタD−3を作製した。上部電極は、Ni-Cr、銅の順にスパッタリングを行い、さらに電解銅めっきを行い導通層を形成し、エッチング法によってパターン加工を行い、形成した。キャパシタD−2、D−3の1kHzにおける比誘電率は29であった。
実施例33
チタン酸バリウム(戸田工業(株)製、T−BTO−010RF:平均粒子径0.012μm)391.3重量部、γ−ブチロラクトン1050重量部、分散剤(リン酸エステル骨格を有する酸基を持つコポリマー、ビックケミー・ジャパン(株)製、BYK−W9010)58.7重量部をウルトラアペックスミル(寿工業(株)製)を用いて混練し、分散液A−15を得た。分散液A−15における分散剤の含有量は高誘電率無機粒子重量の15重量%である。分散液A−15の粒度分布50%径は0.02μm、90%径は0.05μmであった。
分散液A−15を150重量部と、エポキシ樹脂溶液B−1を3.4重量部とをボールミルを用いて混合し、ペースト組成物全量に対する含有有機溶剤量が68重量%であるペースト組成物C−28を作製した。C−28を硬化させて得られる誘電体組成物中の高誘電率無機粒子の含有量は誘電体組成物全量に対し、81重量%となる。
ペースト組成物C−28を用い、実施例1と同様にして膜厚1.4μmの誘電体組成物(硬化膜)を得た。膜厚調整はスピンコート時のスピン速度調整により行った。この誘電体組成物の光線透過率(波長400nm)は99%であった。波長400〜700nmにおける光線透過率の最小値は90%(波長570nm)であった。ペースト組成物C−28を用い、実施例1と同様にして誘電特性評価サンプルを得た。1MHzにおける比誘電率は23であった。
実施例34
チタン酸バリウム(戸田工業(株)製、T−BTO−010RF:平均粒子径0.012μm)391.3重量部、γ−ブチロラクトン1050重量部、分散剤(リン酸エステル骨格を有する酸基を持つコポリマー、ビックケミー・ジャパン(株)製、BYK−111)58.7重量部をウルトラアペックスミル(寿工業(株)製)を用いて混練し、分散液A−16を得た。分散液A−16における分散剤の含有量は高誘電率無機粒子重量の15重量%である。分散液A−16の粒度分布50%径は0.02μm、90%径は0.04μmであった。
分散液A−16を150重量部と、エポキシ樹脂溶液B−1を3.4重量部とをボールミルを用いて混合し、ペースト組成物全量に対する含有有機溶剤量が68重量%であるペースト組成物C−28を作製した。C−29を硬化させて得られる誘電体組成物中の高誘電率無機粒子の含有量は誘電体組成物全量に対し、81重量%となる。
ペースト組成物C−29を用い、実施例1と同様にして膜厚1.4μmの誘電体組成物(硬化膜)を得た。膜厚調整はスピンコート時のスピン速度調整により行った。この誘電体組成物の光線透過率(波長400nm)は99%であった。波長400〜700nmにおける光線透過率の最小値は90%(波長530nm)であった。ペースト組成物C−29を用い、実施例1と同様にして誘電特性評価サンプルを得た。1MHzにおける比誘電率は23であった。
実施例35
チタン酸バリウム(戸田工業(株)製、T−BTO−020RF:平均粒子径0.027μm)652重量部、γ−ブチロラクトン750重量部、分散剤(リン酸エステル骨格を有する酸基を持つコポリマー、ビックケミー・ジャパン(株)製、BYK−W9010)97.8重量部をウルトラアペックスミル(寿工業(株)製)を用いて混練し、分散液A−17を得た。分散液A−17における分散剤の含有量は高誘電率無機粒子重量の15重量%である。分散液A−17の粒度分布50%径は0.025μm、90%径は0.06μmであった。分散液A−17を150重量部と、エポキシ樹脂溶液B−1を5.7重量部とをボールミルを用いて混合し、ペースト組成物全量に対する含有有機溶剤量が48重量%であるペースト組成物C−30を作製した。C−30を硬化させて得られる誘電体組成物中の高誘電率無機粒子の含有量は誘電体組成物全量に対し、81重量%となる。
ペースト組成物C−30を用い、実施例1と同様にして膜厚4μmの誘電体組成物(硬化膜)を得た。膜厚調整はスピンコート時のスピン速度調整により行った。この誘電体組成物の光線透過率(波長400nm)は97%であった。波長400〜700nmにおける光線透過率の最小値は88%(波長530nm)であった。ペースト組成物C−26を用い、実施例1と同様にして誘電特性評価サンプルを得た。1MHzにおける比誘電率は29であった。
比較例7
チタン酸バリウム(戸田工業(株)製、T−BTO−010RF:平均粒子径0.012μm)432.6重量部、γ−ブチロラクトン1050重量部、分散剤(リン酸エステル骨格を有する酸基を持つコポリマー、ビックケミー・ジャパン(株)製、BYK−W9010)17.4重量部をウルトラアペックスミル(寿工業(株)製)を用いて混練し、分散液A−18を得た。分散液A−18における分散剤の含有量は高誘電率無機粒子重量の4重量%である。分散液A−18の粒度分布50%径は0.30μm、90%径は0.55μmであった。分散液A−12と同様に、高誘電率無機粒子に対する分散剤の含有量が少なく、高誘電率無機粒子の凝集が十分には解けておらず、粒度分布測定で得られる高誘電率無機粒子の粒子径が原料高誘電率無機粒子の平均粒子径に比べ大きくなった。
分散液A−18を150重量部と、エポキシ樹脂溶液B−7を8.2重量部とをボールミルを用いて混合し、ペースト組成物全量に対する含有有機溶剤量が67重量%であるペースト組成物C−31を作製した。C−31を硬化させて得られる誘電体組成物中の高誘電率無機粒子の含有量は誘電体組成物全量に対し、81重量%となる。
ペースト組成物C−31を用い、実施例1と同様にして膜厚1.4μmの誘電体組成物(硬化膜)を得た。膜厚調整はスピンコート時のスピン速度調整により行った。この誘電体組成物の光線透過率(波長400nm)は78%であった。ペースト組成物C−31を用い、実施例1と同様にして誘電特性評価サンプルを得た。1MHzにおける比誘電率は16であった。
実施例36
チタン酸バリウム(戸田工業(株)製、T−BTO−010RF:平均粒子径0.012μm)420.6重量部、γ−ブチロラクトン1050重量部、分散剤(リン酸エステル骨格を有する酸基を持つコポリマー、ビックケミー・ジャパン(株)製、BYK−W9010)29.4重量部をウルトラアペックスミル(寿工業(株)製)を用いて混練し、分散液A−19を得た。分散液A−19における分散剤の含有量は高誘電率無機粒子重量の7重量%である。分散液A−19の粒度分布50%径は0.04μm、90%径は0.08μmであった。高誘電率無機粒子に対する分散剤の含有量が分散液A−18に比べ多く、高誘電率無機粒子の凝集をより解くことができ、粒度分布測定で得られる高誘電率無機粒子の粒子径が原料高誘電率無機粒子の平均粒子径に近づいた。
分散液A−19を150重量部と、エポキシ樹脂溶液B−7を6.5重量部とをボールミルを用いて混合し、ペースト組成物全量に対する含有有機溶剤量が67重量%であるペースト組成物C−32を作製した。C−32を硬化させて得られる誘電体組成物中の高誘電率無機粒子の含有量は誘電体組成物全量に対し、81重量%となる。
ペースト組成物C−32を用い、実施例1と同様にして膜厚1.4μmの誘電体組成物(硬化膜)を得た。膜厚調整はスピンコート時のスピン速度調整により行った。この誘電体組成物の光線透過率(波長400nm)は89%であった。ペースト組成物C−32を用い、実施例1と同様にして誘電特性評価サンプルを得た。1MHzにおける比誘電率は22であった。
実施例37
チタン酸バリウム(戸田工業(株)製、T−BTO−010RF:平均粒子径0.012μm)375重量部、γ−ブチロラクトン1050重量部、分散剤(リン酸エステル骨格を有する酸基を持つコポリマー、ビックケミー・ジャパン(株)製、BYK−W9010)75重量部をウルトラアペックスミル(寿工業(株)製)を用いて混練し、分散液A−20を得た。分散液A−20における分散剤の含有量は高誘電率無機粒子重量の20重量%である。分散液A−20の粒度分布50%径は0.016μm、90%径は0.04μmであった。平均粒子径0.027μmの無機粒子を用いた分散液A−14と平均粒子径0.012μmの無機粒子を用いた分散液A−20を比較すると、平均粒子径がより小さい場合、分散剤の含有量を多くするとその分散液は1次粒子に近い粒度分布を得ていることが分かる。
分散液A−20を150重量部と、エポキシ樹脂溶液B−7を4.2重量部とをボールミルを用いて混合し、ペースト組成物全量に対する含有有機溶剤量が68重量%であるペースト組成物C−33を作製した。C−33を硬化させて得られる誘電体組成物中の高誘電率無機粒子の含有量は誘電体組成物全量に対し、75重量%となる。
ペースト組成物C−33を用い、実施例1と同様にして膜厚1.4μmの誘電体組成物(硬化膜)を得た。膜厚調整はスピンコート時のスピン速度調整により行った。この誘電体組成物の光線透過率(波長400nm)は99%であった。波長400〜700nmにおける光線透過率の最小値は90%(波長510nm)であった。ペースト組成物C−33を用い、実施例1と同様にして誘電特性評価サンプルを得た。1MHzにおける比誘電率は22であった。
実施例38
チタン酸バリウム(戸田工業(株)製、T−BTO−010RF:平均粒子径0.012μm)360重量部、γ−ブチロラクトン1050重量部、分散剤(リン酸エステル骨格を有する酸基を持つコポリマー、ビックケミー・ジャパン(株)製、BYK−W9010)90重量部をウルトラアペックスミル(寿工業(株)製)を用いて混練し、分散液A−21を得た。分散液A−21における分散剤の含有量は高誘電率無機粒子重量の25重量%である。分散液A−21の粒度分布50%径は0.016μm、90%径は0.04μmであった。
分散液A−21を150重量部と、エポキシ樹脂溶液B−7を4重量部とをボールミルを用いて混合し、ペースト組成物全量に対する含有有機溶剤量が68重量%であるペースト組成物C−34を作製した。C−34を硬化させて得られる誘電体組成物中の高誘電率無機粒子の含有量は誘電体組成物全量に対し、72重量%となる。
ペースト組成物C−34を用い、実施例1と同様にして膜厚1.4μmの誘電体組成物(硬化膜)を得た。膜厚調整はスピンコート時のスピン速度調整により行った。この誘電体組成物の光線透過率(波長400nm)は99%であった。波長400〜700nmにおける光線透過率の最小値は91%(波長530nm)であった。ペースト組成物C−34を用い、実施例1と同様にして誘電特性評価サンプルを得た。1MHzにおける比誘電率は18であった。
比較例8
チタン酸バリウム(戸田工業(株)製、T−BTO−010RF:平均粒子径0.012μm)352重量部、γ−ブチロラクトン1050重量部、分散剤(リン酸エステル骨格を有する酸基を持つコポリマー、ビックケミー・ジャパン(株)製、BYK−W9010)98重量部をウルトラアペックスミル(寿工業(株)製)を用いて混練し、分散液A−22を得た。分散液A−22における分散剤の含有量は高誘電率無機粒子重量の28重量%である。分散液A−22の粒度分布50%径は0.016μm、90%径は0.04μmであった。分散液A−22を150重量部と、エポキシ樹脂溶液B−7を4重量部とをボールミルを用いて混合し、ペースト組成物全量に対する含有有機溶剤量が67重量%であるペースト組成物C−35を作製した。C−35を硬化させて得られる誘電体組成物中の高誘電率無機粒子の含有量は誘電体組成物全量に対し、70重量%となる。
ペースト組成物C−35を用い、実施例1と同様にして膜厚1.4μmの誘電体組成物(硬化膜)を得た。膜厚調整はスピンコート時のスピン速度調整により行った。この誘電体組成物の光線透過率(波長400nm)は99%であった。波長400〜700nmにおける光線透過率の最小値は92%(波長510nm)であった。ペースト組成物C−35を用い、実施例1と同様にして誘電特性評価サンプルを得た。1MHzにおける比誘電率は9であった。なお、分散液A−22は分散剤の量が高誘電率無機粒子に対して28重量%であるが、高誘電率無機粒子を高充填化することができなくなり、比誘電率が低下した。
実施例39
チタン酸バリウム(Buhler PARTEC GmbH社製、Barium titanate:平均粒子径0.022μm(メーカー仕様平均粒子径0.018μm)391.3重量部、γ−ブチロラクトン1050重量部、分散剤(リン酸エステル骨格を有する酸基を持つコポリマー、ビックケミー・ジャパン(株)製、BYK−W9010)58.7重量部をウルトラアペックスミル(寿工業(株)製)を用いて混練し、分散液A−23を得た。分散液A−23における分散剤の含有量は高誘電率無機粒子重量の15重量%である。分散液A−23の粒度分布50%径は0.025μm、90%径は0.06μmであった。
分散液A−23を150重量部と、エポキシ樹脂溶液B−7を2.9重量部とをボールミルを用いて混合し、ペースト組成物全量に対する含有有機溶剤量が69重量%であるペースト組成物C−36を作製した。C−36を硬化させて得られる誘電体組成物中の高誘電率無機粒子の含有量は誘電体組成物全量に対し、81重量%となる。
ペースト組成物C−36を用い、実施例1と同様にして膜厚1.4μmの誘電体組成物(硬化膜)を得た。膜厚調整はスピンコート時のスピン速度調整により行った。この誘電体組成物の光線透過率(波長400nm)は96%であった。波長400〜700nmにおける光線透過率の最小値は94%(波長580nm)であった。ペースト組成物C−36を用い、実施例1と同様にして誘電特性評価サンプルを得た。1MHzにおける比誘電率は18であった。
Figure 0003995020
Figure 0003995020
Figure 0003995020
実施例40
γ−ブチロラクトン1960重量部、分散剤(リン酸エステル骨格を有するコポリマー、ビックケミー・ジャパン(株)製、BYK−W9010)109.6重量部、チタン酸バリウム(戸田工業(株)製、T−BTO−020RF:平均粒子径0.027μm)730.4重量部の順に混合し、分散液A−24Aを得た。ウルトラアペックスミルUAM−015(寿工業(株)製)のベッセル内にジルコニアボール((株)ニッカトー製、YTZボール、寸法φ0.5mm)を0.4kg充填し、ローターを回転させながら、分散液A−24Aをベッセル内に送液、循環させた。ジルコニアボール((株)ニッカトー製、YTZボール、寸法φ0.5mm)の粒子径に関する検査報告書にあるメーカー値は平均粒子径0.537mmである。ローターの周速8m/sで1時間分散後、分散液A−24Bを得た。分散液A−24Bの粒度分布50%径は0.06μm、90%径は0.22μmであった。ベッセル内のビーズを回収し、新たにジルコニアボール((株)ニッカトー製、YTZボール、寸法φ0.05mm)を0.4kg充填した。ジルコニアボール((株)ニッカトー製、YTZボール、寸法φ0.05mm)の粒子径に関する検査報告書にあるメーカー値は平均粒子径0.058mmである。ビーズ交換後、ローターを回転させながら、分散液A−24Bをベッセル内に送液、循環させた。ローターの周速12m/sで、粒度分布が0.02±0.01μmになるまで分散を行い、分散液A−24Cを得た。分散液A−24Cの粒度分布50%径0.022μm、90%径は0.051μmであった。エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製、エピコート(商品名)YX8000)17.57重量部、硬化剤(新日本理化(株)製、リカシッド(商品名)MH700)12.13重量部、硬化促進剤(N,N−ジメチルベンジルアミン)0.3重量部、γ−ブチロラクトン12.13重量部を混合し、エポキシ樹脂溶液B−8を得た。分散液A−24Cを15重量部とエポキシ樹脂溶液B−8を0.94重量部と、界面活性剤としてビックケミー・ジャパン(株)製、BYK−333を0.012重量部とをボールミルを用いて混合し、ペースト組成物全量に対する含有有機溶剤量が67.7重量%であるペースト組成物C−37を作製した。C−37を硬化させて得られる誘電体組成物中の高誘電率無機粒子の含有量は、誘電体組成物全量に対し76重量%である。
ペースト組成物C−37を孔径0.45μmのフィルターを用いて濾過した後、ITO付きガラス基板上にスピンコーターを用いて塗布し、オーブンを用いて80℃で15分間の熱処理を行い乾燥させた後、175℃で4時間の熱処理を行い硬化させ、膜厚1μmの誘電体組成物(硬化膜)を得た。膜厚調整はスピンコート時のスピン調整速度により行った。この誘電体組成物の光線透過率(波長400nm)は99%であり、波長400〜700nmにおける光線透過率の最小値は91%(波長520nm)であった。印加電圧2Vにおけるリーク電流値は15nA/cm、電圧保持率は4%であった。
誘電体組成物上に上部電極としてアルミ電極を形成し、ガラス/ITO電極/誘電体組成物/アルミ電極で構成されるキャパシタを作製した。アルミ電極はマスクを介して真空蒸着することによって形成した。このキャパシタの1kHzにおける比誘電率は23であった。
実施例41
エポキシ樹脂(日本化薬(株)製、NC3000)220.18重量部、硬化剤(日本化薬(株)製、“カヤハード”(商品名)TPM)76.82重量部、硬化促進剤(トリフェニルホスフィン)3重量部、γ−ブチロラクトン76.82重量部を混合し、エポキシ樹脂溶液B−9を得た。NC3000はエポキシ当量278g/eqのビフェニル骨格を有するエポキシ樹脂である。分散液A−24Cを15重量部とエポキシ樹脂溶液B−9を8.74重量部と、界面活性剤としてビックケミー・ジャパン(株)製、BYK−333を0.018重量部とをボールミルを用いて混合し、ペースト組成物全量に対する含有有機溶剤量が52.6重量%であるペースト組成物C−38を作製した。C−38を硬化させて得られる誘電体組成物中の高誘電率無機粒子の含有量は、誘電体組成物全量に対し35重量%である。実施例40と同様にして評価を行った。結果は表4に示した。
実施例42
分散液A−24Cを15重量部とエポキシ樹脂溶液B−9を4.35重量部と、界面活性剤としてビックケミー・ジャパン(株)製、BYK−333を0.016重量部とをボールミルを用いて混合し、ペースト組成物全量に対する含有有機溶剤量が59.4重量%であるペースト組成物C−39を作製した。C−39を硬化させて得られる誘電体組成物中の高誘電率無機粒子の含有量は、誘電体組成物全量に対し50重量%である。実施例40と同様にして評価を行った。結果は表4に示した。
実施例43
分散液A−24Cを15重量部とエポキシ樹脂溶液B−9を1.13重量部と、界面活性剤としてビックケミー・ジャパン(株)製、BYK−333を0.012重量部とをボールミルを用いて混合し、ペースト組成物全量に対する含有有機溶剤量が66.7重量%であるペースト組成物C−40を作製した。C−40を硬化させて得られる誘電体組成物中の高誘電率無機粒子の含有量は、誘電体組成物全量に対し73重量%である。実施例40と同様にして評価を行った。結果は表4に示した。
実施例44
分散液A−24Cを15重量部とエポキシ樹脂溶液B−9を0.83重量部と、界面活性剤としてビックケミー・ジャパン(株)製、BYK−333を0.012重量部とをボールミルを用いて混合し、ペースト組成物全量に対する含有有機溶剤量が67.5重量%であるペースト組成物C−41を作製した。C−41を硬化させて得られる誘電体組成物中の高誘電率無機粒子の含有量は、誘電体組成物全量に対し76重量%である。実施例40と同様にして評価を行った。結果は表4に示した。
実施例45
分散液A−24Cを15重量部とエポキシ樹脂溶液B−9を0.44重量部と、界面活性剤としてビックケミー・ジャパン(株)製、BYK−333を0.012重量部とをボールミルを用いて混合し、ペースト組成物全量に対する含有有機溶剤量が68.6重量%であるペースト組成物C−42を作製した。C−42を硬化させて得られる誘電体組成物中の高誘電率無機粒子の含有量は誘電体組成物全量に対し、81重量%である。実施例40と同様にして評価を行った。結果は表4に示した。
実施例46
乾燥窒素気流下、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン(BAHF)30.03g(0.082モル)、1,3−ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン1.24g(0.005モル)、末端封止剤として、3−ヒドロキシフタル酸無水物(東京化成工業(株)製)4.1g(0.025モル)をN−メチル−2−ピロリドン(NMP)100gに溶解させた。ここにビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物31.02g(0.1モル)をNMP30gとともに加えて、20℃で1時間攪拌し、次いで50℃で4時間攪拌した。その後、180℃で5時間攪拌した。攪拌終了後、溶液を水3Lに投入して白色沈殿を集めた。この沈殿をろ過で集めて、水で3回洗浄した後、200℃の真空乾燥機で5時間乾燥した。得られたポリマー粉体を、赤外吸収スペクトルで測定したところ、1780cm−1付近、1377cm−1付近にポリイミドに起因するイミド構造の吸収ピークが検出された。次に、このポリマー粉体10gに光重合開始剤の1,2−オクタンジオン−1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−2−(o−ベンゾイルオキシム)0.4g、熱架橋性化合物のニカラック(NIKALAC)MW−100LM(商品名、(株)三和ケミカル製)1.5g、着色剤のA−DMA(商品名、保土谷化学工業(株)製)0.3g、PDBE−250(商品名、(株)日本油脂製。重合性不飽和二重結合を有する化合物)8g、ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート(重合性不飽和二重結合を有する化合物)2gをジアセトンアルコール10g、乳酸エチル20.5gに溶解させ、光硬化型ポリイミド組成物溶液B−10を得た。
分散液A−24Cを15重量部と光硬化型ポリイミド組成物溶液B−10を1.23重量部とをボールミルを用いて混合し、ペースト組成物全量に対する含有有機溶剤量が68.3重量%であるペースト組成物C−43を作製した。C−43を硬化させて得られる誘電体組成物中の高誘電率無機粒子の含有量は、誘電体組成物全量に対し76重量%である。
ペースト組成物C−43を孔径0.45μmのフィルターを用いて濾過した後、ITO付きガラス基板上にスピンコーターを用いて塗布し、ホットプレートを用いて120℃で1分間プリベークした。次に露光装置(ユニオン光学(株)製PEM−6M)を用いて、露光量500mJ/cm(365nmの強度)で露光を行った。露光後、120℃で1分間ベークした後、光洋サーモシステム(株)製イナートオーブンINL−60を用いてN雰囲気下で200℃で60分間熱処理し、硬化させて膜厚1μmの誘電体組成物(硬化膜)を得た。膜厚調整はスピンコート時のスピン調整速度により行った。実施例40と同様にして評価を行った。結果は表4に示した。
実施例47
分散液A−24Cを15重量部とアクリル樹脂(東亜合成(株)製、“アロニックス”(商品名)M305)を0.61重量部と光重合開始剤(チバガイキー(株)製、“イルガキュア”(商品名)184)を0.03重量部、γ−ブチロラクトン0.19重量部とをボールミルを用いて混合し、ペースト組成物全量に対する含有有機溶剤量が67.5重量%であるペースト組成物C−44を作製した。C−44を硬化させて得られる誘電体組成物中の高誘電率無機粒子の含有量は、誘電体組成物全量に対し76重量%である。
ペースト組成物C−44を孔径0.45μmのフィルターを用いて濾過した後、ITO付きガラス基板上にスピンコーターを用いて塗布し、ホットプレートを用いて80℃で10分間プリベークした。次に露光装置(ユニオン光学(株)製PEM−6M)を用いて、露光量2000mJ/cm(365nmの強度)で露光を行って硬化させて膜厚1μmの誘電体組成物(硬化膜)を得た。膜厚調整はスピンコート時のスピン調整速度により行った。実施例40と同様にして評価を行った。結果は表4に示した。
実施例48
エポキシ樹脂(日本化薬(株)製、NC3000)208.5重量部、硬化剤(大日本インキ化学工業(株)製、“フェノライト”(商品名)VH4150)88.5重量部、硬化促進剤(トリフェニルホスフィン)3重量部、γ−ブチロラクトン88.50重量部を混合し、エポキシ樹脂溶液B−11を得た。“フェノライト”VH−4150はフェノール系のノボラック樹脂である。分散液A−24Cを15重量部とエポキシ樹脂溶液B−11を0.86重量部と、界面活性剤としてビックケミー・ジャパン(株)製、BYK−333を0.012重量部とをボールミルを用いて混合し、ペースト組成物全量に対する含有有機溶剤量が67.6重量%であるペースト組成物C−45を作製した。C−45を硬化させて得られる誘電体組成物中の高誘電率無機粒子の含有量は、誘電体組成物全量に対し76重量%である。実施例40と同様にして評価を行った。結果は表4に示した。
比較例
γ−ブチロラクトン840重量部、分散剤(リン酸エステル骨格を有するコポリマー、ビックケミー・ジャパン(株)製、BYK−W9010)255.65重量部、チタン酸バリウム(戸田工業(株)製、T−BTO−020RF:平均粒子径0.027μm)1704.35重量部の順に混合後、ホモジナイザーを用いて混合し、分散液A−25Aを得た。ホモジナイザーのカップ内にジルコニアボール((株)ニッカトー製、YTZボール、寸法φ0.5mm)を1.7kg充填した。ウルトラアペックスミルUAM−015(寿工業(株)製)のベッセル内にジルコニアボール((株)ニッカトー製、YTZボール、寸法φ0.05mm)を0.4kg充填し、ローターを回転させながら、分散液A−25Aをベッセル内に送液、循環させた。ローターの周速12m/sで2時間分散し、分散液A−25Bを得た。分散液A−25Bは、粘度が高く、ベッセル内でビーズと分散液の分離が不十分であったため、さらに孔径10μmのフィルターを用いて濾過し、分散液A−25Cを得た。分散液A−25Cの粒度分布50%径0.102μm、90%径は0.254μmであり、一次粒子径付近まで分散することは困難であった。分散液A−25Cを15重量部とエポキシ樹脂溶液B−9を2.62重量部と、界面活性剤としてビックケミー・ジャパン(株)製、BYK−333を0.008重量部とをボールミルを用いて混合し、ペースト組成物全量に対する含有有機溶剤量が28.9重量%であるペースト組成物C−46を作製した。C−46を硬化させて得られる誘電体組成物中の高誘電率無機粒子の含有量は、誘電体組成物全量に対し73重量%である。
ペースト組成物C−46を孔径0.45μmのフィルターで濾過することができなかった。ペースト組成物C−46を孔径0.45μmのフィルターの代わりに孔径2μmのフィルターを用いて濾過した後、ITO付きガラス基板上にスピンコーターを用いて塗布し、オーブンを用いて80℃で15分間の熱処理を行い乾燥させた後、175℃で4時間の熱処理を行い硬化させ、膜厚1μmの誘電体組成物(硬化膜)を得た。膜厚調整はスピンコート時のスピン調整速度により行った。実施例40と同様にして評価を行った。結果は表4に示した。
実施例49
γ−ブチロラクトン1120重量部、分散剤(リン酸エステル骨格を有するコポリマー、ビックケミー・ジャパン(株)製、BYK−W9010)219.13重量部、チタン酸バリウム(戸田工業(株)製、T−BTO−020RF:平均粒子径0.027μm)1460.87重量部の順に混合後、ホモジナイザーを用いて混合し、分散液A−26Aを得た。ホモジナイザーは、カップ内にジルコニアボール((株)ニッカトー製、YTZボール、寸法φ0.5mm)を1.46kg充填して、氷浴中で処理した。ウルトラアペックスミルUAM−015(寿工業(株)製)のベッセル内にジルコニアボール((株)ニッカトー製、YTZボール、寸法φ0.05mm)を0.4kg充填し、ローターを回転させながら、分散液A−26Aをベッセル内に送液、循環させた。ローターの周速12m/sで2時間分散し、分散液A−26Bを得た。分散液A−26Bの粒度分布50%径0.045μm、90%径は0.104μmであった。分散液A−26Bを15重量部とエポキシ樹脂溶液B−9を2.25重量部と、界面活性剤としてビックケミー・ジャパン(株)製、BYK−333を0.01重量部とをボールミルを用いて混合し、ペースト組成物全量に対する含有有機溶剤量が37.8重量%であるペースト組成物C−47を作製した。C−47を硬化させて得られる誘電体組成物中の高誘電率無機粒子の含有量は、誘電体組成物全量に対し73重量%である。実施例40と同様にして評価を行った。結果は表4に示した。
実施例50
γ−ブチロラクトン1400重量部、分散剤(リン酸エステル骨格を有するコポリマー、ビックケミー・ジャパン(株)製、BYK−W9010)182.6重量部、チタン酸バリウム(戸田工業(株)製、T−BTO−020RF:平均粒子径0.027μm)1217.4重量部の順に混合後、ホモジナイザーを用いて混合し、分散液A−27Aを得た。ホモジナイザーは、カップ内にジルコニアボール((株)ニッカトー製、YTZボール、寸法φ0.5mm)を1.2kg充填して、氷浴中で処理した。ウルトラアペックスミルUAM−015(寿工業(株)製)のベッセル内にジルコニアボール((株)ニッカトー製、YTZボール、寸法φ0.05mm)を0.4kg充填し、ローターを回転させながら、分散液A−27Aをベッセル内に送液、循環させた。ローターの周速12m/sで2時間分散し、分散液A−27Bを得た。分散液A−27Bの粒度分布50%径0.038μm、90%径は0.08μmであった。分散液A−27Bを15重量部とエポキシ樹脂溶液B−9を1.88重量部と、界面活性剤としてビックケミー・ジャパン(株)製、BYK−333を0.01gとをボールミルを用いて混合し、ペースト組成物全量に対する含有有機溶剤量が47重量%であるペースト組成物C−48を作製した。C−48を硬化させて得られる誘電体組成物中の高誘電率無機粒子の含有量は、誘電体組成物全量に対し73重量%である。実施例40と同様にして評価を行った。結果は表4に示した。
実施例51
γ−ブチロラクトン2240重量部、分散剤(リン酸エステル骨格を有するコポリマー、ビックケミー・ジャパン(株)製、BYK−W9010)73.04重量部、チタン酸バリウム(戸田工業(株)製、T−BTO−020RF:平均粒子径0.027μm)486.96重量部の順に混合後、ホモジナイザーを用いて混合し、分散液A−28Aを得た。ホモジナイザーは、カップ内にジルコニアボール((株)ニッカトー製、YTZボール、寸法φ0.5mm)を0.5kg充填して、氷浴中で処理した。ウルトラアペックスミルUAM−015(寿工業(株)製)のベッセル内にジルコニアボール((株)ニッカトー製、YTZボール、寸法φ0.05mm)を0.4kg充填し、ローターを回転させながら、分散液A−28Aをベッセル内に送液、循環させた。ローターの周速12m/sで2時間分散し、分散液A−28Bを得た。分散液A−28Bの粒度分布50%径0.021μm、90%径は0.05μmであった。分散液A−28Bを15重量部とエポキシ樹脂溶液B−9を0.75重量部と、界面活性剤としてビックケミー・ジャパン(株)製、BYK−333を0.014重量部とをボールミルを用いて混合し、ペースト組成物全量に対する含有有機溶剤量が77.3重量%であるペースト組成物C−49を作製した。C−49を硬化させて得られる誘電体組成物中の高誘電率無機粒子の含有量は、誘電体組成物全量に対し73重量%である。実施例40と同様にして評価を行った。結果は表4に示した。
比較例10
γ−ブチロラクトン2520重量部、分散剤(リン酸エステル骨格を有するコポリマー、ビックケミー・ジャパン(株)製、BYK−W9010)36.52重量部、チタン酸バリウム(戸田工業(株)製、T−BTO−020RF:平均粒子径0.027μm)243.5重量部の順に混合後、ホモジナイザーを用いて混合し、分散液A−29Aを得た。ホモジナイザーは、カップ内にジルコニアボール((株)ニッカトー製、YTZボール、寸法φ0.5mm)を0.24kg充填して、氷浴中で処理した。ウルトラアペックスミルUAM−015(寿工業(株)製)のベッセル内にジルコニアボール((株)ニッカトー製、YTZボール、寸法φ0.05mm)を0.4kg充填し、ローターを回転させながら、分散液A−29Aをベッセル内に送液、循環させた。ローターの周速12m/sで2時間分散し、分散液A−29Bを得た。分散液A−29Bの粒度分布50%径0.021μm、90%径は0.051μmであった。分散液A−29Bを15重量部とエポキシ樹脂溶液B−9を0.38重量部と、界面活性剤としてビックケミー・ジャパン(株)製、BYK−333を0.014重量部とをボールミルを用いて混合し、ペースト組成物全量に対する含有有機溶剤量が88.4重量%であるペースト組成物C−50を作製した。C−50を硬化させて得られる誘電体組成物中の高誘電率無機粒子の含有量は、誘電体組成物全量に対し73重量%である。
ペースト組成物C−50を用い、実施例40と同様にして、誘電体組成物(硬化膜)を得たが、粘度が低く、膜厚1μm以上の硬化膜が得られず、膜厚は0.3μmであった。実施例40と同様にして評価を行った。また、印加電圧2Vにおけるリーク電流値が、20mA以上となり、評価装置の測定電流の上限値を超えたため、測定することができなかった。比誘電率は、リーク電流が大きく測定することができなかった。この誘電体組成物の電圧保持率は0%であった。結果は表4に示した。
実施例52
分散液A−24Bを15重量部とエポキシ樹脂溶液B−9を1.13重量部と、界面活性剤としてビックケミー・ジャパン(株)製、BYK−333を0.012重量部とをボールミルを用いて混合し、ペースト組成物全量に対する含有有機溶剤量が66.7重量%であるペースト組成物C−51を作製した。C−51を硬化させて得られる誘電体組成物中の高誘電率無機粒子の含有量は、誘電体組成物全量に対し73重量%である。
ペースト組成物C−51を孔径0.45μmのフィルターを用いて濾過したが、すぐに目詰まりしてしまい、濾過することが困難であった。ペースト組成物C−51を孔径0.45μmの代わりに孔径2μmのフィルターを用いて濾過した後、実施例40と同様にして膜厚1μmの誘電体組成物(硬化膜)を得た。実施例40と同様にして評価を行った。結果は表5に示した。
実施例53
γ−ブチロラクトン1960重量部、分散剤(リン酸エステル骨格を有するコポリマー、ビックケミー・ジャパン(株)製、BYK−W9010)140重量部、チタン酸バリウム(戸田工業(株)製、T−BTO−010RF:平均粒子径0.012μm)700重量部の順に混合後、ホモジナイザーを用いて混合し、分散液A−30Aを得た。ホモジナイザーは、カップ内にジルコニアボール((株)ニッカトー製、YTZボール、寸法φ0.5mm)を0.7kg充填して、氷浴中で処理した。ウルトラアペックスミルUAM−015(寿工業(株)製)のベッセル内にジルコニアボール((株)ニッカトー製、YTZボール、寸法φ0.05mm)を0.4kg充填し、ローターを回転させながら、分散液A−30Aをベッセル内に送液、循環させた。ローターの周速12m/sで2時間分散し、分散液A−30Bを得た。分散液A−30Bの粒度分布50%径0.013μm、90%径は0.037μmであった。分散液A−30Bを15重量部とエポキシ樹脂溶液B−9を0.84重量部と、界面活性剤としてビックケミー・ジャパン(株)製、BYK−333を0.012重量部とをボールミルを用いて混合し、ペースト組成物全量に対する含有有機溶剤量が67.5重量%であるペースト組成物C−52を作製した。C−52を硬化させて得られる誘電体組成物中の高誘電率無機粒子の含有量は、誘電体組成物全量に対し73重量%である。実施例40と同様にして評価を行った。結果は表5に示した。
実施例54
γ−ブチロラクトン1960重量部、分散剤(リン酸エステル骨格を有するコポリマー、ビックケミー・ジャパン(株)製、BYK−W9010)109.6重量部、チタン酸バリウム(戸田工業(株)製、T−BTO−030R:平均粒子径0.03μm)730.4重量部の順に混合後、ホモジナイザーを用いて混合し、分散液A−31Aを得た。ホモジナイザーは、カップ内にジルコニアボール((株)ニッカトー製、YTZボール、寸法φ0.5mm)を0.73kg充填して、氷浴中で処理した。ウルトラアペックスミルUAM−015(寿工業(株)製)のベッセル内にジルコニアボール((株)ニッカトー製、YTZボール、寸法φ0.05mm)を0.4kg充填し、ローターを回転させながら、分散液A−31Aをベッセル内に送液、循環させた。ローターの周速12m/sで2時間分散し、分散液A−31Bを得た。分散液A−31Bの粒度分布50%径0.048μm、90%径は0.082μmであった。分散液A−31Bを15重量部とエポキシ樹脂溶液B−9を1.13重量部と、界面活性剤としてビックケミー・ジャパン(株)製、BYK−333を0.012重量部とをボールミルを用いて混合し、ペースト組成物全量に対する含有有機溶剤量が66.7重量%であるペースト組成物C−53を作製した。C−53を硬化させて得られる誘電体組成物中の高誘電率無機粒子の含有量は、誘電体組成物全量に対し73重量%である。実施例40と同様にして評価を行った。結果は表5に示した。
比較例11
γ−ブチロラクトン1960重量部、分散剤(リン酸エステル骨格を有するコポリマー、ビックケミー・ジャパン(株)製、BYK−W9010)24.5重量部、チタン酸バリウム(Cabot,Inc.社製、K−Plus16:平均粒子径0.06μm)815.5重量部の順に混合後、ホモジナイザーを用いて混合し、分散液A−32Aを得た。ホモジナイザーは、カップ内にジルコニアボール((株)ニッカトー製、YTZボール、寸法φ0.5mm)を0.815kg充填して、氷浴中で処理した。ウルトラアペックスミルUAM−015(寿工業(株)製)のベッセル内にジルコニアボール((株)ニッカトー製、YTZボール、寸法φ0.05mm)を0.4kg充填し、ローターを回転させながら、分散液A−32Aをベッセル内に送液、循環させた。ローターの周速12m/sで2時間分散し、分散液A−32Bを得た。分散液A−32Bの粒度分布50%径0.15μm、90%径は0.27μmであった。分散液A−32Bを15重量部とエポキシ樹脂溶液B−9を1.14重量部と、界面活性剤としてビックケミー・ジャパン(株)製、BYK−333を0.012重量部とをボールミルを用いて混合し、ペースト組成物全量に対する含有有機溶剤量が66.5重量%であるペースト組成物C−54を作製した。C−54を硬化させて得られる誘電体組成物中の高誘電率無機粒子の含有量は、誘電体組成物全量に対し73重量%である。実施例40と同様にして評価を行った。結果は表5に示した。
実施例55
分散液A−30Bを遠心分離にかけ上澄み部分のみを抽出し、分散液A−30Cを得た。遠心分離は、(株)日立ハイテクノロジーズ製の分離用小形超遠心機“himac、CS100GXL”(商品名)に同社製の“S55Aアングル形ローター(商品名)をセットし、50000rpmで、10分間処理を行った。さらにロータリーエバポレーターを用いて分散液A−30Cを濃縮し、分散液A−30Dを得た。分散液A−30Dの粒度分布50%径0.008μm、90%径は0.019μmであった。分散液A−30Dを15重量部とエポキシ樹脂溶液B−9を0.84重量部と、界面活性剤としてビックケミー・ジャパン(株)製、BYK−333を0.012重量部とをボールミルを用いて混合し、ペースト組成物全量に対する含有有機溶剤量が67.5重量%であるペースト組成物C−55を作製した。C−55を硬化させて得られる誘電体組成物中の高誘電率無機粒子の含有量は、誘電体組成物全量に対し73重量%である。実施例40と同様にして評価を行った。結果は表5に示した。
実施例56
γ−ブチロラクトン1960重量部、分散剤(リン酸エステル骨格を有するコポリマー、ビックケミー・ジャパン(株)製、BYK−W9010)109.6重量部、チタン酸バリウム(戸田工業(株)製、T−BTO−040RF:平均粒子径0.04μm)730.4重量部の順に混合後、ホモジナイザーを用いて混合し、分散液A−33Aを得た。ホモジナイザーは、カップ内にジルコニアボール((株)ニッカトー製、YTZボール、寸法φ0.5mm)を0.73kg充填して、氷浴中で処理した。ウルトラアペックスミルUAM−015(寿工業(株)製)のベッセル内にジルコニアボール((株)ニッカトー製、YTZボール、寸法φ0.05mm)を0.4kg充填し、ローターを回転させながら、分散液A−33Aをベッセル内に送液、循環させた。ローターの周速12m/sで2時間分散し、分散液A−33Bを得た。分散液A−33Bの粒度分布50%径0.049μm、90%径は0.092μmであった。分散液A−33Bを15重量部とエポキシ樹脂溶液B−9を1.13重量部と、界面活性剤としてビックケミー・ジャパン(株)製、BYK−333を0.012重量部とをボールミルを用いて混合し、ペースト組成物全量に対する含有有機溶剤量が66.7重量%であるペースト組成物C−56を作製した。C−56を硬化させて得られる誘電体組成物中の高誘電率無機粒子の含有量は、誘電体組成物全量に対し73重量%である。実施例40と同様にして評価を行った。結果は表5に示した。
比較例12
γ−ブチロラクトン1960重量部、分散剤(リン酸エステル骨格を有するコポリマー、ビックケミー・ジャパン(株)製、BYK−W9010)8.3重量部、チタン酸バリウム(戸田工業(株)製、T−BTO−020RF:平均粒子径0.027μm)831.7重量部の順に混合し、分散液A−34Aを得た。分散液A−34Aは粘度が高く、ビーズで分散できる状態ではなかったため、γ−ブチロラクトンで希釈した後、ホモジナイザーで分散し、分散液A−34Cを得た。分散液A−34Cの粒度分布50%径は0.56μm、90%径1.3μmであった。分散液A−34Cとエポキシ樹脂溶液B−9を混合し、硬化させて得られる誘電体組成物中の高誘電率無機粒子の含有量は誘電体組成物全量に対し、73重量%となるように調整したペースト組成物C−57を得た。ペースト組成物C−57はペースト全量に対する含有有機溶剤量が88%となった。
ペースト組成物C−57は孔径2μmのフィルターを用いて濾過することができなかった。ペースト組成物C−57をITO付きガラス基板上にスピンコーターを用いて塗布し、オーブンを用いて80℃で15分間の熱処理を行い乾燥させた後、175℃で4時間の熱処理を行い硬化させて、誘電体組成物の膜を得た。この誘電体組成物の波長400〜700nmにおける光線透過率の最小値は測定部位によるばらつきが大きく、5〜10%の範囲であった。また、印加電圧2Vにおけるリーク電流値が、20mA以上となり、評価装置の測定電流の上限値を超えたため、測定することができなかった。比誘電率は、リーク電流が大きく測定することができなかった。この誘電体組成物の電圧保持率は0%であった。
実施例57
γ−ブチロラクトン1960重量部、分散剤(リン酸エステル骨格を有するコポリマー、ビックケミー・ジャパン(株)製、BYK−W9010)62.22重量部、チタン酸バリウム(戸田工業(株)製、T−BTO−020RF:平均粒子径0.027μm)777.78重量部の順に混合し、分散液A−35Aを得た。ウルトラアペックスミルUAM−015(寿工業(株)製)のベッセル内にジルコニアボール((株)ニッカトー製、YTZボール、寸法φ0.5mm)を0.4kg充填し、ローターを回転させながら、分散液A−35Aをベッセル内に送液、循環させた。ローターの周速8m/sで1時間分散後、分散液A−35Bを得た。ベッセル内のビーズを回収し、新たにジルコニアボール((株)ニッカトー製、YTZボール、寸法φ0.05mm)を0.4kg充填した。ビーズ交換後、ローターを回転させながら、分散液A−35Bをベッセル内に送液、循環させた。ローターの周速12m/sで、90分間分散し、分散液A−35Cを得た。また、120分間分散した分散液A−35Dを得た。分散液A−35Cの粒度分布50%径は0.027μm、90%径は0.061μmであった。分散液A−35Dの粒度分布50%径は0.035μm、90%径は0.074μmとなり、実施例46より分散剤が少ないため、長時間の分散では粒度分布の増加が確認された。分散液A−35Cを15重量部とエポキシ樹脂溶液B−9を1.56重量部と、界面活性剤としてビックケミー・ジャパン(株)製、BYK−333を0.012重量部とをボールミルを用いて混合し、ペースト組成物全量に対する含有有機溶剤量が65.5重量%であるペースト組成物C−58を作製した。C−58を硬化させて得られる誘電体組成物中の高誘電率無機粒子の含有量は、誘電体組成物全量に対し73重量%である。実施例40と同様にして評価を行った。結果は表5に示した。
実施例58
γ−ブチロラクトン1960重量部、分散剤(リン酸エステル骨格を有するコポリマー、ビックケミー・ジャパン(株)製、BYK−W9010)140重量部、チタン酸バリウム(戸田工業(株)製、T−BTO−020RF:平均粒子径0.027μm)700重量部の順に混合し、分散液A−36Aを得た。ウルトラアペックスミルUAM−015(寿工業(株)製)のベッセル内にジルコニアボール((株)ニッカトー製、YTZボール、寸法φ0.5mm)を0.4kg充填し、ローターを回転させながら、分散液A−36Aをベッセル内に送液、循環させた。ローターの周速8m/sで1時間分散後、分散液A−36Bを得た。ベッセル内のビーズを回収し、新たにジルコニアボール((株)ニッカトー製、YTZボール、寸法φ0.05mm)を0.4kg充填した。ビーズ交換後、ローターを回転させながら、分散液A−36Bをベッセル内に送液、循環させた。ローターの周速12m/sで、120分間分散し、分散液A−36Cを得た。分散液A−36Cの粒度分布50%径は0.021μm、90%径は0.049μmであった。分散液A−36Cを15重量部とエポキシ樹脂溶液B−9を0.84重量部と、界面活性剤としてビックケミー・ジャパン(株)製、BYK−333を0.012重量部とをボールミルを用いて混合し、ペースト組成物全量に対する含有有機溶剤量が67.5重量%であるペースト組成物C−59を作製した。C−59を硬化させて得られる誘電体組成物中の高誘電率無機粒子の含有量は、誘電体組成物全量に対し73重量%である。実施例40と同様にして評価を行った。結果は表5に示した。
比較例13
γ−ブチロラクトン1960重量部、分散剤(リン酸エステル骨格を有するコポリマー、ビックケミー・ジャパン(株)製、BYK−W9010)183.75重量部、チタン酸バリウム(戸田工業(株)製、T−BTO−020RF:平均粒子径0.027μm)656.25重量部の順に混合し、分散液A−37Aを得た。ウルトラアペックスミルUAM−015(寿工業(株)製)のベッセル内にジルコニアボール((株)ニッカトー製、YTZボール、寸法φ0.5mm)を0.4kg充填し、ローターを回転させながら、分散液A−37Aをベッセル内に送液、循環させた。ローターの周速8m/sで1時間分散後、分散液A−37Bを得た。ベッセル内のビーズを回収し、新たにジルコニアボール((株)ニッカトー製、YTZボール、寸法φ0.5mm)を0.4kg充填した。ビーズ交換後、ローターを回転させながら、分散液A−37Bをベッセル内に送液、循環させた。ローターの周速12m/sで、120分間分散し、分散液A−37Cを得た。分散液A−37Cの粒度分布50%径は0.02μm、90%径は0.047μmであった。分散液A−37Cを15重量部とエポキシ樹脂溶液B−9を0.42重量部と、界面活性剤としてビックケミー・ジャパン(株)製、BYK−333を0.012重量部とをボールミルを用いて混合し、ペースト組成物全量に対する含有有機溶剤量が68.7重量%であるペースト組成物C−60を作製した。C−60を硬化させて得られる誘電体組成物中の高誘電率無機粒子の含有量は、誘電体組成物全量に対し73重量%である。実施例40と同様にして評価を行った。結果は表5に示した。
実施例59
分散液A−24Cを15重量部とアクリル樹脂(東亜合成(株)製、“アロニックス”(商品名)M305)を6.43重量部と光重合開始剤(チバガイキー(株)製、イルガキュア(商品名)184)を0.32重量部、γ−ブチロラクトン1.99重量部とをボールミルを用いて混合し、ペースト組成物全量に対する含有有機溶剤量が52.6重量%であるペースト組成物C−61を作製した。C−61を硬化させて得られる誘電体組成物中の高誘電率無機粒子の含有量は、誘電体組成物全量に対し35重量%である。実施例47と同様にして評価を行った。結果を表5に示した。
実施例60
分散液A−24Cを15重量部とアクリル樹脂(東亜合成(株)製、“アロニックス”(商品名)M305)を3.2重量部と光重合開始剤(チバガイキー(株)製、“イルガキュア”(商品名)184)を0.16重量部、γ−ブチロラクトン0.99重量部とをボールミルを用いて混合し、ペースト組成物全量に対する含有有機溶剤量が59.4重量%であるペースト組成物C−62を作製した。C−62を硬化させて得られる誘電体組成物中の高誘電率無機粒子の含有量は、誘電体組成物全量に対し50重量%である。実施例47と同様にして評価を行った。結果を表5に示した。
実施例61
分散液A−24Cを15重量部とアクリル樹脂(東亜合成(株)製、“アロニックス”(商品名)M305)を0.83重量部と光重合開始剤(チバガイキー(株)製、“イルガキュア”(商品名)184)を0.04重量部、γ−ブチロラクトン0.26重量部とをボールミルを用いて混合し、ペースト組成物全量に対する含有有機溶剤量が66.7重量%であるペースト組成物C−63を作製した。C−63を硬化させて得られる誘電体組成物中の高誘電率無機粒子の含有量は、誘電体組成物全量に対し73重量%である。実施例47と同様にして評価を行った。結果を表5に示した。
実施例62
乳酸エチル1960重量部、分散剤(リン酸エステル骨格を有するコポリマー、ビックケミー・ジャパン(株)製、BYK−W9010)109.6重量部、チタン酸バリウム(戸田工業(株)製、T−BTO−020RF:平均粒子径0.027μm)730.4重量部の順に混合し、分散液A−38Aを得た。ウルトラアペックスミルUAM−015(寿工業(株)製)のベッセル内にジルコニアボール((株)ニッカトー製、YTZボール、寸法φ0.5mm)を0.4kg充填し、ローターを回転させながら、分散液A−38Aをベッセル内に送液、循環させた。ローターの周速8m/sで1時間分散後、分散液A−38Bを得た。ベッセル内のビーズを回収し、新たにジルコニアボール((株)ニッカトー製、YTZボール、寸法φ0.05mm)を0.4kg充填した。ビーズ交換後、ローターを回転させながら、分散液A−38Bをベッセル内に送液、循環させた。ローターの周速12m/sで、粒度分布が0.02±0.01μmになるまで分散を行い、分散液A−38Cを得た。分散液A−38Cの粒度分布50%径は0.022μm、90%径は0.049μmであった。
分散液A−38Cを15重量部とエポキシ樹脂溶液B−9を1.13重量部と、界面活性剤としてビックケミー・ジャパン(株)製、BYK−333を0.012重量部をボールミルを用いて混合し、ペースト組成物全量に対する含有有機溶剤量が66.7重量%であるペースト組成物C−64を作製した。C−64を硬化させて得られる誘電体組成物中の高誘電率無機粒子の含有量は、誘電体組成物全量に対し73重量%である。実施例47と同様にして評価を行った。結果を表7に示した。
実施例63
ペースト組成物C−64を孔径0.45μmのフィルターを用いて濾過した後、ITO付きガラス基板上にスピンコーターを用いて塗布し、オーブンを用いて80℃で15分間の熱処理を行い乾燥させた後、175℃で4時間の熱処理を行い硬化させ、膜厚1μmの誘電体組成物(硬化膜)を得た。膜厚調整はスピンコート時のスピン調整速度により行った。さらに、この誘電体組成物上にフッ素系界面活性剤(大日本インキ化学工業(株)製、“ディフェンサ”(商品名)MCF−350SF)を用いて0.1μm厚の透明被膜を形成した。実施例40と同様にして評価を行った。結果を表7に示した。
Figure 0003995020
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Figure 0003995020
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本発明の、ペースト組成物および誘電体組成物は、ディスプレイの表示部に使用される透明キャパシタ用材料や、エレクトロウェッティングタイプの電子ペーパーの電解液に接する材料などとして好適に利用可能である。
実施例における電圧保持率の算出で用いた上部電極とITO透明電極間の電位差と印加矩形パルスの関係を示した図

Claims (13)

  1. (a)樹脂、(b)ペロブスカイト系結晶構造を有する高誘電率無機粒子、(c)有機溶剤、および分散剤を含有するペースト組成物であって、(b)高誘電率無機粒子の平均粒子径が0.002μm以上0.06μm以下であり、全有機溶剤量がペースト組成物全量の35重量%以上85重量%以下であり、分散剤の含有量が(b)ペロブスカイト系結晶構造を有する高誘電率無機粒子に対し5重量%以上25重量%以下であるペースト組成物。
  2. (b)ペロブスカイト系結晶構造を有する高誘電率無機粒子の平均粒子径が0.002μm以上0.04μm以下である請求項1記載のペースト組成物。
  3. (a)樹脂が熱硬化性である請求項1記載のペースト組成物。
  4. (a)樹脂がアクリル樹脂もしくはエポキシ樹脂を有する請求項1記載のペースト組成物。
  5. 請求項1記載のペースト組成物を硬化させて得られる、(a)樹脂、(b)ペロブスカイト系結晶構造を有する高誘電率無機粒子を含有する誘電体組成物であって、(b)高誘電率無機粒子の平均粒子径が0.002μm以上0.06μm以下である誘電体組成物。
  6. (b)ペロブスカイト系結晶構造を有する高誘電率無機粒子の平均粒子径が0.002μm以上0.04μm以下である請求項記載の誘電体組成物。
  7. (b)ペロブスカイト系結晶構造を有する高誘電率無機粒子の含有量が、誘電体組成物全体に対し30重量%以上99重量%以下である請求項記載の誘電体組成物。
  8. 波長400〜700nmの全域における光線透過率が50%以上100%以下である請求項記載の誘電体組成物。
  9. 周波数1kHzにおける比誘電率が10以上、300以下である請求項記載の誘電体組成物。
  10. (a)樹脂が熱硬化性である請求項記載の誘電体組成物。
  11. (a)樹脂がアクリル樹脂もしくはエポキシ樹脂を有する請求項記載の誘電体組成物。
  12. 請求項11のいずれか記載の誘電体組成物と、波長400〜700nmの全域における光線透過率が50%以上100%以下である透明電極を有するキャパシタ。
  13. 金属、セラミックス、ガラスのいずれかの平均粒子径が0.02mm以上0.1mm以下であるビーズを分散メディアとして用いて、(b)ペロブスカイト系結晶構造を有する高誘電率無機粒子を有機溶剤に分散して(d)分散液を作製し、次に樹脂、もしくは樹脂と有機溶剤を有する樹脂溶液と(d)分散液とを混合する請求項1記載のペースト組成物の製造方法。
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