JP2007098904A - ポリイミドフィルムの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 前駆体ポリアミド酸フィルムを支持体上で製造する第一乾燥工程と前記フィルムを熱により反応させてイミド化反応させる工程との間に、支持体から剥離した前駆体フィルムを両面から溶媒を乾燥させる両面乾燥工程を導入したことを特徴とするポリイミドフィルムの製造方法。
【選択図】 なし
Description
ポリイミドベンゾオキサゾールフィルムは従来のポリイミドフィルムに比べて耐熱性も優れているので、熱加工する時に発生するカールは抑制される傾向にあるが、電子機器の小型化、配線の高密度化が進むに伴い、更なる改良が求められている。
すなわち本発明は、以下の構成である。
1.芳香族テトラカルボン酸類の残基と芳香族ジアミン類の残基とを有するポリイミドフィルムの製造方法において、前駆体ポリアミド酸フィルムを支持体上で製造する第一乾燥工程と前記フィルムを熱により反応させてイミド化反応させる工程との間に、両面から溶媒を乾燥させる両面乾燥工程を導入したことを特徴とするポリイミドフィルムの製造方法。
2.ポリイミドフィルムが、少なくとも芳香族テトラカルボン酸類の残基としてピロメリット酸残基、芳香族ジアミン類の残基としてベンゾオキサゾール構造を有する芳香族ジアミン残基とを有するポリイミドフィルムである前記1記載のポリイミドフィルムの製造方法。
3.両面乾燥工程が、第一乾燥工程後に支持体から剥離した前駆体ポリアミド酸フィルムを乾燥する工程である前記1又は2記載のポリイミドフィルムの製造方法。
4.両面乾燥工程を通過後の前駆体ポリアミド酸フィルムが、一方の面(A面)の面配向度をIaとし、他一方の面(B面)の面配向度をIbとするとき、Ia、Ib共に1以上2.0以下でありかつIa、Ibの両者の差が0.3以下である前記1〜3記載のポリイミドフィルムの製造方法。
5.前記1〜4記載の製造方法で得られたポリイミドフィルムのカール度が、5%以下であるポリイミドフィルムの製造方法。
さらに、本発明で得られるポリイミドフィルムは、フィルム表裏の配向の絶対値差を容易に小さく制御することができる。したがって、フィルム内部に内在している応力も小さいため、配向性が影響される300℃を超えるような高温で処理したとしても、カールの発生を最小限に抑制することができるため、FPCやTABキャリアテープの製造に適するという利点を有する。本発明は、特に厚さが大きいポリイミドフィルムにおいて上記効果の得られる製造方法である。
この製造方法によって得られるポリイミドフィルムは、カール度が5%以下であるという、従来にない優れた熱変形安定性を有する。
本発明において、フィルムのカール度とは、所定の熱処理を行った後のフィルムの面方向に対する厚さ方向への変形度合を意味し、具体的には、図1に示すように50mm×50mmの試験片を、400℃で10分間熱風処理した後に、平面上に試験片を静置し、四隅の平面からの距離(h1、h2、h3、h4:単位mm)の平均値をカール量(mm)とし、試験片の各頂点から中心までの距離(35.36mm)に対するカール量の百分率(%)で表される値である。
具体的には、次式によって算出される。
カール量(mm)=(h1+h2+h3+h4)/4
カール度(%)=100×(カール量)/35.36
具体的測定法は、FT−IR(測定装置:Digilab社製、FTS−60A/896等)により偏光ATR測定を、一回反射ATRアタッチメントをgolden gate MkII(SPECAC社製)、IREをダイアモンド、入射角を45°、分解能を4cm-1、積算回数128回の条件でフィルム表面について測定を行った場合の1480cm-1付近に現れるピーク(芳香環環振動)における各方向の吸収係数(Kx、KyおよびKz)を求め、次式により定義されるものである。(但し、KxはMD方向、KyはTD方向、Kzは厚さ方向の吸収係数をそれぞれ示す。)
面配向度=(Kx+Ky)/2×Kz
一方の面の面配向度と他方の面との面配向度の差とは、本発明の各フィルム(前駆体フィルム)における表裏のそれぞれについて面配向度を測定し、その差(大きい値から小さい値を減じた値)で表されるものである。
前記本発明の製造法で得られる前駆体フィルムをイミド化することで本発明のポリイミドフィルムが得られ、得られたポリイミドフィルムは、カール度が5%以下である。
本発明においては、特定の前駆体ポリアミド酸フィルムをイミド化することで得られたポリイミドフィルムのカール度が5%以下という、FPCやTAB用キャリアテープなどに適した熱変形安定性を達成することができることを見出した。
下記のベンゾオキサゾール構造を有する芳香族ジアミン類および上記芳香族ジアミン類における芳香環上の水素原子の一部もしくは全てがハロゲン原子、炭素数1〜3のアルキル基又はアルコキシ基、シアノ基、又はアルキル基又はアルコキシ基の水素原子の一部もしくは全部がハロゲン原子で置換された炭素数1〜3のハロゲン化アルキル基又はアルコキシ基で置換された芳香族ジアミン類等が挙げられる。
該芳香族ジアミン類は、単独であっても二種以上を用いることも可能である。
本発明においては、全テトラカルボン酸二無水物の30モル%未満であれば下記に例示される非芳香族のテトラカルボン酸二無水物類を一種又は二種以上を併用しても構わない。用いられる非芳香族テトラカルボン酸二無水物類としては、例えば、ブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、ペンタン−1,2,4,5−テトラカルボン酸二無水物、シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、シクロヘキサン−1,2,4,5−テトラカルボン酸二無水物、シクロヘキサ−1−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、3−エチルシクロヘキサ−1−エン−3−(1,2),5,6−テトラカルボン酸二無水物、1−メチル−3−エチルシクロヘキサン−3−(1,2),5,6−テトラカルボン酸二無水物、
<工程(a)>
芳香族ジアミン類と、芳香族テトラカルボン酸無水物類とを重合してポリアミド酸を得るときに用いる溶媒は、原料となるモノマーおよび生成するポリアミド酸のいずれをも溶解するものであれば特に限定されないが、極性有機溶媒が好ましく、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N−アセチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホリックアミド、エチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、スルホラン、ハロゲン化フェノール類等が挙げられる。これらの溶媒は,単独あるいは混合して使用することができる。溶媒の使用量は、原料となるモノマーを溶解するのに十分な量であればよく、具体的な使用量としては、モノマーを溶解した溶液に占めるモノマーの質量が、通常5〜40質量%、好ましくは10〜30質量%となるような量が挙げられる。
ポリアミド酸溶液を塗布する支持体は、ポリアミド酸溶液をフィルム状に成形するに足る程度の平滑性、剛性を有していればよく、表面が金属、プラスチック、ガラス、磁器などであるドラム又はベルト状回転体などが挙げられる。支持体の表面は好ましくは金属であり、より好ましくは錆びなくて耐腐食に優れるステンレスである。
適度な剛性と高い平滑性を有する高分子フィルムを利用する方法も好ましい態様である。
支持体の表面にはCr、Ni、Snなどの金属メッキを施してもよい。支持体表面は必要に応じて鏡面にしたり、あるいは梨地状に加工することができる。支持体へのポリアミド酸溶液の塗布は、スリット付き口金からの流延、押出機による押出し、スキージコーティング、リバースコーティング、ダイコーティング、アプリケータコーティング、ワイヤーバーコーティング等を含むが、これらに限られず、従来公知の溶液の塗布手段を適宜用いることができる。
両面乾燥工程の具体的方法としては、例えば支持体上の第一乾燥工程を終了した前駆体フィルムを支持体から剥離して、支持体に密接していたフィルム面側をフリーとした状態で前駆体フィルムを乾燥せしめる方法が挙げられる。
前駆体フィルムの一方の面(A面)の面配向度をIaとし、他一方の面(B面)の面配向度をIbとするとき、Ia、Ib共に1.0以上2.0以下でありかつIa、Ibの両者の差が0.3以下である範囲を超えると、得られるポリイミドフィルムのカール度が5%を超え、さらに引張弾性率が5GPaに満たない品質的に劣るポリイミドフィルムとなり易い。
具体的には、乾燥後の全質量に対する残留溶媒量は、好ましくは25〜50質量%であり、より好ましくは35〜45質量%である。当該残留溶媒量が25質量%より低い場合は、ポリイミド前駆体フィルムのその面の面配向度が相対的に高くなり、表裏面における面配向度の差の小さいポリイミド前駆体フィルムを得ることが困難になるばかりか、分子量低下により、ポリイミド前駆体フィルムが脆くなりやすい。また、50質量%を超える場合は、自己支持性が不十分となり、フィルムの搬送が困難になる。
乾燥温度が130℃より高い場合は、分子量低下がおこり、ポリイミド前駆体フィルムが脆くなりやすい。また、ポリイミド前駆体フィルム製造時にイミド化が一部進行し、イミド化工程時に所望の物性が得られにくくなる。また70℃より低い場合は、乾燥時間が長くなり、分子量低下がおこりやすく、また乾燥不十分でハンドリング性が悪くなる傾向がある。また、乾燥時間としては乾燥温度にもよるが、好ましくは10〜90分間であり、より好ましくは15〜80分間である。乾燥時間が90分間より長い場合は、分子量低下がおこり、フィルムが脆くなりやすく、また10分間より短い場合は、乾燥不十分でハンドリング性が悪くなる傾向がある。また、乾燥効率の向上又は乾燥時の気泡発生抑制のために、70〜130℃の範囲で温度を段階的に昇温して、乾燥してもよい。
この製造方法に適用されるポリイミドフィルム厚さは、3μm以上125μm以下の範囲が好ましく、本発明の効果がより発揮されるのは15μm以上125μm以下であり、さらに効果的に適用されるのは25μm以上125μm以下である。
乾燥装置は従来公知のものを適用でき、熱風、熱窒素、遠赤外線、高周波誘導加熱などを挙げることができる。
工程(b)で得られた表裏面の面配向度の差などが所定の範囲のポリイミド前駆体フィルムをイミド化することで表裏面面配向度の差の小さいカール度の小さいポリイミドフィルムが得られる。その具体的な方法としては、従来公知のイミド化反応を適宜用いることが可能である。例えば、閉環触媒や脱水剤を含まないポリアミド酸溶液を用いて、加熱処理に供することでイミド化反応を進行させる方法(所謂、熱閉環法)やポリアミド酸溶液に閉環触媒および脱水剤を含有させておいて、上記閉環触媒および脱水剤の作用によってイミド化反応を行わせる、化学閉環法を挙げることができるが、本発明においては熱閉環法が好ましい。
本発明の製造方法によって得られるポリイミドフィルムは、面配向度が小さい面を巻内にして管状物に巻き取ることで、更にカール度の小さいポリイミドフィルムを得ることができる。面配向度が小さい面を巻内にして管状物に巻き取る場合、その曲率半径は30mmから300mmの範囲とすることが好ましい。曲率半径がこの範囲を超えるとポリイミドフィルムのカール度が大きくなる場合がある。
1.ポリアミド酸の還元粘度(ηsp/C)
ポリマー濃度が0.2g/dlとなるようにN−メチル−2−ピロリドンに溶解した溶液をウベローデ型の粘度管により30℃で測定した。
2.ポリイミドフィルムのフィルム厚さ
フィルムの厚さは、マイクロメーター(ファインリューフ社製、ミリトロン(登録商標)1254D)を用いて測定した。
乾燥後のフィルムを長手方向(MD方向)および幅方向(TD方向)にそれぞれ長さ100mm、幅10mmの短冊状に切り出して試験片とし、引張試験機(島津製作所製オートグラフ(登録商標)機種名AG−5000A)を用い、引張速度50mm/分、チャック間距離40mmで測定し、引張弾性率、引張破断強度および引張破断伸度を求めた。
4.ポリイミドフィルムの線膨張係数(CTE)
下記条件で伸縮率を測定し、30〜300℃までを15℃間隔で分割し、各分割範囲の伸縮率/温度の平均値より求めた。
装置名 ; MACサイエンス社製TMA4000S
試料長さ ; 20mm
試料幅 ; 2mm
昇温開始温度 ; 25℃
昇温終了温度 ; 400℃
昇温速度 ; 5℃/min
雰囲気 ; アルゴン
試料を下記条件でDSC測定し、融点(融解ピーク温度Tpm)とガラス転移点(Tmg)をJIS K 7121に準拠して下記測定条件で求めた。
装置名 ; MACサイエンス社製DSC3100S
パン ; アルミパン(非気密型)
試料質量 ; 4mg
昇温開始温度 ; 30℃
昇温速度 ; 20℃/min
雰囲気 ; アルゴン
TGA装置(MACサイエンス社製TG−DTA2000S)を用い、ポリイミド前駆体フィルムを、窒素気流中にて、室温から10℃/分にて400℃まで昇温、400℃にて30分間保持した後の加熱質量減を測定し、その質量減少率を、質量減少は全て残留溶媒が揮発したものと仮定して、残留溶媒量(質量%)とした。
<重合およびフィルムの製造例1>
窒素導入管,温度計,攪拌棒を備えた反応容器内を窒素置換した後,5−アミノ−2−(p−アミノフェニル)ベンゾオキサゾール375質量部を仕込んだ。次いで、N,N−ジメチルアセトアミド5000質量部を加えて完全に溶解させた後、ピロメリット酸二無水物375質量部を加え,25℃の反応温度で30時間攪拌すると,褐色で粘調なポリアミド酸溶液が得られた。このもののηsp/Cは4.0dl/gであった。
続いてこのポリアミド酸溶液をステンレスベルトにスキージ/ベルト間のギャップを 550μmとしてコーティングし、第一乾燥工程として3つの熱風式乾燥ゾーンにて雰囲気温度で90℃×7.5分、90℃×7.5分、90℃×7.5分間乾燥した。
乾燥後に自己支持性となった前駆体フィルムをステンレスベルトから剥離し厚さ50μmのポリイミド前駆体フィルムを得た。
この剥離した前駆体フィルムを、熱風式乾燥ゾーンにて雰囲気温度130℃で10分間、両面乾燥を行った。
得られたポリイミド前駆体フィルムのIaは1.79、Ibは1.52であり、その差は0.27であった。またポリイミド前駆体フィルムの残留溶媒量は38.5質量%であった。
得られたポリイミド前駆体フィルムを、連続式の乾燥炉に通し、200℃にて3分間熱処理した後、450℃まで、約20秒間にて昇温し、450℃にて7分間熱処理し、5分間かけて室温まで冷却、褐色のポリイミドフィルムを得た。
得られたポリイミドフィルムの特性値を表1に示す。
実施例1で得られたポリアミド酸溶液をステンレスベルトにスキージ/ベルト間のギャップを550μmとしてコーティングし、第一乾燥工程として3つの熱風式乾燥ゾーンにて雰囲気温度で90℃×5分、100℃×5分、120℃×5分間乾燥した。
乾燥後に自己支持性となったポリアミド酸フィルムをステンレスベルトから剥離し厚さ50μmのポリイミド前駆体フィルムを得た。この剥離した前駆体フィルムを、熱風式乾燥ゾーンにて雰囲気温度130℃で10分間、両面乾燥を行った。
得られたポリイミド前駆体フィルムのIaは1.72、Ibは1.61であり、その差は0.11であった。またポリイミド前駆体フィルムの残留溶媒量は33.5質量%であった。
得られたポリイミド前駆体フィルムを、連続式の乾燥炉に通し、200℃にて3分間熱処理した後、450℃まで、約20秒間にて昇温し、450℃にて7分間熱処理し、5分間かけて室温まで冷却、褐色のポリイミドフィルムを得た。
得られたポリイミドフィルムの特性値を表1に示す。
実施例1で得られたポリアミド酸溶液をステンレスベルトにスキージ/ベルト間のギャップを550μmとしてコーティングし、第一乾燥工程として3つの熱風式乾燥ゾーンにて雰囲気温度で110℃×5分、110℃×5分、110℃×5分間乾燥した。
乾燥後に自己支持性となったポリアミド酸フィルムをステンレスベルトから剥離し厚さ50μmのポリイミド前駆体フィルムを得た。この剥離した前駆体フィルムを、熱風式乾燥ゾーンにて雰囲気温度130℃で10分間、両面乾燥を行った。
得られたポリイミド前駆体フィルムのIaは1.69、Ibは1.47であり、その差は0.22であった。またポリイミド前駆体フィルムの残留溶媒量は35.5質量%であった。
得られたポリイミド前駆体フィルムを、連続式の乾燥炉に通し、200℃にて3分間熱処理した後、450℃まで、約20秒間にて昇温し、450℃にて7分間熱処理し、5分間かけて室温まで冷却、褐色のポリイミドフィルムを得た。
得られたポリイミドフィルムの特性値を表1に示す。
実施例1で得られたポリアミド酸溶液をステンレスベルトにスキージ/ベルト間のギャップを550μmとしてコーティングし、第一乾燥工程である、3つの熱風式乾燥ゾーンにて雰囲気温度で100℃×10分、120℃×10分、130℃×10分間乾燥した。
乾燥後に自己支持性となったポリアミド酸フィルムをステンレスベルトから剥離し厚さ50μmのポリイミド前駆体フィルムを得た。得られたポリイミド前駆体フィルムのIaは2.3、Ibは1.69であり、その差は0.61であった。またポリイミド前駆体フィルムの残留溶媒量は31.5質量%であった。
得られたポリイミド前駆体フィルムを、連続式の乾燥炉に通し、200℃にて3分間熱処理した後、450℃まで、約20秒間にて昇温し、450℃にて7分間熱処理し、5分間かけて室温まで冷却、褐色のポリイミドフィルムを得た。
得られたポリイミドフィルムの特性値を表2に示す。
実施例1で得られたポリアミド酸溶液をステンレスベルトにスキージ/ベルト間のギャップを550μmとしてコーティングし、第一乾燥工程である、3つの熱風式乾燥ゾーンにて雰囲気温度で130℃×10分、130℃×10分、130℃×10分間乾燥した。
乾燥後に自己支持性となったポリアミド酸フィルムをステンレスベルトから剥離し厚さ46μmのポリイミド前駆体フィルムを得た。得られたポリイミド前駆体フィルムのIaは2.07、Ibは0.93であり、その差は1.14であった。またポリイミド前駆体フィルムの残留溶媒量は30.5質量%であった。
得られたポリイミド前駆体フィルムを、連続式の乾燥炉に通し、170℃にて3分間熱処理した後、450℃まで、約20秒間にて昇温し、450℃にて7分間熱処理し、5分間かけて室温まで冷却、褐色のポリイミドフィルムを得た。
得られたポリイミドフィルムの特性値を表2に示す。
実施例1で得られたポリアミド酸溶液をステンレスベルトにスキージ/ベルト間のギャップを550μmとしてコーティングし、第一乾燥工程である、3つの熱風式乾燥ゾーンにて雰囲気温度で120℃×5分、140℃×5分、150℃×5分間乾燥した。
乾燥後に自己支持性となったポリアミド酸フィルムをステンレスベルトから剥離し厚さ42μmのポリイミド前駆体フィルムを得た。得られたポリイミド前駆体フィルムのIaは1.38、Ibは0.85であり、その差は0.53であった。またポリイミド前駆体フィルムの残留溶媒量は24.5質量%であった。
得られたポリイミド前駆体フィルムを、連続式の乾燥炉に通し、170℃にて3分間熱処理した後、450℃まで、約20秒間にて昇温し、450℃にて7分間熱処理し、5分間かけて室温まで冷却、褐色のポリイミドフィルムを得た。
得られたポリイミドフィルムの特性値を表2に示す。
実施例1で得られたポリアミド酸溶液をステンレスベルトにスキージ/ベルト間のギャップを550μmとしてコーティングし、第一乾燥工程である、3つの熱風式乾燥ゾーンにて雰囲気温度で150℃×3分、150℃×3分、150℃×3分間乾燥した。
乾燥後に自己支持性となったポリアミド酸フィルムをステンレスベルトから剥離し厚さ41μmのポリイミド前駆体フィルムを得た。得られたポリイミド前駆体フィルムのIaは2.62、Ibは1.69であり、その差は0.93であった。またポリイミド前駆体フィルムの残留溶媒量は23.0質量%であった。
得られたポリイミド前駆体フィルムを、連続式の乾燥炉に通し、150℃にて3分間熱処理した後、450℃まで、約20秒間にて昇温し、450℃にて7分間熱処理し、5分間かけて室温まで冷却、褐色のポリイミドフィルムを得た。
得られたポリイミドフィルムの特性値を表2に示す。
実施例1〜3のポリイミドフィルムは、カール度は5%未満であったが、両面乾燥工程を導入していない比較例での製造方法においては、所定外物性のポリイミド前駆体フィルムとなり、この前駆体フィルムを使用してイミド化したポリイミドフィルムにおいてはカール度が大きく、また、強度や伸度も低いものであった。
2; アルミナ・セラミック板
Claims (5)
- 芳香族テトラカルボン酸類の残基と芳香族ジアミン類の残基とを有するポリイミドフィルムの製造方法において、前駆体ポリアミド酸フィルムを支持体上で製造する第一乾燥工程と前記フィルムを熱により反応させてイミド化反応させる工程との間に、両面から溶媒を乾燥させる両面乾燥工程を導入したことを特徴とするポリイミドフィルムの製造方法。
- ポリイミドフィルムが、少なくとも芳香族テトラカルボン酸類の残基としてピロメリット酸残基、芳香族ジアミン類の残基としてベンゾオキサゾール構造を有する芳香族ジアミン残基とを有するポリイミドフィルムである請求項1記載のポリイミドフィルムの製造方法。
- 両面乾燥工程が、第一乾燥工程後に支持体から剥離した前駆体ポリアミド酸フィルムを乾燥する工程である請求項1又は2記載のポリイミドフィルムの製造方法。
- 両面乾燥工程を通過後の前駆体ポリアミド酸フィルムが、一方の面(A面)の面配向度をIaとし、他一方の面(B面)の面配向度をIbとするとき、Ia、Ib共に1以上2.0以下でありかつIa、Ibの両者の差が0.3以下である請求項1〜3記載のポリイミドフィルムの製造方法。
- 請求項1〜4記載の製造方法で得られたポリイミドフィルムのカール度が、5%以下であるポリイミドフィルムの製造方法。
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