JP2005271233A - 溶液製膜方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 溶液製膜工程の渡り部において発生する、フィルムのツレ、シワ、側端部のカール等を抑制するとともにフィルムの薄膜化を図る。
【解決手段】 溶液製膜方法によりポリマーフィルム31を製造する。渡り部では、フィルム31のバンドからの反剥離面側に給気チャンバ36から送風し、剥離面側を排気チャンバ37により排気する。排気チャンバ37から吸引された排気は、給気に使用する。温度と溶媒ガス濃度と風速との少なくともひとつの送風条件はフィルム31の幅方向に変化させ、側端部が中央部よりも小さい乾燥速度となるように制御する。各条件範囲は、温度が0〜140℃、溶媒ガス濃度範囲が0.1〜50体積%、風速が1〜15m/秒とする。これにより従来よりもより薄いフィルム31を製造することができ、得られるフィルム31にはツレ、シワ、カール等の面状故障がない。
【選択図】 図3

Description

本発明は、溶液製膜方法に関するものである。特に、偏光板や光学補償フィルム、液晶表示装置等の光学分野を用途とするフィルムを製造するための溶液製膜方法に関するものである。
光学用途に用いられる各種のポリマーフィルムは、一般には流延ダイを用いてドープを支持体上に流延させ、これを支持体から剥ぎ取った後、乾燥工程を経て巻き取ることにより製造されている。これは、溶液製膜方法と呼ばれている代表的なフィルムの製造方法である。
偏光板や光学補償フィルム、液晶表示装置等の光学分野に用いるためのポリマーフィルムに関し、その溶液製膜による製造においては、生産性の向上、つまり製膜速度のアップが図られている。これは、上記の光学製品の需要の拡大とコストダウンに対する強い要望とによるものである。また、光学用途においては、高機能化及び多機能化に対する要求が大きく、それに対応するために、ポリマーフィルムの薄膜化が図られている。
なお、上記の溶液製膜方法では、支持体上のドープを、ポリマーフィルムとして支持体から剥ぎ取った後、このポリマーフィルムの平面性や機械的強度、光学特性等を改良するために、ポリマーフィルムの幅規制及び延伸を行うテンター装置を乾燥工程に設けることが一般的となっている。
支持体からポリマーフィルムを剥離した後から、テンター装置に至る搬送過程を、以降の説明においては渡り部と称することとする。この渡り部では、通常は、ポリマーフィルムを駆動または非駆動のローラにて搬送する。渡り部においては、ポリマーフィルムにツレやシワが発生したり、さらに、フィルムの側端部ではカール等が発生することがある。これらの変形は、いわゆる面状故障(以下の説明において、これをフィルム故障と称することもある)と呼ばれるものであり、製品としての品質を低下させる。さらにこの面状故障は、フィルムの製造工程におけるフィルム搬送性を低下させてしまい、製造ラインを停止せざるをえない事態を招くこともある。
そこで、渡り部における面状故障を抑制するために、例えば、支持体から剥離したポリマーフィルムが剥離後最初に接触する第1ローラを、支持体からの剥離面に接触させ、第1ローラに続く第2ローラを反剥離面側に接触させた後に、ポリマーフィルムを乾燥させる方法(例えば、特許文献1参照)や、少なくとも反剥離面側に関しては、接触式搬送ローラを用いずにエアフロータ型の無接触搬送手段を用いる方法や、両端部のみを把持手段により把持して製品部を無接触とする方法(例えば、特許文献2参照)等が提案されている。
また、剥離した後のポリマーフィルムの側端部に生じたカールを裁断する方法(例えば、特許文献3参照)や、渡り部においてはローラを千鳥状に配してフィルムを所定時間、所定温度に加熱する方法(例えば、特許文献4参照。)が提案されている。
特開2001−198933号公報(第4−5頁、第2図) 特開2001−277267号公報(第6−9頁、第3図) 特開平11−90942号公報(第3−4頁、第4図) 特開2001−315147号公報(第4−10頁、第1図)
しかしながら、以上の方法は、いずれも、上述したようなツレやシワ、側端部のカール、さらにローラの汚染等の現象をすべて満足するものではない。特に製造するフィルムの厚みが小さい場合には効果がない。例えば、特許文献1にように、支持体から剥離したポリマーフィルムが剥離後最初に接触する第1ローラを、支持体からの剥離面に接触させた場合には、剥離面は溶媒含有量が多くて軟らかく、そのために第1ローラとの接触によりキズがつきやすいという問題がある。また、エアフロータ型や両端把持の無接触搬送手段を用いる方法の場合には、フィルムが例えば数10μm等の薄いものであるときや揮発性溶媒の含有率が高いときに、フィルムのばたつきが大きくなって面状故障が発生したり、把持手段で破れてしまったりするという問題がある。
また、特許文献3のように側端部のカールを切断する方法では、カールは除去されるがシワや折れ等の抑制にはならない。そして、特許文献4のようにフィルムの反剥離面側をドラムやローラ等に接触させるだけでは、そのドラムやローラ等を汚染させてしまい、フィルムにキズ等の面状故障が発生する。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、渡り部においてフィルムに発生するツレやシワ、接着等や、渡り部のローラとの接触によって発生する表面の微細な変形や、フィルムからの添加剤析出によるローラの汚染を防止し、製膜速度を向上させてフィルムの薄膜化を図ることができる溶液製膜方法を提供することを目的する。
本発明では、溶媒を含むポリマーフィルムを支持体から剥離した後テンター装置へ搬送する溶液製膜方法において、前記テンター装置の上流のポリマーフィルムに送風し、この送風条件をポリマーフィルムの幅方向に少なくとも3分割して変化させ、前記送風条件が、送風温度と、風速と、送風気体における前記溶媒のガス濃度との少なくともいずれかひとつであることを特徴として構成されている。
そして、前記送風温度が0℃以上140℃以下であり、分割された送風条件について、両側端部以外のいずれかの温度をTnとし、その隣であって側端に近い一方の温度をT(n+1)とするとき、T(n+1)<Tnとすることが好ましい。また、前記送風気体における前記溶媒ガス濃度が0.1体積%以上50体積%以下であり、分割された送風条件について、両側端部以外のいずれかの前記溶媒のガス濃度をCnとし、その隣であって側端に近い一方のガス濃度をC(n+1)とするとき、Cn<C(n+1)とすることが好ましく、前記風速が1m/s以上15m/s以下であり、分割された送風条件について、両側端部以外のいずれかの風速をVnとし、その隣であって側端に近い一方の風速をV(n+1)とするとき、V(n+1)<Vnとすることが好ましい。
本発明では、また、支持体から溶媒を含むポリマーフィルムを剥がした後テンター装置へ搬送する溶液製膜方法において、テンター装置の上流のポリマーフィルムの両面に送風し、この送風条件を前記ポリマーフィルムの両面で独立制御して、この送風条件が、送風温度と、風速と、送風気体における前記溶媒のガス濃度との少なくともいずれかひとつであることを特徴として構成されている。
このとき、ポリマーフィルムの支持体からの剥離面側の送風温度をTUとし、反剥離面側の送風温度をTDとするとき、TU<TDとし、送風温度が0℃以上140℃以下であることが好ましい。また、溶媒ガス濃度が0.1体積%以上50体積%以下であり、ポリマーフィルムの前記支持体からの剥離面側の溶媒ガス濃度をCUとし、反剥離面側の溶媒ガス濃度をCDとするとき、CD<CUとすることが好ましく、前記風速が1m/秒以上15m/秒以下であり、ポリマーフィルムの支持体からの剥離面側の風速をVUとし、反剥離面側の風速をVDとするとき、VU<VDとすることが好ましい。
さらに、本発明は、支持体から溶媒を含むポリマーフィルムを剥がした後テンター装置へ搬送する溶液製膜方法において、テンター装置の上流のポリマーフィルムの両面に送風し、この送風条件をポリマーフィルムの両面で独立制御するとともにポリマーフィルムの幅方向に少なくとも3分割して変化させ、この送風条件が、送風温度と、風速と、送風気体における前記溶媒のガス濃度との少なくともいずれかひとつであることを含んで構成されている。
そして本発明では、上記の手段において、ポリマーフィルムの両側端部の支持体からの剥離面側または反剥離面側を排気することが好ましく、ポリマーフィルムの反剥離面側の側端部を、前記排気するための排気手段により吸引するとともに、支持手段により支持することが好ましい。
また、前記支持手段は、側端部径が中央部径よりも大きなローラであり、このローラの側端部のみで前記ポリマーフィルムを支持することが好ましく、このローラが側端部にポリマーフィルムを保持するためのピンを複数備えることがより好ましい。さらに、このローラの両端部の温度を、中央部温度よりも低くすることが好ましい。
本発明の溶液製膜方法により、渡り部においてポリマーフィルムに発生するツレやシワ、側端部のカールを抑制することができる。その結果、製膜速度を向上させてポリマーフィルムの薄膜化を図ることができる。
本発明について、図を参照しながら以下に詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施様態に限定されるものではない。図1は、本発明を実施した溶液製膜設備を示す概略図である。溶液製膜設備10は、ドープ11が供給されるリザーブタンク12と、送液用ポンプ15と、流延装置16と、テンター装置17と、ローラ乾燥装置21と、巻き取り装置22とを有する。流延装置16は、流延ダイ25と、バックアップローラ26により支持されながら搬送される支持体としてのバンド27とを有している。また、バンド27より剥離されたフィルム31を支持、あるいは搬送するためのローラ32が、流延装置16と巻き取り装置22との間に複数設置されているが、この数は図2に示された数に限定するものではなく適宜増減される。さらに、これらのローラ32は、駆動あるいは非駆動のいずれにするかについて適宜決められる。なお、図1においては、煩雑さを避けるためにこれらのローラ32については一部のみを図示している。また、流延装置16とテンター装置17との間を、渡り部33と以降称する。
リザーブタンク12から送液ポンプ15により流延ダイ25に送られたドープ11は、バンド27上に流延される。バンド27は、回転駆動するバックアップローラ26により連続搬送され、これにより、ドープ11は連続的に流延される。流延されたドープは、バンド27上で自己支持性をもったところで、フィルム31として剥ぎ取られる。この剥ぎ取りは、渡り部33における最上流に位置するローラにフィルム31が巻きかけられ、このローラの回転により連続的に行われることもあるし、その他の剥ぎ取り手段あるいはこれに代わる機能を有するものにより、フィルムの搬送方向にバンド27の下流から張力をかけることにより連続的に行われることもある。剥ぎ取られたフィルム31は、渡り部33を経て、テンター装置17へ送られる。なお、渡り部33については後に別の図面を参照しながら詳細に述べるものとし、図1においては詳細の図示を略す。
テンター装置17においては、フィルム31は、幅を規制され、かつ、延伸されながら乾燥される。テンター装置17では、テンタークリップ(図示せず)が、フィルム31の両側端部を保持しながらテンター軌道(図示せず)に従って走行し、このテンタークリップの走行によりフィルム31は搬送される。テンタークリップの代わりにピンクリップ等を用いる場合もある。そして、テンタークリップは、コントローラ(図示せず)により開閉を自動制御され、この開閉によりフィルム31の保持と保持解除とを制御する。フィルム31を保持したテンタークリップは、テンター装置17の内部で走行し、その出口付近の所定の保持解除点に到達すると保持部を開放してフィルム31の保持を解除するように自動制御される。
テンター装置17のフィルム31は、支持あるいは搬送用のローラ32により次工程であるローラ乾燥装置21へ送られて、ここで複数のローラ21aにより支持あるいは搬送されながら十分に乾燥された後、両側端部をカッタ22aにより切断除去されて製品として巻き取られる。
次に、図2及び図3を用いて本発明の第1の実施様態を説明する。図2は渡り部33の側面図であり、図3は図2におけるII−II線における断面図である。渡り部33には、複数のローラが配されており、これらのローラを上流側より第1,第2,・・・,第nローラとし(nは自然数)、符号R1,R2,・・・Rnを付す。第1〜第nローラR1〜Rnは、長手方向における中央部の温度を制御するコントローラ34を備えており、これらのローラR1〜Rnは同じ構造である。第1〜第nローラR1〜Rnの反フィルム側にはフィルム31に送風するための給気チャンバ36が設けられており、また、フィルム31側端部のバンド27からの剥離面側(以降、単に剥離面と称する。)には、フィルム31の周辺の排気をするための排気チャンバ37が設けられている。排気チャンバ37には、外部から排気を取り込むための集気口37aと排気チャンバから排気を出すための排気口37bとが備えられている。
給気チャンバ36は、フィルム31の幅方向に分割された5つの送風セクションを有している。図3においては、中央セクションに符号SCを付し、2つの側端部セクションには符号SE1,SE2を付し、また、側端部セクションSE1,SE2と中央セクションSCとの間の各セクションを中間セクションとして符号SM1,SM2を付す。中央セクションSCの送風口には符号36cを付し、側端部セクションSE1,SE2の送風口にはともに符号36eを付し、中間セクションSM1,SM2の送風口にはともに符号36mを付す。側端部セクションSE1,SE2については、その位置とフィルムの幅方向の長さとが、カッタ22aで切断除去される範囲に応じて決められている。そして、本実施形態では、中央セクションSCと中間セクションSM1,SM2とによる送風範囲は、カッタ22aで切断除去された後のフィルム31の製品部となるように設定している。給気チャンバ36には、コントローラ38が備えられている。コントローラ38は、濃度制御部38aと風速制御部38bと温度制御部38cとを備えており、排気チャンバ37の排気口37bと給気チャンバの空気の取込口38aとはコントローラ38を介して接続されている。
給気チャンバ36は、5つの各セクションSC,SE1,SE2,SM1,SM2の各送風口36c,36e,36mから、フィルム31のバンド27からの反剥離面(以降、単に反剥離面と称する。)に送風し、フィルム31を乾燥する。コントローラ38は、各セクションSC,SE1,SE2,SM1,SM2からフィルム31に送られるそれぞれの空気の状態を、独立して制御する。空気の状態とは、溶媒ガス濃度と風速と温度とである。渡り部33においてはフィルム31から溶媒が蒸発するために、排気チャンバ37を用いてフィルム近傍の排気をする。この排気は、コントローラ38を介して、給気チャンバ36へ送られて、フィルム31に対する送風気体として利用される。そして前記溶媒ガス濃度とは、溶媒がフィルムから蒸発して空気とともに排気チャンバに取り込まれ、その排気が給気チャンバ36からフィルム31に送られ、フィルム31に送風されるときの溶媒ガスの濃度である。したがって、本発明において、給気チャンバ36からフィルム31に送風される気体に、排気チャンバ37からの排気が用いられない場合には、溶媒ガス濃度はゼロとして考える。
濃度制御部38は、給気の溶媒ガス濃度が所定の値になるように、排気に含まれる溶媒ガスを除去する。濃度制御部38aは、排気を所定の温度に冷却し、溶媒ガスを凝縮し液体として回収する。そして、含有溶媒ガスを所定の値に制御した排気を風速制御部に送る。また、コントローラ38は、風速制御部38bで、給気チャンバ36からフィルム31に送風するための風速を制御する。濃度制御部38aを経た排気の量と、必要に応じて外部から取り込まれる空気の量とを制御することにより、風速は調整される。したがって、濃度制御部38aでは、この風速制御部38bにおける外部空気取り込み量に応じて、排気中の溶媒の凝縮速度を制御して回収量を制御する。ただし、濃度制御部38aと風速制御部38bとにおける溶媒ガス濃度と風速調整との調整方法はこれに限定されず、例えば、濃度制御部38aにおいて一定の速度で溶媒ガスを凝縮回収し、得られた濃度に応じて、風速制御部38bにて外部空気の取り込み量を設定し,これを送風してもよい。
さらに、コントローラ38は、温度制御部38cで、給気チャンバ36に送る送風気体を、所定の温度となるように温度制御する。温度制御部38cとしては、市販の気体温度制御手段を用いており、溶媒での劣化対策が講じられているようなヒータまたはクーラが好ましく、これにより送風温度を制御する。
ツレ、シワ、側端部のカールを抑制するために、給気チャンバ36によるフィルム31への送風につき、次の3つの条件のうち少なくともひとつを満たすことが効果的である。いずれの条件も、フィルム31の幅方向において、側端部から中央部にいくほど乾燥度が上がるように設定したものである。
ひとつは、中央セクションSCからの送風の温度をT1(単位;℃)とし、中間セクションSM1,SM2からの送風の温度をT2(単位;℃)とし、側端部セクションSE1,SE2からの送風の温度をT3(単位;℃)とするとき、0(℃)≦T3<T2<T1≦140(℃)とする送風条件である。いずれのセクションからの送風であっても、送風温度を140(℃)より高くすると、溶媒の蒸発速度が大きくなりすぎるために、フィルム31の内部の溶媒分子も急速に外部へ蒸発しようとしてフィルム31の面状故障が発生しやすくなる。また、送風温度が0(℃)より低いと、溶媒ガスの結露防止の点を考慮しながらの凝縮回収に関してその条件制御が困難またはコストが高くなるという問題がある。
また、送風温度が低いほど乾燥速度が小さく、高いほど乾燥速度が大きいので、T3<T2<T1とすることにより、フィルム31の幅方向中央部は乾燥が促進され、両側端部は中央部よりも乾燥速度が遅くなる。したがって、フィルム31の両側端部、本実施形態ではカッタ22a(図1参照)で切断除去される部分は、溶媒を多く含んだ状態で厚みも重量も大きく、渡り部33でツレ、シワ、カール等が発生しにくく安定した搬送が可能となる。そして、フィルムの製品部となる部分は、中央セクションSCと中間セクションSM1,SM2との送風により乾燥を進めることができる。また、中間セクションSM1,SM2は中央セクションSCよりも送風温度を低くしているが、これは、フィルムの切断除去対象部分と製品部との境界周辺で発生するシワ、ツレ等の面状故障を抑制するためである。この境界周辺のツレ、シワ等は、中間セクションSM1,SM2と側端部セクションSE1,SE2との送風温度の差が大きいときに、フィルムの側端部と製品部との乾燥度の差が大きくなり、体積収縮率の差が大きくなることに起因している。ただし、フィルム31の材料となるポリマーの粘弾性等により、この境界周辺のツレ、シワ等が発生しにくい場合には、中央セクションSCと中間セクションSM1,SM2との送風温度を同じとしてもよい。
ふたつめは、中央セクションSCからの送風の溶媒ガス濃度をC1(単位;体積%)とし、中間セクションSM1,SM2からの送風の溶媒ガス濃度をC2(単位;体積%)とし、側端部セクションSE1,SE2からの送風の溶媒ガス濃度をC3(単位;体積%)とするとき、0.1(体積%)≦C1<C2<C3≦50(体積%)とする送風条件である。いずれのセクションからの送風であっても、送風気体の溶媒ガス濃度を50(体積%)より大きくすると、送風による乾燥効果が得られず、また、0.1(体積%)より小さい溶媒ガス濃度にするためには、溶媒ガスを凝縮して回収するために要するエネルギーが大きくなりすぎる。
また、送風気体の溶媒ガス濃度が高いほど乾燥速度が小さく、低いほど乾燥速度が大きいので、C1<C2<C3とすることにより、フィルム31の幅方向中央部は乾燥が促進され、両側端部は中央部よりも乾燥速度が遅くなる。したがって、フィルム31の両側端部は、溶媒を多く含んだ状態であり、渡り部33でツレ、シワ、カール等が発生しにくく安定した搬送が可能となる。そして、フィルム31の製品部となる部分は、中央セクションSCと中間セクションSM1,SM2との送風の溶媒ガス濃度を側端部よりも低くすることにより、側端部よりも乾燥を進めることができる。また、中間セクションSM1,SM2は中央セクションSCよりも溶媒ガス濃度を高くしているが、これは、上記の送風温度条件に関する記載と同様に、フィルム31の切断除去対象部分と製品部との境界周辺で発生するシワ、ツレ等の面状故障を抑制するためである。ただし、フィルム31の材料となるポリマーの粘弾性等により、この境界周辺のツレ、シワ等が発生しにくい場合には、温度条件の場合と同様の考え方により、中央セクションSCと中間セクションSM1,SM2との送風気体の溶媒ガス濃度を同じとしてもよい。
中央セクションSCからの風速をV1(単位;m/秒)とし、中間セクションSM1,SM2からの風速をV2(単位;m/秒)とし、側端部セクションSE1,SE2からの風速をV3(単位;m/秒)とするとき、1(m/秒)≦V3<V2<V1≦15(m/秒)とする。いずれのセクションからの送風であっても、風速を1m/秒より小さくすると、送風による乾燥効果が得られず、また、15m/秒より大きいと、面状故障が発生あるいはより悪い状態となるという問題がある。
また、風速が小さいほど乾燥速度が小さく、大きいほど乾燥速度が大きいので、V3<V2<V1とすることにより、フィルム31の幅方向中央部は乾燥が促進され、両側端部は中央部よりも乾燥速度が遅くなる。したがって、フィルム31の両側端部は、溶媒を多く含んだ状態であり、渡り部33でツレ、シワ、カール等が発生しにくく安定した搬送が可能となる。そして、中央セクションSCと中間セクションSM1,SM2との風速を側端部セクションSEよりも大きくすることにより、フィルム31の製品部となる部分の乾燥を、側端部よりも進めることができる。また、中間セクションSM1,SM2は中央セクションSCよりも風速を小さくしているが、これは、上記の温度条件及び溶媒ガス濃度に関する記載と同様に、フィルム31の切断除去対象部分と製品部との境界周辺で発生するシワ、ツレ等の面状故障を抑制するためである。ただし、フィルム31の材料となるポリマーの粘弾性等により、この境界周辺のツレ、シワ等が発生しにくい場合には、温度条件及び溶媒ガス濃度の場合と同様の考え方により、中央セクションSCと中間セクションSM1,SM2との風速を同じとしてもよい。
上記の3つの送風条件は少なくとも1つの条件を満たすことでも効果があるが、任意の2つの条件を組み合わせると効果が大きく、3つすべてを組み合わせると特に効果が大きい。
フィルム31の製品部となる部分を、第2ローラR2に接触させる場合には、第2ローラ中央部R2bを加熱することが好ましい。そこで、本実施形態においては、第2ローラR2はその中央部R2bが二重構造としたジャケット式ローラであり、このジャケット内に所定温度とされた水等の各種熱媒を通過させることにより、中央部R2bの表面温度が制御される。これにより、フィルムの側端部を過度に乾燥させることなく、中央部のみの乾燥促進を図ることができる。
第2ローラR2の加熱方法は上記方法に限定されるものではない。例えば、中央部R2bの内部に加熱線を備えたローラとしてもよい。
また、第2ローラ側端部R2bの温度を制御するときには、例えば側端部R2aも中央部R2aと同様にジャケット式2重ローラとし、ジャケット内に伝熱媒体を通して、その伝熱媒体の温度を所定の温度に制御する方法でもよい。これにより、フィルム31の側端部の乾燥速度をより精緻に制御することができる。
そして、図3に示すように、ローラR2は、その側端部R2aに、フィルム31を保持するためのピンを多数備えている。ピン41はフィルム31の側端部を突き刺すことによりフィルムを保持する。これにより、ローラR2は、フィルム31を側端部のみで安定的に支持することができる。したがって、給気チャンバ36からの給気がなされて、空気流動がある状態下であっても、フィルム31は安定的に渡り部を搬送される。また、この方法によると、ローラR2にフィルム31がラップされていても、ローラR2上ではフィルム31がずれることがなく、接触摩擦によるキズ等の面状故障を防止することができる。ピン41の長さと太さと本数とは、製造するフィルム31の厚みや、搬送速度、ローラR2へのフィルム31の巻きかけ中心角(ラップ角)、ローラR2の外径、突き刺し時におけるフィルム31の粘性等に応じて決定することが好ましい。
フィルム31の保持方法は、ピン41による突き刺し保持に限定されるものではなく、フィルム31を安定的に保持することが可能であれば、他の方法に代えてもよい。例えば、ローラ側端部R2aの表面にエンボス加工を施し、エンボスの凹凸によりフィルムの側端部をスリップしないように保持する方法が挙げられる。また、本実施形態では、渡り部の他のすべてのローラR1,R3〜Rnを、図3に示すような第2ローラR2と同じとしているが、これに限定されるものではない。例えば、ローラR1〜Rnのうち、シワ・ツレ等を発生しやすい任意の箇所にこのようなローラを適用してもよく、その適用位置及び本数に本発明は依存しない。
本実施形態では、給気チャンバの送風セクションを、中央セクションSCと側端部セクションSE1,SE2と中間セクションSM1,SM2というように、フィルム31の幅方向で5つに分割したが、他の分割数でもよい。例えば、中央セクションと両側端部セクションとの3つに分割してもよい。この場合には中央セクションからの送風は、フィルムの製品部となる部分になされ、そして両端部セクションからの送風は、後の工程で切断除去されるフィルム側端部になされるように、中央セクション及び側端部セクションの幅を決定するとよい。なお、本実施形態のように5セクションに分割した場合であっても、中央セクションSCと中間セクションSE1,SE2とを同じ送風条件とすると、実質的には3セクションに分割した場合と同様であることは明確であり、3分割条件とするか5分割条件とするかについては適宜切り替えることができる。
さらに、6以上に分割した場合では、フィルムの幅方向の中心に関して概ね対称の送風条件を設定できるように分割し、側端部セクションからの給気を、切断除去されるフィルム側端部に対してなされるようにするとよい。そして、側端部セクションより内側のセクションの給気条件に関しては、本実施形態のように、中心から両側端部にかけてマイルドな条件となるように各セクションの送風条件を設定するとよい。なお、5分割以外に分割した場合においては、各セクションからの送風条件、つまり、温度と溶媒ガス濃度と風速の各条件について、その上限と下限の値を本実施形態の上記値とすることが好ましい。
また、本実施形態においては、幅方向に複数の送風セクションを有する給気チャンバを1台使用して、その送風セクション毎に送風条件を設定することによりフィルムの乾燥速度を幅方向に変化させているが、複数の小型給気チャンバを幅方向に並べることによっても同様の効果を得ることができる。
このように、本発明は、渡り部における送風条件を、フィルム31の幅方向において中心から側端部の向きに徐々にマイルドな条件とすることにより、フィルム側端部の乾燥を急激には促進させずに、製品部の乾燥を促進させる。これにより、渡り部におけるフィルム31のツレ、シワ、側端部のカール等の発生を効果的に抑制することができる。
本発明の第2の実施様態を、図4及び図5を参照して説明する。図4は別の実施形態としての渡り部の側面図である、図5は図4におけるIV−IVでの断面図である。図4においては、バックアップローラとバンド、及びテンター装置とは、図1及び図2と同様のものとしているため、同じ符号を付し、説明を略す。図4及び図5に示すように、ローラRA1,RA2,〜,RAnの反フィルム側と、フィルム51の剥離面側とには、第1給気チャンバ52と第2給気チャンバ53とが設けられている。第2の給気チャンバ53は搬送方向において複数台設置されている。
また、フィルム51の反剥離面側には第2給気チャンバ53とともに排気チャンバ56が設置されている。この排気チャンバ56は、フィルム51の両側端部で排気することができるように2台を1対として、所定の対数が設置されるが、図4では煩雑さを避けるために1対のみ図示している。
排気チャンバ56には、排気を取り込むための集気口56aと取り込んだ排気を出すための排気口56bとが備えられている。第1給気チャンバ52は、前記実施形態にて用いた給気チャンバ36(図2及び図3参照)と概ね同様の構造とされている。図5においては、図3と同様に、第1給気チャンバ52に関して、中央セクションに符号SCを付し、2つの側端部セクションには符号SE1,SE2を付し、また、側端部セクションSE1,SE2と中央セクションSCとの間の各セクションを中間セクションとして符号SM1,SM2を付す。中央セクションSCの送風口には符号52cを付し、側端部セクションSE1,SE2の送風口にはともに符号52eを付し、中間セクションSM1,SM2の送風口にはともに符号52mを付す。側端部セクションSE1,SE2については、その位置とフィルムの幅方向の長さとが、カッタ22a(図1参照)で切断除去される範囲に応じて決められている。そして、本実施形態では、中央セクションSCと中間セクションSM1,SM2とによる送風範囲は、カッタで切断除去された後のフィルム51の製品部となるように設定している。
そして、第2給気チャンバ53は、第1給気チャンバ52よりも搬送方向において小さなサイズのものではあるが、第1給気チャンバと幅方向においては同様の構造、つまりフィルム51の幅方向に分割された5つの送風セクションを有したものとされている。
第1及び第2給気チャンバ52,53には、コントローラ57が備えられている。コントローラ57は、濃度制御部57aと風速制御部57bと温度制御部57cとを備えており、排気チャンバ56の排気口56bと第1及び第2給気チャンバ52,53の空気の取込口52a,53aとはコントローラ57を介して接続されている。
第1及び第2の給気チャンバ52,53は、フィルム51に対し、送風対象範囲をのぞき、同様の送風機能を有する。したがって、ここでは、第1給気チャンバ52による送風方法と効果とを説明し、第2給気チャンバ53については説明を略する。第1給気チャンバ52は、5つの各セクションSC,SE1,SE2,SM1,SM2の各送風口52c,52e,52mから、フィルム51のバンド27からの剥離面(以降、単に剥離面と称する。)に送風し、フィルム51を乾燥する。コントローラ57は、各セクションSC,SE1,SE2,SM1,SM2からフィルム51に送られるそれぞれの送風気体の状態を、独立して制御する。送風気体の状態とは、溶媒ガス濃度と風速と温度とである。渡り部においてはフィルム51から溶媒が蒸発するために、排気チャンバ56を用いてフィルム近傍の排気をする。この排気は、コントローラ57を介して、第1及び第2給気チャンバ52,53へ送られて、フィルム51に対する給気として利用される。なお、本実施形態にように排気が送風気体として利用されない場合には、この溶媒ガス濃度がゼロとみなしてよい。
濃度制御部57aは、送風気体の溶媒ガス濃度が所定の値になるように、排気に含まれる溶媒ガスを除去する。濃度制御部57aは、排気を所定の温度に冷却し、溶媒ガスを凝縮し液体として回収する。また、コントローラ57は、風速制御部57bで、給気チャンバ36からの風速を制御する。濃度制御部57aを経た排気の量と、必要に応じて外部から取り込まれる空気の量とを制御することにより、風速は調整される。したがって、濃度制御部57aでは、この風速制御部57bにおける外部空気取込み量と排気との混合比に応じて、排気中の溶媒の凝縮回収速度を制御する。ただし、濃度制御部57aと風速制御部57bとにおける溶媒ガス濃度と風速調整との調整方法はこれに限定されず、例えば、濃度制御部57aにおいて一定の速度で溶媒ガスを凝縮回収し、得られた濃度に応じて、風速制御部57bにて外部空気の取り込み量を設定し,これを給気としてもよい。
さらに、コントローラ57は、温度制御部57cで、第1及び第2給気チャンバ52,53に送る排気を、所定の温度となるように温度制御する。温度制御部38cとしては、市販の気体温度制御手段を用いており、溶媒での劣化対策が講じられているようなヒータまたはクーラが好ましく、これにより給気温度を制御する。
ツレ、シワ、側端部のカールを抑制するために、第1及び第2給気チャンバ52,53によるフィルム51への送風につき、前実施形態と同様に、溶媒ガス濃度、風速、温度の3つの条件のうち少なくともひとつを満たすことが効果的である。いずれの条件も、フィルム51の幅方向において、側端部から中央部にいくほど乾燥度が上がるように設定するが、その設定の条件範囲及び組み合わせによる効果の向上については前実施形態と同様であるので、本実施形態においては説明を略する。
本実施形態においては、1対の排気チャンバ56は、フィルム51の側端部付近の空気を吸引する。第1給気チャンバによる給気能力とともに、排気チャンバ56による空気吸引力とを所定の値となるように制御することにより、フィルム51は第2ローラRA2に吸引されて接触する。この吸引力を制御された接触により、フィルム51と第2ローラRA2とは、所定の摩擦力を生じ、フィルム51は安定的に支持されるので、渡り部における搬送性を向上させることができるとともに側端部のカールを抑制することができる。また、空気吸引により接触させることにより、ラップ角を従来よりも小さくしながらも所定の摩擦力を発現することができるため、フィルム51とローラとの接触時間を短縮化することができる。そのため、フィルムを安定支持しながらも接触摩擦によるツレ、シワ等の抑制効果を向上することができる。つまり、排気チャンバ56は、前実施形態におけるような溶媒ガス回収を目的としているほかに、ローラへの接触も目的としている。
さらに、本実施形態の第2ローラRA2は、図5に示すように、長手方向における中心線に関し対称な形状となっており、両側端部RA2aの径が互いに等しく、中央部R2Abの径よりも大きい。中央部R2Abの径は、第2ローラRA2の長手方向に一定とされている。したがって、フィルム51はローラ側端部RA2aのみで支持される。第2ローラRA2の長手方向において、中央部RA2bの長さはフィルム51の幅よりも小さく、これにより、フィルム51の側端部は第2ローラの両側端部RA2aにのみ接触して支持される。そして、第2ローラRA2の両側端部RA2aと接触した部分は、後の工程で切断除去する。中央部RA2bはフィルム51の製品部となる部分に接触しないため、過度な摩擦によるツレ、シワ等の面状故障を抑制する効果が向上する他に、フィルム面へのキズの発生の抑制効果が向上する。なお、中央部RA2bにフィルム51が接触しないように、排気チャンバ56の吸引力を制御することが好ましい。
ローラRA2の側端部RA2aには、図3に示したローラR2のように、フィルム51を保持するためのピンを多数備えていることが好ましい。これにより、ピンがフィルムの側端部を突き刺して保持するので、フィルムがローラ上でスリップすることなく、支持をより安定化することができる。したがって、第1及び第2給気チャンバ52,53からの給気と排気チャンバ56による空気吸引とにより空気流動がある状態下であっても、フィルム51はより安定的に渡り部を搬送される。また、渡り部における搬送性の向上のためには、ピンによる突き刺し保持に限定されるものではなく、フィルム51を安定的に保持することが可能であれば、図3における説明で挙げたような他の方法に代えてもよい。
また、本実施形態では、渡り部の他のすべてのローラRA1,RA3〜RAnを、図5に示すようなローラRA2と同じとしているが、これに限定されるものではない。例えば、ローラRA1〜RAnのうち、シワ・ツレ等を発生しやすい任意の箇所のみにこのようなローラを適用してもよく、本発明は渡り部50におけるその適用位置及び本数には依存しない。そして、前実施形態と本実施形態に用いたローラとを組み合わせて用いてもよい。
上記の2つの実施形態では、渡り部33,50(図2,図4参照)の第1〜第nローラR1〜Rn,RA1〜RAn(図3,図5参照)は、フィルム31,51の剥離面側に設置しているが、フィルム面に対しての設置の位置はこれに限定されるものではない。例えば、すべてのローラR1〜Rn,RA1〜RAnを、反剥離面側に設置してもよいし、これらのうち任意のローラを剥離面側に設置し、その他のローラを反剥離面側に設置してもよい。ただし、第1ローラR1,RA11は、反剥離面側に設置することが好ましい。上記の本実施形態において第1ローラR1は、剥ぎ取り直後のフィルムに接触するものであり、このときのフィルムは、溶媒含有率が高く、粘着性が高いことが多い。したがって、第1ローラを剥離面側に設置した場合には、第1ローラR1,RA1の表面とフィルムとが接着あるいは密着するなどして、フィルムの面状を粗してしまったり、あるいは、フィルムを破損させてしまうことがあるからである。この理由により、例えば流延装置内に剥ぎ取り用ローラを設ける場合には、この剥ぎ取りローラを反剥離面側に設置することが好ましい。
第1ローラR1,RA1は駆動ローラとされている。バンド上で自己支持性をもったドープ11(図1参照)は、フィルムとして渡り部の第1ローラに巻きかけられる。この第1ローラの回転により、フィルムは連続的に剥ぎ取られ、第2ローラ以降の工程に搬送される。テンター装置へ向けてのフィルムの搬送は、第1〜第nローラのうち、駆動ローラとされた任意のローラによりなされる。
このように、渡り部において、フィルムが、例えば30重量%以上という高い含有率で溶媒を含む場合であっても、中央部は乾燥を促進させて側端部の乾燥速度を所定の値に抑制することにより、ツレやシワ、側端部のカールが防止される。さらに、フィルム全体をローラで支持するのではなく、側端部のみで支持することにより、摩擦による面状故障を抑制することができる。そして、上記の方法によりローラとフィルムとの接触面積を小さくした場合には、可塑剤等がフィルム内部から表面析出してこれがローラ表面を経時的に汚染してしまうことを防止することができる。
そして、本発明において上記のふたつの実施形態によると、フィルムは、側端部のみでローラに支持されており、そのために、フィルムを保持するための摩擦力がこの接触部に集中している。したがって、フィルムの側端部には、搬送方向における力が集中して加わっており、これにより、フィルムの側端部におけるのカール等の抑制効果が高まる。
さらに、本発明に用いる給気チャンバの給気口と排気チャンバの集気口とは、ともにスリットとされ、給気及び集気の方向が適宜設定されるものとなっている。ただし、本発明は、本実施形態のようなスリット方式のものに限定されるものではなく、例えば、同様の給気機能及び排気における集気機能を有する多孔板等を使用してもよい。
また、本発明の両実施形態のように排気チャンバを用いた場合には、揮発した溶媒を連続的に回収することにより、揮発した溶媒が凝縮してフィルムの表面へ付着することが防止される。そして、給気チャンバと排気チャンバとローラとの組み合わせ及び様態は、上記の2実施形態に限定されるものではなく、適宜その組み合わせと様態とを変えることができる。
そして、上記の実施形態で述べたように、排気チャンバに接続した濃度制御部では、排気に含有された溶媒ガスが冷却されて凝縮し、ドープの溶媒の成分として再利用可能な液体とされる。本実施形態においては、ドープにおける溶媒成分として、各種有機溶媒を用いており、排気チャンバと濃度制御部を有するコントローラとの使用により、人体はもとより環境に配慮した溶液製膜工程となっている。
また、本発明におけるフィルムとしては、セルロースアシレートフィルムが好ましく、中でも、セルローストリアセテートフィルムがもっとも好ましいが、これに限定されるものではない。つまり、フィルムの主成分となるポリマーあるいはその前駆体が溶媒を用いることによりドープとなることができるものであればよい。例えば、ポリエチレン等の各種ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド等を挙げることができる。なお、ポリイミドの場合には、その前駆体であるポリアミック酸の溶液を流延して、これを加熱乾燥することにより溶媒を除去し、架橋させてポリイミドのフィルムとする。セルローストリアセテートの場合には、その原料が綿花リンタのものと木材パルプのものがあり、いずれか一方を単独で使用してもよいし、また、両者を混合したものでもよい。
さらに、フィルムを単層構造とする場合のみならず、逐次流延方式や共流延方式を用いた積層構造とする場合に対しても有効である。積層構造とする場合も、支持体から剥離したときに、溶媒含有率が概ね30%〜200%のように高く、そしてこのときのフィルム厚みが乾燥後において全層で20μm以上80μm以下の場合に特に有効である。ドープは、流延時の温度における粘度が30000〜100000mPa・sの範囲であることが好ましい。ドープの流延速度もしくはフィルムの搬送速度は、概ね10m/分以上の領域で本発明は適用可能である。また、フィルム11の搬送速度が大きい場合やフィルム厚みが非常に薄い場合等、一般にはフィルム化するのが困難といわれる製造系ほど本発明は有効である。
本発明では、フィルム化に使用されるドープの溶媒として、公知の各種溶媒を用いることができる。例えば各種ハロゲン化炭化水素の他、アルコール、エーテル、エステル、ケトンなどを単独あるいは複数混合して使用することができる。
さらに、本発明においては、フィルムの中に各種添加剤を適宜含有させてもよい。添加剤としては、可塑剤、紫外線吸収剤、染料、光学的異方性化合物、マット剤等が一般的である。
以下、実施例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
〔実験1−1〕
図1に示すような溶液製膜設備10にて、セルローストリアセテートフィルムを作製した。流延に供したドープ11の固形分と溶媒との各処方は以下に示す。ドープ11の固形分濃度は23重量%であり、製膜速度は40m/分である。
(固形分)
・セルローストリアセテート(原料:木材パルプ、酢化度62%) 20重量部
・トリフェニルフォスフェート(TPP)とビフェニルジフェニルフォスフェート(BDP)との重量比2:1の混合物 2.2重量部
・(2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン 0.4重量部
・シリカ 0.05重量部
(溶媒)
・ジクロロメタン 64重量部
・メタノール 16重量部
・n−ブタノール 0.4重量部
渡り部33には、複数のローラを設け、図2,3に示すように、渡り部のフィルムの反剥離面側には給気チャンバ36を設けて給気し、剥離面側には排気チャンバ38を設けて排気した。渡り部のローラは、外径が一定の円柱状ローラであり、中央部にはテトラフルオロエチレンのコーティングを施し、側端部にはフィルムを保持するための多数のピンが設けられている。それらローラの中央部は、70℃となるように加熱した。
給気チャンバは、図3に示すようにフィルムの幅方向に5つの給気セクションSC,SE1,SE2,SM1,SM2に分割し、フィルムに給気した。中央セクションSCからの給気温度T1は100℃とし、側端部セクションSE1,SE2からの給気温度T2は70℃とし、中間セクションSM1,SM2からの給気温度T3は40℃とした。また、中央セクションSCの給気の溶媒ガス濃度C1は5体積%とし、側端部セクションSE1,SE2の給気の溶媒ガス濃度C2は5体積%とし、中間セクションSM1,SM2の給気の溶媒ガス濃度C3は5体積%とした。中央セクションSCからの給気の風速V1は5m/sとし、側端部セクションSE1,SE2からの給気の風速V2は5m/sとし、中間セクションSM1,SM2からの給気の風速V3は5m/sとした。
渡り部33を経たフィルム31をテンター装置17で幅規制しながら乾燥させ、さらにローラ乾燥装置21で乾燥させた後、側端部を切断除去し巻きとった。得られたフィルム31の厚みは60μmであった。なお、フィルム31の搬送速度は40m/分とした。
本実験の結果、渡り部において搬送時のツレやシワの発生はなく、また、側端部のカールも認められず、得られたフィルム31はツレ、シワ、擦り傷等がない良好な面状を有するものであった。
〔実験1−2〕
中央セクションSCからの給気温度T1と側端部セクションSE1,SE2からの給気温度T2と、中間セクションSM1,SM2からの給気温度T3とをすべて70℃とし、また、側端部セクションSE1,SE2の給気の溶媒ガス濃度C2を15体積%とし、中間セクションSM1,SM2の給気の溶媒ガス濃度C3を30体積%とした以外は、実験1−1と同様に実施した。
本実験の結果、渡り部において搬送時のツレやシワの発生はなく、また、側端部のカールも認められず、得られたフィルム31はツレ、シワ、擦り傷等がない良好な面状を有するものであった。
〔実験1−3〕
中央セクションSCからの給気温度T1と側端部セクションSE1,SE2からの給気温度T2と、中間セクションSM1,SM2からの給気温度T3とをすべて70℃とし、また、中央セクションSCからの給気の風速V1は10m/sとし、中間セクションSM1,SM2からの給気の風速V3は2m/sとした以外は、実験1−1と同様に実施した。
本実験例の結果、渡り部において搬送時のツレやシワの発生はなく、また、側端部のカールも認められず、得られたフィルム31はツレ、シワ、擦り傷等がない良好な面状を有するものであった。
〔比較実験1−1〕
中央セクションSCからの給気温度T1と側端部セクションSE1,SE2からの給気温度T2と、中間セクションSM1,SM2からの給気温度T3とをすべて70℃とした以外は、実験1−1と同様に実施した。
本比較実験の結果、側端部でカールが発生し、テンタークリップで把持できず、、得られたフィルムには)幅方向における中央部にツレやシワ等の面状故障がところどころ認められた。
実験1−1〜1−3及び比較実験1−1の結果より、渡り部において、フィルムの片面側で排気するとともに、フィルムの他方の片面に給気し、その給気をフィルムの幅方向で変化させ、フィルム中央部よりもフィルム側端部の給気条件をマイルドにすることにより、側端部の乾燥速度を中央部に比べて小さくすることができるので、ツレ、シワ、側端部のカール等の面状故障を抑制することが可能となることがわかる。さらに、渡り部おいて、中央部と側端部との乾燥速度を制御するために、ローラの中央部と側端部との温度に差をつけることが有効であることもわかる。そして、渡り部のフィルムをローラで支持する方法としては、切断除去される側端部のみをピン等で保持することが、面状故障の抑制を図る点で有効であることがわかる。
〔実験2−1〕
図1に示すような溶液製膜設備10にて、セルローストリアセテートフィルムを作製した。渡り部には、複数のローラを設け、図4,5に示すように、渡り部50のフィルム51の剥離面側には第1給気チャンバ52を設けて給気し、反剥離面側には第2給気チャンバ53による給気と排気チャンバ56による排気を実施した。渡り部50のローラRA1〜RAnは、側端部の外径が長手方向に一定で中央部よりも大きいローラである。
第1及び第2給気チャンバ52,53は、ともに、フィルム51の幅方向に5つの給気セクションSC,SE1,SE2,SM1,SM2に分割され、フィルム51に給気した。第1及び第2給気チャンバ52,53からの給気は、互いに同じ条件とした。中央セクションSCからの給気温度T1は100℃とし、側端部セクションSE1,SE2からの給気温度T2は70℃とし、中間セクションSM1,SM2からの給気温度T3は40℃とした。また、中央セクションSCの給気の溶媒ガス濃度C1は5体積%とし、側端部セクションSE1,SE2の給気の溶媒ガス濃度C2は5体積%とし、中間セクションSM1,SM2の給気の溶媒ガス濃度C3が5体積%とした。中央セクションSCからの給気の風速V1は5m/sとし、側端部セクションSE1,SE2からの給気の風速V2は5m/sとし、中間セクションSM1,SM2からの給気の風速V3は5m/sとした。
渡り部を経たフィルム51をテンター装置で幅規制しながら乾燥させ、さらにローラ乾燥装置で乾燥させた後、側端部を切断除去し巻きとった。得られたフィルム51の厚みは60μmであった。なお、フィルム51の搬送速度は40m/分とした。
本実験の結果、渡り部において搬送時のツレやシワの発生はなく、また、側端部のカールも認められず、得られたフィルム31はツレ、シワ、擦り傷等がない良好な面状を有するものであった。また、装置メンテナンスまで長期稼働しても、ローラの汚れがフィルム面を汚したりすることもなかった。
〔実験2−2〕
中央セクションSCからの給気温度T1と側端部セクションSE1,SE2からの給気温度T2と、中間セクションSM1,SM2からの給気温度T3とをすべて70℃とし、また、側端部セクションSE1,SE2の給気の溶媒ガス濃度C2を15体積%とし、中間セクションSM1,SM2の給気の溶媒ガス濃度C3を30体積%とした以外は、実験2−1と同様に実施した。
本実験の結果、渡り部において搬送時のツレやシワの発生はなく、また、側端部のカールも認められず、得られたフィルム31はツレ、シワ、擦り傷等がない良好な面状を有するものであった。また、装置メンテナンスまで長期稼働しても、ローラの汚れがフィルム面を汚したりすることもなかった。
〔実験2−3〕
中央セクションSCからの給気温度T1と側端部セクションSE1,SE2からの給気温度T2と、中間セクションSM1,SM2からの給気温度T3とをすべて70℃とし、また、中央セクションSCからの給気の風速V1は10m/sとし、中間セクションSM1,SM2からの給気の風速V3は2m/sとした以外は、実験2−1と同様に実施した。
本実験の結果、渡り部において搬送時のツレやシワの発生はなく、また、側端部のカールも認められず、得られたフィルム31はツレ、シワ、擦り傷等がない良好な面状を有するものであった。また、装置メンテナンスまで長期稼働しても、ローラの汚れがフィルム面を汚したりすることもなかった。
〔比較実験2−1〕
渡り部のローラとして、外径が一定の円柱状ローラを用いた以外は、実験2−1と同様に実施した。
本比較実験の結果、渡り部において搬送時のツレやシワの発生はなく、また、側端部のカールも認められなかった。得られたフィルム31はツレ、シワ、擦り傷等がない良好な面状を有するものであり、長期連続稼働が30日を越えるとローラの汚れがフィルム面に写ることがあった。
実験2−1〜2−3及び比較実験2−1の結果より、渡り部において、フィルムに両面に給気し、また、少なくとも片面の側端部で排気して、その給気をフィルムの幅方向で変化させ、フィルム中央部よりもフィルム側端部の給気条件をマイルドにすることにより、側端部の乾燥速度を中央部に比べて小さくすることができるので、ツレ、シワ、側端部のカール等の面状故障を抑制することが可能となることがわかる。さらに、渡り部のローラについては、中央部よりも側端部の外径を大きくし、側端部のみでフィルムを支持することにより、面状故障をより効果的に抑制することができることがわかる。フィルムの側端部のみを支持することが、ローラの汚染防止にも有効であることがわかる。
本発明は、ポリマーの溶液からフィルムを製造する際に生じるツレ、シワ、側端部のカール等の面状故障を抑制することができるので、偏光板の保護フィルムや液晶表示装置等の光学分野に用いられる各種フィルムの他に、200μm以下の薄いフィルムの製造方法として大いに役立つ。
本発明を実施した溶液製膜設備の概略図である。 本発明を実施した溶液製膜工程の渡り部の概略図である。 図2にII−II線における断面図である。 別の実施形態の渡り部を示す概略図である。 図4のIV−IV線における断面図である。
符号の説明
10 溶液製膜設備
16 流延装置
17 テンター装置
27 バンド
31 フィルム
33 渡り部
34 コントローラ
36 給気チャンバ
36a 取込口
36b 給気口
37 排気チャンバ
37a 集気口
37b 排気口
38 コントローラ
38a 濃度制御部
38b 風速制御部
38c 温度制御部
51 フィルム
52 第1給気チャンバ
52a 取込口
52b 給気口
53 第2給気チャンバ
53a 取込口
53b 給気口
56 排気チャンバ
56a 集気口
56b 排気口
57 コントローラ
57a 濃度制御部
57b 風速制御部
57c 温度制御部
R1〜Rn,RA1〜RAn 第1〜第nローラ
R2a,RA2a 第2ローラ側端部
R2b,RA2b 第2ローラ中央部

Claims (14)

  1. 溶媒を含むポリマーフィルムを支持体から剥離した後テンター装置へ搬送する溶液製膜方法において、
    前記テンター装置の上流の前記ポリマーフィルムに送風し、
    この送風条件を前記ポリマーフィルムの幅方向に少なくとも3分割して変化させ、
    前記送風条件が、送風温度と、風速と、送風気体における前記溶媒のガス濃度との少なくともいずれかひとつであることを特徴とする溶液製膜方法。
  2. 前記送風温度が0℃以上140℃以下であり、
    分割された前記送風条件について、両側端部以外のいずれかの温度をTnとし、その隣であって側端に近い一方の温度をT(n+1)とするとき、T(n+1)<Tnとすることを特徴とする請求項1記載の溶液製膜方法。
  3. 前記送風気体における前記溶媒ガス濃度が0.1体積%以上50体積%以下であり、
    分割された前記送風条件について、両側端部以外のいずれかの前記ガス濃度をCnとし、その隣であって側端に近い一方の前記ガス濃度をC(n+1)とするとき、Cn<C(n+1)とすることを特徴とする請求項1または2記載の溶液製膜方法。
  4. 前記風速が1m/秒以上15m/秒以下であり、
    分割された前記送風条件について、両側端部以外のいずれかの風速をVnとし、その隣であって側端に近い一方の風速をV(n+1)とするとき、V(n+1)<Vnとすることを特徴とする請求項1ないし3いずれかひとつ記載の溶液製膜方法。
  5. 支持体から溶媒を含むポリマーフィルムを剥がした後テンター装置へ搬送する溶液製膜方法において、
    前記テンター装置の上流の前記ポリマーフィルムの両面に送風し、
    この送風条件を前記ポリマーフィルムの両面で独立制御し、
    前記送風条件が、送風温度と、風速と、送風気体における前記溶媒のガス濃度との少なくともいずれかひとつであることを特徴とする溶液製膜方法。
  6. 前記送風温度が0℃以上140℃以下であり、
    前記ポリマーフィルムの前記支持体からの剥離面側の送風温度をTUとし、反剥離面側の送風温度をTDとするとき、TU<TDとすることを特徴とする請求項5記載の溶液製膜方法。
  7. 前記溶媒ガス濃度が0.1体積%以上50体積%以下であり、
    前記ポリマーフィルムの前記支持体からの剥離面側の溶媒ガス濃度をCUとし、反剥離面側の溶媒ガス濃度をCDとするとき、CD<CUとすることを特徴とする請求項5または6記載の溶液製膜方法。
  8. 前記風速が1m/秒以上15m/秒以下であり、
    前記ポリマーフィルムの前記支持体からの剥離面側の風速をVUとし、反剥離面側の風速をVDとするとき、VU<VDとすることを特徴とする請求項5ないし7いずれかひとつ記載の溶液製膜方法。
  9. 支持体から溶媒を含むポリマーフィルムを剥がした後テンター装置へ搬送する溶液製膜方法において、
    前記テンター装置の上流の前記ポリマーフィルムの両面に送風し、
    この送風条件を前記ポリマーフィルムの両面で独立制御するとともに前記ポリマーフィルムの幅方向に少なくとも3分割して変化させ、
    前記送風条件が、送風温度と、風速と、送風気体における前記溶媒のガス濃度との少なくともいずれかひとつであることを特徴とする溶液製膜方法。
  10. 前記ポリマーフィルムの両側端部の支持体からの剥離面側または反剥離面側を排気することを特徴とする請求項1ないし9いずれかひとつ記載の溶液製膜方法。
  11. 前記ポリマーフィルムの反剥離面側の側端部を、前記排気するための排気手段により吸引するとともに、支持手段により支持することを特徴とすることを特徴とする請求項10記載の溶液製膜方法。
  12. 前記支持手段が、側端部径が中央部径よりも大きなローラであり、
    前記ローラの側端部のみで前記ポリマーフィルムを支持することを特徴とする請求項11記載の溶液製膜方法。
  13. 前記ローラが側端部に前記ポリマーフィルムを保持するためのピンを複数備えることを特徴とする請求項11または12記載の溶液製膜方法。
  14. 前記ローラの両端部の温度を、中央部温度よりも低くすることを特徴とする請求項12または13記載の溶液製膜方法。
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