JP4390254B2 - 溶液製膜方法及びフィルム - Google Patents

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Description

本発明は、溶液製膜方法及びこの方法によって製造されたポリマーフィルム及び偏光板保護フィルム、光学機能性フィルムに関するものである。さらに、これらのフィルムを構成要素として含む偏光板と液晶表示装置とに関するものである。
光学用途に用いられる各種のポリマーフィルムは、一般には流延ダイを用いてドープを支持体上に流延させ、これを支持体から剥ぎ取った後、乾燥工程を経て巻き取ることにより製造されている。これは、溶液製膜方法と呼ばれている代表的なフィルムの製造方法である。
光学用ポリマーフィルムの需要の拡大とコストダウンへの強い要望から、溶液製膜方法におけるポリマーフィルムの生産性の向上、つまり製膜速度のアップが図られている。また、光学用途においては、高機能化及び多機能化に対する要求が大きく、それに対応するために、ポリマーフィルムの薄膜化が図られている。
なお、上記の溶液製膜方法では、ドープをポリマーフィルムとして支持体から剥ぎ取った後、このポリマーフィルムの平面性や機械的強度、光学特性等を改良するために、ポリマーフィルムの幅規制及び延伸を行うテンター装置を乾燥工程に設けることが一般的となっている。
支持体からポリマーフィルムを剥離した後、テンター装置に至る搬送過程は、一般に渡り部と称されており、この渡り部では、通常は、ポリマーフィルムを駆動または非駆動のローラにて搬送する。渡り部においては、ポリマーフィルムにツレやシワ、それに伴う面同士の接着の他に、側端部におけるカール等の発生が見られる。これらは、渡り部における搬送上の問題であるが、一方、搬送用のローラとの接触面において表面に微細な変形が生じてフィルムの品質を低下させたり、フィルム面上への可塑剤の析出等が原因となってローラが汚れてしまうという問題もある。
そこで、渡り部におけるフィルム故障を抑制するために、例えば、支持体から剥離したポリマーフィルムが剥離後最初に接触する第1ローラを、支持体からの剥離面に接触させ、第1ローラに続く第2ローラを反剥離面側に接触させた後に、ポリマーフィルムを乾燥させる方法(例えば、特許文献1参照)や、少なくとも反剥離面側に関しては、接触式搬送ローラを用いずにエアフロータ型の無接触搬送手段を用いる方法や、両端部のみを把持手段により把持して製品部を無接触とする方法(例えば、特許文献2参照)等が提案されている。
また、剥離した後のポリマーフィルムの側端部に生じたカールを裁断する方法(例えば、特許文献3参照)や、渡り部においてはローラを千鳥状に配してフィルムを所定時間、所定温度に加熱する方法(例えば、特許文献4参照。)が提案されている。さらに、フィルム厚みが20〜80μmのフィルムを製造するにあたり、所定の残留溶媒量のフィルムを搬送するローラに関し、このローラの表面粗さRyを0.6μm以下とし、20℃における表面エネルギーを70〜100mN/mとする方法(例えば、特許文献5参照)や、渡り部のローラのビッカース硬度を500〜800とする方法(例えば、特許文献6参照)等が提案されている。
特開2001−198933号公報(第4−5頁、第2図) 特開2001−277267号公報(第6−9頁、第3図) 特開平11−90942号公報(第3−4頁、第4図) 特開2001−315147号公報(第4−10頁、第1図) 特開2002−86474号公報(第4−9頁、第3図) 特開2002−292658号公報(第3−9頁、第2図)
しかしながら、以上の方法は、いずれも、上述したようなツレやシワ、側端部のカール、さらにローラの汚染等の現象をすべて満足するものではない。特に製造するフィルムの厚みが小さい場合には効果がない。例えば、特許文献1にように、支持体から剥離したポリマーフィルムが剥離後最初に接触する第1ローラを、支持体からの剥離面に接触させた場合には、剥離面は溶媒含有量が多くて軟らかく、そのために第1ローラとの接触によりキズがつきやすいという問題がある。また、エアフロータ型や両端把持の無接触搬送手段を用いる方法の場合には、フィルムが例えば数10μm等の薄いものであるときや揮発性溶媒の含有率が高いときに、フィルムのばたつきが大きくなって面状故障が発生したり、把持手段で破れてしまったりするという問題がある。
また、特許文献3のように側端部のカールを切断する方法では、カールは除去されるがシワや折れ等の抑制にはならない。そして、特許文献4のようにフィルムの反剥離面側をドラムやローラ等に接触させるだけでは、そのドラムやローラ等を汚染させてしまい、フィルムにキズ等の面状故障が発生する。また、特許文献5や特許文献6の方法ではローラの汚染は抑制されるが、側端部のカールの派生は抑制されないという問題がある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、渡り部においてフィルムに発生するツレやシワ、接着等や、渡り部のローラとの接触によって発生する表面の微細な変形や、フィルムからの添加剤析出によるローラの汚染を防止し、製膜速度を向上させてフィルムの薄膜化を図ることができる溶液製膜方法を提供することを目的とし、さらにその方法により光学特性に優れるポリマーフィルムと偏光板保護フィルム、液晶表示装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明では、溶媒を含むポリマーフィルムをローラで支持する溶液製膜方法において、前記溶媒の含有率を、前記ポリマーフィルム中の固形分に対する前記溶媒の重量比率とするとき、前記ポリマーフィルムは前記溶媒を30重量%以上の前記含有率で含み、前記ローラの側端部の外径をDEとし、中央部の外径をDCとするとき、前記DEが、前記ローラの長手方向に一定であり、前記DCより大きく、前記ローラは、前記中央部上のポリマーフィルムを乾燥するための給気手段を有し、前記給気手段により前記中央部が前記ポリマーフィルムと非接触であり、前記ローラは、前記ポリマーフィルムの両側端部のみに接触することを特徴として構成されている。
前記ローラの長手方向において、ローラの前記側端部の長さの和をL1とし、中央部の長さをL2とし、一方の側端部におけるポリマーフィルムとの接触部の長さをL3とするとき、1.01≦DE/DC≦4.00、2.5≦L2/L1≦13、50mm≦L3≦250mmを満たすことがより好ましい。
前記の給気手段は、前記中央部に設けられた、空気を吐出するための吐出孔であり、ポリマーフィルムの前記ローラ側であって、このローラの上流部に、第1送風手段を設け、第1送風手段によりローラの前記中央部とポリマーフィルムとの間に送風し、前記中央部からの空気の風速V1(単位;m/秒)と、第1送風手段による送風の風速V2(単位;m/秒)とは、1≦V1≦20、1≦V2≦20を満たすことが好ましい。そして、吐出孔から吐出される空気の温度をT1(単位:℃)とし、第1送風手段による送風の温度をT2(単位:℃)とするとき、30≦T1≦100、30≦T2≦100、を満たすことが好ましい。
前記のローラに関して、ポリマーフィルムとは反対側に第2送風手段を設け、第2送風手段により、ポリマーフィルムに送風することがより好ましく、さらに、ポリマーフィルムの両側端近傍に、気体を回収する排気回収手段を設けて、ポリマーフィルムからの気化溶媒をこの排気回収手段により回収することが好ましい。
また、前記ローラの側端部については、表面の算術平均粗さRaが0.1μm以上であることが好ましく、このローラの側端部においては、前記ポリマーフィルムと接触する側縁より20mm以内の外周面に複数の凹部を設け、この凹部の深さをd(単位:mm)とし、外周方向に隣りあう凹部の間隔をL4(単位:mm)とするとき、1≦d≦5、2≦L4≦5とすることがより好ましい。
さらに、本発明では、前記ローラの外周面に沿った長手方向を有するニップローラを設けて、ローラとニップローラとでポリマーフィルムの両側端部を挟むことが好ましく、前記ローラは、少なくともその側端部の表面温度を制御する温度制御手段を備え、ローラの側端部の表面温度をT3(単位:℃)とするとき、温度制御手段により−50≦T3≦20とすることが好ましい。前記ローラの中央部の外表面は、フッ素系ポリマーとされることがより好ましい。
また、前記ローラの下流にテンター装置を設け、テンター装置の上流に、ポリマーフィルムの各面に送風するための第3及び第4の送風手段を設け、この第3及び第4の送風手段により、ポリマーフィルムの両側縁から50mm以内の範囲に送風することが好ましく、第3送風手段からの送風温度をT4とし、第4送風手段からの送風温度をT5とし、第3送風手段と前記第4送風手段との間隔をL5(単位:mm)とし、第3及び第4送風手段からの風速をともにV3(単位;m/秒)とするとき、T4≠T5、5≦L5≦20、1≦V3≦20とすることがより好ましい。また、流延支持体より剥離した前記ポリマーフィルムの剥離面側に、前記第3送風手段により送風して、前記ポリマーフィルムの反剥離面側に前記第4送風手段により送風するとき、 T4≦10、T5≧30とすることが好ましい。
本発明の溶液製膜方法により、渡り部においてポリマーフィルムに発生するツレやシワ、接着等や、渡り部のローラとの接触によって発生する表面の微細な変形や、ポリマーフィルムからの添加剤析出によるローラの汚染を防止することができる。その結果、製膜速度を向上させてポリマーフィルムの薄膜化を図ることができる。さらに、本発明により得られるポリマーフィルムは光学特性に優れ、偏光板保護フィルム、偏光板、液晶表示装置用途として好適である。
本発明について、図を参照しながら以下に詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施様態に限定されるものではない。図1は、本発明を実施した溶液製膜方法の概略を示す工程図である。溶液製膜設備10は、ドープ11が供給されるリザーブタンク12と、送液用ポンプ15と、流延装置16と、テンター装置17と、ローラ乾燥装置21と、巻き取り装置22とを有する。流延装置16は、流延ダイ25と、バックアップローラ26により支持されながら搬送される支持体としてのバンド27とを有している。また、バンド27より剥離されたフィルム31を支持、あるいは搬送するためのローラ32が、流延装置16と巻き取り装置22との間に複数設置され、この数は図2に示された数に依存するものではなく、適宜増減されるものである。さらに、これらのローラ32は、駆動あるいは非駆動のいずれにするかについて適宜決められる。なお、図1においては、煩雑さを避けるためにこれらのローラ32については一部のみを図示している。また、流延装置16とテンター装置17との間を、渡り部33と以降称する。
リザーブタンク12から送液ポンプ15により流延ダイ25に送られたドープ11は、バンド27上に流延される。バンド27は、回転駆動するバックアップローラ26により連続搬送され、これにより、ドープ11は連続的に流延される。流延されたドープは、バンド27上で自己支持性をもったところで、フィルム31として剥ぎ取られる。この剥ぎ取りは、渡り部33における最上流に位置するローラにフィルム31が巻きかけられ、このローラの回転により、連続的に行われる。剥ぎ取られたフィルム31は、渡り部33を経て、テンター装置17へ送られる。
テンター装置17においては、フィルム31は、幅を規制され、かつ、延伸されながら乾燥される。テンター装置17では、テンタークリップ(図示せず)が、フィルム31の両側端部を保持しながらテンター軌道(図示せず)に従って走行し、このテンタークリップの走行によりフィルム31は搬送される。テンタークリップの代わりにピンクリップ等を用いる場合もある。そして、テンタークリップは、コントローラ(図示せず)により開閉を自動制御され、この開閉によりフィルム31の保持と保持解除とを制御する。フィルム31を保持したテンタークリップは、テンター装置17の内部で走行し、その出口付近の所定の保持解除点に到達するとクリップを開放してフィルム31の保持を解除するように自動制御される。
テンター装置17のフィルム31は、支持あるいは搬送用のローラ32により次工程であるローラ乾燥装置21へ送られて、ここで複数のローラ21aにより支持あるいは搬送されながら十分に乾燥された後、製品として巻き取られる。
さらに、図2〜図4を用いて、本発明の実施様態を詳細に説明する。図2は渡り部33を示す概略図である。渡り部33には、複数のローラが配されており、これらのローラを上流側より第1,第2,・・・,第nローラとし、符号R1,R2,・・・Rnを付す。図3は、図2に示した第3ローラR3上におけるフィルム搬送を示す説明図であり、一部断面図としている。また、図4は、第3ローラR3の側端部の断面図である。フィルム31のバンド27からの剥離面(以降、単に剥離面と称する)側には、フィルム31を第3ローラR3とで挟み込むためのニップローラ36,37が設けられている。また、フィルム31の反剥離面側であって、第2ローラの下流かつ第3ローラR3の上流の位置には第1送風手段としての第1ダクト41が配され、第3ローラR3の反フィルム側には第2送風手段としての第2ダクト42が配されている。さらに、ニップローラ36,37の側上部には排気ダクト45が設けられている。排気ダクト45には排気処理装置46が接続されている。第1ダクト41は渡り部33のいずれのローラの上流部に対しても設置可能であって、図示は省略するが複数設けられてもよい。例えば第1ローラR1の上流部と第nローラRnの上流部とであってもよい。同様に、第2ダクトは、渡り部33のいずれのローラの反フィルム側に設置可能であって、図示は省略するが複数設けられてもよい。
第3ローラR3は、温度コントローラ51と送風コントローラ52とを有しており、また、第3ローラ側端部R3aは2重のジャケット式構造とされている。第1ダクト41及び第2ダクトと第1送風機55との間には送風制御装置56が設けられている。
さらに、第1ローラR1と第2ローラR2との間のフィルムの剥離面側と反剥離面側には、第3及び第4送風手段としての第3及び第4ダクト58,59が配されており、この第3及び第4ダクト58,59とは、ともに板状ダクトとされている。ただしこの第3及び第4ダクト58,59の位置は、いずれのローラ間であってもよく、また第1ローラR1の上流部としてもよいし、ローラ間及び第1ローラR1の上流部のなかから複数の位置に設けられてもよい。
本実施形態では、第1〜第nローラR1〜Rnは、フィルム31の反剥離面側に設置しているが、フィルム31面に関する設置位置はこれに限定されるものではない。例えば、すべてのローラR1〜Rnを、反剥離面側に設置してもよいし、これらのうち任意のローラを剥離面としてその他のローラを反剥離面に設置してもよい。ただし、第1ローラR1は、反剥離面側に設置することが好ましい。本実施形態において第1ローラR1は、剥ぎ取り直後のフィルム31に接触するものであり、このときのフィルム31は、溶媒含有率が高く、粘着性が高いことが多い。したがって、第1ローラ31を剥離面側に設置した場合には、第1ローラR1の表面とフィルム31とが接着あるいは密着するなどして、フィルム31の面状を粗してしまったり、あるいは、フィルム31を破損させてしまうことがあるからである。この理由により、例えば流延装置内に剥ぎ取り用ローラを設ける場合には、この剥ぎ取りローラを反剥離面側に設置することが好ましい。
第1ローラR1は駆動ローラとされている。バンド27上で自己支持性をもったドープ11は、フィルム31として第1ローラR1に巻きかけられる。この第1ローラR1の回転により、フィルム31は連続的に剥ぎ取られ、第2ローラR2以降の工程に搬送される。テンター装置17へ向けてのフィルム31の搬送は、第1〜第nローラR1〜Rnのうち、駆動ローラとされた任意のローラによりなされる。
フィルム31は第3ローラR3とニップローラ36,37とで挟まれながらこの2つのローラ間を通過する。第3ローラR3は、長手方向における中心線に関し対称な形状となっており、両側端部R3aの径DEが互いに等しく、中央部R3bの径DCよりも大きい。中央部R3bの径DCは、第3ローラR3の長手方向に一定とされている。ここで、両側端部R3aの長さの和をL1とし、中央部R3bの長さをL2とする。ただし、これらの長さL1,L2は、第3ローラR3の長手方向における長さとし、本実施形態においては両側端部の長さは等しくいずれもL1/2としているので、片側の長さのみ図3には記し、両方の和L1としての符号は略している。なお、両側端部の和がL1であれば、それぞれの側端部は等しい長さ、つまり同じくL1/2でなくともよい。中央部R3bの長さL2はフィルム31の幅よりも小さく、これにより、フィルム31の側端部は第3ローラの両側端部R3aに接触して支持される。なお、第3ローラR3の両側端部R3aと接触した部分は、後の工程で切断除去する。
第3ローラの中央部R3bには、図3に示すように吐出孔61が設けられており、送風コントローラ52により、吐出孔61から吐出するための空気の外部からの取り込みと、吐出孔61から吐出する空気の流量と速度とを制御される。第3ローラR3がこの吐出孔61から空気を吐出することにより、フィルム31は乾燥される。このとき、乾燥するためのこの送風により、フィルム31の幅方向における中央部は第3ローラ中央部R3bより浮上するが、ニップローラ36,37により側端部は支持される。したがって、第3ローラR3以外のローラを、第3ローラR3のように空気を吹き付けてフィルムを乾燥させるローラとする場合には、そのローラに対してもフィルムを支持するためのニップローラを設けることが好ましい。
第3ローラR3上のフィルム31は、その溶媒含有率が30重量%以上となっている。ただし、この溶媒含有率は乾量基準の値であって、サンプリング時のフィルムの重量をXとし、サンプリングしたフィルムを恒温乾燥機等により十分に乾燥して得たフィルムの重量をYとするとき、計算式{(X−Y)/Y}×100で求められる値(単位;重量%)である。
溶媒含有率が30重量%以上という高含有率で溶媒を含むフィルム31を支持、または搬送するための第3ローラR3を上記形状とすることにより、フィルム31の全面がローラ表面に接触するのではなく、両端部のみ第3ローラR3に接触し、幅方向における中央部は非接触となるのでフィルム31とローラ外表面との摩擦も低減されて、フィルム31のツレやシワを防止することができる。さらに、外径が長手方向に一定の円柱状ローラ(以降、単に円柱状ローラと称する)を使用した場合に比べて、上記のような形状の第3ローラR3を用いた場合には、フィルム31とローラとの接触面積が小さくなるので、ローラ表面へフィルム31が接着する確率が低くなり、前記接着によるフィルム故障を防ぐことができるとともに、可塑剤等がフィルム内部から表面析出してこれがローラ表面を経時的に汚染してしまうことを防止することができる。
そして、フィルム31は、側端部のみで第3ローラR3に支持されるために、フィルム31を保持するための摩擦力がこの接触部に集中している。したがって、フィルム31の側端部には、搬送方向における力が、円柱状ローラの場合と比べて大きく加わっており、これにより、フィルム31の側端部におけるのカール等の発生を防止することもできるとともに、フィルム31のローラ表面との接触面における表面の微細な変形を防止することもできる。
また、上記のようにフィルムの中央部に給気乾燥することにより、第3ローラ中央部R3bに対する非接触状態を安定させるとともに、給気されたフィルム31の中央部を乾燥させて強度を高めるので、第3ローラR3よりも下流のローラとして円柱状ローラを用いてそれらローラとの接触がある場合でもキズやシワが付きにくいという効果が得られる。このように、第3ローラの形状と給気乾燥により、フィルム31は、テンター装置17への導入に好適な乾燥状態となり、側端部のカールが抑制されるとともに、シワやキズの発生が抑制される。
第3ローラR3において、両側端部R3aと中央部R3bとは、外径DE,DCが1.01≦DE/DC≦4.00を満たし、さらに、側端部及び中央部の長さL1,L2が2.5≦L2/L1≦13を満たすことが好ましい。さらに、フィルム31と接触している両側端部のうち一方の側端部において、第3ローラR3の長手方向における長さを接触長さ(以降、単に接触長さと称する)L3とするとき、50mm≦L3≦250mmとすることが好ましい。
フィルム31は、第3ローラR3上及びその付近でばたついていることがあるが、DE/DC<1.01であると、このばたつきがわずかな場合でも、フィルム31が第3ローラの中央部R3bに接触してしまい、吹き付けた風による乾燥効果が減退するとともに、上記に挙げたような面状故障や搬送不良を起こしてしまう。一方、DE/DC>4.00であると、フィルム31の自重による中央部の垂れ下がりを防止するためのより大きな懸垂力が必要となる。そのために、第3ローラR3の中央部R3bからの空気の吐出量をより大きくすることが必要となるが、これを大きくしてもばたつきの解消には効果がない場合があり、かえってばたつきは大きくなってしまうこともあるので、DE/DC<1.01の場合と同様に、面状故障や搬送不良を引き起こしてしまう。
また、L2/L1<2.5とすると、接触長さL3が大きくなるので、円柱状ローラを使用した場合とほぼ同様の結果となるので意味がない。さらにこの場合には、接触した部分を切断除去して製品にすると切断除去すべき面積の全体面積に対する比率が大きくなるため、得率が小さくなってしまうという問題がある。一方、L2/L1>13とすると、接触長さL3が小さくなりすぎて、第3ローラR3に安定して支持されない場合もあり不適である。ここで、接触長さL3の好ましい値は、上記範囲に限定されるものではなく、フィルムの種類や、第3ローラR3の側端部の表面材質または表面状態、フィルム31の搬送方向における張力、第3ローラ中央部R3bから吐出される風量等を因子として適宜設定される。フィルムの種類とは、溶媒を含んだ状態でのフィルムの比重や、粘弾性、第3ローラ側端部R3aとの密着力等を意味している。つまり、フィルムを安定的に支持あるいは搬送するに必要十分な保持力は、これらの因子により変わるものであって、好適な接触長さL3はこれに応じて変更される。例えば、フィルム31が、厚み40μm、含有溶媒及びその含有率がそれぞれ酢酸メチル、150重量%のセルローストリアセテート(TAC)であって、第3ローラ側端部R3aの表面が、算術平均粗さRaが0.1μmのポリテトラフルオロエチレン(PTFE)である場合には、80mm以上200mm以下とすることが特に好ましい。
第3ローラR3の中央部R3bから吐出させる空気の風速V1は、1≦V1≦20とすることが好ましく、2≦V1≦15とすることがより好ましい。V1<1であると、空気の吹き付けによる乾燥効果は小さい。またV1>20とすると、フィルム31に対する風圧が強すぎて破損する場合もあり不適である。ただし、この好ましい範囲については、第1ダクト41からの送風の有無またはその風量等に応じて適宜設定されるものであって、上記範囲に限定されるものではない。また、第3ローラ中央部R3bからの吐出される空気は、第3ローラR3に設けられた送風コントローラ52により第3ローラR3の外部より吸引されたものであるが、本発明は、送風コントローラ52の機能及び形状に依存するものではない。例えば、送風コントローラ52に代えて、ポンプ及び風量調節バルブを使用し、これらにより外部空気を第3ローラR3の内部に送り込んで、送風量を制御してもよい。
また本実施形態においては、第3ローラ中央部R3bに、孔面積が2mm2 以上4mm2 以下の正方形状の吐出孔51を、開孔率が10%となるように設けているが、図2に示されるような多孔状に限定されるものではない。例えば、多孔状に代えて、第3ローラR3の長手方向に延長された長方形状のスリットを外周方向に多数設けることにより、このスリットから送風してフィルム31を浮上させてもよい。また、多孔状とする場合でも、本発明は孔形状と孔配列に依存するものではない。例えば孔形状が円形であったり、孔配列が千鳥状配列であってもよい。なお、開孔率は、5%以上35%以下とすることが、乾燥効率と、ローラとフィルムとの接触回避との点から好ましく、10%以上20%以下とすることがより好ましい。ここで、開孔率(単位;%)とは、{(開孔面積)/(第3ローラR3の外周面積)}×100で求めた値である。
さらに、第1ダクト41を設けて、ここから第3ローラ中央部R3bとフィルム31との間に送風することが、フィルム31を好ましい乾燥速度で乾燥するという点と、側端部R3aでの保持安定性という点でより好ましい。第1ダクト41は、第3ローラ中央部R3bの長さL2とほぼ同じ範囲に送風することができるスリット41aを有している。また、第1ダクト41は、送風制御装置56により風速または風量、送風温度、送風の向きが制御される。第1ダクトへは第1送風機55から空気が送られる。ただし、本発明は、第1ダクト41の種類に依存するものではなく、、所定の温度の空気が所定の風速または風量で送られるものであればよい。また、第1ダクト41からの送風は、第3ローラR3の上流側からなされることが、良好な搬送状態を得る上で好ましい。
第1ダクト41からの風速V2は、1≦V2≦20であることが好ましく、2≦V2≦15であることがより好ましい。V2<1であると、第1ダクト41の設置効果がなく、V2>20とすると、フィルム31に対する風圧が高すぎてフィルム31を破損することがある。ただし、上記の好ましい範囲は、第3ローラ中央部R3bからの空気の風速や、フィルム厚み等に応じて調整されることが好ましい。例えば、フィルム31の厚みが20μm以上40μm以下であり、そして第3ローラ中央部R3bからの空気の風速V1が弱く、概ね1m/s以上5m/s以下のときには、所定の乾燥速度と、良好な搬送状態とを得るために、第1ダクト41からの風速V2を上記範囲に限定せずに高めに設定し、また、これと同じようなフィルム31に対して、第3ローラからの風速V1を強めに設定するときには、第1ダクト41からの風速V2を上記範囲に限定せずに低めに設定することが好ましい。
また、第3ローラR3の送風コントローラ52は、第3ローラR3中央部R3bからの吐出される空気の温度T1(単位:℃)を制御している。そして、第1ダクト41からの送風の温度をT2(単位:℃)とするとき、T1とT2との少なくともいずれか一方の温度は30℃以上100℃以下であることが好ましい。T1とT2の少なくともいずれか一方を30℃以上100℃以下とすることにより、フィルム31の乾燥を適度に進めることができるので、フィルム31が自重によりたるんで第3ローラR3に接触してしまうことを防ぐことができる。より好ましくは、T1及びT2の両方を30℃以上100℃以下とすることである。T1とT2とのいずれの温度も30℃未満とすると、フィルム31から溶媒が所定量揮発しないために、フィルム31は重量が大きすぎて自重によりたるみ、部分的に第3ローラ中央部R3bに接触しまう等して接触キズを発生することがある。
さらに、第3ローラR3の下方には第2ダクト42が備えられており、第3ローラR3上のフィルム31に対し、送風が行われる。第2ダクト42は、第3ローラR3の長手方向に沿ったスリット42aを有しており、送風制御装置56により風速が制御される。第2ダクト42への空気は第1送風機55から送られる。このスリット42aは、フィルム31の反剥離面に対してほぼ垂直に送風するように、その向きを設定され、また、その送風範囲は、少なくともフィルム31の中央部であって、第3中央部R3bの長さL2に渡る範囲が好ましい。これにより、フィルム31を良好に乾燥するとともに、より安定した搬送をすることができる。第2ダクト42は、本実施形態のようなスリット方式のものに限定されるものではなく、例えば、上記と同様の送風機能を有する多孔板等を使用してもよい。
以上に挙げたような第3ローラ中央部R3bにおける空気の吐出と、第1ダクト41からの送風と、第2送風機からの送風とは、いずれかひとつを行ってもよいし、複数を組み合わせて行ってもよい。また、その組み合わせも任意とすることができる。さらに、第3ローラ中央部R3b上のフィルム31の剥離面側にサクションボード等を設けて、その吸引機能によりフィルム31の乾燥状態の制御と搬送の安定化とを図ることもできる。
このようにして、第3ローラR3上のフィルム31は、第3ローラR3と第1ダクト41と第2ダクト42とにより空気を送られるので、溶媒の揮発が促進されるとともに、両側端部がより安定して第3ローラR3の側端部Raに支持される。その溶媒を回収するために、本発明では、フィルム31の側端部の側上部、例えばニップローラ36,37の各上部に排気ダクト45を設けている。排気ダクト45により、フィルム31から揮発した溶媒は、フィルム31の表面近傍において長時間滞留することなく連続的に回収されるので、気化した溶媒のフィルム近傍における濃度が概ね一定になり、乾燥速度をほぼ一定に保つことができる。さらに、揮発した溶媒を連続的に回収することにより、揮発した溶媒が凝縮してフィルム31の表面へ付着することが防止される。排気ダクト45は、図3に示すようにフィルムの両側端部にそれぞれ設けるなくともよい。例えば、フィルム31の全幅に渡る吸引口(図示なし)をもつ排気ブロアをひとつ設けて、フィルム31全幅域から気化溶媒を回収してもよい。
排気ダクト45には、その排気口45aに接続した排気処理装置46が設けられている。この排気処理装置46では、気化した溶媒が冷却されて凝縮し、溶媒の成分として再利用可能な液体となる。本実施形態においては、ドープにおける溶媒成分として、各種有機溶媒を用いており、排気ダクト45及び排気処理装置46の使用により、人体はもとより環境に配慮した溶液製膜工程となっている。
第3ローラ両側端部R3aには、その表面に粗さ加工処理を施している。粗さ加工は、図3に示すように、フィルム31と接触した第3ローラR3の長手方向において、フィルム31の側縁部からの距離で定めた符号L10の範囲で施されるとすると、本実施形態においては2mm≦L10≦20mmとしている。なお、この粗さ加工の範囲L10を、以降粗さ加工長さと称するものとする。この粗さ加工を第3ローラR3に施すことにより、フィルム31の保持力を高めることができる。この粗さ加工長さL10を20mmより大きくしても、フィルム保持力の向上効果はほとんどなく、また2mmより小さくした場合には、フィルム保持力の向上は認められない。この粗さ加工長さL10は、より好ましくは4mm≦L10≦18mmとすることがより好ましく、5mm≦L10≦15mmとすることが特に好ましい。
次に、第3ローラ側端部R3aの表面粗さについて説明する。図4に示すように、この側端部R3aは、平滑部71と凹部72とを有するトタン形状となっていてもよい。凹部72の深さd、つまり、平滑部71と凹部72の最深部との差は1mm以上5mm以下とされており、凹部72は、第3ローラR3の外周方向において所定の間隔L4で設けられている。ここで、間隔L4とは、外周方向において隣り合う凹部72同士の、外周方向における最深部間の距離を意味しており、2mm以上5mm以下とすることが好ましく、以降これを凹部間隔L4と称する。この凹部間隔L5で平滑部71に凸部72を設けたトタン形状とすることにより、上記のようにフィルム保持力が向上するので、フィルム31の側端部のカールを抑制することができる。トタン形状の向きは、第3ローラR3の長手方向や、外周方向等任意としてよい。
凹部72の深さを1mmより小さくし、かつ、凹部間隔L5を2mmより小さくした場合には、フィルム保持力が低下するためにカールの抑制効果がなく、粗さ加工処理の効果はない。また、凹部72の深さdを5mmより大きくし、かつ凹部間隔L4を5mmより大きくした場合には、後に続くテンター装置17(図1参照)において、テンタークリップにフィルムが払いよけられたりしてテンタークリップに良好に噛み込まない場合があり不適である。さらに、この場合には、テンターの下流に備えられたシール用部材に接触してフィルムの側縁が欠けてしまい、フィルムが切断してしまうことがある。
さらに、ニップローラ36,37を使用することにより、第3ローラR3におけるフィルム保持力及びフィルム側端部のカールの抑制効果を高めている。ニップローラ36,37と第3ローラR3とにおけるフィルム面に対する押しつけ圧力は、溶媒を含んだフィルム31が、第3ローラR3またはニップローラ36,37に接着してフィルムが破損しない範囲とすることが好ましい。また、ニップローラ36,37の代わりに板状物等を用いることができるが、この場合には、フィルム31の剥離面に対する摩擦によってフィルムが破損しないために、表面材料を低摩擦係数のものとすることが好ましい。低摩擦係数を有するものとしては、ポリテトラフルオロエチレンをはじめとするフッ素系ポリマーを例示することができる。
さらに、第3ローラ側端部R3aは、ジャケット式2重構造の間に通水されている。第3ローラR3の両側面には第1給水口65と第1排水口66とがそれぞれ設けられており、水は第1給水口65から入って、ジャケット内壁に設けられたヒータ(図示せず)により加熱されて、所定時間ジャケット内に滞留した後、第1排水口66から外部へ排出されている。温度コントローラ51は、ヒータの温度制御を行い、ヒータの温度制御により、水の温度は制御されて、第3ローラ側端部R3aの表面温度が制御される。ただし、側端部R3aの温度制御方法は、ジャケット式ローラの使用における通水に限定されるものではない。例えば、側端部R3aにその表面材質を加熱するヒータが備えられて、ヒータを温度コントローラで温度制御する加熱ローラとしてもよい。いずれにしても、第3ローラ側端部R3aの温度が、所定の温度範囲において制御可能なものであれば、本発明は、本実施形態に限定されるものではない。
ところで、フィルム31は、第3ローラ中央部R3からの空気吐出と、第1ダクト41と第2ダクト42との送風により中央部を浮上されているが、例えば搬送速度を所定速度より増減した場合には浮上せずに第3ローラ中央部R3bに接触する場合がある。そこで、第3ローラ中央部R3bの表面には、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系ポリマーにてコーティング処理を施している。フッ素系ポリマーのコーティング処理により、上記のような接触時における、フィルム31と第3ローラ中央部R3bとの摩擦力が低下し、フィルムの破損を防止することができる。コーティングする材料は、フッ素系ポリマーが最も好ましいが、これに限定されるものではなく、フィルム31との摩擦力を所定量低減させるに十分な材料であればよい。また、この摩擦力低減に関しては、コーティング処理に限定されず、フィルム破損を防ぐに十分な表面平滑性を有する金属材料を使用してもよい。
本実施形態においては、フィルム31が、搬送速度1.7m/秒以上という高速搬送をされているために、第3ローラR3のみを上記形状及び上記機能を有するローラとしても上記のような効果が得られるが、フィルム31の溶媒含有率が30重量%以上であるときに接触するその他のローラについても、第3ローラR3と同様のものとすることによりさらに効果を向上させることができる。一方、0.9m/秒以下の比較的低い搬送速度の場合には、任意のひとつのローラとフィルム31との接触時間が長くなるので、上記のようなフィルム故障や可塑剤等の析出の発生確率が高まる。したがって、搬送速度が低い場合には、第3ローラR3以外のローラとして、第3ローラR3と同様のものを使用することが好ましい。
また、第3ローラR3の下流側でフィルム31が30重量%未満の溶媒含有率となってから接触する第nローラRnは、第3ローラR3と同様の形状及び機能を有するローラとしても、得られる効果がほとんどない。したがって、溶媒含有率が30重量%未満のフィルムと接触する第nローラRnは、例えば外径が長手方向で一定である円柱状のものであってよい。
なお、第3ローラR3が、フィルム31の剥離面側に配するときには、ニップローラ36,37と、減圧ブロア45と第1及び第2送風機41,42とはいずれも、フィルム31の面に関して対称な位置に設置すればよい。
さらに、本発明においては、送風板58,59によりフィルム31の両面に対し送風を行っている。図5は、送風板58,59の、フィルム進行方向からみた説明図である。第3及び第4ダクト58,59には、第2送風機85と送風制御装置86が備えられており、送風制御装置86によりそれぞれが独立して送風温度を制御される。ここで、第3及び第4ダクト58,59からの送風温度をそれぞれT4,T5とし、第3及び第4ダクト58,59の互いの間隔をL5とする。また、第3及び第4ダクト58,59からの送風の風速をそれぞれV3,V4とする。
第3及び第4ダクト58,59は、フィルム31の幅方向に延長されたレール83上に移動可能に取り付けられており、また、それぞれ送風制御装置86とシフト制御装置87とが備えられている。第3及び第4ダクト58,59は、シフト制御装置87により、フィルム31の幅に応じてその設置位置を制御される。また、第3及び第4ダクト58,59のフィルム31側にはスリット58a,59aがそれぞれ設けられており、これらのスリット58a,59aからフィルム31の両側端部に対して送風される。送風及びその解除と、風速V3,V4の制御と、送風温度T4,T5の制御とは、送風制御装置86によってなされる。
ここで、第3及び第4ダクト58,59からの送風は、フィルム31に対し、その両側端部の幅が50mm以内の範囲に送風されることが好ましい。さらに、各送風板58,59の互いの間隔L5は、5mm以上20mm以下とされることが好ましい。風速V3,V4は、本実施形態においては、いずれか一方が1m/秒以上20m/秒以下とされるが、ともにこの範囲とすることがより好ましい。また、送風温度T4,T5については、T4≦10℃とし、T5≦30℃とすることが好ましい。
第3及び第4ダクト58,59からの上記送風により、フィルム31の両側端部は、乾燥を促進される。これにより、フィルム31の両側端部の溶媒含有率の低下がさらに促進されるので、両側端部の剛性が高まり、ツレやシワの発生が抑制される。
また、本発明において製造することができるフィルム31としては、セルロースアシレートフィルムが好ましく、中でも、セルローストリアセテートフィルムがもっとも好ましいが、これに限定されるものではない。つまり、フィルム31の主成分となるポリマーあるいはその前駆体が溶媒を用いることによりドープとなることができるものであればよい。例えば、ポリエチレン等の各種ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド等を挙げることができる。なお、ポリイミドの場合には、その前駆体であるポリアミック酸の溶液を流延して、これを加熱乾燥することにより溶媒を除去し、架橋させてポリイミドのフィルムとする。セルローストリアセテートの場合には、その原料が綿花リンタのものと木材パルプのものがあり、いずれか一方を単独で使用してもよいし、また、両者を混合したものでもよい。
さらに、フィルムを単層構造とする場合のみならず、逐次流延方式や共流延方式を用いた積層構造とする場合に対しても有効である。積層構造とする場合も、溶媒含有率が30重量%であるときのフィルム厚みが全層で26μm以上104μm以下の場合に特に有効である。ドープは、流延時の温度における粘度が30000〜100000mPa・sの範囲であることが好ましい。ドープの流延速度もしくはフィルムの搬送速度は、概ね3.5m/秒以下の領域で本発明は適用可能である。また、フィルム11の搬送速度が大きい場合やフィルム厚みが非常に薄い場合等、一般にはフィルム化するのが困難といわれる製造系ほど本発明は有効である。
本発明では、フィルム化に使用されるドープの溶媒として、公知の各種溶媒を用いることができる。例えば各種ハロゲン化炭化水素の他、アルコール、エーテル、エステル、ケトンなどを単独あるいは複数混合して使用することができる。
さらに、本発明においては、フィルムの中に各種添加剤を適宜含有させてもよい。添加剤としては、可塑剤、紫外線吸収剤、染料、光学的異方性化合物、マット剤等が一般的である。
さらに、本発明は、以上の溶液製膜方法によって作られたフィルムや光学機能性フィルム、さらに偏光板保護フィルムとを含む。さらに、この偏光板保護フィルムを構成要素とする偏光板と、得られたフィルムを構成要素とした液晶表示装置も含まれる。
本発明の偏光板は、ポリビニルアルコール(PVA)系フィルムにより作製された偏光膜の両面に、前記の各実施形態の溶液製膜方法により作製されたセルローストリアセテート等のフィルムを保護フィルムとして貼り合わせることによって得られる。偏光膜は、ポリビニルアルコール系フィルムを染色して得られるが、この染色方法としては、気相吸着法と液相吸着法が一般的でありどちらも適用することができるが、本発明においては液相吸着により染色を実施した。
液相吸着による染色には、ここではヨウ素を用いるがこれに限定されるものではない。ポリビニルアルコールフィルムをヨウ素/ヨウ化カリウム(KI)水溶液に、30秒以上5000秒以下の浸積時間をもって浸積した。このときの水溶液は、ヨウ素の濃度を0.1g/リットル以上20g/リットル以下とし、ヨウ化カリウムの濃度を1g/リットル以上100g/リットル以下とすることが好ましい。また、浸積時の水溶液の温度は5℃以上50℃以下の範囲に設定されることが好ましい。
液相吸着方法としては、上記の浸積法に限らず、ヨウ素あるいはその他の染料溶液をポリビニルアルコールフィルムに塗布する方法や噴霧する方法など、公知の方法を適用してよい。染色を実施するのは、ポリビニルアルコールフィルムを延伸する前であっても延伸した後でもよいが、ポリビニルアルコールフィルムは染色を施されることにより適度に膨潤して延伸されやすくなることから、延伸工程の前に染色工程を設けることが特に好ましい。
ヨウ素の代わりに二色性色素で染色することも好適である。二色性色素としては、アゾ系色素やスチルベン系色素、ピラゾロン系色素、トリフェニルメタン系色素、キノリン系色素、オキサジン系色素、チアジン系色素、アントラキノン系色素等の色素系化合物を例示することができる。なお、水溶性の色素系化合物がもっとも好ましい。また、これらの二色性色素の分子中に、スルホン酸基やアミノ基、水酸基等の親水性官能基が導入されていることが好ましい。
染色したポリビニルアルコール系フィルムを延伸して偏光膜を製造工程においてはポリビニルアルコールを架橋させる化合物を用いている。具体的には、延伸前工程もしくは延伸工程において架橋剤溶液にポリビニルアルコール系フィルムを浸積して架橋剤を含有させる。浸積する代わりに塗布してもよい。ポリビニルアルコール系フィルムは、架橋剤の含有によって十分に硬膜化され、この結果、適切な配向が付与される。なお、ポリビニルアルコールの架橋剤としては、ホウ酸類がもっとも好ましいが、これに限定されるものではない。
得られた偏光膜とセルローストリアセテートフィルムとの接着剤には、偏光膜と保護フィルムの接着に用いることができる公知の各種接着剤を用いることができる。中でも、アセトアセチル基やスルホン酸基、カルボキシル基、オキシアルキレン基等を有する変性ポリビニルアルコールを含むポリビニルアルコール系ポリマーやホウ素系化合物の水溶液が好ましい。この接着剤は、乾燥した後の厚みが0.01μm以上10μm以下となるように付与することが好ましく、0.05μm以上5μm以下となるように付与することがさらに好ましい。さらに、保護フィルムとしてポリビニルアルコール層に付与したセルローストリアセテートフィルム層の表面には、反射防止層や防眩層、滑り付与層、易接着層等を付与することができる。
さらに、上記の偏光板に反射防止層を付与した反射防止フィルムを得て、これを表面保護フィルムの片側として用いたツイステットネマチック(TN)、スーパーツイステットネマチック(STN)、バーティカルアライメント(VA)、インプレインスイッチング(IPS)、オプティカリーコンペンセイテットベンドセル(OCB)等のモードの透過型、反射型、または半透過型の液晶表示装置を得る。また、液晶表示装置の視野角を改良する視野角拡大フィルムなどの光学補償フィルム、位相差板等を組み合わせて使用することもできる。透過型または半透過型の液晶表示装置に用いる場合には、市販の輝度向上フィルム(偏光選択層を有する偏光分離フィルム、例えば住友3M(株)製のD−BEFなど)と併せて用いることにより、さらに視認性の高い表示装置を得ることができる。
〔実験1〕
図1に示すような溶液製膜設備10にて、セルローストリアセテートフィルムを作製した。バンド27からの剥ぎ取り時におけるバンドの表面温度は25℃であった。渡り部33には、4本のローラR1〜R4を設け、このうち第1〜第3ローラR1〜R3は、側端部の外径が90mm、中央部の外径が60mm、側端部の長さL1が280mm、中央部の長さL2が1600mmであり、第4ローラR4は全長1880mmの円柱状ローラである。なお、第1〜第3ローラR1〜R3における接触長さL3は160mmである。第1〜第3ローラR1〜R3の側端部に多数の凹部を形成し、凹部の深さdを2mmとし、表面形状をトタン状とした。凹部間隔L4は3mmとした。
第1〜第3ローラR1〜R3の側端部R1a〜R3aの温度T3と第4ローラR4の外周表面とは5℃とし、中央部R1b〜R3bからの送風は、風速V1を5m/秒とし、温度T1を40℃とした。また、第1ダクト41の風速V2と送風温度T2とは、それぞれ、10m/秒、10℃とした。第2ダクト42からの送風は10m/秒、40℃の条件とした。第3及び第4ダクト58,59の各風速V3,V4は10m/秒であって,各送風温度についてはT4を10℃とし、T5を50℃とした。第1ローラR1上のフィルム31は、溶媒含有率が150重量%であった。
渡り部33を経たフィルム31をテンター装置17で幅規制しながら乾燥させ、さらにローラ乾燥装置21で乾燥させた後、側端部を切断除去し巻きとった。得られたフィルム31の厚みは40μmであった。なお、フィルム31の搬送速度は70m/分とした。
本実験1の結果、搬送状態はたいへん安定しており、得られたフィルムは面状が良好であった。
〔比較実験1−1〕
渡り部の第1〜第4ローラR1〜R4すべてを、側端部に凹部がない平滑なローラであって、長手方向に同一径である円柱状ローラとした以外は、実施例1と同様に実施した。
本比較実験の結果、第1〜第4ローラR1〜R4上ではフィルムのツレやシワが発生し、ローラには接触跡が観察された。また、得られたフィルムには、ツレ、シワ、スリキズや接着跡が観察された。
〔比較実験1−2〕
渡り部の第1ローラR1を、側端部に凹部がない平滑なローラであって、長手方向に同一径である円柱状ローラとした。また、第2〜第4ローラR2〜R4の代わりに、エアフロータ型の無接触搬送手段によりフィルムを浮上させながらテンター装置17へ搬送した。これ以外の条件は実施例1と同様にして実施した。
本比較実験の結果、フィルムが幅方向に大きく収縮してしまい、フィルムにトタン状の変形が観察された。
実験1−1及び比較実験1−1〜1−2の結果より、渡り部おいて、溶媒含有率が30重量%以上のフィルムをローラで支持または搬送する際には、ローラでフィルムの側端部のみを支持することが、フィルムのツレやシワ、カール等の面状故障の抑制とローラの汚染防止に有効であり、その具体的手段としては、ローラの長手方向における中央部を側端部より小径化してさらにここから空気を吐出させることが効果的であることがわかる。また、このようなローラの使用に加えて、第1〜第4送風機41,42,81,82を用いこれからフィルム、及びフィルムと前記ローラの中央部との間に送風することで、上述の面状故障や、ローラ汚染等を、より効果的に防止することができることがわかる。
ヨウ素濃度を0.3g/リットルとし、ヨウ化カリウム18.0g/リットルとした水溶液を25℃に設定して、この中にフィルム厚が75μmのポリビニルアルコールフィルム(厚み(株)クラレ製)を浸積した。さらに、ホウ酸濃度を80g/リットル、ヨウ化カリウム濃度を30g/リットルとした50℃の水溶液中にて、このフィルムを5.0倍に延伸して偏光膜を得た。実験1−1で得られたセルローストリアセテートフィルムを、それぞれ、50℃の1.5Nの水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液で約180秒処理した後、中和してから水洗処理を施し、偏光膜の表裏に貼り合わせた。接着剤としてポリビニルアルコール(商品名;PVA−117H、(株)クラレ製)の4%水溶液を用いた。これを80℃の空気恒温槽にて約30分間乾燥して偏光板を得た。
分光光度計により、得られた偏光板について、可視領域における並行透過率Yp及び行透過率Ycを求め、次式に基づき偏光度PYを決定した。
PY={(Yp−Yc)/(Yp+Yc)}1/2 ×100 (%)
本実施例2の結果、実験1−1にて製造されたフィルムを用いて構成された偏光板において偏光度PYは99.6%以上であってムラもなく、本発明の溶液製膜方法にて得られるフィルムは、偏光板に好適に用いることができることがわかる。
透過型TN液晶表示装置が搭載されたノートパソコンの液晶表示装置の視認側偏光板を、実験2で作製した偏光板に貼り代えて液晶表示装置を得た。なお、この液晶表示装置は、そのバックライトと液晶セルとの間に、偏光選択層を有する偏光分離フィルム(商品名;DーBEF、住友3M(株)製)を有している。
本実施例3で得られた液晶表示装置は、輝度ムラがなく、表示品位の非常に高いものであった。このことから、本発明の溶液製膜方法にて得られるフイルムは、液晶表示装置として好適であることがわかる。
本発明を実施した溶液製膜方法の工程図である。 本発明を実施した溶液製膜工程の渡り部の概略図である。 渡り部のローラによるフィルム搬送を示す説明図である。 渡り部ローラの側端部表面の示す断面図である。 渡り部のダクトによるフィルム側端部の乾燥方法を示す説明図である。
符号の説明
10 溶液製膜設備
16 流延装置
17 テンター装置
27 バンド
31 フィルム
33 渡り部
36,37 ニップローラ
41 第1ダクト
41a スリット
42 第2ダクト
42a スリット
45 排気ダクト
45a 排気口
46 排気処理装置
51 温度コントローラ
52 送風コントローラ
55 第1送風機
56 送風制御装置
58 第3ダクト
58a スリット
59 第4ダクト
59a スリット
61 吐出孔
71 平滑部
72 凹部
83 レール
85 第2送風機
86 送風制御装置
87 シフト制御装置
d 凹部の深さ
L1 第3ローラの長手方向における、両側端部の長さの和
L2 第3ローラの長手方向における、中央部の長さ
L3 第3ローラの側端部における、フィルムとの接触部の長さ
L4 外周方向に隣り合う凹部の間隔
L5 第3ダクトと第4ダクトとの間隔
R1〜Rn 第1〜第nローラ
R3a 第3ローラ側端部
R3b 第3ローラ中央部

Claims (14)

  1. 溶媒を含むポリマーフィルムをローラで支持する溶液製膜方法において、
    前記溶媒の含有率を、前記ポリマーフィルム中の固形分に対する前記溶媒の重量比率とするとき、
    前記ポリマーフィルムは前記溶媒を30重量%以上の前記含有率で含み、
    前記ローラの側端部の外径をDEとし、中央部の外径をDCとするとき、
    前記DEが、前記ローラの長手方向に一定であり、前記DCより大きく、
    前記ローラは、前記中央部上のポリマーフィルムを乾燥するための給気手段を有し、
    前記給気手段により前記中央部が前記ポリマーフィルムと非接触であり、
    前記ローラは、前記ポリマーフィルムの両側端部のみに接触することを特徴とする溶液製膜方法。
  2. 前記ローラの長手方向において、
    前記ローラの前記側端部の長さの和をL1とし、前記中央部の長さをL2とし、一方の前記側端部における前記ポリマーフィルムとの接触部の長さをL3とするとき、
    1.01≦DE/DC≦4.00、
    2.5≦L2/L1≦13、
    50mm≦L3≦250mm、
    を満たすことを特徴とする請求項1記載の溶液製膜方法。
  3. 前記給気手段は、前記中央部に設けられた、空気を吐出するための吐出孔であり、
    前記ポリマーフィルムの前記ローラ側であって、前記ローラの上流部に、第1送風手段を設け、第1送風手段により前記ローラの前記中央部と前記ポリマーフィルムとの間に送風し、
    前記中央部からの空気の風速V1(単位;m/秒)と、
    前記第1送風手段による送風の風速V2(単位;m/秒)とは、
    1≦V1≦20、
    1≦V2≦20、
    を満たすことを特徴とする請求項1または2記載の溶液製膜方法。
  4. 前記吐出孔から吐出される空気の温度をT1(単位:℃)とし、前記第1送風手段による送風の温度をT2(単位:℃)とするとき、
    30≦T1≦100、
    30≦T2≦100、
    を満たすことを特徴とする請求項3記載の溶液製膜方法。
  5. 前記ローラに関して前記ポリマーフィルムとは反対側に第2送風手段を設け、
    前記第2送風手段により、前記ポリマーフィルムに送風することを特徴とする請求項3または4記載の溶液製膜方法。
  6. 前記ポリマーフィルムの前記両側端近傍に、気体を回収する排気回収手段を設け、
    前記ポリマーフィルムからの気化溶媒を前記排気回収手段により回収することを特徴とする請求項1ないし5いずれかひとつ記載の溶液製膜方法。
  7. 前記ローラの前記側端部は、
    表面の算術平均粗さRaが0.1μm以上であることを特徴とする請求項1ないし6いずれかひとつ記載の溶液製膜方法。
  8. 前記ローラの前記側端部において、前記ポリマーフィルムと接触する側縁より20mm以内の外周面に複数の凹部を設け、
    前記凹部の深さをd(単位:mm)とし、外周方向に隣りあう前記凹部の間隔をL4(単位:mm)とするとき、
    1≦d≦5、2≦L4≦5、
    とすることを特徴とする請求項1ないし7いずれかひとつ記載の溶液製膜方法。
  9. 前記ローラの外周面に沿った長手方向を有するニップローラを設け、
    前記ローラと前記ニップローラとで前記ポリマーフィルムの両側端部を挟むことを特徴とする請求項8記載の溶液製膜方法。
  10. 前記ローラは、少なくとも前記側端部の表面温度を制御する温度制御手段を有し、
    前記ローラの前記側端部の表面温度をT3(単位:℃)とするとき、
    前記温度制御手段により−50≦T3≦20とすることを特徴とする請求項1ないし9いずれかひとつ記載の溶液製膜方法。
  11. 前記中央部の外表面がフッ素系ポリマーとされることを特徴とする請求項1ないし10いずれかひとつ記載の溶液製膜方法。
  12. 前記ローラの下流にテンター装置を設け、
    前記テンター装置の上流位置に、前記ポリマーフィルムの各面に送風するための第3及び第4の送風手段を設け、
    前記第3及び第4の送風手段により、前記ポリマーフィルムの両側縁から50mm以内の範囲に送風することを特徴とする請求項5ないし11いずれかひとつ記載の溶液製膜方法。
  13. 前記第3送風手段からの送風温度をT4とし、
    前記第4送風手段からの送風温度をT5とし、
    前記第3送風手段と前記第4送風手段との間隔をL5(単位:mm)とし、
    前記第3及び第4送風手段からの風速をともにV3(m/秒)とするとき、
    T4≠T5、
    5≦L5≦20、
    1≦V3≦20とすることを特徴とする請求項12記載の溶液製膜方法。
  14. 流延支持体より剥離した前記ポリマーフィルムの剥離面側に、前記第3送風手段により送風し、
    前記ポリマーフィルムの反剥離面側に前記第4送風手段により送風するとき、 T4≦10、T5≧30とすることを特徴とする請求項13記載の溶液製膜方法。
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