JP4059730B2 - 溶液製膜方法及び装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、溶液製膜方法及びこの方法によって製造されたセルロースアシレートフィルムに関するものである。特に、光学用途、液晶表示装置、有機エレクトロルミネッセンス、偏光板等に用いられるポリマーフィルム及びその製造方法としての溶液製膜方法に関するものであり、さらにこの製造方法によりつくられるセルロースアシレートフィルムと偏光板、液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
前記したような高機能性ポリマーフィルムは、一般には流延ダイを用いてドープを支持体上に流延させ、これを支持体から剥ぎ取った後、乾燥工程を経て巻き取ることにより製造されている。これは、溶液製膜方法と呼ばれている代表的なフィルムの製造方法である。この製造方法では、フィルムを支持体から剥ぎ取った後、フィルムの平面性や機械的強度、光学特性等を改良するために、フィルム幅規制及びフィルム延伸を行うテンターと呼ばれる装置を設けて、フィルムを搬送しながら乾燥させることが一般的となっている。
【0003】
テンター装置によって搬送されたフィルムは、支持体との密着面側、つまり剥離面側にその両側端部がカールする。このカールは、剥離面側と反剥離面側との溶媒含有量の違いに起因しており、支持体側の方が反支持体面側に比べてその量が多くなっている。テンター装置のテンタークリップまたはピン等の部材は、フィルムの両側縁より少し内側の部分を保持しており、走行軌道と走行速度によって、フィルムの幅を規制し、また、延伸する方向に張力をかけている。したがって、保持されている内側部分は張力によりカールすることはないが、保持されている箇所より外側、つまりテンタークリップやピンよりも外端部(以降、これを耳部と称する)には大きなカールを生じてしまう。このカールした部位及び現象は、耳カールと一般に呼ばれている。
【0004】
フィルムがテンタークリップまたはピンから離脱されると、ローラによって搬送されるが、このローラ上で耳カールが耳折れとなり、搬送不良となることが多い。また、この耳カールがローラと不均一に接触することによって、耳部にはしわが連続的にあるいは断続的に生じることがある。
【0005】
また、テンター装置では、テンタークリップまたはピン等で保持されているフィルムの両側端部は、保持部の乾燥及びそれによる収縮が進まないために、耳伸び状態となる。その結果、テンタークリップまたはピンから離脱された後のフィルムがローラに接触する際に、フィルムの中央部にかかる張力と耳部にかかるそれとには差が生じてしまい、ローラ上でのしわ発生につながる。
【0006】
そこで、テンタークリップまたはピンからフィルムを離脱させる位置(以下、保持解除点と称する)と、保持解除点以降に最初に接触するローラの距離を小さくするという対策が、耳カールを抑制する方法として有効とされている。
【0007】
一方で、生産効率を上げるためにフィルム化工程の高速化が図られている。その一環として、テンター装置による乾燥では、乾燥温度を上げて乾燥速度の上昇を促すという傾向にある。
【0008】
また、液晶表示装置、有機エレクトロルミネッセンス、偏光板等では、製品の高機能化に対する要求が高まっている。そのため、これらに用いられるフィルムをますます薄膜化する必要があり、特開2002−120244号公報や特開2000−199819号公報等では薄膜化を提案した溶液製膜方法やそれを用いた偏光板、液晶表示装置等を提案している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、保持解除点と前記ローラの距離を小さくする方法は、設備の構造上の制約があったり、あるいは、ローラはフィルムの全幅を指示するものであってその径の大きさには制約があるなどして、十分な効果を得ることができるまでこの距離を小さくすることができない場合が実際には多い。
【0010】
また、上述した耳カールやロール上での耳折れ、耳伸び、しわ等の現象は、テンター装置における乾燥温度の上昇やフィルムの薄膜化に伴い、一層顕著にもしくは頻繁に発生するという問題がある。これは、乾燥温度の上昇によりフィルムの温度が上昇したとき、また、フィルムの膜厚が薄い場合に、多くのフィルムはその剛性を低下させてしまうからである。
【0011】
したがって、これらの現象の発生を防止するために、乾燥条件を緩和したり、フィルムの薄膜化を避けたりすることになってしまい、生産性や新規商品開発に制約を与えるという問題がある。
【0012】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、テンターを離脱した後のフィルム両側端部の耳カール、及び耳カール起因の耳折れ、しわ等の発生を抑制することができる溶液製膜方法を提供することを目的とする。
【0013】
【議題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、ポリマーを含むドープを支持体上に流延し、ポリマーフィルムとして剥ぎ取り、このポリマーフィルムの側部を保持する保持手段が備えられるテンターにより前記ポリマーフィルムを延伸しながら乾燥した後に、搬送ローラにより前記ポリマーフィルムを次工程であるローラ乾燥工程に搬送する溶液製膜方法において、テンターと搬送ローラとの間のフィルム搬送路の両側にそれぞれ複数設けられ、ポリマーフィルムと接触することにより周方向に回転し、周面が粗度化加工もしくは溝切り加工された非駆動ローラにより、ポリマーフィルムの保持手段による保持位置よりも外側の端部を押さえ、前記複数の非駆動ローラは、回転軸がポリマーフィルム面と交差するように配され、前記端部を支持体からの剥ぎ取り面側から押さえることを特徴として構成されている。
【0014】
上記の溶液製膜方法では、ポリマーフィルムの剥ぎ取り面側に配された送風手段により、前記側部の剥ぎ取り面にエアを吹き付けることがより好ましく、非駆動ローラの外径をdとするとき、ポリマーフィルムの走行方向における非駆動ローラの中心間距離LCに関して、1.5d≦LC≦8dとすることが好ましい。
【0015】
ポリマーフィルムと前記非駆動ローラの回転軸とのなす角が、ポリマーフィルムの走行方向において徐々に変化するように、複数の非駆動ローラが配されていることが好ましく、非駆動ローラの長さをLRとし、前記ポリマーフィルムの幅をWとしたとき、LR≦(W/5)とすることが好ましい。
【0017】
前記非駆動ローラの外径をdとするとき、10mm≦d≦60mmとすることが好ましく、前記粗度化加工もしくは前記溝切り加工は、前記周面における表面粗さ測定による最大高さRyが1.0μm以上となるような加工であることが好ましい。また、非駆動ローラと接するときのフィルムの温度を40℃以上とし、かつ、フィルムの厚みTが25μm以上160μm以下であるときに効果の発現性が特に高い。さらに、フィルムとしてはセルロースアシレートフィルムが好適である。
【0018】
さらに、本発明は、ポリマーを含むドープが流延される支持体と、支持体から剥ぎ取られたポリマーフィルムの側部を保持手段で保持して、延伸しながら乾燥するテンターと、テンターを経た前記ポリマーフィルムを次工程に搬送するローラと、を備える溶液製膜装置において、テンターとローラとの間のフィルム搬送路の両側にそれぞれ複数設けられ、前記ポリマーフィルムと接触することにより周方向に回転し、回転軸がポリマーフィルム面に交差するように配され、周面が粗度化加工もしくは溝切り加工され、ポリマーフィルムの保持手段による保持位置よりも外側の端部を支持体からの剥ぎ取り面側から押さえる非駆動ローラを備えることを特徴として構成されている。
【0019】
上記溶液成膜装置には、エアを前記端部の前記剥ぎ取り面に吹き付ける送風手段が備えられていることが好ましい。
【0020】
【発明の実施の形態】
図1及び図2は本発明を実施した溶液製膜工程の一部であり、フィルムがテンターを離脱した直後のフィルム搬送工程を示すものである。図1は上方からの平面図であって、図2はフィルムの進行方向側からみた断面図である。フィルム11はテンター12で幅を規制され、かつ、延伸されながら乾燥される。テンター12では、テンタークリップ13がフィルム11の両側端部を保持しながら、テンター軌道14に従って走行しフィルム11を搬送する。テンタークリップ13の代わりにピンクリップを用いる場合もある。各テンタークリップ13は、保持解除点Pに到達すると、クリップを開放してフィルム11の保持を解除するようにコントローラ(図示なし)によって自動制御されている。フィルム11は、保持解除点Pを通過すると、両側端上部に設置された押さえローラ(以下単に、ローラと称する)17に接触しながらパスローラ18へ搬送されて次工程であるローラ乾燥室(図示なし)へと送られ、製品として巻き取られる。なお、パスローラ18については、駆動ローラとする場合もあるし、非駆動ローラとする場合もある。また、これを複数設置することが多い。
【0021】
このように、ローラ17をテンター12とパスローラ18の間に設置することにより、フィルム11の側端部を押さえて耳カールを抑制し、さらにパスローラ18での耳折れの発生を防ぐことができる。耳カールを除去する耳切り工程を溶液製膜工程に組み入れている場合には、耳切り工程の前にローラ17を適宜設置してもよい。例えば、パスローラ18が複数連続して設置され、耳切り工程がそのパスローラ18より後に組み入れられているときには、任意の前記パスローラ間にもローラ17を適宜設置してもよい。
【0022】
ローラ17は、フィルム11の両側端部にそれぞれ複数設置されている。片側側端部におけるローラ17の設置間隔は、これを小さくした方が耳カール11aの抑制効果が大きい。ここでは、ローラ17のフィルム11の走行方向における中心間距離LCとローラの外径dに関して、1.5d≦LC≦8dを満たすようにローラ17を設置しているが、1.5d≦LC≦5dに設定することがさらに好ましい。なお、ローラ17の設置位置を、フィルム11の左右の両側端部において対称とする必要はなく、さらに、すべての中心間距離LCを同じ値とする必要もない。つまり、耳カール11aを抑制するのに十分な設置数と位置を適宜設定すればよい。製造環境により、耳カール11aが一方の片側端部にしか認められない場合は、ローラ17の設置をフィルム11の同側端部のみとしてもよい。また、図2の二点波線で示すように、ローラ17の代わりに送風装置19を耳カール部11aの近傍に設置して、エアを吹き付けることによっても、耳カールを抑制することができる。送風装置19は、ローラ17と併用することにより、耳カールの抑制効果をさらに高めることができる場合が多い。
【0023】
また、ローラ17の設置間隔を小さくするために、外径dの小さなローラ17とすることが好適である。本実施形態において、ローラ17は、その長さLRをフィルム11の幅Wの5分の1以下とし、その外径dを10mm以上60mm以下としている。さらに好ましくは、長さLRをフィルム11の幅Wの7分の1以下とし、外径dを10mm以上30mm以下とする。
【0024】
さらに、前記フィルム11の幅方向をX軸とし、前記フィルム11の面に垂直な方向をY軸とし、前記フィルムの走行方向をZ軸としたとき、ローラ17の設置角度は、XY平面及びXZ平面で任意の角度を設定することができるものとしている。ここでは、フィルム11の幅方向であるX軸に平行に設置し、かつ、フィルム内側方向の端部を外側方向の端部より少し上げている。しかし、この角度は、耳カール11aの程度によって適宜設定するものである。例えば、耳カール11aの状態が走行方向において徐々に変化している場合には、その変化に応じて、フィルム11の走行方向における各ローラ17の角度を徐々に変化させて、ローラとフィルム面とのなす角を調整する等の方法がある。つまり、角度設定については上記の実施形態に限られるものではない。
【0025】
なお、本実施形態において、ローラ17は回転軸(図示せず)に取り付けられ、軽量でかつ非駆動とし、搬送されるフィルム11との接触により自在に回転することができるものとしているがこれに限定されるものではない。必要に応じて、回転軸が駆動装置及びコントローラによって回転速度が制御されるような駆動ローラとしてもよい。これにより、ローラ17を、フィルム11の搬送速度に応じて回転させることができる。なお、ローラ17の回転軸の軸受けには、液体潤滑剤を使用しないことが望ましい。これは、オイル等の液体潤滑剤がフィルム11の表面へ落下するのを防ぐためである。
【0026】
ローラ17の材質は金属であり、アルミニウム(Al)にハードクロムメッキを施したものとしているが、必要に応じてプラスチックとしてもよい。ただし、ローラ17の構造及び材質については、これらに限られるものではない。さらに、ローラ17の表面には粗度化加工を施している。粗度化は、表面粗さ測定による最大高さRy(JIS−B0601)が1.0μm以上となるように施すことが好ましい。粗度化の代わりに溝切り加工を施しても同様の効果が得られる。
【0027】
上記のように、ローラ17の表面の粗度化加工あるいは溝切り加工や、軽量化による回転抵抗の軽減もしくは駆動化により、フィルム11とローラ17とのスリップ現象を抑制することができる。この結果、フィルム11とローラ17の帯電量の上昇を防いで異物の付着を軽減したり、発塵等も軽減して、製品故障を減少させることができる。帯電量の抑制効果をさらに高めるために、イオン風を送ることによりフィルムとローラの接触部位を強制的に除電している。このような強制除電機能を設備として付与することができない場合には、例えば導電性の金属繊維をフィルムに近接させて自己放電するものとしてもよい。
【0028】
また、本発明において製造することができるフィルム11としては、セルロースアシレートフィルムが好ましく、中でも、セルローストリアセテートフィルムがもっとも好ましいが、これに限定されるものではない。つまり、フィルム11の主成分となるポリマーあるいはその前駆体が溶媒を用いることによりドープとなることができるものであればよい。例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート等の各種ポリエステル、ポリエチレン等の各種ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド等を挙げることができる。セルローストリアセテートの場合には、その原料が綿花リンタのものと木材パルプのものがあり、本実施形態では綿花リンターのものを単独で用いたが、木材パルプのものであっても、また、両者を混合したものでもよい。
【0029】
また、ローラ17と接触するとき、フィルム11の温度が40℃以上であって、その厚みTが25μm以上160μm以下の場合に耳カール11aの抑制効果の発現性は特に高くなる。さらに、本発明は、有効である。ここで、フィルム11の厚みTは、ローラ17との接触時における厚みであり、湿潤フィルム厚を意味する。フィルム11の厚みが25μm未満であると、フィルムの剛性が低すぎて耳カールの抑制が一時的なものとなってしまうなどの問題があり、また160μm以上であるとローラ17の設置数を増やすなどして十分な耳カール抑制を図る必要が生じる場合もある。
【0030】
さらに、フィルム11を単層構造とする場合のみならず、逐次流延方式や共流延方式を用いた積層構造とする場合に対しても有効である。積層構造とする場合も、湿潤フィルム厚が全層で25μm以上160μm以下の場合に特に有効である。ドープは、流延時の温度における粘度が5〜100mPa・sの範囲が好ましい。ドープの流延速度もしくはフィルムの搬送速度は、概ね100m/分以下の領域で適用可能である。また、フィルム11の搬送速度が大きい場合やフィルム厚が非常に薄い場合等、一般にはフィルム化するのが困難といわれる製造系ほど本発明は有効である。
【0031】
図3は、別の実施形態を示しており、フィルム21が保持解除点Pを通過した後の、パスローラ18までの搬送工程における側面からみた平面図である。本実施形態において、図1及び図2に示した前記実施形態と同じローラ17を使用しており、このローラ17をフィルム21の両面側に千鳥に設置している。各ローラ17は、その長さ方向がフィルム21の幅方向に対して平行となっており、さらに回転軸(図示せず)とフィルム21面とのなす角はゼロとなっている。このように、ローラ17をフィルム21の両面側に配置することにより、耳カール11aの抑制効果をさらに高めることができる。ただし、ローラ17の設置角度及び数については、耳カールの程度によって適宜決定するものとし、また、左右の両側端部を対称に配置する必要はない。。
【0032】
このように千鳥形態でローラ17を配置した場合には、フィルム21の上面及び下面に関わらず、進行方向に関して連続して配置されているロール17の、フィルム21の進行方向における中心間距離をLCとし、1.5d≦LC≦8dとする。本実施形態においても、1.5d≦LC≦5dとすることがさらに好ましく、また、すべての中心間距離LCを同じ値とする必要はない。
【0033】
図4は、さらに別の実施形態を示しており、保持解除点Pの後であってパスローラに至るまでのフィルム搬送工程の側面図である。本実施形態においても、図1〜図3に示した前記の各実施形態と同じローラ17を使用している。ここでは、図3と同様に、ローラ17がフィルム31の両面に設置されているが、両面のローラは対面しており、フィルムを挟み込んだ状態となっている。この配置形態とすることによって、図3の千鳥配置と同様に、片面側のみの配置に比べて耳カールの抑制の効果を高めることができる。本実施形態において、ロール17の中心間距離LCは、図1に示したフィルムの片面のみの配置と同様に、フィルムの走行方向で隣あうロールを対象とし、1.5d≦LC≦8dとすることが好ましく、1.5d≦LC≦5dすることがさらに好ましい。なお、この配置形態においても、すべての中心間距離LCを同じ値とする必要はなく、また、フィルム11の左右の両側端部に関して対称とする必要はない。
【0034】
本発明では、フィルム化に使用されるドープの溶媒として、公知の各種溶媒を用いることができる。例えば各種ハロゲン化炭化水素の他、アルコール、エーテル、エステル、ケトンなどを単独あるいは複数混合して使用することができる。
【0035】
さらに、本発明においては、フィルムの中に各種添加剤を適宜含有させてもよい。添加剤としては、可塑剤、紫外線吸収剤、染料、光学的異方性化合物、マット剤等が一般的である。
【0036】
さらに、本発明には、以上の溶液製膜方法によって作られたセルロースアシレートフィルムを構成要素とする偏光板、液晶表示装置も含まれる。本発明の偏光板は、ポリビニルアルコール(PVA)系フィルムにより作製された偏光膜の両面に、前記の各実施形態の溶液製膜方法により作製されたセルローストリアセテート等のセルロースアシレートフィルムを保護膜として貼り合わせることによって得られる。偏光膜は、ポリビニルアルコール系フィルムを染色して得られるが、この染色方法としては、気相吸着法と液相吸着法が一般的でありどちらも適用することができるが、本発明においては液相吸着により染色を実施した。
【0037】
液相吸着による染色には、ここではヨウ素を用いるがこれに限定されるものではない。ポリビニルアルコールフィルムをヨウ素/ヨウ化カリウム(KI)水溶液に、30秒以上5000秒以下の浸積時間をもって浸積した。このときの水溶液は、ヨウ素の濃度を0.1g/リットル以上20g/リットル以下とし、ヨウ化カリウムの濃度を1g/リットル以上100g/リットル以下とすることが好ましい。また、浸積時の水溶液の温度は5℃以上50℃以下の範囲に設定されることが好ましい。
【0038】
液相吸着方法としては、上記の浸積法に限らず、ヨウ素あるいはその他の染料溶液をポリビニルアルコールフィルムに塗布する方法や噴霧する方法など、公知の方法を適用してよい。染色を実施するのは、ポリビニルアルコールフィルムを延伸する前であっても延伸した後でもよいが、ポリビニルアルコールフィルムは染色を施されることにより適度に膨潤して延伸されやすくなることから、延伸工程の前に染色工程を設けることが特に好ましい。
【0039】
ヨウ素の代わりに二色性色素で染色することも好適である。二色性色素としては、アゾ系色素やスチルベン系色素、ピラゾロン系色素、トリフェニルメタン系色素、キノリン系色素、オキサジン系色素、チアジン系色素、アントラキノン系色素等の色素系化合物を例示することができる。なお、水溶性の色素系化合物がもっとも好ましい。また、これらの二色性色素の分子中に、スルホン酸基やアミノ基、水酸基等の親水性官能基が導入されていることが好ましい。
【0040】
染色したポリビニルアルコール系フィルムを延伸して偏光膜を製造工程においてはポリビニルアルコールを架橋させる化合物を用いている。具体的には、延伸前工程もしくは延伸工程において架橋剤溶液にポリビニルアルコール系フィルムを浸積して架橋剤を含有させる。浸積する代わりに塗布してもよい。ポリビニルアルコール系フィルムは、架橋剤の含有によって十分に硬膜化され、この結果、適切な配向が付与される。なお、ポリビニルアルコールの架橋剤としては、ホウ酸類がもっとも好ましいが、これに限定されるものではない。
【0041】
得られた偏光膜とセルローストリアセテートフィルムとの接着剤には、偏光膜と保護膜の接着に用いることができる公知の各種接着剤を用いることができる。中でも、アセトアセチル基やスルホン酸基、カルボキシル基、オキシアルキレン基等を有する変性ポリビニルアルコールを含むポリビニルアルコール系ポリマーやホウ素系化合物の水溶液が好ましい。この接着剤は、乾燥した後の厚みが0.01μm以上10μm以下となるように付与することが好ましく、0.05μm以上5μm以下となるように付与することがさらに好ましい。さらに、保護膜としてポリビニルアルコール層に付与したセルローストリアセテートフィルム層の表面には、反射防止層や防眩層、滑り付与層、易接着層等を付与することができる。
【0042】
さらに、上記の偏光板に反射防止層を付与した反射防止フィルムを得て、これを表面保護フィルムの片側として用いたツイステットネマチック(TN)、スーパーツイステットネマチック(STN)、バーティカルアライメント(VA)、インプレインスイッチング(IPS)、オプティカリーコンペンセイテットベンドセル(OCB)等のモードの透過型、反射型、または半透過型の液晶表示装置を得る。また、液晶表示装置の視野角を改良する視野角拡大フィルムなどの光学補償フィルム、位相差板等を組み合わせて使用することもできる。透過型または半透過型の液晶表示装置に用いる場合には、市販の輝度向上フィルム(偏光選択層を有する偏光分離フィルム、例えば住友3M(株)製のD−BEFなど)と併せて用いることにより、さらに視認性の高い表示装置を得ることができる。
【0043】
【実施例】
〔実施例1〕
溶液製膜方法にてセルローストリアセテートのフィルム化を実施した。ローラ17を、テンター12とそれに続くパスローラ18の間に配置した。テンター12によるフィルム11の保持解除点Pからパスローラ18までの距離は700mmであり、フィルム11の幅は1600mmである。ローラ17と接触するときのフィルム11の厚みTは85μmであり、温度は60℃である。なお、セルローストリアセテートフィルムには、可塑剤としてトリフェニルホスフェート(TPP)が含有されている。
【0044】
ローラ17は、その外径dが20mmであり、長さLが150mmであって、ローラの中心間距離LCを80mmとして図1及び図2に示すように、フィルム11の両側端部の上面にのみ設置した。ローラ17は、フィルム11の内側向きの端部を外側向きの端部より少し上げて傾きをもたせた。ローラ17の表面粗さはRy指標で1.5μmである。
【0045】
本実施例の結果、耳カールを抑制することができ、パスローラ18等での搬送過程における耳折れやしわの発生は確認されなかった。その結果、フィルム11を安定して搬送させることが可能となり、巻き取った製品の品質も良好であった。
【0046】
〔実施例2〕
図3に示すようにローラ17をフィルム21の両面側に千鳥に配置して、そのローラ17の中心間距離LCを50mmとした。ローラ17は、フィルム21の幅方向及びフィルム面に平行に設置した。その他の条件については、実施例1と同様に実施した。
【0047】
本実施例の結果、耳カールを抑制することができ、パスローラ18等における耳折れやしわは発生しなかった。その結果、フィルム21を安定して搬送させることが可能となり、巻き取った製品の品質も非常に良好であった。
【0048】
〔実施例3〕
ローラ17を、フィルム11の両側端の上面にのみ、保持解除点Pから350mmの位置に設置した他は実施例1と同様に実施した。本実施例の結果、耳カールをほぼ抑制することができ、耳折れやしわの発生はなかった。巻き取った製品は品質上問題のないものであった。
【0049】
〔比較例1〕
ローラ17を設置しなかったほかは実施例1と同様に実施した。本比較例の結果、耳カールが発生し、耳折れが連続的に認められた。搬送する途中でフィルム11は切断してしまい、製品として巻き取ることはできなかった。
【0050】
実施例1〜3及び比較例1の結果より、ローラをフィルムの両側端部に設置しその設置条件を適宜設定することにより、フィルムの耳カールを抑制し、耳カール起因の耳折れやしわの発生を防止することができることがわかる。
【0051】
〔実施例4〕
ヨウ素濃度を0.3g/リットルとし、ヨウ化カリウム18.0g/リットルとした水溶液を25℃に設定して、この中にフィルム厚が75μmのポリビニルアルコールフィルム(厚み(株)クラレ製)を浸積した。さらに、ホウ酸濃度を80g/リットル、ヨウ化カリウム濃度を30g/リットルとした50℃の水溶液中にて、このフィルムを5.0倍に延伸して偏光膜を得た。実施例1及び実施例2で得られたセルローストリアセテートフィルム11,21を、それぞれ、50℃の1.5Nの水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液で約180秒処理した後、中和してから水洗処理を施し、偏光膜の表裏に貼り合わせた。接着剤としてポリビニルアルコール(商品名;PVA−117H、(株)クラレ製)の4%水溶液を用いた。これを80℃の空気恒温槽にて約30分間乾燥して2種類の偏光板を得た。
【0052】
分光光度計により、得られた2種類の偏光板について、可視領域における並行透過率Yp及び行透過率Ycを求め、次式に基づき偏光度PYを決定した。
PY={(Yp−Yc)/(Yp+Yc)}1/2 ×100 (%)
【0053】
本実施例の結果、実施例1及び2から製造されたフイルム11,21を用いて構成された偏光板のいずれにおいても偏光度PYは99.6%以上であってムラもなく、本発明の溶液製膜方法にて得られるフイルムは、偏光板に好適に用いることができることがわかる。
【0054】
〔実施例5〕
透過型TN液晶表示装置が搭載されたノートパソコンの液晶表示装置の視認側偏光板を、作製した2種類の偏光板にそれぞれ貼り代えた。なお、この液晶表示装置は、そのバックライトと液晶セルとの間に、偏光選択層を有する偏光分離フィルム(商品名;DーBEF、住友3M(株)製)を有している。
【0055】
本実施例の結果、得られた2種類の液晶表示装置はいずれも、輝度ムラがなく、表示品位の非常に高いものであった。このことから、本発明の溶液製膜方法にて得られるフイルムは、液晶表示装置として好適であることがわかる。
【0056】
【発明の効果】
以上のように、本発明の溶液製膜方法により、テンターを離脱した後のフィルム両側端部の耳カールを抑制し、耳カール起因の耳折れ、しわ等の発生を防止することができる。その結果として、フィルムは連続して安定的に搬送され、良好な製品としてのフィルムを得ることができる。得られたフィルムは、さらに、偏光板や液晶表示装置の構成要素として好適に用いられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施したテンターからパスローラまでのフィルム搬送工程を示す上方からの平面図である。
【図2】本発明を実施したローラによる耳カールの抑制工程の、フィルムの進行方向側からみた断面図である。
【図3】別の実施形態であり、パスローラに至る搬送工程の側面図である。
【図4】さらに別の実施形態であり、パスローラに至る搬送工程の側面図である。
【符号の説明】
11 フィルム
11a 耳カール
12 テンター
17 ローラ
18 パスローラ
19 送風装置
21 フィルム
31 フィルム
d ローラの外径
LC ローラの中心間距離
LR ローラの長さ
P 保持解除点
T フィルムの厚み
W フィルムの幅
Claims (10)
- ポリマーを含むドープを支持体上に流延し、ポリマーフィルムとして剥ぎ取り、前記ポリマーフィルムの側部を保持する保持手段が備えられるテンターにより前記ポリマーフィルムを延伸しながら乾燥した後に、搬送ローラにより前記ポリマーフィルムを次工程であるローラ乾燥工程に搬送する溶液製膜方法において、
前記テンターと前記搬送ローラとの間のフィルム搬送路の両側にそれぞれ複数設けられ、前記ポリマーフィルムと接触することにより周方向に回転し、周面が粗度化加工もしくは溝切り加工された非駆動ローラにより、前記ポリマーフィルムの前記保持手段による保持位置よりも外側の端部を押さえ、
前記複数の非駆動ローラは、回転軸がポリマーフィルム面と交差するように配され、前記端部を前記支持体からの剥ぎ取り面側から押さえることを特徴とする溶液製膜方法。 - 前記ポリマーフィルムの剥ぎ取り面側に配された送風手段により、前記側部の前記剥ぎ取り面にエアを吹き付けることを特徴とする請求項1記載の溶液製膜方法。
- 前記非駆動ローラの外径をdとするとき、前記ポリマーフィルムの走行方向における前記非駆動ローラの中心間距離LCに関して、1.5d≦LC≦8dとすることを特徴とする請求項1または2記載の溶液製膜方法。
- 前記ポリマーフィルムと前記非駆動ローラの前記回転軸とのなす角が、前記ポリマーフィルムの走行方向において徐々に変化するように、複数の前記非駆動ローラが配されていることを特徴とする請求項1ないし3いずれかひとつ記載の溶液製膜方法。
- 前記非駆動ローラの長さをLRとし、前記ポリマーフィルムの幅をWとしたとき、LR≦(W/5)とすることを特徴とする請求項1ないし4いずれかひとつ記載の溶液製膜方法。
- 前記非駆動ローラの外径をdとするとき、10mm≦d≦60mmとすることを特徴とする請求項1ないし5いずれかひとつ記載の溶液製膜方法。
- 前記粗度化加工もしくは前記溝切り加工は、前記周面における表面粗さ測定による最大高さRyが1.0μm以上となるような加工であることを特徴とする請求項1ないし6いずれかひとつ記載の溶液製膜方法。
- 前記非駆動ローラと接するときの前記ポリマーフィルムの温度を40℃以上とし、かつ、前記ポリマーフィルムの厚みを25μm以上160μm以下とすることを特徴とする請求項1ないし7いずれかひとつ記載の溶液製膜方法。
- ポリマーを含むドープが流延される支持体と、支持体から剥ぎ取られたポリマーフィルムの側部を保持手段で保持して、延伸しながら乾燥するテンターと、テンターを経た前記ポリマーフィルムを次工程に搬送するローラと、を備える溶液製膜装置において、
前記テンターと前記ローラとの間のフィルム搬送路の両側にそれぞれ複数設けられ、前記ポリマーフィルムと接触することにより周方向に回転し、回転軸が前記ポリマーフィルム面に交差するように配され、周面が粗度化加工もしくは溝切り加工され、前記ポリマーフィルムの前記保持手段による保持位置よりも外側の端部を前記支持体からの剥ぎ取り面側から押さえる非駆動ローラを備えることを特徴とする溶液製膜装置。 - エアを前記端部の前記剥ぎ取り面に吹き付ける送風手段が備えられたことを特徴とする請求項9記載の溶液製膜装置。
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