JP6733543B2 - 偏光膜の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、液晶表示装置(以下、LCDと略称することがある。)等に使用される偏光膜の製造方法に関し、さらに詳しくは、原反であるポリビニルアルコール系フィルムをヨウ素で染色した偏光膜の製造方法に関する。
LCDは、携帯情報端末、液晶テレビ、卓上電子計算機、電子時計、パーソナルコンピュータ、ワードプロセッサ、自動車や機械の計器類等に使用されており、このLCDには偏光板が使用されている。偏光板としては、ヨウ素又は二色性染料を吸着配向させたポリビニルアルコール系フィルムからなる偏光膜の片面又は両面に、トリアセチルセルロースなどの保護フィルムを積層したものが一般に使用されており、明るく、高いコントラストを有するLCDを提供するために、高い透過率と高い偏光度を兼ね備えた偏光板が必要とされている。
前述した偏光膜は、例えば、ポリビニルアルコール系フィルムを水(温水を含む)で膨潤させた後、ヨウ素で染色し、ヨウ素分子を配列させるために延伸し、延伸した状態を保持するためにホウ酸などの架橋剤で架橋し、乾燥させて製造されている。かかる製造工程は、ロールからポリビニルアルコール系フィルムを巻き出して、巻き取り機やニップロールを用いて、水平方向に搬送しながら連続して行われる。
しかし、水膨潤、染色、延伸、ホウ酸架橋、乾燥の製造工程において、フィルムが吸水又は脱水してカールし、フィルムの幅方向端部に折れや皺が発生するので、偏光膜を生産性良く製造できないという問題があった。特に、フィルムが薄い場合には、かかる折れや皺が起因となってフィルムが破断し、生産が中断する問題もあった。更に、かかる端部の不具合は、偏光膜の内部にも影響して、偏光膜全体の偏光性能を低下させたり、偏光板の液晶セルへの均一な装着を困難にしたり、液晶表示画像の色ムラや白抜けなどの原因となっていた。
近年、液晶テレビなどの画面の大型化に伴い、従来品よりも一段と幅広薄型の偏光膜が必要とされる中、端部の折れや皺は、撲滅せねばならない課題であった。
かかる折れや皺を低減するために、乾燥処理でフィルムの幅方向に一定の張力をかける手法が提案されている(例えば特許文献1参照。)。また、水中走行中のフィルムの幅方向両端部にノズルから水を噴射する手法が提案されている(例えば特許文献2参照。)。
特開2006−189560号公報 特開平7−247378号公報
しかしながら、上記特許文献1の開示技術では、乾燥処理工程における折れや皺を回避できるものの、乾燥工程前の水膨潤、染色、延伸、ホウ酸架橋のうちいずれかの工程でフィルムに折れや皺が発生すると、そもそも乾燥工程まで搬送できないという課題がある。
また、上記特許文献2の開示技術では、水中での折れや皺を回避できるものの、空中で発生する折れや皺を防ぐことができない。
そこで、本発明は、偏光膜の全製造工程において、折れや皺の問題を解決し、生産性良く偏光ムラの少ない偏光膜を製造することを目的としたものである。
そこで、本発明では以下の態様の発明を提供する。
〔偏光膜の製造方法〕
1)ポリビニルアルコール系フィルムをロールから巻き出して水平方向に移送する工程、2)水膨潤工程、3)染色工程、4)延伸工程、及び5)ホウ酸架橋工程を有する偏光膜の製造方法であって、
前記2)水膨潤工程から前記3)染色工程に至る前記フィルムの移送速度が1m/分以上であり、
前記フィルムが前記2)水膨潤工程における水膨潤槽を出て最初のロールaから前記3)染色工程における染色槽直前のロールbまでの間において、前記フィルムの幅方向両端部に気体を下記条件a)、条件b)及び流速0.1〜10m/秒で吹き付けて前記フィルムのカールを防止することを特徴とする偏光膜の製造方法。
条件a)気体の吹き付け方向と前記フィルムの面とのなす角度θ1が20〜60°である。
条件b)気体の吹き付け方向を前記フィルムの面に垂直投影したときの方向と前記フィルムの移送方向とのなす角度θ2が30〜60°である。
本発明において、「フィルムの幅方向」とは、一般には帯状のフィルムの長手方向に対して略直交する方向である。特に、ロールから巻き出し水平方向に移送されるポリビニルアルコール系フィルムにおいては、フィルムの移送方向に対して略直交する方向であり、典型的には、フィルムの両縁間の距離が最短となるときの方向をいう。
本発明においては、フィルムの幅方向を「TD方向」と称し、フィルムの移送方向を「MD方向」と称する。
なお、以下では、ポリビニルアルコール系フィルムを単に「フィルム」ともいう。
本発明の偏光膜の製造方法によれば、フィルムが2)水膨潤工程における水膨潤槽を出て最初のロールaから3)染色工程における染色槽直前のロールbまでの間において、ポリビニルアルコール系フィルムの幅方向両端部に気体を所定の条件で吹き付けてフィルムのカールを防止するので、フィルム全面を平坦に保つことができ、折れや皺を回避することができる。
本発明の製造方法により、幅広長尺薄型の偏光膜を生産性良く製造でき、偏光膜の中央部から端部まで均一な偏光度を有する偏光膜を得ることができる。更に、幅広長尺薄型の偏光板の製造を容易にすることができ、液晶表示画像の色ムラや白抜けを低減することができる。
図1は1)原反巻き出し工程、2)水膨潤工程、3)染色工程における空気の吹き付け箇所を模式的に示す図である。 図2は2)水膨潤工程と3)染色工程間における水膨潤槽の液面とロールaとの距離A、ロールa及びロールb間の距離Bを模式的に示す図である。 図3Aはポリビニルアルコール系フィルム(PVAフィルム)の表面に液体を吹き付ける場合の吹き付け態様を示す図である。 図3Bはポリビニルアルコール系フィルム(PVAフィルム)の裏面に液体を吹き付ける場合の吹き付け態様を示す図である。 図4はポリビニルアルコール系フィルムの表面又は裏面に空気を吹き付けた場合において、吹き付け方向とフィルムの面とのなす角度θ1を示す図である。 図5はポリビニルアルコール系フィルムの表面又は裏面に空気を吹き付けた場合において、吹き付け方向をポリビニルアルコール系フィルムの面に垂直投影したときの方向とポリビニルアルコール系フィルムの移送方向とのなす角度θ2を示す図である。 図6はポリビニルアルコール系フィルムの表面又は裏面に空気を吹き付けた場合において、吹き付け方向とフィルムの面とのなす角度θ1、及び吹き付け方向をポリビニルアルコール系フィルムの面に垂直投影したときの方向とポリビニルアルコール系フィルムの移送方向とのなす角度θ2を示す図である。 図7はポリビニルアルコール系フィルムに空気を吹き付ける場合の吹き付け態様の一例を示す図である。
以下、本発明の構成につき詳細に説明するが、これらは望ましい実施態様の一例を示すものであり、本発明はこれらの内容に特定されるものではない。
本発明の偏光膜の製造方法では、1)ポリビニルアルコール系フィルムをロールから巻き出して水平方向に移送する工程、2)水膨潤工程、3)染色工程、4)延伸工程、及び5)ホウ酸架橋工程を経て偏光膜を製造する。なお、1)ポリビニルアルコール系フィルムをロールから巻き出して水平方向に移送する工程を以下では1)原反巻き出し工程ともいう。
上記1)原反巻き出し工程に用いられるポリビニルアルコール系フィルムは、ポリビニルアルコール系樹脂をフィルム状に製膜し、ロールに巻き取られたものである。
ポリビニルアルコール系フィルムに用いられるポリビニルアルコール系樹脂としては、通常、未変性のポリビニルアルコール系樹脂、即ち、酢酸ビニルを重合して得られるポリ酢酸ビニルをケン化して製造される樹脂が用いられる。本発明で用いられるポリビニルアルコール系フィルムにおいては、必ずしもこれに限定されるものではなく、酢酸ビニルと、少量(例えば、10モル%以下、好ましくは5モル%以下)の酢酸ビニルと共重合可能な成分との共重合体をケン化して得られるポリビニルアルコール系樹脂を用いることもできる。酢酸ビニルと共重合可能な成分としては、例えば、不飽和カルボン酸(例えば、塩、エステル、アミド、ニトリル等を含む)、炭素数2〜30のオレフィン類(例えば、エチレン、プロピレン、n−ブテン、イソブテン等)、ビニルエーテル類、不飽和スルホン酸塩等が挙げられる。また、ケン化後の水酸基を化学修飾して得られる変性ポリビニルアルコール系樹脂を用いることもできる。
また、ポリビニルアルコール系樹脂として、側鎖に1,2−ジオール構造を有するポリビニルアルコール系樹脂を用いることもできる。かかる側鎖に1,2−ジオール構造を有するポリビニルアルコール系樹脂は、例えば、(i)酢酸ビニルと3,4−ジアセトキシ−1−ブテンとの共重合体をケン化する方法、(ii)酢酸ビニルとビニルエレンカーボネートとの共重合体をケン化及び脱炭酸する方法、(iii)酢酸ビニルと2,2−ジアルキル−4−ビニル−1,3−ジオキソランとの共重合体をケン化及び脱ケタール化する方法、(iv)酢酸ビニルとグリセリンモノアリルエーテルとの共重合体をケン化する方法、等により得られる。
ポリビニルアルコール系樹脂の重量平均分子量は、光学性能や延伸性の点で、10万〜30万であることが好ましく、特に好ましくは11万〜28万、更に好ましくは12万〜26万である。
ポリビニルアルコール系樹脂の平均ケン化度は、光学性能の点で、通常98モル%以上であることが好ましく、特に好ましくは99モル%以上、更に好ましくは99.5モル%以上、殊に好ましくは99.8モル%以上である。
本発明に用いるポリビニルアルコール系樹脂として、変性種、変性量、重量平均分子量、平均ケン化度などの異なる2種以上のものを併用してもよい。
本発明で使用されるポリビニルアルコール系フィルムは、上記のポリビニルアルコール系樹脂を用いてポリビニルアルコール系樹脂水溶液を調製し、かかる水溶液をキャストドラム、キャストベルト、キャスト樹脂フィルムなどのキャスト型に吐出及び流延して製膜し、乾燥後、ロールに巻き取ることで製造される。
ポリビニルアルコール系樹脂水溶液には、ポリビニルアルコール系樹脂以外に、必要に応じて、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、エチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、トリメチロールプロパンなどの一般的に使用される可塑剤や、ノニオン性、アニオン性、及び/またはカチオン性の界面活性剤を含有させることが、製膜性の点から好ましい。
ポリビニルアルコール系樹脂水溶液の樹脂濃度は、10〜60重量%であることが好ましく、特に好ましくは15〜55重量%、更に好ましくは20〜50重量%である。
キャスト型に吐出する際のポリビニルアルコール系樹脂水溶液の温度は、80〜100℃であることが好ましく、特に好ましくは85〜98℃である。また、キャスト型に吐出されるポリビニルアルコール系樹脂水溶液の吐出速度は、0.1〜5m/分であることが好ましく、特に好ましくは0.2〜4m/分、更に好ましくは0.3〜3m/分である。
キャストドラム等のキャスト型の表面温度は、40〜99℃であることが好ましく、特に好ましくは60〜95℃である。
キャスト型で製膜されたフィルムの乾燥は、フィルムの表面と裏面とを複数本の熱ロールの外周部に交互に接触させながら搬送させることにより行なわれる。熱ロールによる乾燥後、フィルムに熱処理を行ってもよい。熱処理については、60〜150℃で行われることが好ましく、特には80〜130℃が好ましい。
フィルムをロールに巻き取る前に、フィルムの両端部をスリットで切り落としてもよい。
かかるポリビニルアルコール系フィルムの厚さは、偏光膜の薄型化の点から、5〜60μmであることが好ましく、更なる薄型化の点から、より好ましくは5〜30μmであり、破断回避の点から、特に好ましくは10〜30μmである。
また、ポリビニルアルコール系フィルムの幅は、3m以上であることが好ましく、大面積化の点からより好ましくは4m以上、破断回避の点から特に好ましくは4〜6mである。
また、ポリビニルアルコール系フィルムの長さは、4km以上であることが好ましく、大面積化の点からより好ましくは4.5km以上、好ましくは5km以上である。
なお、フィルムの長さの上限は、破断回避の点から、好ましくは50km以下、特に好ましくは40km以下、更に好ましくは30km以下である。
本発明の製造方法では、上記2)水膨潤工程、3)染色工程、及び4)延伸工程のいずれかの工程の前及び/又は後において、搬送されるフィルムの幅方向両端部に気体を所定の条件で吹き付けてフィルムのカールを防止する。
4)延伸工程の後の5)ホウ酸架橋工程後や、その後の6)乾燥工程後に、気体の吹き付けを行うことも可能であるが、かかる工程ではフィルムが架橋や乾燥により高硬度になるので折れや皺は発生し難く、吹き付けによる効果は顕著では無い。
気体の吹き付けを行なう時期は、上記2)水膨潤工程、3)染色工程、及び4)延伸工程の中では、折れ回避の点から、2)水膨潤工程の後、及び/又は3)染色工程の後が好ましく、特に好ましくは、しわ回避の点で、2)水膨潤工程の後であり、更に好ましくは、偏光膜の平坦化の点で2)水膨潤工程の後10秒以内である。
吹き付けを行うフィルムの面は、特に限定されず、表面、裏面、及び両面への吹き付けが可能である。一般的に、原反となるポリビニルアルコール系フィルムは、ポリビニルアルコール系樹脂の水溶液をキャストベルトなどのキャスト型に吐出及び流涎して製膜し、連続的に乾燥して得られる。かかる乾燥において、両面の状態が全く同じにはならないことが多く、片面側の水分が少なかったり、結晶化度が高かったりする場合が多い。当然のことながら、水分の少ない面が吸水して伸びやすいため、偏光膜製造における2)水膨潤工程や3)染色工程において、反対面側にフィルムがカールしやすい。かかる場合、本発明においては、カール方向である該反対面側の両端部に、気体の吹き付けを行うことが有効である。
吹き付ける気体としては、空気、窒素、酸素、水蒸気、不活性ガスなどの気体が挙げられる。これらの中では、偏光膜の性能に悪影響しない点で、空気又は水蒸気が好ましく、より好ましくは、設備の簡便さの点で、空気である。空気を用いる場合、温度は10〜50℃が好ましく、特に好ましくは20〜40℃である。
以下に、本発明の好ましい実施形態の1つとして、2)水膨潤工程後に空気の吹き付けを行う場合を例にとって、本発明を説明する。
一般的に、2)水膨潤工程は、ポリビニルアルコール系フィルムの膨潤度制御の点で、10〜45℃、好ましくは20〜35℃で、0.1〜10分間、好ましくは0.5〜5分間、水に浸漬して行われる。なお、水には、ヨウ化化合物、界面活性剤等の添加物、アルコール等が少量入っていてもよい。
例えば、図1に示すように、ロールに巻かれたポリビニルアルコール系フィルムをロールから巻き出して水平方向に移送する1)原反巻き出し工程を経て、水膨潤槽へ投入されたポリビニルアルコール系フィルムは、2)水膨潤工程により、ポリビニルアルコール系フィルムの水膨潤が行なわれる。その後、水膨潤槽から引き上げられたポリビニルアルコール系フィルムは、ロールを経て染色槽へと移送され、3)染色工程にてポリビニルアルコール系フィルムの染色が行なわれる。
本発明において、フィルム両端部への空気の吹き付けは、上述したとおり、2)水膨潤工程後、3)染色工程に至るまでの工程間でフィルムに対して行われることが好ましい。かかる工程間で折れや皺が最も発生しやすく、折れや皺でフィルム同士が一旦、貼り付くと簡単には剥がれない。また、かかる工程間で折れや皺が発生した場合には、2)及び3)の工程が偏光膜製造の初工程であるので、後工程に与える影響が甚大である。吹き付けの具体的な位置は、例えば、2)水膨潤工程の水膨潤槽から出た直後、及び最初のロールaの直後が好ましい。なお、図1中の矢印にて吹き付けの位置と方向を模式的に示す。
本発明においては、図2に示すように、フィルムが2)水膨潤工程における水膨潤槽を出て最初のロールaに接するまでの距離Aが1m以下であることが好ましく、特に好ましくは、最初のロールaから染色槽直前のロールbまでの距離Bも1m以下である場合である。距離Aが長すぎると、折れや皺が増加する傾向がある。なお、水膨潤槽からロールaまでの距離Aは、水膨潤槽の液面からロールaまでの最短距離を表し、最初のロールaから染色槽直前のロールbまでの距離Bは、ロールaとロールbとの間の最短距離を表す。
また、一連の工程におけるロール間の張力は、1〜100N/mであることが好ましい。ロール間の張力が大きすぎると、破断しやすい傾向があり、逆に小さすぎると、折れや皺が増加する傾向がある。
更に、2)水膨潤工程から3)染色工程に至るフィルムの移送速度は、生産性の点から、1m/分以上であることが好ましく、特に好ましくは1.5m/分以上、更に好ましくは2m/分以上である。
空気による吹き付けを行う場合、ノズルを用いて、フィルムの幅方向両端部の片面または両面に空気を吐出することが好ましい。このとき、図3Aに示すように、フィルムの表面に空気を吐出してもよいし、図3Bに示すように、フィルムの裏面に空気を吐出してもよいし、フィルムの両面に空気を吐出してもよい。かかるノズルとしては、特に限定されず、点吐出ノズル、線吐出ノズル、面吐出ノズルなど公知のノズルを使用することができるが、吹き付け位置の制御の点から、点吐出が好ましい。かかるノズルは、同種のものを複数個設置してもよく、複数種のものを組み合わせても良い。
ノズルの位置は、図2に示すように、フィルムの折れ回避の点で、フィルムが2)水膨潤工程における水膨潤槽を出た後、搬送用のロールaに接するまでの間が好ましく、特に好ましくは、フィルムの皺回避の点で、水膨潤槽の出口からノズルまで1m以内の距離であり、更に好ましくは、フィルムの平坦性の点で、搬送用のロールaからノズルまで0.5m以内の距離である。なお、水膨潤槽の出口からノズルまでの距離、及び搬送用のロールaからノズルまでの距離は、それぞれ最短距離を表す。
また、ノズルとフィルム面との間の距離は、フィルムの折れ回避の点で、1〜100mmの距離であることが好ましく、特に好ましくは、フィルムの皺回避の点で、2〜50mmの距離である。なお、ノズルとフィルム面との間の距離は最短距離を表し、具体的には、フィルム面に垂直な方向におけるノズルとフィルム面との間の距離を表す。
本発明においては、カール防止の効果の点で、吹き付けの流速と吹き付け角度が重要である。
吹き付けの流速は、0.1〜10m/秒であることが好ましい。特に好ましくは0.2〜5m/秒、更に好ましくは0.3〜3m/秒である。流速が遅すぎると、カール防止の効果が低下する傾向があり、流速が速すぎると、フィルムにうねりが生じやすい傾向がある。
空気の吹き付け方向をフィルムの面に垂直投影したとき、言い換えればフィルム面に垂直な方向でフィルム面を見たとき、空気の吹き付け方向がフィルムの幅方向(TD方向)やフィルムの移送方向(MD方向)に平行でないことが好ましい。したがって、好ましくは、空気の吹き付けの角度には、空気の吹き付け方向とフィルムの面とのなす角度θ1のみならず、空気の吹き付け方向をフィルムの面に垂直投影したときの方向とフィルムの移送方向(MD方向)とのなす角度θ2が包含される(図4〜図6を参照)。
なお、図6においては、フィルムの移送方向をx軸、フィルムの幅方向をy軸、フィルム面に垂直な方向をz軸とし、フィルム面をxy面、フィルム面に垂直な面であってフィルムの幅方向に平行な面をyz面、フィルム面に垂直な面であってフィルムの移送方向に平行な面をxz面としている。
空気の吹き付け方向とフィルムの面とのなす角度θ1は、5〜80°であることが好ましく、特に好ましくは10〜70°であり、更に好ましくは20〜60°である。吹き付け角度θ1が低すぎると、カール防止の効果が低下する傾向があり、高すぎると、フィルムにうねりが生じやすい傾向がある。
また、空気の吹き付け方向をフィルムの面に垂直投影したときの方向とフィルムの移送方向(MD方向)とのなす角度θ2は、5〜175°であることが好ましく、特に好ましくは20〜90°であり、更に好ましくは30〜60°である。吹き付け角度θ2が低すぎると、カール防止の効果が低下する傾向があり、高すぎると、フィルムに皺が生じる傾向がある。
なお、図7に示すように、複数のノズルを用いる場合、かかる吹き付けの流速と吹き付け角度は、全てのノズルが同じであっても、ノズルごとに異なっていてもよい。ノズルごとに異なる手法としては、例えば、フィルムの移送方向(MD方向)の上流側から下流側へ向かって、吹き付け流速を徐々に低く設定したり、吹き付け角度θ1を徐々に低角度にするなどの手法が挙げられる。
空気以外の気体を使用する場合、使用されるノズル、ノズルの配置、吹き付け流速、吹き付け角度は、上述した条件が好ましい。
かかる手法で、ポリビニルアルコール系フィルムは、折れや皺が無い状態で、次の3)染色工程や4)延伸工程に移送される。
本発明の偏光膜は、1)原反巻き出し工程の後、2)水膨潤工程、3)染色工程、4)延伸工程、5)ホウ酸架橋工程、必要に応じて、洗浄工程や乾燥工程などの工程を経て製造される。かかる製造工程は、2)〜5)の順に必ずしも行われる必要は無く、複数の工程を適宜組み合わせてもよい。例えば、2)水膨潤工程と同時に4)延伸工程を行ってもよいし、2)水膨潤工程の後、3)染色工程と同時に4)延伸工程を行っても良いし、2)水膨潤工程と3)染色工程の後、5)ホウ酸架橋工程と同時に4)延伸工程を行ってもよいし、2)水膨潤工程、3)染色工程、5)ホウ酸架橋工程のいずれにおいても4)延伸工程を行ってもよい。
以下、2)水膨潤以降の工程に関して説明する。
3)染色工程は、フィルムにヨウ素または二色性染料を含有する液体を接触させることによって行なわれる。通常は、ヨウ素−ヨウ化カリウムの水溶液が用いられ、ヨウ素の濃度は0.1〜2g/L、ヨウ化カリウムの濃度は1〜100g/Lが適当である。染色時間は30〜500秒程度が実用的である。処理浴の温度は5〜50℃が好ましい。水溶液には、水溶媒以外に水と相溶性のある有機溶媒を少量含有させてもよい。接触手段としては浸漬、塗布、噴霧などの任意の手段が適用できる。
4)延伸工程は、一軸方向に好ましくは3〜10倍延伸する工程であり、3.5〜6倍延伸することが特に好ましい。この際、延伸方向に対して直角をなす方向にも若干の延伸(幅方向の収縮を防止する程度、又はそれ以上の延伸)を行なっても差し支えない。延伸時の温度は、30〜170℃の温度範囲から選ぶのが望ましい。さらに、延伸倍率は最終的に前記範囲に設定されればよく、延伸操作は一段階のみならず、製造工程の任意の範囲の段階に実施すればよい。
5)ホウ酸架橋工程は、ホウ酸やホウ砂などのホウ素化合物を使用して行われる。ホウ素化合物は水溶液または水−有機溶媒混合液の形で濃度10〜100g/L程度で用いられ、液中には少量のヨウ化カリウムを共存させるのが、偏光性能の安定化の点で望ましい。処理時の温度は30〜70℃程度、処理時間は0.1〜20分程度が好ましい。
その後、前記フィルムに洗浄処理を施してもよい。洗浄処理により、フィルムの表面に発生する析出物を除去することができる。洗浄処理は、例えば、水やヨウ化カリウム等のヨウ化物水溶液にポリビニルアルコール系フィルムを浸漬することにより行う。ヨウ化カリウム水溶液を用いる場合のヨウ化カリウム濃度は1〜80g/L程度でよい。洗浄処理時の温度は、通常、5〜50℃、好ましくは10〜45℃である。処理時間は、通常、1〜300秒間、好ましくは10〜240秒間である。なお、水洗浄とヨウ化カリウム水溶液による洗浄は、適宜組み合わせて行ってもよい。また、その後、前記フィルムに乾燥工程を施してもよい。
乾燥工程は、大気中で40〜80℃で1〜10分間行えばよい。
このようにして得られる偏光膜の偏光度は、好ましくは99.8%以上、より好ましくは99.9%以上である。偏光度が低すぎると液晶ディスプレイにおけるコントラストを確保することができなくなる傾向がある。
なお、偏光度は、一般的に2枚の偏光膜を、その配向方向が同一方向になるように重ね合わせた状態で、波長λにおいて測定した光線透過率(H11)と、2枚の偏光膜を、配向方向が互いに直交する方向になる様に重ね合わせた状態で、波長λにおいて測定した光線透過率(H)より、下式にしたがって算出される。
〔(H11−H)/(H11+H)〕1/2
さらに、本発明の偏光膜の単体透過率は、好ましくは42%以上である。かかる単体透過率が低すぎると液晶ディスプレイの高輝度化を達成できなくなる傾向がある。
単体透過率は、分光光度計を用いて偏光膜単体の光線透過率を測定して得られる値である。
本発明の偏光膜の幅は、1m以上であることが好ましく、大面積化の点からは1.3m以上であることが好ましく、更なる大面積化の点から、特に好ましくは1.5m以上、破断回避の点から、更に好ましくは1.5〜2.5mである。
また、本発明の偏光膜の厚さは、15μm以下であることが好ましく、更なる薄型化の点から特に好ましくは10μm以下であり、破断回避の点から更に好ましくは2〜9μm、殊に好ましくは3〜8μmである。
かくして得られる本発明の偏光膜は、偏光ムラが少ないため、高性能な偏光板を製造するのに好適である。
以下、本発明の偏光膜から偏光板を製造する製造方法について説明する。
本発明の偏光膜は、その片面または両面に、接着剤を介して、光学的に等方性な樹脂フィルムを保護フィルムとして貼合されて偏光板となる。保護フィルムとしては、例えば、セルローストリアセテート、セルロースジアセテート、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、シクロオレフィンポリマー、シクロオレフィンコポリマー、ポリスチレン、ポリエーテルスルホン、ポリアリーレンエステル、ポリ−4−メチルペンテン、ポリフェニレンオキサイドなどのフィルムまたはシートが挙げられる。
貼合方法は、公知の手法で行われ、例えば、液状の接着剤組成物を、偏光膜、保護フィルム、あるいはその両方に均一に塗布した後、両者を貼り合わせて圧着し、加熱や活性エネルギー線を照射することで行われる。
また、偏光膜には、薄膜化を目的として、上記保護フィルムの代わりに、その片面または両面にウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ウレア樹脂などの硬化性樹脂を塗布し、硬化して偏光板とすることもできる。
本発明により得られる偏光膜や偏光板は、偏光性能に優れており、携帯情報端末機、パソコン、テレビ、プロジェクター、サイネージ、電子卓上計算機、電子時計、ワープロ、電子ペーパー、ゲーム機、ビデオ、カメラ、フォトアルバム、温度計、オーディオ、自動車や機械類の計器類などの液晶表示装置、サングラス、防眩メガネ、立体メガネ、ウェアラブルディスプレイ、表示素子(CRT、LCD、有機EL、電子ペーパーなど)用反射防止層、光通信機器、医療機器、建築材料、玩具などに好ましく用いられる。
以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例に限定されるものではない。
<測定条件>
実施例及び比較例で得られた偏光膜について下記のとおりに偏光度(%)を測定した。
得られた偏光膜の幅方向の中央部と両端部(それぞれ端から10cmの箇所)の偏光度を、大塚電子(株)製:RETS−1100Aを用いて測定した。
<実施例1>
(ポリビニルアルコール系フィルムの製造)
重量平均分子量142000、ケン化度99.8モル%のポリビニルアルコール系樹脂1000kg、水2500kg、可塑剤としてグリセリン100kgを入れ、撹拌しながら140℃まで昇温して、樹脂濃度25重量%に濃度調整を行い、均一に溶解したポリビニルアルコール系樹脂水溶液を得た。
次に、該ポリビニルアルコール系樹脂水溶液を、ベントを有する二軸押出機に供給して脱泡した後、水溶液温度を95℃にし、T型スリットダイ吐出口から表面温度90℃のキャストドラムに、吐出速度0.6m/分で流延して製膜した。
次いで、得られたフィルムを複数の熱ロールで乾燥し、フローティングドライヤーを用いて120℃で3分間の熱処理を行い、4m幅にスリットで切り落とした。最後に、外径17cm、内径16cm、長さ4.4mのアルミニウム製芯管に巻き取ることによって、含水率が2重量%の帯状のポリビニルアルコール系フィルム(幅4m、長さ5km、厚み15μm)が芯管に巻き付けられたフィルムロールを得た。
(偏光膜の製造)
得られたポリビニルアルコール系フィルムを、ロールから巻き出して水平方向に移送しながら〔1)原反巻き出し工程〕、水膨潤槽の温水に浸漬して膨潤させながら、移送方向へ延伸した(25℃で1分間、延伸倍率1.7倍)〔2)水膨潤工程〕。
水膨潤槽からフィルムを引き上げ、水平に配置された2つのロール間で(ロール間の距離1m、ロール間の張力20N/m)、移送速度1m/分で水平方向に搬送されるフィルムの両端部に、ノズルで上側から空気(23℃)を吹き付けてカールを防止した。かかる空気の吹き付け条件は以下のとおりである。
ノズル:ミスミ社製アジャストホース
ノズル位置:水膨潤槽出口から1m
ノズル位置(高さ):フィルム上面から5mm
吹き付け流速:3m/秒
吹き付け角度θ1:30°
吹き付け角度θ2:45°
得られたフィルムを、ヨウ素0.9g/L、ヨウ化カリウム30g/Lよりなる水溶液中に浸漬し染色しながら、移送方向へ延伸した(28℃で0.5分間、延伸倍率1.6倍)〔3)染色工程〕。
次いで、ホウ酸25g/L、ヨウ化カリウム30g/Lの組成の水溶液に浸漬し、ホウ酸架橋しながら、移送方向へ一軸延伸した(55℃1分、延伸倍率2.0倍)〔5)ホウ酸架橋工程〕。
その後、ヨウ化カリウム水溶液で洗浄を行い、乾燥して総延伸倍率5.4倍の偏光膜を得た(幅1.8m、厚さ7μm)。得られた偏光膜に折れ又は皺は無く、長さ12kmにわたって破断は生じなかった。得られた偏光膜の偏光特性を表1に示す。
(偏光板の製造)
得られた偏光膜の両面に、厚さ40μmのトリアセチルセルロースフイルム(TACフィルム)を、ポリビニルアルコール系水溶液を接着剤として用いて貼合し、50℃で乾燥して偏光板とした。得られた偏光板に偏光ムラは観察されなかった。
<実施例2>
実施例1において、空気の吹き付け角度θ1を60°とする以外は実施例1と同様にして、偏光膜を得た。得られた偏光膜について、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表1に示す。更に、実施例1と同様にして偏光板を得た。得られた偏光板に偏光ムラは観察されなかった。
<実施例3>
実施例1において、空気の吹き付け角度θ2を135°とする以外は実施例1と同様にして、偏光膜を得た。得られた偏光膜について、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表1に示す。更に、実施例1と同様にして偏光板を得た。得られた偏光板に偏光ムラは観察されなかった。
<実施例4>
実施例1において、空気に代えて水蒸気を吹き付ける以外は実施例1と同様にして、偏光膜を得た。
得られた偏光膜について、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表1に示す。更に、実施例1と同様にして偏光板を得た。得られた偏光板に偏光ムラは観察されなかった。
<比較例1>
実施例1において、吹き付けを行わない以外は実施例1と同様にして、偏光膜の製造を開始した。しかし、2)水膨潤工程以降、フィルムの両端部に折れや皺が観察され、長さ1kmの偏光膜を製造したところで、染色槽において破断が生じた。得られた部分の偏光特性を表1に示す。なお、破断が生じたため、偏光板の製造はできなかった。
Figure 0006733543
表1に示すように、本発明の偏光膜の製造方法によれば、折れや皺が無く、長尺の偏光膜を得ることができる。また、偏光膜の中央部のみならず、幅方向両端部においても偏光度が高いので、偏光膜の中央部から端部まで均一な偏光度を有する偏光膜を得ることができる。更に、幅広長尺薄型の偏光板の製造を容易にすることができ、液晶表示画像の色ムラや白抜けを低減することができる。
本発明の偏光膜は、携帯情報端末機、パソコン、テレビ、プロジェクター、サイネージ、電子卓上計算機、電子時計、ワープロ、電子ペーパー、ゲーム機、ビデオ、カメラ、フォトアルバム、温度計、オーディオ、自動車や機械類の計器類などの液晶表示装置、サングラス、防眩メガネ、立体メガネ、ウェアラブルディスプレイ、表示素子(CRT、LCD、有機EL、電子ペーパーなど)用反射防止層、光通信機器、医療機器、建築材料、玩具などに用いられる。
PVAフィルム:ポリビニルアルコール系フィルム
θ1(°):吹き付け方向とフィルムの面とのなす角度
θ2(°):吹き付け方向をポリビニルアルコール系フィルムの面に垂直投影したときの方向とポリビニルアルコール系フィルムの移送方向とのなす角度
距離A:水膨潤槽の液面とロールaとの距離
距離B:ロールaとロールbとの間の距離

Claims (6)

  1. 1)ポリビニルアルコール系フィルムをロールから巻き出して水平方向に移送する工程、2)水膨潤工程、3)染色工程、4)延伸工程、及び5)ホウ酸架橋工程を有する偏光膜の製造方法であって、
    前記2)水膨潤工程から前記3)染色工程に至る前記フィルムの移送速度が1m/分以上であり、
    前記フィルムが前記2)水膨潤工程における水膨潤槽を出て最初のロールaから前記3)染色工程における染色槽直前のロールbまでの間において、前記フィルムの幅方向両端部に気体を下記条件a)、条件b)及び流速0.1〜10m/秒で吹き付けて前記フィルムのカールを防止することを特徴とする偏光膜の製造方法。
    条件a)気体の吹き付け方向と前記フィルムの面とのなす角度θ1が20〜60°である。
    条件b)気体の吹き付け方向を前記フィルムの面に垂直投影したときの方向と前記フィルムの移送方向とのなす角度θ2が30〜60°である。
  2. 前記ロールaから前記ロールbまでの距離が1m以下であることを特徴とする請求項1記載の偏光膜の製造方法
  3. 前記気体を吹き付けるノズルとフィルム面との間の距離が1〜100mmの距離であることを特徴とする請求項1又は2記載の偏光膜の製造方法。
  4. 前記気体が、空気又は水蒸気であることを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の偏光膜の製造方法。
  5. 偏光膜の厚さが15μm以下であることを特徴とする請求項1〜いずれか記載の偏光膜の製造方法。
  6. 偏光膜の幅が1m以上であることを特徴とする請求項1〜いずれか記載の偏光膜の製造方法。
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