JP2016093868A - 樹脂フィルムの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】樹脂フィルムの製造中に、製造の継続を阻害するようなフィルムの裂けの発生を容易に抑制できる樹脂フィルムの製造方法を提供することを目的とする。【解決手段】フィルム15を搬送しながら、フィルム15の搬送方向に垂直な方向の少なくとも一方の端部を切断して、切断された端部フィルム34を除去することによって、樹脂フィルム35を形成する際、フィルム15の、切断後に除去せず残存する側の切断の位置37の近傍に、切断の際にフィルム35が裂けることを防止する防止部材36を接触させながら、フィルム15を切断する樹脂フィルムの製造方法を用いる。【選択図】図2

Description

本発明は、樹脂フィルムの製造方法に関する。
樹脂フィルムは、その化学的特性、機械的特性、及び電気的特性等に鑑み、様々な分野、例えば、液晶表示装置等に用いられている。具体的には、液晶表示装置の画像表示領域には、偏光板の偏光素子を保護するための透明保護フィルム等の、種々の樹脂フィルムが光学フィルムとして配置されている。このような樹脂フィルムとしては、例えば、セルロースエステルフィルム等の透明性に優れた樹脂フィルムが広く用いられている。
セルロースエステルフィルム等の樹脂フィルムは、例えば、セルロースエステル系樹脂等の原料樹脂を溶媒に溶解させた樹脂溶液(ドープ)を用いて製造することができる。このようなドープを用いた樹脂フィルムの製造方法としては、具体的には、例えば、溶液流延製膜法等が挙げられる。溶液流延製膜法とは、走行する支持体上にドープを流延して流延膜(ウェブ)を形成し、剥離可能な程度まで乾燥させた後、フィルムとして前記支持体から剥離し、剥離したフィルムを搬送ローラで搬送しながら、乾燥させたり、延伸させたりして、長尺状の樹脂フィルムを連続的に製造する方法である。
また、上記のような方法によって得られた樹脂フィルムは、光学フィルム等に用いる場合、切断することがある。例えば、搬送中に、フィルムの端部にカールやしわ等が発生した場合等には、この端部を切断して、除去することがある。
一方で、樹脂フィルムの生産効率を高めるために、樹脂フィルムを連続的に生産できることが求められている。このため、樹脂フィルムを切断する場合、樹脂フィルムを製造後に別途切断するのではなく、樹脂フィルムの製造中に切断することが行われている。具体的には、支持体から流延膜をフィルムとして剥離した後、このフィルムをロール状に巻き取るまでの所定の位置で、フィルムを搬送しながら、フィルムの端部を切断することが行われている。
上述したように、樹脂フィルムの製造中に、フィルムを切断する場合に、除去されずに残存する部分に切れ込み等が発生して、フィルムが裂けてしまうと、樹脂フィルムの製造を継続できず、停止することになってしまうことがある。このため、フィルムの裂けを防止して、樹脂フィルムを連続的に製造できることが求められている。
また、フィルムを切断する方法としては、例えば、特許文献1に記載の切断方法等が挙げられる。
特許文献1には、樹脂フィルムを、切断刃によって樹脂フィルムを切断する樹脂フィルムの切断方法であって、前記樹脂フィルムの前記切断刃側の切断予定位置上に、補助フィルムをあてがった状態で前記樹脂フィルムの切断を行う切断工程を含み、前記補助フィルムは、JIS K 7127(1999)に準拠した引張伸び率が、前記樹脂フィルムよりも高い樹脂フィルムの切断方法が記載されている。
特開2014−69295号公報
特許文献1によれば、多額の設備投資や、フィルムの加熱を行うことなく、樹脂フィルムの切断時にクラックや、切り粉、切り屑の発生を防止できることが開示されている。
しかしながら、特許文献1に記載の切断方法では、樹脂フィルムを切断する際に、同時に補助フィルムも切断する必要がある。このため、特許文献1に記載の切断方法で、フィルムが裂けてしまうことを抑制できたとしても、この切断方法で、フィルムを切断すると、切断に対して不具合が生じると考えられる。具体的には、樹脂フィルムの製造方法において、樹脂フィルムの製造中に、上記の切断方法でフィルムを切断する場合、補助フィルムをあてがうことを途中でやめてしまうと、切断対象物が急に薄くなり、切断に対して不具合が生じると考えられる。このことから、樹脂フィルムを製造している間、補助フィルムをあてがい続ける必要があると考えられる。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであって、樹脂フィルムの製造中に、製造の継続を阻害するようなフィルムの裂けの発生を容易に抑制できる樹脂フィルムの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、樹脂フィルムの製造中に、フィルムを切断して、フィルムの裂けが発生しやすい状況は、樹脂フィルムの製造中のすべてにわたって続くわけではなく、フィルムの裂けが発生しやすい状況と、そうでない状況とがあることに着目した。このため、フィルムの裂けを防止するための部材を、特許文献1に記載の技術のように、常に用いるのではなく、フィルムが裂けやすい状況等の際に、選択的に用いることが求められると考えた。例えば、樹脂フィルムの製造条件は、樹脂フィルムを製造しながら調整する場合がある。このような製造条件を調整している間は、フィルムが裂けやすいと考えられる。このようなフィルムが裂けやすい状況等に対して、フィルムの裂けを防止する部材を選択的に用いることができるように、このフィルムの裂けを防止する部材を切断せずに、フィルムの裂けを防止する、以下のような本発明に想到するに到った。
本発明の一態様に係る樹脂フィルムの製造方法は、フィルムを搬送しながら、前記フィルムの搬送方向に垂直な方向の少なくとも一方の端部を切断して、切断された端部フィルムを除去することによって、樹脂フィルムを形成する際、前記フィルムの、前記切断後に除去せず残存する側の前記切断の位置の近傍に、前記切断の際に前記フィルムが裂けることを防止する防止部材を接触させながら、前記フィルムを切断する。
このような構成によれば、フィルムを切断する際に、前記フィルムの、前記切断後に除去せず残存する側の前記切断の位置の近傍に、前記切断の際に前記フィルムが裂けることを防止する防止部材を接触させている。このため、前記切断後に除去せず残存するフィルムが裂けたとしても、その裂けの進行を、防止部材によって抑止できる。よって、樹脂フィルムの製造の継続を阻害するような裂けが、前記切断後に残存するフィルムに発生することを充分に抑制できる。
よって、樹脂フィルムの製造中に、製造の継続を阻害するようなフィルムの裂けの発生を容易に抑制できる樹脂フィルムの製造方法を提供することができる。
また、前記防止部材を接触させていても、前記防止部材を切断しないので、前記防止部材の接触の有無によって、切断対象物の厚みが変わらない。このため、フィルムの裂けが発生しにくい状況においては、前記防止部材の接触をさせずに、フィルムを切断することもできる。
また、前記防止部材を接触させるのは、前記切断後に除去せず残存する側のフィルムであるので、前記切断により除去される端部フィルムには、前記防止部材を接触させない。このことから、防止部材として、例えば、粘着テープのようなものを用いても、端部フィルムに、防止部材を接触させたことによる残留物等が発生せず、端部フィルムの再利用がしやすい。
また、本発明の他の一態様に係る樹脂フィルムの製造方法は、透明性樹脂を含有する樹脂溶液を、走行する支持体上に流延ダイから流延して流延膜を形成する流延工程と、前記支持体から前記流延膜をフィルムとして剥離する剥離工程と、前記フィルムを搬送しながら、前記フィルムの搬送方向に垂直な方向の少なくとも一方の端部を切断して、切断された端部フィルムを除去することによって、樹脂フィルムを形成する切断工程とを備え、前記切断工程が、前記フィルムの、前記切断後に除去せず残存する側の前記切断の位置の近傍に、前記切断の際に前記フィルムが裂けることを防止する防止部材を接触させながら、前記フィルムを切断する接触切断工程を備える。
このような構成によれば、上記構成の樹脂フィルムの製造方法と同様、前記切断後に除去せず残存するフィルムが裂けたとしても、その裂けの進行を、防止部材によって抑止できる。よって、樹脂フィルムの製造の継続を阻害するような裂けが、前記切断後に残存するフィルムに発生することを充分に抑制できる。
また、前記切断工程では、上記構成の樹脂フィルムの製造方法と同様、前記防止部材を接触させていても、前記防止部材を切断しないので、前記防止部材の接触の有無によって、切断対象物の厚みが変わらない。このため、防止部材を接触させながらフィルムを切断する接触切断工程を、前記樹脂フィルムの製造中、常に行う必要がなく、選択的に行うことができる。よって、フィルムの裂けが発生しやすい状況等に対してのみ、接触切断工程を選択的に行うことができる。
これらのことから、樹脂フィルムの製造中に、製造の継続を阻害するようなフィルムの裂けの発生を容易に抑制できる樹脂フィルムの製造方法を提供することができる。
また、前記防止部材を接触させるのは、前記切断後に除去せず残存する側のフィルムであるので、上記構成の樹脂フィルムの製造方法と同様、端部フィルムの再利用がしやすい。
また、前記樹脂フィルムの製造方法において、前記流延工程が、前記樹脂フィルムを製造するための所定の条件で流延する製造時流延工程と、前記製造時流延工程の前に、前記所定の条件になるように調整しながら流延する調整時流延工程とを備え、前記切断工程が、前記接触切断工程と、前記防止部材を接触させずに、前記フィルムを切断する非接触切断工程とを備え、前記製造時流延工程を経て得られたフィルムには、前記非接触切断工程を行い、前記調整時流延工程を経て得られたフィルムには、前記接触切断工程を行うことが好ましい。
まず、樹脂フィルムを製造するための所定の条件になるように、条件を調整しながら流延する調整時流延工程を経て得られたフィルムは、条件を調整しながらフィルムを製造しているので、フィルムの裂けが発生しやすい。また、その後、樹脂フィルムを製造するための所定の条件に調整され、その条件で流延する製造時流延工程で得られたフィルムは、フィルムの裂けが発生しにくい。このため、前記製造時流延工程を経て得られたフィルムには、前記接触切断工程ではなく、前記非接触切断工程を行い、調整時流延工程を経て得られたフィルムには、前記接触切断工程を行うことによって、前記防止部材の接触時間を減らしても、樹脂フィルム製造の継続を阻害するようなフィルムの裂けの発生を好適に抑制できる。
また、前記製造時流延工程を経て得られたフィルムには、前記防止部材を接触させていないので、前記防止部材を接触させることによる不具合の発生を抑制できる。前記防止部材を接触させることによる不具合とは、例えば、前記防止部材として、粘着テープを用いた場合、得られた樹脂フィルムに粘着テープが貼られた状態になることが考えられる。また、粘着テープを剥がしたとしても、粘着テープの粘着成分が樹脂フィルムに残存することが考えられる。前記製造時流延工程を経て得られたフィルムには、前記非接触切断工程を行うことによって、このような不具合の発生も防止できる。
また、前記樹脂フィルムの製造方法において、前記接触切断工程において、前記フィルムと前記防止部材とが密着するように積層されていることが好ましい。
このような構成によれば、前記接触切断工程におけるフィルムの裂けを防止する効果を高めることができる。よって、樹脂フィルムの製造中に、製造の継続を阻害するようなフィルムの裂けの発生をより抑制できる。
また、前記樹脂フィルムの製造方法において、前記防止部材が、粘着テープであることが好ましい。
このような構成によれば、前記防止部材を、フィルムへ容易に接触させることができ、その接触状態を容易に維持することができる。このため、接触切断工程を容易に行うことができ、製造の継続を阻害するようなフィルムの裂けの発生をより容易に抑制できる。
また、前記樹脂フィルムの製造方法において、前記樹脂フィルムの膜厚が、5〜25μmであることが好ましい。
このような薄い樹脂フィルムを製造する場合は、フィルムが裂けやすい。特に、このような薄い樹脂フィルムを製造するための所定の条件になるように、条件を調整しながら流延する調整時流延工程を経て得られたフィルムは、裂けやすい。このような薄い樹脂フィルムを製造する場合であっても、上記製造方法によれば、樹脂フィルムの製造中に、製造の継続を阻害するようなフィルムの裂けの発生を容易に抑制できる。
本発明によれば、樹脂フィルムの製造中に、製造の継続を阻害するようなフィルムの裂けの発生を容易に抑制できる樹脂フィルムの製造方法を提供することができる。
図1は、本発明の実施形態における、樹脂フィルムの製造装置の基本的な構成の一例を示す概略図である。 図2は、本実施形態に係る樹脂フィルムの製造方法における、切断を説明するための概略図である。 図3は、図2の切断面線III−IIIからみた、切断位置周辺を示す断面図である。
以下、本発明に係る実施形態について説明するが、本発明は、これらに限定されるものではない。
本実施形態に係る樹脂フィルムの製造方法は、フィルムを搬送しながら、前記フィルムの搬送方向に垂直な方向の少なくとも一方の端部を切断して、切断された端部フィルムを除去することによって、樹脂フィルムを形成する。その際、前記フィルムの、前記切断後に除去せず残存する側の前記切断の位置の近傍に、前記切断の際に前記フィルムが裂けることを防止する防止部材を接触させながら、前記フィルムを切断する。
本実施形態に係る樹脂フィルムの製造方法は、上記のような切断によって、フィルムの端部を切断して、切断された端部フィルムを除去することで、樹脂フィルムを製造する方法であれば、特に限定されない。具体的には、例えば、溶液流延製膜法や溶融流延製膜法等において、支持体からフィルムを剥離した後、ロール状に巻き取るまでの所定の位置で、フィルムを切断することによって、樹脂フィルムを製造する方法等が挙げられる。
以下、溶液流延製膜法によって、樹脂フィルムを製造する方法について、説明する。
本実施形態において、溶液流延製膜法を用いた樹脂フィルムの製造方法は、透明性樹脂を含有する樹脂溶液(ドープ)を、走行する支持体上に流延ダイから流延して流延膜(ウェブ)を形成する流延工程と、前記流延膜を前記支持体からフィルムとして剥離する剥離工程とを備える。また、樹脂フィルムの製造方法としては、上記各工程に加えて、剥離したフィルムを延伸させる延伸工程や剥離したフィルムを乾燥させる乾燥工程を備えていてもよい。また、樹脂フィルムの製造方法は、延伸工程や乾燥工程を施した樹脂フィルムをロール状に巻き取る巻取工程を備えていてもよい。
また、樹脂フィルムの製造方法は、支持体から剥離したフィルムを搬送しながら、上記のような切断によって、フィルムの端部を切断して、切断された端部フィルムを除去することによって、樹脂フィルムとなる部分を残存させ、その残存した部分に、所定の処理を施して、樹脂フィルムを製造する。すなわち、樹脂フィルムの製造方法は、剥離工程の後に、上記切断を行う切断工程を備えていればよく、具体的には、巻取工程を備えている場合には、剥離工程の後であって、巻取工程の前に、前記切断工程を行う。より具体的には、切断工程は、剥離工程、延伸工程、乾燥工程、及び巻取工程等の各工程間に行われる。以下、切断工程を、剥離工程と乾燥工程との間に行われる樹脂フィルムの製造方法を一例に挙げ、説明する。
そして、樹脂フィルムの製造方法としては、例えば、図1に示すような溶液流延製膜法による樹脂フィルムの製造装置等によって行う方法等が挙げられる。なお、樹脂フィルムの製造装置は、図1に示すもの限定されず、他の構成のものであってもよい。また、図1は、本発明の実施形態における、樹脂フィルムの製造装置の基本的な構成の一例を示す概略図である。また、ここでのフィルムとは、支持体上に流延されたドープからなる流延膜(ウェブ)が支持体上で乾燥され、支持体から剥離しうる状態となった以後のものをいう。
樹脂フィルムの製造装置は、無端ベルト支持体11、流延ダイ20、剥離ローラ13、延伸装置16、乾燥装置17、巻取装置19、及び切断装置30等を備える。流延ダイ20は、透明性樹脂を含有する樹脂溶液(ドープ)14をリボン状に吐出して、無端ベルト支持体11の表面上に流延する。前記無端ベルト支持体11は、一対のローラ12によって駆動可能に支持され、流延ダイ20から流延された樹脂溶液14からなる流延膜(ウェブ)を形成し、搬送しながら、前記剥離ローラ13で剥離可能な程度まで乾燥させる。そして、前記剥離ローラ13は、ある程度乾燥した流延膜を前記無端ベルト支持体11から剥離して、フィルム15を得る。剥離されたフィルム15は、延伸装置16によって、幅方向等の所定の方向に延伸される。延伸されたフィルム15は、切断装置30によって、フィルムの端部を切断して、除去する。また、切断後に除去せず残存させたフィルム15は、乾燥装置17によって、さらに乾燥され、乾燥されたフィルムFを樹脂フィルムとして巻取装置19によって、ロール状に巻き取る。切断装置30は、無端ベルト支持体11から剥離したフィルムの端部を切断する。また、この切断装置30は、無端ベルト支持体11からフィルムが剥離されてから、巻取装置19で巻き取られるまでの間に、フィルムを切断できる位置に備えられていればよい。
前記流延ダイ20は、ドープ14をリボン状に吐出して、無端ベルト支持体11の表面上に流延することができれば、特に限定されない。前記流延ダイ20は、上端部に接続されたドープ供給管からドープが供給される。そして、その供給されたドープが前記流延ダイ20から前記無端ベルト支持体11に吐出され、前記無端ベルト支持体11上にウェブが形成される。
無端ベルト支持体11は、図1に示すように、無限に走行する無端ベルトであり、例えば、表面が鏡面の、無限に走行する金属製の無端ベルト等が好ましく用いられる。無端ベルトとしては、流延膜の剥離性の点から、例えば、ステンレス鋼等からなるベルトが好ましく用いられる。流延ダイ20によって流延する流延膜の幅は、無端ベルト支持体11の幅を有効活用する観点から、無端ベルト支持体11の幅に対して、80〜99%とすることが好ましい。そして、例えば、最終的に1000〜4000mmの幅の樹脂フィルムを得るためには、無端ベルト支持体11の幅は、1800〜4500mmであることが好ましい。また、無端ベルト支持体の代わりに、ドラム支持体を用いてもよい。このドラム支持体としては、例えば、表面が鏡面の、回転する金属製のドラム等が好ましく用いられる。
そして、無端ベルト支持体11は、その表面上に形成された流延膜(ウェブ)を搬送しながら、ドープ中の溶媒を乾燥させる。前記乾燥は、例えば、無端ベルト支持体11を加熱したり、加熱風をウェブに吹き付けることによって行う。
延伸装置16は、無端ベルト支持体11から剥離されたフィルム15を、ウェブの搬送方向と直交する方向(Transverse Direction:TD方向)に延伸させる。具体的には、フィルムの搬送方向に垂直な方向の両端部をクリップ等で把持して、対向するクリップ間の距離を大きくすることによって、TD方向に延伸する。
切断装置30は、無端ベルト支持体11から剥離したフィルムの端部を切断する。また、この切断装置30は、無端ベルト支持体11からフィルムが剥離されてから、巻取装置19で巻き取られるまでの間に、フィルムを切断できる位置に備えられていればよい。具体的には、前記切断装置30は、図1に示すように、前記延伸装置16と前記乾燥装置17との間に備えていてもよい。また、前記切断装置30は、前記剥離ローラ13と前記延伸装置16との間、前記延伸装置16と前記乾燥装置17との間、前記乾燥装置17と前記巻取装置19との間の、3箇所に備えてもよいし、そのうちの1箇所又は2箇所に備えてもよい。
また、切断装置30は、図1及び図2に示すように、フィルム15(35)を搬送しながら、フィルム15の搬送方向に垂直な方向(幅方向)の両端部を、切断手段31で切断する。なお、ここでは両端部を切断するが、どちらか一方を切断するものであってもよい。そして、切断装置30は、切断された端部フィルム34を、樹脂フィルムの製造工程から除去して、残存するフィルム35を樹脂フィルムとして形成する。なお、図2は、本実施形態に係る樹脂フィルムの製造方法における、切断を説明するための概略図である。
前記切断装置30は、切断手段31、ガイドローラ32、及び処理装置33等を備える。前記切断手段31は、搬送されてきたフィルム15の幅方向の端部を切り取って、切り取られたフィルムの残部35が、その後の処理を経て、最終的な製品である樹脂フィルムとなるように切断する。その際、切り取った端部は、端部フィルム34として処理される。前記ガイドローラ32は、前記端部フィルム34を、フィルム35の搬送から分離して、処理装置33に案内する。前記処理装置33は、搬送された端部フィルム34を、樹脂フィルムの原料等にするために、粉砕等の処理を施す。
前記切断手段31は、搬送されてきたフィルムの端部を切断することができれば、特に限定されない。前記切断手段31としては、例えば、トリムカッタ等が挙げられ、より具体的には、上丸刃及び下丸刃からなる切断刃を備えた回転円板式のものやナイフ式のもの等が挙げられる。
前記ガイドローラ32は、切断された端部フィルム34を、処理装置33に案内できれば、特に限定されない。前記ガイドローラ32としては、処理装置33に案内可能な位置に配置された、端部フィルム34の搬送に従動する従動ローラ等が挙げられる。
また、前記処理装置33は、樹脂フィルムを製造する際、切断されて除去されたフィルムを処理するために一般的に用いられる装置であれば、特に限定されない。前記処理装置33としては、例えば、回収された端部フィルムを、樹脂フィルムの原料等に再利用できるように処理する装置等が挙げられる。
また、前記切断装置30で切断するフィルム15には、図2及び図3に示すように、切断位置37、すなわち、前記切断手段31で切断する位置37の近傍に、前記切断の際にフィルムが裂けることを防止する防止部材36を接触させる。この防止部材36は、フィルム15の、前記切断後に除去せず残存する側、すなわち、残存するフィルム35となる側の、切断位置37の近傍に接触させる。そうすることによって、前記切断の際に、フィルムが裂けたとしても、その裂けは、防止部材で防止される。よって、発生した裂けは、切断位置と防止部材との間のみとなる。このことにより、この裂けによって、樹脂フィルムの製造を中断することが抑制される。なお、図3は、図2の切断面線III−IIIからみた、切断位置周辺を示す断面図である。
また、本実施形態に係る樹脂フィルムの製造方法における前記切断であれば、前記防止部材36を前記フィルム15(35)に接触させていても、前記防止部材36は切断しない。このことから、前記防止部材36の接触の有無にかかわらず、前記切断手段31によって切断する切断対象物の厚みは変わらない。このため、本実施形態に係る樹脂フィルムの製造方法は、フィルムの裂けが発生しやすい状況のみに、このような防止部材を接触させた状態での切断である接触切断工程を行い、フィルムの裂けが発生しにくい状況では、防止部材を接触させずに切断する非接触切断工程を行うことができる。
また、前記樹脂フィルムの製造方法は、樹脂フィルムの製造開始直後から、樹脂フィルムを製造するための所定の条件にならないことが多い。このため、前記流延工程としては、前記樹脂フィルムを製造するための所定の条件で流延する製造時流延工程と、前記製造時流延工程の前に、前記所定の条件になるように調整しながら流延する調整時流延工程とを備え、それらの工程が連続して行われるようにすることが多い。そして、製造条件を、所定の条件にして製造した製造時流延工程を経て得られた樹脂フィルムは、裂けが発生しにくい条件で樹脂フィルムを製造することが多い。これに対して、樹脂フィルムの製造開始直後から所定の条件になるまでの調整時流延工程を経て得られた樹脂フィルムは、裂けが発生しやすい。このため、前記製造時流延工程を経て得られたフィルムには、前記非接触切断工程を行い、前記調整時流延工程を経て得られたフィルムには、前記接触切断工程を行うことが好ましい。前記製造時流延工程を経て得られたフィルムには、前記接触切断工程ではなく、前記非接触切断工程を行い、調整時流延工程を経て得られたフィルムには、前記接触切断工程を行うことによって、前記防止部材の接触時間を減らしても、樹脂フィルム製造の継続を阻害するようなフィルムの裂けの発生を好適に抑制できる。
また、前記防止部材36と前記切断位置37との距離Dは、5〜100mmであることが好ましく、15〜50mmであることがより好ましい。この距離Dが短すぎると、フィルムの搬送にぶれが生じた際に、切断手段31が防止部材36にあたり、防止部材36をも切断しなければならなくなるおそれがある。また、上記距離Dが長すぎると、フィルム35に裂けが発生した場合、その形成される裂けが大きくなり、樹脂フィルムの製造の中断を充分に抑制できない傾向がある。
また、前記防止部材36は、少なくとも前記切断時に、前記フィルム15と接触していればよいが、密着するように接触していることが好ましい。そうすることによって、前記防止部材36によるフィルム35の裂けを防止する効果がより高まる。
また、前記防止部材36は、前記フィルム15(35)と接触させることで、前記フィルム35の裂けを防止することができる部材であれば、特に限定されない。前記防止フィルムとしては、具体的には、上記密着状態での接触を容易に実現できる点等から、粘着テープが好ましく用いられる。また、再利用しうる端部フィルムには、粘着テープを貼らないので、粘着テープが再利用を阻害することがない。また、樹脂フィルムを製造する際には、非接触切断工程を施せば、この粘着テープが樹脂フィルムに貼り付けられることがなくなる。
乾燥装置17は、複数の搬送ローラを備え、そのローラ間をフィルムを搬送させる間にフィルムを乾燥させる。その際、図1に示すように、加熱空気18を、乾燥装置17内に流通させることによって乾燥してもよいし、赤外線等を用いて乾燥してもよいし、または、加熱空気と赤外線とを併用して乾燥してもよい。簡便さの点から加熱空気を用いることが好ましい。
巻取装置19は、乾燥装置17で所定の残留溶媒率となったフィルムFを、巻き芯に巻き取る。また、フィルムFを巻き芯に巻き取る前に、フィルムの幅方向両端部にホットエンボス機構によりエンボス加工を施してもよい。なお、巻き取る際の温度は、巻き取り後の収縮によるすりきず、巻き緩み等を防止するために室温まで冷却することが好ましい。使用する巻取装置は、特に限定なく使用でき、一般的に使用されている巻取装置でよく、定テンション法、定トルク法、テーパーテンション法、内部応力一定のプログラムテンションコントロール法等の巻き取り方法で巻き取ることができる。
また、樹脂フィルムの製造装置は、本実施形態に係る樹脂フィルムの製造方法を実施できれば、特に限定されない。具体的には、樹脂フィルムの製造装置は、延伸装置や乾燥装置を備えていなくてもよく、また、それぞれが1つずつではなく、複数個ずつ備えられたものであってもよい。
以下、本実施形態で使用する樹脂溶液(ドープ)の組成について説明する。
本実施形態で使用する樹脂溶液(ドープ)は、透明性樹脂を溶媒に溶解させたものである。
前記透明性樹脂は、溶液流延製膜法等によって基板状に成形したときに透明性を有する樹脂であればよく、特に制限されないが、溶液流延製膜法等による製造が容易であること、ハードコート層等の他の機能層との接着性に優れていること、光学的に等方性であること等が好ましい。なお、ここで透明性とは、可視光の透過率が60%以上であることであり、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上である。
前記透明性樹脂としては、具体的には、例えば、セルロースジアセテート樹脂、セルローストリアセテート樹脂、セルロースアセテートブチレート樹脂、セルロースアセテートプロピオネート樹脂等のセルロースエステル系樹脂;ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂等のポリエステル系樹脂;ポリメチルメタクリレート樹脂等のアクリル系樹脂;ポリスルホン(ポリエーテルスルホンも含む)系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、セロファン、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、エチレンビニルアルコール樹脂、シンジオタクティックポリスチレン系樹脂、シクロオレフィン系樹脂、ポリメチルペンテン樹脂等のビニル系樹脂;ポリカーボネート系樹脂;ポリアリレート系樹脂;ポリエーテルケトン樹脂;ポリエーテルケトンイミド樹脂;ポリアミド系樹脂;フッ素系樹脂等を挙げることができる。これらの中でも、セルロースエステル系樹脂、シクロオレフィン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリスルホン(ポリエーテルスルホンを含む)系樹脂が好ましい。さらに、セルロースエステル系樹脂が好ましく、セルロースエステル系樹脂の中でも、セルロースアセテート樹脂、セルロースプロピオネート樹脂、セルロースブチレート樹脂、セルロースアセテートブチレート樹脂、セルロースアセテートプロピオネート樹脂、セルローストリアセテート樹脂が好ましく、セルローストリアセテート樹脂が特に好ましい。また、前記透明性樹脂は、上記例示した透明性樹脂を単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
次に、前記セルロースエステル系樹脂について説明する。
セルロースエステル系樹脂の数平均分子量は、30000〜200000であることが、樹脂フィルムに成型した場合の機械的強度が強く、かつ、溶液流延製膜法において適度なドープ粘度となる点で好ましい。また、重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)が、1〜5の範囲内であることが好ましく、1.4〜3の範囲内であることがより好ましい。
また、セルロースエステル系樹脂等の樹脂の平均分子量及び分子量分布は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーや高速液体クロマトグラフィーを用い測定できる。よって、これらを用いて数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)を算出し、その比を計算することができる。
セルロースエステル系樹脂は、置換基として、アシル基、具体的には、炭素数が2〜4のアシル基を有しているものが好ましい。このアシル基の置換度としては、例えば、2.2〜2.95であることが好ましい。また、その置換度としては、例えば、アセチル基の置換度をX、プロピオニル基又はブチリル基の置換度をYとした時、XとYとの合計値が2.2以上2.95以下であって、Xが0より大きく2.95以下であることが好ましい。
また、アシル基で置換されていない部分は通常水酸基として存在している。これらのセルロースエステル系樹脂は、公知の方法で合成することができる。アシル基の置換度の測定方法は、ASTM−D817−96の規定に準じて測定することができる。
本実施形態で使用される溶媒は、前記透明性樹脂に対する良溶媒を含有する溶媒を用いることができる。前記良溶媒は、使用する透明性樹脂によって異なる。例えば、透明性樹脂がセルロースエステル系樹脂の場合、セルロースエステルのアシル基置換度によって、良溶媒と貧溶媒とが変わり、例えばアセトンを溶媒として用いる時には、セルロースエステルの酢酸エステル(アセチル基置換度2.4)、セルロースアセテートプロピオネートでは良溶媒になり、セルロースの酢酸エステル(アセチル基置換度2.8)では貧溶媒となる。したがって、使用する透明性樹脂により、良溶媒及び貧溶媒が異なってくるので、一例としてセルロースエステル系樹脂の場合について説明する。
セルロースエステル系樹脂に対する良溶媒としては、例えば、メチレンクロライド等の有機ハロゲン化合物、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸アミル、アセトン、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、1,4−ジオキサン、ジオキソラン誘導体、シクロヘキサノン、蟻酸エチル、2,2,2−トリフルオロエタノール、2,2,3,3−ヘキサフルオロ−1−プロパノール、1,3−ジフルオロ−2−プロパノール、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−メチル−2−プロパノール、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール、2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−1−プロパノール、ニトロエタン等が挙げられる。これらの中でも、メチレンクロライド等の有機ハロゲン化合物、ジオキソラン誘導体、酢酸メチル、酢酸エチル、アセトン等が好ましい。これらの中でも、メチレンクロライドが好ましい。これらの良溶媒は、単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
また、ドープには、透明性樹脂が析出してこない範囲で、貧溶媒を含有させてもよい。セルロースエステル系樹脂に対する貧溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール等の炭素原子数1〜8のアルコール、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸プロピル、モノクロルベンゼン、ベンゼン、シクロヘキサン、テトラヒドロフラン、メチルセルソルブ、エチレングリコールモノメチルエーテル等が挙げられる。これらの中でも、エタノールが好ましい。これらの貧溶媒は、単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
また、本実施形態で使用される樹脂溶液は、本発明の効果を阻害しない範囲で、前記透明性樹脂、及び前記溶媒以外の他の成分(添加剤)を含有してもよい。前記添加剤としては、例えば、微粒子、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、熱安定化剤、導電性物質、難燃剤、滑剤、及びマット剤等が挙げられる。
次にドープを調製する方法の一例として、透明性樹脂としてセルロースエステル系樹脂を用いた場合について説明する。
ドープを調製する時の、セルロースエステル系樹脂の溶解方法としては、特に限定なく、一般的な方法を用いることができる。加熱と加圧を組み合わせることによって、常圧における溶媒の沸点以上に加熱できることを利用し、常圧における沸点以上で溶媒にセルロースエステル系樹脂を溶解させることが、ゲルやママコと呼ばれる塊状未溶解物の発生を防止する点から好ましい。また、セルロースエステル系樹脂を貧溶媒と混合して湿潤又は膨潤させた後、さらに良溶媒を添加して溶解する方法も好ましく用いられる。
次に、得られたセルロースエステル系樹脂の溶液を濾紙等の適当な濾過材を用いて濾過する。
以上のような、本実施形態に係る樹脂フィルムの製造方法によれば、膜厚の薄い樹脂フィルムを製造する場合であっても、フィルムが裂けることによる、樹脂フィルムの製造継続を阻害することを充分に抑制できる。すなわち、樹脂フィルムの製造中に、製造の継続を阻害するようなフィルムの裂けの発生を容易に抑制できる。
また、前記樹脂フィルムの厚み(膜厚)は、5〜25μm以下であることが好ましい。このような膜厚であれば、液晶表示装置の薄型化や樹脂フィルムの安定生産性等から好ましい。一方で、膜厚の薄い樹脂フィルムを製造しようとすると、フィルムの裂けが発生しやすい。そうであったとしても、本実施形態に係る樹脂フィルムの製造方法であれば、これらの不具合の発生を充分に抑制できる。よって、液晶表示装置の薄型化等を好適に実現できる樹脂フィルムを安定的に得られる。なお、ここでの膜厚とは、平均膜厚のことである。この測定方法としては、例えば、株式会社ミツトヨ製の接触式膜厚計により、光学フィルムの幅方向に20〜200箇所、膜厚を測定し、その測定値の平均値を膜厚として算出する。
また、ここで得られる樹脂フィルムの幅は、大型の液晶表示装置への使用、偏光板加工時の樹脂フィルムの使用効率、生産効率の点から、1000〜4000mmであることが好ましい。
(偏光板)
本実施形態に係る樹脂フィルムの製造方法によって得られた樹脂フィルムは、偏光板の保護フィルムとして用いることができる。このように樹脂フィルムを保護フィルムとして用いた偏光板は、偏光素子と、前記偏光素子の表面上に配置された透明保護フィルムとを備え、前記透明保護フィルムが、前記樹脂フィルムである。前記偏光素子とは、入射光を偏光に変えて射出する光学素子である。
前記偏光板としては、例えば、ポリビニルアルコール系フィルムをヨウ素溶液中に浸漬して延伸することによって作製される偏光素子の少なくとも一方の表面に、完全鹸化型ポリビニルアルコール水溶液を用いて、前記樹脂フィルムを貼り合わせたものが好ましい。また、前記偏光素子のもう一方の表面にも、前記樹脂フィルムを積層させてもよいし、別の偏光板用の透明保護フィルムを積層させてもよい。
前記偏光板は、上述のように、偏光素子の少なくとも一方の表面側に積層する保護フィルムとして、前記樹脂フィルムを使用したものである。その際、前記樹脂フィルムが位相差フィルムとして働く場合、樹脂フィルムの遅相軸が偏光素子の吸収軸に実質的に平行または直交するように配置されていることが好ましい。
このような偏光板は、透明保護フィルムとして、本実施形態に係る樹脂フィルムを用いている。この樹脂フィルムは、薄くても、高品質である。このため、得られた偏光板も、薄くても、高品質である。よって、得られた偏光板は、例えば、液晶表示装置に適用した際に、液晶表示装置の高画質化を実現できるものである。
(液晶表示装置)
また、前記偏光板は、液晶表示装置の偏光板として用いることができる。前記偏光板を備えた液晶表示装置は、液晶セルと、前記液晶セルを挟むように配置された2枚の偏光板とを備え、前記2枚の偏光板のうち少なくとも一方が、前記偏光板である。なお、液晶セルとは、一対の電極間に液晶物質が充填されたものであり、この電極に電圧を印加することで、液晶の配向状態が変化され、透過光量が制御される。このような液晶表示装置は、偏光板用の透明保護フィルムとして、前記偏光板を用いる。そうすることによって、コントラスト等が向上された、高画質な液晶表示装置が得られる。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[実施例]
(ドープの調製)
まず、メチレンクロライド418質量部及びエタノール23質量部を入れた溶解タンクに、透明性樹脂としてセルローストリアセテート樹脂(アセチル基の置換度2.88)100質量部を添加し、さらに、トリフェニルホスフェート8質量部、エチルフタリルエチルグリコール2質量部、チヌビン326(BASFジャパン株式会社製)1質量部、及びアエロジル200V(日本アエロジル株式会社製)0.1質量部を添加した。そして、液温が80℃になるまで昇温させた後、3時間攪拌した。そうすることによって、樹脂溶液が得られた。その後、攪拌を終了し、液温が43℃になるまで放置した。そして、放置後の樹脂溶液を、濾過精度0.005mmの濾紙を使用して濾過した。濾過後の樹脂溶液を一晩放置することにより、樹脂溶液中の気泡を脱泡させた。このようにして得られた樹脂溶液を、ドープとして使用して、以下のように、樹脂フィルムを製造した。
(樹脂フィルムの製造)
まず、得られたドープの温度を35℃に、無端ベルト支持体の温度を20℃に調整した。そして、図1に示すような樹脂フィルムの製造装置を用い、まず、走行速度5m/分の無端ベルト支持体に流延ダイ(コートハンガーダイ)からドープを流延しはじめた。
また、無端ベルト支持体としては、ステンレス鋼(SUS316製)、かつ走査型原子間力顕微鏡(AFM)による3次元表面粗さ(Ra)が、平均1.0nmの超鏡面に研磨したエンドレスベルトからなる無端ベルト支持体を用いた。
そして、無端ベルト支持体側の乾燥機から、30℃の乾燥風を、無端ベルト支持体上のウェブに送ることによって、ウェブを乾燥させる。その乾燥したウェブを、無端ベルト支持体からフィルムとして剥離した。
剥離したフィルムを、搬送ローラで搬送しながら、残留溶媒率が80質量%まで乾燥した。その乾燥したフィルムを、延伸装置(テンター)を用いて、150℃の環境下で、フィルムの両端をクリップで把持しながら、TD方向に6%延伸した後、クリップを解放した。
この延伸したフィルムのクリップ痕が形成されている両端部を切断した。この切断の前に、粘着テープを、切断予定位置の内側近傍に貼着した。
そして、切断されたフィルムを、搬送ローラで搬送しながら、乾燥装置を用いて125℃で乾燥させた。その後、乾燥したフィルムを巻取装置で巻き取ることによって、ロール状に巻き取られた樹脂フィルムが得られた。
その後、無端ベルト支持体の走行速度を徐々に上げて、樹脂フィルムを製造した。その際には、粘着テープの貼着をせずに、樹脂フィルムを製造した。
このようにして得られた樹脂フィルムは、膜厚15μm、幅2000mm、巻取長3000mのセルローストリアセテートフィルムであった。
[比較例1]
粘着テープを用いなかったこと以外、実施例1と同様である。
[比較例2]
切断位置を覆うように、フィルム全面に粘着テープを貼着したこと以外、実施例1と同様である。
実施例では、樹脂フィルムの製造を停止することなく、安定的に樹脂フィルムを製造することができた。また、切断により除去した端部フィルムには、粘着テープが貼着されていないので、再利用可能であった。
これに対して、比較例1では、樹脂フィルムの製造中に、製造を継続できない程度のフィルムの裂けが発生した。
また、比較例2では、切断により除去した端部フィルムに、粘着テープが貼着されているので、再利用が困難であった。また、比較例2では、フィルムと粘着テープとの両方を切断する。そして、製造中に、粘着テープの貼着をやめると、急にフィルムのみを切断することになり、好適な切断を実現することが困難であった。
F フィルム
11 無端ベルト支持体
13 剥離ローラ
14 樹脂溶液(ドープ)
15 フィルム
16 延伸装置
17 乾燥装置
19 巻取装置
20 流延ダイ
30 切断装置
31 切断手段
32 ガイドローラ
33 処理装置
34 端部フィルム
36 防止部材
37 切断位置

Claims (6)

  1. フィルムを搬送しながら、前記フィルムの搬送方向に垂直な方向の少なくとも一方の端部を切断して、切断された端部フィルムを除去することによって、樹脂フィルムを形成する際、前記フィルムの、前記切断後に除去せず残存する側の前記切断の位置の近傍に、前記切断の際に前記フィルムが裂けることを防止する防止部材を接触させながら、前記フィルムを切断することを特徴とする樹脂フィルムの製造方法。
  2. 透明性樹脂を含有する樹脂溶液を、走行する支持体上に流延ダイから流延して流延膜を形成する流延工程と、
    前記支持体から前記流延膜をフィルムとして剥離する剥離工程と、
    前記フィルムを搬送しながら、前記フィルムの搬送方向に垂直な方向の少なくとも一方の端部を切断して、切断された端部フィルムを除去することによって、樹脂フィルムを形成する切断工程とを備え、
    前記切断工程が、前記フィルムの、前記切断後に除去せず残存する側の前記切断の位置の近傍に、前記切断の際に前記フィルムが裂けることを防止する防止部材を接触させながら、前記フィルムを切断する接触切断工程を備えることを特徴とする樹脂フィルムの製造方法。
  3. 前記流延工程が、前記樹脂フィルムを製造するための所定の条件で流延する製造時流延工程と、前記製造時流延工程の前に、前記所定の条件になるように調整しながら流延する調整時流延工程とを備え、
    前記切断工程が、前記接触切断工程と、前記防止部材を接触させずに、前記フィルムを切断する非接触切断工程とを備え、
    前記製造時流延工程を経て得られたフィルムには、前記非接触切断工程を行い、
    前記調整時流延工程を経て得られたフィルムには、前記接触切断工程を行う請求項2に記載の樹脂フィルムの製造方法。
  4. 前記接触切断工程において、前記フィルムと前記防止部材とが密着するように積層されている請求項2又は請求項3に記載の樹脂フィルムの製造方法。
  5. 前記防止部材が、粘着テープである請求項1〜4のいずれか1項に記載の樹脂フィルムの製造方法。
  6. 前記樹脂フィルムの膜厚が、5〜25μmである請求項1〜5のいずれか1項に記載の樹脂フィルムの製造方法。
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CN115697575A (zh) * 2020-07-03 2023-02-03 东洋纺株式会社 树脂膜及其制造方法

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